JP2016043567A - メタリック調樹脂成形品およびメタリック調樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

メタリック調樹脂成形品およびメタリック調樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】射出成形におけるメタリック調樹脂成形品の色調不具合を抑制する構造を備えたメタリック調樹脂成形品およびメタリック調樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】外観意匠部1の裏面に設けられたリブ部2の根元部2bに、凹部2cをリブ部2の幅方向の全体に設けた構成により、射出成形時にリブ部側へ流動する樹脂量を調整し、外観意匠面側の光輝材の配向を一定方向に均一化することができ、色調不具合を抑制することで、輝度の高い理想的なメタリック感を有する光沢を得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、メタリック調の視認性を備え、外観に優れたメタリック調成形品およびメタリック調樹脂成形品の製造方法に関する。
近年、家電製品などに用いられる樹脂成形品において、外観意匠面に高級感を付与する目的でメタリック感の有る色が採用される。従来は、メタリック調顔料を含む塗料を成形品の表面に塗装することで高級感を付与していた(例えば、特許文献1参照)。
ところが、特許文献1に開示された方法では、メタリック調樹脂成形品を得られるものの、塗装工程の時間や経費がかかり、消費者の使用中における塗装剥がれや塗装工程における有機溶剤の使用や大気汚染物質などの飛散など環境面での負荷が大きい。
これに対して、環境負荷物質の低減などを理由に、塗装に代わる手段として、予め樹脂にアルミフレークやパール粉などの光輝材を配合したメタリック調樹脂を射出成形する方法で得られた高輝度なメタリック調の成形品が採用されつつある。
特開2001−314813号公報(段落0016、図1)
しかしながら、外観意匠面となる成形品を予めアルミフレークやパール粉などの光輝材を配合したメタリック調樹脂で射出成形する場合、光輝材を配合したメタリック調樹脂は、メタリック感の無いソリッド色に着色した樹脂に比べ、金型内での樹脂の流動方向が原因でウェルドラインなどの成形不良を発生し易く、外観意匠面の色調不具合が顕著になる。
特に、成形品の外観意匠面の裏面側に設けられた補強や嵌合目的などの凸形状のリブは、射出成形時に樹脂の流動方向が多岐へ渡り、流動速度の差でウェルドラインなどの成形不良を発生させやすい。このリブへの樹脂の流動およびウェルドラインの発生が原因で、樹脂中の光輝材の配向が不規則となり、色調不具合を発生させる。
このように、メタリック調樹脂の成形品では、ソリッド色の場合と同様の成形上の成形不良に加え、光輝材の不規則な配向による色調不具合が発生するという問題があった。また、色調不具合の発生をなくすために、事前に成形品の形状を選択する必要があるなど設計上の制約事項が多くなるという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、射出成形におけるメタリック調樹脂成形品の色調不具合を抑制する構造を備えたメタリック調樹脂成形品およびメタリック調樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
この発明のメタリック調樹脂成形品は、光輝材を含む樹脂から形成され、外観意匠面を有する外観意匠部と、外観意匠部の裏面に設けられ、根元部に凹部を有するリブ部とを備えたものである。
また、この発明のメタリック調樹脂成形品の製造方法は、射出成形法により外観意匠面を有する外観意匠部から光輝材を含む樹脂を金型内に注入する工程と、外観意匠部の裏面に設けられたリブ部との分岐部において、リブ部の根元部に設けられた凹部によりリブ部への樹脂の流動量を制御して成形する工程とを含むものである。
この発明によれば、外観意匠部の裏面に設けられたリブ部の根元部に、凹部を設けたことで、射出成形時にリブ部側へ流動する樹脂量を調整し、外観意匠面側の光輝材の配向を一定方向に均一化することができ、色調不具合を抑制することで、輝度の高い理想的なメタリック感を有する光沢を得ることができる。
また、ウェルドラインの発生を抑制することにより、ウェルドラインに起因する色調不具合を抑制することができるとともに、成形品の形状において設計の自由度を向上させることができる。
