JP7307655B2 - ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体及び該ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体及び該ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7307655B2 JP7307655B2 JP2019189710A JP2019189710A JP7307655B2 JP 7307655 B2 JP7307655 B2 JP 7307655B2 JP 2019189710 A JP2019189710 A JP 2019189710A JP 2019189710 A JP2019189710 A JP 2019189710A JP 7307655 B2 JP7307655 B2 JP 7307655B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- colored
- polypropylene
- resin
- particles
- expanded
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Molding Of Porous Articles (AREA)
Description
[1]ポリプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から構成される発泡粒子であって、
該樹脂組成物がフタロシアニン系顔料とポリエチレンワックスとを含み、
該発泡粒子全体の平均気泡径Dが30~100μmであると共に、
該平均気泡径D[μm]に対する、該発泡粒子の最表面側に位置する気泡の平均気泡径Ds[μm]の比(Ds/D)が0.50以上0.75未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
[2]前記樹脂組成物中の前記フタロシアニン系顔料の含有量Wcが0.2~5重量%であると共に、該フタロシアニン系顔料の含有量Wc[重量%]に対する、該樹脂組成物中の前記ポリエチレンワックスの含有量Ww[重量%]の比(Ww/Wc)が0.8~1.25であることを特徴とする前記1に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
[3]前記樹脂組成物がホウ酸亜鉛及びホウ酸マグネシウムから選択される1以上のホウ酸金属塩を含み、
該ホウ酸金属塩の粒子の個数基準の算術平均粒子径が1μm以上5μm以下であり、かつ該ホウ酸金属塩の粒子中の粒子径5μm以上の粒子の個数割合が20%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
[4]前記着色発泡粒子の熱流束示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線において、ポリプロピレン系樹脂に固有の融解ピークと、該融解ピークよりも高温側の融解ピークとを示し、且つ該高温側の融解ピークの熱量が8~25J/gであることを特徴とする前記1~3のいずれか一に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
[5]前記着色発泡粒子の嵩密度が30~100kg/m3であることを特徴とする前記1~4のいずれか一に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
[6]前記1~5のいずれか一に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子を型内成形してなるポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体。
[7]ポリプロピレン系樹脂(A)と、フタロシアニン系顔料とポリエチレンワックスとを含む着色マスターバッチと、気泡調整剤とを溶融混錬することによってポリプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から構成されるポリプロピレン系樹脂着色粒子を製造し、該ポリプロピレン系樹脂着色粒子を密閉容器内にて分散媒に分散させると共に、無機系物理発泡剤を含浸せしめて発泡性ポリプロピレン系樹脂着色粒子とし、該発泡性着色樹脂粒子を分散媒とともに該密閉容器内から該容器内の圧力よりも低圧域に放出して発泡させる着色発泡粒子の製造方法であって、
該着色マスターバッチ中の該フタロシアニン系顔料の含有量Mcが5~30重量%であり、該フタロシアニン系顔料の含有量Mc[重量%]に対する該着色マスターバッチ中の該ポリエチレンワックスの含有量Mw[重量%]の比(Mw/Mc)が0.8~1.25であり、
該樹脂組成中の該顔料の含有量Wcが0.2~5重量%となるように該着色マスターバッチを添加することを特徴とするポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法。
[8]前記着色マスターバッチのJIS K7210-1:2014に基づき温度230℃ 、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレイトであるMFR(II)が10~25g/10minであるとともに、前記ポリプロピレン系樹脂(A)のJIS K7210-1:2014に基づき温度230℃ 、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレイトであるMFR(I)と前記着色マスターバッチのMFR(II)との比[II/I]が1.5~3.5であることを特徴とする前記7に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法。
