JP3566548B2 - 木目調射出成形品、木目調射出成形品の製造方法及び木目調射出成形品の製造装置 - Google Patents

木目調射出成形品、木目調射出成形品の製造方法及び木目調射出成形品の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木目調射出成形品、木目調射出成形品の製造方法及び木目調射出成形品の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂製成形品の製造方法として、特開平8−276464号公報に示すように、成形品表面に木目模様を形成するものがある。このものによれば、合成樹脂をもって、自然木に近い木質感を有する成形品を量産できることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記成形方法により得られる成形品の木目模様は、板目模様であり、高級感を示す柾目模様を有する成形品まで得ることができない。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その第1の技術的課題は、極めて自然に近い柾目模様を有することができる木目調射出成形品を提供することにある。
第2の技術的課題は、極めて自然に近い柾目模様を有する成形品を製造できる木目調射出成形品の製造方法を提供することにある。
第3の技術的課題は、極めて自然に近い柾目模様を有する成形品を製造できる木目調射出成形品の製造装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態で含まれる溶融樹脂が、キャビティ内に複数の分流の下で供給された後、凝固されて、少なくとも表面に複数の分流跡が形成されている木目調射出成形品であって、前記各分流跡が、該各分流跡の幅方向内方側において該各分流跡の延び方向に延びるようにして前記第1材料が凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側において該各第1材料凝固部の延び方向に延びるようにして凝固する第2材料凝固部と、を有すると共に、
前記分流跡の延び方向において該分流跡の距離が長い部位ほど、肉厚が厚くなるように設定されて、厚肉部分ほど製造段階において分流の流動抵抗が少なくなるようにされている構成としてある。
【0006】
上記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項2の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態で含まれる溶融樹脂が、キャビティ内に複数の分流の下で供給された後、凝固されて、少なくとも表面に複数の分流跡が形成されている木目調射出成形品であって、前記各分流跡が、該各分流跡の幅方向内方側において該各分流跡の延び方向に延びるようにして前記第1材料が凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側において該各第1材料凝固部の延び方向に延びるようにして凝固する第2材料凝固部と、を有すると共に、
内側面に、凹溝部又は凸条部が前記分流跡に沿って形成されて、該凹溝部又は凸条部を形作る型面により製造段階において前記溶融樹脂が案内されるようにされている構成としてある。この請求項1又は2の好ましい態様としては、請求項3〜6の記載の通りとなる。
【0007】
上記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項7の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿った方向に延びる湯道を形成するランナー内に送り出すことにより、該溶融樹脂中の前記第2材料が該キャビティ樹脂供給端に沿って延びるような流れ状態とし、
その後、前記キャビティ樹脂供給端に沿って並設された複数のゲートにより、前記溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に直交する方向に流れる複数の分流をもって前記溶融樹脂の第2材料を放物線状に延ばしながら前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給する、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法とした構成としてある。この請求項7の好ましい態様としては、請求項8、10の記載の通りとなる。
【0008】
上記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項9の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿った方向に延びる湯道を形成するランナー内に送り出すことにより、該溶融樹脂中の前記第2材料が該キャビティ樹脂供給端に沿って延びるような流れ状態とし、
その後、前記キャビティ樹脂供給端に沿って並設された複数のゲートにより、前記溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に直交する方向に流れる複数の分流をもって前記溶融樹脂の第2材料を放物線状に延ばしながら前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
前記溶融樹脂を前記キャビティ内に供給するに際して、前記複数のゲートと共に、該複数のゲートに対して隣接配置されたフィルムゲートを併用する、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法とした構成としてある。この請求項9の好ましい態様としては、請求項10の記載の通りとなる。
【0009】
上記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項11の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出し、
その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
前記キャビティ内に供給される各分流の供給タイミングを略同じとするべく、前記キャビティ樹脂供給端に開閉弁を設けて、溶融樹脂が該キャビティ樹脂供給端全体の手前に行き渡った後、該開閉弁を開弁して、各分流をキャビティ内に供給する、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法とした構成としてある。
【0010】
上記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項12の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出し、
その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
前記キャビティ内における成形品内側相当部位で、案内手段をもって各分流を案内する、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法とした構成としてある。この請求項12の好ましい態様としては、請求項16の記載の通りとなる。
【0011】
上記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項13の発明)にあっては、
第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出し、
その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
前記キャビティ内における各分流の流れ抵抗を、該各分流のうち相対的に流動距離の長いものが流れる部位ほど他の分流が流れる部位に比べて小さくする、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法とした構成としてある。この請求項13の好ましい態様としては、請求項14〜16の記載の通りとなる。
【0012】
上記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項17の発明)にあっては、
キャビティ樹脂供給端に複数のゲートを介してランナーが連なり、該ランナー、該複数のゲートを経て該キャビティ樹脂供給端からキャビティ内に溶融樹脂が供給される木目調成形品の製造装置において、
前記溶融樹脂として、該第1材料と該該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態とされたものが用いられ、
