JP7307716B2 - 間隙カバー要素を有するピストンシールリングアセンブリ - Google Patents

間隙カバー要素を有するピストンシールリングアセンブリ Download PDF

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Description

本開示は、ピストンシールリングアセンブリを対象とし、より具体的に、本開示は、シールリングアセンブリが摩耗するときにシールを維持する間隙カバー要素を含むピストンシールリングアセンブリを対象とする。本願は、その開示が、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる2017年8月9日に出願された米国仮特許出願第62/543,299号および2017年8月9日に出願された第62/543,296号の利益を主張する。
いくつかの状況では、シールが、交換を必要とする前に可能な限り長期間にわたって機能すること(例えば、長い保守間隔)が、望ましい。例えば、典型的な標的は、数百または数千時間の動作であり得る。これらの稼働時間全体を通して、シールは、半径方向に摩耗し得る。半径方向の摩耗を補償するために、シールは、1つ以上のリングセグメントに分割され、圧力が、リングセグメントを外向きに拡張させ、摩耗を介して除去される材料にもかかわらず、シリンダ壁とのシール接触を維持することを可能にし得る。例えば、リングセグメント間に結果として生じる間隙の円周方向の合計弧長は、2×円周率×ΔR(式中、ΔRは、シールの半径方向摩耗量である)だけ開放する。例えば、自己潤滑性材料が、摩耗率が従来の油潤滑シールのそれらより比較的に高くあり得るシールのために使用される場合、間隙は、容認できない漏出流をもたらす量まで開放し得る。この漏出は、シールの性能、したがって、有効動作寿命を限定する。
加えて、リング間隙が、前部(すなわち、高圧領域)から覆われ、シールの後部(すなわち、低圧領域)に開放し、したがって、シールの前部に対して低圧にある場合、前部リングが後部リング内の間隙に架かっているので、高い曲げ応力が、前部カバーリングに生じ得る。間隙幅が、より大きくなるにつれて(例えば、シールが、摩耗するにつれて)、前部部分における曲げ応力が、劇的に増加し得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、シールリングアセンブリを対象とする。シールリングアセンブリは、リングと、間隙カバー要素とを含む。リングは、界面を画定する、第1の端面と、第2の端面とを含む。第1および第2の端面のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面する。リングは、リングが摩耗するにつれて、界面が広くなることを引き起こすように構成される。間隙カバー要素は、第1および第2の端面に対してシールを形成するように構成される。間隙カバー要素は、界面が、広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動し、シールを維持するようにさらに構成される。
いくつかの実施形態では、リングは、ボアに対してシールするように構成される半径方向外側表面を含み、間隙カバー要素は、リングが摩耗するにつれて、ボアに対してシールするように構成される半径方向外側表面を備えている。界面が広くなるにつれて、間隙カバー要素の半径方向外側表面の少なくとも一部が、広くなるように構成される。
いくつかの実施形態では、第1および第2の端面は、楔形状の陥凹を形成し、間隙カバー要素は、楔形状の陥凹と係合するように構成される楔を含む。
いくつかの実施形態では、リングは、低圧領域と接触するように構成される後部面を含み、間隙カバー要素は、後部面に隣接して第1および第2の端面とのシールを形成するように構成される。
いくつかの実施形態では、リングは、第1のリングであり、シールリングアセンブリは、第2のリングを含む。第2のリングは、第1のリングに軸方向に隣接して配置され、第1のリングに対して、かつ間隙カバー要素に対して軸方向にシールするように構成される少なくとも1つのリングセグメントを含む。
いくつかの実施形態では、リングおよび1つの間隙カバー要素のうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的にそれぞれの自己潤滑性材料から作製される。
いくつかの実施形態では、リングおよび間隙カバー要素は、オイルレス動作のために構成される。
いくつかの実施形態では、界面は、第1の界面であり、間隙カバー要素は、第1の間隙カバー要素であり、リングは、第2の界面を画定する第3の端面と第4の端面とを含む。第3および第4の端面の各々は、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、リングは、リングが摩耗するにつれて、第2の界面が広くなることを引き起こすように構成される。シールリングアセンブリは、第3および第4の端面に対して第2のシールを形成するように構成される第2の間隙カバー要素を含み、第2の間隙カバー要素は、第2の界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動し、第2のシールを維持するように構成される。
いくつかの実施形態では、リングは、少なくとも2つのリングセグメントを含む。
いくつかの実施形態では、リングは、界面を画定する第1の軸端面と第2の軸端面とをさらに含み、間隙カバー要素は、第1および第2の軸端面に対してシールするようにさらに構成される。
いくつかの実施形態では、第1および第2の端面のうちの少なくとも一方は、方位角成分と、半径方向成分とを含む。例えば、少なくとも1つの面が、半径方向に対してある角度における面を含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、ピストンアセンブリを対象とする。ピストンアセンブリは、ピストンの外側表面の周囲に延びている円周方向溝を有するピストンと、円周方向溝の中に配置されるシールリングアセンブリとを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、シリンダと、ピストンと、シールリングアセンブリとを含むデバイスを対象とする。シリンダは、ボアを含み、ピストンは、ピストンの外側表面の周囲に延びている円周方向溝を含み、ピストンは、ボア内で軸方向に平行移動するように構成される。シールリングアセンブリは、円周方向溝の中に配置され、シールリングアセンブリは、ボアに対してシールするように構成される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
シールリングアセンブリであって、前記シールリングアセンブリは、
界面を画定する第1の端面と第2の端面とを備えているリングであって、前記第1および第2の端面のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記界面が広くなることを引き起こすように構成されている、リングと、
前記第1および第2の端面に対してシールを形成するように構成された間隙カバー要素と
を備え、
前記間隙カバー要素は、前記界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動し、前記シールを維持するように構成されている、シールリングアセンブリ。
(項目2)
前記リングは、ボアに対してシールするように構成された半径方向外側表面を備え、
前記間隙カバー要素は、前記リングが摩耗するにつれて、前記ボアに対してシールするように構成された半径方向外側表面を備え、
前記界面が広くなるにつれて、前記間隙カバー要素の前記半径方向外側表面の少なくとも一部が、広くなるように構成されている、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目3)
前記第1および第2の端面は、楔形状の陥凹を形成し、前記間隙カバー要素は、前記楔形状の陥凹と係合するように構成された楔を備えている、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目4)
前記リングは、低圧領域と接触するように構成された後部面を備え、前記間隙カバー要素は、前記後部面に隣接して前記第1および第2の端面との前記シールを形成するように構成されている、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目5)
前記リングは、第1のリングであり、前記シールリングアセンブリは、前記第1のリングに軸方向に隣接して配置された第2のリングをさらに備え、前記第2のリングは、前記第1のリングに対して、かつ前記間隙カバー要素に対して軸方向にシールするように構成された少なくとも1つのリングセグメントを備えている、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目6)
前記リングおよび前記1つの間隙カバー要素のうちの少なくとも1つは、それぞれの自己潤滑性材料から成る、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目7)
前記リングおよび前記間隙カバー要素は、液体潤滑剤なしに動作するように構成されている、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目8)
前記界面は、第1の界面であり、
前記間隙カバー要素は、第1の間隙カバー要素であり、
前記リングは、第2の界面を画定する第3の端面と第4の端面とを備え、前記第3および第4の端面の各々は、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記第2の界面が広くなることを引き起こすように構成され、
前記シールリングアセンブリは、前記第3および第4の端面に対して第2のシールを形成するように構成された第2の間隙カバー要素をさらに備え、
前記第2の間隙カバー要素は、前記第2の界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動し、前記第2のシールを維持するように構成されている、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目9)
前記リングは、少なくとも2つのリングセグメントを備えている、項目8に記載のシールリングアセンブリ。
(項目10)
前記リングは、前記界面をさらに画定する第1の軸端面と第2の軸端面とをさらに備え、
前記間隙カバー要素は、前記第1および第2の軸端面に対してシールするようにさらに構成されている、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目11)
前記第1および第2の端面のうちの前記少なくとも一方は、方位角成分と、半径方向成分とを含む、項目1に記載のシールリングアセンブリ。
(項目12)
ピストンアセンブリであって、前記ピストンアセンブリは、
円周方向溝を備えているピストンであって、前記円周方向溝は、前記ピストンの外側表面の周囲に延びている、ピストンと、
前記円周方向溝の中に配置されたシールリングアセンブリと
を備え、
前記シールリングアセンブリは、
界面を画定する第1の端面と第2の端面とを備えているリングであって、前記第1および第2の端面のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記界面が広くなることを引き起こすように構成されている、リングと、
前記第1および第2の端面に対してシールを形成するように構成された間隙カバー要素と
を備え、
前記間隙カバー要素は、前記界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動し、前記シールを維持するように構成されている、ピストンアセンブリ。
(項目13)
前記リングは、ボアに対してシールするように構成された半径方向外側表面を備え、
