JP7306492B2 - 固体電池 - Google Patents
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Description
本発明は固体電池に関する。
近年、携帯電話や携帯型パーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器の電源として、電池の需要が大幅に拡大している。このような用途に用いられる電池では、イオンを移動させるための媒体として、有機溶媒等の電解質(電解液)が従来から使用されている。
しかし、上記の構成の電池では電解液が漏出するという危険性があり、しかも電解液に用いられる有機溶媒等は可燃性物質であるという問題がある。このため、電解液に代えて固体電解質を用いることが提案されている。また、電解質として固体電解質を用いると共に、その他の構成要素も固体で構成されている焼結型固体二次電池の開発が進められている。
固体電池用の負極活物質として、Vを含有する酸化物を用いる技術が知られている(特許文献1,2)。
本発明の発明者等は、上記のような従来の技術において、共焼結時の副反応を抑制するために、Vを含有する負極活物質を含む負極層と、LISICON型構造を有する固体電解質を含む固体電解質層とを組み合わせることが有効であることを見い出した。
本発明の発明者等はまた、当該組み合わせにおいては、充放電時において負極活物質の利用率が低すぎるという問題、および/または充電時においてリーク電流が高すぎるという問題が新たに生じることも見い出した。例えば、負極活物質の利用率が低すぎると、放電容量が小さくなるため、固体電池のエネルギー密度が低下する問題が生じる。また例えば、リーク電流が高すぎると、固体電池の充電後の容量が経時で徐々に減少するため、保存特性に問題が生じる。これらの理由から、固体電池のエネルギー密度と保存特性の両立は困難であった。
本発明の発明者等はまた、当該組み合わせにおいては、充放電時において負極活物質の利用率が低すぎるという問題、および/または充電時においてリーク電流が高すぎるという問題が新たに生じることも見い出した。例えば、負極活物質の利用率が低すぎると、放電容量が小さくなるため、固体電池のエネルギー密度が低下する問題が生じる。また例えば、リーク電流が高すぎると、固体電池の充電後の容量が経時で徐々に減少するため、保存特性に問題が生じる。これらの理由から、固体電池のエネルギー密度と保存特性の両立は困難であった。
本発明は、充放電時における負極活物質の利用率がより十分に高く、かつ充電時におけるリーク電流がより十分に低い固体電池を提供することを目的とする。
本発明は、
負極層および固体電解質層を含む固体電池であって、
前記負極層はVに対するLiのモル比が2以上である負極活物質を含み、
前記固体電解質層は、LISICON型構造を有し、かつ少なくともVを含む固体電解質を含み、
前記固体電解質層に含まれる前記固体電解質が、一般式(3):
(式(3)中、Aは、Na,K,Mg,Ca,Al,Ga,Zn,Fe,Cr,およびCoからなる群から選択される1種類以上の元素である;Bは、Zn,Al,Ga,Si,Ge,Sn,P,As,Ti,Mo,W,Fe,Cr,およびCoからなる群から選択される1種類以上の元素である;0≦x≦1.0;0<y≦0.75;aはAの平均価数である;bはBの平均価数である)
で表される平均化学組成を有することを特徴とする固体電池に関する。
負極層および固体電解質層を含む固体電池であって、
前記負極層はVに対するLiのモル比が2以上である負極活物質を含み、
前記固体電解質層は、LISICON型構造を有し、かつ少なくともVを含む固体電解質を含み、
前記固体電解質層に含まれる前記固体電解質が、一般式(3):
で表される平均化学組成を有することを特徴とする固体電池に関する。
本発明の発明者らが検討した結果、負極活物質として、Vを含有する酸化物を用いる際に、LISICON型固体電解質がVを特定の範囲内で含有していると、リーク電流を十分に低減しつつ、負極の利用率が向上することがわかった。
本発明の固体電池は、充放電時における負極活物質の利用率がより十分に高く、かつ充電時におけるリーク電流がより十分に低い。
[固体電池]
本発明は固体電池を提供する。本明細書でいう「固体電池」とは、広義にはその構成要素(特に電解質層)が固体から構成されている電池を指し、狭義にはその構成要素(特に全ての構成要素)が固体から構成されている「全固体電池」を指す。本明細書でいう「固体電池」は、充電および放電の繰り返しが可能な、いわゆる「二次電池」、および放電のみが可能な「一次電池」を包含する。「固体電池」は好ましくは「二次電池」である。「二次電池」は、その名称に過度に拘泥されるものではなく、例えば、「蓄電デバイス」などの電気化学デバイスも包含し得る。
本発明は固体電池を提供する。本明細書でいう「固体電池」とは、広義にはその構成要素(特に電解質層)が固体から構成されている電池を指し、狭義にはその構成要素(特に全ての構成要素)が固体から構成されている「全固体電池」を指す。本明細書でいう「固体電池」は、充電および放電の繰り返しが可能な、いわゆる「二次電池」、および放電のみが可能な「一次電池」を包含する。「固体電池」は好ましくは「二次電池」である。「二次電池」は、その名称に過度に拘泥されるものではなく、例えば、「蓄電デバイス」などの電気化学デバイスも包含し得る。
本発明の固体電池は負極層および固体電解質層を含み、通常は、正極層および負極層が固体電解質層を介して積層されてなる積層構造を有する。正極層および負極層は、それらの間に固体電解質層が備わっている限り、それぞれ2層以上で積層されていてもよい。固体電解質層は正極層および負極層と接触して、それらに挟持されている。正極層と固体電解質層とは焼結体同士の一体焼結をなしており、かつ/または負極層と固体電解質層とは焼結体同士の一体焼結をなしていてもよい。焼結体同士の一体焼結をなしているとは、隣接または接触する2つまたはそれ以上の部材(特に層)が焼結により接合されているという意味である。ここでは、当該2つまたはそれ以上の部材(特に層)はいずれも焼結体でありながら、一体的に焼結されていてもよい。
(負極層)
負極層は負極活物質を含み、さらに固体電解質を含んでもよい。負極層において、負極活物質および固体電解質はいずれも焼結体の形態を有することが好ましい。例えば、負極層が負極活物質および固体電解質を含む場合、固体電解質により負極活物質粒子間を結合しつつ、負極活物質粒子間および負極活物質粒子と固体電解質との間は相互に焼結により接合されている焼結体の形態を有することが好ましい。
負極層は負極活物質を含み、さらに固体電解質を含んでもよい。負極層において、負極活物質および固体電解質はいずれも焼結体の形態を有することが好ましい。例えば、負極層が負極活物質および固体電解質を含む場合、固体電解質により負極活物質粒子間を結合しつつ、負極活物質粒子間および負極活物質粒子と固体電解質との間は相互に焼結により接合されている焼結体の形態を有することが好ましい。
負極活物質はV(バナジウム)に対するLi(リチウム)のモル比が2.0以上(特に2以上10以下)である負極活物質を含む。当該モル比が小さ過ぎると、固体電解質層中のLISICON型酸化物との反応性が上昇し、負極活物質の利用率が低下する。また、十分な放電容量が得られない。負極活物質におけるVに対するLiのモル比は、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流の低減の観点から、2以上6以下であることが好ましい。本発明においては、負極層がVに対するLiのモル比が上記範囲である負極活物質を含み、かつ、後述のように、固体電解質層がLISICON型構造を有する固体電解質を含む固体電池において、固体電解質層のLISICON型固体電解質がVを含むことで、固体電解質層と負極層との間で良好な接合性が得られる。さらに、負極層中に含まれる負極活物質と固体電解質層中のLISICON型固体電解質との間の共焼結時の副反応が抑制され、固体電池の可逆容量を増大させることができる。これらの結果、リーク電流を十分に低減しつつ、充放電時における負極活物質の利用率をより十分に高くすることができるものと考えられる。負極層がVに対するLiのモル比が2以上の負極活物質を含まない場合、固体電解質層と負極層との間で接合性が低下し、負極層中に含まれる負極活物質と固体電解質層中のLISICON型固体電解質との間の共焼結時の副反応が十分に抑制されない。その結果として充放電時において負極活物質の利用率が低下する。
負極活物質は、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流の低減の観点から、一般式(1):
で表される平均化学組成を有することが好ましい。このような組成とすることで、固体電解質層におけるLISICON型固体電解質との反応性を低減することができる。また、本発明で用いる負極活物質はVのレドックスによって容量を発現する。したがって、十分な可逆容量を得るためにはV量yは後述のように0.5≦y≦1.0であることが好ましい。負極活物質が上記組成を有する場合、負極層の厚み方向で上記のような平均組成をとっていればよく、負極層の厚み方向で化学組成が変化していてもよい。
式(1)中、Aは、Na(ナトリウム),K(カリウム),Mg(マグネシウム),Ca(カルシウム),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),Zn(亜鉛),Fe(鉄),Cr(クロム),およびCo(コバルト)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
Bは、Zn(亜鉛),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),Si(ケイ素),Ge(ゲルマニウム),Sn(錫),P(リン),As(ヒ素),Ti(チタン),Mo(モリブデン),W(タングステン),Fe(鉄),Cr(クロム),およびCo(コバルト)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦1.0の関係を有し、好ましくは0≦x≦0.5の関係、より好ましくは0≦x≦0.1の関係を有する。
yは、0.5≦y≦1.0の関係を有し、好ましくは0.55≦y≦1.0の関係を有する。
aはAの平均価数である。Aの平均価数は、Aとして、例えば、価数a+の元素Xがn1個、価数b+の元素Yがn2個、および価数c+の元素Zがn3個で認められる場合、(n1×a+n2×b+n3×c)/(n1+n2+n3)で表される値のことである。
bはBの平均価数である。Bの平均価数は、Bとして、例えば、価数a+の元素Xがn1個、価数b+の元素Yがn2個、および価数c+の元素Zがn3個で認められる場合、上記したAの平均価数と同様の値のことである。
Bは、Zn(亜鉛),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),Si(ケイ素),Ge(ゲルマニウム),Sn(錫),P(リン),As(ヒ素),Ti(チタン),Mo(モリブデン),W(タングステン),Fe(鉄),Cr(クロム),およびCo(コバルト)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦1.0の関係を有し、好ましくは0≦x≦0.5の関係、より好ましくは0≦x≦0.1の関係を有する。
yは、0.5≦y≦1.0の関係を有し、好ましくは0.55≦y≦1.0の関係を有する。
aはAの平均価数である。Aの平均価数は、Aとして、例えば、価数a+の元素Xがn1個、価数b+の元素Yがn2個、および価数c+の元素Zがn3個で認められる場合、(n1×a+n2×b+n3×c)/(n1+n2+n3)で表される値のことである。
bはBの平均価数である。Bの平均価数は、Bとして、例えば、価数a+の元素Xがn1個、価数b+の元素Yがn2個、および価数c+の元素Zがn3個で認められる場合、上記したAの平均価数と同様の値のことである。
