JP7307456B2 - 模様調部品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、成形加工のみで木目調、石目調などの模様が形成された模様調部品、およびその製造方法に関する。
近年、自動車の内装部品などに用いられる樹脂成形体において、高級感や質感を向上させるため、木目調などの加飾(模様調)を施したものが提案されている。模様調が施された樹脂成形体の製造方法として、例えば、フィルムインモールド成形などがある。この成形方法は、あらかじめ模様が印刷されたフィルムを射出成形金型内に挟み込んだ状態で射出成形して、樹脂成形体の表面に模様を転写する方法である。しかしながら、模様が施されたフィルムが別途必要になるなど、製造効率や製造コストの面で不利なものであった。そこで、成形加工のみで模様調を形成する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、成形加工のみで樹脂成形体に木目模様を形成する技術が開示されている。具体的には、樹脂材料と木質材料の混合比を変えた2種類の混合原料をそれぞれ二頭式射出装置の2つの射出シリンダから交互に射出することで、木目模様を表現している。
特開平8-276464号公報
木目調、石目調などの天然の素材を模した模様調部品においては、より自然な風合いを出すことが求められている。しかしながら、例えば特許文献1の方法では、木目調といっても板目模様しか再現できず、デザインが制約されてしまう。そのため、より自然に近い征目模様など多様な模様が表現できることが望ましい。また、部品毎の模様を再現性良く表現できることが望ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、模様がより自然な風合いの模様調部品、および、模様をより自然な風合いで再現性良く表現可能な模様調部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の模様調部品の製造方法は、着色された2種類の樹脂材料の射出成形によって模様が形成される略平板状の模様調部品の製造方法であって、上記製造方法は、上記模様調部品の形状の金型キャビティに対して、上記2種類の樹脂材料がそれぞれ充填されたシリンダから共通のサイドゲートを介して射出充填して成形する方法であり、上記サイドゲートは、上記キャビティの一側面に並設された複数のゲートを有しており、該複数のゲートは、(1)該複数のゲートのそれぞれの間隔が不均一である、(2)前記キャビティへの開口面積が異なる2以上のゲートからなる、(3)前記キャビティに開口する断面形状が異なる2以上のゲートからなる、の少なくも1つの構成を有することを特徴とする。ここで、(1)における「間隔が不均一」とは、少なくとも1つの間隔が他の間隔と異なることをいう。
上記キャビティの一側面の対向位置に、該一側面と平行に延び、上記複数のゲートと連通するランナー部が形成されており、上記2種類の樹脂材料はそれぞれ上記ランナー部に充填された後、上記複数のゲートから射出充填されることを特徴とする。
本発明の模様調部品は、着色された2種類の樹脂材料からなり、該2種類の樹脂材料によって意匠面に模様が形成された略平板状の模様調部品であって、上記2種類の樹脂材料の境界部が、一端から他端にかけて、互いに略平行に複数形成されており、上記複数の境界部のそれぞれの間隔が不均一であることを特徴とする。
上記模様調部品の厚さ方向で上記2種類の樹脂材料が層状に重なった部分が存在することを特徴とする。
上記模様調部品の意匠面は、上記一端から上記他端に向けた方向に沿って凹部および/または凸部が配列して形成されたマット調の面であることを特徴とする。
本発明の模様調部品の製造方法は、金型キャビティに対して、着色された2種類の樹脂材料を、各樹脂材料が充填されたシリンダから共通のサイドゲートを介して射出充填して成形するので、各樹脂材料の充填量や充填間隔をコントロールでき、再現性良く模様を表現できる。さらに、上記サイドゲートは、キャビティの一側面に並設された複数のゲートを有する多点ゲートであり、(1)該複数のゲートのそれぞれの間隔が不均一であるので、1点ゲートによる射出成形に比べて、石目模様や柾目模様などの多様な天然模様を表現でき、さらに不均一な模様となることでより自然な風合いを表現できる。
