JP7304176B2 - 内燃機関の揺腕支持構造及び内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の動弁装置に関するものであって吸気バルブ及び排気バルブを開閉弁作動する内燃機関の揺腕支持構造及び揺腕支持構造を備えた内燃機関に関する。
従来の内燃機関における代表的な2弁式機関のロッカーアーム周辺部品の構成として例えば図6及び図7に示すものが提案されている。従来の内燃機関では、シリンダヘッド100に取り付けたフルクラムスタッド101、101に吸気側揺腕102と排気側揺腕103を揺動可能に備えた揺腕軸104が組み付けられている。内燃機関のクランク軸より伝達された回転運動は図示しない吸排気カム及びローラガイドによってプッシュロッドの上下動に変換される。プッシュロッドの上下動を吸気側揺腕102及び排気側揺腕103の揺動に変換して吸気バルブ105及び排気バルブ106に伝達し、吸気バルブ105及び排気バルブ106を動作させて燃焼室を開閉弁させている。
2弁式機関では、機関性能を向上させるため吸気バルブ105及び排気バルブ106の弁径を大径として燃焼室への流路面積を大きく取っている。吸気バルブ105及び排気バルブ106の弁径を大径にする場合、図8に示す様に吸気バルブ105及び排気バルブ106間距離が広くなるため吸気側揺腕102及び排気側揺腕103を「ハ」の字形状に配設する。すると、吸気側揺腕102及び排気側揺腕103の動作面が揺腕軸104の軸芯に直交しない。
この場合、揺腕軸104の軸芯方向とその軸直角方向に分解してモーメントを考えると、吸気側揺腕102と排気側揺腕103を軸直角まわりに回転させるモーメントが働くため、揺腕軸104の両端における吸気側揺腕102及び排気側揺腕103の内側に設けた揺腕ブッシュ104a、104bの偏摩耗を招くおそれがある。
ところで、揺腕ブッシュ104a、104bの偏摩耗を回避する方法の一つとして、吸気側揺腕102と排気側揺腕103の力点側をシリンダ中心から外側に移動させることが考えられる。しかしながら、このような構成を採用すると揺腕支持構造が大型化するため、プッシュロッドや吸気側揺腕102及び排気側揺腕103廻りを覆うカバーを取り付けることが困難になる。
この場合、揺腕ブッシュ104a、104bへの注油は潤滑油の飛散防止の観点から、強制注油方式ではなく間欠的に注油穴へ滴下する間欠注油方式を採用することになる。しかしながら、間欠注油では油圧が立たないため油膜形成が難しく、揺腕ブッシュ104a、104bは厳しい環境下で使用される。一方、揺腕ブッシュ104a、104bに強制注油を行うには、潤滑油が飛散しないようにプッシュロッドや吸気側揺腕102及び排気側揺腕103廻りの部品を覆うカバーを取り付ける必要がある。
しかし、上述した理由により、カバーの取り付け構成と揺腕ブッシュ104a、104bの偏摩耗を抑制する構成とは両立し得ないため、トレードオフの関係にある。
また、例えば特許文献1,2に記載されたものでは、ハの字に配置した吸気側揺腕及び排気側揺腕を支持する揺腕軸を二分割して吸気側揺腕と排気側揺腕にそれぞれ直交するようにハの字に配設する内燃機関が提案されている。
しかしながら、これらの構造は半球型やペントルーフ型燃焼室を有する比較的小型のガソリンエンジン向けであり、燃料の供給は吸気ポートから行われるが,ディーゼルエンジンでは燃料を直接燃焼室に噴射する為の燃料噴射弁及びこれに燃料を供給する為の燃料噴射ポンプを配設する必要があり、設計的な制約を受ける。これに加え、過給機により高圧過給を行うエンジンにおいては排気弁開弁時の筒内ガス残圧が自然吸気エンジンに比べて高く、排気弁開弁時に揺腕構造体に加わる荷重も増加することから、より高い強度が必要となる。その為,この構成においても内燃機関の揺腕支持構造が大型化し、カバーの取り付けが困難になる。
特許第2848548号公報 特許第3835893号公報
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、高圧過給を行うエンジンにおける大きな荷重に対応し、吸気側揺腕及び排気側揺腕の偏摩耗を防ぐと共に揺腕支持構造をコンパクトにすることができる内燃機関の揺腕支持構造及び内燃機関を提供することを目的とする。
本発明による内燃機関の揺腕支持構造は、吸気バルブを往復作動させる吸気側揺腕と、排気バルブを往復作動させる排気側揺腕と、吸気側揺腕を揺動可能に支持していてその揺動面に垂直に配置された吸気側揺腕軸と、排気側揺腕を揺動可能に支持していてその揺動面に垂直に配置された排気側揺腕軸と、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸をそれぞれ長手方向両端で支持する内側軸支え及び外側軸支えと、を備え、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸はそれぞれ外側軸支えを通して外側から挿脱可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、吸気側揺腕及び排気側揺腕の揺動面を吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸に対して垂直に配置したため、揺動時の偏摩耗の発生を防止できる。しかも、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸の長手方向両端を内側軸支え及び外側軸支えで支持したため、揺腕軸のたわみを抑えて支持でき、大型の内燃機関に適した耐久性を発揮できる。更に、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸はそれぞれ外側軸支えを通して外側から挿脱可能としたため限られた狭いスペースで挿脱可能であり、コンパクト化できる。
