JP2006241310A - 不規則模様を有する樹脂成形品およびその製造装置と製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 磨耗があっても不規則模様を失わず、光による劣化を防止することで長期間に渡って使用可能な樹脂成形品およびその製造装置と製造方法を提供する。
【解決手段】 樹脂ペレット(第1樹脂材料)とマスターバッチ(第2樹脂材料)とを混合した混合物について一方の樹脂材料が半溶融するまで溶融し、溶融した混合物を所定形状の樹脂成形品に成形した後、当該成形物の表面を紫外線吸収剤を有する透明塗料34(透明部材)でコーティングする。樹脂ペレットとマスターバッチとでは色,流動性および溶融温度が異なるので、混合物を溶融した後には不規則模様が発現する。また、透明塗料34でコーティングされた樹脂成形品Pは酸素と反応しないので、光による劣化を防止して長期間に渡って使用できる。樹脂成形品Pは表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
【選択図】 図6
【解決手段】 樹脂ペレット(第1樹脂材料)とマスターバッチ(第2樹脂材料)とを混合した混合物について一方の樹脂材料が半溶融するまで溶融し、溶融した混合物を所定形状の樹脂成形品に成形した後、当該成形物の表面を紫外線吸収剤を有する透明塗料34(透明部材)でコーティングする。樹脂ペレットとマスターバッチとでは色,流動性および溶融温度が異なるので、混合物を溶融した後には不規則模様が発現する。また、透明塗料34でコーティングされた樹脂成形品Pは酸素と反応しないので、光による劣化を防止して長期間に渡って使用できる。樹脂成形品Pは表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
【選択図】 図6
Description
本発明は、木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を有する樹脂成形品や、当該樹脂成形品の製造装置および製造方法に関する。
従来、樹脂成形品に対して木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を発現させるには、例えばペレット化した着色剤組成物をオレフィン系樹脂に添加することで得ていた(例えば特許文献1を参照)。
特開2001−59025号公報(第2−3頁)
しかし、オレフィン系樹脂を含む樹脂成形品は、光(特に紫外線)の影響を受けて劣化しやすい特性がある。この劣化は、酸素とのラジカル連鎖反応によって進行する。したがって、特許文献1に開示された製法で得た樹脂成形品は不規則模様を発現しているものの、光の影響を受けて劣化するので長期間に渡って使用することができなかった。
一方、樹脂成形品に不規則模様を設ける技術として、他には水圧転写やフィルムインサートが知られている。ところが、これらの技術を用いて製造した樹脂成形品は表面にのみ模様を設けたに過ぎないので、磨耗すると模様が無くなるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、磨耗があっても不規則模様を失わず、かつ光による劣化を防止することで長期間に渡って使用可能な樹脂成形品の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
一方、樹脂成形品に不規則模様を設ける技術として、他には水圧転写やフィルムインサートが知られている。ところが、これらの技術を用いて製造した樹脂成形品は表面にのみ模様を設けたに過ぎないので、磨耗すると模様が無くなるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、磨耗があっても不規則模様を失わず、かつ光による劣化を防止することで長期間に渡って使用可能な樹脂成形品の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を有する樹脂成形品であって、色,流動性および溶融温度が異なる第1樹脂材料と第2樹脂材料とを混合した混合物について一方の樹脂材料が半溶融するまで溶融し、溶融した混合物を所定形状に成形した後、当該成形物の表面を紫外線吸収剤を有する透明部材でコーティングすることを要旨とする。
なお、「半溶融」とは固体部分と溶融部分とが混在する状態である。よって、一方の樹脂材料について全部が固体の状態と、全部が溶融した状態とを除いた状態を意味する。
なお、「半溶融」とは固体部分と溶融部分とが混在する状態である。よって、一方の樹脂材料について全部が固体の状態と、全部が溶融した状態とを除いた状態を意味する。