前記ランナーが、前記溶融樹脂中の前記第2材料が前記キャビティ樹脂供給端に沿って延びる流れ状態となるように、該キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿って延びる湯道を形成するものとされ、
前記複数のゲートが、前記ランナーの延び方向に並設された状態で前記キャビティ樹脂供給端に臨まされて、前記ランナー内に満たされた溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に対して直交する方向に流れる複数の分流に分けると共に該複数の分流を並列状態で該キャビティ内に向けて流すように設定されている構成としてある。この請求項17の好ましい態様としては、請求項19、20、22の記載の通りとなる。
【0013】
上記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項18の発明)にあっては、
キャビティ樹脂供給端に複数のゲートを介してランナーが連なり、該ランナー、該複数のゲートを経て該キャビティ樹脂供給端からキャビティ内に溶融樹脂が供給される木目調成形品の製造装置において、
前記溶融樹脂として、該第1材料と該該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態とされたものが用いられ、
前記ランナーが、前記溶融樹脂中の前記第2材料が前記キャビティ樹脂供給端に沿って延びる流れ状態となるように、該キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿って延びる湯道を形成するものとされ、
前記複数のゲートが、前記ランナーの延び方向に並設された状態で前記キャビティ樹脂供給端に臨まされて、前記ランナー内に満たされた溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に対して直交する方向に流れる複数の分流に分けると共に該複数の分流を並列状態で該キャビティ内に向けて流すように設定され、
前記キャビティ樹脂供給端に、前記複数のゲートに隣接配置をもって、フィルムゲートが臨まされている構成としてある。この請求項18の好ましい態様としては、請求項19、20、22の記載の通りとなる。
【0014】
上記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項21の発明)にあっては、
キャビティ樹脂供給端に、ゲートが臨まされ、
前記ゲートが、溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定され、
前記キャビティ樹脂供給端に開閉弁が備えられ、
前記開閉弁は、開弁時に、前記複数の分流を前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に同時に流れ込ませるように設定されている、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置とした構成としてある。
【0015】
上記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項23の発明)にあっては、
キャビティ樹脂供給端に、ゲートが臨まされ、
前記ゲートが、溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定され、
前記キャビティ内における成形品内側相当部位に、各分流を案内する案内手段が設けられている、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置とした構成としてある。
【0016】
上記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項24の発明)にあっては、
キャビティ樹脂供給端に、ゲートが臨まされ、
前記ゲートが、溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定され、
前記キャビティ内における厚み空間が、前記各分流のうち相対的に流動距離の長い部位ほど他の分流部位に比べて厚くされている、
ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置とした構成としてある。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態で含まれる溶融樹脂が、キャビティ内に複数の分流の下で供給されることを前提としていることから、その複数の分流の流れ特性を利用して、第2材料は、放物線状をもってキャビティ内に入り込み、その後、第2材料は、各分流先端部がキャビティ樹脂到達端へ流動すると共に幅方向に拡がろうとする動きに連動して、キャビティ樹脂到達端へ流動すると共に幅方向に拡がることになり、その幅方向の拡がりは、隣り合う分流が一種の壁として機能することに基づいて規制され、凝固後において、各分流跡には、その幅方向内方側において該各分流跡の延び方向に延びるようにして第1材料が凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側において該各第1材料凝固部の延び方向に延びるようにして凝固する第2材料凝固部とが区分けして形成されることになり、各分流跡毎に、略一定幅の模様線が確実且つ鮮明に形成されることになる。このため、当該木目調射出成形品は、極めて自然に近い柾目模様を形成することができることになる。
また、各分流毎の第2材料は、その幅方向の拡がりが、キャビティ内への各分流の供給当初から、隣り合う分流の規制を受けて略一定幅の模様線を確実に形成することになり、全長が比較的短いものを含め全長がどの程度のものであろうとも、極めて自然に近い柾目模様を形成することができることになる。
さらに、当該木目調射出成形品においては、分流の数に応じて模様が形成されることから(1つの分流に対して2つの模様線が形成されること)、分流数の調整により模様線の数を自由に増減でき、種々の柾目模様を思いのままに形成できることになる。
さらにまた、分流跡に基づいて柾目模様を形成することから、種々の形状(例えばエルボ状、キャップ状等)の成形品に対しても、成形に際して分流を設定するだけで、柾目模様を形成できることになる。このため、高価な木工加工製品と同等の成形品を安価に提供できることになる。
加えて、分流跡に基づいて柾目模様を形成することから、成形時の分流の作用に基づき、表面だけでなく内部にも厚さ方向において第2材料による略一定幅の模様線が形成されることになり、当該木目調射出成形品においては、摩耗しても、柾目模様が消えないようにすることができることになる。このため、当該木目調射出成形品においては、柾目模様保持に対する信頼性を高めることができるだけでなく、自然木と同様、柾目模様を表しつつ、摩耗に基づく馴染み性に対しても十分に対応できることになる。
【0018】
また、肉厚が、前記分流跡の延び方向において、該分流跡の距離が長い部位ほど厚くなるように設定されていることから、当該木目調射出成形品の製造段階において、厚肉であればあるほど、その部分の分流の流動抵抗を少なくでき、いずれの分流も、できるだけ同じタイミングでキャビティ樹脂到達端に到達できるようにすると共に、その分流の方向性を補強して、他の分流に基づく力に抗して、その分流の方向性が乱されることを抑制できることになる。このため、曲がり部を有する場合(分流の流動距離が異なる場合)でも、製造時に、キャビティ樹脂到達端への到達タイミングが大きく違うことに基づき早くキャビティ樹脂到達端に到達する分流が未だ到達していない分流の流れ領域に流れて分流の整然とした関係を乱すことを抑制し、凝固後において、各分流跡毎に全長に亘って略一定幅の模様線(極めて自然に近い柾目模様)を有するようにすることができることになる。
【0019】
請求項2の発明によれば、内側面に、凹溝部又は凸条部が前記分流跡に沿って形成されていることから、凹溝部又は凸条部が、当該木目調射出成形品を製造する段階において、キャビティの厚み空間を変化させて案内手段として機能することになり、その案内機能に基づき、キャビティに曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合であっても、各分流は、方向性を持って適正に流れ、乱れることが抑制される。しかも、各分流の方向性が補強されることに基づき、その各分流の方向性を乱そうとする力が働いても、その力に抗することができることになり、各分流は、整然とした配置関係を維持することになる。このため、各分流の特性を確実に利用できることになり、当該木目調射出成形品が曲がり部を有している場合(各分流の流動距離が異なる場合)であっても、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に有することができることになる(確実に自然に近い柾目模様を形成できることになる)。
【0020】