式(1)中、負極活物質の入手容易性の向上、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、好ましい実施態様においては、以下の通りである:
Aは、Al,およびZnからなる群から選択される1種類以上の元素である。
Bは、Si,およびPからなる群から選択される1種類以上、特に2種類の元素である。
xは0≦x≦0.06の関係を有し、より好ましくは0である。
yは0.55≦y≦1.0の関係を有し、より好ましくは0.8≦y≦1.0である。
aはAの平均価数である。
bはBの平均価数である。
Aは、Al,およびZnからなる群から選択される1種類以上の元素である。
Bは、Si,およびPからなる群から選択される1種類以上、特に2種類の元素である。
xは0≦x≦0.06の関係を有し、より好ましくは0である。
yは0.55≦y≦1.0の関係を有し、より好ましくは0.8≦y≦1.0である。
aはAの平均価数である。
bはBの平均価数である。
負極活物質の具体例として、例えば、例えば、Li3VO4、Li3.2(V0.8Si0.2)O4、(Li3.1Al0.03)(V0.8Si0.2)O4、(Li3.1Zn0.05)(V0.8Si0.2)O4、Li3.3(V0.6P0.1Si0.3)O4、Li3.18(V0.77P0.05Si0.18)O4、Li3.07(V0.90P0.03Si0.07)O4、Li3.22(V0.72P0.06Si0.22)O4等が挙げられる。
負極活物質の化学組成は平均化学組成であってもよい。負極活物質の平均化学組成は、負極層の厚み方向における負極活物質の化学組成の平均値を意味する。負極活物質の平均化学組成は、固体電池を破断し、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、負極層の厚み方向全体が収まる視野にてEDXによる組成分析を行うことで分析および測定可能である。
負極層において負極活物質の平均化学組成と後述の固体電解質の平均化学組成とは、上記組成分析において、それらの組成により、自動的に区別して測定され得る。
負極層において負極活物質の平均化学組成と後述の固体電解質の平均化学組成とは、上記組成分析において、それらの組成により、自動的に区別して測定され得る。
負極活物質は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、所定の金属原子を含有する原料化合物を、化学組成が所定の化学組成となるように秤量し、水を添加および混合してスラリーを得る。スラリーを乾燥させ、700℃以上1000℃以下で4時間以上6時間以下仮焼し、粉砕して、負極活物質を得ることができる。
負極活物質の化学組成は、固体電解質層とともに、例えば750℃で1分間程度の高速焼結を行った場合、製造時において使用された負極活物質の化学組成がそのまま反映されるが、750℃で1時間程度の長時間焼結を行った場合、固体電解質層への元素拡散が進行し、通常はV量が低減される。
負極活物質は、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、βII-Li3VO4型構造またはγII-Li3VO4型構造を有することが好ましい。このような結晶構造を有することで、充放電の可逆性が向上し、安定したサイクル特性を得ることができる。また、活物質がγII-Li3VO4型構造をとることで、固体電解質層におけるLISICON型固体電解質との接合性が向上し、より好ましい。
負極活物質がβII-Li3VO4型構造を有するとは、当該負極活物質(特にその粒子)がβII-Li3VO4型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりβII-Li3VO4型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、負極活物質がβII-Li3VO4型構造を有するとは、当該負極活物質(特にその粒子)は、X線回折において、いわゆるβII-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。βII-Li3VO4型構造を有する負極活物質の一例として、例えば、ICDD Card No.01-073-6058が挙げられる。
負極活物質がγII-Li3VO4型構造を有するとは、当該負極活物質(特にその粒子)がγII-Li3VO4型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりγII-Li3VO4型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、負極活物質がγII-Li3VO4型構造を有するとは、当該負極活物質(特にその粒子)は、X線回折において、いわゆるγII-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。γII-Li3VO4型構造を有する負極活物質の一例として、例えば、ICDD Card No.01-073-2850が挙げられる。
負極層における負極活物質の平均化学組成および結晶構造は通常、焼結時の元素拡散によって変化する。負極活物質は、正極層および固体電解質層とともに焼結した後の固体電池において、上記した平均化学組成および結晶構造を有していることが好ましい。本発明で用いる負極活物質は、充放電反応、即ち、Liの挿入・脱挿入時に結晶構造が変化することもあり得る。従って、本発明の固体電池における負極活物質は、上記したβII-Li3VO4型構造およびγII-Li3VO4型構造の負極活物質が充放電中に経由する結晶構造を有してもよい。
負極活物質の平均粒径は、特に限定されず、例えば、0.01μm以上、20μm以下であってもよく、好ましくは0.1μm以上、5μm以下である。
負極活物質の平均粒径は、例えば、SEM画像中から無作為に10個以上100個以下の粒子を選び出し、それらの粒径を単純に平均して平均粒径(算術平均)を求めることができる。
粒径は、粒子が完全な球形であると仮定したときの球形粒子の直径とする。このような粒径は、例えば、固体電池の断面を切り出し、SEMを用いて断面SEM画像撮影後、画像解析ソフト(例えば、「A像くん」(旭化成エンジニアリング社製))を用いて粒子の断面積Sを算出後、以下の式によって粒子直径Rを求めることができる。
なお、負極層における負極活物質の平均粒径は、上記した平均化学組成の測定時において、組成により負極活物質を特定して、自動的に測定され得る。負極活物質は、研磨後に熱エッチング処理を施すことで、粒子径を判別されやすくなるため、平均粒径を測定する前に熱エッチング処理をしてもよい。詳しくは、負極活物質の平均粒径は、研磨後、700℃で1時間熱処理した後の平均粒径であってもよい。
粒径は、粒子が完全な球形であると仮定したときの球形粒子の直径とする。このような粒径は、例えば、固体電池の断面を切り出し、SEMを用いて断面SEM画像撮影後、画像解析ソフト(例えば、「A像くん」(旭化成エンジニアリング社製))を用いて粒子の断面積Sを算出後、以下の式によって粒子直径Rを求めることができる。
負極層における負極活物質の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、20%以上80%以下であることが好ましく、30%以上75%以下であることがより好ましく、30%以上60%以下であることがさらに好ましい。
負極層における負極活物質の体積割合はFIB断面加工後のSEM画像から測定することができる。詳しくは、負極層の断面を、SEM-EDXを用いて観測する。EDXからVが検出される部位が負極活物質であると判断し、上記の部位の面積比率を算出することで、負極活物質の体積割合の測定が可能である。
負極層における負極活物質の粒子形状は、特に限定されず、例えば、球状形状、扁平形状、不定形状いずれの粒子形状であってもよい。
負極層は固体電解質、特にガーネット型構造を有する固体電解質をさらに含むことが好ましい。負極層がガーネット型固体電解質を含むことで、負極層のイオン伝導度を増大させることができ、高レート化が期待できる。後述するように、固体電解質層もまた、固体電解質、特にガーネット型構造を有する固体電解質をさらに含むことが好ましい。固体電解質層がガーネット型固体電解質を含むことで、固体電解質層の絶縁性を向上させることができるためである。これは、ガーネット型固体電解質は充放電中に還元されにくいため、電子が注入されにくいこと、および固体電解質中でのLISICON型固体電解質の屈曲度が増大し、電子抵抗が増大するためだと考えられる。従って、負極層または固体電解質層の少なくとも一方(特に両方)は、ガーネット型構造を有する固体電解質を含むことが好ましい。負極層または固体電解質層の少なくとも一方はガーネット型構造を有する固体電解質を含むとは、負極層または固体電解質層の一方がガーネット型構造を有する固体電解質を含んでもよいし、またはそれらの両方がガーネット型構造を有する固体電解質を含んでもよいことを意味する。
固体電解質がガーネット型構造を有するとは、当該固体電解質がガーネット型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりガーネット型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質がガーネット型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるガーネット型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。
ガーネット型構造を有する固体電解質は、一般式(2):
で表される平均化学組成を有することが好ましい。負極層が上記のような平均化学組成を有する固体電解質を含むことで、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減を達成することができる。
式(2)中、Aは、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、およびSc(スカンジウム)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
Bは、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Te(テルル)、Mo(モリブデン)、およびBi(ビスマス)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦0.5の関係を有する。
yは、0≦y≦2.0の関係を有する。
aはAの平均価数であり、式(1)におけるAの平均価数と同様である。
bはBの平均価数であり、式(1)におけるBの平均価数と同様である。
Bは、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Te(テルル)、Mo(モリブデン)、およびBi(ビスマス)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦0.5の関係を有する。
yは、0≦y≦2.0の関係を有する。
aはAの平均価数であり、式(1)におけるAの平均価数と同様である。
bはBの平均価数であり、式(1)におけるBの平均価数と同様である。
式(2)中、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流の低減の観点から、好ましい実施態様においては、以下の通りである:
Aは、Ga、およびAlからなる群から選択される1種類以上の元素である。
Bは、Nb、Ta、W、Mo、およびBiからなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0.1≦x≦0.3の関係を有する。
yは、0≦y≦1.0の関係、好ましくは0≦y≦0.7の関係を有する。
aはAの平均価数である。
bはBの平均価数である。
