JP7304278B2 - 全固体電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体電池およびその製造方法に関する。
全固体電池は、一般に、固体電解質より構成されるセパレータ層と、セパレータ層の一方面に設けられ、正極活物質および固体電解質を含む正極層と、セパレータ層の他方面に設けられ、負極活物質および固体電解質を含む負極層とを備えるセルを有している。固体電解質としては、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質などが知られている。
先行する特許文献1には、例えば、稠密な固体電解質からなる中心層と、中心層の一方面に形成された第一の電極と、中心層の他方面に形成された第二の電極とを有する全固体電池が開示されている。この全固体電池において、第一の電極は、第一の細孔ネットワークを備える多孔質の固体電解質と、第一の細孔ネットワークに湿潤させた炭素、硫黄とを有している。
特開2019-500737号公報
全固体電池では、複数のセルが集電層を介して積層されることにより高エネルギー密度化が図られる。しかしながら、このような積層構造(いわゆる、バイポーラ構造)を有する全固体電池は、通常、セル形成用材料と集電層形成用材料とが交互に積層された状態にて焼成される。そのため、多孔構造とされた電極層の表面は、形成された集電層によって蓋をされた状態にある。したがって、電極層を多孔構造に形成した後、気孔内に電極活物質を湿潤させる従来技術は、積層構造を有する全固体電池には適用することができない。それ故、積層構造を有する全固体電池では、電極層の気孔の内壁面に導電層を付与するような改良を図ることが困難であった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、負極層が改良された積層構造型の全固体電池、また、当該全固体電池の製造に適した製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、リチウムイオン伝導性を示す第1の固体電解質(200a)を含むセパレータ層(20)と、上記セパレータ層の一方面に設けられ、リチウムを含有する正極活物質(210b)およびリチウムイオン伝導性を示す第2の固体電解質(210a)を含む正極層(21)と、上記セパレータ層の他方面に設けられた負極層(22)とを備えるセル(2)を複数有しており、複数の上記セルが集電層(3)を介して積層された積層構造を有する全固体電池(1)であって、
上記負極層は、
リチウムイオン伝導性を示す第3の固体電解質(221a)よりなる骨格部(221)と、上記負極層の表面に開口部(222a)を備える連通孔(222)と、上記連通孔の内壁面(222b)に形成されており、電子伝導性を備える導電性物質より構成される導電層(223)と、上記連通孔内に存在するリチウム金属(224)とを有する、
全固体電池(1)にある。
本発明の他の態様は、上記全固体電池の製造方法であって、
連続する造孔材粒子の表面に上記導電性物質、または、焼成によって上記導電性物質になる中間物質がコーティングされたコーティング付き造孔材と、上記第3の固体電解質と、を含む負極層形成用材料を準備する工程と、
上記負極層形成用材料と上記集電層を形成するための集電層形成用材料とが重ねられた状態を含む積層体を形成する工程と、
上記積層体を焼成することにより、上記第3の固体電解質よりなる上記骨格部と上記造孔材粒子の焼失による上記連通孔とを形成し、上記連通孔の内壁面に上記導電性物質よりなる上記導電層を配置する工程と、
を有する、全固体電池の製造方法にある。
上記全固体電池の製造方法によれば、負極層における連通孔の内壁面に、電子伝導性を備える導電性物質より構成された導電層が配置された積層構造型の全固体電池を製造することができる。つまり、上記全固体電池の製造方法によれば、負極層が改良された積層構造型の全固体電池を製造することが可能になる。
上記全固体電池は、負極層における連通孔の内壁面に、電子伝導性を備える導電性物質より構成された導電層を有している。そのため、上記全固体電池は、導電層がない積層構造型の全固体電池に比べ、充電時に、導電層を通じて連通孔の周囲全体に電子を供給することができ、連通孔による孔空間を有効に活用してリチウム金属を析出させることが可能になる。