また、吸気側揺腕及び排気側揺腕は、それぞれその一端がプッシュロッドにより駆動され他端が前記吸気バルブまたは前記排気バルブを開閉弁作動させ、プッシュロッド側の端部の間隔よりも吸気バルブ及び排気バルブ側の端部の間隔の方が広く設置されていることが好ましい。
これにより、機関性能を向上させるために吸気バルブ及び排気バルブを大型化しても互いに干渉することなく広いスペースに設置できると共に、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸のプッシュロッド側端部を狭いスペースに互いに近接して配置できる。これにより吸気側揺腕及び排気側揺腕を有する揺腕支持構造を密閉する構造を実現することが容易になるため、これらの潤滑に有利である。
また、吸気側揺腕及び排気側揺腕は側部を側部ケースによって囲われており、外側軸支えは側部ケースに設けられていることが好ましい。
吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸を支持する外側軸支えを側部ケースに設けることで、構造をシンプルにできるとともに、側部ケースの外側から吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸を挿脱できるため、組み立てや保守や交換が容易になる。
また,外側軸支えと内側軸支えは前記側部ケースと一体に成形されていることが好ましい。
一体に成形することで外側軸支え及び内側軸支えへの揺腕軸の取付けが容易になると共に軸支えのシリンダヘッドへの脱着が容易となる。
また、側部ケースは、外側軸支えが設けられた領域の幅が吸気バルブ及び排気バルブが設けられた領域の幅よりも小さく形成されていてもよい。
船舶推進等に用いられる大型の内燃機関では、複数のシリンダがクランク軸方向に並んで配置されており、特に側部ケースの外側軸支えが設けられた領域の幅が狭く形成されているため、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸を挿脱する場合に隣接するシリンダに対して挿脱のスペースを確保できて挿脱が容易になる。
また、側部ケースの上部には側部ケースの内部を密閉する上部カバーが取り付けられ、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸またはそれぞれの外側軸支えには、側部ケースの外部に油が漏れることを防止するシール部材が取り付けられていてもよい。
側部の側部ケースと上部の上部カバーによって揺腕支持構造を外周から囲うことができ、しかも、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸またはそれぞれの外側軸支えにシール部材を設けて潤滑油の漏洩を防止できる。また、揺腕支持構造を強制潤滑した場合においても側部ケースと上部カバーによって密閉できるため、潤滑油の外部への漏出を阻止できる。
また、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸はそれぞれ内側軸支えに挿入される端部に凹部を備え、内部軸支えには凹部に係合する締結部材が挿通されることが好ましい。
凹部に係合する締結部材により、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸が回転することが阻止される。さらに締結部材により内部軸支えに圧縮応力を加えることで、吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸から働く荷重を相殺する。
また、本発明による内燃機関は、上述したいずれかに記載された揺腕支持構造を備えたことを特徴とする。
本発明による内燃機関の揺腕支持構造及び内燃機関によれば、吸気側揺腕及び排気側揺腕をそれぞれ直交する方向に支持する吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸を両端の内側軸支え及び外側軸支えで堅固に支持すると共に着脱操作を容易にでき、揺腕支持構造をコンパクト化できる。
本発明の実施形態によるエンジンの揺腕支持構造の要部構成を示す斜視図である。 図1に示す揺腕支持構造の分解斜視図である。 揺腕支持構造の揺腕と揺腕軸との関係を示す要部水平断面図である。 図1に示す揺腕支持構造に上部カバーを被せた斜視図である。 軸支えの内側軸支えにおける、吸排気側揺腕の揚程動作で引張応力が増大する部分を示す図である。 従来のエンジンにおける揺腕支持構造の要部斜視図である。 図6において揺腕軸と吸気側揺腕及び排気側揺腕を示す分解斜視図である。 揺腕軸に対する吸気側揺腕及び排気側揺腕の配置と分力によるモーメントの関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態によるエンジンの揺腕支持構造について図1乃至図5により説明する。
本実施形態によるエンジンは、船舶推進等に用いられる大型の内燃機関に適したものである。しかも、舶用内燃機関として用いる2弁式のディーゼルエンジンにおけるシリンダヘッドの上部に設置される揺腕支持部1の周辺構造に関するものである。図1及び図2に示す揺腕支持部1の周囲には側部ケース2が設けられている。シリンダヘッド5の上部には揺腕支持部1を取り付けるための取り付け部2aが固定されている。側部ケース2の内部には吸気側揺腕3と排気側揺腕4とが平面視で略ハの字型に配設されている。