請求項3の発明によれば、第1材料又は第2材料に木粉が含まれていることから、視覚を通じて自然木を認識させることができるだけでなく、木質材と同様の触感や比熱を確保できることになり、当該木目調射出成形品の木質感を一層高めることができることになる。
【0021】
請求項4の発明によれば、平板とされて、複数の分流跡が該平板の延び方向に延びるように形成されていることから、当該成形品が平板であっても、その表面及び内部に、複数の分流跡に基づく柾目模様を形成でき、切断加工を行っても柾目模様が消えることを防止できることになる。
【0022】
請求項5の発明によれば、天壁部と該天壁部の周縁部から起立する周壁部とを有する有底筒体とされて、複数の分流跡が、該有底筒体の径方向一方側の周壁部分から該有底筒体の径方向一方側の周壁部分に対向する該有底筒体の径方向他方側の周壁部分に向けて延びるように形成されていることから、当該成形品が有底筒体であっても、有底筒体の径方向一方側の周壁部分から該有底筒体の径方向他方側の周壁部分に天壁を経て延びるようにして、複数の分流跡に基づく柾目模様を形成でき、天壁部表面を、柾目を有する自然木の切断断面のように見せて見栄えを向上させることができることになる。
【0023】
請求項6の発明によれば、屈曲されて略L字状に形成された筒体とされて、複数の分流跡が該筒体の軸心に沿って延びるように形成されていることから、当該成形品が、略L字状に形成された筒体であっても、その表面に、複数の分流跡に基づく柾目模様を該筒体の軸心に沿って形成でき、自然木では非常に面倒な曲げ加工を行ったものと同様の成形品が形成できることになる。
【0024】
請求項7の発明によれば、第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿った方向に延びる湯道を形成するランナー内に送り出すことから、溶融樹脂のうちの第2材料は、溶融樹脂の送り出し流れに基づき順次、送り出されて、キャビティ樹脂供給端に沿って延びるような流れ形状を示すことになる。そしてこの後、溶融樹脂を複数の分流をもってキャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給することから、第2材料は、各分流が形成される部分において、キャビティ樹脂供給端に対して直交する方向の流れ力(射出圧)を受けて、各分流毎に放物線状をもってキャビティ内に入り込み、その後、各分流における第2材料(先端部)は、各分流先端部がキャビティ樹脂到達端へ流動すると共に幅方向に拡がろうとする動きに連動して、キャビティ樹脂到達端へ流動すると共に幅方向に拡がることになり、そのうち、各分流における第2材料の幅方向の拡がりは、隣り合う分流に基づき規制され、それが各分流の流れ方向に延ばされていくことになる。特に、各分流においては、その幅方向両側の速度勾配が幅方向内方側の速度勾配よりも大きいことから、各分流の幅方向両側の第2材料(模様線)は、該各分流の流動方向のせん断力に基づき引き延ばされ、模様線は、分流の流動に伴ってしだいに細くされることになる。このため、各分流毎に略一定幅の模様線を形成でき、極めて自然に近い柾目模様を鮮明に有する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0025】
また、各分流毎の第2材料は、その幅方向の拡がりが、キャビティ内への各分流の供給当初から、隣り合う分流の規制を受けて略一定幅の模様線を確実に形成することになり、全長が比較的短いものを含め全長がどの程度のものであろうとも、極めて自然に近い柾目模様を形成することができることになる。
さらに、分流の数に応じて模様が形成されることから(1つの分流に対して2つの模様線が形成されること)、分流数の調整により模様線の数を自由に増減でき、種々の柾目模様を思いのままに形成できることになる。
さらにまた、分流に基づいて柾目模様を形成することから、種々の形状(例えばエルボ状、キャップ状等)の成形品に対しても、成形に際して分流を設定するだけで、柾目模様を全体(全周)に形成できることになる。
【0026】
加えて、分流に基づく規則的な方法により柾目模様を形成することから、成形品の品質(柾目模様形成状態)を均質にして、歩留まりを高めることができることになる。
加えてまた、溶融樹脂を、第1材料に対して第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出すことにより、その流れを利用して、第2材料を、キャビティ樹脂供給端手前において該キャビティ樹脂供給端に沿って延びるような流れ形状とすることから、成形機としては、溶融樹脂をキャビティ側に送り出す機能を有するものであれば、どのようなものでもよく(スクリュ式射出成形機、プランジャ式成形機、1頭式射出成形機、多頭式射出成形機等の種類を問わず)、汎用の成形機を用いることによって設備コストの低減を図ることができることになる。
また、複数の分流を、キャビティ樹脂供給端に沿って並設された複数のゲートにより形成することから、複数の分流を簡単な構成をもって、具体的且つ確実に形成できることになる。
【0027】
請求項8の発明によれば、キャビティ内に供給される各分流の供給タイミングを略同じとすることから、分流形成直後(キャビティ内への溶融樹脂供給直後)から、各分流において、隣り合う分流の性質(一種の規制壁としての性質)を利用できることになり、キャビティ樹脂到達端への第2材料の流動に伴う該第2材料の幅方向への拡がりを、該各分流形成直後から規制して、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に形成できることになる。このため、全長が比較的短いような成形品でも、確実に自然に近い柾目模様を形成できることになる。
【0028】
請求項9の発明によれば、溶融樹脂をキャビティ内に供給するに際して、複数のゲートと共に、該複数のゲートに対して隣接配置されたフィルムゲートを併用することから、複数のゲートからの勢いの違った各分流を、フィルムゲートからキャビティ樹脂供給端全体に供給される溶融樹脂をもってある程度規制して(せん断抵抗)、キャビティ樹脂供給端から終端にかけて各分流の流れをできるだけバランスのとれたものとすることができることになる。このため、各分流毎の模様線の一定幅を全長に亘って略維持して、模様線の幅に変化がない自然に近い柾目模様を形成する確実性を高めることができることになる。
【0029】
請求項10の発明によれば、複数のゲートのうち、キャビティ内への分流の供給タイミングが早くなるものほどゲート径を小さくすることから、ゲート抵抗に基づき各分流の供給タイミングが是正され、同じ供給タイミングで各分流をキャビティ内に供給できることになる。このため、各分流の特性を確実に利用して、全長がどの程度のものであろうとも、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に形成できることになる(確実に自然に近い柾目模様を形成できることになる)。
【0030】
請求項11の発明によれば、キャビティ樹脂供給端に開閉弁を設けて、溶融樹脂が該キャビティ樹脂供給端全体の手前に行き渡った後、該開閉弁を開弁して、各分流をキャビティ内に供給することから、同じ供給タイミングをもって各分流をキャビティ内に確実に供給できることになる。このため、この場合にも、各分流の特性を確実に利用して、全長がどの程度のものであろうとも、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に形成できることになる(確実に自然に近い柾目模様を形成できることになる)。
【0031】
請求項12の発明によれば、キャビティ内における成形品内側相当部位で、案内手段をもって各分流を案内することから、キャビティ(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合であっても、各分流は、案内手段に従って方向性を持って適正に流れ、乱れることが抑制されることになる。しかも、各分流の方向性が補強されることに基づき、その各分流の方向性を乱そうとする力が働いても、その力に抗することができることになり、各分流は、整然とした配置関係を維持することになる。このため、キャビティ(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合であっても、各分流の作用に基づき、各分流毎に略一定幅の模様線を確実に形成して、確実に自然に近い柾目模様を形成できることになる。
【0032】