この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品の構成を示す拡大断面図である。 この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品の製造でのファウンテンフローを説明する模式断面図である。 この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品の製造でのファウンテンフロー後の光輝材の配向状態を示す模式断面図である。 従来のメタリック調樹脂成形品の製造での光輝材の配向状態を示す拡大断面図である。 従来のメタリック調樹脂成形品の製造でのウェルドラインの発生を説明する拡大断面図である。 従来のメタリック調樹脂成形品の製造でのウェルドラインでの光輝材の配向状態を示す拡大断面図である。 この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品の製造での光輝材の配向状態を示す拡大断面図である。 メタリック調樹脂成形品の光輝材の配向状態と反射の関係を説明する拡大断面図である。 この発明の実施の形態2によるメタリック調樹脂成形品の構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2によるメタリック調樹脂成形品の他の構成を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品100の斜視図である。図2は、図1のI−I線での断面図である。
メタリック調樹脂成形品100は、射出成形法によりアルミフレークやパール粉などの光輝材を配合したメタリック調樹脂5を成形したものであり、図1に示すように、外観意匠部1と、外観意匠部1の裏面に設けられたリブ部2とを備えている。
外観意匠部1は、外観意匠面1aを有する薄肉の板形状からなり、厚み寸法は、メタリック調樹脂5の流動性と充填性、及び部品強度を考慮して適宜設定される。なお、外観意匠部1は、板形状に限定されるものではなく、ゲートを通過したメタリック調樹脂5がウェルドラインなどの不良を形成しない流動方向を維持できるなら、外観意匠面1aとなる部位の厚み寸法や曲面、湾曲面形状など適宜決定すればよい。
リブ部2は、係止部2a等を有する凸形状からなり、外観意匠部1の裏面1bに、嵌合や補強を目的に、少なくとも1つ以上備えられる。リブ部2の根元部2bには、リブ部2全体の強度を考慮した上で、凹部2cがリブ部2の幅全体に形成されている。なお、図1では、凹部2cは、リブ部2の厚み方向に対して係止部2aと同じ側に形成されているが、反対側であっても、両側であってもよい。
ここで、リブ部2の凹部2cが形成されている根元部2bの厚み寸法C(図2参照)は、メタリック調樹脂5そのものの粘度等の物性にもよるが、外観意匠部1の厚み寸法A(図2参照)に対して、1/10〜3/4の範囲(1/10≦C/A≦3/4)で、外観意匠部1との厚み差(A−C)を0.5mm以上(A−C≧0.5mm)とする構成であることが好ましい。
C/Aの値が3/4を超えた場合(C/A>3/4)には外観意匠面1aに光輝材の配向不良による色ムラやヒケ不良が発生し易く、1/10に満たない場合(C/A<1/10)にはメタリック調樹脂5がリブ部2の根元部2bを流れ難くなる。厚み差(A−C)が0.5mm未満(A−C<0.5mm)の場合にも外観意匠面1aに光輝材の配向不良による色ムラが発生し易くなる。
また、リブ部2の本体部2eの厚み寸法B(図2参照)は、外観意匠部1の厚み寸法A以下(A≧B)で、リブ部2の根元部2bの厚み寸法Cよりも厚く(B>C)なるように設定される。
リブ部2の本体部2eの厚み寸法Bが外観意匠部1の厚み寸法Aよりも大きい場合(A<B)には、外観意匠面1aに光輝材の配向不良による色ムラやヒケ不良が発生し易くなる。リブ部2の本体部2eの厚み寸法Bがリブ部2の根元部2bの厚み寸法C以下(B≦C)の場合は、メタリック調樹脂5がリブ部2の根元部2bを流れ難くなる。
さらに、外観意匠部1の厚み寸法Aは、メタリック調樹脂5そのものの粘度等の物性にもよるが、0.7mm〜4.0mm(0.7mm≦A≦4.0mm)であることが好ましい。厚み寸法Aが0.7mmに満たない場合(A<0.7mm)には、メタリック調樹脂5が外観意匠部1を流れ難くなる。厚み寸法Aが4.0mmを超えた場合(A>4.0mm)には、外観意匠面1aにヒケ不良等の凹凸不良が発生し易くなる。