[9]前記気泡調整剤がホウ酸亜鉛及びホウ酸マグネシウムから選択される1以上のホウ酸金属塩であって、該ホウ酸金属塩の粒子の個数基準の算術平均粒子径が1μm以上5μm以下であり、かつ該ホウ酸金属塩の粒子中の粒子径5μm以上の粒子の個数割合が20%以下であることを特徴とする前記7又は8に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法。
本発明の方法によれば、フタロシアニン系顔料と共にポリエチレンワックスとを特定の比率で含有する着色マスターバッチを該顔料の含有量が特定の範囲となるよう添加してポリプロピレン系樹脂樹脂粒子を製造し、得られるポリプロピレン系樹脂樹脂粒子を所謂分散媒放出発泡方法で発泡させることにより、型内成形性に優れるポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子を容易に製造することができる。
曲げ弾性率は、JIS K7171(2008)に基づき、求めることができる。
本発明の着色発泡粒子は、フタロシアニン系顔料とともにポリエチレンワックスを前記樹脂組成物中に含有させることにより、フタロシアニン系顔料用いて青色や緑色に着色した場合あっても、型内成形時に融着性が低下することが防止される。また、より低い成形圧で成形可能であると共に、成形可能なスチーム圧範囲の広いものとなる。本発明の発泡粒子が融着性(成形性)に優れるものとなる理由としては、樹脂組成物中にポリエチレンワックスが配合されていることに加え、発泡粒子全体の平均気泡径Dに対する発泡粒子の最表面側に位置する気泡の平均気泡径Dsの比(Ds/D)が小さく調整されているため、型内成形時の融着性(成形性)が向上すると考えられる。
さらに、該比(Ds/D)が前記範囲内であると、得られる着色発泡粒子成形体は色目が良好となると共に、色むらが抑制される。
レーザー回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布をもとに、粒子の形状を球として仮定して個数基準の粒度分布に換算することにより、個数基準の粒度分布が得られる。得られた個数基準の粒度分布に基づく粒子径を算術平均することにより個数基準の算術平均粒子径を求めることができる。また、個数基準の粒度分布から粒子径5μm以上の粒子の個数割合を求めることができる。なお、該粒子径は、粒子と同体積を有する仮想球の直径を意味する。
該着色発泡粒子は、前記ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂(即ち、前記樹脂組成物の主成分)とし、該樹脂組成物が前記フタロシアニン系顔料を含有することから、青色や緑色に着色されたものである。さらに、該発泡粒子はポリエチレンワックスを含有し、平均気泡径D及び比(Ds/D)が特定範囲内であることにより、該着色発泡粒子は、型内成形時の発泡粒子間の融着性に優れるものである。
該DSC曲線上の80℃に相当する点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当するDSC曲線上の点βとを結ぶ直線(α-β)を引く。なお、前記融解終了温度Tとは、高温ピークBの高温側におけるDSC曲線と高温側ベースラインとの交点をいう。次に前記の樹脂固有ピークAと高温ピークBとの間の谷部に当たるDSC曲線上の点γからグラフの縦軸と平行な直線を引き、前記直線(α-β)と交わる点をσとする。
高温ピークBの面積は、DSC曲線の高温ピークB部分の曲線と、線分(σ-β)と、線分(γ-σ)とによって囲まれる部分の面積であり、これを高温ピーク熱量とする。全融解ピークの面積は、DSC曲線の樹脂固有ピークA部分の曲線と高温ピークB部分の曲線と、線分(α-β)とによって囲まれる部分の面積であり、これを全融解熱量とする。。
即ち、該着色発泡粒子を成形型内に充填してスチームなどの加熱媒体で加熱することにより、着色発泡粒子を二次発泡させると共に相互に融着させ、成形型どおりの所望の形状に形成された着色発泡粒子成形体を得ることができる。そして、得られた着色発泡粒子成形体は、青色や緑色であって、色むらの発生が抑制され、着色発泡粒子間の融着性に優れているものである。
該製造方法は、着色樹脂粒子製造工程、発泡剤含浸工程、発泡工程を備えており、前記着色発泡粒子を効率よく製造することができる製造方法である。
該着色樹脂粒子製造工程においては、ポリプロピレン系樹脂(A)と、フタロシアニン系顔料とポリエチレンワックスとを含む着色マスターバッチと、気泡調整剤とを押出機に供給し、溶融混錬することによって、前記樹脂組成物を形成し、該樹脂組成物を押出して、ポリプロピレン系樹脂着色粒子を製造する。次の発泡剤含侵工程においては、着色樹脂粒子製造工程で得られたポリプロピレン系樹脂着色粒子を密閉容器内にて無機系物理発泡剤の存在下で分散媒に分散せしめて発泡性ポリプロピレン系樹脂着色粒子とする。次の発泡工程においては、該発泡性着色樹脂粒子を分散媒とともに該密閉容器内より低圧の雰囲気下に放出して発泡させて、着色発泡粒子を製造する。次に、該着色樹脂粒子製造工程、発泡剤含浸工程、発泡工程につき、この順で詳しく説明する。
なお、メルトフローレイト(I)は、ポリプロピレン系樹脂(A)の原料について測定し、メルトフローレイト(II)は、製造された着色マスターバッチについて測定するものとする。
曲げ弾性率は、JIS K7171(2008)に基づき、求めることができる。
該気泡調整剤としては、たとえばホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、タルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、水酸化アルミニウムなどの無機粉体が例示される。気泡調整剤の配合量は、合計で樹脂粒子100重量%中0.001~5重量%が好ましく、0.01~3重量%がより好ましく、更に好ましくは0.05~2重量%である。
