JP7305062B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本願は、電力変換装置に関するものである。
電力変換装置を小型化するに当たり、スイッチング素子の駆動周波数を増大する手法が一般的であるが、スイッチングノイズが増大する。また一定のスイッチング周波数を用いると、電流のノイズ成分、および回路内の磁性部品の通流電流が、スイッチング周波数の整数倍周波数のスペクトルに集中して、そのスペクトルピークが大きくなり、ノイズ低減および磁性部品の銅損低減が困難であった。
特許文献1に記載される従来の電力変換装置は、周波数の相異なる複数の信号を発生する信号発生器と、前記複数の信号の中から予め設定された順序で指定の周波数の信号を順次選択して出力する信号選択手段と、該信号選択手段により選択された信号に応答して入力電圧をスイッチングするスイッチング素子と、該スイッチング素子の出力電圧を平滑化するフィルタ回路とを備える。
特開2002-252970号公報
特許文献1記載の従来の電力変換装置では、離散的な複数の周波数成分をもつ搬送波を予め設定した順序で切り替えることにより、ノイズレベルの低減を図っている。しかしながら、電力変換装置の動作条件に応じて適切な周波数を選定することは難しく、ノイズレベルの確実な抑制効果を得るのは困難であった。また、制御回路には、抵抗器を含む追加部品が必要であり、制御回路の大型化を招くものであった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、スイッチングノイズを確実に低減できると共に、回路内の磁性部品の銅損低減を可能にし、かつ制御回路を小型化できる電力変換装置を提供することを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、少なくとも1つのスイッチング素子とリアクトルとを備えた電力変換回路と、前記スイッチング素子のゲート信号を生成して前記電力変換回路を制御する制御回路とを備える。そして、前記制御回路は、デューティ比を演算し、該デューティ比と搬送波との比較に基づく制御により前記ゲート信号を生成すると共に、前記リアクトルを流れる電流に、スイッチング周波数を2以上の整数で除した低周波数のリプル電流を重畳させる。
本願に開示される電力変換装置によれば、スイッチングノイズを確実に低減できると共に、電力変換回路内の磁性部品の銅損低減を可能にし、かつ制御回路を小型化できる。
実施の形態1による電力変換装置の構成を示す図である。 実施の形態1による電力変換装置のトランスの2次側回路の構成例である。 実施の形態1による電力変換装置のトランスの2次側回路の構成例である。 実施の形態1による電力変換装置のトランスの2次側回路の構成例である。 実施の形態1による電力変換装置のトランスの2次側回路の構成例である。 実施の形態1による電力変換装置のトランスの2次側回路の構成例である。 実施の形態1による電力変換装置の平滑回路の構成例である。 比較例による電力変換装置の基本制御動作を説明する波形図である。 実施の形態1による電力変換装置の制御動作を説明する波形図である。 実施の形態1による搬送波の生成を説明する波形図である。 実施の形態1による搬送波の生成を説明する波形図である。 実施の形態1によるゲート信号の生成を説明する波形図である。 実施の形態1による電力変換装置の制御ブロック図である。 実施の形態1による電力変換装置の制御ブロック図である。 実施の形態1による電力変換装置の制御動作を説明する波形図である。 実施の形態1による制御回路のハードウェア構成を示す図である。 実施の形態1の別例によるゲート信号の生成を説明する波形図である。 実施の形態2による電力変換装置の制御動作を説明する波形図である。 実施の形態3による電力変換装置の構成を示す図である。 実施の形態3による電力変換装置の制御ブロック図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による電力変換装置の構成を示す図である。
図に示すように、電力変換装置100は、直流電源1と直流負荷3との間に接続されて、直流電源1の直流電圧を任意の直流電圧に変換して直流負荷3に供給する。直流電源1と直流負荷3は、例えば、車両走行用の高圧バッテリ、または車載電装品の電源である低圧鉛バッテリ、電気2重層コンデンサ(EDLC:Electric Double Layer Capacitor)などである。
電力変換装置100は、電力変換回路2と、電力変換回路2を制御する制御回路5とを備える。
電力変換回路2は、トランス22と、トランス22の1次側回路であるスイッチング回路21と、トランス22の2次側回路である整流回路23と、平滑回路24とを備えた絶縁型DC/DCコンバータである。
スイッチング回路21は、直流電源1に接続される直流母線間にスイッチング素子211、212、213、214を備えて構成されるフルブリッジ構成のインバータであり、交流出力線がトランス22の1次巻線に接続される。この場合、スイッチング素子211、214が、スイッチング回路21の一方の対角スイッチング素子である第1スイッチング素子であり、スイッチング素子212、213が、スイッチング回路21の他方の対角スイッチング素子である第2スイッチング素子である。
スイッチング素子211~214には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、あるいはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられる。あるいは、SiC(Silicon Carbide)-MOSFET、GaN(Gallium Nitride)-FET、GaN-HEMT(High Electron Mobility Transistor)、Ga(酸化ガリウム)-MOSFET等を用いても良い。
