JP7304700B2 - 警報器 - Google Patents

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Description

本発明は、監視対象事象を検出する監視センサ部と、音声を出力する音声出力部と、監視センサ部の検出結果に基づいて監視対象事象が存在していると判定した場合に、音声出力部から監視対象事象の存在を報知させる警報判定モードで動作可能な動作制御部と、監視センサ部及び音声出力部及び動作制御部に電力を供給可能な電源部とを備える警報器に関する。
特許文献1(特開2002-269657号公報)には、監視センサ部の検出結果に基づいて監視対象事象(被検知ガスの存在を検知した検知出力が所定の警報レベルを超えたこと)が存在しているか否かを判定し、監視対象事象が存在していると判定した場合には音声出力部から監視対象事象の存在を報知させるように構成された警報器が記載されている。加えて、特許文献1には、例えば警報器を設置した後の電源投入時などにおいて、監視センサ部で検出されるようなガスを設置者が人為的に供給することで、監視センサ部が監視対象事象を正常に検出できるか否かを点検することが記載されている。尚、この警報器は、電源投入が行われると点検動作状態が開始され、電源を投入してから予め設定された期間(例えば240秒)が経過すると、点検終了機構が働くように構成されている。
特開2002-269657号公報
特許文献1に記載の警報器では、監視センサ部で検出されるようなガスを設置者が人為的に供給しなくても、点検動作状態は自動的に終了する。つまり、監視センサ部が監視対象事象を正常に検出できるか否かが点検されなくても、警報器は警報判定モード(特許文献1では「通常状態」)で動作できる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、監視センサ部が監視対象事象を正常に検出できることが確認された後で使用される警報器を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る警報器の特徴構成は、監視対象事象を検出する
監視センサ部と、
音声を出力する音声出力部と、
前記監視センサ部の検出結果に基づいて前記監視対象事象が存在していると判定した場
合に、前記音声出力部から前記監視対象事象の存在を報知させる警報判定モードで動作可
能な動作制御部と、
前記監視センサ部及び前記音声出力部及び前記動作制御部に電力を供給可能な電源部と
を備える警報器であって、
前記動作制御部は、
前記電源部からの電力供給が開始された後、前記監視センサ部が正常に動作するか否か
を検証する事象監視検証モードで動作し、
前記事象監視検証モードで動作している間の所定のタイミングで、人為的に前記監視対象事象を発生させることを促す音声を前記音声出力部から出力させ、
前記事象監視検証モードにおいて前記監視センサ部が正常に動作すると判定した後、前
記警報判定モードで動作する点にある。
上記特徴構成によれば、動作制御部は、電源部からの電力供給が開始された後、警報判
定モードで動作するのに先立って、監視センサ部が正常に動作するか否かを検証する事象
監視検証モードで動作する。つまり、事象監視検証モードにおいて監視センサ部が正常に
動作すると確認されない限り、警報判定モードでの動作が行われない。
従って、監視センサ部が監視対象事象を正常に検出できることが確認された後で使用さ
れる警報器を提供できる。
上記特徴構成によれば、警報器の設置者などに対して、人為的に監視対象事象を発生さ
せることを促すことができる。
本発明に係る警報器の別の特徴構成は、前記動作制御部は、前記事象監視検証モードで動作している間に、前記監視センサ部の出力が、所定の基準値以下の状態と前記基準値より大きい状態との間で遷移した場合、前記監視センサ部が正常に動作すると判定する点にある。
警報器の動作制御部が事象監視検証モードで動作している間に、警報器の設置者などが監視対象事象を人為的に発生させると(例えば、警報器に検出対象ガスを人為的に吹きかけると)、監視センサ部が正常であれば、監視センサ部の出力が、所定の基準値以下の状態と基準値より大きい状態との間で遷移する。それに対して、警報器の設置者などが監視対象事象を人為的に発生させなかった場合には、監視センサ部の出力は、所定の基準値以下の状態と前記基準値より大きい状態との間で遷移しない。また、監視センサ部が正常に動作しない場合には、警報器の設置者などが監視対象事象を人為的に発生させたとしても、監視センサ部の出力が、所定の基準値以下の状態と前記基準値より大きい状態との間で遷移しない。
