JP7306053B2 - プレキャスト床版の接続部構造及び接続部の施工方法 - Google Patents

プレキャスト床版の接続部構造及び接続部の施工方法 Download PDF

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本発明は、橋桁上で互いに対向するプレキャスト床版の接続部構造及び接続部の施工方法に関する。
近年、道路橋の経年劣化にともない、既設の床版を撤去して新設のプレキャスト床版に架け替える更新工事が増加している。床版の架替え工程においては、供用中の道路を交通規制した上で、既設の床版を橋桁上から撤去し、図1に示されるように新設のプレキャスト床版が設置される。
そして、プレキャスト床版の接続部においては、例えば図11の特許文献1に開示された断面図のように間詰めコンクリートが打設され、所定の養生期間(数時間)が終了した後にプレキャスト床版上に仮設舗装を舗設して、一旦、交通規制を解除していた。その後、所定区間のプレキャスト床版の架替え工程が終了すると、上記仮設舗装を撤去し、本設舗装を行うといった施工方法が主に採用されている。
特開2015-001045号公報
しかし、上記したような従来の施工方法では、新設のプレキャスト床版の接続部における間詰めコンクリートの養生期間(数時間)がクリティカルとなる。したがって、交通規制の開始から規制が解除されるまでの限られた作業時間において、新設のプレキャスト床版の設置数量はごく限られたものとなり、床版の架替え工事の工期の長期化や施工コストの増大、交通規制による交通渋滞を招くこととなる。
そこで、本願発明は、特にプレキャスト床版の架替え工事における作業効率を大幅に向上させるとともに、架替え工事の工期を大幅に短縮することが可能な、プレキャスト床版の接続部構造を提供することを目的とする。
(1)橋桁50上に設置される複数のプレキャスト床版1を接続する接続部構造であって、互いに対向する前記プレキャスト床版1の接続端部10は、継手鉄筋3と、該接続端部10の天端部に所定の高さを有する切欠き凹部11とを、少なくとも備え、互いに対向する前記プレキャスト床版1の前記切欠き凹部11には、前記所定の高さと略同じ厚さを有するとともに、車両の輪荷重に耐える強度を有する接続天端部材2が架け渡され、前記接続天端部材2の上方には本設舗装5が舗設されることを特徴とするプレキャスト床版の接続部構造。
上記(1)の構成によれば、互いに対向するプレキャスト床版1の切欠き凹部11には、車両の輪荷重に耐える強度を有する接続天端部材2が架け渡されるため、プレキャスト床版1の接続部100に間詰め硬化材6が充填されていなくても、上記接続天端部材2の上方に車両を通行させることが可能となる。したがって、特にプレキャスト床版の架替え工事において、夜間の短い交通規制時間の中で、間詰め硬化材6の養生期間(数時間)を気にすることなく、交通規制時間内の多くの時間をプレキャスト床版1の設置工程に充てることができ、作業の効率化による工期の大幅な短縮を図ることが可能となる。
さらに、本発明の上記接続天端部材2は、プレキャスト床版1の接続部100における構造材の一部であるので、接続天端部材2の上方には、撤去することを前提とした仮設舗装ではなく、本設舗装5を舗設することが可能となっている。したがって、仮設舗装の舗設及び撤去の手間を削減し、作業の効率化による工期の大幅な短縮を図ることが可能となる。
(2)前記接続天端部材2の下方には後打ちの間詰め硬化材6が充填される上記(1)に記載のプレキャスト床版の接続部構造。
上記(2)の構成によれば、プレキャスト床版1の接続部100の間詰め硬化材6は、接続天端部材2の設置後、その下方に後打ちするように構成されているので、従来のように、プレキャスト床版1の設置作業時間に影響を受けることなく、後日まとめて複数の接続部100において間詰め硬化材6の充填作業を行うことが可能となる。
(3)前記接続天端部材2は、超高強度繊維補強コンクリート20より成る上記(2)に記載のプレキャスト床版の接続部構造。