請求項13の発明によれば、キャビティ内における各分流の流れ抵抗を、該各分流のうち相対的に流動距離の長いものが流れる部位ほど他の分流が流れる部位に比べて相対的に小さくすることから、相対的に流動距離の長い分流が流れる部位において、該分流は流れ易くなり、いずれの分流も、できるだけ同じタイミングでキャビティ樹脂到達端に到達できるようにすることができることになる。しかも、相対的に流動距離の長い分流が流れる部位において、分流が流れ易くなることに基づき、その分流の方向性が補強されることになり、他の分流に基づく力に抗して、その分流の方向性が乱されることを抑制できることになる。このため、キャビティ(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合でも、キャビティ樹脂到達端への到達タイミングが大きく違うことに基づき早くキャビティ樹脂到達端に到達する分流が未だ到達していない分流の流れ領域に流れて分流の整然とした関係を乱すことを抑制できることになり、各分流毎に全長に亘って略一定幅の模様線(極めて自然に近い柾目模様)を形成する確実性を高めることができることになる。
【0033】
請求項14の発明によれば、分流の流れ抵抗を小さくする手段が、キャビティの厚み空間を、該分流の流動領域において相対的に厚くすることであることから、当該分流の流れ抵抗を具体的に低減できることになる。
【0034】
請求項15の発明によれば、キャビティの厚み空間の調整を、キャビティ内における成形品内側相当部位において各分流を案内するために設ける案内手段としての案内溝により行うことから、キャビティ(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合でも、案内溝をもって各分流の流れ抵抗を調整して、キャビティ樹脂到達端への各分流の到達タイミングをできるだけ近づけることができるばかりでなく、その案内溝をもって、分流を幅方向にあまり拡がらせることなく適切に案内し、しかも、その分流の流れ方向を乱す(曲げる)力に抗することができることになる。このため、キャビティ(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合であっても、整然とした各分流の関係を維持して所望の流路を略一定の幅で流れることができることになり、極めて自然に近い柾目模様を形成する確実性を高めることができることになる。
【0035】
請求項16の発明によれば、案内手段を、分流の流動距離の長い部位ほど短いものに比べて長く延ばすことから、キャビティ(成形品)に曲がり部を有して各分流の流動距離が異なる場合に対して、上述の請求項12又は15の作用効果を、一層的確に発揮させることができることになる。
【0036】
請求項17の発明によれば、溶融樹脂中の第2材料がキャビティ樹脂供給端に沿って延びる流れ状態となるように、該キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿って延ばされる湯道を形成するランナーが備えられると共に、該ランナーの延び方向に並設された状態で複数のゲートが該キャビティ樹脂供給端に臨まされ、前記複数のゲートが、前記ランナー内に満たされた溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定されていることから、当該製造装置をもって、複数の分流の特性を利用して、各分流跡が、該各分流跡の幅方向内方側において該各分流跡の延び方向に延びるようにして第1材料が凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側において該各第1材料凝固部の延び方向に延びるようにして凝固する第2材料凝固部とを有する木目調射出成形品を製造できることになる。
しかもこの場合、ゲートが、複数のゲートを並設した状態で配設することにより構成されていることから、当該製造装置をもって、複数の分流を具体的に生じさせることができることになる。
【0037】
請求項18の発明によれば、キャビティ樹脂供給端に、複数のゲートに隣接配置をもって、フィルムゲートが臨まされていることから、当該製造装置において、前述の請求項9に係る方法と同様の作用が働き、全長がどの程度のものであろうとも、模様線の幅にあまり変化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0038】
請求項19の発明によれば、複数のゲートが、オーバーラップゲートにより構成されていることから、当該製造装置において、オーバーラップゲートに入った溶融樹脂は、その内部において流動方向(流路)が変えられることに基づき、該各オーバーラップゲートは、できるだけバランスのとれた分流を生成しようとすることになり、その各分流に基づき、各分流毎の模様線の一定幅を全長に亘って略維持できることになる。このため、この場合にも、模様線の幅にあまり変化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0039】
請求項20の発明によれば、ゲートに至る溶融樹脂通路に屈曲路部が設けられていることから、当該製造装置においては、ゲートに至る前において、屈曲路部により、溶融樹脂の流れの乱れ、射出圧等を安定させて、ゲートにより形成される各分流を安定としたものとすることができることになる。
【0040】
請求項21の発明によれば、キャビティ樹脂供給端に開閉弁が備えられ、開閉弁は、開弁時に、複数の分流をキャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に同時に流れ込ませるように設定されていることから、当該製造装置において、前述の請求項11に係る方法と同様の作用を働かせることができ、全長がどの程度のものであろうとも、各分流の供給タイミングを同じにして、模様線の幅にあまり変化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0041】
請求項22の発明によれば、ゲートにおける流れ抵抗が、キャビティ内への分流の供給タイミングが早くなる部位ほど相対的に大きくされていることから、当該製造装置において、流れ抵抗調整に基づき各分流の供給タイミングが略同じになるように是正して、全長がどの程度のものであろうとも、模様線の幅にあまり変化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0042】
請求項23の発明によれば、キャビティ内における木目調射出成形品内側相当部位に、各分流を案内する案内手段が設けられていることから、当該製造装置において、前述の請求項12に係る方法と同様の作用を働かせて、案内手段の機能に基づき、全長がどの程度のものであろうとも、模様線の幅にあまり変化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0043】
請求項24の発明によれば、キャビティ内における厚み空間が、各分流のうち相対的に流動距離の長い部位ほど他の分流部位に比べて厚くされていることから、前述の請求項14に係る方法と同様の作用を働かせて、全長がどの程度のものであろうとも、当該製造装置において、模様線の幅にあまり変化がない自然に近い柾目模様を有する木目調射出成形品を製造できることになる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0045】
図1〜図8は第1実施形態を示すものである。この第1実施形態において、図1、図2中、符号1は、成形直後の本実施形態に係る射出成形品で、この成形直後の成形品1は、溶融樹脂が凝固されて、長尺な平板状の製品部2と、その製品部2に取り付いた状態となるゲート部3、ランナー部4、スプルー部5とを有することになっていて、このうち、ゲート部3、ランナー部4、スプルー部5については、この成形後、除去される。この長尺な平板状の製品部2は、パネル等として、各種の用途に供される。
【0046】
上記長尺の平板状の製品部(成形品)2には、図1に示すように、溶融樹脂の複数の分流に基づく複数の分流跡6が形成されている。
【0047】
上記溶融樹脂としては、第1材料中に第2材料が含有されたものが用いられている。第1材料と第2材料とは色彩が異なったものとなっており、成形の段階において、第1材料に対して第2材料が完全混合する前の状態、すなわち不完全混合状態が利用されることになっている。
具体的には、第1材料として、ABS(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、TPE(熱可塑性エラストマー)樹脂(オレフィン系、ナイロン系、ウレタン系等)等、種々の樹脂が単独又は複合して使用され、第2材料として、PP(ポリプロピレン)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等、種々の樹脂が単独又は複合して使用されることになっている。さらに、第1材料、第2材料には、各種樹脂の他に、着色剤、顔料、木粉等が含められており、目的とする木目模様の種類応じて、適宜含有量が決定されることになっている。この第2材料と第1材料との重量比率は、第2材料/第1材料=5/100程度が好ましく、木粉を添加する場合には、その木粉の添加割合は、第1材料及び第2材料量に対して5〜50%の範囲(木質感、成形性等の観点から、より好ましくは10%程度)で添加することが好ましい。