そこで本特徴構成では、動作制御部は、事象監視検証モードで動作している間に、監視センサ部の出力が、所定の基準値以下の状態と基準値より大きい状態との間で遷移した場合、監視センサ部が正常に動作すると判定する。その結果、警報器の使用が行われる前に、設置者などによって監視センサ部が監視対象事象を正常に検出できることの確認が確実に行われるようになる。
本発明に係る警報器の更に別の特徴構成は、前記動作制御部は、前記事象監視検証モードでの動作が正常に終了した旨の音声を前記音声出力部から出力させる点にある。
上記特徴構成によれば、警報器の設置者などに対して、事象監視検証モードでの動作が正常に終了したことを知らせることができる。
第1実施形態の警報器の構成を示す図である。 監視センサ部の事象監視検証モードを説明するフローチャートである。 物体検出センサの物体検出検証モードを説明するフローチャートである。 第2実施形態の警報器の構成を示す図である。 監視センサ部の事象監視検証モード及び物体検出センサの物体検出検証モード及び通信状態判定モードを説明するフローチャートである。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係る物体検出センサ及びそれを備える警報器10について説明する。
図1は、物体検出センサを備える第1実施形態の警報器10の構成を示す図である。図示するように、警報器10は、監視対象事象を検出する監視センサ部15と、音声を出力する音声出力部20と、監視センサ部15の検出結果に基づいて監視対象事象が存在していると判定した場合に、音声出力部20から監視対象事象の存在を報知させる警報判定モードで動作可能な動作制御部としての制御部14と、監視センサ部15及び音声出力部20及び制御部14に電力を供給可能な電源部16とを筐体11に備える。加えて、本実施形態の警報器10は、警報器10で取り扱われる情報を記憶する記憶部18、警報器10の使用者等へ提供する情報を表示する表示部19なども筐体11に備える。警報器10の筐体11は、床部材2と天井部材1とで上下が仕切られた部屋4の天井部材1の側に設置されている。
以下に警報器10の動作(警報判定モード)について説明する。
監視センサ部15は、例えば、ガス漏れ監視センサ、及び、CO(一酸化炭素)監視センサ、火災監視センサなどのセンサを有して構成される。監視センサ部15の検出結果は制御部14に伝達される。監視センサ部15がガス漏れ監視センサを有する場合、監視センサ部15が検出する監視対象事象は検出対象ガスが所定レベル以上存在することである。監視センサ部15がCO監視センサを有する場合、監視センサ部15が検出する監視対象事象はCOが所定レベル以上存在することである。監視センサ部15が火炎監視センサを有する場合、火災に伴い発生する煙や光や熱などが存在することである。
ガス漏れ監視センサは、例えば都市ガスを検出対象ガスとする場合であれば、都市ガスの主成分であるメタンガス(CH)の濃度を検知するためのメタンガス監視センサを用いて構成される。尚、他のガスを検出対象とする場合には、そのガスを検出可能なセンサを用いればよい。そして、制御部14が、ガス漏れ監視センサから伝達される検出結果に基づいて、ガス漏れが発生しているか否か(即ち、検出対象とするガス濃度が所定レベル以上であるか否か)を判定する。
CO監視センサは、一酸化炭素ガス(CO)の濃度を検知するためのガスセンサを用いて構成される。そして、制御部14が、CO監視センサから伝達される検出結果に基づいて、一酸化炭素の濃度が所定レベル以上になっているか否かを判定する。
火災監視センサは、例えば、火炎の光を検出するタイプのセンサや、火災に伴って発生する煙を検出するタイプのセンサや、火炎に伴って発生する熱を検出するセンサなどを用いて実現できる。そして、制御部14が、火災監視センサから伝達される検出結果に基づいて、火災が発生しているか否かを判定する。
電源部16は、例えば電池によって構成される。或いは、電源部16は、電力系統から供給される電力を受け取って所望の電圧等に変換する受電部によって構成される。また、警報器10には、使用者による操作入力を受け付ける電源スイッチ17が設けられている。そして、電源スイッチ17に対して電源投入操作が行われると、警報器10の各部に対する電力供給が行われ、電源遮断操作が行われると、警報器10の各部に対する電力供給が遮断される。
筐体11に設けられる音声出力部20は、音声を出力できるスピーカなどを用いて実現される。記憶部18には、予め音声メッセージが記憶されており、制御部14は、監視センサ部15の検出結果に基づいて監視対象事象が存在していると判定した場合に、監視対象事象が存在する旨の音声メッセージを記憶部18から読み出して音声出力部20から報知させる。
筐体11に設けられる表示部19は、LED等を用いて実現されるランプや、文字情報を表示できる表示器である。記憶部18には、予めランプの点灯・消灯の表示パターン情報や、表示する文字情報例が記憶されており、制御部14は、監視センサ部15の検出結果に基づいて監視対象事象が存在していると判定した場合に、監視対象事象が存在する旨の表示パターン情報や文字情報例を記憶部18から読み出して、表示部19から出力させる。
加えて、警報器10は、物体検出センサを備える。物体検出センサが警報器10に搭載されている場合、その物体検出センサで人の存在を検出できる。そして、人が検知領域3に存在している間に警報器10から音声メッセージを出力するといったことを行うことができる。本実施形態の物体検出センサは、赤外線を所定の検知領域3に向けて放出する赤外線放出部12と、検知領域3の方向から入射する赤外線を検出可能な赤外線検出部13と、予め設定された基準値と赤外線検出部13での検出値との比較結果に基づいて検知領域3で物体が存在しているか否かを判定する存否判定モードで動作可能な動作制御部としての制御部14と、赤外線放出部12及び赤外線検出部13及び制御部14に電力を供給可能な電源部16とを備える。検知領域3は、部屋4の内部に設定されている。
赤外線放出部12は、例えば赤外線を放出できる発光素子を有する。また、赤外線放出部12は、発光素子が放出した赤外線が検知領域3に向けて放出されるように、赤外線の照射範囲などを制限するレンズなどの光学素子を有していてもよい。
赤外線検出部13は、例えば赤外線に感度を有し、受光した赤外線の強度に応じた電気信号を出力する光電変換素子を有する。このとき、光電変換素子の受光面が検知領域3の方を向いていれば、検知領域3の方向から入射する赤外線を光電変換素子で良好に検出できる。また、赤外線検出部13は、検知領域3の方向から入射する赤外線を光電変換素子の受光面へと集光するレンズなどの光学素子を有していてもよい。
赤外線検出部13から出力される電気信号は、制御部14へと伝達される。
次に、警報器10に搭載される物体検出センサの動作(存否判定モード)について説明する。
物体検出センサが動作している場合、赤外線放出部12は検知領域3に向けて赤外線を放出し、赤外線検出部13は検知領域3の方向から入射する赤外線を受光する。そして、赤外線検出部13から出力される電気信号(検出値)は制御部14へと伝達される。このとき、赤外線を強く反射する物体(人体を含む)が検知領域3に存在していなくても、例えば検知領域3に含まれる床部材2によっても赤外線が反射されるため、赤外線検出部13は赤外線を検出し続け、その赤外線の強度に応じた電気信号を制御部14へと伝達し続けている。
つまり、検知領域3の環境が変化しない間、即ち、検知領域3で人などの物体が移動しない間は、赤外線検出部13による赤外線の検出値がほぼ一定値になる。それに対して、検知領域3の環境が変化すると赤外線検出部13による赤外線の検出値も変化するはずである。特に、検知領域3に人などの物体が新たに侵入すると、その物体に反射されて赤外線検出部13に到達する赤外線の強度が大きくなり、赤外線検出部13の検出値も増大する。そこで、制御部14は、検知領域3で物体が存在しているか否かを判定する存否判モードにおいて、記憶部18に記憶している基準値と赤外線検出部13から伝達される検出値とを比較し、検出値が所定の基準値以上になっていれば、検知領域3に物体が存在する(即ち、新たに侵入した)と判定する。それに対して、制御部14は、検出値が基準値よりも小さければ、検知領域3に物体が存在しない(即ち、新たに侵入していない)と判定する。
<監視センサ部15の事象監視検証モード>
警報器10は、電源部16からの電力供給が開始された後、上述した警報判定モードではなく、先ずは事象監視検証モードで動作する。具体的には、制御部14は、電源部16からの電力供給が開始された後、監視センサ部15が正常に動作するか否かを検証する事象監視検証モードで動作し、事象監視検証モードにおいて監視センサ部15が正常に動作すると判定した後、警報判定モードで動作する。この場合、制御部14は、事象監視検証モードで動作している間に、監視センサ部15の出力が、所定の基準値以下の状態と基準値より大きい状態との間で遷移した場合、監視センサ部15が正常に動作すると判定する。
図2は、監視センサ部15の事象監視検証モードを説明するフローチャートである。制御部14は、電源部16からの電力供給が開始された後、工程#11において監視センサ部15は正常に動作するか否かを検証する。例えば、監視センサ部15がガス漏れ監視センサを有する場合、警報器10の設置者は、事象監視検証モードの実行中に検出対象ガスなどを人為的に警報器10に向けて吹きかけることで、人為的に監視対象事象を発生させる。或いは、監視センサ部15がCO(一酸化炭素)監視センサを有する場合、警報器10の設置者は、COを人為的に警報器10に向けて吹きかけることで、人為的に監視対象事象を発生させる。また或いは、監視センサ部15が火災監視センサを有する場合、警報器10の設置者は、火災に伴い発生する煙や光や熱などと同様の煙や光や熱などを人為的に警報器10に与えることで、人為的に監視対象事象を発生させる。