(2)上記複数のゲートは、上記キャビティへの開口面積が異なる2以上のゲートで構成されるので、各ゲートから射出される溶融樹脂量のバランスが崩れ、キャビティに充填される溶融樹脂の混ざり合いが不均一となり、自然に近い模様を表現しやすい。
(3)上記複数のゲートは、上記キャビティに開口する断面形状が異なる2以上のゲートで構成されるので、各ゲートから射出される溶融樹脂量のバランスが崩れ、キャビティに充填される溶融樹脂の混ざり合いが不均一となり、自然に近い模様を表現しやすい。
キャビティの一側面の対向位置に、該一側面と平行に延び、上記複数のゲートと連通するランナー部が形成されており、上記2種類の樹脂材料はそれぞれランナー部に充填された後、複数のゲートから射出充填されるので、キャビティへの充填前に一度、ランナー部に溶融樹脂を溜めることができ、その結果キャビティの中心部と側面部の充填バランスの差を抑制できる。
本発明の模様調部品は、着色された2種類の樹脂材料からなり、該2種類の樹脂材料によって意匠面に模様が形成された略平板状であり、2種類の樹脂材料の境界部が、一端から他端にかけて、互いに略平行に複数形成されており、複数の境界部のそれぞれの間隔が不均一であるので、より自然に近い木目調や石目調を表現できる。
模様調部品の厚さ方向で2種類の樹脂材料が層状に重なった部分が存在するので、意匠面から見た場合、表面に位置する樹脂材料の奥側に他方の樹脂材料が透けて見え、奥行き感がでて高級感を表現できる。
模様調部品の意匠面は、一端から他端に向けた方向に沿って凹部および/または凸部が配列して形成されたマット調の面であるので、ゲートの不均一な設計による模様と相俟ってより自然な質感を表現できる。
本発明の模様調部品の斜視図などである。 本発明の製造方法で使用する射出成形機の模式図である。 キャビティに対するゲート位置を示す模式図である。 図3のB部拡大図などである。 射出充填時における溶融樹脂の流れを示す図である。 本発明の模様調部品の別形態を示す斜視図である。 模様調部品の写真である。
本発明の模様調部品の一形態を図1に基づいて説明する。図1(a)は模様調部品を意匠面側から見た斜視図であり、図1(b)は該模様調部品を裏面側から見た斜視図であり、図1(c)は図1(a)のA-A線断面図である。図1に示すように、模様調部品1は、平面形状が略矩形で、意匠面が僅かに弧状に沿った略平板状の部材である。模様調部品1の全体的な形状は、図1の形状に限定されず、曲面形状や凹凸形状を有するものであってもよい。また、平面形状は、図1の略矩形に限定されず、成形時に複数のサイドゲートをキャビティの概ね一側面に並設できる形状であればよく、矩形形状、楕円形状、一辺が直線状で対向する辺が曲線状、などの形状であってもよい。本発明の模様調部品は、具体的には、自動車用内装部品の一つである収納ボックスのカバーパネルや、家具、家電製品などの様々な製品の表面材として利用される。
模様調部品1において、パネルなどとして設置される際に外部に露出する面が意匠面2であり、この意匠面2に木目模様6が形成される。模様調部品1は着色された2種類の樹脂材料を用いた原着成形によって形成された射出成形体であり、成形加工のみで模様調が表現される。図1の模様調部品1の製造では、長さ方向の一端面である側面4に対応するキャビティ面にゲートが形成され、他端面である側面5に対応するキャビティ面に向けて2種類の樹脂材料が射出充填される。射出充填時において、色彩が異なる2種類の樹脂材料が合流する境界部(ウェルドライン)が、木目模様6となって意匠面2に現れる。図1(a)に示すように、意匠面2において、木目模様6は側面4から側面5にかけて模様調部品1の長さ方向に略沿って、複数形成される。各木目模様6は互いに略平行な筋状に形成されることで、全体として柾目模様を構成する。
図1(b)に示すように、木目模様6は、意匠面の裏側の面である裏面3にも同様に形成される。模様調部品1の裏面3は、平坦面で構成されており、凸状のリブなどは形成されていない。従来の模様調部品では、溶融樹脂の流れを阻害してウェルドラインを多数形成するために、裏面に凸状のリブを設けたものが知られている。この従来品の場合、裏面が見える部品として使用する際には、リブを削る二次加工が必要となる。これに対して、模様調部品1は、製品外の箇所(ゲート)で樹脂の乱れを発生させているので、リブが必要なく、裏側も外観部品としてそのまま使用可能である。後述するように、本発明の製造方法では、ゲート設定により樹脂材料の流れに乱れを発生させるので、キャビティに多点ゲートを設ける場所さえあればよく、部品の形状の制約が小さい。