解決手段1によれば、第1樹脂材料と第2樹脂材料とでは色,流動性および溶融温度が異なるので、これらの混合物を溶融した後には不規則模様が発現する。また、透明部材でコーティングされた樹脂成形品は酸素と反応しないので、ラジカル連鎖反応を停止させられる。よって、光による劣化を防止して長期間に渡って使用可能な樹脂成形品を製造することができる。また、樹脂成形品は表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
なお、樹脂成形品に発現した不規則模様を認識するために用いる透明部材には、不規則模様が認識可能な半透明の透明部材を含む。例えば、透明塗料や透明樹脂などが該当する。以下、本明細書において同様である。
また、透明部材には成形物の表面を溶かす溶剤を配合してもよく、この場合には外部から認識できる不規則模様を明瞭にすることが可能になる。
また、透明部材には成形物の表面を溶かす溶剤を配合してもよく、この場合には外部から認識できる不規則模様を明瞭にすることが可能になる。
(2)解決手段2は、解決手段1に記載した不規則模様を有する樹脂成形品であって、透明部材でコーティングする前に、成形物の表面を除去することを要旨とする。
解決手段2によれば、成形物の表面を所定量(例えば0.1[mm]や0.3[mm]等)だけ除去すると、色が混濁していた表面の膜が無くなり、内部に隠れていた明瞭な模様が現れる。したがって、不規則模様を顕在化させることができる。表面の膜が除去されても透明部材でコーティングするので、光による劣化を防止できる。
(3)解決手段3は、木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を有する樹脂成形品の製造装置であって、樹脂成形品のベースとなる第1樹脂材料と当該第1樹脂材料とは色,流動性および溶融温度を異ならせた第2樹脂材料とを混合する混合手段と、前記第2樹脂材料が半溶融するまで前記混合手段によって混合された混合物を溶融する溶融手段と、前記溶融手段によって溶融された混合物を所定形状の樹脂成形品に成形する成形手段と、前記成形手段によって成形された成形物の表面を紫外線吸収剤を有する透明部材でコーティングするコーティング手段とを備えたことを要旨とする。
解決手段3によれば、混合手段によって混合された混合物が溶融手段によって溶融されると、不規則模様が発現する。また、成形手段によって成形された成形物は、その表面を透明部材でコーティングされるので、酸素と反応せず、ラジカル連鎖反応を停止させられる。よって、光による劣化を防止して長期間に渡って使用可能な樹脂成形品を製造することができる。また、樹脂成形品は表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
(4)解決手段4は、解決手段3に記載した不規則模様を有する成形品の製造装置であって、溶融手段によって溶融された混合物にかかる不規則模様を変化させる模様変化手段をさらに備えたことを要旨とする。
解決手段4によれば、溶融手段によって溶融された混合物には不規則模様が発現するが、模様変化手段によって不規則模様を変化させる。模様変化手段には不規則模様を変化させられる任意の機構や部材等を用いてよく、例えば攪拌機や棒状部材等が該当する。よって、不規則模様を多様化して面白味を持たせたせることができる。
(5)解決手段5は、解決手段3または4に記載した不規則模様を有する成形品の製造装置であって、成形手段によって成形された成形物の表面を除去する除去手段をさらに備えたことを要旨とする。
解決手段5によれば、上述した解決手段2と同様にして成形物の表面を所定量だけ除去すると、内部に隠れていた明瞭な模様が現れる。したがって、不規則模様を顕在化させることができる。
(6)解決手段6は、木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を有する樹脂成形品の製造方法であって、樹脂成形品のベースとなる第1樹脂材料と当該第1樹脂材料とは色,流動性および溶融温度を異ならせた第2樹脂材料とを混合する混合工程と、前記第2樹脂材料が半溶融するまで前記混合工程によって混合された混合物を溶融する溶融工程と、前記溶融工程によって溶融された混合物を所定形状の樹脂成形品に成形する成形工程と、前記成形工程によって成形された成形物の表面を紫外線吸収剤を有する透明部材でコーティングするコーティング工程とからなる不規則模様を有することを要旨とする。
解決手段6によれば、混合工程によって混合された混合物が溶融工程によって溶融されると、不規則模様が発現する。成形工程によって成形された成形物の表面は透明部材でコーティングされるので、酸素と反応せずラジカル連鎖反応を停止させることができる。よって、光による劣化を防止して長期間に渡って使用可能な樹脂成形品を製造することができる。また、この製造方法によって製造した樹脂成形品は表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