Aは、Ga、およびAlからなる群から選択される1種類以上の元素である。
Bは、Nb、Ta、W、Mo、およびBiからなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0.1≦x≦0.3の関係を有する。
yは、0≦y≦1.0の関係、好ましくは0≦y≦0.7の関係を有する。
aはAの平均価数である。
bはBの平均価数である。
一般式(2)で表される固体電解質の具体例として、例えば、例えば、(Li6.4Ga0.05Al0.15)La3Zr2O12、(Li6.4Ga0.2)La3Zr2O12、Li6.4La3(Zr1.6Ta0.4)O12、(Li6.4Al0.2)La3Zr2O12、Li6.5La3(Zr1.5Mo0.25)O12が挙げられる。
負極層における固体電解質(特にガーネット型構造を有する固体電解質)の平均化学組成は、負極層の厚み方向における固体電解質の化学組成の平均値を意味する。固体電解質の平均化学組成は、固体電池を破断し、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、負極層の厚み方向全体が収まる視野にてEDXによる組成分析を行うことで分析および測定可能である。
負極層において負極活物質の平均化学組成と固体電解質の平均化学組成とは、上記組成分析において、それらの組成により、自動的に区別して測定され得る。
負極層において負極活物質の平均化学組成と固体電解質の平均化学組成とは、上記組成分析において、それらの組成により、自動的に区別して測定され得る。
負極層の固体電解質は、所定の金属原子を含有する原料化合物を用いること以外、負極活物質と同様の方法により得ることができるし、または市販品として入手することもできる。
負極層における固体電解質の平均化学組成および結晶構造は通常、焼結時の元素拡散によって変化する。当該固体電解質は、正極層および固体電解質層とともに焼結した後の固体電池において、上記した平均化学組成および結晶構造を有していることが好ましい。
負極層における固体電解質(特にガーネット型構造を有する固体電解質)の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上とリーク電流の低減と固体電池の高エネルギー密度化とのバランスの観点から、10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上40%以下であることがより好ましい。
負極層における固体電解質の体積割合は、負極活物質の体積割合と同様の方法により、測定することができる。ガーネット型固体電解質であることは、Zrおよび/またはLaがEDXにて検出される部位に基づくものとする。
負極層は、負極活物質および固体電解質に加え、例えば、焼結助剤および導電助剤等をさらに含んでいてもよい。
負極層が焼結助剤を含むことで、より低温における焼結時においても緻密化が可能となり、負極活物質/固体電解質層界面における元素拡散を抑制することができる。焼結助剤は、固体電池の分野で知られている焼結助剤が使用可能である。負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流の低減の観点から、発明者らが検討した結果、焼結助剤の組成は、少なくともLi(リチウム)、B(ホウ素)、およびO(酸素)を含み、Bに対するLiのモル比(Li/B)を2.0以上とすることが好ましいことがわかった。これらの焼結助剤は低融性であり、液相焼結を進行させることでより低温で負極層の緻密化が可能となる。また、上記の組成とすることで、共焼結時に焼結助剤と本発明で用いるLISICON型固体電解質との副反応がより一層、抑制できることがわかった。これらを満たす焼結助剤として、例えば、Li3BO3、(Li2.7Al0.3)BO3、Li2.8(B0.8C0.2)O3等があげられる。これらの内、イオン伝導度が特に高い(Li2.7Al0.3)BO3を用いることが特に好ましい。
負極層における焼結助剤の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上、リーク電流の低減、および固体電池の高エネルギー密度化のバランスの観点から、0.1以上10%以下であることが好ましく、1%以上7%以下であることがより好ましい。
負極層における焼結助剤の体積割合は、負極活物質の体積割合と同様の方法により、測定することができる。焼結助剤の領域と判断するEDXでの検出元素としては、Bに着目することができる。
負極層において導電助剤は、固体電池の分野で知られている導電助剤が使用可能である。負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、好ましく用いられる導電助剤としては、例えば、Ag(銀)、Au(金),Pd(パラジウム),Pt(白金),Cu(銅)、Sn(錫)、Ni(ニッケル)などの金属材料;およびアセチレンブラック、ケッチェンブラック、Super P(登録商標)、VGCF(登録商標)等のカーボンナノチューブなどの炭素材料等が挙げられる。炭素材料の形状に関しては、特に限定されず、球形、板状、繊維状など、どのような形状のものを使用してもよい。導電助剤としては、Agおよび/または炭素材料を用いることが好ましい。これは、上記の導電助剤は、本発明で用いる負極材料と共焼結時に副反応が進行しにくく、両者の間でスムーズな電荷移動が行われるためである。
負極層における導電助剤の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上、リーク電流のさらなる低減、および固体電池の高エネルギー密度化のバランスの観点から、10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上40%以下であることがより好ましい。
負極層における導電助剤の体積割合は、負極活物質の体積割合と同様の方法により、測定することができる。SEM-EDX分析から、用いた金属元素のシグナルのみが観測される部位を導電助剤とみなすことができる。
負極層において、空隙率は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
負極層の空隙率は、FIB断面加工後のSEM画像から測定された値を用いている。
負極層は「負極活物質層」と呼ばれ得る層である。負極層はいわゆる負極集電体または負極集電層を有していてもよい。
(正極層)
本発明において正極層は特に限定されない。例えば、正極層は正極活物質を含む。正極層は正極活物質粒子を含む焼結体の形態を有していてもよい。
本発明において正極層は特に限定されない。例えば、正極層は正極活物質を含む。正極層は正極活物質粒子を含む焼結体の形態を有していてもよい。
正極活物質は、特に限定されず、固体電池の分野で知られている正極活物質が使用可能である。正極活物質として、例えば、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物粒子、オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物粒子、リチウム含有層状酸化物粒子、スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物粒子等が挙げられる。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の具体例としては、Li3V2(PO4)3等が挙げられる。オリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の具体例としては、Li3Fe2(PO4)3、LiMnPO4等が挙げられる。リチウム含有層状酸化物粒子の具体例としては、LiCoO2,LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2等が挙げられる。スピネル型構造を有するリチウム含有酸化物の具体例としては、LiMn2O4,LiNi0.5Mn1.5O4、Li4Ti5O12等が挙げられる。本発明で用いるLISICON型固体電解質との共焼結時における反応性の観点から、正極活物質として、LiCoO2,LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2等のリチウム含有層状酸化物がより好ましく用いられる。なお、これらの正極活物質粒子のうちの1種のみを用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
正極層において正極活物質がナシコン型構造を有するとは、当該正極活物質(特にその粒子がナシコン型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりナシコン型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、正極層において正極活物質がナシコン型構造を有するとは、当該正極活物質(特にその粒子)は、X線回折において、いわゆるナシコン型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。好ましく用いられるナシコン型構造を有する正極活物質としては、上記で例示した化合物が挙げられる。
正極層において正極活物質がオリビン型構造を有するとは、当該正極活物質(特にその粒子)がオリビン型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりオリビン型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、正極層において正極活物質がオリビン型構造を有するとは、当該正極活物質(特にその粒子)は、X線回折において、いわゆるオリビン型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。好ましく用いられるオリビン型構造を有する正極活物質としては、上記で例示した化合物が挙げられる。
正極層において正極活物質がスピネル型構造を有するとは、当該正極活物質(特にその粒子)がスピネル型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりスピネル型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、正極層において正極活物質がスピネル型構造を有するとは、当該正極活物質(特にその粒子)は、X線回折において、いわゆるスピネル型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。好ましく用いられるスピネル型構造を有する正極活物質としては、上記で例示した化合物が挙げられる。
正極活物質の化学組成は平均化学組成であってもよい。正極活物質の平均化学組成は、正極層の厚み方向における正極活物質の化学組成の平均値を意味する。正極活物質の平均化学組成は、固体電池を破断し、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、正極層の厚み方向全体が収まる視野にてEDXによる組成分析を行うことで分析および測定可能である。
正極活物質は、所定の金属原子を含有する原料化合物を用いること以外、負極活物質と同様の方法により得ることができるし、または市販品として入手することもできる。
正極層における正極活物質の化学組成および結晶構造は通常、焼結時の元素拡散によって変化する。正極活物質は、負極層および固体電解質層とともに焼結した後の固体電池において、上記した化学組成および結晶構造を有していることが好ましい。
正極活物質の平均粒径は、特に限定されず、例えば、0.01μm以上、10μm以下であってもよく、好ましくは0.05μm以上、4μm以下である。
正極活物質の平均粒径は、負極層における負極活物質の平均粒径と同様の方法により求めることができる。
正極層における正極活物質の平均粒径は通常、固体電池の製造過程における焼結により変化することがある。正極活物質は、負極層および固体電解質層とともに焼結した後の固体電池において、上記した平均粒径を有していてもよい。