上記(3)の構成によれば、本発明の上記接続天端部材2を、高い引張り耐力及び高いせん断耐力を有し、さらに高い流動性能を有する超高強度繊維補強コンクリート20(UFC)によって構成したので、接続天端部材2の強度を大幅に高めることが可能となる。
(4)橋桁50上に設置される複数のプレキャスト床版1を接続する接続部100の施工方法であって、新設のプレキャスト床版1を橋桁50の上部に設置する床版設置工程(S110)と、互いに対向する前記プレキャスト床版1の接続端部10に接続天端部材2を架け渡す接続天端部材設置工程(S120)と、前記接続天端部材2の上方に本設舗装5を舗設する本設舗装工程(S140)と、前記本設舗装工程(S140)の後に、前記接続天端部材2の下方に後打ちの間詰め硬化材6を充填する間詰め硬化材充填工程(S160)と、を少なくとも有し、前記接続天端部材設置工程(S120)では、前記プレキャスト床版1の前記接続端部10に形成された所定の高さを有する切欠き凹部11に、該所定の高さと略同じ厚さを有するとともに、車両の輪荷重に耐える強度を有する接続天端部材2が架け渡され、前記本設舗装工程(S140)の終了後に交通開放が可能であることを特徴とするプレキャスト床版1の接続部100の施工方法。
上記(4)の構成によれば、互いに対向するプレキャスト床版1の切欠き凹部11に、車両の輪荷重に耐える強度を有する接続天端部材2を架け渡し、該接続天端部材2の上方に本設舗装5を舗設するので、プレキャスト床版1の接続部100に間詰め硬化材6を充填することなく、交通開放して上方に車両を通行させることが可能となる。したがって、特にプレキャスト床版の架替え工事において、夜間の短い交通規制時間の中で、間詰め硬化材6の養生期間(数時間)を気にすることなく、交通規制時間内の多くの時間をプレキャスト床版1の設置工程に充てることができ、作業の効率化による工期の大幅な短縮を図ることが可能となる。
さらに、本発明の上記接続天端部材2は、プレキャスト床版1の接続部100における構造材の一部であるので、接続天端部材2の上方には、撤去することを前提とした仮設舗装ではなく、本設舗装5を舗設することが可能となっている。したがって、仮設舗装の舗設及び撤去の手間を削減し、作業の効率化による工期の大幅な短縮を図ることが可能となる。
本発明における、新設のプレキャスト床版の設置態様の一例を示す模式図である。 本発明における、新設のプレキャスト床版の接続部の平面図であって、(a)は接続部に接続天端部材を設置する前の平面図、(b)は接続部に接続天端部材を設置した後の平面図である。 本発明における、新設のプレキャスト床版の接続部の断面図であって、(a)は接続部に接続天端部材を設置する前の断面図、(b)は接続部に接続天端部材を設置した後の断面図である。 本発明における、新設のプレキャスト床版の橋桁上における接続部の断面図であって、(a)は接続部に接続天端部材を設置する前の断面図、(b)は接続部に接続天端部材を設置した後の断面図である。 本発明の一実施例における、床版の架替え工事の施工フローの一例である。 本発明の一実施例における、施工方法の流れを模式的に示した断面図である。 本発明における接続天端部材の実施例を示す断面図であって、(a)及び(b)の二つの実施例における接続天端部材の断面図が示されている。 本発明における接続天端部材の実施例を示す図であって、(a)には橋軸方向の断面図が、(b)には横断方向におけるPC鋼材の配置態様が示されている。 本発明における接続天端部材の各設置態様例が、(a)~(c)に断面図で示されている。 本発明の接続天端部材と間詰め硬化材との付着態様例が、(a)~(c)に断面図で示されている。 特許文献1に開示された、従来型のプレキャスト床版の接続部が断面図で示されている。
以下、図面を参照しつつ、本発明のプレキャスト床版の接続部構造及び接続部の施工方法について説明する。