しかも、上述した従来技術では、吸気側揺腕3と排気側揺腕4の間に燃焼室に燃料を噴射するための不図示の燃料噴射ポンプを配設していたが、本実施形態では後述するように側部ケース2の幅狭側面28の外部に設置している。
吸気側揺腕3は吸気側揺腕軸6に回転可能に支持され、吸気側揺腕軸6を挟むその一端側には弁押し金具10を介して燃焼室を開閉する不図示の吸気バルブが取り付けられ、他端側には不図示のプッシュロッドに連結されたアジャストボルト8が設けられている。排気側揺腕4は排気側揺腕軸7に回転可能に支持され、排気側揺腕軸7を挟むその一端側の弁押し金具11を介して燃焼室を開閉する不図示の排気バルブが取り付けられ、他端側にはプッシュロッドに連結されたアジャストボルト9が設けられている。吸気バルブと排気バルブは吸気側揺腕3と排気側揺腕4の揺動によって往復作動して開閉弁作動する。
ここで、図3にも示すように、吸気バルブと排気バルブのバルブ外径が大きく設定されているため、吸気側揺腕3と排気側揺腕4は平面視ハの字型に配設されている。吸気側揺腕3と排気側揺腕4はプッシュロッド側のアジャストボルト8、9の間で幅が狭く設定され、吸気バルブ及び排気バルブ側で幅が広く設定されている。そのため、吸気バルブと排気バルブの径を拡大して,吸排気流路断面積を拡大することが出来ることから,吸排気効率を改善して機関性能を向上できる。
吸気側揺腕3と吸気側揺腕軸6とは略直交する方向に配設され、排気側揺腕4と排気側揺腕軸7とは略直交する方向に配設されている。吸気側揺腕軸6と排気側揺腕軸7は分割され、両者の間には軸支え部15が設置されている。軸支え部15は、側部ケース2と共に鋳造により一体に成形されている。軸支え部15の両端部には吸気側揺腕軸6の内側端部を受け入れて支持する筒状の内側軸支え16と、排気側揺腕軸7の内側端部を受け入れて支持する筒状の内側軸支え17とがそれぞれ形成されている。
しかも、軸支え部15の両端に設けた内側軸支え16、17には、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の内側端部を係止させるためのボルト穴16a、17aが形成されている。このボルト穴16a、17aにシリンダヘッド5に取付けられたスタッドボルト19を締結部材として挿通させ,ボルト穴16a、17a上部に露出したねじ部に不図示のナットを締め付けることで,軸支え部15がシリンダヘッド5に固定される。また、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の内側端部には、ボルト穴16a、17aと同軸同径をなす略半円状の凹部6a、7aが上下方向に切り欠かれて形成されている。凹部6a,7aはスタッドボルト19の逃げ加工部であり、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7に回転作用が生じた際に凹部6a,7aがスタッドボルト19に接触することで吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の回転を制止している。スタッドボルト19に対して不図示のナットを締め付けることで、内側軸支え16,17に対して圧縮応力が加わり、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7から受ける上方向の応力が相殺される。
また、側部ケース2において、軸支え部15の両端の内側軸支え16、17に対向する位置に孔部形状をなす外側軸支え20、21が一体に成形されている。この外側軸支え20、21を通して吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7が内側軸支え16、17に挿入可能とされている。吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の外周面と吸気側揺腕3及び排気側揺腕4の内周面3a、4aとの間には筒状の揺腕ブッシュ23、23が嵌挿されている。この揺腕ブッシュ23,23には外部から潤滑油が充填されていて吸気側揺腕3及び排気側揺腕4の揺動をスムーズにしている。
吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の外側端部近傍にはリング状の溝部6b、7bが形成されている。この溝部6b、7bにゴム等の弾性部材からなるOリング24、24が嵌合されて外側軸支え20、21との間を液密に封止し、揺腕ブッシュ23,23に供給される潤滑油の外部漏洩を阻止している。吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7において、溝部6b、7bの外側で外側軸支え20、21の内面にはリング状の溝部20a、21aが形成されている。この溝部20a、21aに嵌合されたC型トメワ26、26によって吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7が外側軸支え20、21から脱落しないように係止されている。
そのため、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7は、内側の凹部6a、7a及び内側軸支え16、17のボルト穴16a,17aに挿通されたスタッドボルト19,19と、外側軸支え20、21に嵌合されたC型トメワ26、26とによって両端を固定されている。