正極層における正極活物質の粒子形状は、特に限定されず、例えば、球状形状、扁平形状、不定形状いずれの粒子形状であってもよい。
正極層における正極活物質の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流の低減の観点から、30%以上90%以下であることが好ましく、40%以上70%以下であることがより好ましい。
正極層は、正極活物質に加え、例えば、固体電解質、焼結助剤および導電助剤等をさらに含んでいてもよい。
正極層に含まれる固体電解質の種類は特に限定されない。正極層に含まれる固体電解質として、例えば、ガーネット型構造を有する固体電解質(Li6.4Ga0.2)La3Zr2O12、Li6.4La3(Zr1.6Ta0.4)O12、(Li6.4Al0.2)La3Zr2O12、Li6.5La3(Zr1.5Mo0.25)O12、LISICON型構造を有する固体電解質Li3+x(V1-xSix)O4、ぺロブスカイト型構造を有する固体電解質La2/3-xLi3xTiO3、アモルファス構造を有する固体電解質Li3BO3-Li4SiO4等が挙げられる。このうち、発明で用いるLISICON型固体電解質との共焼結時の反応性の観点から、ガーネット型構造を有する固体電解質、LISICON型構造を有する固体電解質を用いることが特に好ましい。
正極層の固体電解質は、所定の金属原子を含有する原料化合物を用いること以外、負極活物質と同様の方法により得ることができるし、または市販品として入手することもできる。
正極層における固体電解質の平均化学組成および結晶構造は通常、焼結時の元素拡散によって変化する。当該固体電解質は、負極層および固体電解質層とともに焼結した後の固体電池において、上記した平均化学組成および結晶構造を有していることが好ましい。
正極層における固体電解質の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上、リーク電流のさらなる低減、および固体電池の高エネルギー密度化のバランスの観点から、20%以上60%以下であることが好ましく、30%以上45%以下であることがより好ましい。
正極層における焼結助剤としては、負極層における焼結助剤と同様の化合物が使用可能である。
正極層における焼結助剤の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上、リーク電流のさらなる低減、および固体電池の高エネルギー密度化のバランスの観点から、0.1%以上20%以下であることが好ましく、1%以上10%以下であることがより好ましい。
正極層における導電助剤としては、負極層における導電助剤と同様の化合物が使用可能である。
正極層における導電助剤の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上、リーク電流のさらなる低減、および固体電池の高エネルギー密度化のバランスの観点から、10%以上50%以下であることが好ましく、20%以上40%以下であることがより好ましい。
正極層において、空隙率は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
正極層の空隙率は、負極層の空隙率と同様の方法により測定された値を用いている。
正極層は「正極活物質層」と呼ばれ得る層である。正極層はいわゆる正極集電体または正極集電層を有していてもよい。
(固体電解質層)
本発明において固体電解質層は、LISICON型構造を有し、かつ少なくともVを含む固体電解質(以下、「第1固体電解質」ということがある)を含む。固体電解質層は、当該第1固体電解質を含む焼結体の形態を有することが好ましい。本発明においては、上記したように、負極層がVに対するLiのモル比が上記範囲である負極活物質を含み、かつ、固体電解質層が第1固体電解質を含む固体電池において、第1固体電解質がLISICON型構造を有し、かつVを含む。これにより、リーク電流を十分に低減しつつ、充放電時における負極活物質の利用率をより十分に高くすることができる。固体電解質層が、第1固体電解質を含まない場合、固体電解質層と負極層との間で接合性が低下したり、かつ/または負極層中に含まれる負極活物質と固体電解質層中のLISICON型固体電解質との間の共焼結時の副反応が十分に抑制されない。それらの結果として充放電時において負極活物質の利用率が低下する。固体電解質層の厚みを増大させることによっても、リーク電流を低減することは可能であるが、エネルギー密度向上の観点からは、より薄い固体電解質層の厚みでリーク電流を低減することが好ましい。本発明においては、固体電解質層を比較的薄い厚みとすることによっても、充電時のリーク電流をより十分に低減できるため、本発明は固体電池(特に固体電解質層)の薄型化により適している。
本発明において固体電解質層は、LISICON型構造を有し、かつ少なくともVを含む固体電解質(以下、「第1固体電解質」ということがある)を含む。固体電解質層は、当該第1固体電解質を含む焼結体の形態を有することが好ましい。本発明においては、上記したように、負極層がVに対するLiのモル比が上記範囲である負極活物質を含み、かつ、固体電解質層が第1固体電解質を含む固体電池において、第1固体電解質がLISICON型構造を有し、かつVを含む。これにより、リーク電流を十分に低減しつつ、充放電時における負極活物質の利用率をより十分に高くすることができる。固体電解質層が、第1固体電解質を含まない場合、固体電解質層と負極層との間で接合性が低下したり、かつ/または負極層中に含まれる負極活物質と固体電解質層中のLISICON型固体電解質との間の共焼結時の副反応が十分に抑制されない。それらの結果として充放電時において負極活物質の利用率が低下する。固体電解質層の厚みを増大させることによっても、リーク電流を低減することは可能であるが、エネルギー密度向上の観点からは、より薄い固体電解質層の厚みでリーク電流を低減することが好ましい。本発明においては、固体電解質層を比較的薄い厚みとすることによっても、充電時のリーク電流をより十分に低減できるため、本発明は固体電池(特に固体電解質層)の薄型化により適している。
固体電解質層において第1固体電解質が有するLISICON型構造は、βI構造、βII型構造、βII’型構造、TI型構造、TII型構造、γII型構造、およびγ0型構造を包容する。すなわち、固体電解質層はβI構造、βII型構造、βII’型構造、TI型構造、TII型構造、γII型構造、γ0型構造またはこれらの複合構造を有する1種以上の固体電解質を含んでもよい。第1固体電解質が有するLISICON型構造は、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、γII型構造であることが好ましい。
固体電解質層において第1固体電解質がγII型構造を有するとは、当該固体電解質がγII型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりγII型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質層において第1固体電解質がγII型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるγII-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。γII型構造を有する化合物(すなわち固体電解質)は、例えば、文献「J.solid state chem」(A.R.West et.al,J.solid state chem.,4,20-28(1972))に記載されており、その一例として、例えば、ICDD Card No.01-073-2850が挙げられる。
固体電解質層において第1固体電解質ががβI型構造を有するとは、当該固体電解質がβI型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりβI型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質層において第1固体電解質がβI型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるβI-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。βI型構造を有する化合物(すなわち固体電解質)は、例えば、文献「J.solid state chem」(A.R.West et.al,J.solid state chem.,4,20-28(1972))に記載されており、その一例として、例えば、以下の表に記載のXRDデータ(面間隔d値と対応するミラー指数)を示す。
固体電解質層において第1固体電解質がβII型構造を有するとは、当該固体電解質がβII型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりβII型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質層において第1固体電解質がβII型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるβII-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。βII型構造を有する化合物(すなわち固体電解質)は、例えば、文献「J.solid state chem」(A.R.West et.al,J.solid state chem.,4,20-28(1972))に記載されており、その一例として、例えば、ICDD Card No.00-024-0675が挙げられる。
固体電解質層において第1固体電解質がβII’型構造を有するとは、当該固体電解質がβII’型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりβII’型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質層において第1固体電解質がβII’型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるβII’-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。βII’型構造を有する化合物(すなわち固体電解質)は、例えば、文献「J.solid state chem」(A.R.West et.al,J.solid state chem.,4,20-28(1972))に記載されており、その一例として、例えば、以下の表に記載のXRDデータ(面間隔d値と対応するミラー指数)を示す。
固体電解質層において第1固体電解質がTI型構造を有するとは、当該固体電解質がTI型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりTI型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質層において第1固体電解質がTI型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるTI-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。TI型構造を有する化合物(すなわち固体電解質)は、例えば、文献「J.solid state chem」(A.R.West et.al,J.solid state chem.,4,20-28(1972))に記載されており、その一例として、例えば、ICDD Card No.00-024-0668が挙げられる。