本発明の実施例として、図1には新設のプレキャスト床版1の設置態様が模式的に斜視図で示されている。プレキャスト床版1は橋桁50に上部に揚重機等を使用して橋軸方向(図示Y)に設置され、各プレキャスト床版1の接続端部から延びる継手鉄筋を接続部100において定着させて、間詰め硬化材6が打設されることによって各プレキャスト床版1は構造的に一体化される。
なお、本発明のプレキャスト床版1の接続部構造は、道路橋に限定されるものではなく、鉄道施設や港湾施設、トンネル内に設置される床版、建築物におけるプレキャスト床版の接続部構造及び接続部の施工方法においても適用することが可能である。
(接続部構造)
本発明は、プレキャスト床版1の接続部構造として、互いに対向するプレキャスト床版1に接続天端部材2が架け渡されることを最大の特徴としており、図2~4にはそれぞれ、(a)に上記接続天端部材2がプレキャスト床版1に架け渡される前の平面図及び断面図が、(b)には上記接続天端部材2がプレキャスト床版1に架け渡された後の平面図及び断面図が図示されている。
より詳細に説明すると、図3(a)には図2(a)のA-A断面におけるプレキャスト床版1の接続部100が図示されている。図3(a)に示されるように、互いに対向するプレキャスト床版1の接続端部10には継手鉄筋3が設けられ、さらに接続端部10の天端部には所定の高さを有する切欠き凹部11が形成されている。
なお、図4(a)には図2(a)の橋桁50上部にあたるB-B断面の接続部100が図示されているが、上記と同様にプレキャスト床版1の接続端部10には継手鉄筋3が設けられ、上記切欠き凹部11が形成されている。
続いて、図3(b)及び図4(b)には、図2(b)のA´-A´断面及びB´-B´断面におけるプレキャスト床版1の接続部100がそれぞれ図示されている。図示されるように、本実施例では所定の厚さを有する接続天端部材2が、互いに対向するプレキャスト床版1の切欠き凹部11に嵌め込まれるようにして架け渡されている。
上記した接続天端部材2は、その上方を走行する車両の輪荷重が加わっても破損することのない十分な強度を有している。さらに接続天端部材2は上記切欠き凹部11の高さと略同じ厚さで形成されているので、接続天端部材2の設置後、当該接続天端部材2の上面とプレキャスト床版1の上面は略面一にて形成される。
したがって、本実施例の接続天端部材2は上記したような十分な強度と形状から、接続部100の構造材の一部として機能する。加えて接続天端部材2設置後の接続部100の上面は、プレキャスト床版1の上面と同じ高さに仕上げられるので、接続部100の上面とプレキャスト床版1の上面とで舗装厚を変化させることなく本設舗装5が舗設される。このような構成によれば、舗装厚を変化させないことによって、交通解放後、舗装材の圧密沈下量の差異による舗装表面への凹凸の発生を抑制することができる。
(接続部の施工フロー)
図5には、プレキャスト床版1の架替え工事における、本実施例の接続部100の施工フローが示され、図6にはその一部の施工の流れが断面図で示されている。
[S100:既設コンクリート床版の撤去]
供用中の道路橋において、架替え工事の対象区間の交通規制を実施し、既存のコンクリート床版が撤去される。撤去後は覆工板などの仮設材が設置されて、一旦規制を解除して交通開放することが可能である。
[S110:新設のプレキャスト床版の設置]
続いて、交通規制を再び実施し、前述の覆工板等の撤去を行い、揚重機等を使用して新設のプレキャスト床版1を橋桁50の上部に、図1に示されるように順次、橋軸方向に設置する。なお、新設の各プレキャスト床版1の接続部100は、図6(a)の断面図及び図2(a)の平面図に示されるように、互いに対向する接続端部10から延びた継手鉄筋3を定着させるようにして橋桁50の上部に設置される。
[S120:接続天端部材の設置]
続いて、図6(b)の断面図及び図2(b)の平面図に示されるように、新設のプレキャスト床版1の接続部100では、互いに対向するプレキャスト床版1の切欠き凹部11に嵌め込まれるようにして接続天端部材2が設置される。本実施例において使用される接続天端部材2は、図7(a)に示されるように、幅(W)300mm、厚さ(t1)40mmの超高強度繊維補強コンクリート(以下単に「UFC」と称することがある。)20によって形成された板状の部材であり、非常に軽量で1~2m程度の任意の長さで成形できることから、作業員が手作業で運搬から設置まで行うことが可能となっている。