また、密閉容器内で樹脂粒子を分散媒中に分散させる際には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤等の界面活性剤を使用することができる。
密閉容器内への物理発泡剤の添加は、着色樹脂粒子を発泡させる前までに行わればよく、例えば物理発泡剤として二酸化炭素が使用される場合には、ドライアイスの形態で分散媒に添加してもよく、気体状態で密閉容器内に圧入してもよい。
樹脂粒子への物理発泡剤の含浸は、加熱下及び/又は加圧下で行われることが好ましい。
また、密閉容器内で樹脂粒子を分散媒中に分散させる際には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤等の界面活性剤を使用することができる。
前記方法に基づき、Microtrac社製MT3000を用いて、ホウ酸金属塩の粒度分布を測定した。水100gにホウ酸金属塩1g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1%水溶液1gを加え、超音波振とう機を用いて5分間分散処理を行ったものを測定用サンプルとして用いた。サンプル屈折率を1.81とした。得られた個数基準の粒度分布に基づく粒子径を算術平均することにより個数基準の平均粒子径[μm]を求めた。また、個数基準の粒度分布から粒子径5μm以上の粒子の個数割合[%]を求めた。
(着色樹脂粒子の製造)
表4に示す種類、配合量のポリプロピレン系樹脂(A)と、表4に示す種類、配合量の着色マスターバッチと、表4に示す種類、配合量の気泡調整剤マスターバッチと、表4に示す配合量の耐候剤とを押出機に供給し、押出機内でこれらを溶融混練して溶融樹脂とし、該溶融樹脂をダイを通してストランド状に押し出し、水中で冷却した後、ペレタイザーにて切断し、1個当たりの平均質量が1.0mgの着色樹脂粒子を得た。
内容積5Lのオートクレーブに、分散媒としての水3Lを仕込み、分散媒中に1kgの前記着色樹脂粒子を分散させた。さらに、分散媒中の分散剤として表4に示す添加量[g/kg]のカオリン、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(着色樹脂粒子100重量部に対し、0.0002重量部)、分散助剤として硫酸アルミニウム(着色樹脂粒子100重量部に対し、0.0001重量部)を添加した。オートクレーブ中の内容物を攪拌しながら、表4に示す発泡温度まで加熱しつつ、表4に示すオートクレーブ内圧力となるまでオートクレーブ中に物理発泡剤としての二酸化炭素を圧入した。その温度で10分間保持した後に、加圧した二酸化炭素により表4に記載のオートクレーブ内圧力を保持した状態で、オートクレーブの一端を開放して、発泡性樹脂粒子を分散媒と共に、大気圧下に放出して発泡性樹脂粒子を発泡せしめて青色に着色された着色発泡粒子を得た。発泡させる際のオートクレーブ中の内容物の温度を発泡温度として表4に示した。
(着色樹脂粒子の製造)
表4に示した種類、配合量の各材料を用いた以外は、実施例1と同様にして青色樹脂粒子を製造した。
内容積3m3のオートクレーブに、分散媒としての水1700Lを仕込み、分散媒中に500kgの前記着色樹脂粒子を分散させた。さらに、分散媒中の分散剤として表4に示す添加量[g/kg]のカオリン、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(着色樹脂粒子100重量部に対して0.003重量部を添加した。オートクレーブ中の内容物を攪拌しながら、表4に示す発泡温度まで加熱しつつ、表4に示すオートクレーブ内圧力となるまでオートクレーブ中に物理発泡剤としての二酸化炭素を圧入した。その温度で10分間保持した後に、加圧した二酸化炭素により表4に記載のオートクレーブ内圧力を保持した状態で、オートクレーブの一端を開放して、樹脂粒子を分散媒と共に、大気圧下に放出して樹脂粒子を発泡せしめて青色に着色された着色発泡粒子を得た。発泡させる際のオートクレーブ中の内容物の温度を発泡温度として表4に示した。
(見掛け密度の測定)
着色発泡粒子群から着色発泡粒子を無作為に取り出して容積1Lのメスシリンダーに入れ、自然堆積状態となるように多数の発泡粒子を1Lの目盛まで収容し、収容された発泡粒子の質量W1[g]を測定した。この操作を異なる発泡粒子サンプルを対象として5回行い、それぞれの測定値からそれぞれの発泡粒子サンプルの嵩密度を求め、これらの算術平均値を着色発泡粒子の嵩密度(kg/m3)とした。
着色発泡粒子全体の平均気泡径Dは前記方法により求めた。具体的には、まず、発泡粒子の中心部分を通るように発泡粒子を略二分割し、走査型電子顕微鏡を用いてその切断面の写真を撮影した。得られた断面写真において、発泡粒子の最表面から中心部を通って反対側の最表面まで、等角度(45°)の間隔を設けて4本の線分を引いた。各線分と交差する気泡数をそれぞれ計測し、4本の線分の合計長さを線分と交差する全気泡数で除した値を1つの発泡粒子の平均気泡径とした。この操作を無作為に抽出した10個の発泡粒子に対して行い、それぞれの発泡粒子について得られた値を相加平均した値を、着色発泡粒子の平均気泡径Dとした。
着色発泡粒子の最表面側に位置する気泡の平均気泡径Dsは前記方法により測定した。発泡粒子の中心部分を通るように切断して発泡粒子を略二分割し、走査型電子顕微鏡を用いてその切断面の写真を撮影した。得られた断面写真において、略円形の発泡粒子断面の円周の長さCを、該発泡粒子断面の円周に接する気泡の数nで除した値を1つの発泡粒子の最表面側に位置する気泡の平均気泡径とした。この操作を無作為に抽出した10個の発泡粒子に対して行い、それぞれの発泡粒子について得られた値を相加平均した値を、着色発泡粒子の最表面に位置する気泡の平均気泡径Dsとした。