図1(c)に図1(a)のA-A線断面図を示す。この図は、溶融樹脂の射出方向に直交する面で切断した断面図でもある。この図に示すように、隣り合う境界部(木目模様6)間の距離Dは不均一となっている。ここで、距離Dが不均一とは、少なくとも1つの距離が他の距離と異なることをいう。後述するように、本発明の製造方法では、多点ゲートにおける各ゲートに関して、(1)間隔を不均一に設定、(2)キャビティへの開口面積が異なる2以上のゲートとして設定、(3)キャビティに開口する断面形状が異なる2以上のゲートとして設定、の少なくともいずれかの構成を備えることで、各境界部間の距離Dはそれに対応して不均一となっている。本発明の模様調部品では、この距離Dを意図的に大きくしたり、小さくしたりしている。射出方向に直交する面での断面において最大距離Dmaxは、最小距離Dminの2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。なお、上限は10倍以下であることが好ましい。
図2に本発明の製造方法で用いる二頭式射出成形機の模式図を示す。射出成形機11は並設された2つのシリンダ12a、12b、および該シリンダ内にそれぞれ収納された2つのスクリュー13a、13bを有する。2つのシリンダ12a、12bの各先端の溶融樹脂の出口は合流して一つのシリンダーノズル14を形成している。各シリンダ12a、12bにはそれぞれホッパー(図示省略)が取り付けられており、各ホッパーを介して2種類の樹脂材料がそれぞれ充填される。
本発明に用いる2種類の樹脂材料は、互いに色彩が異なる樹脂材料であれば、特に制限なく用いることができる。ここで、色彩が異なるとは、色彩の差異が目視で識別可能なものであればよく、色相、彩度、明度の各要素のうち、いずれか一つの要素が異なっていればよい。2種類の樹脂材料には、ベース樹脂に着色料などの充填材を所定量配合して着色したものを用いる。例えば、樹脂材料全体に対して、ベース樹脂を90~99質量%含み、着色剤を1~10質量%含む樹脂材料が用いられる。これら諸原材料を溶融混練して成形用ペレットとし、このペレットを用いて、図2の射出成形機により所定形状に原着成形する。
樹脂材料のベース樹脂としては、通常、模様調部品に用いられるものであればよく、例えばABS樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
着色剤としては、有機または無機系の染料および顔料を用いることができる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。顔料としては、例えば、白色顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、黄色顔料などを用いることができる。染料としては、動物染料、植物染料、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、ジフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、塩基性染料などを用いることができる。例えば、天然模様として木目調を表現する場合、天然木材に近い色として、茶色顔料や赤色顔料を用いることが好ましい。茶色顔料としては、アンバー、酸化鉄粉などが挙げられ、赤色顔料としては、弁柄、鉛丹、カドミウム赤、モリブデン赤などが挙げられる。また、天然模様として石目調(例えば、大理石の模様)を表現する場合、天然石に近い色として、茶色顔料、白色顔料、黒色顔料を用いることが好ましい。白色顔料としては、二酸化チタン、亜鉛華、鉛白、アンチモン白などが挙げられ、黒色顔料としては、カーボンブラック、クロム黒、クロム酸銅などが挙げられる。また、奥行き感やメタリック調を表現するため、アルミ粉などの金属粉、パール粉などを配合してもよい。
従来の模様調部品では、質感を出すため、例えば樹脂材料に木粉を配合しているが、ベース樹脂との組み合わせによっては樹脂の物性を損ねるおそれがある。本発明では、木粉を使用しなくても、意匠面に微細な凹凸を施しつつ、模様を合わせ込むことなどによって木の質感を容易に再現できる。