なお、特許請求の範囲および課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、実施形態1に係る全固体電池を模式的に示した図である。 図2は、実施形態1に係る全固体電池が有するセルの微構造を模式的に示した図である。 図3は、実施形態1に係る全固体電池の充放電サイクルを模式的に示した図である。 図4は、負極層におけるリチウム金属の析出挙動を説明するための図である。
(実施形態1)
実施形態1に係る全固体電池について、図1~図4を用いて説明する。図1に例示されるように、全固体電池1は、セル2を複数有しており、複数のセル2が集電層3を介して積層された積層構造を有している。具体的には、全固体電池1は、複数のセル2と複数の集電層3とを有しており、セル2と集電層3とが交互に積層されている。セル2は、セパレータ層20と、セパレータ層20の一方面に設けられた正極層21と、セパレータ層20の他方面に設けられた負極層22とを備えている。本実施形態において、セパレータ層20、正極層21、負極層22、集電層3は、焼成によって一体化されている。以下、図2を用いて、各層の詳細について説明する。
セパレータ層20は、正極層21と負極層22とを隔ててショートを防ぐ機能を有している。セパレータ層20は、リチウムイオン伝導性を示す第1の固体電解質200aを含んでいる。セパレータ層20は、具体的には、複数の第1の固体電解質粒子より緻密質に形成されることができる。
正極層21は、リチウムを含有する正極活物質210bと、リチウムイオン伝導性を示す第2の固体電解質210aとを含んでいる。正極活物質210bは、具体的には、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを取り込むことができる物質である。図2に例示されるように、正極層21は、正極活物質210bと第2の固体電解質210aとが混合された状態にある。正極活物質210bは、具体的には、複数の正極活物質粒子より構成されている。複数の正極活物質粒子同士は、連なって電子導電経路を形成している。正極活物質210bの一部は、正極層21と隣り合う集電層3に接している。これにより、正極活物質210bは、充電時に、集電層3へ電子を渡し、放電時に、集電層3から電子を受け取り可能とされている。第2の固体電解質210aは、具体的には、複数の第2の固体電解質粒子より構成されている。第2の固体電解質粒子は、連なった複数の正極活物質粒子の周囲の隙間に充填され、リチウムイオン伝導経路を形成している。第2の固体電解質210aの一部は、セパレータ層20に接している。これにより、第2の固体電解質210aは、充電時に、正極活物質210bから放出されたリチウムイオンをセパレータ層20の第1の固体電解質200aに渡し、放電時に、セパレータ層20の第1の固体電解質200aからリチウムイオンを受け取り可能とされている。
負極層22は、骨格部221と連通孔222とを有している。つまり、負極層22は、骨格部221と連通孔222とによって構成される多孔構造を備えている。骨格部221は、リチウムイオン伝導性を示す第3の固体電解質221aよりなる。図2では、骨格部221は、具体的には、複数の第3の固体電解質粒子より構成されている。複数の第3の固体電解質粒子は、連なってリチウムイオン伝導経路を形成している。骨格部221の一部は、セパレータ層20に接している。これにより、骨格部221は、充電時に、セパレータ層20の第1の固体電解質200aを介して正極層21から移動してきたリチウムイオンを負極層22に行き渡らせ、放電時に、後述のリチウム金属224から生じたリチウムイオンをセパレータ層20の第1の固体電解質200aを介して正極層21へ移動させることが可能とされている。なお、骨格部221の一部は、集電層3に接することができる。
連通孔222は、負極層22の表面に開口部222aを備えている。負極層22の表面は、負極層22におけるセパレータ層20側とは反対側の層面である。連通孔222は、充電時に、骨格部221から供給されるリチウムイオンが集電層3から供給される電子を受け取って後述のリチウム金属224が析出する際の析出空間として機能する。連通孔222は、一方端部が負極層22の表面にて開口しているが、他方端部は負極層22におけるセパレータ層20側の層面にて開口していてもよいし、開口していなくてもよい。なお、負極層は、非連通孔(不図示)を含んでいてもよい。