前記間隙カバー要素は、前記リングが摩耗するにつれて、前記ボアに対してシールするように構成された半径方向外側表面を備え、
前記界面が広くなるにつれて、前記間隙カバー要素の前記半径方向外側表面の少なくとも一部が、広くなるように構成されている、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目14)
前記第1および第2の端面は、楔形状の陥凹を形成し、前記間隙カバー要素は、前記楔形状の陥凹と係合するように構成された楔を備えている、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目15)
前記リングは、低圧領域と接触するように構成された後部面を備え、前記間隙カバー要素は、前記後部面に隣接して前記第1および第2の端面との前記シールを形成するように構成されている、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目16)
前記リングは、第1のリングであり、前記ピストンアセンブリは、前記第1のリングに軸方向に隣接して配置された第2のリングをさらに備え、前記第2のリングは、前記第1のリングに対して、かつ前記間隙カバー要素に対して軸方向にシールするように構成された少なくとも1つのリングセグメントを備えている、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目17)
前記リングおよび前記1つの間隙カバー要素のうちの少なくとも1つは、それぞれの自己潤滑性材料から成る、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目18)
前記リングおよび前記間隙カバー要素は、液体潤滑剤なしに動作するように構成されている、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目19)
前記界面は、第1の界面であり、
前記間隙カバー要素は、第1の間隙カバー要素であり、
前記リングは、第2の界面を画定する第3の端面と第4の端面とを備え、前記第3および第4の端面の各々は、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記第2の界面が広くなることを引き起こすように構成され、
前記シールリングアセンブリは、前記第3および第4の端面に対して第2のシールを形成するように構成された第2の間隙カバー要素をさらに備え、
前記第2の間隙カバー要素は、前記第2の界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動し、前記第2のシールを維持するように構成されている、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目20)
前記リングは、少なくとも2つのリングセグメントを備えている、項目19に記載のピストンアセンブリ。
(項目21)
前記リングは、前記界面をさらに画定する第1の軸端面と第2の軸端面とをさらに備え、
前記間隙カバー要素は、前記第1および第2の軸端面に対してシールするようにさらに構成されている、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目22)
前記第1および第2の端面のうちの前記少なくとも一方は、方位角成分と、半径方向成分とを含む、項目12に記載のピストンアセンブリ。
(項目23)
デバイスであって、前記デバイスは、
ボアを備えているシリンダと、
円周方向溝を備えているピストンであって、前記円周方向溝は、前記ピストンの外側表面の周囲に延び、前記ピストンは、前記ボア内で軸方向に平行移動するように構成されている、ピストンと、
前記円周方向溝の中に配置されたシールリングアセンブリと
を備え、
前記シールリングアセンブリは、前記ボアに対してシールするように構成され、前記シールリングアセンブリは、
界面を画定する第1の端面と第2の端面とを備えているリングであって、前記第1および第2の端面のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、前記リングが摩耗するにつれて、前記界面が広くなることを引き起こすように構成されている、リングと、
前記第1および第2の端面に対してシールを形成するように構成された間隙カバー要素と
を備え、
前記間隙カバー要素は、前記界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動し、前記シールを維持するように構成されている、デバイス。
(項目24)
前記リングは、前記ボアに対してシールするように構成された半径方向外側表面を備え、
前記間隙カバー要素は、前記リングが摩耗するにつれて、前記ボアに対してシールするように構成された半径方向外側表面を備え、
前記界面が広くなるにつれて、前記間隙カバー要素の前記半径方向外側表面の少なくとも一部が、広くなるように構成されている、項目23に記載のデバイス。
(項目25)
前記第1および第2の端面は、楔形状の陥凹を形成し、前記間隙カバー要素は、前記楔形状の陥凹と係合するように構成された楔を備えている、項目23に記載のデバイス。
(項目26)
前記ボアは、低圧領域を備え、前記リングは、前記低圧領域と接触するように構成された後部面を備え、前記間隙カバー要素は、前記後部面に隣接して前記第1および第2の端面との前記シールを形成するように構成されている、項目23に記載のデバイス。
(項目27)
前記リングは、第1のリングであり、前記デバイスは、前記第1のリングに軸方向に隣接して配置された第2のリングをさらに備え、前記第2のリングは、前記第1のリングに対して、かつ前記間隙カバー要素に対して軸方向にシールするように構成された少なくとも1つのリングセグメントを備えている、項目23に記載のデバイス。
(項目28)
前記リングおよび前記1つの間隙カバー要素のうちの少なくとも1つは、それぞれの自己潤滑性材料から成る、項目23に記載のデバイス。
(項目29)
前記リングおよび前記間隙カバー要素は、液体潤滑剤なしに動作するように構成されている、項目23に記載のデバイス。
(項目30)
前記第1および第2の端面のうちの前記少なくとも一方は、方位角成分と、半径方向成分とを含む、項目23に記載のデバイス。
1つ以上の種々の実施形態による本開示は、以下の図を参照して詳細に説明される。図面は、例証の目的のためのみに提供され、単に、典型的または例示的実施形態を描写する。これらの図面は、本明細書に開示される概念の理解を促進するために提供され、これらの概念の範疇、範囲、または適用可能性を限定するものと見なされるものではない。例証の明確化および容易性のために、これらの図面が、必ずしも正確な縮尺通りに作製されているわけではないことに留意されたい。
図1は、例証的ピストンおよびシリンダアセンブリの一部の断面端面図を示す。
図2は、例証的ピストンアセンブリの一部の斜視図を示す。
図3は、例証的シールリングアセンブリの一部の側面図を示す。
図4は、本開示のいくつかの実施形態による新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による高摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による中間摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図7は、本開示のいくつかの実施形態による間隙カバー要素が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの前部面の図を示す。
図8は、本開示のいくつかの実施形態による間隙カバー要素が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図9は、本開示のいくつかの実施形態による新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図10は、本開示のいくつかの実施形態による高摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図11は、本開示のいくつかの実施形態による中間摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図12は、本開示のいくつかの実施形態による第2のリングセグメントが除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの前部面の図を示す。
図13は、本開示のいくつかの実施形態による第2のリングセグメントが除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図14は、本開示のいくつかの実施形態による新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図15は、本開示のいくつかの実施形態による高摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図16は、本開示のいくつかの実施形態による中間摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図17は、本開示のいくつかの実施形態によるリングセグメントが除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの前部面の図を示す。
図18は、本開示のいくつかの実施形態によるリングセグメントが除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリの後部面の図を示す。
図19は、本開示のいくつかの実施形態によるシールリングアセンブリを含む例証的ピストンアセンブリを示す。
図20は、本開示のいくつかの実施形態によるシールリングアセンブリを含む例証的ピストンおよびシリンダアセンブリの断面図を示す。
図21は、本開示のいくつかの実施形態による、各々がシールリングアセンブリを含む2つのピストンアセンブリを含む例証的機関の断面図を示す。
図22は、本開示のいくつかの実施形態による例証的シールリングアセンブリの分解斜視図を示す。
図23は、本開示のいくつかの実施形態によるシールリングアセンブリが取り外された例証的ピストンの一部の断面図を示す。
本開示は、例えば、潤滑油がない場合にピストンおよびシリンダデバイス内のガスをシールするためのシールを説明する。例えば、シールは、ピストンとともに進行し、ピストンとシリンダのボアとの間をシールするように構成され得るシールリングアセンブリを含み得る。ピストンおよびシリンダデバイスは、例えば、機関と、ガス圧縮機と、液体ポンプとを含む。
本開示は、シールリングアセンブリを提供し、シールリングアセンブリは、非常に大量の半径方向の摩耗の場合であっても、シールリングアセンブリにおけるリングセグメントと低圧境界上の対応する間隙カバー要素との間の間隙を排除するための幾何学形状特徴を有する。故に、シールリングアセンブリは、シールの動作寿命全体を通して、リング間隙において、低漏出を維持し、増加した応力を軽減する。
潤滑油がない場合、シールリングアセンブリは、例えば、ポリマーまたは黒鉛等の自己潤滑性材料から構成され得る。シールリングアセンブリのための自己潤滑性材料の使用は、スカッフィングまたはかじり破損を排除することを補助し得るが、シールが硬質の耐摩耗性材料(例えば、金属)から構成される従来の油潤滑されたシール配置と比較して、比較的に高い摩耗率ももたらし得る。いくつかの状況では、より高い摩耗は、それが、材料を対向面(例えば、シリンダのボア)まで移送し、潤滑膜を形成するので、自己潤滑性材料の性質に固有である。