[S130:新設のプレキャスト床版上へ防水層の構築]
続いて、本実施例では新設のプレキャスト床版1の上方に本設舗装5を舗設するのに先立って、プレキャスト床版1の上面及び接続天端部材2の上面に防水層4を構築する。なお、本実施例では本設舗装5を舗設した後に交通規制を解除するので、上記のように防水層4を構築したが、後に撤去することが前提となる仮設舗装を舗設する場合には、当該防水層4の構築は行わない。
[S140:アスファルト舗装の舗設]
続いて、図6(c)に示されるように、前の工程によって構築された防水層4の上部に、本実施例では本設のアスファルト舗装(本設舗装5)が舗設される。すなわち、本発明の特徴的な構成部材として、接続部100に接続天端部材2が設置されているが、当該接続天端部材2は仮設材ではなく、間詰め硬化材6と複合して機能する構造材の一部であるので、その上方に本設のアスファルト舗装(本設舗装5)を舗設することが可能となっている。なお、本設舗装5とは、撤去すること前提として所定の期間、仮に舗装されるものではなく、最終成果物として長く車両等の通行に供用される舗装である。
このような構成により、従来は接続部の間詰めコンクリートが打設され、養生期間(数時間)を経て所定の強度が確保されなければ本設舗装5を行うことができなかったが、本発明では養生期間(数時間)などの制約を受けることなく早期に本設舗装5を舗設できるように構成されている。
[S150:交通開放]
続いて、本実施例では本設のアスファルト舗装(本設舗装5)の舗設が完了すると、交通規制を解除し、交通開放が行われる。本発明の接続天端部材2は、高い引張り耐力及び高いせん断耐力を有するUFC20により形成されていることから、接続天端部材2単独又は上部の舗装材と複合して通行車両の輪荷重に耐えうるように構成されている。したがって、図6(c)に示されるように、接続部100の間詰め硬化材6が充填されていなくとも、交通開放することが可能となっている。
[S160:間詰め硬化材の充填]
続いて、図6(d)に示されるように接続部100の下端に型枠材30が設置され、接続天端部材2の下方に、間詰め硬化材6が充填される。なお、本実施例で使用する間詰め硬化材6は、現場において打設~養生が可能な常温硬化型の材料であり、さらに、優れた流動性や充填性を備えた無収縮性のグラウト20を使用している。
[S170:養生~型枠の脱型]
続いて、間詰め硬化材6が充填され、所定の強度が確保されると型枠材30の脱型が行われる。なお、本実施例で使用されるグラウト20は、超速硬性のものを適用することも可能であり、その場合は充填後、約2~6時間で必要な強度を発現する。
(接続天端部材の構造)
次に、本発明の接続天端部材2の構造について以下に説明する。前述の実施例では、図7(a)に示されるような、幅(W)300mm、厚さ(t1)40mmの、UFC20によって形成された板状の部材を接続天端部材2として使用したが、必ずしもこのような形状、寸法、構造のものに限られるものではなく、例えば、図7(b)に示されるように、UFC20の上面と下面を炭素繊維強化プラスチック22(所謂CFRP)で覆い、厚さ(t2)20~80mmの接続天端部材2を形成することも可能である。
また、図8(a)の断面図及び(b)の平断面図に示されるように、幅(W)300mm、厚さ(t1)80mmのUFC20内に、PC鋼材25を配置して、接続天端部材2を形成することも可能である。
上記した図7(b)や図8に示されたような方法によって、接続天端部材2自体の構造強度を高めることが可能となり、下方に充填される間詰め硬化材6と接続天端部材2とが構造的に一体化していなくても、接続部100全体に要求される構造強度を確保することが可能となる。また、接続天端部材2の設置後、その上方を車両が通行した際、接続天端部材2自体が破損してしまうことを確実に防止することが可能となる。