負極層22は、導電層223を有している。導電層223は、連通孔222の内壁面222bに形成されている。連通孔222の内壁面222bは、連通孔222に面する骨格部221の表面でもある。導電層223は、電子伝導性を備える導電性物質より構成されており、電子導電経路を形成している。導電層223は、充電時に、集電層3から供給される電子を負極層22に行き渡らせ、放電時に、後述のリチウム金属224から生じた電子を集電層3へ移動させる役割を有する。後述のリチウム金属224は、充電時に、導電層223の表面に析出する。なお、導電層223は、少なくとも電子伝導性を有しておればよく、さらにリチウムイオン伝導性を有することもできる。この場合には、後述のリチウム金属が析出しやすくなる。
負極層22は、リチウム金属224を有している。リチウム金属224は、連通孔222内に存在している。リチウム金属224は、具体的には、充電開始時に孔空間が存在するように連通孔222内に形成されている。
図3および図4を用いて、本実施形態の全固体電池1の充放電サイクルについて説明する。なお、図3(a)、3(b)は、充電時の状態を示しており、図3(b)の状態の方が図3(a)の状態よりも充電率が高い場合を示している。一方、図3(c)、3(d)は、放電時の状態を示しており、図3(d)の状態の方が図3(c)の状態よりも充電率が低い場合を示している。
具体的には、図3(a)に示されるように、充電が開始されると、正極活物質210bからリチウムイオン(Li)が放出される。放出されたリチウムイオンは、正極層21の第2の固体電解質210a、セパレータ層20の第1の固体電解質200aを通って負極層22に移動する。負極層22に移動したリチウムイオンは、第3の固体電解質221aよりなる骨格部221を通って負極層22内を移動し、負極層22側に配置された集電層3から供給される電子(e)を受け取って、リチウム金属224(Li)として連通孔222内に析出し始める。この際、電子は、連通孔222の内壁面222bに形成された導電層223を介してリチウムイオンに渡される。図4に示されるように、リチウムイオンと電子とが出会うポイントPがリチウム金属224の発生点になる。リチウム金属224は、連通孔222内での物理的な移動(図4中の白抜き矢印)と新たな発生点Oの生成(図4中の黒色矢印)をしながら成長する。そして、図3(b)に示されるように、充電率が高まるにつれて、充電初期に比べて、連通孔222内に存在するリチウム金属224の量が増加する。つまり、連通孔222内に、析出したリチウム金属224が充填されていく。なお、図3(b)において、リチウム金属224が異なるドット表示によって描かれているのは、リチウム金属224が増加することを表したものである。次に、図3(c)に示されるように、放電が開始されると、リチウム金属224が溶解してリチウムイオンとなり、この際に生じた電子は、導電層223を通って負極層22側の集電層3へ移動する。一方、リチウムイオンは、第3の固体電解質221aよりなる骨格部221、セパレータ層20の第1の固体電解質200aを通って正極層21に移動する。正極層21に移動したリチウムイオンは、第2の固体電解質210aを通って正極活物質210bに至る。正極活物質210bがリチウムイオンと集電層3からの電子とを受け取り、活物質中にリチウムを取り込む。このように本実施形態の全固体電池1は、負極層22の連通孔222内にて可逆的にリチウム金属224を析出、溶解させることによって充放電がなされる。
本実施形態の全固体電池1は、負極層22における連通孔222の内壁面222bに導電層223を有しているため、導電層223がない積層構造型の全固体電池に比べ、充電時に、導電層223を通じて連通孔222の周囲全体(連通孔222の内壁面222b全体)に電子を供給することができ、連通孔222による孔空間を有効に活用してリチウム金属224を析出させることが可能になる。なお、導電層223がない積層構造型の全固体電池は、負極層22の孔内にリチウム金属224が均一に析出せず、電流集中によって負極層22と集電層3との接触部分に局所的にリチウム金属224が析出し、集電層3の剥離が生じるおそれがある。これに対し、本実施形態の全固体電池1によれば、上記導電層223によって集電層3の剥離が生じ難くなることによる耐久性の向上が期待できる。また、本実施形態の全固体電池1によれば、連通孔222による孔空間が有効に活用されることにより、電池出力の向上が期待できる。
