JP2019218901A - 舶用エンジン - Google Patents

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Jun Teramoto
潤 寺本
和樹 四井
Kazuki YOTSUI
和樹 四井
義幸 梅本
Yoshiyuki Umemoto
義幸 梅本
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Abstract

【課題】軸受部材の損耗を抑制する。【解決手段】舶用エンジン1は、内周に押圧面110bが設けられた軸受孔110aを有する支持部110と、クランクシャフト19が挿通され、外周面202aが押圧面に接触した状態で軸受孔に設けられる本体202を有し、本体に、押圧面よりもクランクシャフトの軸方向に突出する突出部202b、および、突出部の内周面202cから外周面または端面で貫通する貫通孔212を含む連通部210が設けられた軸受部材200と、を備える。【選択図】図8

Description

本開示は、舶用エンジンに関する。
舶用エンジンでは、例えば特許文献1に示されるように、連接棒の大端部にクランクシャフトが連結されている。連接棒の大端部、および、クランクケースには、クランクシャフトを軸支する軸受部材が設けられている。クランクケースには軸受抑えがボルト締めされ、クランクケースと軸受抑えとの間に、軸受部材が挟持されている。
クランクシャフトは、回転運動に伴って中心軸が傾くことがある。クランクシャフトの中心軸が傾くと、クランクシャフトが軸受部材の端部に接触し、両者が損耗するおそれがある。そのため、軸受部材は、軸受抑えよりも両端部を突出させた状態(オーバーハング)でクランクケースに取り付けられるのが一般的である。この場合、軸受部材は、軸受抑えよりも突出した突出部が径方向に拡径され、クランクシャフトの傾きが許容される。
特開2015−161242号公報
軸受部材をオーバーハングさせると、クランクシャフトの回転運動によって、突出部の内周面とクランクシャフトとのクリアランス量が変化する。クリアランス量の変化により、突出部の内周面とクランクシャフトとの間に保持される潤滑油の油膜圧力が変動する。この油膜圧力の変動により、突出部の付け根に応力が作用し、軸受部材が損耗するおそれがある。
本開示は、上記の課題に鑑み、軸受部材の損耗を抑制することが可能な舶用エンジンを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る舶用エンジンは、内周に押圧面が設けられた軸受孔を有する支持部と、クランクシャフトが挿通され、外周面が押圧面に接触した状態で軸受孔に設けられる本体を有し、本体に、押圧面よりもクランクシャフトの軸方向に突出する突出部、および、突出部の内周面から外周面または端面まで貫通する貫通孔を含む連通部が設けられた軸受部材と、を備える。
連通部は、軸方向に離隔して複数設けられてもよい。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る舶用エンジンは、内周に押圧面が設けられた軸受孔を有する支持部と、クランクシャフトが挿通され、外周面が押圧面に接触した状態で軸受孔に設けられる本体を有し、本体に、押圧面よりもクランクシャフトの軸方向に突出する突出部、および、突出部の内周面に形成され、突出部の端面から押圧面に近接する方向に延在する溝を含む連通部が設けられた軸受部材と、を備える。
連通部は、本体の周方向に離隔して複数設けられてもよい。
軸受部材は、クランクケース、および、クランクケースに取り付けられる軸受抑えに設けられてもよい。
軸受部材は、ピストンロッドに連結される連接棒に設けられてもよい。
本開示の舶用エンジンによれば、軸受部材の損耗を抑制することが可能となる。