そうすると、監視センサ部15が正常に動作していれば、制御部14に伝達される監視センサ部15の出力は、所定の基準値以下の状態と基準値より大きい状態との間で遷移する。そして、制御部14は、監視センサ部15の出力が、所定の基準値以下の状態と基準値より大きい状態との間で遷移した場合、監視センサ部15が正常に動作すると判定して、事象監視検証モードを終了する。そして、工程#13において制御部14は、事象監視検証モードでの動作が正常に終了した旨の音声を音声出力部20から出力させる。
それに対して、警報器10の設置者が、未だ人為的に監視対象事象を発生させていない場合や、人為的に監視対象事象を発生させたにも関わらず、上述したように監視センサ部15が正常に動作すると判定しない場合には、工程#12において制御部14は、事象監視検証モードで動作している間の所定のタイミングで、人為的に監視対象事象を発生させることを促す音声を音声出力部20から出力させる。そして、制御部14は、再度工程#11において、監視センサ部15は正常に動作するか否かを検証する。
このように、警報器10は、電源部16からの電力供給が開始された後、警報判定モードではなく、先ずは事象監視検証モードで動作することで、監視センサ部15が正常に動作するか否かを確実に検証させることができる。そして、事象監視検証モードにおいて監視センサ部15が正常に動作すると確認されない限り、警報判定モードでの動作が行われない。
<物体検出センサの物体検出検証モード>
警報器10は、電源部16からの電力供給が開始された後、上述した存否判定モードではなく、先ずは物体検出検証モードで動作する。具体的には、制御部14は、電源部16からの電力供給が開始された後、検知領域3での物体の存否を正常に判定できる否かを検証する物体検出検証モードで動作し、物体検出検証モードにおいて検知領域3での物体の存否を正常に判定できると判定した後、存否判定モードで動作する。この場合、制御部14は、物体検出検証モードで動作している間に、基準値と赤外線検出部13での検出値との比較結果に基づいて、検知領域3で物体が存在している状態及び検知領域3で物体が存在していない状態の両方を確認した場合、検知領域3での物体の存否を正常に判定できると判定する。
図3は、物体検出センサの物体検出検証モードを説明するフローチャートである。制御部14は、電源部16からの電力供給が開始された後、工程#21において検知領域3での物体の存否を正常に判定できるか否かを検証する。例えば、物体検出センサが搭載されている警報器10の設置者は、物体検出検証モードの実行中に、物体検出センサの検知領域3への侵入及び退出を行う。そうすると、制御部14は、基準値と赤外線検出部13での検出値との比較結果に基づいて、検知領域3で物体が存在している状態及び検知領域3で物体が存在していない状態の両方を確認できる。つまり、制御部14は、物体検出検証モードで動作している間に、基準値と赤外線検出部13での検出値との比較結果に基づいて、検知領域3で物体が存在している状態及び検知領域3で物体が存在していない状態の両方を確認した場合、検知領域3での物体の存否を正常に判定できると判定して、物体検出検証モードを終了する。そして、工程#23において制御部14は、物体検出検証モードでの動作が正常に終了した旨の音声を音声出力部20から出力させる。
それに対して、警報器10の設置者が、未だ物体検出センサの検知領域3への侵入及び退出を行っていない場合、工程#22において制御部14は、物体検出検証モードで動作している間の所定のタイミングで、検知領域3内と検知領域3外との間で人間が移動することを促す音声を音声出力部20から出力させる。そして、制御部14は、再度工程#21において、検知領域3での物体の存否を正常に判定できるか否かを検証する。
このように、警報器10は、電源部16からの電力供給が開始された後、存否判定モードではなく、先ずは物体検出検証モードで動作することで、物体検出センサが正常に動作するか否かを確実に検証させることができる。そして、物体検出検証モードにおいて物体検出センサが物体の存否を正常に判定できると確認されない限り、存否判定モードでの動作が行われない。