着色発泡粒子の高温ピーク熱量、全融解熱量は、JIS K7122:2012に準拠し、前記方法に従い測定した。まず、発泡粒子約3mgを採取し、示差熱走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製DSC.Q1000)によって23℃から200℃まで10℃/分で昇温測定を行い、DSC曲線を得た。次の説明における樹脂固有ピークをA、それより高温側に現れる高温ピークをBとした。該DSC曲線上の80℃に相当する点αと、発泡粒子の融解終了温度Tに相当するDSC曲線上の点βとを結ぶ直線(α-β)を引いた。なお、前記融解終了温度Tとは、高温ピークBの高温側におけるDSC曲線と高温側ベースラインとの交点をいう。次に前記の樹脂固有ピークAと高温ピークBとの間の谷部に当たるDSC曲線上の点γからグラフの縦軸と平行な直線を引き、前記直線(α-β)と交わる点をσとした。
高温ピークBの面積は、DSC曲線の高温ピークB部分の曲線と、線分(σ-β)と、線分(γ-σ)とによって囲まれる部分の面積であり、これを高温ピーク熱量とした。全融解ピークの面積は、DSC曲線の樹脂固有ピークA部分の曲線と高温ピークB部分の曲線と、線分(α-β)とによって囲まれる部分の面積であり、これを全融解熱量とした。
着色発泡粒子の表層厚みは、前記方法により測定した。具体的には、発泡粒子の中心部分を通るように切断して発泡粒子を略二分割し、走査型電子顕微鏡を用いてその切断面の写真を撮影した。該拡大写真上の任意の箇所で、発泡粒子の表面(外表面)の任意の地点から発泡粒子の中心に向けて直線を引き、該直線における発泡粒子の外表面から最表面側に位置する気泡までの距離を測定した。該測定を、該発泡粒子の外表面の任意の5地点について測定し、測定値を算術平均した。この操作を任意の10個以上の発泡粒子で行い、その算術平均値を表層厚みとした。
成形型として、縦方向寸法300mm×横方向寸法250mm×厚み方向寸法24mmの内寸法を持つ直方体状の成形キャビティを有する金型を用いた。
金型を完全に閉じた状態から表5のクラッキングの項目に示す割合の距離で開いた状態で、成形キャビティ内に発泡粒子を充填し、充填完了後、金型を完全に閉じた。その後、0.18~0.40MPa(G)のスチームを成形キャビティ内に供給して発泡粒子を加熱して、着色発泡粒子を二次発泡させると共に融着させることで着色発泡粒子成形体を得た。金型内の着色発泡粒子成形体の面圧が0.04MPa(G)となるまで金型を水冷し、金型を開いて、金型から着色発泡粒子成形体を取り出した。得られた着色発泡粒子成形体を大気圧、温度80℃の雰囲気下で12時間養生した。
(発泡粒子成形体の密度)
発泡粒子成形体の密度は、発泡粒子成形体の重量を、発泡粒子成形体の外形寸法から求められる体積により除した値を求め、[kg/m3]に単位換算した。なお、発泡粒子成形体の体積は、発泡粒子成形体の縦方向の4辺の各辺の寸法を算術平均した値を縦方向寸法、横方向の4辺の各辺の寸法を算術平均した値を横方向寸法、厚み方向の4辺の各辺の寸法を算術平均した値を厚み方向寸法とし、該縦方向寸法×該横方向寸法×該厚み方向寸法の積を発泡粒子成形体の体積とした。
前記(着色発泡粒子成形体の製造)の方法で、成形スチーム圧を0.18~0.40MPa(G)の間で0.02MPa(G)間隔で変化させて発泡粒子成形体を成形し、得られた成形体の融着性、表面外観(間隙=ボイドの度合い)、回復性(型内成形後の膨張または収縮の回復性)の3項目について、型内成形性を下記の基準によりそれぞれA~Cの3段階で評価し、3項目すべての項目で評価がAの評価に達したものを合格とし、全ての項目で合格となったスチーム圧を成形可能なスチーム圧とした。成形可能なスチーム圧の下限値から上限値までの幅が広いものほど、成形可能範囲が広く、型内成形性に優れる。また、成形可能なスチーム圧の値が低いものほど、低圧で成形でき、型内成形性に優れる。
なお、表5に示した発泡粒子成形体の物性及び評価は、表のスチーム圧の欄に表示したスチーム圧で成形した発泡粒子成形体で評価した。
発泡粒子成形体を折り曲げて破断し、破断面に存在する発泡粒子の数(C1)と破壊した発泡粒子の数(C2)とを求め、比率{(C2/C1)×100}を材料破壊率として算出した。異なる試験片を用いて前記測定を5回行い、それぞれの材料破壊率を求め、それらを算術平均した材料破壊率の値により以下の基準で融着性を評価した。
A:材料破壊率90%以上
B:材料破壊率20%以上90%未満
C:材料破壊率20%未満
発泡粒子成形体の中央部に100mm×100mmの正方形を描き、該正方形の一の角から対角線上に線を引き、その線上の1mm×1mmの大きさ以上のボイド(間隙)の数を数え、ボイドの数により以下の基準で表面性を評価した。
A:ボイドの数が3個未満
B:ボイドの数が3個以上5個未満
C:ボイドの数が5個以上
型内成形で用いた縦300mm、横250mm、厚み24mmの平板形状の金型の寸法に対応する発泡粒子成形体における四隅部付近(角より中心方向に10mm内側)の厚みと中心部(縦方向、横方向とも2等分する部分)の厚みをそれぞれ計測した。次いで、四隅部付近のうち最も厚みの厚い箇所の厚みに対する中心部の厚みの比(%)を算出し、該厚み比の値により以下基準で回復性を評価した。
A:厚み比が95%以上の場合
B:厚み比が90%以上95%未満
C:厚み比が90%未満
得られた着色発泡粒子成形体の色ムラを次の基準で評価した。評価結果を表5に示す。観者の目視にて、発泡粒子成形体の板面に著しい色むらがある(1点)から色むらがない(5点)までの5段階評価で色むらの評価を行い、5人の観者の評価の平均値をもとに以下の基準で発泡粒子成形体の色むらを評価した。