図1は、舶用エンジンの全体構成を示す説明図である。 図2は、図1のII−II断面図である。 図3は、図2のIII線矢視図である。 図4は、図2のIV−IV断面図である。 図5は、図2のV−V断面図である。 図6は、軸受部材の斜視図である。 図7は、図5のVII−VII断面図である。 図8は、図7の破線部分の拡大図である。 図9は、比較例の舶用エンジンの軸受部材を示す図である。 図10は、第1変形例の軸受部材を示す図である。 図11は、第2変形例の軸受部材を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、舶用エンジン1の全体構成を示す説明図である。図1に示すように、舶用エンジン1は、ピストン3が内部に設けられるシリンダ5を備える。ピストン3は、シリンダ5内を往復移動する。ピストン3には、ピストンロッド7の一端が取り付けられている。ピストンロッド7の他端には、クロスヘッド9のクロスヘッドピン11が連結される。クロスヘッド9は、ガイドシュー9aにより、図1中、左右方向(ピストン3のストローク方向に垂直な方向)の移動が規制される。クロスヘッド9は、ガイドシュー9aがガイドされて、ピストン3と一体に往復移動する。
クロスヘッドピン11は、連接棒13の一端に設けられたクロスヘッド軸受15に軸支される。クロスヘッドピン11は、連接棒13の一端を支持している。ピストンロッド7の他端と連接棒13の一端は、クロスヘッド9を介して接続される。
連接棒13の他端には、大端部13aが設けられる。大端部13aには、軸受孔13bが形成されている。軸受孔13bには、金属製のすべり軸受17が設けられる。すべり軸受17に、クランクシャフト19のクランクピン19aが回転可能に軸支されている。なお、クランクシャフト19のクランクジャーナル19bは、後述のクランクケース100に設けられる軸受部材200に軸支されている。ピストン3と一体に連接棒13が往復移動すると、クランクシャフト19が回転する。
本実施形態の舶用エンジン1は、多気筒エンジンで構成される。クランクケース100は、クランクシャフト19の回転軸方向に延在する。図1では、シリンダ5が1つのみ示されているが、クランクケース100の上方には、複数のシリンダ5が、クランクシャフト19の回転軸方向に並列して設けられている。
シリンダ5の上端には、シリンダカバー21が設けられる。シリンダカバー21には、排気弁箱23が挿通される。排気弁箱23の一端は、ピストン3に臨んでいる。排気弁箱23の一端には、排気ポート23aが開口する。排気ポート23aは、燃焼室25に開口する。燃焼室25は、シリンダカバー21とシリンダ5とピストン3に囲繞されてシリンダ5の内部に形成される。
燃焼室25には、排気弁27の弁体が位置する。排気弁27のロッド部には、排気弁駆動装置29が取り付けられる。排気弁駆動装置29は、排気弁箱23に配される。排気弁駆動装置29は、排気弁27をピストン3のストローク方向に移動させる。
排気弁27がピストン3側に移動して開弁すると、シリンダ5内で生じた燃焼後の排気ガスが、排気ポート23aから排気される。排気後、排気弁27が排気弁箱23側に移動して、排気ポート23aが閉弁される。
排気管31は、排気弁箱23および過給機Cに取り付けられる。排気管31の内部は、排気ポート23aおよび過給機Cのタービン(不図示)に連通する。排気ポート23aから排気された排気ガスは、排気管31を通って過給機Cのタービンに供給された後、外部に排気される。
また、過給機Cのコンプレッサ(不図示)によって、活性ガスが加圧される。ここで、活性ガスは、例えば、空気である。加圧された活性ガスは、掃気溜33において、冷却器35によって冷却される。シリンダ5の下端は、シリンダジャケット37で囲繞される。シリンダジャケット37の内部には、掃気室39が形成される。冷却後の活性ガスは、掃気室39に圧入される。
シリンダ5の下端側には、掃気ポート5aが設けられる。掃気ポート5aは、シリンダ5の内周面から外周面まで貫通する孔である。掃気ポート5aは、シリンダ5の周方向に離隔して複数設けられている。ピストン3が掃気ポート5aより下死点側に移動すると、掃気室39とシリンダ5内の差圧によって、掃気ポート5aからシリンダ5内に活性ガスが吸入される。
また、シリンダカバー21には、燃料噴射弁41が設けられる。燃料噴射弁41の先端は燃焼室25側に向けられる。燃料噴射弁41は、燃焼室25に液体燃料(燃料油)を噴出する。液体燃料が燃焼し、その膨張圧によってピストン3が往復移動する。