本明細書で使用されるような用語「シール」は、高圧領域および低圧領域の作成、維持、または両方を指す。例えば、シールは、シールの高圧境界と低圧境界との間の流動を限定することによって、高圧領域から低圧領域へのガスの漏出率を低減させるように構成されるシールリングアセンブリを含み得る。故に、シールは、漏出率に関するその制約の観点から定義されることができる。本明細書に説明されるようなシールリングアセンブリ等のシールは、任意の好適な対応する漏出率を有し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの状況では、比較的に粗悪なシールが、より多くの漏出を可能にし得るが、1つ以上の関連する性能基準に基づいて、容認可能であり得る。さらなる例では、ピストンおよびシリンダデバイスの高効率動作のために構成されるシールリングアセンブリは、比較的に低い漏出率を有し(例えば、より効果的シールであり)得る。
本明細書で使用されるように、「リングセグメント」は、ゼロ度を上回る方位角にわたって延び、半径方向外側表面を有し、かつボアに対して少なくとも半径方向外側表面の一部に沿ってシールするように構成されるシール要素を指すものとする。リングセグメントは、フルボアの周囲に方位角に連続していない場合、端面を含み得る。
本明細書で使用されるように、「リング」は、ボアに沿って方位角に連続し得るが、そうである必要はない少なくとも1つのリングセグメントを含むシール要素を指すものとする。例えば、リングは、1つのリングセグメントを含み得、その場合、これらの用語は、重複する。さらなる例では、リングは、4つのリングセグメントを含み得、その場合、リングは、4つのリングセグメントの集合を指す。リングは、1つ以上のリングセグメント間に1つ以上の界面を含み得るが、そうである必要はない。「リング」は、ピストンのランドに対してシールするように構成される少なくとも1つのリングセグメントを含むシール要素も指すものとする。
本明細書で使用されるように、「間隙カバー要素」は、界面において1つ以上のリングセグメントに対してシールし、1つ以上のリングセグメントの摩耗中、ボアの少なくとも一部に対してシールするように構成されるシール要素を指すものとする。間隙カバー要素は、リングが摩耗するにつれて、リングセグメントとして機能し得るが、本開示における議論の目的のために、間隙カバー要素は、明確化の目的のためにリングセグメントであると見なされない。
本明細書で使用されるように、「シールリングアセンブリ」は、1つ以上のリングのアセンブリを指し、時として、ピストンと係合するようにも構成され、シリンダの高圧領域と低圧領域との間をシールするように構成される1つ以上の間隙カバー要素を指すものとする。例えば、単一のリングセグメントが、リングおよびシールリングアセンブリであり得る。さらなる例では、いくつかのリングセグメントおよび対応する間隙カバーが、シールリングアセンブリであり得る。
本明細書で使用されるように、「圧力係止特徴」は、圧力係止機能を提供するシールリングアセンブリの少なくとも1つの構成要素内に含まれる特徴を指すものとする。本明細書で使用されるように、「圧力係止」は、シールリングアセンブリの1つ以上の構成要素上に結果としての力を引き起こし、動作中、シールリングアセンブリの構成要素間の相対的幾何学形状関係を維持(もしくは別様に制御)すること、シールリングアセンブリの構成要素を一緒に押す力を加えること、または両方の行為を指すものとする。シール要素を横断する差圧の作用は、相対的幾何学形状関係を維持することに役立つ結果としての力を引き起こし得る。例えば、圧力係止特徴は、低圧領域に開放しているが、高圧領域からシールされている1つ以上のシール要素の1つ以上の篏合表面内の陥凹を含み得る。さらなる例では、圧力係止特徴は、シール要素間の相対的幾何学形状関係を維持するための圧力を引き起こす幾何学形状、配置、または両方を含み得る。
図1は、例証的ピストンおよびシリンダアセンブリ100の一部の断面斜視図を示す。シール102は、ピストンアセンブリ106が、シリンダ104内で軸方向に移動しているとき、ピストンアセンブリ106とシリンダ104との間をシールするように構成される。ある量の摩耗の後、図1Aのシリンダアセンブリ110によって示されるように、シール112は、漏出経路としての役割を果たし得る有意な間隙118を示す。
図2は、例証的ピストンアセンブリ130の一部の斜視図を示す。図2に示されるものは、ピストン132上に配置された摩耗シール134を越え、比較的により低圧144の領域への比較的に高圧ガス142の漏出経路140である。
図3は、シール160と、シール160が摩耗するにつれて開放した間隙152との側面図を示す。リングセグメント162は、リングセグメント164内の間隙152に架かり、1つの境界において、高ガス圧(例えば、機関サイクルまたは空気圧縮サイクルの高圧部分の間)と、低ガス圧(例えば、大気もしくは近大気条件に開放している)とを経験する。圧力から結果として生じる応力は、間隙152が増加するにつれて、増加し、リングセグメント162をより破損しやすくし得る。リングの破損は、さらなる間隙が形成されること、または幾何学形状制約の破壊、もしくは両方をもたらし得、それは、例えば、高圧領域から低圧領域へのガスの高漏出をもたらし得る。
以下の図4-21の説明は、いくつかの実施形態では、増加した摩耗を伴うリングセグメントと対応する間隙カバー要素との間における間隙の形成、およびシールリングアセンブリが摩耗するときの間隙形成に起因する高応力エリアの形成のうちの少なくとも一方に対処するように構成され得る例証的シールリングアセンブリの説明を含む。
図4は、本開示のいくつかの実施形態による新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ200の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ200は、リングセグメント202、204、206、および208(例えば、集合的に「リング」)と、間隙カバー要素212、214、216、および218とを含む。シールリングアセンブリ200は、4つのリングセグメントと、4つの間隙カバー要素とを含むが、任意の好適な数のリングセグメントおよび対応する間隙カバー要素が、本開示に従って使用され得る。リングセグメント202、204、206、208は、この例証的例では、リングを4つのリングセグメント(例えば、リングセグメント202、204、206、および208)に分割する4つの半径方向割れ目を有するリングとして説明され得る。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による高摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ230の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ230は、リングセグメント232、234、236、および238と、間隙カバー要素242、244、246、および248とを含む。シールリングアセンブリ230は、例証的に、高摩耗を受けた後のシールリングアセンブリ200に対応する(例えば、リングセグメント236は、大量の摩耗を受けた後のリングセグメント206に対応する)。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による中間摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ260の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ260は、リングセグメント262、264、266、および268と、間隙カバー要素272、274、276、および278とを含む。シールリングアセンブリ260は、例証的に、シールリングアセンブリ230より比較的に少ない摩耗を受けた後のシールリングアセンブリ200に対応する(例えば、リングセグメント266は、中間量の摩耗を受けた後のリングセグメント206に対応する)。
以下の図4-6との関連における議論は、シールリングアセンブリ、その挙動、およびその摩耗を説明する。議論の目的のために、図4-6は、摩耗寿命の異なる段階における例証的シールリングアセンブリの図として説明され得る。故に、明確化の目的のために、図4-6のうちのいずれも、例証的シールリングアセンブリの特徴を説明するために参照され得る。幾何学的方向が、本明細書において、単純化のために、円筒座標の観点から言及される(例えば、図4に示されるように、Xは、軸方向であり、Rは、半径方向であり、θは、方位角方向である)。シールリングアセンブリ200、230、および260のうちのいずれも、新しい(すなわち、非摩耗)状態におけるシールリングアセンブリを表し得ることも理解されたい。例えば、(例えば、高圧境界上のリングセグメント間に有意な間隙を伴う)シールリングアセンブリ230に類似するシールリングアセンブリが、新たに作成され得る。
リングセグメント202、204、206、および208間の割れ目は、リング材料が、摩耗を介して除去されるにつれて、シリンダのボアの内側表面とのシール接触を維持するために、リングセグメントの半径方向に外向きの移動を可能にし得る。シールリングアセンブリ200は、シールリングアセンブリ200の1つ以上の内側表面上の(例えば、機関サイクルもしくは空気圧縮サイクル中の、比較的に高圧領域からの)ガス圧の存在によって、シリンダボアに対して半径方向に外向きに付勢され得る。シールリングアセンブリ200は、シールリングアセンブリ200の1つ以上の内側表面上のばねによって、シリンダボアに対して半径方向に外向きに付勢され得る。
シールリングアセンブリ200は、隣接するリングセグメント間に4つの界面を含む。例えば、リングセグメント202と204、リングセグメント204と206、リングセグメント206と208、およびリングセグメント208と202との間にそれぞれの界面が、存在する。本明細書で使用されるような界面は、隣接するリングセグメントの端部間の任意の空間と、隣接するリングセグメント間の接触点とを含み、間隙カバー要素と係合する特徴が存在する限り、そのような特徴も、同様に、界面の一部と見なされる。シールリングアセンブリ200の界面は、界面の各々に中心を置かれたシールリングアセンブリ200の後部面上に位置するそれぞれの楔陥凹を含む。例えば、図6の界面280は、リングセグメント262と264との間の界面を示す。楔陥凹は、例えば、図4に例証的に示されるように、楔形状である間隙カバー要素212が嵌合する空間である。図4-6に示されるように、楔陥凹の各々は、対応するリングセグメントの半径方向断面全体を通して(例えば、半径方向内向き表面から半径方向外向き表面を通して)延びている。楔陥凹の「前部面」とも称される、軸方向前部面は、名目上、(例えば、図4の方向Xに沿った)リングの軸に対して垂直な平坦平面である。例えば、楔陥凹の前部面237が、図5に示される。図5および6に示されるように、楔陥凹の側面は、リング内の半径方向割れ目の中心を通過する平面に対称的である。楔(例えば、間隙カバー要素212)の側面は、対称的である必要はないが、明確化ために、対称的に示される。側面は、一緒に、リングの半径方向内向き表面において最も幅広く、半径方向外向き表面において最も狭い狭角を形成する(例えば、図5の狭角239は、間隙カバー要素236によって形成された楔角である)。狭角は、設計パラメータであり得、リングの半径方向内向き表面が半径方向外向き表面より幅広くなるような、任意の好適な角度を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、狭角は、約30度~約150度で変動し得る。狭角は、材料特性(例えば、摩擦、破壊抵抗)、動作条件(例えば、高圧領域におけるピーク圧力、ピストン速度、機関周波数)、ボア条件、製作の選好、取り付けの選好、任意の他の好適な要因、またはそれらの任意の組み合わせに依存し得る。