【0048】
上記複数の分流跡6は、略一定幅をもって、製品部2の幅方向(図1中、上下方向)に順次、形成されており、その各分流跡6は、製品部2の延び方向(図1中、左右方向)に延ばされている。この各分流跡6は、第1材料凝固部7と、第2材料凝固部8とをそれぞれ有しており、その第1材料凝固部7及び第2材料凝固部8は、製品部2の表面だけでなく内部にも形成されている。
【0049】
上記第1材料凝固部7は、各分流跡6の幅方向(図1中、上下方向)内方側において、その分流跡6の延び方向に延びるようにして凝固されており、その第1材料凝固部7は、各分流跡6において、略全体を占めている。上記第2材料凝固部8は、各分流跡6の幅方向両側において、各第1材料凝固部7の延び方向に延びるようにしてそれぞれ凝固されており、その第2材料凝固部8は、上記第1材料凝固部7に比してかなり細い線幅をもって形成されている。
【0050】
次に、上記成形品1(製品部2)を製造する製造方法及びその製造方法を実施する製造装置について説明する。
先ず、製造方法を説明する前に先立ち、その製造方法を実施する製造装置について説明し、製造方法については、製造装置の作用と共に説明する。
【0051】
上記成形品1を製造する製造装置9は、図3に示すように、成形機10と、金型11とを備える。
【0052】
上記成形機10としては、本実施形態においては、汎用のスクリュ式射出成形機が用いられている。この成形機10は、内部に順次、供給される前記第1材料用の固形ペレット12と前記第2材料用の固形ペレット13とをシリンダ14内において溶融させて溶融樹脂15(図3においては矢印をもって示す)を生成し、その溶融樹脂15を金型11側に一定圧力(射出圧)をもって送り出す機能を有しており、その溶融樹脂15の生成に際しては、シリンダ14内の温度調整等に基づき、第1材料に対して第2材料が不完全混合状態となるように設定されることになっている。
【0053】
上記金型11は、図3、図4に示すように、上型16と下型17とを有しており、その上、下型16、17は、図示を略す型締め機構により型締め状態にされたとき、図3〜図6に示すように、その内部にキャビティ18と、スプルー19と、ランナー20と、ゲート21とを形成することになっている。
キャビティ18は、前記長尺の平板状の製品部2に対応した空間を形成しており、該キャビティ18は、一定幅の一定厚み空間を保持して、対向するキャビティ樹脂供給端22とキャビティ樹脂到達端23とを形成することになっている。スプルー19は、前記成形機10から溶融樹脂15を受け入れてその溶融樹脂15をランナー20に導く導入湯道を構成しており、そのスプルー19は、ランナー20に連なっている。この場合、スプルー19に、溶融樹脂15の流動方向を変える屈曲部(屈曲路)を形成してもよい。
ランナー20は、スプルー19とゲート21とを結ぶ湯道を構成しており、本実施形態においては、ランナー20は、断面略半円状をもって、キャビティ樹脂供給端22に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端22に沿って延びている(図5、図6参照)。
ゲート21としては、本実施形態においては、複数のオーバーラップゲート21aが用いられている。この複数のオーバーラップゲート21aは、ランナー20(キャビティ樹脂供給端22)の延び方向に所定間隔毎に配置されており、その各オーバーラップゲート21aは、ランナー20の下面側とキャビティ樹脂供給端22付近の下面との間を跨いで該ランナー20と該キャビティ18とを連通させることになっている。
【0054】
次に、上記成形品1(製品部2)の製造方法について、上記製造装置の作用と共に説明する。
先ず、成形機10において、第1材料用の固形ペレット12と第2材料用の固形用ペレット13が所定の各供給速度に基づきシリンダ14内に供給されて、第1材料24と第2材料25とからなる溶融樹脂15が生成され、その溶融樹脂15は、連続的に金型11側に送り出される。このため、溶融樹脂15のうちの第2材料25は、溶融樹脂15の送り出し流れに乗り、その溶融樹脂15の送り出し流れに沿った複数の線状の流れとなり、その複数の線状の第2材料25の流れは、図5に示すように、さらに、溶融樹脂の送り出し流れに基づき、スプルー19を経てランナー20へと流れて、そのランナー20において、該ランナー20(キャビティ樹脂供給端22)の延び方向に延びるような流れ形状を示すことになる。
この場合、スプルー19等に屈曲部(屈曲路)があるときには、溶融樹脂15の脈動等が抑えられることになる。
【0055】
ランナー20内に溶融樹脂15が満たされると、図6に示すように、溶融樹脂15は、射出圧を受け、各オーバーラップゲート21aからキャビティ18内に供給されることになる。これにより、溶融樹脂15は、各オーバーラップゲート21aに基づき、そのオーバーラップゲート21aの数だけの複数の分流26に分けられてキャビティ18内に入り込むことになり、その各分流26は、放物線状をもってキャビティ樹脂供給端22からキャビティ樹脂到達端23に向けて流動することになる。この後、時間の経過に伴い、各分流26先端部がキャビティ樹脂到達端23へ流動すると共に幅方向に拡がろうとするけれども、隣り合う各分流26が互いに規制し合い、各分流26は、略平行な状態をもって流れる。このような各分流26の動きに連動して、各分流中の第2材料25(先端部)も、図7に示すように、キャビティ樹脂到達端23へ流動すると共に幅方向に拡がることになるが、そのうち、第2材料25の幅方向の拡がりは、隣り合う分流26に基づき規制され、それが各分流26の流れ方向に延ばされて各分流26毎に略一定幅の第2材料25の模様流れ(略一定幅の模様線)が形成されることになる。特に、各分流26においては、その幅方向両側の速度勾配が幅方向内方側の速度勾配よりも大きいことから、各分流26の幅方向両側における第2材料25の模様流れは、該各分流の流動方向のせん断力に基づき引き延ばされ、その第2材料25の模様流れは、分流26の流動に伴ってしだいに細くされることになる。勿論このとき、第2材料25の模様流れは、複数の分流26の作用に基づき形成されることから、表面側だけでなく内部にも生じることになる。
【0056】
この場合、複数の分流26は、略同じタイミングでキャビティ18内に供給されることから、各分流26中の第2材料25の幅方向の拡がりは、各分流26の供給当初から隣り合う分流26の規制を受けることになり、上記模様流れは、キャビティ樹脂供給端22から直ちに生じることになる。この場合、図4に示すように、各ゲート21として、オーバーラップゲート21aを用いて、オーバーラップゲート21aとランナー20との接続部、オーバーラップゲート21aとキャビティ18との接続部において、溶融樹脂15の流動方向を変えることから、各オーバーラップゲート21aから供給される分流26の勢い、供給タイミング等はバランスのとれたものとなり、このことも、キャビティ樹脂供給端22から直ちに、各分流26毎に幅にあまり変化がない第2材料25の模様流れを生じさせることに寄与することになる。
【0057】
そして、キャビティ18内への複数の分流26による溶融樹脂15の供給を終えると(充填されると)、溶融樹脂15の凝固を待ち、その後、上、下型16、17を開いて、前述の成形品1を取り出すことになる。
【0058】
したがって、このような第1実施形態においては、製品部2の全長が比較的短いものを含め全長がどの程度のものであろうとも、各分流26毎に略一定幅の模様流れを形成して、極めて自然に近い柾目模様を鮮明に有する成形品1(製品部2)を得ることができることになる。
また、上記製品部2を得るにおいて、分流26数の調整により第2材料25の模様流れの数を自由に増減でき(1つの分流26の幅方向両側に2つの第2材料25の模様線が形成されること)、種々の柾目模様を思いのままに形成できることになる。
さらに、溶融樹脂15を、第1材料24に対して第2材料25が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端22にまで送り出し、その流れを利用して、第2材料25を、キャビティ樹脂供給端22手前において該キャビティ樹脂供給端22に沿って延びるような流れ形状とすることから、多頭式射出成形機等によって模様を形成する必要がなく、汎用射出成形機を用いることができ、設備コストの低減を図ることができることになる。
【0059】
図8は、平板状の製品部2の表面を表す写真である。この写真によれば、製品部2の表面に、開始端(キャビティ樹脂供給端側)から終端まで柾目模様を認識することができる。
この場合、下記成形条件の下で、製品部2を成形した。
1)大きさ(縦125mm 横50mm 厚み1mm)