整流回路23は、ダイオード231、232、233、234を備えて構成されるフルブリッジ構成のダイオード整流回路であり、トランス22の2次巻線に接続されて、2次巻線から入力される電流を整流する。ダイオード231~234には、FRD(Fast Recovery Diode)あるいはSBD(Soft Recovery Diode)、さらに、これらに限定されず、SiC、GaN、Ga等の材料を用いたダイオードであっても良い。
平滑回路24は、平滑用のリアクトル241と平滑コンデンサ242とを備えたフィルタ回路であり、整流回路23の出力を平滑する。
また、電力変換回路2の入力電圧となる直流電源1の電圧Vdcを検出する電圧検出器411、および電力変換回路2の出力電圧となる平滑コンデンサ242の電圧Voutを検出する電圧検出器412が設けられる。さらに、電力変換回路2の入力電流である直流電流Idcを検出する電流検出器421、およびリアクトル241を流れる電流Iout(以下、リアクトル電流Iout)を検出する電流検出器422が設けられる。この場合、リアクトル電流Ioutは電力変換回路2の出力電流となる。
制御回路5は、搬送波とデューティ比との比較に基づく制御により第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。そして、第1ゲート信号G1により第1スイッチング素子211、214をスイッチング制御し、第2ゲート信号G2により第2スイッチング素子212、213をスイッチング制御することにより、電力変換回路2を出力制御する。制御回路5は、電力変換回路2を出力制御する際、リアクトル電流Ioutに低周波数のリプル電流を重畳させる。
第1、第2ゲート信号G1、G2の生成および制御の詳細については、後述する。
なお、整流回路は、図1に示すダイオード整流回路(整流回路23)に限らず、例えば、図2~図6の各図に示す他の回路構成を用いても良い。図2に示す整流回路23Aは、2つのダイオード235、236を備えて構成されるセンタータップ式のダイオード整流回路である。この場合、トランス22の代わりにセンタータップ式のトランス22Aが用いられる。
図3に示す整流回路23Bは、2つのダイオード231、232と2つのコンデンサ237、238を備えて構成される倍電圧式のダイオード整流回路である。
図4に示す整流回路23Cは、4つのスイッチング素子231A、232A、233A、234Aを備えて構成されるフルブリッジ構成の同期整流回路である。
図5に示す整流回路23Dは、2つのスイッチング素子235A、236Aを備えて構成されるセンタータップ式の同期整流回路である。この場合、トランス22の代わりにセンタータップ式のトランス22Aが用いられる。
図6に示す整流回路23Eは、2つのスイッチング素子231A、232Aと2つのコンデンサ237、238を備えて構成される倍電圧式の同期整流回路である。
また、平滑回路は、図1に示すフィルタ回路(平滑回路24)に限らず、例えば、図7に示す他の回路構成を用いても良い。図7に示す平滑回路24Aは、複数の平滑用のリアクトル241、241A、241Bと平滑コンデンサ242、242A、242Bとを組み合わせたフィルタ回路で構成される。
この実施の形態では、上述したように、制御回路5が電力変換回路2を出力制御する際、リアクトル電流Ioutに低周波数のリプル電流を重畳させるものである。ここでは、制御の詳細を説明するのに先だって、リプル電流を重畳させない一般的な基本の制御動作を、比較例として以下に説明する。
図8は、比較例による電力変換装置の基本制御動作を説明する波形図である。
この比較例で用いる主回路構成は電力変換回路2と同様とする。この基本制御動作では、図示しない制御用デューティ比と搬送波との比較に基づく変調制御により第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。
この場合、搬送波は、三角波あるいはノコギリ波の固定の1波形のみを連続して用いる。スイッチング素子211~214の駆動周波数(スイッチング周波数)をfsw、スイッチング周期をTsw(=1/fsw)とすると、搬送波の周波数および周期は、スイッチング周波数fswおよびスイッチング周期Tswと同じである。
生成された第1ゲート信号G1にて、スイッチング回路21の一方の対角スイッチング素子である第1スイッチング素子211、214をスイッチング制御し、第2ゲート信号G2にて、他方の対角スイッチング素子である第2スイッチング素子212、213をスイッチング制御する。これは、第1スイッチング素子211、214と第2スイッチング素子212、213とを交互にオンオフを繰り返すハードスイッチング動作である。
図8に示すように、同じオン時間のゲートパルス(第1、第2ゲート信号G1、G2)が各スイッチング素子211~214に与えられ、トランス22の2次側端子の電圧Vsには、図に示すように、ゼロ期間を挟んで正極性の電圧パルスと負極性の電圧パルスとが交互に生成される。
トランス22の2次側端子の電圧Vsが正極性あるいは負極性であるとき、平滑回路24のリアクトル241は励磁状態となるため、リアクトル電流Ioutは線形的に上昇する。一方、電圧Vsがゼロのとき、リアクトル241は消磁状態となるため、リアクトル電流Ioutは線形的に下降する。
このことから、スイッチングの1周期Tswの間に、リアクトル241は励磁と消磁を2回繰り返すため、リアクトル電流Ioutには、周波数2fswの高周波リプルが含まれる。
即ち、スイッチング周波数fswが一定の場合、リアクトル電流Ioutのノイズ成分であるスイッチングノイズは、スイッチング周波数の整数倍周波数のスペクトルに集中し、大きなスペクトルピークを有することになる。同様に、リアクトル241およびトランス22の巻線などの磁性部品の通流電流についても、スイッチング周波数の整数倍周波数のスペクトルに集中するため大きなスペクトルピーク値を有することになる。
次に、図9は、この実施の形態1による電力変換装置の制御動作を説明する波形図である。
上述した比較例に対し、この実施の形態の制御では、図9に示すように、リアクトル電流Ioutに周期(2N・Tsw)である、即ち低周波数(fsw/2N)のリプル電流を重畳させる。この場合、スイッチング周期TswのN個分の区間毎にリアクトル電流Ioutの平均電流が変化し、リアクトル電流Ioutのレベル変化のタイミングで発生するリプルが、低周波数(fsw/2N)のリプル電流となる。
なお、図9に示す場合、N=2であり、リプル電流の周波数は(fsw/4)である。
以下、電力変換装置の制御動作を具体的に説明する。
制御回路5は、スイッチング周期Tswと同周期の2種のノコギリ波である、正極性の傾きを有する第1ノコギリ波Cr1と負極性の傾きを有する第2ノコギリ波Cr2とを生成し、第1ノコギリ波Cr1と第2ノコギリ波Cr2とを組み合わせて搬送波Crを生成する。その際、第1ノコギリ波Cr1および第2ノコギリ波Cr2をそれぞれの連続回数毎に切り替えることにより、第1ノコギリ波Cr1による第1区間T1と第2ノコギリ波Cr2による第2区間T2とが交互に切り替わる搬送波Crを生成する。
図10、図11は、実施の形態1による搬送波の生成を説明する波形図である。この場合、第1ノコギリ波Cr1の連続回数および第2ノコギリ波Cr2の連続回数は、共にNであり、ここでは、N=3の場合を図示した。
まず、図10に示すように、制御回路5は、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nの和(2N)にスイッチング周期Tswを乗じた期間(2N・Tsw)を1周期とする第1基準ノコギリ波10を生成する。
なお、第1基準ノコギリ波10はピーク値Aとし、1/(2N・Tsw)ごとにカウントアップして、2N・Tswの期間でピーク値Aとなる。第1基準ノコギリ波10は、ピーク値Aに達すると、ゼロにリセットして、カウントアップを繰り返す。
次に、制御回路5は、第1基準ノコギリ波10がゼロからピーク値Aの半値(A/2)までの期間で、ピーク値(A/2)である第2基準ノコギリ波11を生成する。また、第1基準ノコギリ波10がピーク値Aの半値(A/2)からピーク値Aまでの期間で、ピーク値(A/2)である第3基準ノコギリ波12を生成する。
なお、第2基準ノコギリ波11の生成期間は、第3基準ノコギリ波12はカウントアップせずにゼロで固定し、第3基準ノコギリ波12の生成期間は、第2基準ノコギリ波11はカウントアップせずにゼロで固定する。
このように、N・Tswの期間ごとに第2基準ノコギリ波11と第3基準ノコギリ波12とを交互に生成する。なお、各第2、第3基準ノコギリ波11、12の周期は、第1基準ノコギリ波10と同様に、(2N・Tsw)である。
次に、図11に示すように、制御回路5は、第2基準ノコギリ波11がゼロからピーク値(A/2)までカウントアップしている期間で、正極性の傾きを有する第1ノコギリ波Cr1を生成する。第1ノコギリ波Cr1は、スイッチング周期Tswを1周期とし、ピーク値(A/2N)とし、ゼロからカウントアップしてTswの期間でピーク値(A/2N)となる。第1ノコギリ波Cr1は、ピーク値(A/2N)に達すると、ゼロにリセットして、カウントアップを繰り返し、N・Tswの期間にN回生成される。
また制御回路5は、第3基準ノコギリ波12がゼロからピーク値(A/2)までカウントアップしている期間で、負極性の傾きを有する第2ノコギリ波Cr2を生成する。第2ノコギリ波Cr2は、スイッチング周期Tswを1周期とし、ピーク値(A/2N)とし、このピーク値(A/2N)を初期値としてカウントダウンしてTswの期間で0となる。第2ノコギリ波Cr2は、ゼロに達すると、初期値であるピーク値(A/2N)にリセットして、カウントダウンを繰り返し、N・Tswの期間にN回生成される。
また、制御回路5は、第1ノコギリ波Cr1と第2ノコギリ波Cr2とを合成することにより搬送波Crを生成する。搬送波Crは、ピーク値(A/2N)を有するノコギリ波が、N回ごと、つまりN・Tswの期間ごとに傾きの極性が反転した形状で生成される。このように、第1ノコギリ波Cr1による第1区間T1と第2ノコギリ波Cr2による第2区間T2とが交互に切り替わる搬送波Crが生成される。
Nが1の場合では、傾きが正極性の第1ノコギリ波Cr1と、傾きが負極性の第2ノコギリ波Cr2とが1回ごとに繰り返されるため、見かけ上、三角波と同様の波形になる。
なお、搬送波Crのピーク値を1とするとき、第1基準ノコギリ波10のピーク値Aは2Nとなり、第2、第3基準ノコギリ波11、12のピーク値はNとなる。
次に、搬送波Crを用いて第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する方法を説明する。
第1ゲート信号G1は、スイッチング回路21の一方の対角スイッチング素子である第1スイッチング素子211、214をスイッチング制御する信号であり、第2ゲート信号G2は、他方の対角スイッチング素子である第2スイッチング素子212、213をスイッチング制御する信号である。
制御回路5は、出力指令などに基づくフィードバック制御により制御用のデューティ比D1、D2を演算し、搬送波Crとデューティ比D1、D2との比較に基づく変調制御により第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。その際、搬送波Crに第1ノコギリ波Cr1を用いた第1区間T1と、搬送波Crに第2ノコギリ波Cr2を用いた第2区間T2とで、異なる比較方式を用いて、搬送波Crとデューティ比D1、D2とを比較する。
図12は、実施の形態1によるゲート信号の生成を説明する波形図である。図12では、搬送波Crのピーク値を1とし、第1ノコギリ波Cr1の連続回数および第2ノコギリ波Cr2の連続回数を、共にN=2の場合を図示した。
なお、デューティ比は、搬送波Crのピーク値Pに対する100分率で表すことができるが、この場合、搬送波Crのピーク値を1として、デューティ比も0から1の値として説明する。
制御回路5は、デューティ比として第1デューティ比D1と第2デューティ比D2の組を生成する。0≦D1<D2≦1とすると、第2デューティ比D2は、第1デューティ比D1に50%である0.5を加算した値となる。そして、第1デューティ比D1、第2デューティ比D2、搬送波Crのピーク値P(=1)、およびピーク値(=1)の半値P/2(=0.5)に基づいて、第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。
図12に示すように、第1区間T1において、搬送波Cr(第1ノコギリ波Cr1)が0からピーク値の半値0.5までの期間に、第2ゲート信号G2はLowを継続し、第1ゲート信号G1のみ、第1デューティ比D1からピーク値の半値0.5までの期間にゲートパルスが生成され、第1ゲート信号G1はHighになる。そして、搬送波Cr(第1ノコギリ波Cr1)がピーク値の半値0.5からピーク値1までの期間に、第1ゲート信号G1はLowを継続し、第2ゲート信号G2のみ、第2デューティ比D2からピーク値1までの期間にゲートパルスが生成され、第2ゲート信号G2はHighになる。
一方、第2区間T2において、搬送波Cr(第2ノコギリ波Cr2)がピーク値の半値0.5からピーク値1までの期間に、第2ゲート信号G2はLowを継続し、第1ゲート信号G1のみ、第2デューティ比D2からピーク値1までの期間にゲートパルスが生成され、第1ゲート信号G1はHighになる。そして、搬送波Cr(第2ノコギリ波Cr2)が0からピーク値の半値0.5までの期間に、第1ゲート信号G1はLowを継続し、第2ゲート信号G2のみ、第1デューティ比D1からピーク値の半値0.5までの期間にゲートパルスが生成され、第2ゲート信号G2はHighになる。
このように、第1区間T1と第2区間T2とで異なる比較方式を用いて、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2とを比較することにより、搬送波Crの傾きに拘わらず、第1ゲート信号G1のゲートパルスと第2ゲート信号G2のゲートパルスとを交互に信頼性良く生成できる。
以上、第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する手法を説明したが、制御ブロック図に基づいて、以下に説明する。
図13、図14は、実施の形態1による電力変換装置の制御ブロック図である。
制御回路5では、図13に示すように、予め設定された指令値Iout*と、電流検出器422にて検出されるリアクトル電流Ioutとの偏差を、減算器31にて演算する。減算器31からの偏差は、比例制御器32に入力され、比例制御器32は、入力された偏差が0になるように第1デューティ比D1を演算する。また、加算器33にて、第1デューティ比D1に固定値0.5が加算されて第2デューティ比D2が演算される。
ここでは比例制御器32を用いて説明したが、比例積分制御器を用いても良く、制御手法を限定するものではない。また、デューティ比の組である第1、第2デューティ比D1、D2の演算は、リアクトル電流Ioutの検出値に基づいて演算したが、他の検出値、あるいは複数の検出値の組み合わせに基づいて演算しても良い。
次に、制御回路5では、図14に示すように、搬送波発生器Vcarから搬送波Crを発生させる。搬送波Crの生成については、上述した方法(図10、図11参照)にて生成する。即ち、スイッチング周期Tswと同周期の2種のノコギリ波である、正極性の傾きを有する第1ノコギリ波Cr1と負極性の傾きを有する第2ノコギリ波Cr2とを生成し、第1ノコギリ波Cr1および第2ノコギリ波Cr2をそれぞれの連続回数毎に交互に切り替わる搬送波Crを生成する。
第1、第2デューティ比D1、D2および搬送波Crは、演算器34に入力され、演算器34は、上述した方法(図12参照)により、第1区間T1と第2区間T2とで異なる比較方式を用いて、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2とを比較して第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。
このようなフィードバック制御により第1、第2デューティ比D1、D2を生成し、さらに第1、第2デューティ比D1、D2と、第1ノコギリ波Cr1および第2ノコギリ波Cr2を合成した搬送波Crとの比較に基づいて第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。このため、リアクトル電流Ioutが指令値Iout*に追従しつつ、リアクトル電流Ioutに低周波数のリプル電流を重畳することが可能になる。
制御回路5は、以上のように生成された第1ゲート信号G1および第2ゲート信号G2により、電力変換回路2内の第1スイッチング素子211、214および第2スイッチング素子212、213をオンオフ制御する。
図15は、実施の形態1による制御動作を説明する波形図である。
図に示すように、第1ノコギリ波Cr1の連続回数および第2ノコギリ波Cr2の連続回数が共に2であり、搬送波Crの傾きの極性がスイッチング周期Tswの2周期毎に反転する。
同じオン時間のゲートパルス(第1、第2ゲート信号G1、G2)が各スイッチング素子211~214に与えられ、トランス22の2次側端子の電圧Vsには、図に示すように、正極性の電圧パルスと負極性の電圧パルスとが交互に生成される。
トランス22の2次側端子の電圧Vsが正極性あるいは負極性であるとき、平滑回路24のリアクトル241は励磁状態となるため、リアクトル電流Ioutは線形的に上昇する。一方、電圧Vsがゼロのとき、リアクトル241は消磁状態となるため、リアクトル電流Ioutは線形的に下降する。
ここで、仮に、搬送波Crの傾きが正極性、あるいは負極性を維持して不変であるとき、2つのゲート信号G1、G2においてゲートパルスがともに生成されない、即ち双方がLowとなる全オフ期間も同じ長さで不変である。
一方、この実施の形態では、搬送波Crが第1ノコギリ波Cr1から第2ノコギリ波Cr2に変化するとき、即ち、搬送波Crの傾きが正極性から負極性に反転するとき、第2ゲート信号G2がLowとなる瞬間に第1ゲート信号G1がHighとなる。このため、第1、第2ゲート信号G1、G2の双方がLowとなる全オフ期間が理想的にゼロとなる。