本明細書で使用されるような用語「楔」は、楔がある点において0~180度(0および180を含まない)の角度で切断された場合、出会うまたは出会うであろう、少なくとも2つの面を有する固体を指す。楔は、幅広い端部と、狭い端部とを含む。幅広い端部から狭い端部まで互いに向かって角度を成す面は、楔表面と称される。例えば、間隙カバー要素212は、楔形状であり、本明細書において楔と称され得る。間隙カバー要素212の狭い端部は、半径方向に外向きであり、幅広い端部は、半径方向に内向きである。例えば、リングセグメント236および238の楔陥凹表面235は、間隙カバー要素246の対応する楔表面と係合し、(例えば、ガス漏出を制限するように構成される)シールを生成する。間隙カバー要素は、非楔幾何学形状(例えば、リングセグメントに類似する間隙カバー要素612の湾曲部分)に加えて、楔特徴(例えば、図14の間隙カバー要素612)も含み得る。本開示は、本明細書において、主に、限定としてではなく、簡潔化および明確化の目的のために、楔形状の間隙カバー要素という文脈において説明されることを理解されたい。任意の適切に成形された間隙カバー要素、または異なって成形された間隙カバー要素の組み合わせが、本開示の一般的教示に従って使用され得る。例えば、シールリングアセンブリは、同一または異なるリングセグメントを含み得、同一または異なる間隙カバー要素を含み得る。
間隙カバー要素212、214、216、および218は、楔形状であり、隣接するリングセグメント(例えば、リングセグメント202および204)間の界面内の対応する楔陥凹に嵌入する。対応する陥凹の各々に嵌入された間隙カバー要素は、有意な間隙を伴わない閉鎖されたシールを形成し得る(例えば、したがって、ガス漏出を制限する)。シールリングアセンブリ200の構成要素が、摩耗するにつれて、それらは、隣接する構成要素とともに摩耗し、より完全なシールを形成および維持し得る。間隙カバー要素212、214、216、および218は、対応するリングセグメントと同様の様式で、半径方向内側表面の半径方向に外向きに力を及ぼすガス圧によって作用される。例えば、機関サイクルまたは空気圧縮機サイクルの高圧部分中、高ガス圧が、間隙カバー要素212、214、216、および218の半径方向内側表面に作用し得る。この高ガス圧は、対応する楔陥凹の対応する角度付けられた側に対して各間隙カバー要素の角度付けられた側を押し進め、リング内の割れ目を通した半径方向のガス漏出に対してシールを作成する。さらに、半径方向内向き表面において高ガス圧によって作用されると、楔形状の間隙カバー要素の半径方向外向き表面は、シリンダの内側表面(例えば、ボア)を圧迫し、シールリングアセンブリを越えた割れ目を通した軸方向の漏出に対してシールを形成する。
いくつかの実施形態では、シールリングアセンブリ200は、例えば、黒鉛等の固体潤滑材料を含み得る。例えば、リングは、黒鉛から機械加工され、リングセグメント202、204、206、208に分割され得る。さらなる例では、リングセグメント202、204、206、および208は、別個の部品として機械加工され得る。別のさらなる例では、間隙カバー要素212、214、216、および218は、別個の部品として黒鉛から機械加工され得る。別の例では、リングアセンブリ200は、単一のリングとして黒鉛から機械加工され、次いで、リングセグメント202、204、206、および208と、間隙カバー要素212、214、216、および218とにさらに機械加工(例えば、ワイヤまたはレーザ切断)され得る。
リングセグメント202、204、206、および208が、摩耗するにつれて、それらは、外向きに移動し、割れ目は、より幅広く開放する(例えば、対応するリングセグメント232、234、236、および238によって例証的に示される)。間隙カバー要素212、214、216、および218は、それぞれの楔陥凹の角度付けられた側によって支持されながら、ガス圧によって外向きに押し付けられ、半径方向に摩耗する。故に、間隙カバー要素の摩耗率は、楔陥凹の角度付けられた側およびシリンダ内側表面(例えば、ボア)の両方との接触を維持するように、自己調節式であり得る。いくつかの状況では、間隙カバー要素は、対応するリングセグメントより急速な率で摩耗し得、摩耗率は、楔角に依存し得る。間隙カバー要素が、それぞれの楔陥凹の角度付けられた側およびボアとの接触を維持するので、シール性能は、動作寿命全体を通して(例えば、シールリングアセンブリが摩耗するにつれて)維持され得る。さらに、リングセグメントとシールリングアセンブリの低圧境界にさらされる対応する間隙カバー要素との間に、有意な間隙は、存在しない。各リングセグメントは、圧力によって、または楔によってのいずれかであらゆる場所で支持され、図3との関連において説明される応力シナリオを回避する。シールリングアセンブリが、摩耗するにつれて、少なくとも1つの間隙カバー要素が、対応して摩耗し、リングセグメントと対応する間隙カバー要素との間の実質的なリング間隙が、シールリングアセンブリの低圧境界上に形成することを防止する。シールアセンブリの低圧境界上での楔と楔陥凹との間リング間隙も、防止され得る。
図7は、本開示のいくつかの実施形態による間隙カバー要素312が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ300の前部面の図を示す。示されるような例証的シールリングアセンブリ300は、例えば、シールリングアセンブリ200に類似する。図8は、本開示のいくつかの実施形態による間隙カバー要素312が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ300の後部面の図を示す。間隙カバー要素314が、参照のために、定位置に示される。界面320は、リングセグメント302と308とが出会う空間領域を指す。界面320は、楔陥凹、およびそれらが(例えば、シールリングアセンブリの前部面において)接触またはほぼ接触手前にあるリングセグメント302と308との間の割れ目を含む。間隙カバー要素312は、例えば、間隙カバー要素312がリングセグメント302および304の界面内の定位置に配置されると、対応する楔陥凹表面に係合し得る楔表面313と、315とを含む。
図9は、本開示のいくつかの実施形態による新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ400の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ400は、第1のリングセグメント402、404、406、および408、第2のリングセグメント403、405、407、および409、ならびに間隙カバー要素412、414、416、および418を含む。シールリングアセンブリ400は、4つの第1のリングセグメントと、4つの第2のリングセグメントと、4つの間隙カバー要素とを含むが、任意の好適な数の第1のリングセグメント、第2のリングセグメント、および対応する間隙カバー要素が、本開示に従って使用され得る。第1のリングセグメント402、404、406、および408は、この例証的例では、第1のリングを4つの第1のリングセグメント(例えば、第1のリングセグメント402、404、406、および408)に分割する4つの半径方向割れ目を有する第1のリングとして説明され得る。
図10は、本開示のいくつかの実施形態による高摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ430の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ430は、第1のリングセグメント432、434、436、および438、第2のリングセグメント433、435、437、および439、ならびに間隙カバー要素442、444、446、および448を含む。シールリングアセンブリ430は、例証的に、高摩耗を受けた後のシールリングアセンブリ400に対応する(例えば、第1のリングセグメント436は、高摩耗を受けた後の第1のリングセグメント406に対応する)。
図11は、本開示のいくつかの実施形態による中間摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ460の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ460は、第1のリングセグメント462、464、466、および468、第2のリングセグメント463、465、467、および469、ならびに間隙カバー要素472、474、476、および478を含む。シールリングアセンブリ460は、例証的に、シールリングアセンブリ430より少ない摩耗を受けた後のシールリングアセンブリ400に対応する(例えば、第1のリングセグメント466は、中間摩耗を受けた後の第1のリングセグメント406に対応する)。
以下の議論は、シールリングアセンブリ、その挙動、およびその摩耗を説明するために、図9-11との関連において説明される。議論の目的のために、図9-11は、摩耗寿命の異なる段階における例証的シールリングアセンブリの図として説明され得る。故に、明確化の目的のために、図9-11のうちのいずれも、例証的シールリングアセンブリの特徴を説明するために参照され得る。幾何学的方向が、本明細書において、単純化のために、円筒座標の観点から言及される(例えば、図9に示されるように、Xは、軸方向であり、Rは、半径方向であり、θは、方位角方向である)。シールリングアセンブリ400、430、および460のうちのいずれも、新しい状態におけるシールリングアセンブリを表し得ることも理解されたい。例えば、(例えば、高圧境界上の第2のリングセグメント間に有意な間隙を伴う)シールリングアセンブリ430に類似するシールリングアセンブリが、新たに作成され得る。
第1のリングセグメント402、404、406、および408間の割れ目は、リング材料が、摩耗を介して除去されるにつれて、シリンダのボアの内側表面とのシール接触を維持するために、第1のリングセグメントの半径方向に外向きの移動を可能にし得る。シールリングアセンブリ400は、シールリングアセンブリの内側表面上の(例えば、機関サイクルまたは空気圧縮サイクルの比較的に高圧部分からの)ガス圧の存在によって、シリンダボアに対して半径方向に外向きに付勢され得る。
シールリングアセンブリ400は、隣接する第1のリングセグメント間に4つの界面を含む。例えば、リングセグメント402と404、リングセグメント404と406、リングセグメント406と408、およびリングセグメント408と402との間に、それぞれの界面が、存在する。シールリングアセンブリ400の界面は、界面の各々に中心を置かれたそれぞれの楔陥凹を含む。楔陥凹は、例えば、図9に示されるように、楔形状の間隙カバー要素412が嵌合する空間である。図9-11に示されるように、楔陥凹の各々は、対応する第1のリングセグメントの半径方向断面全体を通して(例えば、半径方向内向き表面から半径方向外向き表面を通して)、かつその軸方向断面全体(例えば、第2のリングセグメントのそれぞれの前部面からそれぞれの後部面まで)を通して延びている。図10および11に示されるように、楔陥凹の側面は、第1のリング内の半径方向割れ目の中心を通過する平面に対称的であるが、側面は、対称的である必要はない。
間隙カバー要素412、414、416、および418は、楔形状であり、隣接する第1のリングセグメント(例えば、リングセグメント402および404)間の界面内に形成される対応する楔陥凹に嵌入する。楔形状の間隙カバー要素412、414、416、および418は、半径方向内側表面上でガス圧によって作用され、半径方向に外向きに力を及ぼし得る。例えば、機関サイクルまたは空気圧縮機サイクルの高圧部分中、高ガス圧が、間隙カバー要素412、414、416、および418の半径方向内側表面上に作用し得る。この高ガス圧は、楔陥凹の対応して角度付けられた側に対して各間隙カバー要素の角度付けられた側を押し進め、割れ目を通した半径方向のガス漏出に対してシールを作成する。さらに、半径方向内向き表面において高ガス圧によって作用されると、間隙カバー要素の半径方向外向き表面は、シリンダの内側表面(例えば、ボア)を圧迫し、シールリングアセンブリを越えた割れ目を通した軸方向の漏出に対してシールを形成する。
第2のリングセグメント403、405、407、および409は、第1のリングセグメントのそれぞれの界面に中心を置かれた第1のリングセグメント402、404、406、および408の軸方向前方に配置される。シールリングアセンブリ400が、摩耗するにつれて、第2のリングセグメント403、405、407、および409は、いかなる間隙が、間隙カバー要素近傍の界面において(例えば、丸みを帯びた状態から移行する第1のリングセグメント、または他の構成変化から)形成し始めた場合でも、間隙が第1のリングセグメントによってシールされたままであるように、界面近傍をシールすることを補助する。
いくつかの実施形態では、シールリングアセンブリ400は、少なくとも部分的に高圧境界に基づく、かつ少なくとも部分的に低圧境界に基づく、圧力係止アセンブリである。圧力係止は、高圧境界および低圧境界に応答するシールリングアセンブリの挙動を指す。圧力が、係止されると、高圧境界および低圧境界からの圧力の正味効果が、リングセグメントおよび少なくとも1つの間隙カバーの構成を維持し、故に、そのシールを維持するために使用され得る。例えば、動作中、間隙カバー要素412が、摂動され、半径方向に内向きに移動した(例えば、係合を喪失した、または喪失し始めた)場合、正味圧力が、間隙カバー要素412を復元し、楔陥凹に対してシールするように作用するであろう。
圧力係止のさらなる例では、動作中の間隙カバー要素472、474、476、および478の各々を考慮すると、それぞれの半径方向内向き表面は、対応する半径方向外向き表面より大きい。さらに、各半径方向内向き表面における圧力は、高圧領域を示す一方、各半径方向外向き表面における圧力は、この圧力に等しいか、またはそれ未満である。故に、間隙カバー要素472、474、476、および478の各々への圧力から結果として生じる半径方向の力は、半径方向に外向きに向けられ、したがって、間隙カバー要素472、474、476、および478と、第1のリングセグメント462、464、466、および468と、第2のリングセグメント463、465、467、および469との相対位置を維持することを補助し得る。
圧力係止のさらなる例では、動作中の第2のリングセグメント463、465、467、および469の各々を考慮すると、高圧ガスにさらされるそれぞれの軸方向前方表面は、(例えば、間隙カバー要素または第1のリングセグメントによって覆われ/シールされていない)高圧ガスにさらされる対応する軸方向後方表面より大きい。さらに、各軸方向前方表面における圧力は、高圧領域を示す一方、各軸方向後方表面における圧力は、この圧力に等しいか、またはそれ未満である。故に、第2のリングセグメント463、465、467、および469の各々への圧力から結果として生じる軸方向の力は、軸方向に後方に向けられ、したがって、間隙カバー要素472、474、476、および478と、第1のリングセグメント462、464、466、および468と、第2のリングセグメント463、465、467、および469との相対位置を維持することを補助し得る。
いくつかの実施形態では、シールリングアセンブリ400は、例えば、黒鉛等の固体潤滑材料を含み得る。例えば、第1のリングは、黒鉛から機械加工され、第1のリングセグメント402、404、406、および408に分割され得る。さらなる例では、第1のリングセグメント402、404、406、および408は、別個の部品として機械加工され得る。別のさらなる例では、第1のリングセグメント402、404、406、および408は、別個の部品として黒鉛から機械加工され得る。別の例では、シールリングアセンブリ400は、単一のリングとして黒鉛から機械加工され、次いで、第1のリングセグメント402、404、406、408、第2のリングセグメント403、405、407、および409、ならびに間隙カバー要素412、414、416、および418にさらに機械加工(例えば、ワイヤまたはレーザ切断)され得る。
第1のリングセグメント402、404、406、および408が、摩耗するにつれて、それらは、外向きに移動し、割れ目は、界面において、より幅広く開放する(例えば、対応する第1のリングセグメント432、434、436、および438によって例証的に示される)。間隙カバー要素472、474、476、および478は、それぞれの楔陥凹の角度付けられた側によって支持されながら、ガス圧によって外向きに押し付けられ、半径方向に摩耗する。故に、間隙カバー要素472、474、476、および478の摩耗率は、楔陥凹の角度付けられた側およびシリンダ内側表面(例えば、ボア)の両方との接触を維持するように、自己調節式であり得る。いくつかの状況では、間隙カバー要素は、対応するリングセグメントより急速な率で摩耗し得、摩耗率は、楔角に依存し得る。間隙カバー要素472、474、476、および478が、それぞれの楔陥凹の角度付けられた側およびボアとの接触を維持するので、シール性能は、動作寿命全体を通して(例えば、リングが摩耗するにつれて)維持され得る。さらに、シールリングアセンブリの低圧境界にさらされるリングセグメントと対応する間隙カバー要素との間に、有意な間隙は、存在しない。リングセグメントは、圧力によって、または楔によってのいずれかであらゆる場所で支持され、図3との関連において説明される応力シナリオを回避する。
図12は、本開示のいくつかの実施形態による第2のリングセグメント503が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ500の前部面の図を示す。示されるような例証的シールリングアセンブリ500は、例えば、シールリングアセンブリ400に類似する。図13は、本開示のいくつかの実施形態による第2のリングセグメント503が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ500の後部面の図を示す。第2のリングセグメント509が、参照のために、定位置に示される。間隙カバー要素512は、第1のリングセグメント502と508とが出会う界面520内の楔陥凹に係合する。界面520は、軸方向に貫通する楔陥凹を含む。
図14は、本開示のいくつかの実施形態による新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ600の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ600は、リングセグメント602、604、606、および608、ならびに間隙カバー要素612、614、616、および618を含む。シールリングアセンブリ600は、4つのリングセグメントと、4つの間隙カバー要素とを含むが、任意の好適な数のリングセグメントおよび対応する間隙カバー要素が、本開示に従って使用され得る。
図15は、本開示のいくつかの実施形態による高摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ630の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ630は、リングセグメント632、634、636、および638、ならびに間隙カバー要素642、644、646、および648を含む。シールリングアセンブリ630は、例証的に、高摩耗を受けた後のシールリングアセンブリ600に対応する(例えば、リングセグメント636は、高摩耗を受けた後のリングセグメント606に対応する)。
図16は、本開示のいくつかの実施形態による中間摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ660の後部面の図を示す。シールリングアセンブリ660は、リングセグメント662、664、666、および668、ならびに間隙カバー要素672、674、676、および678を含む。シールリングアセンブリ660は、例証的に、シールリングアセンブリ630の摩耗より少ない摩耗を受けた後のシールリングアセンブリ600に対応する(例えば、リングセグメント666は、中間摩耗を受けた後のリングセグメント606に対応する)。
以下の議論は、シールリングアセンブリ、その挙動、およびその摩耗を説明するために、図14-16との関連において説明される。議論の目的のために、図14-16は、摩耗寿命の異なる段階における例証的シールリングアセンブリの図として説明され得る。故に、明確化の目的のために、図14-16のうちのいずれも、例証的シールリングアセンブリの特徴を説明するために参照され得る。幾何学的方向が、本明細書において、単純化のために、円筒座標の観点から言及される(例えば、図14に示されるように、Xは、軸方向であり、Rは、半径方向であり、θは、方位角方向である)。シールリングアセンブリ600、630、および660のうちのいずれも、新しい状態におけるシールリングアセンブリを表し得ることも理解されたい。例えば、(例えば、高圧境界上の間隙カバー要素間に有意な間隙を伴う)シールリングアセンブリ630に類似するシールリングアセンブリが、新たに作成され得る。
リングセグメント602、604、606、および608は、リング材料が、摩耗を介して除去されるにつれて、シリンダのボアの内側表面とのシール接触を維持するために、半径方向に外向きに移動し得る。シールリングアセンブリ600は、シールリングアセンブリ600の内側表面上の(例えば、機関サイクルまたは空気圧縮サイクルの比較的に高圧部分からの)ガス圧の存在によって、シリンダボアに対して半径方向に外向きに付勢され得る。
シールリングアセンブリ600は、隣接するリングセグメント間に4つの界面を含む。例えば、リングセグメント602と604、リングセグメント604と606、リングセグメント606と608、およびリングセグメント608と602の間に、それぞれの界面が、存在する。シールリングアセンブリ600の界面は、界面の各々に中心を置かれたそれぞれの楔陥凹を形成する。楔陥凹は、例えば、図14に示されるように、楔形状の間隙カバー要素612が嵌合する空間である。図14-16に示されるように、楔陥凹は、それぞれ、対応するリングセグメントの半径方向断面全体を通して(例えば、半径方向内向き表面から半径方向外向き表面を通して)、かつリングセグメントの軸方向断面全体を通して延びている。図15および16に示されるように、楔陥凹の側面は、リング内の半径方向割れ目の中心を通過する平面に対称的である。側面は、ともに、リングセグメントの半径方向内側表面において最も幅広く、半径方向外側表面において最も狭い楔角を形成する。
間隙カバー要素612、614、616、および618は、それぞれの楔を含み、隣接するリングセグメント(例えば、リングセグメント602および604)間の界面内に形成される対応する楔陥凹に嵌入する。対応する陥凹の各々に嵌入された間隙カバー要素は、間隙を伴わないシールを形成し得る。間隙カバー要素は、半径方向内側表面上の半径方向に外向きに力を及ぼすガス圧によって作用される。例えば、機関サイクルまたは空気圧縮機サイクルの高圧部分中、高ガス圧が、間隙カバー要素612、614、616、および618の半径方向内側表面上に作用し得る。この高ガス圧は、それぞれの楔陥凹の対応する角度付けられた側に対して各間隙カバー要素の角度付けられた側を押し進め、界面を通した半径方向のガス漏出に対してシールを作成する。また、半径方向内向き表面において高ガス圧によって作用されると、間隙カバー要素の半径方向外向き表面は、シリンダの内側表面(例えば、ボア)を圧迫し、シールリングアセンブリを越えた、界面を通した軸方向の漏出に対してシールを形成する。
いくつかの実施形態では、シールリングアセンブリ600は、例えば、黒鉛等の固体潤滑材料を含み得る。