(接続天端部材の取付構造)
次に、本発明の接続天端部材2の取付構造について以下に説明する。本発明の接続天端部材2は前述したように軽量の板状の部材であり、作業員が人力で設置することができるものである。それ故、上方から荷重や衝撃が加わると、ガタつく可能性がある。このようなガタつきは、その上方に舗設されるアスファルト舗装などの舗装体にクラックを生じさせる要因となってしまうことから、しっかりと固定される必要があり、以下で説明する種々の固定方法を選択することができる。
例えば、図9(a)~(c)の断面図には、3種類の接続天端部材2の固定方法が図示されている。図9(a)に示される例では、プレキャスト床版1の切欠き凹部11に接着材料40を塗布し、接続天端部材2とプレキャスト床版1とを強固に固定している。このような方法によれば、特に接続天端部材2やプレキャスト床版1に加工等を施すことなく容易に固定することが可能となる。
続いて、図9(b)に示される例では、予めプレキャスト床版1の切欠き凹部11にボルト固定用のインサート41を設けておき、図示されるようにボルト42によって接続天端部材2とプレキャスト床版1とを強固に固定している。このような方法によれば、接続天端部材2やプレキャスト床版1に事前の加工が必要であるものの、接着剤のような接着不良の心配がないため、より確実に接続天端部材2とプレキャスト床版1とを強固に固定することが可能となる。
続いて、図9(c)に示される例では、予めプレキャスト床版1の切欠き凹部11にアンカー挿入口44を形成し、加えて、接続天端部材2にアンカー43を設けておく。そして、アンカー挿入口44に接着剤45を充填してアンカー43を挿入することで、接続天端部材2とプレキャスト床版1とを強固に固定している。このような方法によれば、施工現場における手間を削減しつつ、図9(a)に示された接着材料40による方法よりも、より確実に接続天端部材2とプレキャスト床版1とを固定することが可能となる。
(接続天端部材と間詰め硬化材との一体化構造)
次に、本発明の接続天端部材2と、その下方に充填される間詰め硬化材6との一体化構造について以下に説明する。本発明の接続天端部材2は前述したように軽量の板状の部材であり、作業員が人力で設置することができるものであるが、それ故、上方から荷重や衝撃が加わると、ガタつく可能性がある。前述したように、このようなガタつきは、その上方に舗設されるアスファルト舗装などの舗装体にクラックを生じさせる要因となってしまう。したがって、接続天端部材2と、その下方に充填される間詰め硬化材6とは一体化される方がより好ましいと言える。
また、接続天端部材2と、その下方に充填される間詰め硬化材6とを構造的に一体化することにより、接続部100の構造強度を向上させることが可能となる。そこで、以下に示すような種々の一体化方法を選択することができる。
例えば、図10(a)に示されるように、接続天端部材2の下面にリブ形状や所謂エンボス加工のような複数の凸状部26を形成し、当該接続天端部材2の下方に充填される間詰め硬化材6との付着性能を向上させることにより、対向するプレキャスト床版1を強固に一体化するとともに、接続天端部材2のガタつきを抑制して舗装体への悪影響を防ぐことが可能となる。
また別の方法では、例えば、図10(b)に示されるように、接続天端部材2に付着アンカー27を複数設け、当該接続天端部材2の下方に充填される間詰め硬化材6との付着性能を向上させることも可能である。
さらに別の方法では、例えば、図10(c)に示されるように、接続天端部材2に複数の貫通孔28を形成し、当該接続天端部材2の下方に間詰め硬化材6を充填する際に、併せて上記貫通孔28にも間詰め硬化材6を充填することによって、接続天端部材2と間詰め硬化材6との付着性能を向上させることも可能である。
(別の実施形態)