また、搬送波Crが第2ノコギリ波Cr2から第1ノコギリ波Cr1に変化するとき、即ち、搬送波Crの傾きが負極性から正極性に反転するときは、対照的に、第2ゲート信号G2がLowになってから、通常の全オフ期間の2倍の期間が経過した後に第1ゲート信号G1がHighとなる。
なお、ここでは第1ゲート信号G1と第2ゲート信号G2との短絡防止のためのデッドタイムを便宜上、考慮していないが、実際に動作させる際はデッドタイムが設定される。その場合、搬送波Crの傾きが正極性から負極性に反転するときに、実際には全オフ期間が多少存在することになり、その期間はリアクトル241の消磁期間となる。
このように、リアクトル電流Ioutの励磁と消磁のタイミングにずれが生じることで、リアクトル電流Ioutに周期(4Tsw)である、即ち低周波数(fsw/4)のリプル電流が重畳することになる。スイッチング周期Tswの2個分の区間毎にリアクトル電流Ioutの平均電流が変化し、リアクトル電流Ioutのレベル変化のタイミングで発生するリプルが、低周波数(fsw/4)のリプル電流となる。
即ち、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nのとき、リアクトル電流Ioutに周期(2N・Tsw)である、即ち低周波数(fsw/2N)のリプル電流が重畳する。このリプル電流の周期(2N・Tsw)は、搬送波Crの生成に用いる第1基準ノコギリ波10の周期と一致する。
重畳されるリプル電流の周波数(fsw/2N)は、スイッチング周波数fswを、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の連続回数和である整数2Nで除した値となる。このため、連続回数Nを増加させて整数2Nを増加させると、リプル電流の周波数(fsw/2N)は低下する。
なお、Nの最小値は1であるため、2Nは2以上の整数となる。
この実施の形態では、リアクトル電流Ioutに低周波数(fsw/2N)のリプル電流が重畳されるため、リアクトル電流Ioutのノイズ成分(スイッチングノイズ)における、スイッチング周波数fswの整数倍周波数のスペクトルへの集中が緩和される。即ち、ノイズ成分のスペクトル分散によりスペクトルピークを低減でき、スイッチングノイズを確実に低減できる。
同様に、リアクトル241およびトランス22の巻線などの磁性部品の通流電流(この場合、リアクトル電流Iout)についても、スイッチング周波数fswの整数倍周波数のスペクトルへの集中が緩和され、スペクトル分散できる。このため、磁性部品の通流電流のスペクトルピークを低減でき、磁性部品の銅損を低減できる。
また、搬送波Crの周波数fswは一定で、傾きの極性が変化するのみであるため、容易で信頼性の高い制御が実現できると共に、特別な追加部品を必要とせず制御回路5を構成でき、制御回路5を小型化できる。
また、第1ノコギリ波Cr1を用いる第1区間T1と、第2ノコギリ波Cr2を用いる第2区間T2とで異なる比較方式を用いて、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2とを比較して第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。このため、小型の制御回路5にて効果的に低周波数のリプル電流を生成してリアクトル電流Ioutに重畳できる。
電力変換回路2の出力電流となるリアクトル電流Ioutが増大すると、リアクトル電流Ioutのノイズ成分であるスイッチングノイズは増大すると共に、リアクトル241およびトランス22の巻線などの磁性部品の銅損も増大する。このため、上記整数2Nをリアクトル電流Ioutに応じて設定する、即ち、リアクトル電流Ioutが大きいほど整数2Nを大きく設定する。これにより、重畳されるリプル電流の周波数(fsw/2N)をリアクトル電流Ioutの増大に応じて低下できる。
従って、ノイズ成分のスペクトル分散および磁性部品の通流電流のスペクトル分散を、より低周波側に分散でき、効果的に、スイッチングノイズの低減化と、磁性部品の銅損低減化とが実現できる。
なお、リアクトル電流Ioutに応じて整数2Nを設定するものとしたが、リアクトル電流Ioutに限らず、直流電源1の電圧Vdc、平滑コンデンサ242の電圧Vout、あるいは直流電流Idc等、電力変換回路2の入出力における電圧電流情報の少なくとも1つに基づいて整数2Nを決定することができる。
また、制御回路5を構成するハードウェアには、公知の制御器および演算回路等の組み合わせを用いても良く、あるいは図16に示すように、プロセッサ35およびメモリ36を組み合わせて用いることが出来る。
プロセッサ35およびメモリ36を用いたハードウェア構成では、プロセッサ35およびメモリ36は信号線37で接続される。プロセッサ35はメモリ36から入力された制御プログラムを実行する。メモリ36は補助メモリと揮発性メモリとを備える。プロセッサ35には補助メモリから揮発性メモリを介して制御プログラムが入力される。プロセッサ35は、演算結果等のデータをメモリ36の揮発性メモリに出力し、これらのデータを、必要に応じて揮発性メモリを介して補助メモリに保存する。
さらに、上記実施の形態1では、図12を用いて第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する手法を説明したが、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2との比較はこれに限るものでは無く、別例による手法を以下に説明する。
図17は、実施の形態1の別例によるゲート信号の生成を説明する波形図である。図12の場合と同様に、搬送波Crのピーク値を1とし、第1ノコギリ波Cr1の連続回数および第2ノコギリ波Cr2の連続回数を、共にN=2の場合を図示した。
制御回路5は、上記実施の形態1と同様に、デューティ比として第1デューティ比D1と第2デューティ比D2の組を生成する。