固体電解質層において第1固体電解質がTII型構造を有するとは、当該固体電解質がTII型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりTII型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質層において第1固体電解質がTII型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるTII-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。TII型構造を有する化合物(すなわち固体電解質)は、例えば、文献「J.solid state chem」(A.R.West et.al,J.solid state chem.,4,20-28(1972))に記載されており、その一例として、例えば、ICDD Card No.00-024-0669が挙げられる。
固体電解質層において第1固体電解質がγ0型構造を有するとは、当該固体電解質がγ0型の結晶構造を有するという意味であり、広義には、固体電池の分野の当業者によりγ0型の結晶構造と認識され得る結晶構造を有することをいう。狭義には、固体電解質層において第1固体電解質がγ0型構造を有するとは、当該固体電解質は、X線回折において、いわゆるγ0-Li3VO4型の結晶構造に固有のミラー指数に対応する1つ以上の主要なピークを所定の入射角度において示すことを意味する。γ0型構造を有する化合物(すなわち固体電解質)は、例えば、文献「J.solid state chem」(A.R.West et.al,J.solid state chem.,4,20-28(1972))に記載されており、その一例として、例えば、以下の表に記載のXRDデータ(面間隔d値と対応するミラー指数)を示す。
式(3)中、Aは、Na(ナトリウム),K(カリウム),Mg(マグネシウム),Ca(カルシウム),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),Zn(亜鉛),Fe(鉄),Cr(クロム),およびCo(コバルト)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
Bは、Zn(亜鉛),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),Si(ケイ素),Ge(ゲルマニウム),Sn(錫),P(リン),As(ヒ素),Ti(チタン),Mo(モリブデン),W(タングステン),Fe(鉄),Cr(クロム),およびCo(コバルト)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦1.0、特に0≦x≦0.2の関係を有する。
yは、0<y≦0.75、特に0.05≦y≦0.75の関係を有し、リーク電流のさらなる低減の観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)、より好ましくは0<y≦0.48(特に0.05≦y≦0.48)の関係を有する。yが0であると、負極層と固体電解質層との界面の剥離により、負極活物質の利用率が低下し、ほとんど充放電できない。yが0.75を超えると、リーク電流が高すぎて、固体電池の充電後の容量が経時で徐々に減少するため、保存特性が低下する。
yは、負極活物質の利用率のさらなる向上とリーク電流のさらなる低減とのバランスの観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)であり、より好ましくは0.25≦y≦0.48の関係を有する。
aはAの平均価数であり、式(1)におけるAの平均価数と同様である。
bはBの平均価数であり、式(1)におけるBの平均価数と同様である。
Bは、Zn(亜鉛),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),Si(ケイ素),Ge(ゲルマニウム),Sn(錫),P(リン),As(ヒ素),Ti(チタン),Mo(モリブデン),W(タングステン),Fe(鉄),Cr(クロム),およびCo(コバルト)からなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦1.0、特に0≦x≦0.2の関係を有する。
yは、0<y≦0.75、特に0.05≦y≦0.75の関係を有し、リーク電流のさらなる低減の観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)、より好ましくは0<y≦0.48(特に0.05≦y≦0.48)の関係を有する。yが0であると、負極層と固体電解質層との界面の剥離により、負極活物質の利用率が低下し、ほとんど充放電できない。yが0.75を超えると、リーク電流が高すぎて、固体電池の充電後の容量が経時で徐々に減少するため、保存特性が低下する。
yは、負極活物質の利用率のさらなる向上とリーク電流のさらなる低減とのバランスの観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)であり、より好ましくは0.25≦y≦0.48の関係を有する。
aはAの平均価数であり、式(1)におけるAの平均価数と同様である。
bはBの平均価数であり、式(1)におけるBの平均価数と同様である。
式(3)中、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、好ましい実施態様においては、以下の通りである:
Aは、Alである。
Bは、Si,Ge,およびPからなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦0.2、特に0≦x≦0.1の関係を有する。
yは、0<y≦0.75、特に0.05≦y≦0.75の関係を有し、リーク電流のさらなる低減の観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)、より好ましくは0<y≦0.48(特に0.05≦y≦0.48)の関係を有する。
yは、負極活物質の利用率のさらなる向上とリーク電流のさらなる低減とのバランスの観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)であり、より好ましくは0.25≦y≦0.48の関係を有する。
Aは、Alである。
Bは、Si,Ge,およびPからなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦0.2、特に0≦x≦0.1の関係を有する。
yは、0<y≦0.75、特に0.05≦y≦0.75の関係を有し、リーク電流のさらなる低減の観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)、より好ましくは0<y≦0.48(特に0.05≦y≦0.48)の関係を有する。
yは、負極活物質の利用率のさらなる向上とリーク電流のさらなる低減とのバランスの観点から、好ましくは0<y≦0.65(特に0.05≦y≦0.65)であり、より好ましくは0.25≦y≦0.48の関係を有する。
固体電解質層における第1固体電解質の平均化学組成は、固体電解質層の厚み方向における第1固体電解質の化学組成の平均値を意味する。第1固体電解質の平均化学組成は、固体電池を破断し、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、固体電解質層の厚み方向全体が収まる視野にてEDXによる組成分析を行うことで分析および測定可能である。
固体電解質層においてLISICON型構造の第1固体電解質の平均化学組成と後述のガーネット型構造の固体電解質の平均化学組成とは、上記組成分析において、それらの組成により、自動的に区別して測定され得る。例えば、SEM-EDX分析から、第1固体電解質(すなわちLISICON型構造の固体電解質)の部位はVの検出による同定により、第2固体電解質(例えば、ガーネット型固体電解質)の部位はLa、Zrによる同定により、分離することが可能である。
固体電解質層においてLISICON型構造の第1固体電解質の平均化学組成と後述のガーネット型構造の固体電解質の平均化学組成とは、上記組成分析において、それらの組成により、自動的に区別して測定され得る。例えば、SEM-EDX分析から、第1固体電解質(すなわちLISICON型構造の固体電解質)の部位はVの検出による同定により、第2固体電解質(例えば、ガーネット型固体電解質)の部位はLa、Zrによる同定により、分離することが可能である。
固体電解質層の第1固体電解質は、所定の金属原子を含有する原料化合物を用いること以外、負極活物質と同様の方法により得ることができるし、または市販品として入手することもできる。
固体電解質層における第1固体電解質の化学組成および結晶構造は通常、焼結時の元素拡散によって変化する。当該第1固体電解質は、負極層および正極層とともに焼結した後の固体電池において、上記した化学組成および結晶構造を有していることが好ましい。特に、第1固体電解質の化学組成は、負極層とともに、例えば750℃で1分間程度の高速焼結を行った場合、製造時において使用された固体電解質の化学組成がそのまま反映されるが、750℃で1時間程度の長時間焼結を行った場合、負極層の負極活物質からの元素拡散が進行し、通常はV量が増加する。
固体電解質層における第1固体電解質の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、10%以上80%以下であることが好ましく、20%以上60%以下であることがより好ましく、30%以上60%以下であることがさらに好ましい。
固体電解質層における第1固体電解質の体積割合は、正極活物質の体積割合と同様の方法により、測定することができる。
固体電解質層はガーネット型構造を有する固体電解質(以下、単に「第2固体電解質」ということがある)をさらに含むことが好ましい。固体電解質層が第2固体電解質を含むことで、上記したように、固体電解質層の絶縁性を向上させることができる。これは、第2固体電解質は充放電中に還元されにくいため、電子が注入されにくいこと、および固体電解質中での第1固体電解質の屈曲度が増大し、電子抵抗が増大するためだと考えられる。
第2固体電解質は、負極層に含まれることが好ましいガーネット型構造を有する固体電解質と同様であり、負極層の説明で記載したガーネット型構造を有する固体電解質と同様の範囲内から選択されてもよい。固体電解質層および負極層が共に、ガーネット型構造を有する固体電解質を含む場合、固体電解質層に含まれるガーネット型構造を有する固体電解質と、負極層に含まれるガーネット型構造を有する固体電解質とは、同じ化学組成を有していてもよいし、または相互に異なる化学組成を有していてもよい。
固体電解質層として好ましい第2固体電解質は、前記した式(2)中において以下の通りの化学組成を有する固体電解質である:
Aは、Ga、およびAlからなる群から選択される1種類以上(特に2種類)の元素である。
Bは、Nb、Ta、W、Mo、およびBiからなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦0.3の関係を有する。
yは、0≦y≦1.0の関係、好ましくは0≦y≦0.7の関係を有し、より好ましくは0である。
aはAの平均価数である。
bはBの平均価数である。
Aは、Ga、およびAlからなる群から選択される1種類以上(特に2種類)の元素である。
Bは、Nb、Ta、W、Mo、およびBiからなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦0.3の関係を有する。
yは、0≦y≦1.0の関係、好ましくは0≦y≦0.7の関係を有し、より好ましくは0である。
aはAの平均価数である。
bはBの平均価数である。
固体電解質層における第2固体電解質の平均化学組成は、固体電解質層の厚み方向における第2固体電解質の化学組成の平均値を意味する。第2固体電解質の平均化学組成は、固体電池を破断し、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、固体電解質層の厚み方向全体が収まる視野にてEDXによる組成分析を行うことで分析および測定可能である。