また、リブ部2の本体部2eの厚み寸法Bは、メタリック調樹脂5そのものの粘度等の物性にもよるが、0.4mm〜4.0mm(0.4mm≦B≦4.0mm)であることが好ましい。厚み寸法Bが0.4mmに満たない場合(B<0.4mm)には、メタリック調樹脂5がリブ部2の根元部2bおよび本体部2eを流れ難くなるだけでなく、補強効果も不十分となり易い。厚み寸法Aが4.0mmを超えた場合(B>4.0mm)には、上記のA<Bの場合と同様に外観意匠面1aに光輝材の配向不良による色ムラやヒケ不良が発生し易くなるだけでなく、外観意匠面1aに凹凸不良が発生し易い。
また、リブ部2の凹部2cが形成されている根元部2bの厚み寸法Cは、メタリック調樹脂5そのものの粘度等の物性にもよるが、0.2mm〜3.5mm(0.2mm≦C≦3.5mm)であることが好ましい。厚み寸法Cが0.2mmに満たない場合(C<0.2mm)には、メタリック調樹脂5がリブ部2の根元部2bを流れ難くなるだけでなく、補強効果も不十分となり易い。厚み寸法Cが3.5mmを超えた場合(C>3.5mm)には、上記のA−C<0.5mmの場合と同様に外観意匠面1aに光輝材の配向不良による色ムラが発生し易くなる。
また、リブ部2の凹部2cが形成されている根元部2bの高さ寸法Chは、メタリック調樹脂5そのものの粘度等の物性にもよるが、0.1mm〜3.0mm(0.1mm≦Ch≦3.0mm)であることが好ましい。高さ寸法Chが0.1mmに満たない場合(Ch<0.1mm)には、リブ部2側へ流動する樹脂量の抑制が不十分となり易く、外観意匠面1aに光輝材の配向不良による色ムラが発生し易くなる。高さ寸法Chが3.0mmを超えた場合(Ch>3.0mm)には、メタリック調樹脂5がリブ部2の根元部2bを流れ難くなる。
また、リブ部2の本体部2eの高さ寸法Bhは、メタリック調樹脂5そのものの粘度等の物性にもよるが、0.1mm以上(Bh≧0.1mm)であることが好ましい。高さ寸法Bhが0.1mmに満たない場合(Bh<0.1mm)には、メタリック調樹脂5がリブ部2の根元部2bを流れ難くなる。なお、高さ寸法Bhの上限は、成形品の補強効果と樹脂の流動性により適宜決定される。
次に、この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品100の製造方法について、図3〜図9に基づき説明する。まず、射出成形法における樹脂の流動について説明する。
一般的な射出成形法では、樹脂は、射出成形機のシリンダーで溶融され、金型内に注入されると、金型内の空隙間部をファウンテンフローと呼称される現象で、成形品厚み中央部より、次々と噴出するように流動する。
この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品100の製造においても、同様に、アルミフレークやパール粉など燐片状または繊維状の光輝材4を配合したメタリック調樹脂5は、射出成形によりファウンテンフローで流動する。
図3は、光輝材4を配合したメタリック調樹脂5のファウンテンフローの模式図である。金型6に注入されたメタリック調樹脂5は、流動層5aの中心部付近をD方向に流動方向先端部5bに向かって流れ、溶融したメタリック調樹脂5と光輝材4が供給される。
さらに、流動方向先端部5bに達したメタリック調樹脂5は、噴水状に金型6の方向(図3ではE及びF方向)に流れ、金型6の内壁面に接すると、溶融したメタリック調樹脂5は冷却固化され、燐片状または繊維状の光輝材4の長辺がメタリック調樹脂5の流動方向に沿って並行に配向したメタリック調樹脂層5cが形成される(図4参照)。
次いで、射出成形法で成形した場合のメタリック調樹脂成形品100のリブ部2におけるメタリック調樹脂5の流動について説明する。
通常、金型内に射出された樹脂は、金型内でランナーを構成する空隙間部を流動し、成形品を構成する空隙間部にゲートと呼ばれる充填口から樹脂が充填される。ゲートを複数設置すると、成形品を構成する空隙間部への樹脂の充填性は良くなるが、樹脂の流動方向も多岐へ渡らすことにもなり、ウェルドラインなどの成形不良を発生させる原因にもなる。
よって、可能な限り、ゲートの位置は外観意匠を損なわない配置とし、ゲート数を少なくすることが望ましい。ここでは、外観意匠部1の側面1c(図1参照)に対応する位置にゲートを設置した場合とする。