上記2種類の樹脂材料に用いるベース樹脂は、同一であっても異なっていてもよいが、樹脂の流れを制御しやすいことから、同一のベース樹脂を使用することが好ましい。例えば、2種類の樹脂材料のベース樹脂の両方にABS樹脂を使用した上で、着色剤として異なる色の顔料(茶色顔料と赤色顔料)を使用したり、同じ着色剤で配合量を変えることで、異なる色彩の樹脂材料とすることができる。
図2において、シリンダ12に充填された樹脂材料は、シリンダ12内で、ヒータ(図示省略)で加熱溶融されつつ、スクリュー13で押され、シリンダーノズル14側に所定量の溶融樹脂として充填される。そして、このシリンダーノズル14から、所望の部品形状(例えば、図1の模様調部品の形状)のキャビティ16に、後述するゲートを介して溶融樹脂が射出充填される。キャビティ16は、例えば固定金型15aおよび移動金型15bを衝合することで金型15内に形成される。本発明の製造方法では、図2のような二頭式射出成形機を用いて、2種類の樹脂材料のキャビティへの充填量や充填間隔を管理した上で射出成形する。これに対して、例えば一頭式射出成形機のように、2種類の樹脂材料を同一のスクリューで滞留させる場合には、撹拌状態がコントロールできず材料の混ざり具合によって模様が変わってしまうが、本発明では図2のような混色成形機を用いることで模様を再現性良く表現できる。
また、図2のような二頭式射出成形機を用いる際の射出速度やタイミング、充填量をシリンダ毎に独立して適宜調整できる。後述するゲート構造を用いることで、各シリンダの射出速度がほぼ一定で同時に射出する場合でも、柾目模様などの木目調や他の天然模様を表現できる。その他、各シリンダから交互に射出充填する、各シリンダの射出速度を調整して一方の樹脂を他方の樹脂が追い抜くように充填する、などの複雑な制御も可能であり、より多様な天然模様を表現できる。
図3にキャビティに対するゲート位置を示す模式図を示す。図3は、キャビティを、模様調部品の意匠面に対応するキャビティ面側から見た模式平面図である。説明の便宜上、図3では金型を省略している。図中のX軸方向はキャビティの幅方向であり、Y軸方向はキャビティの長さ方向である。キャビティの幅方向は模様調部品の幅方向に対応し、キャビティの長さ方向は模様調部品の長さ方向に対応する。なお、Y軸方向のうち一方向側の向き(図中上側から下側への向き)が射出方向となる。
図3に示すように、キャビティ16の一側面16aの対向位置に、一側面16aと平行に延び、サイドゲート19と連通するランナー部18が設けられている。射出成形機から送り出された溶融樹脂は、スプルー17を経て、ランナー部18に流れ込み、ランナー部18内でキャビティの幅方向に延びるように流れ充填される。ランナー部18内に溶融樹脂が充填された後、溶融樹脂は、射出圧力を受けて、サイドゲート19からキャビティ16内へ供給される。このように、一度ランナー部に充填した後にサイドゲートから射出充填することで、キャビティの中心部と側面部の充填バランスの差を抑制できる。
サイドゲート19は、キャビティ16の一側面16aに並設された複数のゲートを有する。各ゲートは、互いに平行に形成され、キャビティの幅方向に沿って整列している。溶融樹脂はランナー部18からゲートの数に対応した複数の分流となってキャビティ16内に充填され、各分流は一側面16aから反対側の一側面16bに向かって流動する。キャビティ16内において、各分流はそれぞれ隣り合う分流と規制し合うことで、一側面16bに向かって略直線状に流れる。本発明では2種類の樹脂材料を充填するため、各樹脂材料の境界部が略直線状に形成され、これらの境界部は互いに略平行に形成される。その後、一定時間の保圧を経た後、冷却して樹脂材料を固化させ、型開きすることで射出成形体が得られる。
本発明の製造方法では、第1の構成として、(1)サイドゲートにおける複数のゲートのそれぞれの間隔が不均一であることを特徴としている。複数のゲートの位置が均一(等間隔)であると模様が人工的に見えてしまうため、ゲートの位置をランダムに設定することで、人工的な印象を与えず、より自然な風合いの模様を形成できる。ここで、ゲートの間隔は、ゲートの中心位置(キャビティの幅方向での中心位置)の幅方向間の距離をいう。例えば、図3において隣り合う任意のゲートを19a、19bとすると、ゲート19aとゲート19bの間隔はCLabである。本発明の製造方法では、この間隔CLを意図的に大きくしたり、小さくしたりしている。各間隔のうち、最大距離CLmaxは、最小距離CLminの2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。なお、上限は10倍以下であることが好ましい。