図17に示すように、第1区間T1において、搬送波Cr(第1ノコギリ波Cr1)が0からピーク値の半値0.5までの期間に、第2ゲート信号G2はLowを継続し、第1ゲート信号G1のみ、0から第1デューティ比D1までの期間にゲートパルスが生成され、第1ゲート信号G1はHighになる。そして、搬送波Cr(第1ノコギリ波Cr1)がピーク値の半値0.5からピーク値1までの期間に、第1ゲート信号G1はLowを継続し、第2ゲート信号G2のみ、ピーク値の半値0.5から第2デューティ比D2までの期間にゲートパルスが生成され、第2ゲート信号G2はHighになる。
一方、第2区間T2において、搬送波Cr(第2ノコギリ波Cr2)がピーク値の半値0.5からピーク値1までの期間に、第2ゲート信号G2はLowを継続し、第1ゲート信号G1のみ、ピーク値の半値0.5から第2デューティ比D2までの期間にゲートパルスが生成され、第1ゲート信号G1はHighになる。そして、搬送波Cr(第2ノコギリ波Cr2)が0からピーク値の半値0.5までの期間に、第1ゲート信号G1はLowを継続し、第2ゲート信号G2のみ、0から第1デューティ比D1までの期間にゲートパルスが生成され、第2ゲート信号G2はHighになる。
このように、第1区間T1と第2区間T2とで異なる比較方式を用いて、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2とを比較することにより、搬送波Crの傾きに拘わらず、第1ゲート信号G1のゲートパルスと第2ゲート信号G2のゲートパルスとを交互に信頼性良く生成できる。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、リアクトル電流Ioutに低周波数(fsw/2N)のリプル電流が重畳され、制御回路5に追加部品を要することなく、スイッチングノイズを確実に低減できると共に、リアクトル241およびトランス22の巻線などの磁性部品の銅損を低減できる。
また、上記実施の形態1では、第1ノコギリ波Cr1の連続回数と、第2ノコギリ波Cr2の連続回数とを同数Nとしたが、異なる連続回数にすることも可能である。
例えば、第1ノコギリ波Cr1の連続回数N1(=2)、第2ノコギリ波Cr2の連続回数N2(=3)とすると、制御回路5は、期間((N1+N2)・Tsw)を1周期とする第1基準ノコギリ波10を生成する。そして、第1基準ノコギリ波10がゼロからピーク値Aの(2/5)倍までの期間で、ピーク値((2/5)・A)である第2基準ノコギリ波11を生成する。また、第1基準ノコギリ波10がピーク値Aの(2/5)倍からピーク値Aまでの期間で、ピーク値((3/5)・A)である第3基準ノコギリ波12を生成する。
続いて、制御回路5は、第2基準ノコギリ波11がカウントアップしている期間で第1ノコギリ波Cr1を生成する。即ち、第1ノコギリ波Cr1は、スイッチング周期Tswを1周期とし、ピーク値(A/5)とし、2・Tswの期間に2回生成される。また、第3基準ノコギリ波12がカウントアップしている期間で、第2ノコギリ波Cr2を生成する。第2ノコギリ波Cr1は、スイッチング周期Tswを1周期とし、ピーク値(A/5)とし、このピーク値(A/5)を初期値としてカウントダウンしてTswの期間で0となり、3・Tswの期間に3回生成される。
これにより、リアクトル電流Ioutに重畳されるリプル電流の周波数(fsw/(N1+N2))は、スイッチング周波数fswを、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の連続回数和である整数(N1+N2)で除した値となる。
この場合も、上記実施の形態1と同様に、制御回路5に追加部品を要することなく、スイッチングノイズを確実に低減できると共に、リアクトル241およびトランス22の巻線などの磁性部品の銅損を低減できる。
実施の形態2.
図18は、実施の形態2による電力変換装置の制御動作を説明する波形図である。
上記実施の形態1では、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nを一定としたが、この実施の形態では、制御回路5は、電力変換回路2の運転中に、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nを、リアクトル電流Ioutに応じて調整する。その他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
なお、電力変換回路2の入力電流である直流電流Idcに応じて、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nを調整しても良い。
図18に示すように、リアクトル電流Ioutのレベルに応じて、まず、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nを2として4・Tswの周期をもつ低周波数のリプル電流をリアクトル電流Ioutに重畳する。そして、リアクトル電流Ioutのレベルが増大すると、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nを3として6・Tswの周期をもつ低周波数のリプル電流をリアクトル電流Ioutに重畳する。
第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nの調整については、予め、リアクトル電流Ioutと連続回数Nとを対応させるテーブルを作成して制御回路5が保持し、搬送波Crの生成時にテーブルを参照して行う。あるいは、リアクトル電流Iout、直流電流Idc、電圧Vdcあるいは電圧Vout等の検出値が、基準値以内に抑制されるまでフィードバック制御で連続回数Nを増大させる等の手法でも良い。
この実施の形態では、第1、第2ノコギリ波Cr1、Cr2の各連続回数Nを、リアクトル電流Ioutに応じて調整するため、電力変換装置100の動作条件に応じて、効果的な低周波数のリプル電流を生成してリアクトル電流Ioutに重畳することができる。これにより、スイッチングノイズの低減化および磁性部品の銅損低減化の制御を精度良く行える。
実施の形態3.