図5に、上記ゲート位置から射出成形法で成形した場合の従来のメタリック調樹脂成形品200の光輝材4の配向状態を示す。図5は、外観意匠部1におけるリブ部20の分岐部の拡大断面図であるが、外観意匠部1での光輝材4の配向が、外観意匠面1aにおいてリブ部20の分岐部の領域Jで変化していることがわかる。
従来のメタリック調樹脂成形品200の射出成形においては、ゲートを通過したメタリック調樹脂5は、外観意匠部1では最初にD方向に流動するが、リブ部20の分岐部で流動方向がG方向およびH方向の2方向に分岐し、外観意匠部1を構成するメタリック調樹脂5の流動方向(G方向)とリブ部20を構成するメタリック調樹脂5の流動方向(H方向)が異なり、リブ部20の分岐部の領域Jでの光輝材4の配向は、各々の方向への流動により影響を受ける。
この結果、外観意匠部1の外観意匠面1a側では、光輝材4の各粒子への入射光に対する反射において、リブ部の分岐がない外観意匠部1では規則的に反射し、リブ部20の分岐部の領域Jでは不規則に反射し、または光輝材4が燐片状または繊維状であるため、反射しない(暗くなる)などリブ部20の分岐部の外観意匠面1a近傍で色調差が発生し、メタリック調樹脂成形品200の色調不具合を発生する。
また、メタリック調樹脂5が2方向に分岐する場合に、リブ部20へのメタリック調樹脂5の流動が多くなると、分岐後の外観意匠面1aを構成する外観意匠部1では、へメタリック調樹脂5が分岐部を通過する際に、外観意匠面1a側から見ると、図6のように、リブ部20を配置する中央部で部分的に流動が遅延することで、両端部からK方向およびL方向の2方向の樹脂の流れが合流することとなり、ウェルドラインが形成される。
図7は、ゲートを設置した外観意匠部1の側面1cの向かい側の側面1d(図1参照)側から見た図であるが、ウェルドライン7付近の光輝材4の配向状態を示す。図7に示すように、ウェルドライン7付近では、光輝材4は合流面に沿って配向している。
外観意匠面1a側では、ウェルドライン7のある領域Mにおいて、光輝材4各粒子の入射光に対する反射が散乱し、ウェルドライン7のない規則的に反射する部分に対して、不規則に反射する部分、反射しない(暗くなる)部分により色調差が発生し、メタリック調樹脂成形品200の外観意匠面1aの色調不具合が発生する。
これに対して、この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品100においては、この外観意匠面1aの色調不具合の発生を防ぐことを目的として、リブ部2の根元部2bに、凹部2cをリブ部2の幅全体に形成する。
一般的な射出成形法では、樹脂そのものの粘度等の物性にもよるが、成形品の厚み寸法が小さく、形状的に薄い部位や細い部位へ流動し難い特性がある。この発明では、メタリック調樹脂成形品100の外観意匠部1とリブ部2を連結する根元部2bに、凹部2cをリブ部2の幅方向に設けることで、射出成形時に分岐後の各々の方向へ流動する樹脂量を調整し、光輝材4の配向を制御することを可能としている。
図8に、この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品100の光輝材4の配向状態を示す。図8に示すように、メタリック調樹脂成形品100の射出成形においては、外観意匠部1の側面1c(図1参照)の位置に設けられたゲートから流入したメタリック調樹脂5は、外観意匠部1を形成しながらD方向に流動し、リブ部2の分岐部の領域Jでは流動方向がG方向およびH方向の2方向に分岐するが、根元部2bに設けられた凹部2cにより、リブ部2側へ流動する樹脂量が抑制される。
メタリック調樹脂成形品において、輝度の高い理想的な光沢は、図9に示すように、メタリック調樹脂5に配合した光輝材4を規則的に配向させ、光輝材4各粒子の入射光9からの反射10が一定方向に規則的になることである。
リブ部2側へ流動する樹脂量が抑制された結果、メタリック調樹脂5は、リブ部2の分岐部を通過しても、外観意匠部1のG方向を優先的に流動する。メタリック調樹脂5は、ファウンテンフローで流動しているため、金型6の壁面で冷却固化される際、図8に示すように、成形品の外観意匠面1aの表層においては図9と同様に光輝材4を流動方向に沿って並行するような配向で固化し、裏面1b側はリブ部2へのH方向への流動により、光輝材4の配向が異なって固化する。