図1及び図4に示す揺腕支持部1の側面を囲うように形成した側部ケース2において、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4のプッシュロッド側の領域と外側軸支え20、21の領域では最大幅Aとなる幅狭側面28を有しており、吸気バルブ及び排気バルブ側の領域では最大幅B(>A)となる幅広側面29を有している。側部ケース2において、幅狭側面28と幅広側面29との境界は屈曲または湾曲して形成されている。しかも、側部ケース2の両側の幅狭側面28に孔部形状をなす外側軸支え20、21を設けたため、外側軸支え20、21を通して吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の挿入と離脱が容易に行える。また、幅狭側面28の内部には吸気側揺腕3及び排気側揺腕4が設置され、その外側に燃料噴射ポンプが設置される。
また、図4に示すように、側部ケース2の上面を上蓋としてのボンネット30で覆っている。そのため、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の揺腕ブッシュ23,23に強制注油を行っても、潤滑油が側部ケース2及びボンネット30の外部に漏洩しない。
吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の揺腕ブッシュ23、23に強制注油を行う潤滑油は不図示の各プッシュロッド内を通してアジャストボルト8,9へ流れ,吸気側揺腕3及び排気側揺腕4においてプッシュロッド側から吸排気バルブ側に向かって穿孔された不図示のキリ穴を介して揺腕ブッシュ23、23及び弁押し金具10、11に注油している。
揺腕ブッシュ23に供給された潤滑油は吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の外周面を油圧で強制潤滑し、潤滑不良による揺腕ブッシュ23の摩耗を抑制する。
吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7に供給される潤滑油はOリング24によって外側軸支え20、21から外部に漏出することを阻止される。この潤滑油は外側軸支え20、21及び内側軸支え16、17の側面と吸気側揺腕3及び排気側揺腕4の側面との隙間34から漏出する(図3参照)。隙間34は、側部ケース2及びボンネット30によって囲われているため、潤滑油は外部に漏出せずに隙間34から流出してエンジン内に戻される。
本実施形態によるエンジンにおける揺腕支持部1の揺腕支持構造は上述の構成を備えており、次にその作用効果について説明する。
先ず、揺腕支持部1における揺腕支持構造の組み立て方法について説明する。シリンダヘッド5には1対のスタッドボルト19、19が取り付けられており、その上に、一体に成形された軸支え部15と側部ケース2が載置される。スタッドボルト19,19は、ボルト穴16a、17aに挿通される。次に、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4が、それぞれ内側軸支え16、17と外側軸支え20、21との間に配置される。この状態で、側部ケース2の外側軸支え20、21の開口から吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7をそれぞれ挿入し、先端を軸支え部15の内側軸支え16、17に挿入する。
そして、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の内側の凹部6a、7aをスタッドボルト19,19に当接させる。次いでスタッドボルト19,19に不図示のナットを螺合させて締め付けを行う。
また、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の外側の溝部6b、7bにOリング24を嵌合させて外側軸支え20、21との間を封止する。Oリング24の外側で、外側軸支え20、21の内面の溝部20a、21aにC型トメワ26を嵌合させることで、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7が離脱する方向へ移動した場合、C型トメワ26が吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の外側端面と接触することでその離脱を阻止する。これにより、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7をその軸方向の内側と外側とで固定保持できる。
これにより、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4はハの字型に配置され、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7はそれぞれ吸気側揺腕3及び排気側揺腕4の揺動面に直交して配置される。次に、側部ケース2の上部にボンネット30を装着して閉蓋し、ネジ止めする。しかも、燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ポンプは、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4の間から外されて側部ケース2の幅狭側面28の外側下側部のスペースに設置されている。
このように構成された揺腕支持部1の作用について説明する。
不図示のクランク軸の回転を受けて連動するカムシャフトによりプッシュロッドを上下動させる。これに連動して、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4が吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7を中心に揺動し、シリンダの燃焼室に対して吸気バルブ及び排気バルブを開閉作動させる。