2)ゲート(数:10 種類:異径多点オーバーラップゲート+フィルムゲート)
3)樹脂(第1材料:ABS 第2材料:PBT)
4)射出条件(シリンダ温度:235度C 金型温度:60度C 最大射出圧:1500Kg/cm2)
5)その他(型締め力:60t 射出成形機のスクリュ径:46mm)
【0060】
図9、図10は第2実施形態、図11は第3実施形態、図12は第4実施形態、図13は第5実施形態、図14〜図20は第6実施形態、図21〜図23は第7実施形態を示すものである。この各実施形態において、前記第1実施形態以降、当該実施形態前における実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図9、図10に示す第2実施形態においては、製品部2(成形品)が、図9に示すように、内側面において複数の凸条部27が形成されている。この複数の凸条部27は、製品部2の幅方向に所定間隔毎(分流毎)に配設され、その各凸条部27は製品部2の延び方向に延ばされている。
【0062】
このような凸条部27を有する製品部2を成形するためには、図10に示すように、下型17として、複数の案内溝28を有するものが用いられる。複数の案内溝28は、並設状態をもって延ばされており、その各案内溝28に溶融樹脂15が充填されることにより、製品部2の凸条部27が形成されることになっている。
【0063】
したがって、このような第2実施形態においては、製品部2の成形に際して、各案内溝28は、溶融樹脂15の案内手段として機能することになり、その案内機能に基づき、各分流26は、方向性を持って適正に流れ、乱れることが抑制される。しかも、各分流26の方向性が補強されることに基づき、その各分流の方向性を乱そうとする力が働いても、その力に抗することができることになり、各分流26は、整然とした略真っ直ぐな配置関係を維持することになる。このため、各分流26の特性を確実に利用できることになり、凝固後において、製品部2は、各分流跡6毎に略一定幅の第2材料凝固部8(模様線)を確実に有することができることになる。
【0064】
図11に示す第3実施形態においては、ゲート21として、ファンゲート21bが用いられている。このファンゲート21bには、キャビティ樹脂供給端22よりも手前において、複数の仕切部30が設けられ、その複数の仕切部30間を溶融樹脂15が通ることにより前記複数の分流26を生成され、その複数の分流26がキャビティ18内に入り込むことになっている。
【0065】
第4実施形態においては、複数のゲート21のうち、キャビティ18内への分流26の供給タイミングが早くなるものほどゲート径が小さくされている。
すなわち、例えば、金型11として、図12に示すように、スプルー19がランナー20の延び方向中央部に位置するようなものが用いられているときには、キャビティ18に対する各分流26の供給タイミングは略同じとなるが、各分流26の供給タイミングの精度をより高めるために、溶融樹脂の動圧を受け易いゲート21(スプルー19の出口に対向するゲート)の径が他のものよりも狭められて、その通過抵抗を高められている。これにより、各分流26の供給タイミングを同じとすることが高められて、前述の各分流26の作用を確実に利用でき、製品部2の表面に、分流跡6毎に略一定幅の第2材料凝固部8(模様線)を表すことができることになる。
【0066】
第5実施形態においては、図13に示すように、キャビティ樹脂供給端22の手前に開閉弁31が設けられている。この開閉弁31を用いることにより、溶融樹脂15が該キャビティ樹脂供給端22全体の手前に行き渡った後、該開閉弁31を開弁して、各分流26をキャビティ18内に供給するようにすれば、各分流26の供給タイミングが極めて高い精度となり、前述の各分流26の作用を確実に利用できることになる。
【0067】
図14〜図20に示す第6実施形態においては、天壁部32とその周縁部から起立する周壁部33とを備える有底円筒状のキャップ体34(2)に柾目模様を形成したものを示している。
すなわち、この第6実施形態においては、図15に示すように、成形品1は、製品部2の他に、フィルムゲート部35、並設状態の複数のサイドゲート36等を備えている。フィルムゲート部35と複数のサイドゲート部36とは、キャップ体34における径方向一方側の周壁部33に、その開口周縁部において設けられており、複数のサイドゲート部36は、フィルムゲート部36に上下に隣接して配置されている。そして、この複数のサイドゲート部35、フィルムゲート部36等は、この成形後、除去され、製品部2としてのキャップ体34が、図14に示すように、手摺41の端部キャップ等として用いられることになっている。
【0068】
このような成形品1を成形するために、図16に示すように、上型16に凹所37が形成され、下型17に、上型16の凹所37に嵌合して有底円筒状のキャビティ18を形成する凸部38が形成されている。しかも、上、下型16、17は、上述のフィルムゲート部35、複数のサイドゲート部36に対応して、フィルムゲート21c、複数のサイドゲート21dがキャビティ18に臨むように形成され、下型17の凸部38先端面には、図16、図17に示すように、その径方向一方側から径方向他方側に向けて延びるように複数の案内溝28が形成されている。
【0069】
このような金型11を用いて成形を行うと、図18に示すように、サイドゲート21dにより複数の分流26が生成されて前述の各分流26の作用を生じさせることができるばかりでなく、この成形品1のように、キャビティ樹脂供給端22からキャビティ樹脂到達端23までの距離に関し、異なる距離を有する通路を有することになる場合であっても(径方向一方側の周壁部分から径方向他方側の周壁部分に天壁部32を経て至る距離と、径方向一方側の周壁部分から径方向他方側の周壁部分に周壁部33を経て至る距離とが異なる)、複数の案内溝28の案内機能に基づき、各分流26は、方向性を持って適正に流れ、乱れることが抑制される。しかも、各分流26の方向性が補強されることに基づき、その各分流26の方向性を乱そうとする力が働いても、その力に抗することができることになり、各分流26は、整然とした配置関係を維持することになる。このため、キャップ体34であっても、天壁部32に各分流跡6毎に略一定幅の第2材料凝固部8(模様線)を確実に形成できることになる。
【0070】
勿論このとき、複数のサイドゲート21dとフィルムゲート21cとが上下に隣接して配置されていることに基づき、複数のサイドゲート21dにより形成される複数の分流26に、勢いの違いがあっても、フィルムゲート21cからの溶融樹脂15により是正され、各分流26は、バランスあるものとされる。
【0071】
これに対して、複数の案内溝28を下型17の凸部38に形成しない場合には、図19に示すように、複数の分流26に基づき複数の線状の第2材料凝固部8(柾目模様)を形成することができるものの、その第2材料凝固部8の間隔は、キャビティ樹脂到達端23に近づくに従って狭められることになる。これは、キャビティ樹脂供給端22からキャビティ樹脂到達端23まで溶融樹脂15が流動するに際して、周壁部33相当部を経由する溶融樹脂15が、天壁部32相当部を経由する溶融樹脂15に比べて早くキャビティ樹脂到達端23に到達して、天壁部32相当部を経由する溶融樹脂15に側方から力を作用させるためと考えられる。この点、複数の案内溝28を下型17の凸部38に形成している場合には、この力に対して十分に抗することになる。
【0072】
図20は、キャップ体34の表面を表す写真である。この写真によれば、キャップ体34の天壁部32表面に、開始端(キャビティ樹脂供給端22側)から終端まで柾目模様を認識することができる。
この場合、下記成形条件の下で、キャップ体32を成形した。
1)大きさ(直径34mm 高さ10mm 肉厚1mm)
2)ゲート(数:8 種類:同径多点オーバーラップゲート+フィルムゲート)
3)樹脂(第1材料:ABS 第2材料:PBT)
4)射出条件(シリンダ温度:235度C 金型温度:60度C 最大射出圧:1500Kg/cm2)
5)その他(型締め力:60t 射出成形機のスクリュ径:46mm)
【0073】
勿論、このような案内溝28に代えて、或いはこの案内溝28と共に、分流26の流動距離が短いほど、周壁部33相当部の厚み空間(キャビティ空間厚み)を狭めて、その分流26の流動抵抗を高め、溶融樹脂15のキャビティ樹脂到達端23への到達タイミングを、どこを経由しようとも、略同じにするようにしてよい。
【0074】
図21〜図23に示す第7実施形態においては、製品部2として、略L字状(エルボ状)の屈曲筒体39の全周に、該屈曲筒体39の軸心に沿って延びるように柾目模様を形成したものを示している。