本実施形態の全固体電池1において、導電層223の厚みは、0.01μm以上0.1μm以下とすることができる。この構成によれば、上述した効果を確実なものとすることができる。導電層223の厚みが0.01μm未満になると、導電層223形成の効果が小さくなる傾向がある。導電層223の厚みが0.1μm超になると、連通孔222におけるリチウム金属224の析出空間が狭くなり、電池容量の向上を図る上では不利である。導電層223の厚みは、好ましくは、0.02μm以上、より好ましくは、0.03μm以上、さらに好ましくは、0.04μm以上とすることができる。導電層223の厚みは、好ましくは、0.08μm以下、より好ましくは、0.07μm以下、さらに好ましくは、0.06μm以下とすることができる。なお、導電層223の厚みは、負極層22の厚み方向に沿う断面における任意の10箇所の導電層223の厚み測定値の平均値である。
セパレータ層20の第1の固体電解質200a、正極層21の第2の固体電解質210a、および、負極層22の第3の固体電解質221aは、いずれも、酸化物系の固体電解質より構成することができる。具体的には、セパレータ層20の第1の固体電解質200a、正極層21の第2の固体電解質210a、および、負極層22の第3の固体電解質221aは、いずれも、ガーネット型の結晶構造を有する固体電解質より構成することができる。この構成によれば、Li金属に安定、かつ、5V以上の電位を有する正極活物質を適用できるなどの利点がある。
ガーネット型の結晶構造を有する固体電解質としては、具体的には、例えば、Li(リチウム)とLa(ランタン)とZr(ジルコニウム)とO(酸素)とを含むリチウムランタンジルコニウム系複合酸化物などが挙げられる。ガーネット型の結晶構造を有する固体電解質としては、より具体的には、LiLaZr12(LLZと称されることがある。)、LiLaZr12の一部がSr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、Nb(ニオブ)、Al(アルミニウム)、Ta(タンタル)、Ge(ゲルマニウム)、および、Sb(アンチモン)からなる群から選択される少なくとも1つ以上の元素にて置換されたもの(例えば、LiLaZr12のLaの一部がSr、Ca等の元素にて置換され、および/または、Zrの一部がNb、Ta等の元素にて置換されたもの、より具体的には、Li7-XLaZr2-XNb12、0<X<2などが挙げられ、これはLLZNと称されることがある。)などを例示することができる。
第1の固体電解質200a、第2の固体電解質210a、および、第3の固体電解質221aは、同じ材質にて構成されていてもよいし、互いに異なる材質にて構成されていてもよい。第1の固体電解質200a、第2の固体電解質210a、および、第3の固体電解質221aは、好ましくは、同等の材質にて構成することができる。この構成によれば、全固体電池1の製造性が向上する。また、製造時におけるセルの熱膨張係数の調整などもしやすい。また、各層の接合性も向上する。なお、同等の材質には、完全に同一な場合だけでなく、結晶構造が同じであって構成元素の一部が置換されたものなどが含まれる。
正極層21における正極活物質210bとしては、例えば、リチウムと、ニッケル(Ni)およびコバルト(Co)の少なくとも一方とを含む複合酸化物などを例示することができる。このような複合酸化物としては、具体的には、例えば、LiCoO、LiNiO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3などを例示することができる。
負極層22における導電層223を構成する導電性物質としては、例えば、ZnOなどの酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを例示することができる。これらのうち、好ましくは、電子導電性、導電層の形成性などの観点から、ZnOであるとよい。
集電層3を構成する集電層材料としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、カーボン、導電性ガラス、前記材料と絶縁性ガラスとを混合したものなどを例示することができる。
セパレータ層20の厚みは、例えば、3μm以上20μm以下、正極層21の厚みは、例えば、10μm以上100μm以下、負極層22の厚みは、例えば、5μm以上40μm以下、集電層3の厚みは、例えば、3μm以上20μm以下とすることができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る全固体電池の製造方法について説明する。なお、実施形態2では、実施形態1にて説明した内容を必要に応じて適宜参照することができる。
本実施形態の全固体電池の製造方法(以下、単に、本製造方法という。)は、実施形態1に係る全固体電池を製造する方法である。本製造方法は、準備工程と、積層体形成工程と、焼成工程と、を有している。