リングセグメント602、604、606、および608が、摩耗するにつれて、それらは、外向きに移動し、割れ目は、より幅広く開放する(例えば、対応するリングセグメント632、634、636、および638によって例証的に示される)。間隙カバー要素662、664、666、および668は、それぞれの楔陥凹の角度付けられた側によって支持されながら、ガス圧によって外向きに押し付けられ、半径方向に摩耗する。故に、楔の摩耗率は、楔陥凹の角度付けられた側およびシリンダ内側表面(例えば、ボア)の両方との接触を維持するように、自己調節式であり得る。いくつかの状況では、間隙カバー要素は、対応するリングセグメントより急速な率で摩耗し得、摩耗率は、楔角に依存し得る。いくつかの状況では、リングセグメントは、対応する間隙カバー要素と同一の率またはそれより急速な率で摩耗し得る。間隙カバー要素が、それぞれの楔陥凹の角度付けられた側およびボアとの接触を維持するので、シール性能は、動作寿命全体を通して(例えば、シールリング600が摩耗するにつれて)維持され得る。さらに、シールリングアセンブリ600の低圧境界にさらされるリングセグメントと間隙カバー要素との間に、有意な間隙は、存在しない。各リングセグメントは、圧力によって、またはピストンによってのいずれかであらゆる場所で支持され、図3との関連において説明される応力シナリオを回避する。
図17は、本開示のいくつかの実施形態によるリングセグメント702が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ700の前部面の図を示す。示されるような例証的シールリングアセンブリ700は、例えば、リングアセンブリ600に類似する。図18は、本開示のいくつかの実施形態によるリングセグメント702が除去された新しいまたは低摩耗状態における例証的シールリングアセンブリ700の後部面の図を示す。リングセグメント704が、参照のために、定位置に示される。示されるようなシールリングアセンブリ700が、リングセグメント702、704より大きい(例えば、同一の材料である場合、より大きい体積およびより大きい質量である)間隙カバー要素712、718を含むことを理解されたい。間隙カバー要素およびリングセグメントは、任意の好適な相対サイズ(例えば、厚さ、幅、面積、体積)、質量、または両方であり得ることを理解されたい。
図19は、本開示のいくつかの実施形態によるシールリングアセンブリ810を含む例証的ピストンアセンブリ800を示す。ピストンアセンブリ800は、その上にシールリングアセンブリ810が配置されるピストン802を含む。例えば、ピストン802は、その中にシールリングアセンブリ810が嵌合するリング溝を含み得る。ピストンアセンブリ800は、軸812に沿って平行移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ピストン802は、開放型ピストンであり得る。いくつかの実施形態では、ピストン802は、2つ以上のリング溝を含み、2つ以上のそれぞれのシールリングアセンブリを収容し得る。いくつかの実施形態では、ピストン802は、統合された間隙カバー特徴を含み得る。例えば、リングは、1つ以上の対応する界面を有する1つ以上のリングセグメントを含み得る。ピストンは、1つ以上の界面のいずれかにおいて配置される統合された間隙カバー特徴を含み得る。例証的例では、リングは、そのための楔形状間隙カバー要素が2つの界面において含まれ、ピストンに統合された間隙カバー特徴が他の2つの界面において含まれる4つの界面を有する4つのリングセグメントを含み得る。
図20は、本開示のいくつかの実施形態によるシールリングアセンブリ920を含む例証的ピストンおよびシリンダアセンブリ900の断面図を示す。シリンダ960は、その中をピストンアセンブリ910が進行する内側円筒表面であるボア962を含み得る。ピストンアセンブリ910は、シールリングアセンブリ920が乗るように構成されるシールリング溝922を含むピストン926を含み得る。ピストンアセンブリ910が、(例えば、機関サイクル中)シリンダ960内でX方向に沿って平行移動するにつれて、高圧領域950内のガス圧は、変化し得る(高圧領域950は、シリンダヘッドまたは対向ピストンを用いて閉鎖され得る)。例えば、ピストンアセンブリ910が、負のX方向に(すなわち、図20の左に)移動するにつれて、高圧領域内の圧力は、増加し得る。シールリングアセンブリの後部に位置する低圧領域970は、大部分ではない場合でも、ピストンおよびシリンダアセンブリ900のストロークまたはサイクルの少なくとも一部にわたって高圧領域950の圧力を下回るガス圧にあり得る。高圧領域950および低圧領域970内の圧力範囲は、任意の好適な範囲(例えば、低大気圧~250バールを大いに超える値)であり得、圧縮比、機関の呼吸の詳細(例えば、給気圧、圧力波、ポートタイミング)、損失、ガスの熱化学的特性、およびそれらの反応に依存し得る。故に、本明細書に説明されるシールリングアセンブリは、任意の好適な圧力範囲を有する任意の好適な高圧領域および低圧領域をシールするために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、低圧領域970は、給気もしくは排気ダクトと流動に関して相互作用し、ダクト内の圧力の比較的に近くに維持され得る。例証的例では、低圧領域970は、吸気呼吸ポートに対して開放し得、(例えば、概して)吸気圧力(例えば、給気圧)に近い圧力にあるか、もしくはそれによって強く影響を及ぼされ得る。さらなる例証的例では、低圧領域970は、排気呼吸ポートに対して開放し得、(例えば、概して)排気圧力に近い圧力にあるか、もしくはそれによって強く影響を及ぼされ得る。本開示によると、シールリングアセンブリは、ピストンおよびシリンダアセンブリのストロークまたはサイクルの少なくとも一部にわたって、低圧領域から高圧領域をシールするために使用され得る。シールリングアセンブリ920の「前部」は、高圧領域950に軸方向に最も近い面を指し、シールリングアセンブリ920の「後部」は、低圧領域970に軸方向に最も近い面を指すことを理解されたい。
別様に規定されない限り、本明細書において言及される圧力は全て、絶対単位である(例えば、ゲージまたは相対単位ではない)ことを理解されたい。
高圧力および低圧力は、ピストンおよびシリンダデバイスの一過性の圧力状態を指し得ることを理解されたい。例えば、機関サイクルを参照すると、シールリングアセンブリの高圧側は、(例えば、およらく、サイクルの呼吸または近呼吸部分の間を除いては)機関サイクルの大部分にわたって、シールリングアセンブリの低圧側を上回る圧力を有し得る。故に、高圧力および低圧力は、相対的であり、シールされているガスの条件に依存する。
シールリングアセンブリは、高圧および低圧領域をシールするために使用され得、各々は、任意の好適な圧力範囲内で動作する。シールリングアセンブリがサイクル内の異なる位置において異なってシールし得ることも理解されたい。さらに、低圧領域は、ピストンおよびシリンダアセンブリのピストンストロークまたはサイクルの一部にわたって、高圧領域の圧力を上回る圧力を含み得ることを理解されたい。例えば、シールリングアセンブリは、常時、低圧領域から高圧領域をシールし得る。さらなる例では、シールリングアセンブリは、高圧領域内の圧力が低圧領域内の圧力を上回る限り、低圧領域から高圧領域をシールし得る。さらなる例では、シールリングアセンブリは、高圧領域内の圧力が低圧領域内の圧力を上回る限り、低圧領域から高圧領域をシールし得、逆に、低圧領域内の圧力が高圧領域内の圧力を上回る限り、高圧領域から低圧領域をシールし得る。
いくつかの実施形態では、シールリングアセンブリ920は、シリンダ960のボア962上に(例えば、自己潤滑性材料を含む)材料を堆積させ得る。堆積させられた材料は、ボア962とシールリングアセンブリ920との間のボア/シールリングアセンブリ間界面を潤滑にし(例えば、乾燥潤滑剤を提供し)得る。故に、いくつかの実施形態では、ピストンおよびシリンダアセンブリ900は、潤滑のための液体(例えば、油)を用いずに動作し得る。
いくつかの実施形態では、ピストン926は、開放型ピストンであり得る。例えば、ピストン926は、高圧領域950からリング溝922までの開口部、切り欠き、または他の流体経路を含み得る。故に、開放型ピストンを採用するいくつかの実施形態では、(例えば、図20の半径方向Rを参照して)シールリングアセンブリ920の半径方向内向き表面は、高圧領域950のガス圧にさらされ得る。
図21は、本開示のいくつかの実施形態によるそれぞれのシールリングアセンブリ1012と、1022とを含む2つの自由ピストンアセンブリ1010と、1020とを含む例証的デバイス1000の断面図を示す。いくつかの実施形態では、デバイス1000は、それぞれの自由ピストンアセンブリ1010および1020の運動エネルギーと電気エネルギーとの間を変換するための線形電磁機械1050と、1055とを含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス1000は、例えば、大部分ではない場合でも、サイクル(例えば、機関サイクルまたは空気圧縮サイクル)の少なくとも一部にわたって、ガス領域1070(例えば、高圧領域)より比較的に低い圧力にあり得るガス領域1060と、1062とを含み得る。例えば、ガス領域1060および1062(例えば、低圧領域)は、それぞれの呼吸ダクト(例えば、吸気多岐管、吸気システム、排気多岐管、排気システム)に開放していることもある。例証のために、呼吸ポート1034および1035は、シリンダ1030のボア1032に反応物質を提供し、それから排気を除去するように構成される。さらなる例では、ガス領域1060および1062は、大気への通気口を開けられ得る(例えば、約1.01バール絶対圧力である)。いくつかの実施形態では、デバイス1000は、圧縮ガスの形態でサイクル中、エネルギーを貯蔵および放出するために使用され得るガスばね1080と、1085とを含み得る(例えば、駆動部区分)。例えば、自由ピストンアセンブリ1010および1020の各々は、それぞれのシールリングアセンブリ1081および1086のための溝を有するそれぞれのピストン1082と、1087とを含み、それぞれのガス領域1084および1089(例えば、低圧領域)からそれぞれのガス領域1083および1088(例えば、高圧領域)をシールし得る。
シリンダ1030は、軸1072に中心を置かれたボア1032を含み得る。いくつかの実施形態では、自由ピストンアセンブリ1010および1020は、ボア1032内で軸1072に沿って平行移動し、ガス領域1070が圧縮および拡張することを可能にし得る。例えば、ガス領域1070は、(例えば、対向ピストンの同期化において、軸1072に沿って平行移動し得る)自由ピストンアセンブリ1010および1020のストロークの少なくとも一部にわたって、ガス領域1060と比較して比較的に高圧にあり得る。シールリングアセンブリ1012および1022は、ボア1032内で、それぞれのガス領域1060および1062からガス領域1070をシールし得る。いくつかの実施形態では、自由ピストンアセンブリ1010および1020は、それぞれのピストン1014および1024と、ピストン1014および1024のそれぞれの対応する溝の中に配置され得るそれぞれのシールリングアセンブリ1012および1022とを含み得る。ガス領域1060および1062ならびにガス領域1070は、自由ピストンアセンブリ1010および1020が、軸1072に沿って移動するにつれて、または異なる場所に別様に位置付けられるにつれて、体積を変化させ得ることを理解されたい。ガス領域1070に最も近いそれぞれのシールリングアセンブリ1012および1022の一部が、各々、前部と称され、それぞれのガス領域1060および1062に最も近いシールリングアセンブリ1012および1022一部が、各々、後部と称される。シールリングアセンブリ1012および1022の各々は、各々がガス領域1070内の圧力に依存し得る高圧境界を含み得る。例えば、シールリングアセンブリ1012の高圧境界は、ガス領域1070(例えば、1つ以上のオリフィスもしくは他の開口部によって結合される)に開放し、ガス領域1070の圧力と同一(例えば、ガス領域1070からのガスが、シールリングアセンブリにおいて絞られていない場合)、もしくはそれ未満(例えば、ガス領域1070からのガスが、シールリングアセンブリにおいて絞られている場合)の対応する圧力を有し得る。シールリングアセンブリ1012および1022の各々は、各々がガス領域1060および1062内のガス圧に依存し得る低圧境界を含み得る。例えば、シールリングアセンブリ1012の低圧境界は、ガス領域1060に開放し、ガス領域1060の圧力とほぼ同一の対応する圧力を有し得る。
いくつかの実施形態では、ピストン1014および1024の各々は、その中に1つ以上のそれぞれのシールリングアセンブリが配置され得る1つ以上の溝を含み得る。例えば、図10に示されるように、ピストン1014および1024の各々は、その中にシールリングアセンブリ1012およびシールリングアセンブリ1022が、それぞれ据え付けられ得る1つの溝を含み得る。さらなる例では、図21に示されていないが、ピストン1014は、その中に2つのそれぞれのシールリングアセンブリが据え付けられ得る2つの溝を含み得る。さらなる例では、ピストン1014は、2つの溝と、第1のシールリングアセンブリ1012と、シールリングアセンブリ1012の後部に配置されるが、その前部が、ガス領域1060により近く、それによって、2つのシールリングアセンブリ間の圧力(例えば、それは、ガス領域1070内の圧力未満であり得る)に対してガス領域1060内の圧力をシールする第2のもの(図示せず)とを含み得る。故に、シールリングアセンブリは、任意の好適な高圧および低圧領域を、互いからシールするために使用され得る。
いくつかの実施形態では、自由ピストンアセンブリ1010および1020は、それぞれのステータ1052および1057と相互作用し、それぞれの線形電磁機械1050および1055を形成するそれぞれの磁石区分1051と、1056とを含み得る。例えば、自由ピストンアセンブリ1010が、(例えば、機関サイクルのストローク中)軸1072に沿って平行移動するにつれて、磁石区分1051は、ステータ1052の巻線の中に電流を誘発し得る。さらに、電流は、ステータ1052のそれぞれの相巻線に供給され、自由ピストンアセンブリ1010上に電磁力を発生させ(例えば、自由ピストンアセンブリ1010の運動をもたらし)得る。
いくつかの実施形態では、ピストン1014および1024、シールリングアセンブリ1012および1022、ならびにシリンダ1030が、ピストンおよびシリンダアセンブリと見なされ得る。いくつかの実施形態では、デバイス1000は、機関、空気圧縮機、ピストンおよびシリンダアセンブリを有する任意の他の好適なデバイス、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、デバイス1000は、2つの自由ピストンアセンブリを含む必要はない。例えば、シリンダ1030は、閉鎖され得(例えば、シリンダヘッドを用いて)、自由ピストンアセンブリ1010のみが、軸1072に沿って平行移動し得る。
図22は、本開示のいくつかの実施形態による例証的シールリングアセンブリ2200の分解斜視図を示す。シールリングアセンブリ2200は、第1のリング2220と、第2のリング2230と、間隙カバー要素2236とを含む。第1のリング2220は、界面2225および2226において出会う第1のリングセグメント2222と、2224とを含む(例えば、間隙は、存在し得るが、そうである必要はない)。第2のリング2230は、界面2235(例えば、平坦な平面状界面)と、2236(例えば、楔形状陥凹)とを含む第2のリングセグメント2232と、2234とを含む。界面2225および2226は、界面2235および2236と方位角に整列せず、したがって、方位角に整列させられた界面を通した軸方向の漏出経路を防止する。第2のリング2230の半径方向外側表面2202は、動作中、組立中、組み立てられているとき、またはそれらの組み合わせにおいて、ピストンの対応する統合された間隙カバー特徴に接触するように構成される。完全またはまさにほぼ完全に360度方位角に延びているように示されているが、第1のリング2220は、全円周に延びている必要はない。例えば、第1のリングは、第2のリング内の割れ目を覆うためにのみ十分に方位角に延びているリングセグメントを含み得る(例えば、第1のリングは、界面において比較的に大きい方位間隙を伴うリングセグメントを含み得る)。(例えば、低圧領域から高圧領域をシールする)動作中、第1のリング2220は、第2のリング2230および間隙カバー要素2236およびシリンダのボアに対して軸方向にシールするように構成される。第2のリング2230は、ピストンのリング溝、ピストンに統合された間隙カバー特徴、間隙カバー要素2236、第1のリング2220、およびボアに対してシールするように構成される。
図23は、本開示のいくつかの実施形態によるシールリングアセンブリが取り外された、例証的ピストン2310の一部の(例えば、ピストン2310のリング溝を通した)断面図を示す。図23のシールリングアセンブリは、例えば、図22のシールリングアセンブリ2200に類似する。リングセグメント2322および2324は、第1のリングを構成し、リングセグメント2332および2334は、第2のリングを構成する。間隙カバー要素2340は、ピストン2310のリング溝内でリングセグメント2332および2334に界面接触する。第1のリングは、図23では、明確化ので、第2のリングから除去されている。第1のリングは、第2のリングの界面と方位角に整列しない界面2325と、2326とを含む。リングセグメント2332および2334は、ピストンに統合された間隙カバー特徴2312に対してシールするように構成される。リングセグメント2324は、間隙カバー特徴2312に対して軸方向にシールするように構成される。図23に例証的に示されるように、間隙カバー特徴2312は、円セグメント形状断面を含む。例えば、円セグメント形状断面の境界は、ピストン2310の外側半径方向表面上の2つの点の間に延びている弦と、ピストン2310の外側半径方向表面に沿った円弧とを含む。間隙カバー特徴は、本開示による、第2のリングの断面に接触し得る任意の好適な断面形状を含み得る。
組み立てられると、(例えば、平坦表面または別様なものを有する)間隙カバー特徴が、ピストンに堅く取り付けられるか、もしくはその一部である(例えば、ピストンに対して移動しない)。いくつかの実施形態では、間隙カバー特徴は、例えば、リング溝をピストンビレットの中に機械加工または鋳造することから残された特徴等のピストンの連続部品である。いくつかの実施形態では、間隙カバー特徴は、例えば、接着剤、溶接(例えば、超音波溶接またはTiG溶接)、ろう付け接合部、(例えば、篏合するねじ山を係合することを介した)締め具、(例えば、締まり嵌めを介した)ピン、相互係止界面、任意の他の好適な固定具、もしくはそれらの任意の組み合わせを使用して、ピストンに固定され(すなわち、取り付けられ)得る。例証的例では、1つ以上の間隙カバー特徴が、本開示に従って、(例えば、リング溝もしくはピストン面への任意の好適な修正に加えて)従来技術のピストン上に後付けされ得る。さらなる例証的例では、ピストンが、1つ以上の構成要素から作成され得、1つ以上の間隙カバー特徴が、1つ以上の構成要素の一部もしくは構成要素自体であり得る。
本開示は、本明細書に説明される実施形態に限定されず、任意の好適なシステムという文脈において実装され得ることを理解されたい。いくつかの好適な実施形態では、本開示は、往復機関および圧縮機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、自由ピストン機関および圧縮機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、往復機関および自由ピストン機関等の燃焼および反応デバイスに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、往復圧縮機および自由ピストン圧縮機等の非燃焼および非反応デバイスに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、ガスばねに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、オイルフリー往復および自由ピストン機関および圧縮機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、内部または外部の燃焼もしくは反応を伴うオイルフリー自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、圧縮点火、化学点火(例えば、触媒表面への暴露、自然着火)、プラズマ点火(例えば、火花点火)、熱発火、点火のための任意の他の好適なエネルギー源、またはそれらの任意の組み合わせを用いて動作するオイルフリー自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、ガス燃料、液体燃料、または両方を用いて動作するオイルフリー自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、線形自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、内部の燃焼/反応を伴う燃焼機関、または(例えば、熱源もしくは燃焼等の外部反応からの)外部熱添加を伴う任意のタイプの熱機関であり得る機関に適用可能である。
前述のものは、本開示の原理を例証するにすぎず、種々の修正が、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって成され得る。上で説明される実施形態は、限定ではなく、例証の目的のために提示される。本開示は、本明細書に明示的に説明されるもの以外の多くの形態もとることができる。故に、本開示は、明示的に開示される方法、システム、および装置に限定されず、以下の請求項の精神の範囲内にある変形例およびそれらの修正を含むことが意図されることが強調されている。

Claims (30)

  1. シールリングアセンブリであって
    前記シールリングアセンブリは、
    リングであって、前記リングは、界面と、ボアに対してシールするように構成されている半径方向外側表面とを備え、前記界面は、前記リングの厚さを完全に通して軸方向に延びていない前記リング内の楔形状の軸方向陥凹を備え、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記界面が広くなることを引き起こすように構成されている、リングと、
    間隙カバー要素であって、前記間隙カバー要素は、楔を備え、前記楔は、前記楔形状の軸方向陥凹と係合するように、かつ、前記楔形状の軸方向陥凹に対するシールを形成するように構成されている、間隙カバー要素と
    を備え、
    前記楔は、前記リングの厚さより小さい厚さを備え、前記間隙カバー要素は、ガス圧によって半径方向外向きに押し付けられ、前記間隙カバー要素は、前記界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動することにより、前記シールを維持するように構成されている、シールリングアセンブリ。
  2. 前記間隙カバー要素は、前記リングが摩耗するにつれて、前記ボアに対してシールするように構成されており、