その際、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4はそれぞれの揺動面に垂直に吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7が配置されているため、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4をこじる方向のモーメントが働かない。そのため、揺腕ブッシュ23,23の偏摩耗が防止される。しかも、吸気側揺腕3及び排気側揺腕4と吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の間の揺腕ブッシュ23、23には強制潤滑により潤滑油が供給される。そのため、揺腕ブッシュ23、23との間の潤滑不良による摩耗が抑制される。
しかも、本実施形態による揺腕支持部1は、揺腕ブッシュ23、23に強制注油を行う際、潤滑油が吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7から外側軸支え20、21の外側に漏洩することをOリング24によって阻止する。
また、揺腕支持部1は、周囲を囲う側部ケース2と上部を覆うボンネット30によって密閉された構成である。そのため、一部の潤滑油が外側軸支え20、21と吸気側揺腕3及び排気側揺腕4との間の隙間34から漏出し得るが、揺腕支持部1の外部に漏出せず隙間34から流出した潤滑油は不図示のシリンダヘッド上面からシリンダブロック内部に戻される。
また、プッシュロッドの上下動に連動する吸気側揺腕3及び排気側揺腕4の揚程動作時に、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7が上方に持ち上げられる動きになる。その際、図5に示すように、軸支え部15の内側軸支え16、17におけるボルト穴16a、17aの上端のエッジ部Hに引張応力が生じる。この場合、軸支え部15のスタッドボルト19のナットを締め付けることで平均応力を圧縮側に移動させることができ、疲労破壊のリスクを低減できる。
上述したように、本実施形態によるエンジンの揺腕支持部1の揺腕支持構造によれば次の作用効果を奏する。
(1) 吸気側揺腕3及び排気側揺腕4はハの字型に配設され、しかも吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7に直交して配設されているため、揺腕ブッシュ23、23の偏摩耗を抑制できる。
(2) 吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の揺腕ブッシュ23、23に潤滑油が強制潤滑で供給されているため一層摩耗を軽減できる。しかも、潤滑油が隙間34から漏出しても側部ケース2及びボンネット30で密閉されているため、外部に漏出することを阻止してエンジン内に戻すことができる。また、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7上の潤滑油はOリング24によって外側軸支え20,21との隙間から外部に漏出することを阻止できる。
(3) 吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7は内側軸支え16、17と外側軸支え20、21により両端を支持される構造であるため、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7のたわみを抑制出来ることから、大型の内燃機関に適した耐久性が得られる。
(4) 吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の内側端部には、略半円状の凹部6a、7aが上下方向に切り欠かれて形成され、スタッドボルト19、19に当接することで吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の回転が制止される。また、スタッドボルト19に対してナットを締め付けることで、内部軸支え16,17に対して圧縮応力が加わり、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7から受ける引張の応力が相殺される。
(5) 側部ケース2はその対向する幅狭側面28の側面に外側軸支え20、21を貫通孔で設けることで、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7を支持する部材を兼ねることができる。そのため、構造をシンプルにできるとともに、側部ケース2の外側から吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7を挿脱することができて組立や保守や交換が容易である。
また、外側軸支え20、21と内側軸支え16、17は側部ケース2と一体に成形されていることが好ましい。これにより外側軸支え20、21及び内側軸支え16、17への吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の取付けが容易になると共に、軸支え部15のシリンダヘッド5への脱着が容易となる。
(6) 吸気側揺腕3及び排気側揺腕4は、プッシュロッド側の端部の間隔よりも吸気バルブ及び排気バルブ側の間隔の方が広いハの字型に配置されている。これにより、大径化された吸気バルブ及び排気バルブによって機関性能を向上できる上に、双方のプッシュロッドを狭いスペースに近接配置できてコンパクトにできる。