以上、本発明の実施形態について図面にもとづいて説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、前述の実施例では間詰め硬化材6の構成材料としてグラウト20を使用したが、高い引張り耐力及び高いせん断耐力を有する超高強度繊維補強コンクリート(UFC)を間詰め硬化材6に適用することも可能であり、充填後、約4~5時間で必要な強度を得ることが可能である。
また、前述の実施例では、接続天端部材2の構成材料として超高強度繊維補強コンクリート(UFC)を使用したが、必要な強度を有する材料であれば、他のコンクリート材料やモルタル材料等を使用して、接続天端部材2を形成することも可能である。
また、前述の実施例では、プレキャスト床版1の橋軸横断方向の接続部100における実施態様を例に説明したが、必ずしも橋軸横断方向の接続部100に限定されるものではなく、プレキャスト床版1の橋軸縦断方向の接続部のほか、あらゆる方向に当該プレキャスト床版1を接続する場合においても本発明の接続部構造及び接続部の施工方法を適用することが可能である。
また、前述の実施例では、既設床版の架替え工事を例にして施工フローなどを説明したが、新設の道路橋においても、本発明の接続部構造及び接続部の施工方法を適用するが可能であり、作業の効率化による工期の大幅な短縮を図ることが可能である。
また、本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な材質、寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。
1 プレキャスト床版
2 接続天端部材
3 継手鉄筋
4 防水層
5 本設舗装
6 間詰め硬化材
10 接続端部
11 切欠き凹部
20 超高強度繊維補強コンクリート(UFC)
50 橋桁

Claims (3)

  1. 橋桁上に設置される複数のプレキャスト床版を接続する接続部構造であって、
    前記プレキャスト床版は、接続空間を挟んで該プレキャスト床版の接続端部が互いに対向して配置され、
    記プレキャスト床版の接続端部は、対向するそれぞれの該接続端部から突出するとともに前記接続空間において定着される継手鉄筋と、前記継手鉄筋の上方において前記接続端部の天端部に所定の高さを有する切欠き凹部とを、少なくとも備え、
    互いに対向する前記プレキャスト床版の前記切欠き凹部には、前記所定の高さと略同じ厚さを有するとともに、車両の輪荷重に耐える強度を有する接続天端部材が架け渡され、
    前記接続天端部材の上方には本設舗装が舗設され
    前記接続天端部材の下面と前記プレキャスト床版の前記接続端部が互いに対向する前記接続空間には、後打ちの間詰め硬化材が充填される
    ことを特徴とするプレキャスト床版の接続部構造。
  2. 前記接続天端部材は、超高強度繊維補強コンクリートより成る
    請求項1に記載のプレキャスト床版の接続部構造。
  3. 橋桁上に設置される複数のプレキャスト床版を接続する接続部の施工方法であって、
    新設のプレキャスト床版を、接続空間を挟んで該プレキャスト床版の接続端部が互いに対向するように橋桁の上部に設置するとともに、前記接続端部から突出する継手鉄筋を前記接続空間に配置する床版設置工程と、
    前記継手鉄筋の上方において互いに対向する前記プレキャスト床版の接続端部に接続天端部材を架け渡す接続天端部材設置工程と、
    前記接続天端部材の上方に本設舗装を舗設する本設舗装工程と、
    前記本設舗装工程の後に、前記接続天端部材の下面と前記プレキャスト床版の前記接続端部が互いに対向する前記接続空間に後打ちの間詰め硬化材を充填する間詰め硬化材充填工程と、を少なくとも有し、
    前記接続天端部材設置工程では、前記プレキャスト床版の前記接続端部に形成された所定の高さを有する切欠き凹部に、該所定の高さと略同じ厚さを有するとともに、車両の輪荷重に耐える強度を有する接続天端部材が架け渡され、
    前記本設舗装工程の終了後に交通開放が可能である
    ことを特徴とするプレキャスト床版の接続部の施工方法。
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