◎:4点以上
〇:3.5点以上4点未満
△:3点以上3.5点未満
×:3点未満
Claims (9)
- ポリプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から構成される発泡粒子であって、
該樹脂組成物がフタロシアニン系顔料とポリエチレンワックスとを含み、
該発泡粒子全体の平均気泡径Dが30~100μmであると共に、
該平均気泡径D[μm]に対する、該発泡粒子の最表面側に位置する気泡の平均気泡径Ds[μm]の比(Ds/D)が0.50以上0.75未満であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
- 前記樹脂組成物中の前記フタロシアニン系顔料の含有量Wcが0.2~5重量%であると共に、該フタロシアニン系顔料の含有量Wc[重量%]に対する、該樹脂組成物中の前記ポリエチレンワックスの含有量Ww[重量%]の比(Ww/Wc)が0.8~1.25であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
- 前記樹脂組成物がホウ酸亜鉛及びホウ酸マグネシウムから選択される1以上のホウ酸金属塩を含み、
該ホウ酸金属塩の粒子の個数基準の算術平均粒子径が1μm以上5μm以下であり、かつ該ホウ酸金属塩の粒子中の粒子径5μm以上の粒子の個数割合が20%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
- 前記着色発泡粒子の熱流束示差走査熱量測定によって得られるDSC曲線において、ポリプロピレン系樹脂に固有の融解ピークと、該融解ピークよりも高温側に融解ピークとを示し、且つ該高温側の融解ピークの熱量が8~25J/gであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
- 前記着色発泡粒子の嵩密度が30~100kg/m3であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子を型内成形してなるポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体。
- ポリプロピレン系樹脂(A)と、フタロシアニン系顔料とポリエチレンワックスとを含む着色マスターバッチと、気泡調整剤とを溶融混錬することによってポリプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から構成されるポリプロピレン系樹脂着色粒子を製造し、該ポリプロピレン系樹脂着色粒子を密閉容器内にて分散媒に分散させると共に、無機系物理発泡剤を含浸せしめて発泡性ポリプロピレン系樹脂着色粒子とし、該発泡性着色樹脂粒子を分散媒とともに該密閉容器内から該容器内の圧力よりも低圧域に放出して発泡させる着色発泡粒子の製造方法であって、
該着色マスターバッチ中の該フタロシアニン系顔料の含有量Mcが5~30重量%であり、該フタロシアニン系顔料の含有量Mc[重量%]に対する該着色マスターバッチ中の該ポリエチレンワックスの含有量Mw[重量%]の比(Mw/Mc)が0.8~1.25であり、
該樹脂組成中の該顔料の含有量Wcが0.2~5重量%となるように該着色マスターバッチを添加することを特徴とするポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法。
- 前記着色マスターバッチのJIS K7210-1:2014に基づき温度230℃ 、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレイトであるMFR(II)が10~25g/10minであるとともに、前記ポリプロピレン系樹脂(A)のJIS K7210-1:2014に基づき温度230℃ 、荷重2.16kgにて測定されるメルトフローレイトであるMFR(I)と前記着色マスターバッチのMFR(II)との比(II/I)が1.5~3.5であることを特徴とする請求項7に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法。
- 前記気泡調整剤がホウ酸亜鉛及びホウ酸マグネシウムから選択される1以上のホウ酸金属塩であって、該ホウ酸金属塩の粒子の個数基準の算術平均粒子径が1μm以上5μm以下であり、かつ該ホウ酸金属塩の粒子中の粒子径5μm以上の粒子の個数割合が20%以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載のポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019189710A JP7307655B2 (ja) | 2019-10-16 | 2019-10-16 | ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体及び該ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019189710A JP7307655B2 (ja) | 2019-10-16 | 2019-10-16 | ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体及び該ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021063194A JP2021063194A (ja) | 2021-04-22 |
JP7307655B2 true JP7307655B2 (ja) | 2023-07-12 |
Family