図2は、図1のII−II断面図である。図3は、図2のIII線矢視図である。図4は、図2のIV−IV断面図である。図2、図3および図4では図示を省略しているが、クランクケース100には、クランクシャフト19が回転自在に支持されている。また、図2、図3および図4では、クランクシャフト19を軸支する後述の軸受部材200を省略している。
図2に示すように、クランクケース100には、複数の台板102が、クランクシャフト19の回転軸方向に互いに離隔して設けられている。すなわち、台板102の対向方向が、クランクシャフト19の回転軸方向となる。以下では、クランクシャフト19の回転軸方向を単に軸方向と呼ぶ。また、図4の左右方向を、クランクケース100の幅方向、あるいは、単に幅方向と呼ぶ。
台板102は、軸方向に垂直な平面を有している。台板102により、クランクケース100内のクランク室100aが、軸方向に複数に仕切られている。軸方向に対向する2つの台板102の間の上方に、上述のシリンダ5、ピストン3および連接棒13がそれぞれ配される。
図4に示すように、クランクケース100の幅方向の中央には支持部110が設けられる。支持部110は、台板102の幅方向中央に設けられる下側支持部120、および、台板102に取り付けられる軸受抑え130によって構成される。換言すれば、支持部110は、クランクケース100、および、クランクケース100に取り付けられる軸受抑え130に設けられる。
下側支持部120は、略半円状の下側押圧面120aを有する。下側押圧面120aは、クランクケース100の底部100b側に突出する向きに湾曲している。また、下側押圧面120aは、鉛直方向の上方に臨んでいる。すなわち、下側押圧面120aの曲率中心は、下側押圧面120aよりも鉛直上方に位置する。下側支持部120には、下側押圧面120aに連続する取付面120bが設けられている。取付面120bは、下側押圧面120aに対して、クランクシャフト19の径方向外方に連続している。取付面120bは、水平方向に延在している。取付面120bには、取付穴120cが設けられている。取付穴120cは、下側押圧面120aの幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
軸受抑え130は、下側支持部120に鉛直方向に対向して設けられる。軸受抑え130は、台板102と別部材で構成される。軸受抑え130は、略半円状の上側押圧面130aを有する。上側押圧面130aは、鉛直上方に突出する向きに湾曲している。すなわち、上側押圧面130aの曲率中心は、上側押圧面130aよりも鉛直下方に位置する。また、上側押圧面130aは、鉛直方向の下方に臨み、下側押圧面120aに鉛直方向に対向する。
軸受抑え130には、上側押圧面130aに連続する対向面130bが設けられている。対向面130bは、上側押圧面130aに対して、クランクシャフト19の径方向外方に連続している。対向面130bは、水平方向に延在し、下側支持部120の取付面120bに鉛直方向に対向する。軸受抑え130には、鉛直方向に貫通するボルト孔130cが形成されている。ボルト孔130cは、取付穴120cに鉛直方向に対向する。図4に示すように、ボルト孔130cは、上側押圧面130aの幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
ボルト孔130cには、ボルト132が挿通される。ボルト132の先端は、取付穴120cに螺合される。ボルト132により、軸受抑え130が下側支持部120に取り付けられる。ボルト132およびボルト孔130cは、図2に示すように、上側押圧面130aの幅方向の両側それぞれにおいて、軸方向に2つずつ設けられている。したがって、ボルト孔130cに鉛直方向に対向する取付穴120cも、下側押圧面120aの幅方向の両側それぞれにおいて、軸方向に2つずつ設けられている。