    前記界面が広くなるにつれて、前記間隙カバー要素の半径方向外側表面が広くなるように構成されている、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  3. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記間隙カバー要素は、前記楔形状の軸方向陥凹と係合するように構成されている楔を備える、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  4. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記リングは、低圧領域と接触するように構成されている後部面を備え、前記間隙カバー要素は、前記後部面に隣接して前記第1の端面および前記第2の端面との前記シールを形成するように構成されている、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  5. 前記リングは、第1のリングであり、前記シールリングアセンブリは、第2のリングをさらに備え、前記第2のリングは、少なくとも1つのリングセグメントを備え、前記少なくとも1つのリングセグメントは、前記第1のリングに軸方向に隣接して配置されており、前記少なくとも1つのリングセグメントは、前記第1のリングに対して、かつ、前記間隙カバー要素に対して軸方向にシールするように構成されている、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  6. 前記リングおよび前記間隙カバー要素のうちの少なくとも1つは、それぞれの自己潤滑性材料から成る、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  7. 前記リングおよび前記間隙カバー要素は、液体潤滑剤なしに動作するように構成されている、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  8. 前記界面は、第1の界面であり、
    前記間隙カバー要素は、第1の間隙カバー要素であり、
    前記リングは、第2の界面を画定する第3の端面および第4の端面を備え、前記第3の端面および前記第4の端面のそれぞれは、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記第2の界面が広くなることを引き起こすように構成されており、
    前記シールリングアセンブリは、前記第3の端面および前記第4の端面に対して第2のシールを形成するように構成されている第2の間隙カバー要素をさらに備え、
    前記第2の間隙カバー要素は、前記第2の界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動することにより、前記第2のシールを維持するように構成されている、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  9. 前記リングは、少なくとも2つのリングセグメントを備えている、請求項8に記載のシールリングアセンブリ。
  10. 前記リングは、前記楔形状の軸方向陥凹の前記軸方向の範囲を画定する第1の軸端面および第2の軸端面をさらに備え、
    前記間隙カバー要素は、前記第1の軸端面および前記第2の軸端面に対してシールするようにさらに構成されている、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  11. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの前記少なくとも一方は、方位角成分と半径方向成分とを含む、請求項1に記載のシールリングアセンブリ。
  12. ピストンアセンブリであって
    前記ピストンアセンブリは、
    ピストンであって、前記ピストンは、円周方向溝を備え、前記円周方向溝は、前記ピストンの外側表面の周囲に延びている、ピストンと、
    前記円周方向溝の中に配置されているシールリングアセンブリと
    を備え、
    前記シールリングアセンブリは、
    リングであって、前記リングは、界面と、ボアに対してシールするように構成されている半径方向外側表面とを備え、前記界面は、前記リングの厚さを完全に通して軸方向に延びていない前記リング内の楔形状の軸方向陥凹を備え、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記界面が広くなることを引き起こすように構成されている、リングと、
    間隙カバー要素であって、前記間隙カバー要素は、楔を備え、前記楔は、前記楔形状の軸方向陥凹と係合するように、かつ、前記楔形状の軸方向陥凹に対するシールを形成するように構成されている、間隙カバー要素と
    を備え、
    前記楔は、前記リングの厚さより小さい厚さを備え、前記間隙カバー要素は、ガス圧によって半径方向外向きに押し付けられ、前記間隙カバー要素は、前記界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動することにより、前記シールを維持するように構成されている、ピストンアセンブリ。
  13. 前記間隙カバー要素は、前記リングが摩耗するにつれて、前記ボアに対してシールするように構成されており、
    前記界面が広くなるにつれて、前記間隙カバー要素の半径方向外側表面が広くなるように構成されている、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  14. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記間隙カバー要素は、前記楔形状の軸方向陥凹と係合するように構成されている楔を備える、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  15. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記リングは、低圧領域と接触するように構成されている後部面を備え、前記間隙カバー要素は、前記後部面に隣接して前記第1の端面および前記第2の端面との前記シールを形成するように構成されている、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  16. 前記リングは、第1のリングであり、前記ピストンアセンブリは、第2のリングをさらに備え、前記第2のリングは、少なくとも1つのリングセグメントを備え、前記少なくとも1つのリングセグメントは、前記第1のリングに軸方向に隣接して配置されており、前記少なくとも1つのリングセグメントは、前記第1のリングに対して、かつ、前記間隙カバー要素に対して軸方向にシールするように構成されている、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  17. 前記リングおよび前記間隙カバー要素のうちの少なくとも1つは、それぞれの自己潤滑性材料から成る、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  18. 前記リングおよび前記間隙カバー要素は、液体潤滑剤なしに動作するように構成されている、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  19. 前記界面は、第1の界面であり、
    前記間隙カバー要素は、第1の間隙カバー要素であり、
    前記リングは、第2の界面を画定する第3の端面および第4の端面を備え、前記第3の端面および前記第4の端面のそれぞれは、少なくとも部分的に半径方向に内向きに面し、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記第2の界面が広くなることを引き起こすように構成されており、
    前記シールリングアセンブリは、前記第3の端面および前記第4の端面に対して第2のシールを形成するように構成されている第2の間隙カバー要素をさらに備え、
    前記第2の間隙カバー要素は、前記第2の界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動することにより、前記第2のシールを維持するように構成されている、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  20. 前記リングは、少なくとも2つのリングセグメントを備えている、請求項19に記載のピストンアセンブリ。
  21. 前記リングは、前記楔形状の軸方向陥凹の前記軸方向の範囲を画定する第1の軸端面および第2の軸端面をさらに備え、
    前記間隙カバー要素は、前記第1の軸端面および前記第2の軸端面に対してシールするようにさらに構成されている、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  22. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方は、方位角成分と半径方向成分とを含む、請求項12に記載のピストンアセンブリ。
  23. デバイスであって
    前記デバイスは、
    ボアを備えているシリンダと、
    ピストンであって、前記ピストンは、円周方向溝を備え、前記円周方向溝は、前記ピストンの外側表面の周囲に延び、前記ピストンは、前記ボア内で軸方向に平行移動するように構成されている、ピストンと、
    前記円周方向溝の中に配置されているシールリングアセンブリと
    を備え、
    前記シールリングアセンブリは、前記ボアに対してシールするように構成されており、前記シールリングアセンブリは、
    リングであって、前記リングは、界面と、前記ボアに対してシールするように構成されている半径方向外側表面とを備え、前記界面は、前記リングの厚さを完全に通して軸方向に延びていない前記リング内の楔形状の軸方向陥凹を備え、前記リングは、前記リングが摩耗するにつれて、前記界面が広くなることを引き起こすように構成されている、リングと、
    間隙カバー要素であって、前記間隙カバー要素は、楔を備え、前記楔は、前記楔形状の軸方向陥凹と係合するように、かつ、前記楔形状の軸方向陥凹に対するシールを形成するように構成されている、間隙カバー要素と
    を備え、
    前記楔は、前記リングの厚さより小さい厚さを備え、前記間隙カバー要素は、ガス圧によって半径方向外向きに押し付けられ、前記間隙カバー要素は、前記界面が広くなるにつれて、半径方向に外向きに移動することにより、前記シールを維持するように構成されている、デバイス。
  24. 前記間隙カバー要素は、前記リングが摩耗するにつれて、前記ボアに対してシールするように構成されており、
    前記界面が広くなるにつれて、前記間隙カバー要素の半径方向外側表面が広くなるように構成されている、請求項23に記載のデバイス。
  25. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記間隙カバー要素は、前記楔形状の軸方向陥凹と係合するように構成されている楔を備える、請求項23に記載のデバイス。
  26. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記ボアは、低圧領域を備え、前記リングは、前記低圧領域と接触するように構成されている後部面を備え、前記間隙カバー要素は、前記後部面に隣接して前記第1の端面および前記第2の端面との前記シールを形成するように構成されている、請求項23に記載のデバイス。
  27. 前記リングは、第1のリングであり、前記デバイスは、第2のリングをさらに備え、前記第2のリングは、少なくとも1つのリングセグメントを備え、前記少なくとも1つのリングセグメントは、前記第1のリングに軸方向に隣接して配置されており、前記少なくとも1つのリングセグメントは、前記第1のリングに対して、かつ、前記間隙カバー要素に対して軸方向にシールするように構成されている、請求項23に記載のデバイス。
  28. 前記リングおよび前記間隙カバー要素のうちの少なくとも1つは、それぞれの自己潤滑性材料から成る、請求項23に記載のデバイス。
  29. 前記リングおよび前記間隙カバー要素は、液体潤滑剤なしに動作するように構成されている、請求項23に記載のデバイス。
  30. 前記リングは、第1の端面および第2の端面を備え、前記第1の端面および前記第2の端面は、前記楔形状の軸方向陥凹を形成し、前記第1の端面および前記第2の端面のうちの少なくとも一方は、方位角成分と半径方向成分とを含む、請求項23に記載のデバイス。
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