外観意匠部1と、凹部2cにより薄くなったリブ部2の根元部2bの厚み寸法の差が大きいほど、成形品の外観意匠面1aの表層の光輝材4の配向が一定方向に均一化する。この結果、光輝材4の各粒子の入射光9からの反射10が一定方向に規則的になることで、色調不具合を抑制した輝度の高い理想的なメタリック感を有する光沢を得られる。
また、メタリック調樹脂成形品100は、部品としての強度などが要求され、外観意匠部1と、凹部2cにより薄くなったリブ部2の根元部2bの厚み寸法の差を十分確保できない場合でも、リブ部2の根元部2bに凹部2cを有することで、外観意匠面1a側から目視した場合、リブ部2近傍における光輝材4の配向による色調差を隠蔽する効果もある。
この発明の実施の形態1によるメタリック調樹脂成形品100は、外観意匠面1a側の表層を形成するメタリック調樹脂5中の光輝材4の配向を、一定方向に規則的にすることに着目し、補強や嵌合目的などのリブ部2を有する成形品であっても、外観意匠面1aの光輝材4の配向が均一に形成される構成を備えるものであり、色調不具合を抑制する画期的な手段である。
以上のように、この発明の実施の形態1におけるメタリック調樹脂成形品100では、外観意匠部1の裏面に設けられたリブ部2の根元部2bに、凹部2cをリブ部2の幅方向の全体に設けたことで、射出成形時にリブ部側へ流動する樹脂量を調整し、外観意匠面側の光輝材の配向を一定方向に均一化することができ、色調不具合を抑制することで、輝度の高い理想的なメタリック感を有する光沢を得ることができる。
また、ウェルドラインの発生を抑制することにより、ウェルドラインに起因する色調不具合を抑制することができるとともに、成形品の形状において設計の自由度を向上させることができる。
また、塗装を必要とせずに成形品にメタリック感を付与することで、塗装にかかる時間および費用を削減することができ、使用中の塗装剥がれも防止できる。さらに、塗装工程における有機溶剤の使用を削減でき、大気汚染物質などの飛散防止など環境面での負荷も低減できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、リブ部2の根元部2bに、凹部2cをリブ部2の幅方向の全体に設けた構成としたが、実施の形態2では、凹部をリブ部2の幅方向で部分的に設けた場合について説明する。
図10は、この発明の実施の形態2によるメタリック調樹脂成形品101の斜視図である。図10のII−II線での断面図は、図2と同様である。
リブ部2の根元部2bには、リブ部2の幅方向両端部分を残して、幅方向中央部分に凹部2dが形成されている。つまり、リブ部2の幅方向両端部分は、リブ部2の本体部2eと同じ厚み寸法Bを有することになる。なお、図10では、凹部2dは、リブ部2の厚み方向に対して係止部2aと同じ側に形成されているが、反対側であっても、両側であってもよい。
この場合、リブ部2の幅方向中央部分に凹部2dを形成することで、リブ部2の根元部2bでは幅方向両端部分がリブ部2の本体部2eと同じ厚み寸法Bを有することから、実施の形態1と同様の効果を有するとともに、リブ部2の根元部2bの強度を向上させることができる。
その他の構成については、図1に示す実施の形態1のメタリック調樹脂成形品100と同様であり、同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
以上のように、この発明の実施の形態2におけるメタリック調樹脂成形品101では、外観意匠部1の裏面に設けられたリブ部2の根元部2bに、リブ部2の幅方向両端部分を残して、幅方向中央部分に凹部2dを設けたことで、射出成形時にリブ部側へ流動する樹脂量を調整し、外観意匠面側の光輝材の配向を一定方向に均一化することができ、色調不具合を抑制することで、輝度の高い理想的なメタリック感を有する光沢を得ることができるだけでなく、リブ部の根元部の強度を向上させることができる。
また、ウェルドラインの発生を抑制することにより、ウェルドラインに起因する色調不具合を抑制することができるとともに、リブ部の根元部の強度を向上できることから、成形品の形状において更に設計の自由度を向上させることができる。
また、塗装を必要とせずに成形品にメタリック感を付与することで、塗装にかかる時間および費用を削減することができ、使用中の塗装剥がれも防止できる。さらに、塗装工程における有機溶剤の使用を削減でき、大気汚染物質などの飛散防止など環境面での負荷も低減できる。