本発明によれば、樹脂成形品の表面をコーティングした透明部材に含まれる紫外線吸収剤が光による劣化を防止するので、長期間に渡って使用可能な樹脂成形品を提供することができる。また、当該樹脂成形品は表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。図1には、本発明を実現するための構成例にかかる一部を模式的に表す。図2には、研削機による除去例を表す。図3には、塗装機によるコーティング例を表す。図4には、成形用材料の一例を表す。図5には、溶融状態の一例を表す。図6には、樹脂成形品の一部断面を模式的に表す。
図1に表すように、本発明にかかる樹脂成形品の製造装置は混合機12,溶融機16,成形機18,スクリュー24などを有する。さらには、図2に表す研削機30や、図3に表す塗装機32なども有する。これらの各要素の機能等については以下に説明する。
まず図1において、樹脂成形品を成形するための成形材料はホッパー10に投入され、一時的に貯留される。当該成形材料は、例えば樹脂ペレット36やマスターバッチ38などを用いる(図4を参照)。第1樹脂材料に相当する樹脂ペレット36は、樹脂成形品のベースとなる樹脂材料である。当該樹脂ペレット36は、例えばABS樹脂やPC/ABS樹脂などが該当する。第2樹脂材料に相当するマスターバッチ38は、樹脂ペレット36とは色,流動性(粘性)および溶融温度(融点)などが異なる樹脂材料である。「着色材」とも呼ばれるマスターバッチ38は、樹脂ペレット36と同様にペレット状のものを用いるが、樹脂ペレット36よりも溶融温度が高いものを用いるのが望ましい。具体的には、例えばPETやPCなどが該当する。
混合手段に相当する混合機12は一般的な構成からなり、貯留されている材料を混合する。ただし、不規則模様のばらつきを抑えるため、図4に表すように樹脂ペレット36とマスターバッチ38との混合物ができるだけ均一になるまで混合を行うのが望ましい。
溶融手段に相当する溶融機16は、シリンダ26,ヒーター14,ノズル28などを有する。シリンダ26は、混合機12によって混合された混合物がノズル28に向かって移動する(すなわち図面右方向に移動する)。ヒーター14は、シリンダ26内を移動する混合物について少なくともマスターバッチ38が半溶融するまで加熱を行う。半溶融の溶融率は、樹脂の種類や模様等に応じて任意に設定することができ、例えば50%や60%等が該当する。具体的にはヒーター14で加熱する温度を設定することで、溶融率を設定する。こうして溶融した混合物、すなわち溶融物は例えば図5に表すような不規則模様が発現する。溶融物は、加圧されてノズル28から成形機18に射出される。
溶融手段に相当する溶融機16は、シリンダ26,ヒーター14,ノズル28などを有する。シリンダ26は、混合機12によって混合された混合物がノズル28に向かって移動する(すなわち図面右方向に移動する)。ヒーター14は、シリンダ26内を移動する混合物について少なくともマスターバッチ38が半溶融するまで加熱を行う。半溶融の溶融率は、樹脂の種類や模様等に応じて任意に設定することができ、例えば50%や60%等が該当する。具体的にはヒーター14で加熱する温度を設定することで、溶融率を設定する。こうして溶融した混合物、すなわち溶融物は例えば図5に表すような不規則模様が発現する。溶融物は、加圧されてノズル28から成形機18に射出される。
なお図1に表す溶融機16は、さらにスクリュー24を備えている。このスクリュー24は、回転軸22や、当該回転軸22の外周に螺旋状に設けられた翼20などを有する。スクリュー24は、回転軸22の回転に伴って混合物を成形機18に向けて送り出す機能を有する。
なお、必要に応じて翼20の一部やシリンダ26の内壁等に突起物を設けてもよい。模様変化手段に相当する突起物は、例えば針状や柱状の突起からなる。突起物が溶融物と接触することで、既に発現している溶融物の不規則模様が変化する。
なお、必要に応じて翼20の一部やシリンダ26の内壁等に突起物を設けてもよい。模様変化手段に相当する突起物は、例えば針状や柱状の突起からなる。突起物が溶融物と接触することで、既に発現している溶融物の不規則模様が変化する。
成形手段に相当する成形機18は例えば金型が用いられ、射出された溶融物を所定形状(例えば製品形状)に成形する。成形後に成形機18から取り出されると樹脂成形品Pになる。なお、図1や図3に表す樹脂成形品Pは、シフトレバー装置に用いられるハウジング(「アッパーハウジング」とも呼ぶ。)に成形した例である。