ID=75487594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019189710A Active JP7307655B2 (ja) | 2019-10-16 | 2019-10-16 | ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体及び該ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7307655B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001181434A (ja) | 1999-12-28 | 2001-07-03 | Achilles Corp | 発泡性スチレン系樹脂粒子および着色された発泡性スチレン系樹脂粒子 |
US20050167870A1 (en) | 2002-05-21 | 2005-08-04 | Yutaka Yanagihara | Method of in-mold foam molding for polyolefin based resin foamed article |
JP2005272665A (ja) | 2004-03-25 | 2005-10-06 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法並びに発泡成形品 |
JP2013142141A (ja) | 2012-01-12 | 2013-07-22 | Kaneka Corp | 通い箱 |
JP2014001334A (ja) | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Jsp Corp | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 |
WO2014157647A1 (ja) | 2013-03-29 | 2014-10-02 | 積水化成品工業株式会社 | 複合樹脂粒子ならびにその発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体 |
JP2015108030A (ja) | 2013-12-03 | 2015-06-11 | 株式会社カネカ | ポリオレフィン系樹脂発泡粒子およびポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IL207207A (en) * | 2010-07-25 | 2014-05-28 | Yoav Cohen | Coloring agents and methods for their manufacture |
-
2019
- 2019-10-16 JP JP2019189710A patent/JP7307655B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001181434A (ja) | 1999-12-28 | 2001-07-03 | Achilles Corp | 発泡性スチレン系樹脂粒子および着色された発泡性スチレン系樹脂粒子 |
US20050167870A1 (en) | 2002-05-21 | 2005-08-04 | Yutaka Yanagihara | Method of in-mold foam molding for polyolefin based resin foamed article |
JP2005272665A (ja) | 2004-03-25 | 2005-10-06 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法並びに発泡成形品 |
JP2013142141A (ja) | 2012-01-12 | 2013-07-22 | Kaneka Corp | 通い箱 |
JP2014001334A (ja) | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Jsp Corp | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、及びポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体 |
WO2014157647A1 (ja) | 2013-03-29 | 2014-10-02 | 積水化成品工業株式会社 | 複合樹脂粒子ならびにその発泡性複合樹脂粒子、予備発泡粒子および発泡成形体 |
JP2015108030A (ja) | 2013-12-03 | 2015-06-11 | 株式会社カネカ | ポリオレフィン系樹脂発泡粒子およびポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021063194A (ja) | 2021-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5498162B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその成型体 | |
WO2007099833A1 (ja) | スチレン改質ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡性スチレン改質ポリプロピレン系樹脂粒子、スチレン改質ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、スチレン改質ポリプロピレン系樹脂発泡成形体及びそれらの製造方法 | |
JP5553476B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子 | |