図19は実施の形態3による電力変換装置の構成を示す図である。
図に示すように、電力変換装置100Aは、交流電源6と直流負荷3との間に接続されて、交流電源6から入力される交流電圧を直流電圧に変換して直流負荷3に供給する。
交流電源6は、商用交流系統または自家発電機などであり、直流負荷3は、例えば、車両走行用の高圧バッテリ、または車載電装品の電源である低圧鉛バッテリ、電気2重層コンデンサ等である。
電力変換装置100Aは、電力変換回路9と、電力変換回路9を制御する制御回路5Aとを備える。
電力変換回路9は、上記実施の形態1の電力変換回路2と同様の構成の絶縁型DC/DCコンバータ2Aと、平滑用の直流リンクコンデンサ8と、AC/DCコンバータ7とを備える。AC/DCコンバータ7は、絶縁型DC/DCコンバータ2Aの前段に直流リンクコンデンサ8を介して接続され、交流電源6から入力される交流電圧を直流電圧へと変換するものであり、また、交流入力電流を交流電圧に対して同位相かつ正弦波状になるよう高力率に制御する。
AC/DCコンバータ7は、交流電源6から入力される交流電圧を整流する整流回路71と、スイッチング素子72、ダイオード73およびリアクトル74から成る昇圧チョッパとを備える。なお、単純な昇圧チョッパの構成を用いたが、セミブリッジレス方式あるいはトーテムポール方式などであっても良く、回路方式は限定されない。
スイッチング素子72には、IGBT、あるいはMOSFETが用いられる。あるいは、SiC-MOSFET、GaN-FET、GaN-HEMT、Ga-MOSFET等を用いても良い。
また、電圧検出器411、412、413が設けられ、電圧検出器411は、直流リンクコンデンサ8の電圧Vdcを検出する。電圧検出器412は、電力変換回路9の出力電圧となる平滑コンデンサ242の電圧Voutを検出する。電圧検出器413は、電力変換回路9の入力電圧となる交流電源6の電圧Vacを検出する。
また、電流検出器421、422、423が設けられ、電流検出器421は、絶縁型DC/DCコンバータ2Aの入力電流である直流電流Idcを検出する。電流検出器422は、リアクトル241を流れるリアクトル電流Ioutを検出する。この場合、リアクトル電流Ioutは電力変換回路9の出力電流となる。電流検出器423は、電力変換回路9の入力電流である交流電流Iacを検出する。
制御回路5Aは、第1制御モードと第2制御モードとの2種の制御モードを有して電力変換回路9を制御する。
第1制御モードでは、直流リンクコンデンサ8の電圧Vdcを指令値Vdc*に追従するように、スイッチング素子72のデューティ比を調整してスイッチング素子72への第3ゲート信号G3を生成し、AC/DCコンバータ7を制御する。第1制御モードのとき、AC/DCコンバータ7の動作により、直流リンクコンデンサ8の電圧が一定となるように制御され、直流リンクコンデンサ8は直流電源とみなすことができる。
これにより、絶縁型DC/DCコンバータ2Aは、上記実施の形態1の電力変換回路2と同様に制御できる。即ち、上記実施の形態1と同様に、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2とを生成し、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2との比較に基づく制御により第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。そして、第1ゲート信号G1により第1スイッチング素子211、214をスイッチング制御し、第2ゲート信号G2により第2スイッチング素子212、213をスイッチング制御することにより、絶縁型DC/DCコンバータ2Aを出力制御する。そして、制御回路5Aは、絶縁型DC/DCコンバータ2Aを出力制御する際、リアクトル電流Ioutに低周波数のリプル電流を重畳させる。
一方、第2制御モードでは、電流検出器423から得られる交流電流Iacを指令値Iac*に追従するように、スイッチング素子72のデューティ比を調整してスイッチング素子72への第3ゲート信号G3を生成し、AC/DCコンバータ7を制御する。第2制御モードのとき、AC/DCコンバータ7の制御対象は、入力される交流電流Iacのみであるため、絶縁型DC/DCコンバータ2Aの動作により、直流リンクコンデンサ8の電圧Vdcを制御する。
第2制御モードにおける絶縁型DC/DCコンバータ2Aの制御について、図20に示す制御ブロックに基づいて、以下に説明する。
図20に示すように、制御回路5Aでは、予め設定された指令値Vdc*と、電圧検出器411にて検出される直流リンクコンデンサ8の電圧Vdcとの偏差を、減算器38にて演算する。減算器38からの偏差は、比例積分制御器39に入力され、比例積分制御器39は、入力された偏差が0になるように、リアクトル電流Ioutの指令値Iout*となる演算値を出力する。
続いて、制御回路5Aでは、指令値Iout*と、電流検出器422にて検出されるリアクトル電流Ioutとの偏差を、減算器31にて演算する。減算器31からの偏差は、比例制御器32に入力され、比例制御器32は、入力された偏差が0になるように第1デューティ比D1を演算する。また、加算器33にて、第1デューティ比D1に固定値0.5が加算されて第2デューティ比D1が演算される。
なお、比例積分制御器39および比例制御器32を用いて説明したが、制御手法はこれらに限らない。
また、直流リンクコンデンサ8の電圧Vdcとリアクトル電流Ioutとの組合せにより第1、第2デューティ比D1、D2を算出したが、直流リンクコンデンサ8の電圧Vdcのみに基づいて算出しても良い。
次に、制御回路5Aでは、上記実施の形態1と同様に搬送波Crを生成する。そして、上記実施の形態1と同様に、即ち、図14に示すように、第1、第2デューティ比D1、D2および搬送波Crは、演算器34に入力され、演算器34は、第1区間T1と第2区間T2とで異なる比較方式を用いて、搬送波Crと第1、第2デューティ比D1、D2とを比較して第1、第2ゲート信号G1、G2を生成する。
そして、第1ゲート信号G1により第1スイッチング素子211、214をスイッチング制御し、第2ゲート信号G2により第2スイッチング素子212、213をスイッチング制御することにより、絶縁型DC/DCコンバータ2Aを出力制御する。そして、制御回路5Aは、絶縁型DC/DCコンバータ2Aを出力制御する際、リアクトル電流Ioutに低周波数のリプル電流を重畳させる。
以上のように制御することにより、電力変換装置100Aが、AC/DCコンバータ7と絶縁型DC/DCコンバータ2Aとが直流リンクコンデンサ8を介して接続された2段構成の場合も、第1制御モードと第2制御モードとの双方において、安定に動作しつつ低周波数のリプル電流を生成してリアクトル電流Ioutに重畳できる。
これにより、上記実施の形態1と同様に、制御回路5Aに追加部品を要することなく、スイッチングノイズを確実に低減できると共に、リアクトル241およびトランス22の巻線などの磁性部品の銅損を低減できる。