成形機18から取り出された成形物の表面は、溶融や成形などの際に色が混濁する場合がある。そこで図2に表すように、成形物の表面を研削機30で除去する。研削機30は除去手段に相当する、除去量は、表面から所定量(例えば0.1[mm]や0.3[mm]等)で十分である。成形物の内部は表面ほどは混濁せずに安定しているので、研削機30によって表面の膜が除去されると内部に隠れていた明瞭な模様が現れる。
研削機30によって表面を除去された成形物のままでは、光(特に紫外線)の影響を受けて酸素とのラジカル連鎖反応が進行して劣化する。そこで図3に表すように、塗装機32によって成形物の表面を透明塗料34でコーティングして樹脂成形品Pを得る。塗装機32はコーティング手段に相当する。透明塗料34は透明部材に相当し、透明(もしくは半透明)の塗料である。透明塗料34の成分として、紫外線吸収剤や溶剤などのうちで少なくとも一つを含めてよい。
透明塗料34には、例えばアクリル系ウレタン樹脂塗料などを用いる。紫外線吸収剤には、例えばベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の吸収剤の中から一種または複数種で組成する。溶剤40には、例えば酢酸エチル,イソプロピルアルコール,ブチルセロソルブなどのような一般的な成分からなる溶剤を用いる。こうして透明塗料34で表面をコーティングした後の樹脂成形品Pを断面図で図6に表す。当該図6では樹脂成形品Pの表面に透明塗料34がコーティングされており、溶剤40が樹脂成形品Pと透明塗料34とを結合させている。よって溶剤40は不規則模様を明瞭にすることができる。
上述した実施の形態によれば、以下に表す各効果を得ることができる。
(1)本発明の樹脂成形品Pは、樹脂ペレット36とマスターバッチ38とを混合した混合物について一方の樹脂材料(すなわちマスターバッチ38)が半溶融するまで溶融し、溶融した混合物を所定形状に成形した後、成形物の表面を透明塗料34でコーティングして得られる。樹脂ペレット36とマスターバッチ38とでは色,流動性および溶融温度が異なるので、これらの混合物を溶融した後には不規則模様が発現する。また、透明塗料34でコーティングされた樹脂成形品Pは酸素と反応しないので、光による劣化を防止して長期間に渡って使用可能になる。また、樹脂成形品Pは表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
なお、本例では第1樹脂材料として樹脂ペレット36を適用し、第2樹脂材料としてマスターバッチ38を適用した。これに代えて、第1樹脂材料としてマスターバッチ38を適用し、第2樹脂材料として樹脂ペレット36を適用してもよい。
(1)本発明の樹脂成形品Pは、樹脂ペレット36とマスターバッチ38とを混合した混合物について一方の樹脂材料(すなわちマスターバッチ38)が半溶融するまで溶融し、溶融した混合物を所定形状に成形した後、成形物の表面を透明塗料34でコーティングして得られる。樹脂ペレット36とマスターバッチ38とでは色,流動性および溶融温度が異なるので、これらの混合物を溶融した後には不規則模様が発現する。また、透明塗料34でコーティングされた樹脂成形品Pは酸素と反応しないので、光による劣化を防止して長期間に渡って使用可能になる。また、樹脂成形品Pは表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
なお、本例では第1樹脂材料として樹脂ペレット36を適用し、第2樹脂材料としてマスターバッチ38を適用した。これに代えて、第1樹脂材料としてマスターバッチ38を適用し、第2樹脂材料として樹脂ペレット36を適用してもよい。
(2)本発明の製造装置は、樹脂ペレット36とマスターバッチ38とを混合する混合機12(混合手段)と、マスターバッチ38が半溶融するまで混合物を溶融する溶融機16(溶融手段)と、溶融物を樹脂成形品Pに成形する成形機18(成形手段)と、成形された成形物の表面を透明塗料34でコーティングする塗装機32(コーティング手段)とを備えた(図1,図3を参照)。
また、本発明の製造方法では、樹脂ペレット36とマスターバッチ38とを混合し(混合工程)、マスターバッチ38が半溶融するまで混合物を溶融し(溶融工程)、溶融物を樹脂成形品Pに成形し(成形工程)、成形物の表面を透明塗料34でコーティングすると(コーティング工程)、最終的な樹脂成形品Pを得ることができる。
また、本発明の製造方法では、樹脂ペレット36とマスターバッチ38とを混合し(混合工程)、マスターバッチ38が半溶融するまで混合物を溶融し(溶融工程)、溶融物を樹脂成形品Pに成形し(成形工程)、成形物の表面を透明塗料34でコーティングすると(コーティング工程)、最終的な樹脂成形品Pを得ることができる。