固体電解質層における第2固体電解質の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、10%以上80%以下)であることが好ましく、20%以上70%以下であることがより好ましく、40%以上60%以下であることがさらに好ましい。
固体電解質層における第2固体電解質の体積割合は、正極活物質の体積割合と同様の方法により、測定することができる。
固体電解質層は、固体電解質に加え、例えば、焼結助剤等をさらに含んでいてもよい。負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、負極層または固体電解質層の少なくとも一方、好ましくは両方は、焼結助剤をさらに含むことが好ましい。負極層または固体電解質層の少なくとも一方は焼結助剤をさらに含むとは、負極層または固体電解質層の一方が焼結助剤をさらに含んでもよいし、またはそれらの両方が焼結助剤をさらに含んでもよいことを意味する。
固体電解質層における焼結助剤としては、負極層における焼結助剤と同様の化合物が使用可能である。
固体電解質層における焼結助剤の体積割合は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上、リーク電流のさらなる低減、および固体電池の高エネルギー密度化のバランスの観点から、0.1%以上20%以下であることが好ましく、1%以上10%以下であることがより好ましい。
固体電解質層の厚みは通常、0.1~30μmであり、固体電解質層の薄型化とリーク電流のさらなる低減とのバランスの観点から、好ましくは20~1μmである。
固体電解質層の厚みは、SEM画像において任意の10箇所で測定された厚みの平均値を用いている。
固体電解質層において、空隙率は特に限定されず、負極活物質の利用率のさらなる向上およびリーク電流のさらなる低減の観点から、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
固体電解質層の空隙率は、負極層の空隙率と同様の方法により測定された値を用いている。
固体電解質層の化学組成は、固体電解質層中で必ずしも均質である必要はなく、例えば厚み方向で化学組成が変化していてもよい。特に、固体電解質層の第1固体電解質の平均組成が上記を満たすことで、絶縁性を向上させることができる。
[固体電池の製造方法]
固体電池は、例えば、いわゆるグリーンシート法、印刷法またはこれらの方法を組み合わせた方法によって、製造することができる。
固体電池は、例えば、いわゆるグリーンシート法、印刷法またはこれらの方法を組み合わせた方法によって、製造することができる。
グリーンシート法について説明する。
まず、正極活物質に対して、溶剤、樹脂等を適宜混合することにより、ペーストを調製する。そのペーストをシートの上に塗布し、乾燥させることにより正極層を構成するための第1のグリーンシートを形成する。第1のグリーンシートに、固体電解質、導電助剤および/または焼結助剤等を含ませてもよい。
まず、正極活物質に対して、溶剤、樹脂等を適宜混合することにより、ペーストを調製する。そのペーストをシートの上に塗布し、乾燥させることにより正極層を構成するための第1のグリーンシートを形成する。第1のグリーンシートに、固体電解質、導電助剤および/または焼結助剤等を含ませてもよい。
負極活物質に対して、溶剤、樹脂等を適宜混合することにより、ペーストを調製する。そのペーストをシートの上に塗布し、乾燥させることにより負極を構成するための第2のグリーンシートを形成する。第2のグリーンシートに、固体電解質、導電助剤および/または焼結助剤等を含ませてもよい。
固体電解質に対して、溶剤、樹脂等を適宜混合することにより、ペーストを調製する。そのペーストを塗布し、乾燥させることにより、固体電解質層を構成するための第3のグリーンシートを作製する。第3のグリーンシートに、焼結助剤等を含ませてもよい。
次に、第1~第3のグリーンシートを適宜積層することにより積層体を作製する。作製した積層体をプレスしてもよい。好ましいプレス方法としては、静水圧プレス法等が挙げられる。
その後、積層体を、例えば600~800℃で焼結することにより固体電池を得ることができる。
その後、積層体を、例えば600~800℃で焼結することにより固体電池を得ることができる。
印刷法について説明する。
印刷法は、以下の事項以外、グリーンシート法と同様である。
・溶剤および樹脂の配合量がインクとしての使用に適した配合量とすること以外、グリーンシートを得るための各層のペーストの組成と同様の組成を有する各層のインクを調製する。
・各層のインクを用いて印刷および積層し、積層体を作製する。
印刷法は、以下の事項以外、グリーンシート法と同様である。
・溶剤および樹脂の配合量がインクとしての使用に適した配合量とすること以外、グリーンシートを得るための各層のペーストの組成と同様の組成を有する各層のインクを調製する。
・各層のインクを用いて印刷および積層し、積層体を作製する。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
[材料の製造]
以下の(1)~(3)において、負極層の製造に使用される負極活物質、固体電解質および焼結助剤ならびに固体電解質層の製造に使用される第1および第2固体電解質および焼結助剤を製造した。
後述する表は、実施例/比較例の各々において、正極層、負極層および固体電解質等をともに焼結した後の各層の各材料の平均化学組成を示すが、比較例1~8ならびに実施例1~17および20~24において、これらの平均化学組成は、焼結の前後において、変化はなかった。このため、表において、これらの比較例および実施例に記載されている平均化学組成は、使用された各材料の平均化学組成も意味する。
なお、実施例18および19の焼結条件は他の実施例/比較例においてと異なるため、各層の各材料の平均化学組成は焼結の前後において変化した。実施例18および19のそれぞれで使用された各材料の平均化学組成は、実施例9および11で使用された各材料の平均化学組成と同等であった。
以下の(1)~(3)において、負極層の製造に使用される負極活物質、固体電解質および焼結助剤ならびに固体電解質層の製造に使用される第1および第2固体電解質および焼結助剤を製造した。
後述する表は、実施例/比較例の各々において、正極層、負極層および固体電解質等をともに焼結した後の各層の各材料の平均化学組成を示すが、比較例1~8ならびに実施例1~17および20~24において、これらの平均化学組成は、焼結の前後において、変化はなかった。このため、表において、これらの比較例および実施例に記載されている平均化学組成は、使用された各材料の平均化学組成も意味する。
なお、実施例18および19の焼結条件は他の実施例/比較例においてと異なるため、各層の各材料の平均化学組成は焼結の前後において変化した。実施例18および19のそれぞれで使用された各材料の平均化学組成は、実施例9および11で使用された各材料の平均化学組成と同等であった。
(1)ガーネット型固体電解質粉末(負極層の固体電解質粉末および固体電解質層の第2固体電解質粉末)の製造
実施例および比較例で使用のガーネット型固体電解質粉末を以下の通り製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、水酸化ランタンLa(OH)3、酸化ジルコニウムZrO2,酸化ガリウムGa2O3、酸化アルミニウムAl2O3、酸化ニオブNb2O5、酸化タンタルTa2O5、酸化モリブテンMoO3を用いた。
各原料を、化学組成が所定の化学組成となるように秤量し、水を添加し、100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、原料を混合した。また、Li源である水酸化リチウム一水和物LiOH・H2Oは焼結時のLi欠損を考慮し、狙い組成に対し、3wt%過剰で仕込んだ。
得られたスラリーを蒸発および乾燥させた後、900℃で5時間仮焼することで目的相を得た。
得られた仮焼粉にトルエン-アセトンの混合溶媒を添加し、遊星ボールミルにて6時間粉砕した。
この粉砕粉を乾燥し、固体電解質粉末とした。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。
実施例および比較例で使用のガーネット型固体電解質粉末を以下の通り製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、水酸化ランタンLa(OH)3、酸化ジルコニウムZrO2,酸化ガリウムGa2O3、酸化アルミニウムAl2O3、酸化ニオブNb2O5、酸化タンタルTa2O5、酸化モリブテンMoO3を用いた。
各原料を、化学組成が所定の化学組成となるように秤量し、水を添加し、100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、原料を混合した。また、Li源である水酸化リチウム一水和物LiOH・H2Oは焼結時のLi欠損を考慮し、狙い組成に対し、3wt%過剰で仕込んだ。
得られたスラリーを蒸発および乾燥させた後、900℃で5時間仮焼することで目的相を得た。
得られた仮焼粉にトルエン-アセトンの混合溶媒を添加し、遊星ボールミルにて6時間粉砕した。
この粉砕粉を乾燥し、固体電解質粉末とした。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。
(2)負極活物質粉末およびLISICON型固体電解質粉末(固体電解質層の第1固体電解質粉末)の製造
実施例および比較例で使用の負極活物質粉末および第1固体電解質粉末を以下の通り製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、五酸化バナジウムV2O5、酸化ケイ素SiO2、酸化ゲルマニウムGeO2、酸化リンP2O5、酸化アルミニウムAl2O3、酸化亜鉛ZnO用いた。
各原料を、化学組成が所定の化学組成となるように適宜秤量し、水を添加し、100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、原料を混合した。
得られたスラリーを蒸発および乾燥させた後、空気中にて800℃で5時間仮焼を行った。
得られた仮焼粉に、アルコールを添加し、再度100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、粉砕を行った。
粉砕粉を再度、900℃にて5時間本焼を行った。
その後、得られた本焼粉にトルエン-アセトンの混合溶媒を添加し、遊星ボールミルにて6時間粉砕し、乾燥させたものを、負極活物質粉末および第1固体電解質粉末とした。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。
実施例および比較例で使用の負極活物質粉末および第1固体電解質粉末を以下の通り製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、五酸化バナジウムV2O5、酸化ケイ素SiO2、酸化ゲルマニウムGeO2、酸化リンP2O5、酸化アルミニウムAl2O3、酸化亜鉛ZnO用いた。
各原料を、化学組成が所定の化学組成となるように適宜秤量し、水を添加し、100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、原料を混合した。
得られたスラリーを蒸発および乾燥させた後、空気中にて800℃で5時間仮焼を行った。
得られた仮焼粉に、アルコールを添加し、再度100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、粉砕を行った。
粉砕粉を再度、900℃にて5時間本焼を行った。
その後、得られた本焼粉にトルエン-アセトンの混合溶媒を添加し、遊星ボールミルにて6時間粉砕し、乾燥させたものを、負極活物質粉末および第1固体電解質粉末とした。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。