準備工程は、連続する造孔材粒子の表面に導電性物質、または、焼成によって導電性物質になる中間物質がコーティングされたコーティング付き造孔材を準備する工程である。造孔材粒子としては、例えば、カーボン粒子など、固体電解質の焼成温度よりも低い温度にて焼失する材質のものを例示することができる。連続する造孔材粒子は、造孔材粒子を造粒することにより得ることができる。コーティング付き造孔材は、連続する造孔材粒子の表面に、ZnO等の導電性物質、Zn等の酸化雰囲気での焼成によってZnO等の導電性物質になる中間物質をコーティングすることにより準備することができる。なお、上記の造粒、コーティングには、公知の方法を適宜適用することができる。
積層体形成工程は、負極層形成用材料と集電層を形成するための集電層形成用材料とが重ねられた状態を含む積層体を形成する工程である。
負極層形成用材料は、負極層を形成するための未焼成の材料である。負極層形成用材料は、コーティング付き造孔材と第3の固体電解質粒子とを含む構成とすることができる。
本製造方法では、積層体は、具体的には、集電層形成用材料、負極層形成用材料、セパレータ層形成用材料、正極層形成材料がこの順に繰り返し積層された積層構造を含む構成とすることができる。この積層体では、負極層形成用材料と集電層形成用材料とが重ねられた状態にある。
なお、集電層形成用材料は、集電層を形成するための未焼成の材料である。集電層形成用材料は、集電層材料を含む構成とすることができる。セパレータ層形成用材料は、セパレータ層を形成するための未焼成の材料である。セパレータ層形成用材料は、第1の固体電解質粒子を含む構成とすることができる。正極層形成用材料は、正極層を形成するための未焼成の材料である。正極層形成用材料は、正極活物質粒子と第2の固体電解質粒子とを含む構成とすることができる。これらの各層形成用材料は、乾式法、湿式法のいずれにて成形してもよく、例えば、シート状等の形状に成形することができる。また、各層の形成用材料は、必要に応じて、バインダー、溶媒、各種の添加剤などを含むことができる。また、積層体は、各層形成用材料が積層された後、圧着されていてもよい。
焼成工程は、積層体を焼成することにより、第3の固体電解質よりなる骨格部と造孔材粒子の焼失による連通孔とを形成し、連通孔の内壁面に導電性物質よりなる導電層を配置する工程である。
焼成は、具体的には例えば、酸化雰囲気中、焼成温度250℃~550℃、焼成時間3時間~20時間で造孔材粒子を焼失させ、650℃~1200℃で2~50時間で固体電解質粒子を焼結させることなどによって実施することができる。
上記焼成により、第3の固体電解質よりなる骨格部と造孔材粒子の焼失による連通孔とが形成され、連通孔の内壁面に導電性物質よりなる導電層が配置される。具体的には、上記焼成により、連続する造孔材粒子が先に焼失し、連続する造孔材粒子があった場所が連通孔となる。そして、第3の固体電解質粒子が焼結することにより骨格部が形成され、多孔構造となる。この際、連続する造孔材粒子の表面にコーティングされた導電性物質は、焼成により焼失せずに骨格部の表面に層状に付着する。なお、連続する造孔材粒子の表面に中間物質がコーティングされたコーティング付き造孔材を用いた場合は、焼成により中間物質が酸化されて導電性物質となり、骨格部の表面に付着する。また、連続する造孔材粒子の焼失によって形成された連通孔は、骨格部の焼結による緻密化によって収縮し、これによって骨格部と導電層とが密着する。このようにして、連通孔の内壁面に導電性物質よりなる導電層が配置された負極層が形成される。
また、本製造方法では、上記焼成により、セパレータ層形成用材料からセパレータ層、正極層形成用材料から正極層、集電層形成用材料から集電層がそれぞれ形成される。
なお、導電層の形成後、連通孔内にリチウム金属を存在させるには、充電方向に電圧を印加することにより、正極活物質中のLi(リチウムイオン)を負極側にLi金属として析出させればよい。
本製造方法によれば、実施形態1にて上述した負極層を有する積層構造型の全固体電池が得られる。つまり、本製造方法によれば、負極層の表面に集電層が接合された状態であっても、焼成工程にて負極層の連通孔の孔壁面に導電層を付与することができ、負極層が改良された積層構造型の全固体電池が得られる。
(実験例)
カーボン粒子(平均粒子径0.1μm)を造粒することにより、連続的に繋がった造孔材粒子を含む粉末を得た。この造粒粉末の表面にスパッタ法にてZnOをコーティングすることにより、コーティング付き造孔材を準備した。なお、実験例にいう平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である(以下、同様)。