樹脂ペレット36とマスターバッチ38とでは色,流動性および溶融温度が異なるので、溶融機16によって溶融された混合物には不規則模様が発現する。また、透明塗料34でコーティングされた樹脂成形品Pは酸素と反応しないので、ラジカル連鎖反応を停止させられる。よって、光による劣化を防止して長期間に渡って使用可能な樹脂成形品Pを製造することができる。また、樹脂成形品Pは表面だけでなく内部も不規則模様が発現しているので、磨耗があっても不規則模様を失わない。
(3)翼20の一部に突起物(模様変化手段)を設けた。当該突起物が溶融物に接触すると、既に発現している不規則模様を変化させることができる。よって、不規則模様を多様化して面白味を持たせることができる。なお、溶融率を変化させることによっても、不規則模様を変化させることが可能である。
(4)成形機18によって成形された成形物の表面を除去する研削機30(除去手段)を備えた(図2を参照)。成形物の表面を研削機30で除去すると、色が混濁していた表面の膜が無くなり、内部に隠れていた明瞭な模様が現れる。したがって、樹脂成形品Pの不規則模様を顕在化させることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することが可能である。例えば、次に表す各形態を実現してもよい。
以上では、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することが可能である。例えば、次に表す各形態を実現してもよい。
(1)上述した実施の形態では、混合手段として混合機12を適用し、溶融手段として溶融機16を適用し、成形手段として成形機18を適用し、コーティング手段として塗装機32を適用し、除去手段として研削機30を適用した(図1,図3を参照)。これらの混合手段,溶融手段,成形手段,コーティング手段および除去手段のうちで二以上の組み合わせた手段を一の機械で実現する構成としてもよい。例えば、混合手段と溶融手段とを組み合わせた場合には、樹脂ペレット36とマスターバッチ38とを混合するとともに、マスターバッチ38が半溶融するまで溶融を行う混合溶融機が該当する。このような複合機を用いると、製造工程を簡略化して樹脂成形品Pを製造することが可能になる。
なお、除去手段としては、成形物の表面を研削する研削機30に代えて、成形物の表面を研磨する研磨機を用いても同様の作用効果が得られる。
なお、除去手段としては、成形物の表面を研削する研削機30に代えて、成形物の表面を研磨する研磨機を用いても同様の作用効果が得られる。
(2)上述した実施の形態では、光の影響による樹脂成形品Pの劣化を防止するため、塗装機32によって透明塗料34を表面にコーティングした(図3を参照)。この形態に代えて、塗装以外の方法によって成形物の表面をコーティングしてもよい。例えば図7に表すように、コーティング手段に相当する噴射機44によって透明樹脂42を成形物の表面にコーティングする。透明樹脂42は透明部材に相当し、透明(もしくは半透明)の樹脂である。透明塗料34と同様に、透明樹脂42の成分として紫外線吸収剤や溶剤などのうちで少なくとも一つを含めてよい。この形態であっても、樹脂成形品Pの表面にコーティングされた透明樹脂42によって樹脂成形品Pは酸素と反応しないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
(3)上述した実施の形態では、成形機18として射出成形用の金型を適用した(図1を参照)。この形態に代えて、溶融物の粘性が高い場合には、押し出し成形用の金型を適用してもよい。この形態であっても、樹脂成形品Pの表面に透明部材(例えば透明塗料34や透明樹脂42等)がコーティングされた樹脂成形品Pを製造することができるので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
(4)上述した実施の形態では、シフトレバー装置に用いられるハウジングに成形した樹脂成形品Pに対して適用した。この形態に代えて、他の樹脂成形品に対しても同様に適用することが可能である。当該他の樹脂成形品としては、例えば車両内装品、雑貨、家電品などが該当する。車両内装品としては、シフトレバー装置の操作ノブや、ステアリング、ドアトリム(ドアまわりのパネル)、インパネ、ダッシュボードなどがある。雑貨としては、テーブル(天板や脚等)、椅子、傘(取っ手や石突等)、額縁、筆入れ、ペン類(ボールペンやサインペン等)、眼鏡フレーム、スリッパなどがある。家電品としては、アンプやスピーカー,テレビ,冷蔵庫,洗濯機,パソコン等にかかるケースや部品、電話機(携帯用または固定用)、電灯用傘などがある。これらの製品や部品であっても、表面にコーティングされた透明樹脂42が酸素との反応を防止するので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