(3)焼結助剤粉末の製造
実施例および比較例で使用の焼結助剤粉末を以下の通り製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、酸化ホウ素B2O3、炭酸リチウムLi2CO3、酸化アルミニウムAl2O3を用いた。
各原料を、化学組成が所定の化学組成となるように適宜秤量し、乳鉢にてよく混合した後、650℃で5時間仮焼を行った。
その後、仮焼粉を再度乳鉢でよく粉砕、混合した後、680℃で40時間本焼を行った。
得られた本焼粉にトルエン-アセトンの混合溶媒を添加し、遊星ボールミルにて6時間粉砕し、乾燥させたものを焼結助剤粉末とした。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。
実施例および比較例で使用の焼結助剤粉末を以下の通り製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、酸化ホウ素B2O3、炭酸リチウムLi2CO3、酸化アルミニウムAl2O3を用いた。
各原料を、化学組成が所定の化学組成となるように適宜秤量し、乳鉢にてよく混合した後、650℃で5時間仮焼を行った。
その後、仮焼粉を再度乳鉢でよく粉砕、混合した後、680℃で40時間本焼を行った。
得られた本焼粉にトルエン-アセトンの混合溶媒を添加し、遊星ボールミルにて6時間粉砕し、乾燥させたものを焼結助剤粉末とした。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。
[実施例1~25および比較例1~8]
(固体電池の製造)
固体電池を以下のように製造した。
(固体電池の製造)
固体電池を以下のように製造した。
正極活物質としてLiCoO2、固体電解質粉末としてLi3.2V0.8Si0.2O4、焼結助剤としてLi3BO3を秤量し、ブチラール樹脂、アルコール、バインダと混練することで、正極層用スラリーを作製した。
全ての実施例および比較例において正極活物質、固体電解質、焼結助剤の体積比率は50:45:5とした。
全ての実施例および比較例において正極活物質、固体電解質、焼結助剤の体積比率は50:45:5とした。
上記(1)~(3)それぞれで製造したガーネット型固体電解質粉末、LISICON型固体電解質粉末、および焼結助剤粉末を秤量し、ブチラール樹脂、アルコール、バインダと混練することで、固体電解質層用スラリーを作製した。
実施例1~11および18~25ならびに比較例1~2および6~8で用いた、LISICON型固体電解質、ガーネット型固体電解質粉末、焼結助剤粉末の体積比率は47.5:47.5:5とした。
実施例13および比較例3~5においては、LISICON型のみを用いた。
実施例12および14~17で用いたLISICON型固体電解質粉末、焼結助剤粉末の体積比率は95:5とした。
実施例1~11および18~25ならびに比較例1~2および6~8で用いた、LISICON型固体電解質、ガーネット型固体電解質粉末、焼結助剤粉末の体積比率は47.5:47.5:5とした。
実施例13および比較例3~5においては、LISICON型のみを用いた。
実施例12および14~17で用いたLISICON型固体電解質粉末、焼結助剤粉末の体積比率は95:5とした。
上記(1)~(3)それぞれで製造したガーネット型固体電解質粉末、負極活物質粉末および焼結助剤粉末、ならびに導電助剤としてAg粉を秤量し、ブチラール樹脂、アルコール、バインダと混練することで、負極層用スラリーを製造した。
実施例1~12および18~25ならびに比較例1~2および6~8で用いた負極活物質粉末、固体電解質粉末、導電助剤粉末、焼結助剤粉末の体積比率は35:30:30:5とした。
実施例13および比較例3で用いた負極活物質粉末、導電助剤粉末の体積比率は70:30とした。
実施例14~17で用いた負極活物質粉末、固体電解質粉末、導電助剤粉末、焼結助剤粉末の体積比率は35:30:30:5とした。
実施例1~12および18~25ならびに比較例1~2および6~8で用いた負極活物質粉末、固体電解質粉末、導電助剤粉末、焼結助剤粉末の体積比率は35:30:30:5とした。
実施例13および比較例3で用いた負極活物質粉末、導電助剤粉末の体積比率は70:30とした。
実施例14~17で用いた負極活物質粉末、固体電解質粉末、導電助剤粉末、焼結助剤粉末の体積比率は35:30:30:5とした。
これらのスラリーを、ドクターブレード法を用いてPETフィルム上にシート成型し、正極層用シート、固体電解質層用シート、負極層用シートを得た。次に、正極層用シート、固体電解質層用シート、負極用シートを積層、圧着することで固体電池の積層体を得た。積層体を10mm×10mm寸法の正方形形状に切断し、2枚の多孔性のセッターで挟持し、400℃でバインダを除去した後、750℃にて焼結することで、固体電池を製造した。その後、固体電池を2032型のコインセルで封止して評価を行った。
なお、実施例1~17および20~25ならびに比較例1~3および6~8での焼結は750℃で1分間行った。
実施例18~19での焼結は750℃で1時間行った。
走査型電子顕微鏡を用いて、正極層、固体電解質層および負極層の厚みを確認したところ、いずれの実施例および比較例においても、それぞれ25μm程度、15μm程度、18~25μm程度であった。なお、負極層の厚みは、ガーネット型固体電解質が含まれるものと、含まれないものとで、厚みが異なった。詳しくは負極層の厚みは、ガーネット型固体電解質を含むものは、負極活物質の体積比率が減少するため、25μmであり、ガーネット型固体電解質を含まないものは8μmであった。
全ての実施例および比較例の各々において、固体電解質層の平均厚みは15μmであった。
またいずれの比較例および実施例においても、固体電解質層、正極層、負極層の空隙率は10%以下であり、十分に焼結が進行していることを確認した。
なお、実施例1~17および20~25ならびに比較例1~3および6~8での焼結は750℃で1分間行った。
実施例18~19での焼結は750℃で1時間行った。
走査型電子顕微鏡を用いて、正極層、固体電解質層および負極層の厚みを確認したところ、いずれの実施例および比較例においても、それぞれ25μm程度、15μm程度、18~25μm程度であった。なお、負極層の厚みは、ガーネット型固体電解質が含まれるものと、含まれないものとで、厚みが異なった。詳しくは負極層の厚みは、ガーネット型固体電解質を含むものは、負極活物質の体積比率が減少するため、25μmであり、ガーネット型固体電解質を含まないものは8μmであった。
全ての実施例および比較例の各々において、固体電解質層の平均厚みは15μmであった。
またいずれの比較例および実施例においても、固体電解質層、正極層、負極層の空隙率は10%以下であり、十分に焼結が進行していることを確認した。
[固体電池の評価]
各実施例/比較例の固体電池を以下のように評価した。
各実施例/比較例の固体電池を以下のように評価した。
(負極活物質の利用率)
定電流充放電試験によって、0.05Cに相当する電流密度で電圧範囲1.0V~3.9Vで電気量を測定して可逆容量を算出した。
定電流充放電試験から得られた初期可逆電気量を負極活物質重量で除算することで、初回可逆容量を算出した。また、負極活物質中のVが2電子反応進行した際の容量を理論容量とし、上記初期可逆容量を理論容量で除算することで利用率Rを算出した。
◎;89%≦R≦100%(最良);
○;79%≦R<89%(良);
△;70%≦R<79%(可)(実用上問題なし);
×;R<70%(不可)(実用上問題あり)。
定電流充放電試験によって、0.05Cに相当する電流密度で電圧範囲1.0V~3.9Vで電気量を測定して可逆容量を算出した。
定電流充放電試験から得られた初期可逆電気量を負極活物質重量で除算することで、初回可逆容量を算出した。また、負極活物質中のVが2電子反応進行した際の容量を理論容量とし、上記初期可逆容量を理論容量で除算することで利用率Rを算出した。
◎;89%≦R≦100%(最良);
○;79%≦R<89%(良);
△;70%≦R<79%(可)(実用上問題なし);
×;R<70%(不可)(実用上問題あり)。
(リーク電流)
別試料にて、3.9Vまで定電流充放電後、3.9Vで定電圧試験を行い、過渡電流を計測した。定電圧保持時10,000分後に観測された定常電流を固体電解質の電子伝導性由来のリーク電流I(A/cm2)として読み取った。比較例1、2では、負極層と固体電解質層との間に剥離が生じているため、リーク電流を正確に測定することが困難であった。
別試料にて、3.9Vまで定電流充放電後、3.9Vで定電圧試験を行い、過渡電流を計測した。定電圧保持時10,000分後に観測された定常電流を固体電解質の電子伝導性由来のリーク電流I(A/cm2)として読み取った。比較例1、2では、負極層と固体電解質層との間に剥離が生じているため、リーク電流を正確に測定することが困難であった。
◎;I≦5×10-7(最良);
○;5×10-7<I≦1×10-6(良);
△;1×10-6<I≦1.8×10-6(可)(実用上問題なし);
×;1.8×10-6<I(不可)(実用上問題あり)。
○;5×10-7<I≦1×10-6(良);
△;1×10-6<I≦1.8×10-6(可)(実用上問題なし);
×;1.8×10-6<I(不可)(実用上問題あり)。
[測定]
(平均化学組成)
表4~表7における化学式は平均化学組成を示す。平均化学組成は、正極層、負極層または固体電解質層の厚み方向の化学組成の平均値を意味する。
平均化学組成は以下の方法により測定した。平均化学組成は、固体電池を破断し、イオンミリングで断面を研磨後、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、各層の厚み方向全体が収まる視野にてEDXによる定量分析(組成分析)を行うことで、負極層における負極活物質の平均化学組成、および固体電解質層におけるLISICON型固体電解質(すなわち第1固体電解質)の平均化学組成を得た。本発明においては、EDXは堀場製EMAX-Evolutionによる組成分析を用いた。Liに関しては定量が困難であるため、化学式Li[3-ax+(5-b)(1-y)]Ax)(VyB1-y)O4の焼結前に仕込んだA、Bの情報、およびEDXの組成分析によって得られたx,yの情報から、上記の化学式を用いて算出した。
なお、ガーネット型固体電解質および/または焼結助剤を含む層では、これらの構成元素を定量分析から除くことで、負極層における負極活物質の平均化学組成、および固体電解質層におけるLISICON型固体電解質(すなわち第1固体電解質))の平均化学組成を得た。
焼結条件が750℃、1分間である比較例1~8ならびに実施例1~17および20~25では、焼結後における負極層の負極活物質および固体電解質ならびに固体電解質層の第1および第2固体電解質の平均化学組成は、焼結前(仕込み)のそれぞれの組成と同等であることを確認した。
なお、実施例18および19それぞれの焼結前における負極層の負極活物質および固体電解質ならびに固体電解質層の第1および第2固体電解質の平均化学組成は、実施例9および11の焼結前における各平均化学組成と同等である。
(平均化学組成)
表4~表7における化学式は平均化学組成を示す。平均化学組成は、正極層、負極層または固体電解質層の厚み方向の化学組成の平均値を意味する。
平均化学組成は以下の方法により測定した。平均化学組成は、固体電池を破断し、イオンミリングで断面を研磨後、SEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、各層の厚み方向全体が収まる視野にてEDXによる定量分析(組成分析)を行うことで、負極層における負極活物質の平均化学組成、および固体電解質層におけるLISICON型固体電解質(すなわち第1固体電解質)の平均化学組成を得た。本発明においては、EDXは堀場製EMAX-Evolutionによる組成分析を用いた。Liに関しては定量が困難であるため、化学式Li[3-ax+(5-b)(1-y)]Ax)(VyB1-y)O4の焼結前に仕込んだA、Bの情報、およびEDXの組成分析によって得られたx,yの情報から、上記の化学式を用いて算出した。