尚、第1実施形態の警報器10では、電源部16からの電力供給が開始された後、上述した事象監視検証モード及び物体検出モードの一方を先に行ってもよいし、事象監視検証モード及び物体検出モードを同時並行して行ってもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態の警報器10は通信機能を備える点で上記実施形態と異なっている。以下に、第2実施形態の警報器10について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図4は、物体検出センサを備える第2実施形態の警報器10の構成を示す図である。図示するように、警報器10は、監視対象事象を検出する監視センサ部15と、音声を出力する音声出力部20と、監視センサ部15の検出結果に基づいて監視対象事象が存在していると判定した場合に、音声出力部20から監視対象事象の存在を報知させる警報判定モードで動作可能な動作制御部としての制御部14と、監視センサ部15及び音声出力部20及び制御部14に電力を供給可能な電源部16とを筐体11に備える。加えて、本実施形態の警報器10は、通信部21と、警報器10で取り扱われる情報を記憶する記憶部18、警報器10の使用者等へ提供する情報を表示する表示部19なども筐体11に備える。
通信部21は、電波による通信機能を実現する。この通信部21が動作することで、警報器10は、無線ルーターなどの他の通信装置との間で情報通信を行うことができる。警報器10が通信部21を備えている場合、警報器10が他の通信装置から例えば音声メッセージの情報を受信して、検知領域3に人が存在していることを条件に、警報器10の音声出力部20からその音声メッセージを出力するというように警報器10を利用できる。その場合、検知領域3に存在している人に対して音声メッセージを確実に伝えることができる。ところが、検知領域3に人が存在していることを検知できたとしても、警報器10の通信部21と他の通信装置との間での通信状態が良好でない場合には、警報器10は他の通信装置から音声メッセージの情報を受信できないため、警報器10を上述のように利用することはできない。
そこで本実施形態では、後述するように、制御部14は、存否判定モードで動作するのに先立って、通信部21と他の通信装置との間での通信状態が良好であるか否かを判定する通信状態判定モードで動作する。
図5は、監視センサ部15の事象監視検証モード及び物体検出センサの物体検出検証モード及び通信状態判定モードを説明するフローチャートである。
制御部14は、電源部16からの電力供給が開始された後、工程#31において検知領域3での物体の存否を正常に判定できるか否かを検証する。上記実施形態と同様に、物体検出センサが搭載されている警報器10の設置者は、この物体検出検証モードの実行中に、物体検出センサの検知領域3への侵入及び退出を行う。そうすると、工程#31において制御部14は、基準値と赤外線検出部13での検出値との比較結果に基づいて、検知領域3で物体が存在している状態及び検知領域3で物体が存在していない状態の両方を確認できるので、検知領域3での物体の存否を正常に判定できると判定する。そして、次に工程#33において制御部14は、通信状態判定モードへ移行する旨の音声を音声出力部20から出力させる。つまり、この音声を聞いた者は、物体検出検証モードでの動作が正常に終了したことを認識できるので、通信状態判定モードへ移行する旨の音声というのは、物体検出検証モードでの動作が正常に終了した旨の音声とも言える。但し、制御部14は、工程#33を終了したとしても、以下に説明する通信状態判定モードが終了しない限り、物体検出センサを存否判定モードで動作させない。
尚、工程#31において検知領域3での物体の存否を正常に判定できると判定されない場合、即ち、警報器10の設置者が、未だ物体検出センサの検知領域3への侵入及び退出を行っていない場合、工程#32において制御部14は、物体検出センサの検知領域3への侵入及び退出を行うために、人間が移動することを促す音声を音声出力部20から出力させる。そして、制御部14は、再度工程#31において、検知領域3での物体の存否を正常に判定できるか否かを検証する。
制御部14は、工程#33において通信状態判定モードへ移行する旨の音声を音声出力部20から出力させた後、通信状態判定モードを行う。つまり、次に工程#34において制御部14は、警報器10の通信部21と無線ルーターなどの他の通信装置との間での通信状態が良好であるか否かを判定する。そして、通信状態が良好である場合、工程#36において制御部14は、通信状態判定モードを終了する旨の音声を音声出力部20から出力させる。
それに対して、通信状態が良好でない場合、即ち、現在の警報器10の設置場所は無線ルーターなどの他の通信装置との間で良好な通信を確保できない場合、警報器10を移設する必要があると言える。そこで、工程#35において制御部14は、通信状態判定モードにおいて、通信部21と他の通信装置との間での通信状態が良好でない場合には、物体検出センサの設置場所の移動を促す音声を音声出力部20から出力させる。
それにより、警報器10の設置者は、警報器10への電力供給を停止した後、警報器10を別の場所へ移設すると考えられる。