図3では、キャビティ16の一側面16aにゲートが12個形成されている。ゲートの個数は特に限定されず、この12個に限らない。キャビティに対する各ゲートの位置は、間隔が不均一になるように配置されていればよい。例えば、キャビティの幅方向中央線に対して両側のゲートの数が互いに異なるように配置されることが好ましく、異なるゲートの数が2以上であることがより好ましい。
サイドゲートにおいて、キャビティの幅方向における各ゲートのゲート幅は特に限定されず、互いに同じ寸法でも異なる寸法でもよい。ただし、図3および図4で示すように、ゲート幅も不均一であることが好ましい。ゲート幅を変えることで、溶融樹脂の流速に違いが生じることで模様の出方が変わり、より多彩な模様が表現できる。
本発明の製造方法では、第2の構成として、(2)サイドゲートにおける複数のゲートが、キャビティへの開口面積(断面積)が異なる2以上のゲートから構成されることを特徴としている。例えば、図4(b)に示すように、ゲート21~23の断面形状は円形であり、その径が異なる。開口面積が異なることで樹脂通過流量が異なり、不均一な模様を形成できる。
本発明の製造方法では、第3の構成として、(3)サイドゲートにおける複数のゲートが、キャビティに開口する断面形状が異なる2以上のゲートから構成されることを特徴としている。各ゲートのキャビティに開口する断面形状は、特に限定されず、円形や多角形などを採用できる。複数のゲートは、キャビティに開口する断面形状が異なる2以上のゲートで構成されることが好ましい。例えば、図4(b)に示すように、ゲート20の断面形状はひし形であり、ゲート21~23の断面形状は円形であり、ゲート24の断面形状は正方形であり、異なる形状を含む。断面形状が異なることで、樹脂の流れに乱れが生じ、不均一な模様を形成できる。
以上で説明した、サイドゲートにおける複数のゲートの第1~第3の構成、すなわち、(1)複数のゲートのそれぞれの間隔が不均一である、(2)キャビティへの開口面積が異なる2以上のゲートからなる、(3)キャビティに開口する断面形状が異なる2以上のゲートからなる、ことは、それぞれを単独で有する構成としても、これらを任意に組み合わせた構成としてもよい。キャビティの幅方向におけるゲート位置に加えて、各ゲートのゲート幅や、断面形状、断面積も不均一にすることで、各ゲートで樹脂の乱れが生じ、各ゲートから射出される溶融樹脂の挙動が顕著に不均一となることで、より自然に近い模様を表現できる。
図5では射出充填時における溶融樹脂の流れを説明する。図5はキャビティ16の模式断面図であり、着色された樹脂材料25、26が交互に射出充填される様子を示している。まず、キャビティ16に1つ目の樹脂材料(樹脂材料25)が充填される((a)の状態)。この場合、キャビティの表面層の樹脂材料25は硬化している。その後、2つ目の樹脂材料(樹脂材料26)が充填される際には、硬化していない樹脂材料25の中心部分を樹脂材料26が通過して、奥側に充填される((b)の状態)。この場合、キャビティの表面層の樹脂材料26は硬化している。そして、再度、樹脂材料25が充填される際には、硬化していない樹脂材料26の中心部分を樹脂材料25が通過して、さらに奥側に充填される((c)の状態)。
上記のように射出充填された成形体では、厚さ方向で2種類の樹脂材料が層状に重なった部分が生じる。この成形体を意匠面から見ると、樹脂材料25に基づく色彩の領域R、樹脂材料26に基づく色彩の領域R、表面層の樹脂材料25の奥に樹脂材料26が透けて見える領域Rに分かれて見える。この場合、外観上、奥行き感がでて高級感を醸し出すことができる。色彩としても2種類の樹脂材料を組み合わせたような色彩も表現できる。なお、樹脂材料25と樹脂材料26の境界部27が木目模様6(図1参照)となって現れる。このように、本発明の製造方法では、金型内に溶融樹脂を充填する際、異なる色彩の樹脂材料をそれぞれの表面層、流層(中心層)に望みのタイミングで置き換えてコントロールできるため、縞模様(年輪)、グラデーションなど多彩で特徴的な外観調整が可能となり、かつ、再現性も確保できる。