(5)上述した実施の形態では、模様変化手段として翼20の一部やシリンダ26の内壁等に設ける突起物を適用した。この形態に代えて、溶融物を攪拌する攪拌機や攪拌部材等を適用してもよい。この場合でも、溶融物に発現した不規則模様を変化させられる。
(6)上述した実施の形態では、樹脂ペレット36とマスターバッチ38がバラバラの状態で混合して混合物にした(図4を参照)。この形態に代えて、樹脂ペレット36およびマスターバッチ38のうち、いずれか一方の樹脂材料を取り囲むように、所定数(例えば数十個や数百個等)からなる他方の樹脂材料を一方の樹脂材料(例えば数個)に軽く接着して団塊状物体にしてもよい。この団塊状物体を溶融して得られる模様は、一の樹脂成形品では不規則になるものの、複数の樹脂成形品の相互間ではほぼ同等とすることが可能になる。したがって、製品としての樹脂成形品Pに均一性を付与することができる。
10 ホッパー
12 混合機(混合手段)
14 ヒーター
16 溶融機(溶融手段)
18 成形機(成形手段)
20 翼
22 回転軸
24 スクリュー
26 流通路
30 研削機(除去手段)
32 塗装機(コーティング手段)
34 透明塗料
36 樹脂ペレット(第1樹脂材料)
38 マスターバッチ(第2樹脂材料)
40 溶剤
42 透明樹脂
44 噴射機(コーティング手段)
P 樹脂成形品
12 混合機(混合手段)
14 ヒーター
16 溶融機(溶融手段)
18 成形機(成形手段)
20 翼
22 回転軸
24 スクリュー
26 流通路
30 研削機(除去手段)
32 塗装機(コーティング手段)
34 透明塗料
36 樹脂ペレット(第1樹脂材料)
38 マスターバッチ(第2樹脂材料)
40 溶剤
42 透明樹脂
44 噴射機(コーティング手段)
P 樹脂成形品
Claims (6)
- 木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を有する樹脂成形品であって、
色,流動性および溶融温度が異なる第1樹脂材料と第2樹脂材料とを混合した混合物について一方の樹脂材料が半溶融するまで溶融し、
溶融した混合物を所定形状に成形した後、当該成形物の表面を紫外線吸収剤を有する透明部材でコーティングした不規則模様を有する樹脂成形品。 - 請求項1に記載した不規則模様を有する樹脂成形品であって、
透明部材でコーティングする前に、成形物の表面を除去する不規則模様を有する樹脂成形品。 - 木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を有する樹脂成形品の製造装置であって、
樹脂成形品のベースとなる第1樹脂材料と、当該第1樹脂材料とは色,流動性および溶融温度を異ならせた第2樹脂材料とを混合する混合手段と、
前記第2樹脂材料が半溶融するまで、前記混合手段によって混合された混合物を溶融する溶融手段と、
前記溶融手段によって溶融された混合物を所定形状の樹脂成形品に成形する成形手段と、
前記成形手段によって成形された成形物の表面を、紫外線吸収剤を有する透明部材でコーティングするコーティング手段とを備えた不規則模様を有する樹脂成形品の製造装置。 - 請求項3に記載した不規則模様を有する樹脂成形品の製造装置であって、
溶融手段によって溶融された混合物にかかる不規則模様を変化させる模様変化手段をさらに備えた不規則模様を有する樹脂成形品の製造装置。 - 請求項3または4に記載した不規則模様を有する樹脂成形品の製造装置であって、
成形手段によって成形された成形物の表面を除去する除去手段をさらに備えた不規則模様を有する樹脂成形品の製造装置。 - 木目模様やマーブル模様等のような不規則模様を有する樹脂成形品の製造方法であって、
樹脂成形品のベースとなる第1樹脂材料と、当該第1樹脂材料とは色,流動性および溶融温度を異ならせた第2樹脂材料とを混合する混合工程と、
前記第2樹脂材料が半溶融するまで、前記混合工程によって混合された混合物を溶融する溶融工程と、
前記溶融工程によって溶融された混合物を所定形状の樹脂成形品に成形する成形工程と、
前記成形工程によって成形された成形物の表面を、紫外線吸収剤を有する透明部材でコーティングするコーティング工程とからなる不規則模様を有する樹脂成形品の製造方法。
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JP2005059064A JP2006241310A (ja) | 2005-03-03 | 2005-03-03 | 不規則模様を有する樹脂成形品およびその製造装置と製造方法 |
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