なお、実施の形態2では、凹部2dをリブ部2の根元部2bの幅方向中央部分に設けた場合について説明したが、これに限るものではない。リブ部2の根元部2bの一部にリブ部2の本体部2eと同じ厚みの部分を有していれば、同様の効果を得ることができる。例えば、図11(a)に示すように、凹部2dをリブ部2の根元部2bの幅方向両端部分に形成し、中央部分に本体部2eと同じ厚みの部分を残してもよい。
また、例えば、図11(b)に示すように、凹部2dを根元部2bの幅方向中央部分に二カ所形成し、両端部分及び中央部分の三カ所に本体部2eと同じ厚みの部分を残してもよい。この場合、更にリブ部の根元部の強度を向上させることができる。
1 外観意匠部、1a 外観意匠面、1b 裏面、2 リブ部、2b 根元部、2c、2d 凹部、2e 本体部、4 光輝材、5 メタリック調樹脂、6 金型、100、101 メタリック調樹脂成形品

Claims (11)

  1. 光輝材を含む樹脂から形成され、外観意匠面を有する外観意匠部と、
    前記外観意匠部の裏面に設けられ、根元部に凹部を有するリブ部と
    を備えたことを特徴とするメタリック調樹脂成形品。
  2. 前記凹部は、前記リブ部の幅方向の全体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のメタリック調樹脂成形品。
  3. 前記凹部は、前記リブ部の幅方向に部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のメタリック調樹脂成形品。
  4. 前記光輝材は、アルミフレークまたはパール粉であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメタリック調樹脂成形品。
  5. 前記外観意匠部の厚さをAとし、前記リブ部の厚さをBとし、前記リブ部の根元部の厚さをCおよび高さをChとすると、以下の条件式(1)〜(7)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメタリック調樹脂成形品。
    1/10≦C/A≦3/4・・・(1)
    A−C≧0.5mm・・・(2)
    A≧B>C・・・(3)
    0.7mm≦A≦4.0mm・・・(4)
    0.4mm≦B≦4.0mm・・・(5)
    0.2mm≦C≦3.5mm・・・(6)
    0.1mm≦Ch≦3.0mm・・・(7)
  6. 前記外観意匠部および前記リブ部は、射出成形法により成形されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のメタリック調樹脂成形品。
  7. 射出成形法により外観意匠面を有する外観意匠部から光輝材を含む樹脂を金型内に注入する工程と、
    前記外観意匠部の裏面に設けられたリブ部との分岐部において、前記リブ部の根元部に設けられた凹部により前記リブ部への前記樹脂の流動量を制御して成形する工程と
    を含むことを特徴とするメタリック調樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記凹部は、前記リブ部の幅方向の全体に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のメタリック調樹脂成形品の製造方法。
  9. 前記凹部は、前記リブ部の幅方向に部分的に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のメタリック調樹脂成形品の製造方法。
  10. 前記光輝材は、アルミフレークまたはパール粉であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のメタリック調樹脂成形品の製造方法。
  11. 前記外観意匠部の厚さをAとし、前記リブ部の厚さをBとし、前記リブ部の根元部の厚さをCおよび高さをChとすると、以下の条件式(1)〜(7)を満たすことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のメタリック調樹脂成形品の製造方法。1/10≦C/A≦3/4・・・(1)
    A−C≧0.5mm・・・(2)
    A≧B>C・・・(3)
    0.7mm≦A≦4.0mm・・・(4)
    0.4mm≦B≦4.0mm・・・(5)
    0.2mm≦C≦3.5mm・・・(6)
    0.1mm≦Ch≦3.0mm・・・(7)
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