なお、ガーネット型固体電解質および/または焼結助剤を含む層では、これらの構成元素を定量分析から除くことで、負極層における負極活物質の平均化学組成、および固体電解質層におけるLISICON型固体電解質(すなわち第1固体電解質))の平均化学組成を得た。
焼結条件が750℃、1分間である比較例1~8ならびに実施例1~17および20~25では、焼結後における負極層の負極活物質および固体電解質ならびに固体電解質層の第1および第2固体電解質の平均化学組成は、焼結前(仕込み)のそれぞれの組成と同等であることを確認した。
なお、実施例18および19それぞれの焼結前における負極層の負極活物質および固体電解質ならびに固体電解質層の第1および第2固体電解質の平均化学組成は、実施例9および11の焼結前における各平均化学組成と同等である。
(平均粒径)
平均粒径は、各層のSEM画像もしくはTEM画像および画像解析ソフト(例えば、「A像くん」(旭化成エンジニアリング社製))を用いて粒子解析を行い、円相当径を算出することで、任意の100個の粒子の平均粒径を求めた。
平均粒径は、各層のSEM画像もしくはTEM画像および画像解析ソフト(例えば、「A像くん」(旭化成エンジニアリング社製))を用いて粒子解析を行い、円相当径を算出することで、任意の100個の粒子の平均粒径を求めた。
(実施例1~10ならびに比較例1~5および6~8について)
比較例1、2で示したように、負極層にβII-Li3VO4構造を有するLi3VO4負極活物質を用い、かつ固体電解質層にVを含まないLISICON型固体電解質を用いた試料では、負極活物質の利用率が5%以下であり、ほとんど充放電できないことがわかった。SEM観察からは、負極層と固体電解質層の界面で剥離が観測され、両者の接合性が不十分であることが、充放電容量が得られない要因であることがわかった。負極層と固体電解質層の間に剥離が生じているため、リーク電流を正確に測定することが困難であった。比較例3で示したように負極層にγII-Li3VO4構造を有するLi3.2V0.8Si0.2O4負極活物質を用いることで、接合性は一部改善するものの、以前として可逆容量が得られないことがわかった。
比較例4、5から、第1固体電解質、負極活物質どちらにもVを含む場合であっても、Li/V比率が2より小さい負極活物質を用いた場合は、負極活物質の利用率が5%以下であり、ほとんど充放電できないことがわかった。XRD測定からは、共焼結後に第一固体電解質が分解していることがわかった。
比較例6~8から、第1固体電解質組成におけるVの比率が大きすぎると、リーク電流が高すぎて、固体電池の充電後の容量が経時で徐々に減少するため、保存特性に問題が生じることがわかった。
比較例1、2で示したように、負極層にβII-Li3VO4構造を有するLi3VO4負極活物質を用い、かつ固体電解質層にVを含まないLISICON型固体電解質を用いた試料では、負極活物質の利用率が5%以下であり、ほとんど充放電できないことがわかった。SEM観察からは、負極層と固体電解質層の界面で剥離が観測され、両者の接合性が不十分であることが、充放電容量が得られない要因であることがわかった。負極層と固体電解質層の間に剥離が生じているため、リーク電流を正確に測定することが困難であった。比較例3で示したように負極層にγII-Li3VO4構造を有するLi3.2V0.8Si0.2O4負極活物質を用いることで、接合性は一部改善するものの、以前として可逆容量が得られないことがわかった。
比較例4、5から、第1固体電解質、負極活物質どちらにもVを含む場合であっても、Li/V比率が2より小さい負極活物質を用いた場合は、負極活物質の利用率が5%以下であり、ほとんど充放電できないことがわかった。XRD測定からは、共焼結後に第一固体電解質が分解していることがわかった。
比較例6~8から、第1固体電解質組成におけるVの比率が大きすぎると、リーク電流が高すぎて、固体電池の充電後の容量が経時で徐々に減少するため、保存特性に問題が生じることがわかった。
一方で、実施例1~10に示したように、固体電解質層にVを含有するLISICON型固体電解質(すなわち、第1固体電解質)を用いることで、負極層との接合性が著しく向上し、負極活物質の利用率が大幅に向上することがわかった。
実施例1~10において、第1固体電解質のV量yが増大するにしたがって、固体電解質層自身の絶縁性が低下し、セルのリーク電流が増大する傾向があるが、実用上問題ない範囲内であった。このような傾向は、第1固体電解質がVを含むことで、充放電中に第1固体電解質中のVの還元に伴って、電子が注入されことに基づくものと考えられるが、実用上問題のない範囲内であった。すなわち、第1固体電解質のV量yが0.65超であると、リーク電流が1×10-6A/cm2超となり、許容範囲内で大きくなることがわかった。本発明においては、リーク電流の大きさとV量yには相関関係があることがわかり、当該V量yが小さくなるほど、リーク電流が顕著に小さくなることがわかった。V量yが0<y≦0.65となることで、リーク電流が1×10-6A/cm2以下となり、固体電池の可逆容量と絶縁性が好ましいバランスで両立できることがわかった。V量yが0.05≦y≦0.48となることで、リーク電流が5×10-7A/cm2以下に低下し、より一層好ましいことがわかった。固体電池の可逆容量と絶縁性とのバランスの観点からは、V量yが0.25≦y≦0.48となることがより好ましいことがわかった。
(実施例5および11~17について)
表5に負極層および固体電解質層に添加する活物質および固体電解質の種類を変化させた固体電池の活物質の利用率およびリーク電流を示す。
表5に負極層および固体電解質層に添加する活物質および固体電解質の種類を変化させた固体電池の活物質の利用率およびリーク電流を示す。
実施例5と11の比較から、負極活物質がβII-Li3VO4構造を有するLi3VO4からγII-Li3VO4構造を有するLi3.2V0.8SiO4となることで、活物質の利用率が向上することがわかる。これはγII-Li3VO4構造を有する活物質を用いることで、両者の接合性が向上するためだと考えられる。
実施例11と12および14の比較から、固体電解質層にガーネット型固体電解質を添加することで、リーク電流が低減し、より好ましいことがわかる。これは、ガーネット型固体電解質は充放電中に還元されにくいため、電子が注入されにくいこと、および固体電解質中でのLISICON型固体電解質の屈曲度が増大し、電子抵抗が増大するためだと考えられる。
実施例12と13の比較から、負極層中にガーネット型固体電解質を添加することで、活物質の利用率が向上することがわかる。これは、ガーネット型固体電解質を添加することで負極層中のイオンパスが増大したためだと考えられる。
実施例15~17から、固体電解質層のLISICON型酸化物もしくは負極層中の負極活物質のLiサイトの置換を行っても、1×10-6A/cm2以下の低いリーク電流が得られることがわかった。
(実施例9、11および18~19について)
表6に、実施例9、11と同じシート積層体を用いて、焼結時間を1分間から1時間に延ばすことで、負極層-固体電解質層間で元素拡散を進行させた固体電池(それぞれ実施例18,19)の活物質利用率、リーク電流を示す。
表6に、実施例9、11と同じシート積層体を用いて、焼結時間を1分間から1時間に延ばすことで、負極層-固体電解質層間で元素拡散を進行させた固体電池(それぞれ実施例18,19)の活物質利用率、リーク電流を示す。
実施例18と実施例9、および実施例19と11の比較から、焼結時間を延長することで、元素拡散が進行し、負極層の負極活物質および固体電解質層のLISICON型固体電解質の平均組成が変化することがわかる。一方で、元素拡散が進行しても、V量yが所定の範囲を満たすことで、負極活物質の良好な利用率および良好なリーク電流が得られることがわかった。
(実施例20~25について)
表7に、ガーネット型固体電解質および焼結助剤の組成を変更した固体電池(実施例20~25)の活物質利用率、リーク電流を示す。
表7に、ガーネット型固体電解質および焼結助剤の組成を変更した固体電池(実施例20~25)の活物質利用率、リーク電流を示す。
実施例20~25から、ガーネット型固体電解質および焼結助剤が様々な組成を有していても、負極活物質の良好な利用率および良好なリーク電流が得られることがわかった。
本発明の一実施形態に係る固体電池は、電池使用または蓄電が想定される様々な分野に利用することができる。あくまでも例示にすぎないが、本発明の一実施形態に係る固体電池は、エレクトロニクス実装分野で用いることができる。本発明の一実施形態に係る固体電池はまた、モバイル機器などが使用される電気・情報・通信分野(例えば、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、ノートパソコンおよびデジタルカメラ、活動量計、アームコンピューター、電子ペーパー、ウェアラブルデバイス、RFIDタグ、カード型電子マネー、スマートウォッチなどの小型電子機などを含む電気・電子機器分野あるいはモバイル機器分野)、家庭・小型産業用途(例えば、電動工具、ゴルフカート、家庭用・介護用・産業用ロボットの分野)、大型産業用途(例えば、フォークリフト、エレベーター、湾港クレーンの分野)、交通システム分野(例えば、ハイブリッド車、電気自動車、バス、電車、電動アシスト自転車、電動二輪車などの分野)、電力系統用途(例えば、各種発電、ロードコンディショナー、スマートグリッド、一般家庭設置型蓄電システムなどの分野)、医療用途(イヤホン補聴器などの医療用機器分野)、医薬用途(服用管理システムなどの分野)、ならびに、IoT分野、宇宙・深海用途(例えば、宇宙探査機、潜水調査船などの分野)などに利用することができる。
Claims (11)
- 正極層、負極層および固体電解質層を含む固体電池であって、
前記正極層および前記負極層は前記固体電解質層を介して積層されており、
前記負極層はV(バナジウム)に対するLiのモル比が2.0以上である負極活物質を含み、
前記固体電解質層は、LISICON型構造を有し、かつ少なくともVを含む固体電解質を含み、
前記固体電解質層に含まれる前記固体電解質が、一般式(3):
で表される平均化学組成を有することを特徴とする固体電池。 - 前記負極活物質がβII-Li3VO4型構造またはγII-Li3VO4型構造を有する、請求項1または2に記載の固体電池。
- 前記式(3)において、yは0<y≦0.65の関係を有する、請求項1~3のいずれかに記載の固体電池。
- 前記式(3)において、yは0.05≦y≦0.48の関係を有する、請求項1~4のいずれかに記載の固体電池。
- 前記式(3)において、yは0.25≦y≦0.48の関係を有する、請求項1~5のいずれかに記載の固体電池。
- 前記式(3)において、xは0≦x≦0.2の関係を有する、請求項1~6のいずれかに記載の固体電池。
- 前記負極層または前記固体電解質層の少なくとも一方は、ガーネット型構造を有する固体電解質をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載の固体電池。
- 前記負極層は導電助剤をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載の固体電池。
- 前記負極層または前記固体電解質層の少なくとも一方は、焼結助剤をさらに含み、
前記焼結助剤が、Li、BおよびOを含み、かつ、Bに対するLiのモル比(Li/B)が2.0以上である化学組成を有する化合物である、請求項1~9のいずれかに記載の固体電池。 - 前記固体電解質層は前記正極層および前記負極層と相互に焼結体同士の一体焼結をなしている、請求項1~10のいずれかに記載の固体電池。
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