以上のような一連の工程を経ることで、制御部14は、検知領域3で物体が存在しているか否かを判定する存否判定モードで動作するのに先立って、警報器10の物体検出センサが物体の存在を正常に検出できること、及び、警報器10の通信部21と無線ルーターなどの他の通信装置との間での通信状態が良好であることを確認できる。つまり、警報器10の制御部14は、存否判定モードで動作するのに先立って、物体検出検証モードで動作し、通信状態判定モードで動作する。
次に、制御部14は事象監視検証モードで動作する。具体的には、制御部14は、工程#36において通信状態が良好であることで通信状態判定モードを終了した後、次に工程#37において、監視センサ部15は正常に動作するか否かを検証する。例えば、警報器10の設置者は、例えば検出対象ガスなどを人為的に警報器10に向けて吹きかけることで、監視対象事象を発生させる。そうすると、監視センサ部15が正常に動作していれば、制御部14に伝達される監視センサ部15の出力は、所定の基準値以下の状態と基準値より大きい状態との間で遷移する。つまり、制御部14は、監視センサ部15の出力が、所定の基準値以下の状態と基準値より大きい状態との間で遷移した場合、監視センサ部15が正常に動作すると判定して、事象監視検証モードを終了する。そして、工程#39において制御部14は、事象監視検証モードでの動作が正常に終了した旨の音声を音声出力部20から出力させる。そして、制御部14は、事象監視検証モードにおいて監視センサ部15が正常に動作すると判定した後、監視センサ部15の検出結果に基づいて監視対象事象が存在していると判定した場合に音声出力部20から監視対象事象の存在を報知させる警報判定モードで動作する。
それに対して、警報器10の設置者が、未だ人為的に監視対象事象を発生させていない場合や、人為的に監視対象事象を発生させたにも関わらず、上述したように監視センサ部15が正常に動作すると判定しない場合には、工程#38において制御部14は、人為的に監視対象事象を発生させることを促す音声を音声出力部20から出力させる。そして、制御部14は、再度工程#37において、監視センサ部15は正常に動作するか否かを検証する。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、物体検出センサ及び警報器10の構成について具体例を挙げて説明したが、それらの構成は適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、警報器10が電源スイッチ17を備える例を示したが、電源スイッチ17が設けられていなくてもよい。
また、上記実施形態では検知領域3が一つである場合を例示したが、検知領域3は複数であってもよい。
<2>
上記実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、監視センサ部が監視対象事象を正常に検出できることが確認された後で使用される警報器に利用できる。
1 天井部材
2 床部材
3 検知領域
4 部屋
10 警報器
11 筐体
12 赤外線放出部
13 赤外線検出部
14 制御部
15 監視センサ部
16 電源部
17 電源スイッチ
18 記憶部
19 表示部
20 音声出力部
21 通信部

Claims (3)

  1. 監視対象事象を検出する監視センサ部と、
    音声を出力する音声出力部と、
    前記監視センサ部の検出結果に基づいて前記監視対象事象が存在していると判定した場合に、前記音声出力部から前記監視対象事象の存在を報知させる警報判定モードで動作可能な動作制御部と、
    前記監視センサ部及び前記音声出力部及び前記動作制御部に電力を供給可能な電源部とを備える警報器であって、
    前記動作制御部は、
    前記電源部からの電力供給が開始された後、前記監視センサ部が正常に動作するか否かを検証する事象監視検証モードで動作し、
    前記事象監視検証モードで動作している間の所定のタイミングで、人為的に前記監視対象事象を発生させることを促す音声を前記音声出力部から出力させ、
    前記事象監視検証モードにおいて前記監視センサ部が正常に動作すると判定した後、前記警報判定モードで動作する警報器。
  2. 前記動作制御部は、前記事象監視検証モードで動作している間に、前記監視センサ部の出力が、所定の基準値以下の状態と前記基準値より大きい状態との間で遷移した場合、前記監視センサ部が正常に動作すると判定する請求項1に記載の警報器。
  3. 前記動作制御部は、前記事象監視検証モードでの動作が正常に終了した旨の音声を前記音声出力部から出力させる請求項1又は2に記載の警報器。
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