すなわち、成形直後の成形品1は、図22に示すように、製品部2としての屈曲筒体39の他に、ゲート部42、ランナー部43等を備えている。屈曲筒体39は、複数の第2材料凝固部8が周回り方向に所定間隔毎に形成され、その各第2材料凝固部8は、屈曲筒体39の軸心に沿って、その一端から他端に向けて延ばされており、この屈曲筒体34は、図21に示すように、ゲート部42、ランナー部43等の除去後、手摺41の端部において用いられることになっている。
【0075】
このような成形品1を成形するために、金型11内部には、金型要素としての中子45、46を用いて、図23に示すように、略L字状の屈曲筒体形成空間(キャビティ18)が形成され、その一端側(キャビティ樹脂供給端22)の全周に複数のオーバーラップゲート21aが臨んでいる。
この場合、屈曲筒体39の一端から他端までの距離に関し、屈曲筒体39の外周側39aが内周側39bに比べて長くなり、その違いに基づき、キャビティ18内で複数の分流26を生成しても、その複数の分流26が乱れ易いことから、中子45、46の外周面に複数の案内溝28を形成して、その複数の案内溝28により、その各分流26の乱れに抗することになっている。
これにより、成形品が略L字状に曲げられた屈曲筒体39であっても、図22に示すように、複数の分流26等に基づき、分流跡6毎に第2材料凝固部8(模様線)が形成され、柾目模様を得ることができることになる。
【0076】
この場合、別の態様として、中子45、46において、分流26の流動距離が長い部位(外周側)、ほど長く案内溝を形成してもよいし、分流26の流動距離が長い部位ほど案内溝28を深くしてもよい。
【0077】
さらに別の態様として、案内溝に代えて、分流26の流動距離の長い部位ほど、キャビティ18の厚み空間を次第に厚くなるようにしてもよい。これによっても、上記第7実施形態と同様の作用効果を得ることができることになる。
【0078】
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次のような態様を包含する。
1)複数のゲート21を、その間隔が細かくなるように配置すること。これにより、より自然木の柾目に近づけることができることになる。
2)オーバーラップゲートとフィルムゲートとを併用すること。
【0079】
尚、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましい或いは利点として記載されたものに対応したものを提供することをも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における成形直後の成形品を示す平面図。
【図2】図1の拡大側面図。
【図3】第1実施形態に係る製造装置を説明する説明図。
【図4】第1実施形態に係る金型を示す部分拡大断面図。
【図5】金型内での溶融樹脂の流れを説明する説明図。
【図6】図5の続きを説明する動作状態図。
【図7】分流毎の第2材料の模様流れの生成を説明する説明図。
【図8】第1実施形態に係る製品部(成形品)表面を表す写真。
【図9】第2実施形態における製品部(成形品)を示す斜視図。
【図10】図9の成形品を成形する金型を示す部分拡大断面図。
【図11】第3実施形態に係るゲート構造を示す説明図。
【図12】第4実施形態に係るゲート構造を示す説明図。
【図13】第5実施形態に係るゲート構造を示す説明図。
【図14】第6実施形態に係る成形品(キャップ体)を用いた手摺を示す斜視図。
【図15】第6実施形態に係る成形品を示す斜視図。
【図16】第6実施形態に係る成形品を成形する金型を示す部分拡大断面図。
【図17】第6実施形態に係る下型を示す部分拡大斜視図。
【図18】第6実施形態において、金型内での溶融樹脂の流れを平面的に説明する説明図。
【図19】第6実施形態に係る下型の凸部に案内溝を形成しない場合ついて、金型内での溶融樹脂の流れを平面的に説明する説明図。
【図20】第6実施形態に係る製品部(キャップ体)表面を示す写真。
【図21】第7実施形態に係る成形品(屈曲筒体)を用いた手摺を示す斜視図。
【図22】第7実施形態に係る成形品を示す図。
【図23】第7実施形態に係る金型を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 成形品
2 製品部
6 分流跡
7 第1材料凝固部
8 第2材料凝固部
9 製造装置
11 金型
15 溶融樹脂
16 上型
17 下型
18 キャビティ
21 ゲート
21a オーバーラップゲート
21b ファンゲート
21c フィルムゲート
21d サイドゲート
22 キャビティ樹脂供給端
23 キャビティ樹脂到達端
26 分流
27 凸条部
28 案内溝
30 仕切部
31 開閉弁
32 天壁部
33 周壁部
34 キャップ体
39 屈曲筒体

Claims (24)

  1. 第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態で含まれる溶融樹脂が、キャビティ内に複数の分流の下で供給された後、凝固されて、少なくとも表面に複数の分流跡が形成されている木目調射出成形品であって、
    前記各分流跡が、該各分流跡の幅方向内方側において該各分流跡の延び方向に延びるようにして前記第1材料が凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側において該各第1材料凝固部の延び方向に延びるようにして凝固する第2材料凝固部と、を有すると共に、
    前記分流跡の延び方向において該分流跡の距離が長い部位ほど、肉厚が厚くなるように設定されて、厚肉部分ほど製造段階において分流の流動抵抗が少なくなるようにされている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品。
  2. 第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態で含まれる溶融樹脂が、キャビティ内に複数の分流の下で供給された後、凝固されて、少なくとも表面に複数の分流跡が形成されている木目調射出成形品であって、
    前記各分流跡が、該各分流跡の幅方向内方側において該各分流跡の延び方向に延びるようにして前記第1材料が凝固する第1材料凝固部と、該各分流跡の幅方向両側において該各第1材料凝固部の延び方向に延びるようにして凝固する第2材料凝固部と、を有すると共に、
    内側面に、凹溝部又は凸条部が前記分流跡に沿って形成されて、該凹溝部又は凸条部を形作る型面により製造段階において前記溶融樹脂が案内されるようにされている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1材料又は前記第2材料に木粉が含まれている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    平板とされて、前記複数の分流跡が該平板の延び方向に延びるように形成されている、ことを特徴とする木目調射出成形品。
  5. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    天壁部と該天壁部の周縁部から起立する周壁部とを有する有底筒体とされて、前記複数の分流跡が、該有底筒体の径方向一方側の周壁部分から該有底筒体の径方向一方側の周壁部分に対向する該有底筒体の径方向他方側の周壁部分に向けて延びるように形成されている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品。
  6. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    屈曲されて略L字状に形成された筒体とされて、前記複数の分流跡が該筒体の軸心に沿って延びるように形成されている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品。
  7. 第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿った方向に延びる湯道を形成するランナー内に送り出すことにより、該溶融樹脂中の前記第2材料が該キャビティ樹脂供給端に沿って延びるような流れ状態とし、
    その後、前記キャビティ樹脂供給端に沿って並設された複数のゲートにより、前記溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に直交する方向に流れる複数の分流をもって前記溶融樹脂の第2材料を放物線状に延ばしながら前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給する、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記キャビティ内に供給される各分流の供給タイミングを略同じとする、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  9. 第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿った方向に延びる湯道を形成するランナー内に送り出すことにより、該溶融樹脂中の前記第2材料が該キャビティ樹脂供給端に沿って延びるような流れ状態とし、