次いで、コーティング付き造孔材と、Li6.75LaZr1.75Nb0.2512粉末(平均粒子径1.0μm、以下、LLZN粉末という。)とを混合し、コーティング付き造孔材とLLZN粉末とを含む負極層用原料粉末を準備した。また、LLZN粉末を含むセパレータ層用原料粉末を準備した。また、LiCoO粉末(平均粒子径4μm)とLLZN粉末とを含む正極層用原料粉末を準備した。また、ニッケル粉末(平均粒子径1μm)を含む集電層用原料粉末を準備した。
次いで、金型内に、集電層用原料粉末、負極層用原料粉末、セパレータ層用原料粉末、正極層用原料粉末、集電層用原料粉末、負極層用原料粉末、セパレータ層用原料粉末、正極層用原料粉末、集電層用原料粉末の順に各粉末を積層し、加圧成形することにより、積層体を形成した。
次いで、得られた積層体を、大気雰囲気中にて、焼成温度550℃、焼成時間3時間~20時間で造孔材粒子を焼失させ、焼成温度1000℃、焼成時間30時間にて焼成した。
次いで、得られた焼成体に充電方向に電圧を印加することにより、正極活物質中のLi(リチウムイオン)を負極側にLi金属として析出させた。以上により、試料1の全固体電池を得た。
得られた全固体電池の積層方向の断面をSEMにより観察した。その結果、試料1の全固体電池における負極層は、LLZNよりなる骨格部と、負極層の表面に開口部を備える連通孔と、連通孔の内壁面に形成されたZnOよりなる導電層と、連通孔内に存在するリチウム金属とを有していた。また、導電層の厚みは、0.01μm以上0.1μm以下の範囲内にあった。
本発明は、上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 全固体電池
2 セル
20 セパレータ層
200a 第1の固体電解質
21 正極層
210a 第2の固体電解質
210b 正極活物質
22 負極層
221 骨格部
221a 第3の固体電解質
222 連通孔
222a 開口部
222b 内壁面
223 導電層
224 リチウム金属
3 集電層

Claims (5)

  1. リチウムイオン伝導性を示す第1の固体電解質(200a)を含むセパレータ層(20)と、上記セパレータ層の一方面に設けられ、リチウムを含有する正極活物質(210b)およびリチウムイオン伝導性を示す第2の固体電解質(210a)を含む正極層(21)と、上記セパレータ層の他方面に設けられた負極層(22)とを備えるセル(2)を複数有しており、複数の上記セルが集電層(3)を介して積層された積層構造を有する全固体電池(1)であって、
    上記負極層は、
    リチウムイオン伝導性を示す第3の固体電解質(221a)よりなる骨格部(221)と、上記負極層の表面に開口部(222a)を備える連通孔(222)と、上記連通孔の内壁面(222b)に形成されており、電子伝導性を備える導電性物質より構成される導電層(223)と、上記連通孔内に存在するリチウム金属(224)とを有する、
    全固体電池(1)。
  2. 上記第1の固体電解質、上記第2の固体電解質、および、上記第3の固体電解質は、同等の材質である、請求項1に記載の全固体電池。
  3. 上記第1の固体電解質、上記第2の固体電解質、および、上記第3の固体電解質は、ガーネット型の結晶構造を有する固体電解質である、請求項1または請求項2に記載の全固体電池。
  4. 上記導電層の厚みは、0.01μm以上0.1μm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の全固体電池。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法であって、
    連続する造孔材粒子の表面に上記導電性物質、または、焼成によって上記導電性物質になる中間物質がコーティングされたコーティング付き造孔材と、上記第3の固体電解質と、を含む負極層形成用材料を準備する工程と、
    上記負極層形成用材料と上記集電層を形成するための集電層形成用材料とが重ねられた状態を含む積層体を形成する工程と、
    上記積層体を焼成することにより、上記第3の固体電解質よりなる上記骨格部と上記造孔材粒子の焼失による上記連通孔とを形成し、上記連通孔の内壁面に上記導電性物質よりなる上記導電層を配置する工程と、
    を有する、全固体電池の製造方法。
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