図6に、本発明の模様調部品の別形態の斜視図を示す。図6に示すように、模様調部品1’は、意匠面2に木目模様6に加えて、シボ加工による複数のシボ7が形成されてマット調とされている。シボ7は、微細な凹溝からなり、断面形状は三角溝やU字溝などが挙げられる。また、各シボ7において溝深さや溝長さは様々である。このシボ7は、樹脂の流れ方向である、一端から他端に向けた方向に沿って配列している。マット調とするための加工は、上記凹溝のような凹部以外に、凸部を形成するものであってもよく、これらを組み合わせてもよい。意匠面2を形成するキャビティ面に微細加工を施してマット調の面とすることで、樹脂の流れでコントロールされた模様と相俟ってより自然な質感を表現できる。
以下の樹脂材料および成形方法によって本発明に係る模様調部品を製造した。
1.樹脂材料
樹脂材料A:ベース樹脂(PC樹脂)96~97質量%と着色剤(茶)3~4質量%を配合した組成物からなる成形用ペレットを用意した。
樹脂材料B:ベース樹脂(PC樹脂)96~97質量%と着色剤(黒)3~4質量%を配合した組成物からなる成形用ペレットを用意した。
2.成形条件
上記の各成形用ペレットを用いて原着成形を行った。2頭式射出成形機から、図3に示す樹脂経路(スプルー、ランナー部、サイドゲート)を介して、キャビティ内へ射出充填した。樹脂材料Aおよび樹脂材料Bは、射出速度一定で同時に射出した。
部品寸法:100mm(長さ)、150mm(幅)、3mm(肉厚)
充填後、一定時間の保圧と冷却を経て、型開きによって成形体を取り出し、スプルー、ランナー部、サイドゲートの一体固化樹脂を機械加工によって取り除いた模様調部品の写真を図7に示す。図7に示すように、意匠面に筋状の木目模様が形成されており、より自然に近い柾目模様が表現されている。なお、裏面にも筋状の木目模様が形成されている。
本発明の模様調部品は、模様がより自然な風合いであるので、パネルなどの模様調部品として幅広く利用できる。また、本発明の製造方法は、模様をより自然な風合いで再現性良く表現できるので、パネルなどの模様調部品の製造方法として幅広く利用できる。
1、1’ 模様調部品
2 意匠面
3 裏面
4 側面
5 側面
6 模様
7 シボ
11 射出成形機
12 シリンダ
13 スクリュー
14 シリンダーノズル
15 金型
16 キャビティ
17 スプルー
18 ランナー
19 サイドゲート
20 ゲート
21 ゲート
22 ゲート
23 ゲート
24 ゲート
25 樹脂材料
26 樹脂材料
27 境界部

Claims (5)

  1. 着色された2種類の樹脂材料の射出成形によって意匠面に模様が形成される略平板状の模様調部品の製造方法であって、
    前記製造方法は、前記模様調部品の形状の金型キャビティに対して、前記2種類の樹脂材料それぞれ充填された2つのシリンダを用い、それぞれのシリンダからの樹脂材料の射出をシリンダ毎に独立して調整しつつ、共通のサイドゲートを介して射出充填して成形する方法であり、
    前記サイドゲートは、前記キャビティの一側面に並設された複数のゲートを有しており、該複数のゲートは、(1)該複数のゲートのそれぞれの間隔が不均一である、(2)前記キャビティへの開口面積が異なる2以上のゲートからなる、(3)前記キャビティに開口する断面形状が異なる2以上のゲートからなる、の少なくも1つの構成を有することを特徴とする模様調部品の製造方法。
  2. 前記キャビティの一側面の対向位置に、該一側面と平行に延び、前記複数のゲートと連通するランナー部が形成されており、前記2種類の樹脂材料はそれぞれ前記ランナー部に充填された後、前記複数のゲートから射出充填されることを特徴とする請求項1記載の模様調部品の製造方法。
  3. 前記模様調部品において、前記2種類の樹脂材料の境界部が、一端から他端にかけて、互いに略平行に複数形成されており、前記複数の境界部のそれぞれの間隔が不均一であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の模様調部品の製造方法
  4. 前記模様調部品の厚さ方向で前記2種類の樹脂材料が層状に重なった部分が存在することを特徴とする請求項3記載の模様調部品の製造方法
  5. 前記模様調部品の意匠面は、前記一端から前記他端に向けた方向に沿って凹部および/または凸部が配列して形成されたマット調の面であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の模様調部品の製造方法
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