軸受抑え130が下側支持部120に取り付けられた状態では、対向面130bが取付面120bに面接触している。下側支持部120と、下側支持部120に取り付けられた軸受抑え130とによって、支持部110が構成される。支持部110は、軸方向に貫通する軸受孔110aを有する。軸受孔110aには、クランクシャフト19のクランクジャーナル19bが挿通される。軸受孔110aの内周においては、下側押圧面120aおよび上側押圧面130aが周方向に連続する。下側押圧面120aおよび上側押圧面130aにより、軸受孔110aの内周に押圧面110bが形成される。押圧面110bは、環状に延在している。ただし、下側押圧面120aおよび上側押圧面130aは、周方向の端部が互いに離隔してもよい。この場合、押圧面110bは、周方向に複数に分割されることとなる。
図5は、図2のV−V断面図である。図6は、軸受部材200の斜視図である。ただし、図5では、軸受抑え130および軸受部材200を断面で示し、下側支持部120を平面で示している。軸受孔110aには、クランクシャフト19(クランクジャーナル19b)を軸支する軸受部材200が設けられる。図5には、軸受孔110aに軸受部材200が取り付けられた状態を示している。図5および図6に示すように、軸受部材200は、クランクシャフト19(クランクジャーナル19b)が挿通される本体202を有する。本体202は、半円状の上側本体204および下側本体206に分割される。換言すれば、本体202は、半円状の上側本体204および下側本体206の両端を周方向に対向させて環状に形成されている。
上側本体204の内周面204aには、周方向に延在する周溝204bが形成されている。周溝204bは、上側本体204の軸方向の略中央に形成される。周溝204bは、上側本体204の周方向の一端から他端まで延在する。上側本体204には、油孔204cが形成されている。油孔204cは、上側本体204の内周面204aから外周面204dまで貫通する。油孔204cは、上側本体204の周方向の略中央であって、かつ、上側本体204の軸方向の略中央に形成される。油孔204cの内周面204a側の開口は、周溝204b上に設けられている。換言すれば、油孔204cの一端は、周溝204bに開口している。
図5に示すように、軸受抑え130には、供給孔130dが形成されている。供給孔130dは、一端が軸受抑え130の外壁面に開口し、他端が上側押圧面130aに開口している。本体202が軸受孔110aに設けられた状態では、油孔204cが供給孔130dに対向する。供給孔130dには、軸受抑え130の外部から潤滑油が供給される。潤滑油は、供給孔130dから油孔204cおよび周溝204bに導かれる。
図7は、図5のVII−VII断面図である。図8は、図7の破線部分の拡大図である。図7に示すように、軸受部材200の本体202は、軸受孔110aよりも軸方向に長く、オーバーハングしている。すなわち、本体202には、軸受孔110aの押圧面110bよりもクランクシャフト19の軸方向に突出する突出部202bが設けられる。突出部202bは、本体202の軸方向の両端に設けられる。
図8に示すように、本体202は、外周面202aが押圧面110bに接触した状態で軸受孔110aに設けられる。換言すれば、本体202には、ボルト132の締結力が、押圧面110bから作用している。本体202には、図8中白抜き矢印で示すように、押圧面110bから、径方向内側に縮径する力が作用する。その結果、軸受孔110aに軸受部材200が取り付けられた状態では、本体202の突出部202bは、径方向に拡径した状態となる。
つまり、本体202は、押圧面110bに径方向に対向する部位よりも、両端側の径が大きい。本体202の内周面202cとクランクシャフト19との間のクリアランス(軸受隙間)は、本体202の両端側に向けて大きくなる。これにより、クランクシャフト19が傾いた場合にも、クランクシャフト19が本体202の端部に接触し、両者が損耗するおそれがない。なお、図8では、理解を容易とするために、突出部202bが、実際よりも大きく拡径した状態を示している。
また、本体202には、連通部210が設けられている。連通部210は、本体202のうち突出部202bに形成される。本実施形態では、連通部210は、突出部202bの内周面202cから外周面202aまで貫通する貫通孔212で構成される。図6に示すように、連通部210は、本体202の周方向に離隔して複数設けられる。ここでは、連通部210は、周方向に等間隔で6か所に設けられている。また、連通部210は、本体202の軸方向の両端のそれぞれにおいて、軸方向に離隔して複数設けられる。ここでは、本体202の軸方向の両端のそれぞれにおいて、また、本体202の周方向の各位置において、2個の連通部210が軸方向に並列して設けられている。
ただし、突出部202bに設けられる連通部210の数は本実施形態に限定されるものではない。連通部210は、周方向に1つのみ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。また、連通部210が周方向に複数設けられる場合、周方向の間隔は不均等でもよい。また、連通部210は、本体202の両端のいずれか一方にのみ設けられてもよい。また、連通部210は、軸方向に1つのみ設けられてもよい。
ここでは、本体202の両端において、連通部210の周方向の位置が等しい。ただし、本体202の両端において、連通部210の周方向の位置が異なってもよい。また、複数の貫通孔212が設けられる場合、貫通孔212の形状、大きさは、全て同じでもよいし、一部もしくは全部が異なってもよい。
次に、本実施形態の舶用エンジン1の作用について、比較例を用いて説明する。図9は、比較例の舶用エンジン1Xの軸受部材200Xを示す図である。この比較例の軸受部材200Xは、本体202Xを備える。本体202Xは、連通部210が設けられていない点のみが、本実施形態に係る軸受部材200の本体202と異なる。また、比較例の舶用エンジン1Xは、軸受部材200に代えて軸受部材200Xが設けられる点のみが、本実施形態の舶用エンジン1と異なる。したがって、比較例の説明にあたり、本実施形態と比較例とで同一の構成については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ピストン3の上昇工程では、クランクジャーナル19bに対して上向きの力が作用する。ピストン3の下降工程では、クランクジャーナル19bに対して下向きの力が作用する。比較例の舶用エンジン1Xは多気筒エンジンであり、各気筒におけるピストン3から作用する力が複合的にクランクシャフト19に作用する。その結果、クランクジャーナル19bの回転軸中心は、鉛直方向あるいは水平方向に移動する。
本体202Xの内周面202cには潤滑油が導かれる。潤滑油は、内周面202cとクランクシャフト19との間のクリアランスに保持される。突出部202bにおいても、クランクシャフト19とのクリアランスに潤滑油が保持される。
クランクジャーナル19bが鉛直上方に移動すると、突出部202bの底部側(鉛直方向の下側の半周)においてクリアランス量が大きくなる。また、クランクジャーナル19bの傾きにより、突出部202bの底部側(鉛直方向の下側)においてクリアランス量が大きくなることもある。この場合、突出部202bの上部側(鉛直方向の上側)においては、クリアランス量が小さくなる。
例えば、突出部202bの底部側において、クリアランス量が急激に大きくなったとする。この場合、突出部202bの底部側では、クリアランスに保持される油膜圧力に負圧が発生する。この負圧により、図9中黒塗り矢印で示すように、突出部202bに対して、径方向内側に縮径させる力が作用する。その結果、突出部202bの付け根202b、すなわち、本体202Xの内周面202cのうち、押圧面110bとの境界部近傍に圧縮応力が作用する。
また、クランクジャーナル19bが鉛直下方に移動すると、突出部202bの底部側(鉛直方向の下側)においてクリアランス量が小さくなる。また、クランクジャーナル19bの傾きにより、突出部202bの底部側(鉛直方向の下側)においてクリアランス量が小さくなることもある。この場合、突出部202bの上部側(鉛直方向の上側)においては、クリアランス量が大きくなる。
例えば、突出部202bの底部側において、クリアランス量が急激に小さくなったとする。この場合、突出部202bの底部側では、クリアランスに保持される油膜圧力が高くなる。油膜圧力の上昇により、図9中、クロスハッチングの矢印で示すように、突出部202bに対して、径方向外側に拡径させる力が作用する。その結果、突出部202bの付け根202b、すなわち、本体202Xの内周面202cのうち、押圧面110bとの境界部近傍に引っ張り応力が作用する。
上記のように、突出部202bにおけるクリアランスの油膜圧力が変動すると、突出部202bの付け根202bに応力が作用し、軸受部材200Xが損耗するおそれがある。
これに対して、本実施形態の軸受部材200は、図8に示すように、連通部210としての貫通孔212が設けられている。貫通孔212は、突出部202bの内周面202c側において、クリアランスに開口する。貫通孔212は、突出部202bの外周面202a側において、クランクケース100のクランク室100aに開口する。クランク室100aは、大凡大気圧である。したがって、貫通孔212により、突出部202bにおけるクリアランスの圧力変動が抑制される。その結果、突出部202bの付け根202bに作用する応力が抑制され、軸受部材200の損耗が低減される。
ここでは、突出部202bの底部側において、クリアランスに保持される油膜圧力が変動する場合について説明した。しかしながら、突出部202bの上部側(上側本体204側)においても、上記と同様に、油膜圧力の変動が生じ得る。ただし、突出部202bのクリアランスに生じる油膜圧力の変動は、上部側よりも底部側の方が大きい。したがって、連通部210は、突出部202bの周方向のいずれに設けられてもよいが、少なくとも突出部202bの底部側に設けられるのが望ましい。
なお、上記実施形態では、貫通孔212が、付け根202bよりも本体202の軸方向の端部側に位置している。ただし、内周面202cのうち、押圧面110bとの境界部分となる突出部202bの付け根202bに、貫通孔212の内周面202c側の開口が設けられてもよい。換言すれば、付け根202bは、貫通孔212の内周面202c側の開口の範囲内に位置してもよい。
図10は、第1変形例の軸受部材200Aを示す図である。第1変形例の軸受部材200Aは、上記実施形態の軸受部材200における連通部210に代わり、連通部210Aが設けられる。連通部210Aの構成以外は、上記実施形態の軸受部材200と第1変形例の軸受部材200Aとで差異はない。軸受部材200Aは、クランクシャフト19(クランクジャーナル19b)が挿通される本体202Aを備える。本体202Aは、外周面202aが押圧面110bに接触した状態で軸受孔110aに設けられる。本体202Aには、押圧面110bよりもクランクシャフト19の軸方向に突出する突出部202bが設けられる。本体202Aに設けられる連通部210Aは、突出部202bの内周面202cから端面202dまで貫通する貫通孔216を含む。
貫通孔216の一端は、本体202Aの軸方向の端面202dに開口する。貫通孔216の他端は、内周面202cのうち、押圧面110bとの境界部分となる突出部202bの付け根202bに開口する。換言すれば、付け根202bは、貫通孔216の内周面202c側の開口の範囲内に位置している。ただし、貫通孔216の内周面202c側の開口は、付け根202bよりも、本体202Aの軸方向の端面202d側に位置してもよい。第1変形例の軸受部材200Aによっても、上記実施形態の軸受部材200と同様の作用効果が実現される。
図11は、第2変形例の軸受部材200Bを示す図である。第2変形例の軸受部材200Bは、上記実施形態の軸受部材200における連通部210に代わり、連通部210Bが設けられる。連通部210Bの構成以外は、上記実施形態の軸受部材200と第2変形例の軸受部材200Bとで差異はない。軸受部材200Bは、クランクシャフト19(クランクジャーナル19b)が挿通される本体202Bを備える。本体202Bは、外周面202aが押圧面110bに接触した状態で軸受孔110aに設けられる。本体202Bには、押圧面110bよりもクランクシャフト19の軸方向に突出する突出部202bが設けられる。本体202Bに設けられる連通部210Bは、突出部202bの内周面202cに形成される溝218を含む。溝218は、突出部202bの端面202dから、押圧面110bに近接する方向に延在する。ここでは、溝218は、端面202dから軸方向に延在している。
溝218は、本体202Bの軸方向の端面202dに開口する。また、溝218は、付け根202bよりも、本体202Bの軸方向中央側まで延在する。換言すれば、付け根202bは、溝218の範囲内に位置している。ただし、溝218は、付け根202bよりも端面202d側の範囲内、すなわち、突出部202bの範囲内に形成されてもよい。また、溝218は、軸方向に対して傾いてもよい。第2変形例の軸受部材200Bによっても、上記実施形態の軸受部材200と同様の作用効果が実現される。
なお、第1変形例の連通部210Aおよび第2変形例の連通部210Bは、上記実施形態の連通部210と同様、周方向に複数設けられてもよいし、1つのみ設けられてもよい。また、連通部210A、210Bが周方向に複数設けられる場合、周方向の間隔は不均等でもよい。また、連通部210A、210Bは、本体202A、202Bの両端のいずれか一方にのみ設けられてもよいし双方に設けられてもよい。また、連通部210Aは、軸方向に1つのみ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。
また、軸受部材は、上記の貫通孔212、216および溝218を組み合わせて備えてもよい。
また、上記実施形態および各変形例では、支持部110および軸受部材200、200A、200Bが、クランクケース100および軸受抑え130に設けられている。しかしながら、上記の支持部110および軸受部材200、200A、200Bは、ピストンロッド7に連結される連接棒13に設けられてもよい。つまり、支持部110が連接棒13に設けられ、すべり軸受17が、上記の軸受部材200、200A、200Bで構成されてもよい。この場合、連接棒13の軸受孔13bの内周面が押圧面となる。すなわち、クランクピン19aを軸支する軸受部材、および、クランクジャーナル19bを軸支する軸受部材のいずれか一方または双方が、軸受部材200、200A、200Bで構成されればよい。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
本開示は、舶用エンジンに利用することができる。
1 舶用エンジン
13 連接棒
13b 軸受孔
19 クランクシャフト
100 クランクケース
110 支持部
110a 軸受孔
110b 押圧面
130 軸受抑え
200、200A、200B 軸受部材
202、202A、202B 本体
202a 外周面
202b 突出部
202c 内周面
202d 端面
210、210A、210B 連通部
212、216 貫通孔
218 溝

Claims (6)

  1. 内周に押圧面が設けられた軸受孔を有する支持部と、
    クランクシャフトが挿通され、外周面が前記押圧面に接触した状態で前記軸受孔に設けられる本体を有し、前記本体に、前記押圧面よりも前記クランクシャフトの軸方向に突出する突出部、および、前記突出部の内周面から外周面または端面まで貫通する貫通孔を含む連通部が設けられた軸受部材と、
    を備える舶用エンジン。
  2. 前記連通部は、前記軸方向に離隔して複数設けられる請求項1に記載の舶用エンジン。
  3. 内周に押圧面が設けられた軸受孔を有する支持部と、
    クランクシャフトが挿通され、外周面が前記押圧面に接触した状態で前記軸受孔に設けられる本体を有し、前記本体に、前記押圧面よりも前記クランクシャフトの軸方向に突出する突出部、および、前記突出部の内周面に形成され、前記突出部の端面から前記押圧面に近接する方向に延在する溝を含む連通部が設けられた軸受部材と、
    を備える舶用エンジン。
  4. 前記連通部は、前記本体の周方向に離隔して複数設けられる請求項1から3のいずれか1項に記載の舶用エンジン。
  5. 前記軸受部材は、クランクケース、および、前記クランクケースに取り付けられる軸受抑えに設けられる請求項1から4のいずれか1項に記載の舶用エンジン。
  6. 前記軸受部材は、ピストンロッドに連結される連接棒に設けられる請求項1から5のいずれか1項に記載の舶用エンジン。
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