    その後、前記キャビティ樹脂供給端に沿って並設された複数のゲートにより、前記溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に直交する方向に流れる複数の分流をもって前記溶融樹脂の第2材料を放物線状に延ばしながら前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
    前記溶融樹脂を前記キャビティ内に供給するに際して、前記複数のゲートと共に、該複数のゲートに対して隣接配置されたフィルムゲートを併用する、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  10. 請求項7又は9のいずれかにおいて、
    前記複数のゲートのうち、前記キャビティ内への分流の供給タイミングが早くなるものほどゲート径を小さくする、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  11. 第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出し、
    その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
    前記キャビティ内に供給される各分流の供給タイミングを略同じとするべく、前記キャビティ樹脂供給端に開閉弁を設けて、溶融樹脂が該キャビティ樹脂供給端全体の手前に行き渡った後、該開閉弁を開弁して、各分流をキャビティ内に供給する、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  12. 第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出し、
    その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
    前記キャビティ内における成形品内側相当部位で、案内手段をもって各分流を案内する、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  13. 第1材料と該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とからなる溶融樹脂を、該第1材料に対して該第2材料が不完全混合状態となるようにして、キャビティ樹脂供給端にまで送り出し、
    その後、前記溶融樹脂を複数の分流をもって前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に供給し、
    前記キャビティ内における各分流の流れ抵抗を、該各分流のうち相対的に流動距離の長いものが流れる部位ほど他の分流が流れる部位に比べて小さくする、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  14. 請求項13において、
    前記分流の流れ抵抗を小さくする手段が、前記キャビティの厚み空間を、該分流の流動領域において相対的に厚くすることである、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  15. 請求項14において、
    前記キャビティの厚み空間の調整を、前記キャビティ内における成形品内側相当部位において各分流を案内するために設ける案内手段としての案内溝により行う、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  16. 請求項12又は15において、
    前記案内手段を、前記分流の流動距離の長い部位ほど短いものに比べて長く延ばす、ことを特徴とする木目調射出成形品の製造方法。
  17. キャビティ樹脂供給端に複数のゲートを介してランナーが連なり、該ランナー、該複数のゲートを経て該キャビティ樹脂供給端からキャビティ内に溶融樹脂が供給される木目調成形品の製造装置において、
    前記溶融樹脂として、該第1材料と該該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態とされたものが用いられ、
    前記ランナーが、前記溶融樹脂中の前記第2材料が前記キャビティ樹脂供給端に沿って延びる流れ状態となるように、該キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿って延びる湯道を形成するものとされ、
    前記複数のゲートが、前記ランナーの延び方向に並設された状態で前記キャビティ樹脂供給端に臨まされて、前記ランナー内に満たされた溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に対して直交する方向に流れる複数の分流に分けると共に該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定されている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  18. キャビティ樹脂供給端に複数のゲートを介してランナーが連なり、該ランナー、該複数のゲートを経て該キャビティ樹脂供給端からキャビティ内に溶融樹脂が供給される木目調成形品の製造装置において、
    前記溶融樹脂として、該第1材料と該該第1材料に対して色彩が異なる第2材料とが不完全混合状態とされたものが用いられ、
    前記ランナーが、前記溶融樹脂中の前記第2材料が前記キャビティ樹脂供給端に沿って延びる流れ状態となるように、該キャビティ樹脂供給端に対向しつつ該キャビティ樹脂供給端に沿って延びる湯道を形成するものとされ、
    前記複数のゲートが、前記ランナーの延び方向に並設された状態で前記キャビティ樹脂供給端に臨まされて、前記ランナー内に満たされた溶融樹脂を、該ランナーの延び方向に対して直交する方向に流れる複数の分流に分けると共に該複数の分流を並列状態で該キャビティ内に向けて流すように設定され、
    前記キャビティ樹脂供給端に、前記複数のゲートに隣接配置をもって、フィルムゲートが臨まされている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  19. 請求項17又は18において、
    前記複数のゲートが、オーバーラップゲートにより構成されている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  20. 請求項17〜19のいずれかにおいて、
    前記ゲートに至る溶融樹脂通路に屈曲路部が設けられている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  21. キャビティ樹脂供給端に、ゲートが臨まされ、
    前記ゲートが、溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定され、
    前記キャビティ樹脂供給端に開閉弁が備えられ、
    前記開閉弁は、開弁時に、前記複数の分流を前記キャビティ樹脂供給端から該キャビティ内に同時に流れ込ませるように設定されている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  22. 請求項17〜20のいずれかにおいて、
    前記ゲートにおける流れ抵抗が、前記キャビティ内への分流の供給タイミングが早くなる部位ほど相対的に大きくされている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  23. キャビティ樹脂供給端に、ゲートが臨まされ、
    前記ゲートが、溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定され、
    前記キャビティ内における成形品内側相当部位に、各分流を案内する案内手段が設けられている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
  24. キャビティ樹脂供給端に、ゲートが臨まされ、
    前記ゲートが、溶融樹脂を複数の分流に分けて該複数の分流を並列状態でキャビティ内に向けて流すように設定され、
    前記キャビティ内における厚み空間が、前記各分流のうち相対的に流動距離の長い部位ほど他の分流部位に比べて厚くされている、
    ことを特徴とする木目調射出成形品の製造装置。
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