(7) 一般に、船舶推進等に用いられる大型の内燃機関では、複数の揺腕支持部1がクランク軸方向に並んで配置されている。しかも、内燃機関の寸法を小さくするために、隣接する揺腕支持部1と揺腕支持部1の間隔はできるだけ狭く設定される。そのため、側部ケース2の外側から吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7を挿脱する場合、隣の揺腕支持部1が邪魔となって挿脱の操作ができなくなる。
これに対し、本実施形態では、側部ケース2とボンネット30で覆われた揺腕支持部1において、外側軸支え20、21が設けられた幅狭側面28、28間の幅Aが、吸気バルブ及び排気バルブに対応する幅広側面29の幅Bよりも小さい幅にできる。これにより、幅狭側面28の外側軸支え20、21が設けられた部分で隣り合う揺腕支持部1の間に吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7を挿脱する空間ができて、挿脱が可能となる。
なお、本発明による内燃機関の揺腕支持部1の揺腕支持構造は、上述した実施形態による揺腕支持部1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態で説明した部品や部材等と同一または同様なものについては同一の符号を用いて説明を省略する。
上述した実施形態では、側部ケース2の外側軸支え20、21から挿入される吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7をC型トメワ26によって係止したが、本発明はそのような構成に限定されない。例えば、外側軸支え20、21に開閉可能な蓋を設けて吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7の側部ケース2内への挿脱と係止を行ってもよい。C型トメワ26と蓋は係止部材に含まれる。
また、上述の実施形態では、吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7に側部ケース2から外部に潤滑油が漏れることを防止するシール部材としてOリング24を設けたが、これに代えて、外側軸支え20,21の内面に溝部を設けてOリング24を装着して吸気側揺腕軸6及び排気側揺腕軸7との間で液密にシールしてもよい。
なお、Oリング24はシール部材に含まれる。ボンネット30は上部カバーに含まれる。
1 揺腕支持部
2 側部ケース
3 吸気側揺腕
4 排気側揺腕
6 吸気側揺腕軸
6a、7a 凹部
7 排気側揺腕軸
15 軸支え部
16、17 内側軸支え
16a、17a ボルト穴
19 スタッドボルト
20,21 外側軸支え
23 揺腕ブッシュ
24 Oリング
26 C型トメワ
28 幅狭側面
29 幅広側面
30 ボンネット

Claims (6)

  1. クランク軸方向に並んで配置された複数のシリンダの各々に設けられ、
    吸気バルブを往復作動させる吸気側揺腕と、
    排気バルブを往復作動させる排気側揺腕と、
    前記吸気側揺腕を揺動可能に支持していてその揺動面に垂直に配置された吸気側揺腕軸と、
    前記排気側揺腕を揺動可能に支持していてその揺動面に垂直に配置された排気側揺腕軸と、
    前記吸気側揺腕軸及び前記排気側揺腕軸をそれぞれ長手方向両端で支持する内側軸支え及び外側軸支えと、を備え、
    前記吸気側揺腕軸及び前記排気側揺腕軸はそれぞれ前記外側軸支えを通して外側から挿脱可能とされており、
    前記吸気側揺腕及び排気側揺腕は側部を側部ケースによって囲われており、
    前記外側軸支えは前記側部ケースに設けられており、
    前記側部ケースは、前記外側軸支えが設けられた領域の幅が前記吸気バルブ及び前記排気バルブが設けられた領域の幅よりも小さく形成されており、
    前記外側軸支えが設けられた領域の幅は、隣り合う他の揺腕支持構造と前記側部ケースとの間に前記吸気側揺腕軸または前記排気側揺腕軸が挿脱可能な空間を形成する幅である
    ことを特徴とする内燃機関の揺腕支持構造。
  2. 前記吸気側揺腕及び前記排気側揺腕は、それぞれその一端がプッシュロッドにより駆動され他端が前記吸気バルブまたは前記排気バルブを開閉弁作動させ、
    前記プッシュロッド側の端部の間隔よりも前記吸気バルブ及び排気バルブ側の端部の間隔の方が広く設置されている請求項1に記載された内燃機関の揺腕支持構造。
  3. 前記外側軸支えと内側軸支えは前記側部ケースと一体に成形された請求項1または2に記載された内燃機関の揺腕支持構造。
  4. 前記側部ケースの上部には前記側部ケースの内部を密閉する上部カバーが取り付けられ、
    前記吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸またはそれぞれの前記外側軸支えには、前記側部ケースの外部に油が漏れることを防止するシール部材が取り付けられる請求項1から3のいずれか1項に記載された内燃機関の揺腕支持構造。
  5. 前記吸気側揺腕軸及び排気側揺腕軸はそれぞれ前記内側軸支えに挿入される端部に凹部を備え、前記内側軸支えには前記凹部に係合する締結部材が挿通される請求項1から4のいずれか1項に記載された内燃機関の揺腕支持構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された前記揺腕支持構造を備えたことを特徴とする内燃機関。
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