なお、上記各実施の形態では、絶縁型DC/DCコンバータを用いて説明したが、非絶縁型DC/DCコンバータ、あるいはAC/DCコンバータにも適用可能である。例えば、AC/DCコンバータでは入力力率改善用のリアクトルを流れる電流に、スイッチング周波数fswを2以上の整数で除した低周波数のリプル電流を重畳させる。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
2 電力変換回路、2A 絶縁型DC/DCコンバータ、2N 整数、5,5A 制御回路、7 AC/DCコンバータ、8 直流リンクコンデンサ、9 電力変換回路、21 スイッチング回路、22 トランス、23,23A,23B,23C,23D,23E 整流回路、100,100A 電力変換装置、211,214 第1スイッチング素子、212,213 第2スイッチング素子、241 リアクトル、Cr 搬送波、Cr1 第1ノコギリ波、Cr2 第2ノコギリ波、D1 第1デューティ比、D2 第2デューティ比、fsw スイッチング周波数、Idc 直流電流、Iout リアクトル電流、Iout* 指令値、N 連続回数、T1 第1区間、T2 第2区間、Tsw スイッチング周期、G1 第1ゲート信号、G2 第2ゲート信号、Vdc 電圧、Vdc* 指令値。

Claims (11)

  1. 少なくとも1つのスイッチング素子とリアクトルとを備えた電力変換回路と、
    前記スイッチング素子のゲート信号を生成して前記電力変換回路を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、デューティ比を演算し、該デューティ比と搬送波との比較に基づく制御により前記ゲート信号を生成すると共に、前記リアクトルを流れる電流に、スイッチング周波数を2以上の整数で除した低周波数のリプル電流を重畳させる、
    電力変換装置。
  2. 前記整数は、前記電力変換回路の入出力における電圧電流情報の少なくとも1つに基づいて決定される、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御回路は、前記電力変換回路の運転中に前記整数を調整可能とし、前記電圧電流情報である、前記電圧電流情報の少なくとも1つの増大に伴って前記整数を増加させる、
    請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御回路は、
    スイッチング周期と同周期を有する2種のノコギリ波である、正極性の傾きを有する第1ノコギリ波と負極性の傾きを有する第2ノコギリ波とを生成し、
    前記第1ノコギリ波および前記第2ノコギリ波をそれぞれの連続回数毎に切り替えることにより、前記第1ノコギリ波による第1区間と前記第2ノコギリ波による第2区間とが交互に切り替わる前記搬送波を生成し、
    前記第1ノコギリ波および前記第2ノコギリ波の前記連続回数和が、前記スイッチング周波数を除する前記整数となる、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記第1ノコギリ波および前記第2ノコギリ波は、前記連続回数が同数Nであり、前記整数は2Nである、
    請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御回路は、前記第1区間と前記第2区間とで、異なる比較方式を用いて前記搬送波と前記デューティ比とを比較して前記ゲート信号を生成する、
    請求項4または請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記電力変換回路は、少なくとも1つの前記スイッチング素子として、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とを備え、
    前記制御回路は、
    前記デューティ比として、第1デューティ比と該第1デューティ比に50%を加算した第2デューティ比との組を用い、前記第1デューティ比、第2デューティ比、前記搬送波のピーク値P、および該ピーク値Pの半値P/2に基づいて、前記ゲート信号として第1ゲート信号および第2ゲート信号を生成し、前記第1ゲート信号にて前記第1スイッチング素子を、前記第2ゲート信号にて前記第2スイッチング素子をそれぞれ制御する、
    請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 前記制御回路は、
    前記第1区間において、前記搬送波が前記第1デューティ比から前記半値P/2までの期間に前記第1ゲート信号をHighにし、前記搬送波が前記第2デューティ比から前記ピーク値までの期間に前記第2ゲート信号をHighにし、
    前記第2区間において、前記搬送波が前記第2デューティ比から前記ピーク値までの期間に前記第1ゲート信号をHighにし、前記搬送波が前記第1デューティ比から前記半値P/2までの期間に前記第2ゲート信号をHighにする、
    請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御回路は、
    前記第1区間において、前記搬送波が0から前記第1デューティ比までの期間に前記第1ゲート信号をHighにし、前記搬送波が前記半値P/2から前記第2デューティ比までの期間に前記第2ゲート信号をHighにし、
    前記第2区間において、前記搬送波が前記半値P/2から前記第2デューティ比までの期間に前記第1ゲート信号をHighにし、前記搬送波が0から前記第1デューティ比までの期間に前記第2ゲート信号をHighにする、
    請求項7に記載の電力変換装置。
  10. 前記電力変換回路は、トランスと、該トランスの1次側回路である、少なくとも1つの前記スイッチング素子を有するスイッチング回路と、該トランスの2次側回路である、前記リアクトルを有する整流回路とを備えた、絶縁型DC/DCコンバータであり、
    前記制御回路は、前記リアクトルを流れる電流が指令値に追従するように前記デューティ比を演算して前記電力変換回路を制御する、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 前記電力変換回路は、
    トランスと、該トランスの1次側回路である、少なくとも1つの前記スイッチング素子を有するスイッチング回路と、該トランスの2次側回路である、前記リアクトルを有する整流回路とを備えた、絶縁型DC/DCコンバータと、
    平滑用の直流リンクコンデンサと、
    前記絶縁型DC/DCコンバータの前段に前記直流リンクコンデンサを介して接続され、交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとを備え、
    前記制御回路は、前記リアクトルを流れる電流、および前記直流リンクコンデンサの電圧の少なくとも1つが、対応する指令値に追従するように前記デューティ比を演算して前記電力変換回路を制御する、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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