WO2017030124A1 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法およびポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 | |
JPWO2016060162A1 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体およびその製造方法 | |
JPS61215631A (ja) | 型内成型に使用する無架橋予備発泡粒子製造用プロピレン系ランダム共重合体樹脂粒子の製造方法 | |
JP4953891B2 (ja) | 黒色のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子 | |
JP5976098B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子およびポリプロピレン系樹脂発泡粒子からなる型内発泡成形体、並びに、これらの製造方法 | |
JP5314411B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体の製造方法、及び該成形体 | |
JPWO2019189564A1 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡粒子、その製造方法及びポリオレフィン系樹脂の発泡成形体 | |
JP5528002B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子 | |
JP3638960B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡粒子及びその製造方法 | |
JP6757871B1 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡粒子、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体、及び、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 | |
JP6637903B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子 | |
JP6730979B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子およびその製造方法 | |
JP2005023302A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 | |
JP7117829B2 (ja) | オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡粒子 | |
JP5253119B2 (ja) | 熱可塑性樹脂発泡粒子の製造方法 | |
JP2014098161A (ja) | ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製造方法 | |
JP4023911B2 (ja) | 貫通穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子及び連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体の製造方法 | |
JP7307655B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子、ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体及び該ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法 | |
JP2013100555A (ja) | ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子およびその製造方法 | |
JP7296275B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子の製造方法、ポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子群、及びポリプロピレン系樹脂着色発泡粒子成形体 | |
TWI843825B (zh) | 聚烯烴系樹脂發泡粒子、聚烯烴系樹脂發泡粒子成形體、及聚烯烴系樹脂發泡粒子之製造方法 | |
WO2020189389A1 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡粒子、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体、及び、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220602 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230328 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230413 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230629 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230630 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7307655 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |