以下、図面を参照して、実施形態における加工シミュレーション装置1A、工作機械システム100、加工シミュレーション方法、および、プログラム(より具体的には、演算プログラム59)について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1乃至図40を参照して、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1A、工作機械6、および、工作機械システム100について説明する。図1は、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2は、第1の実施形態における工作機械6を模式的に示す概略斜視図である。図3は、表示装置15に、工作機械モデル6mが表示されている様子を模式的に示す図である。図4は、工具長N1、および、工具保持ユニット8に対する工具7の突き出し長さN2を説明するための図である。図5は、モデル工具長L1、および、保持ユニットモデル3に対する工具モデル2の突き出し長さL2について説明するための図である。図6は、演算装置12が、工具情報TFに基づいて、特定工具モデル2s、特定保持ユニットモデル3s、および、突き出し長さL2の推奨値RVを導出する様子を模式的に示す図である。図7は、特定工具モデル2sの一例を模式的に示す概略側面図である。図8は、特定保持ユニットモデル3sの一例を模式的に示す概略側面図である。図9は、メモリ5に、工具情報TFと、突き出し長さL2の推奨値RVとを関連付ける関連付けデータ41aが記憶されている様子を模式的に示す図である。図10は、工具情報TFと、突き出し長さL2の推奨値RVとを関連付ける関連付けデータ41bの一例を示す図である。図11は、刃先角α、切れ刃長さV1、内接円直径V2、頭部の長さV3、付加長さV4について説明するための図である。図12は、工具情報TFと、突き出し長さL2の推奨値RVとを関連付ける関連付けデータ41bの他の一例を示す図である。図13は、突き出し長さL2の推奨値RVを算出する計算式の一例を示す図である。図14は、アセンブリモデルAMの一例を模式的に示す概略側面図である。図15は、突き出し長さL2の推奨値RVが、オペレータが編集可能な形式で表示されている様子を模式的に示す図である。図16は、突き出し長さL2の推奨値RVが補正値MVに補正された後の様子を模式的に示す図である。図17は、加工シミュレーションが行われている様子を模式的に示す図である。図18は、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aを模式的に示す機能ブロック図である。図19は、加工シミュレーション装置1Aに工具情報TFが入力される様子を模式的に示す図である。図20は、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMが表示されている様子を模式的に示す図である。図21および図22は、表示装置15に、突き出し長さL2の推奨値RV等が表示されている様子を模式的に示す図である。図23は、表示装置15に、特定保持ユニットモデルになり得る複数の候補が表示されている様子を模式的に示す図である。図24は、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMが表示されている様子を模式的に示す図である。図25は、表示装置15に、突き出し長さL2の推奨値RV等が表示されている様子を模式的に示す図である。図26は、溝深さ対応長さVLについて説明するための図である。図27は、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMが表示されている様子を模式的に示す図である。図28は、表示装置15に、突き出し長さL2の推奨値RV等が表示されている様子を模式的に示す図である。図29は、特定工具モデル2sと、特定保持ユニットモデル3sと、突き出し長さL2の推奨値RVとに基づいて、干渉チェック領域RGが設定される様子を模式的に示す図である。図30は、特定工具モデル2sと、特定保持ユニットモデル3sと、突き出し長さL2の補正値MVとに基づいて、干渉チェック領域RGが設定される様子を模式的に示す図である。図31は、異常干渉の有無のチェックが行われている様子を模式的に示す図である。図32は、表示装置15に、工具種別TTの入力または選択を受け付ける画像を含む第1画像IM1が表示されている様子を模式的に示す図である。図33は、表示装置15に、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像を含む第2画像IM2が表示されている様子を模式的に示す図である。図34は、表示装置15に、突き出し長さL2の推奨値RV等が表示されている様子を模式的に示す図である。図35は、突き出し長さL2の推奨値RVが補正値MVに補正された後の様子を模式的に示す図である。図36は、第2画像IM2が閉じられた後、表示装置15に、第3画像IM3が表示されている様子を模式的に示す図である。図37は、工作機械6の制御ユニットUTのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図38は、第2表示装置68に、インストラクション画像IM4が表示されている様子を模式的に示す図である。図39は、第1の実施形態における工作機械システム100を模式的に示す図である。図40は、第1の実施形態の変形例における工作機械システム100を模式的に示す図である。
(加工シミュレーション装置1A)
図1に示されるように、加工シミュレーション装置1Aは、演算装置12と、メモリ5とを備える。加工シミュレーション装置1Aは、通信回路13を備えていてもよい。また、加工シミュレーション装置1Aは、表示装置15、および/または、入力装置16を備えていていてもよい。入力装置16は表示装置15に組み込まれていてもよい(より具体的には、表示装置15は、入力装置16aを内蔵したタッチパネル付きディスプレイ152であってもよい。)。代替的に、あるいは、付加的に、加工シミュレーション装置1Aは、表示装置とは別に設けられた入力装置16b(例えば、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等)を備えていてもよい。
加工シミュレーション装置1Aは、1つのコンピュータによって構成されていてもよい。代替的に、複数のコンピュータが協働して加工シミュレーション装置1Aとして機能してもよい。換言すれば、加工シミュレーション装置1Aは、1つのコンピュータを含んでいてもよく、複数のコンピュータを含んでいてもよい。
図1に記載の例では、演算装置12と、通信回路13と、メモリ5と、表示装置15および/または入力装置16とは、バス17を介して互いに接続されている。演算装置12は、少なくとも1つのプロセッサ12a(例えば、少なくとも1つのCPU)を含む。
メモリ5は、演算装置12によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ5は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。メモリ5は、演算プログラム59(例えば、シミュレーション演算プログラム59a、アセンブリモデル作成プログラム59b、表示プログラム59c)、加工プログラム58、および、データ(例えば、ホルダモデルのデータ51a、ソケットモデルのデータ52a、構成モデルのデータ55a、ワークモデルのデータ57a)を記憶する。
メモリ5は、複数の場所に分散配置されていてもよい。例えば、加工プログラム58を記憶するメモリが、データあるいは演算プログラム59を記憶するメモリとは、別に設けられていてもよい。
メモリ5の一部は、通信回路13から遠い位置に配置されていてもよい。換言すれば、演算装置12が演算プログラム59を実行する際に、メモリ5は、通信回路13を介して、演算装置12に、演算プログラム59の少なくとも一部、あるいは、データの一部を提供してもよい。データの少なくとも一部は、入力装置16を介してオペレータによって入力され、入力されたデータがメモリ5に記憶されてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、データの少なくとも一部は、他のコンピュータから加工シミュレーション装置1Aに送信されてもよい。この場合、演算装置12は、通信回路13を介して受信するデータをメモリ5に記憶する。
図2には、工作機械6の一例が示されている。工作機械6は、例えば、旋盤60である。代替的に、工作機械6は、マシニングセンタ、あるいは、その他の工作機械であってもよい。
図2に記載の例では、工作機械6(より具体的には、旋盤60)は、工具7と、工具7を保持する工具保持ユニット8と、工具保持ユニット8を支持する支持体61(例えば、タレット62)と、を有する。支持体61は、他の工具保持ユニット8-2を介して他の工具7-2を保持していてもよい。支持体61は、複数の工具保持ユニットを、それぞれ取り付け可能な、複数の取付面614を有していてもよい。
図2に記載の例では、工作機械6(より具体的には、旋盤60)は、複数の構成要素9を有する。図2に記載の例では、構成要素9は、ワークWを保持するワーク保持装置90(例えば、チャック93、爪94等)を含む。構成要素9は、芯押し台99を含んでいてもよい。
図3には、加工シミュレーションにおいて用いられる工作機械6のモデルである工作機械モデル6mの一例が示されている。より具体的には、図3には、工作機械6を構成する構成要素の少なくとも一部をモデリングした複数の構成モデル9mが示されている。また、図3には、工具7をモデリングした工具モデル2と、工具保持ユニット8をモデリングした保持ユニットモデル3と、支持体61(より具体的には、タレット62)をモデリングした支持体モデル61m(より具体的には、タレットモデル62m)とが示されている。更に、図3には、他の工具保持ユニット8-2をモデリングした他の保持ユニットモデル3-2と、他の工具7-2をモデリングした他の工具モデル2-2とが示されている。工具モデル2は、工具7に対応し、工具7と概ね同じ形状を有する。保持ユニットモデル3は、工具保持ユニット8に対応し、工具保持ユニット8と概ね同じ形状を有する。支持体モデル61m(例えば、タレットモデル62m)は、支持体61(例えば、タレット62)に対応し、支持体61(例えば、タレット62)と概ね同じ形状を有する。支持体モデル61mは、複数の保持ユニットモデル3を、それぞれ仮想的に取り付け可能な、複数の仮想取付面614mを有していてもよい。他の保持ユニットモデル3-2は、他の工具保持ユニット8-2に対応し、他の工具保持ユニット8-2と概ね同じ形状を有する。また、他の工具モデル2-2は、他の工具7-2に対応し、他の工具7-2と概ね同じ形状を有する。
図3に例示されるように、工作機械6を構成する構成要素の少なくとも一部をモデリングした複数の構成モデル9mは、工作機械6の複数の構成要素9にそれぞれ対応する。例えば、ワーク保持装置モデル90mは、ワーク保持装置90に対応し、ワーク保持装置90と概ね同じ形状を有する。より具体的には、爪モデル94mは、工作機械6を構成する構成要素の1つである爪94に対応し、爪94と概ね同じ形状を有する。また、チャックモデル93mは、工作機械6を構成する構成要素の1つであるチャック93に対応し、チャック93と概ね同じ形状を有する。また、芯押し台モデル99mは、芯押し台99に対応し、芯押し台99と概ね同じ形状を有する。図3に記載の例において、ワーク保持装置モデル90mは、ワークモデルWmを仮想的に保持している。ワークモデルWmは、ワークWに対応する。また、ワークモデルWmは、ワークWと概ね同じ形状を有する。
図4には、工具長N1と、工具保持ユニット8に対する工具7の突き出し長さN2とが示されている。なお、工具長N1は、例えば、工作機械6の機械原点G0(あるいは、機械原点G0に対して位置固定された基準点)から工具7の先端7eまでの距離(より具体的には、工具7の長手方向に沿う方向における距離)を意味する。
図5には、加工シミュレーションで用いられる3Dモデルの一部(より具体的には、保持ユニットモデル3と工具モデル2とが組み合わせられたアセンブリモデルAM、および、支持体モデル61m)が示されている。図5において、保持ユニットモデル3に対する工具モデル2の取付位置(換言すれば、相対位置)が変化すると、保持ユニットモデル3に対する工具モデル2の突き出し長さL2が変化する。なお、図5に記載の例において、突き出し長さL2は、工具モデル2の長手方向に沿う方向における、保持ユニットモデル3に対する工具モデル2の突き出し長さである。
突き出し長さL2が変化すると、モデル工具長L1も変化する。なお、モデル工具長L1は、モデル基準点F0から工具モデル2の先端2eまでの距離(より具体的には、工具モデル2の長手方向に沿う方向における距離)を意味する。また、モデル基準点F0は、シミュレーション座標系において機械原点G0に対応する点、あるいは、シミュレーション座標系において機械原点G0に対して位置固定された基準点に対応する点を意味する。なお、モデル基準点F0の位置データは、予め、メモリ5に記憶されていることが好ましい。
加工シミュレーションで用いられる3Dモデルに関し、複数の工具モデル2および複数の保持ユニットモデル3が用意される場合、上述のモデル工具長L1あるいは上述の突き出し長さL2を適切に設定するためには、専門的な経験あるいは知識が要求される。これに対し、第1の実施形態では、加工シミュレーション装置1Aが、上述の突き出し長さL2の推奨値を導出する。このため、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aが用いられる場合、経験の少ないオペレータでも、上述の突き出し長さL2(あるいは、上述のモデル工具長L1)を適切に設定することができる。以下において、突き出し長さL2の推奨値の導出について、より詳細に説明する。
図1に記載の例において、メモリ5は、複数の保持ユニットモデル3(より具体的には、複数の保持ユニットモデル3のデータ(51a、52a))、演算プログラム59、および、加工プログラム58を記憶する。メモリ5は、複数の構成モデル9m(より具体的には、複数の構成モデル9mのデータ55a)を記憶していてもよい。また、メモリ5は、加工前のワークWをモデリングしたワークモデルWm(より具体的には、ワークモデルWmのデータ57a)を記憶していてもよい。
図6に例示されるように、演算装置12は、工具情報TFに基づいて、工具7をモデリングした特定工具モデル2sを設定(より具体的には、選択または作成)する。
例えば、工具情報TFが、回転工具71sを特定する情報を有している場合(あるいは、回転工具71sの一部の形状を特定する情報を有している場合)、演算装置12は、当該回転工具71sをモデリングした特定の回転工具モデル21sを設定(より具体的には、選択または作成)する。演算装置12は、メモリ5に記憶された複数の工具モデル2(より具体的には、複数の工具モデル2のデータ53a)の中から、回転工具71sに整合する特定の回転工具モデル21s(より具体的には、特定の回転工具モデル21sのデータ)を選択してもよい。代替的に、演算装置12は、回転工具71sをモデリングした特定の回転工具モデル21s(より具体的には、特定の回転工具モデル21sのデータ)を作成してもよい。
図7には、演算装置12によって設定(より具体的には、選択または作成)された特定工具モデル2sの一例が示されている。
図6に例示されるように、演算装置12は、上述の工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを選択する。より具体的には、演算装置12は、上述の工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデルのデータ(51a、52a)の中から特定保持ユニットモデル3sのデータを選択する。なお、演算装置12によって選択される特定保持ユニットモデル3sは、上述の工具情報TFまたは上述の特定工具モデル2sに適合する保持ユニットモデルである。
図8には、演算装置12によって選択された特定保持ユニットモデル3sの一例が示されている。
図6に例示されるように、演算装置12は、上述の工具情報TFに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RV(より具体的には、特定工具モデル2sの長手方向に沿う方向における、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RV)を導出する。
例えば、図9に例示されるように、メモリ5に、工具情報TF(より具体的には、工具識別子70i)と、突き出し長さL2の推奨値RVとを関連付ける関連付けデータ41aが記憶されている場合を想定する。この場合、演算装置12は、関連付けデータ41aを用いて、工具情報TF(より具体的には、工具識別子70i)に基づいて、上述の突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。
代替的に、図10に例示されるように、メモリ5に、工具情報TF(より具体的には、工具種別TTおよび工具特徴データTC)と、突き出し長さL2の推奨値RVとを関連付ける関連付けデータ41bが記憶されている場合を想定する。この場合、演算装置12は、関連付けデータ41bを用いて、工具情報TF(より具体的には、工具種別TTおよび工具特徴データTC)に基づいて、上述の突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。
なお、図10に記載の例では、演算装置12は、工具種別TTおよび刃先角αのみに基づいて、上述の突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。より具体的には、刃先角αから切れ刃長さV1を導出でき、切れ刃長さV1から内接円直径V2(図11を参照。)を導出でき、内接円直径V2から頭部の長さV3(図11を参照。)を導出できる。また、頭部の長さV3と、付加長さV4(図11を参照。)とを加算することにより、突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。
代替的に、図12に記載の例では、1つの刃先角(80度)に対して、複数の切れ刃長さ(9mm、8mm)が用意されている。この場合、演算装置12は、工具種別TT、刃先角α、および、切れ刃長さV1に基づいて、上述の突き出し長さL2の推奨値RVを導出するように構成されてもよい。
更に代替的に、図13に例示されるように、メモリ5に、突き出し長さL2の推奨値RVを算出する計算式が記憶されている場合を想定する。この場合、演算装置12は、工具情報TF(より具体的には、工具種別TTおよび工具特徴データTC)と、メモリ5に記憶された計算式とに基づいて、上述の突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。
図14には、上述の特定工具モデル2sと、上述の特定保持ユニットモデル3sとが、上述の突き出し長さL2が推奨値RVになるよう組み合わせられた、アセンブリモデルAMの一例が示されている。
図15に例示されるように、表示装置15は、演算装置12によって導出された上述の推奨値RVを、オペレータが編集可能な形式で表示してもよい。図15に記載の例では、表示装置15に、推奨値RVを変更するボタン153(より具体的には、プラスボタン153p、および、マイナスボタン153n)が表示されている。図15に記載の例では、オペレータは、入力装置16を介して、表示装置15に表示されたボタン153を操作することにより、上述の突き出し長さL2を、推奨値RVから補正値MV(換言すれば、推奨値RVから補正された補正値MV)に変更可能である。
図16には、上述の突き出し長さL2が、推奨値RVから補正値MVに変更された後の状態が示されている。なお、突き出し長さL2が、推奨値RVから補正値MVに変更されることに伴い、表示装置15に表示された画像においてアセンブリモデルAMの形状も変化している。
図15または図16に例示されるように、演算装置12は、特定工具モデル2sと、特定保持ユニットモデル3sとが、上述の突き出し長さL2が上述の推奨値RVまたは上述の補正値MVになるよう組み合わせられたアセンブリモデルAMを作成する。
なお、アセンブリモデルAMには、特定工具モデル2s、および、特定保持ユニットモデル3sに加えて、支持体モデル61m(より具体的には、タレットモデル62m)が含まれていてもよい。また、図15および図16に記載の例では、アセンブリモデルAMが表示装置15に表示されている。代替的に、表示装置15へのアセンブリモデルAMの表示は、省略されてもよい。
図17に例示されるように、演算装置12は、複数の構成モデル9mとワークモデルWmとアセンブリモデルAMとを用いて、加工プログラム58を仮想的に実行することにより、上述のアセンブリモデルAMが、複数の構成モデル9m(例えば、爪モデル94m、チャックモデル93m、芯押し台モデル99m等)のいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックする。なお、本明細書において、「異常干渉」とは、干渉すべきでないモデル同士の干渉を意味する。例えば、「異常干渉」には、(1)特定保持ユニットモデル3sと、ワークモデルWmとの間の干渉、(2)アセンブリモデルAMと、爪モデル94mとの間の干渉、(3)アセンブリモデルAMと、芯押し台モデル99mとの間の干渉、等が含まれる。なお、本明細書において、加工プログラム58を仮想的に実行することには、演算装置12が、演算プログラム59を介して加工プログラム58を実行することが包含される。換言すれば、演算装置12が、演算プログラム59を実行することにより、演算装置12によって加工プログラム58が処理(換言すれば、解釈)されてもよい。また、演算装置12は、当該処理に基づいて(換言すれば、当該解釈に基づいて)、上述の異常干渉の有無をチェックしてもよい。また、本明細書において、演算装置12によって仮想的に実行される加工プログラムには、ワーク加工に際し、工作機械の演算装置によって実際に実行される加工プログラムの他に、当該加工プログラムをシミュレーション用に編集した疑似的加工プログラムも包含される。
演算装置12は、加工プログラム58を仮想的に実行することにより、上述のアセンブリモデルAMとともに移動するモデル(例えば、支持体モデル61m、支持体モデル61mに仮想的に取り付けられた他の保持ユニットモデル3-2、あるいは、他の工具モデル2-2)が、複数の構成モデル9m(例えば、ワーク保持装置モデル90m、芯押し台モデル99m)のいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックしてもよい。
第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aでは、工具情報TFに基づいて、加工シミュレーションで用いられる特定保持ユニットモデル3sが選択される。また、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aでは、当該選択が演算装置12によって行われるため、オペレータの作業負担が低減される。また、演算装置12によって、工具情報TFに整合する特定工具モデル2sが設定され(より具体的には、選択または作成され)、工具情報TFに適合する特定保持ユニットモデル3sが選択される。このため、工具情報TFに基づいて適切に設定または選択されたモデルを用いて、加工シミュレーションを行うことができる。
第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aでは、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVが導出される。また、当該突き出し長さL2の推奨値RVの導出が、演算装置12によって行われる。よって、経験の少ないオペレータによって加工シミュレーション装置1Aが操作される場合でも、上述の突き出し長さL2を適切に設定することができる。また、突き出し長さL2が適切に設定されるため、加工シミュレーションにおいて、高精度に干渉チェックを行うことができる。更に、加工シミュレーションにおいて、高精度に干渉チェックが行われることにより、工作機械6を用いて行う干渉チェックを省略または簡略化することができる。加工サイトでの干渉チェックが省略または簡略化されることにより、工作機械6の稼働率を向上させることができる。また、加工サイトにおけるオペレータの作業負担が低減される。
工作機械6は加工サイトへの設置が必須であるのに対し、加工シミュレーション装置1Aは、加工サイト、オフィス、あるいは、オペレータの自宅のいずれにも設置可能である。加工シミュレーション装置1Aが加工サイト以外に設置される場合、オペレータの作業環境が改善される。
また、段取り作業の一部がデジタル化され、DX(デジタルトランスフォーメーション)が促進される。換言すれば、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aを用いることにより、業務フローを改善するためのDXが促進される。
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図38を参照して、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
(工具モデル記憶部53)
図18に例示されるように、メモリ5の一部は、複数の工具モデル2をそれぞれモデリングした複数の工具モデルのデータ53aを記憶する工具モデル記憶部53を構成していてもよい。複数の工具モデルのデータ53aは、少なくとも、各工具モデルを識別する識別子531iと、各工具モデルの形状データ532sとを含む。
メモリ5(より具体的には、工具モデル記憶部53)は、工具モデルを識別する識別子531iを、当該工具モデルの形状データ532sに関連付けて記憶する。メモリ5(より具体的には、工具モデル記憶部53)は、工具モデルを識別する識別子531iを、当該工具モデルに適合する保持ユニットモデルを識別する識別子501iに関連付けて記憶してもよい。
演算装置12によって新たな工具モデルのデータ53aが作成されることに応じて、当該新たな工具モデルのデータ53aが、メモリ5(より具体的には、工具モデル記憶部53)に記憶されるようにしてもよい。
(保持ユニットモデル3)
図2に例示されるように、工具7は、工具保持ユニット8によって保持される。
ある種の工具は、工具ホルダによって直接的に支持される。この場合、工具保持ユニット8は、工具ホルダのみによって構成される。また、この場合、図21に例示されるように、工具保持ユニット8に対応する保持ユニットモデル3は、工具ホルダに対応するホルダモデル31のみによって構成される。本明細書において、工具を直接的に支持する工具ホルダに対応するホルダモデルのことを、「第1タイプのホルダモデル」と呼ぶ。図21には、第1タイプのホルダモデル31fの一例が示されている。
ある種の工具は、ソケットを介して、工具ホルダに支持される。この場合、工具保持ユニット8は、工具ホルダとソケットとの組み合わせによって構成される。また、この場合、図22に例示されるように、工具保持ユニット8に対応する保持ユニットモデル3は、工具ホルダに対応するホルダモデル31と、ソケットに対応するソケットモデル32との組み合わせによって構成される。本明細書において、ソケットを介して工具を支持する工具ホルダに対応するホルダモデルのことを、「第2タイプのホルダモデル」と呼ぶ。図22には、第2タイプのホルダモデル31gの一例が示されている。
(第1データベース51)
図18に例示されるように、メモリ5の一部は、複数の工具ホルダをそれぞれモデリングした複数のホルダモデル31のデータ51aを記憶する第1データベース51を構成していてもよい。複数のホルダモデルのデータ51aは、少なくとも、各ホルダモデルを識別する第1識別子511iと、各ホルダモデルの形状データ512sとを含む。複数のホルダモデルのデータ51aは、各ホルダモデルが、第1タイプのホルダモデル31fであるか、第2タイプのホルダモデル31gであるかを特定するデータ513tを含んでいてもよい。また、複数のホルダモデルのデータ51aは、各ホルダモデルの基準位置を特定するデータ514pを含んでいてもよい。
メモリ5(より具体的には、第1データベース51)は、ホルダモデル31を識別する第1識別子511iを、当該ホルダモデルの形状データ512sに関連付けて記憶する。メモリ5(より具体的には、第1データベース51)は、第1タイプのホルダモデル31fを識別する第1識別子511iを、当該ホルダモデルに適合する工具モデルを識別する識別子531iに関連付けて記憶してもよい。また、メモリ5(より具体的には、第1データベース51)は、第2タイプのホルダモデル31gを識別する第1識別子511iを、当該ホルダモデルに適合するソケットモデルを識別する第2識別子521iに関連付けて記憶してもよい。
(第2データベース52)
図18に例示されるように、メモリ5の一部は、複数のソケットをそれぞれモデリングした複数のソケットモデル32のデータ52aを記憶する第2データベース52を構成していてもよい。複数のソケットモデルのデータ52aは、少なくとも、各ソケットモデルを識別する第2識別子521iと、各ソケットモデルの形状データ522sとを含む。
メモリ5(より具体的には、第2データベース52)は、ソケットモデル32を識別する第2識別子521iを、当該ソケットモデルの形状データ522sに関連付けて記憶する。メモリ5(より具体的には、第2データベース52)は、ソケットモデル32を識別する第2識別子521iを、当該ソケットモデルに適合するホルダモデルを識別する第1識別子511iに関連付けて記憶してもよい。また、メモリ5(より具体的には、第2データベース52)は、ソケットモデル32を識別する第2識別子521iを、当該ソケットモデルに適合する工具モデルを識別する識別子531iに関連付けて記憶してもよい。
(支持体モデル記憶部54)
図18に例示されるように、メモリ5の一部は、工具保持ユニット8を支持する支持体61をモデリングした支持体モデル61mのデータ54aを記憶する支持体モデル記憶部54を構成していてもよい。支持体モデル61mのデータ54aは、少なくとも、支持体モデルを識別する識別子541iと、支持体モデルの形状データ542sとを含む。支持体モデル61mのデータ54aは、支持体モデル61mの複数の仮想取付面614mの各々を識別する第3識別子544iを含んでいてもよい。
メモリ5(より具体的には、支持体モデル記憶部54)は、仮想取付面614mを識別する第3識別子544iを、当該仮想取付面614mに仮想的に取り付けられる工具の工具情報TFに関連付けて記憶してもよい。
(構成モデル記憶部55)
図18に例示されるように、メモリ5の一部は、工作機械6を構成する要素の少なくとも一部をモデリングした構成モデル9mのデータ55aを記憶する構成モデル記憶部55を構成していてもよい。複数の構成モデル9mのデータ55aは、少なくとも、各構成モデルを識別する識別子551iと、各構成モデルの形状データ552sとを含む。
(工具情報記憶部56)
図18に例示されるように、メモリ5の一部は、上述の突き出し長さL2の推奨値RVの導出のために利用される工具情報TFを記憶する工具情報記憶部56を構成していてもよい。工具情報TFは、工具を識別する工具識別子70i(図9を参照。)を含んでいてもよい。代替的に、工具情報TFは、工具種別TT(図10、図12、図13を参照。)、および、工具特徴データTC(図10、図12、図13を参照。)、を含んでいてもよい。
(ワークモデル記憶部57)
図18に例示されるように、メモリ5の一部は、加工前のワークWをモデリングしたワークモデルWmのデータ57aを記憶するワークモデル記憶部57を構成していてもよい。ワークモデルWmのデータ57aは、少なくとも、ワークモデルを識別する識別子571iと、ワークモデルの形状データ572sとを含む。
(演算装置12)
図18に例示されるように、演算装置12は、工具モデル設定部121と、保持ユニットモデル選択部122と、突き出し長さ導出部123と、アセンブリモデル作成部124と、モデル工具長算出部125と、加工シミュレーション部126と、を有していてもよい。より具体的には、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59を実行することにより、演算装置12を、工具モデル設定部121と、保持ユニットモデル選択部122と、突き出し長さ導出部123と、アセンブリモデル作成部124と、モデル工具長算出部125と、加工シミュレーション部126として機能させてもよい。
(工具情報TFの入力)
図19に例示されるように、工具情報TFは、加工シミュレーション装置1Aに入力される。加工シミュレーション装置1Aへの工具情報TFの入力は、例えば、入力装置16(換言すれば、ユーザインターフェース)を用いて行われる。代替的に、加工シミュレーション装置1Aへの工具情報TFの入力は、通信回路13が他のコンピュータから工具情報TFを受け取ることによって行われてもよい。
(特定工具モデル2sの自動選択または自動作成)
メモリ5に記憶された演算プログラム59が演算装置12によって実行されることにより、演算装置12(より具体的には、工具モデル設定部121)は、工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の工具モデル2の中から、工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを自動選択してもよい。
例えば、工具識別子70i(工具情報TFの一態様)に基づいて、特定工具モデル2sが自動選択されてもよい。図9に記載の例では、メモリ5に、工具識別子70iと、工具モデル(より具体的には、工具モデルの識別子531i)とが関連付けられて記憶されている。この場合、演算装置12は、当該関連付けデータを用いて、工具識別子70iに基づいて、メモリ5に記憶された複数の工具モデル2の中から、工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを自動選択することができる。
代替的に、図19に例示されるように、工具種別TTおよび工具特徴データTCを含む工具情報TFが入力されることに応じて、演算装置12によって、特定工具モデル2sが自動選択されてもよい。例えば、メモリ5に、工具種別TTおよび工具特徴データTCを含む工具情報TFと、当該工具情報TFに整合する工具モデル2とを関連付ける関連付けデータが記憶されている場合を想定する。この場合、演算装置12は、当該関連付けデータを用いて、工具種別TTおよび工具特徴データTCに基づいて、メモリ5に記憶された複数の工具モデルの中から特定工具モデル2sを自動選択することができる。
更に代替的に、上述の自動選択にAI技術が使用されてもよい。例えば、(1)工具種別TTおよび工具特徴データTCを入力データ、工具モデル2を出力データとする教師データを用いて機械学習を実行し、(2)機械学習によって得られる学習済みモデルをメモリ5に記憶する。演算装置12は、工具種別TTおよび工具特徴データTCを、メモリ5に記憶された学習済みモデルに入力し、出力された工具モデルを特定工具モデル2sとして自動選択する。
更に代替的に、演算装置12は、工具情報TFに基づいて、工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを自動作成するように構成されていてもよい。例えば、工具情報TFに工具の外形形状を特定するのに十分な形状データが含まれている場合には、演算装置12は、当該形状データに基づいて、工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを自動作成することができる。自動作成された特定工具モデル2sのデータは、メモリ5に記憶されることが好ましい。
(特定保持ユニットモデル3sの自動選択)
メモリ5に記憶された演算プログラム59が演算装置12によって実行されることにより、演算装置12(より具体的には、保持ユニットモデル選択部122)は、工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から、特定保持ユニットモデル3sを選択する。演算装置12は、工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から、特定保持ユニットモデル3sを自動選択してもよい。
例えば、図9に例示されるように、メモリ5に、工具情報TF(より具体的には、工具識別子70i)と、保持ユニットモデル(より具体的には、保持ユニットモデルの識別子501i)とを関連付ける関連付けデータが記憶されている場合を想定する。この場合、演算装置12は、当該関連付けデータを用いて、工具情報TF(より具体的には、工具識別子70i)に基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から、工具情報TFに適合する特定保持ユニットモデル3sを自動選択することができる。
代替的に、図19に例示されるように、工具種別TTおよび工具特徴データTCを含む工具情報TFが入力されることに応じて、演算装置12によって、特定保持ユニットモデル3sが自動選択されてもよい。例えば、メモリ5に、工具種別TTおよび工具特徴データTCを含む工具情報TFと、当該工具情報TFに適合する保持ユニットモデル3とを関連付ける関連付けデータが記憶されている場合を想定する。この場合、演算装置12は、当該関連付けデータを用いて、工具種別TTおよび工具特徴データTCに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを自動選択することができる。
更に代替的に、上述の自動選択にAI技術が使用されてもよい。例えば、(1)工具種別TTおよび工具特徴データTCを入力データ、保持ユニットモデル3を出力データとする教師データを用いて機械学習を実行し、(2)機械学習によって得られる学習済みモデルをメモリ5に記憶する。演算装置12は、工具種別TTおよび工具特徴データTCを、メモリ5に記憶された学習済みモデルに入力し、出力された保持ユニットモデルを特定保持ユニットモデル3sとして自動選択する。
図20に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMを表示させる。入力装置16を介して工具情報TF(例えば、工具種別TTおよび工具特徴データTC)が入力されることに応じて、演算装置12は、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを選択(より具体的には、自動選択)する。また、図21に例示されるように、演算装置12は、表示装置15に、選択された特定保持ユニットモデル3s(より具体的には、特定保持ユニットモデル3sを識別する識別子501i)を表示させる。
図21に例示されるように、入力装置16を介して工具情報TF(例えば、工具種別TTおよび工具特徴データTC)が入力されることに応じて、演算装置12は、(1)工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを設定すること、および、(2)メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを選択すること、の両方を実行してもよい。
なお、図22に例示されるように、演算装置12によって選択される特定保持ユニットモデル3sが、特定ホルダモデル31sと、特定ソケットモデル32sとを含む場合も想定され得る。この場合、演算装置12は、表示装置15に、選択された特定ホルダモデル31sを識別する第1識別子511iと、選択された特定ソケットモデル32sを識別する第2識別子521iとの両方を表示する。
また、工具情報TFに適合する保持ユニットモデル3が複数存在する場合も想定され得る。この場合、演算装置12は、工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から、1つの最適な特定保持ユニットモデル3sを自動選択するように構成されていてもよい。代替的に、演算装置12は、工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から、特定保持ユニットモデルになり得る複数の候補を選択してもよい(図23を参照。)。この場合、(1)演算装置12は、複数の候補を表示装置15に表示し、(2)入力装置16を介して、複数の候補の中から1つが選択されることに応じて、演算装置12は、選択された1つを最終的に選択された特定保持ユニットモデルに決定する。
(突き出し長さL2の推奨値RVの導出)
メモリ5に記憶された演算プログラム59が演算装置12によって実行されることにより、演算装置12(より具体的には、突き出し長さ導出部123)は、工具情報TF(より具体的には、工具種別TTおよび工具特徴データTC)に基づいて、上述の突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。以下、工具種別TTおよび工具特徴データTCに基づく、推奨値RVの導出手順について、複数の例を用いて説明する。
図18に記載の例では、メモリ5は、突き出し長さL2の推奨値RVを導出するためのデータまたは計算式を記述した少なくとも1つのファイル43を記憶している。図10に例示されるように、メモリ5に記憶されたファイル43aは、工具種別TTと、工具特徴データTCと、突き出し長さL2の推奨値RVとを関連付けるテーブルを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、図13に例示されるように、メモリ5に記憶されたファイル43bは、工具種別TTおよび工具特徴データTCに基づいて、突き出し長さL2の推奨値RVを算出する計算式を含んでいてもよい。
(第1例)
第1例は、工具種別TTが第1タイプの旋削工具である場合の例である。また、第1例は、工具特徴データTCが工具の刃先角を含む場合の例である。なお、第1タイプの旋削工具とは、ワークの内径以外の部分(換言すれば、ワークの内面以外の部分)を加工する旋削工具を意味するものとする。
図10に記載の例では、メモリ5は、突き出し長さL2の推奨値RVを、工具種別TT(より具体的には、工具名Tn、および、加工部位PP)、および、工具の刃先角αに関連付けて記憶している。より具体的には、メモリ5に記憶されたファイル43aにおいて、第1タイプの旋削工具の刃先角αと、突き出し長さL2の推奨値RVとが関連付けられている。
図10に記載の例では、工具種別TTが第1タイプの旋削工具であるとき、演算装置12は、メモリ5に記憶された情報(より具体的には、ファイル43a)を用いて、突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。より具体的には、工具種別TTが第1タイプの旋削工具であるとき(例えば、ワークの外径または端面を旋削する旋削工具であるとき)、演算装置12は、少なくとも旋削工具の刃先角αに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。例えば、旋削工具の刃先角αが80度である場合、演算装置12は、突き出し長さL2の推奨値RVとして「52mm」を導出する(図21を参照。)。
図20に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMを表示させる。入力装置16を介して工具情報TF(例えば、工具種別TT、および、刃先角を含む工具特徴データTC)が入力されることに応じて、演算装置12は、当該工具情報TFに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。また、演算装置12は、表示装置15に、導出された推奨値RVを表示させる(図21を参照。)。
(第2例)
第2例は、工具種別TTが第2タイプの旋削工具である場合の例である。また、第2例は、工具特徴データTCが工具幅を含む場合の例である。なお、第2タイプの旋削工具とは、ワークの内径(換言すれば、ワークの内面)を加工する旋削工具を意味するものとする。
図13に記載の例では、メモリ5は、突き出し長さL2の推奨値RVを、工具種別TT(より具体的には、工具名Tn、および、加工部位PP)、および、工具幅TWに関連付けて記憶している。より具体的には、メモリ5に記憶されたファイル43bにおいて、第2タイプの旋削工具の工具幅TWと、突き出し長さL2の推奨値RVとが関連付けられている。
図13に記載の例では、工具種別TTが第2タイプの旋削工具であるとき、演算装置12は、メモリ5に記憶された情報(より具体的には、ファイル43b)を用いて、突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。より具体的には、工具種別TTが第2タイプの旋削工具であるとき、演算装置12は、少なくとも旋削工具の工具幅TWに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。例えば、旋削工具の工具幅TWが25mmである場合、演算装置12は、突き出し長さL2の推奨値RVとして「62.5mm」を導出する(図22を参照。)。
図22に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMを表示させる。入力装置16を介して工具情報TF(例えば、工具種別TT、および、工具幅を含む工具特徴データTC)が入力されることに応じて、演算装置12は、当該工具情報TFに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。また、演算装置12は、表示装置15に、導出された推奨値RVを表示させる。
(第3例)
第3例は、工具種別TTが回転工具である場合の例である。また、第3例は、工具特徴データTCが工具径を含む場合の例である。なお、回転工具には、例えば、ドリル、リーマ工具、タップ工具、座ぐり工具、ボーリング工具、ミル工具等が含まれる。また、工具径とは、工具のシャンクの直径を意味する。
図13に記載の例では、メモリ5は、突き出し長さL2の推奨値RVを、工具種別TT(より具体的には、工具名Tn)、および、工具径TDに関連付けて記憶している。より具体的には、メモリ5に記憶されたファイル43bにおいて、回転工具の工具径TDと、突き出し長さL2の推奨値RVとが関連付けられている。回転工具の工具径TDと、突き出し長さL2の推奨値RVとは、数式を介して関連付けられていてもよい。例えば、回転工具の工具径TDと、突き出し長さL2の推奨値RVとは、推奨値RV=回転工具の工具径TD×定数(例えば、定数は、「2.5」)の数式によって関連付けられていてもよい。
図13に記載の例では、工具種別TTが回転工具であるとき、演算装置12は、メモリ5に記憶された情報(より具体的には、ファイル43b)を用いて、突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。より具体的には、工具種別TTが回転工具であるとき、演算装置12は、少なくとも回転工具の工具径TDに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。例えば、回転工具の工具径TDが11mmである場合、演算装置12は、突き出し長さL2の推奨値RVとして「27.5mm」を導出する(図25を参照。)。
図24に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMを表示させる。入力装置16を介して工具情報TF(例えば、工具種別TT、および、工具径を含む工具特徴データTC)が入力されることに応じて、演算装置12は、当該工具情報TFに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する(図25を参照。)。また、演算装置12は、表示装置15に、導出された推奨値RVを表示させる。
(第4例)
第4例は、工具種別TTが第1タイプの溝入れ工具である場合の例である。また、第4例は、工具特徴データTCが工具の溝深さ対応長さVLを含む場合の例である。なお、第1タイプの溝入れ工具とは、ワークの内径以外の部分(換言すれば、ワークの内面以外の部分)を加工する溝入れ工具を意味するものとする。また、溝深さ対応長さVLとは、図26に例示されるように、溝入れ工具7vの刃部の長さを意味するものとする。
図13に記載の例では、メモリ5は、突き出し長さL2の推奨値RVを、工具種別TT(より具体的には、工具名Tnおよび加工部位PP)、および、工具の溝入れ深さ対応長さVLに関連付けて記憶している。より具体的には、メモリ5に記憶されたファイル43bにおいて、溝入れ工具の溝入れ深さ対応長さVLと、突き出し長さL2の推奨値RVとが関連付けられている。溝入れ工具の溝入れ深さ対応長さVLと、突き出し長さL2の推奨値RVとは、数式を介して関連付けられていてもよい。例えば、溝入れ工具の溝入れ深さ対応長さVLと、突き出し長さL2の推奨値RVとは、推奨値RV=溝入れ工具の溝入れ深さ対応長さVL+定数(例えば、定数は、「40」)の数式によって関連付けられていてもよい。
図13に記載の例では、工具種別TTが第1タイプの溝入れ工具であるとき、演算装置12は、メモリ5に記憶された情報(より具体的には、ファイル43b)を用いて、突き出し長さL2の推奨値RVを導出することができる。より具体的には、工具種別TTが第1タイプの溝入れ工具であるとき(例えば、ワークの外径または端面に溝を形成する溝入れ工具であるとき)、演算装置12は、少なくとも溝入れ工具の溝入れ深さ対応長さVLに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。例えば、溝入れ工具の溝入れ深さ対応長さVLが13mmである場合、演算装置12は、突き出し長さL2の推奨値RVとして「53mm」を導出する(図28を参照。)。
図27に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、工具情報TFの入力を受け付ける画像IMを表示させる。入力装置16を介して工具情報TF(例えば、工具種別TT、および、溝入れ深さ対応長さVLを含む工具特徴データTC)が入力されることに応じて、演算装置12は、当該工具情報TFに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する(図28を参照。)。また、演算装置12は、表示装置15に、導出された推奨値RVを表示させる。
なお、上述の第1例乃至第4例において、導出された推奨値RVが予め設定された上限値を超える場合には、演算装置12は、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを、当該上限値に設定してもよい。また、導出された推奨値RVが予め設定された上限値を超える場合には、演算装置12は、表示装置15に、当該上限値を推奨値RVとして表示してもよい。他方、導出された推奨値RVが予め設定された上限値以下である場合には、演算装置12は、表示装置15に、当該推奨値RVをそのまま表示する。
(アセンブリモデルAMの作成)
図21、図22、図25、図28に例示されるように、演算装置12は、アセンブリモデルAMを作成する。より具体的には、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、アセンブリモデル作成プログラム59b)が演算装置12によって実行されることにより、演算装置12(より具体的には、アセンブリモデル作成部124)は、特定工具モデル2sと、特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が推奨値RVになるよう組み合わせられたアセンブリモデルAMを作成する。換言すれば、演算装置12は、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2が上述の推奨値RVであるとの第1条件を満たすアセンブリモデルAMを作成する。
なお、図22に例示されるように、工具情報TFに基づいて選択される特定保持ユニットモデル3sが、特定ホルダモデル31sと、特定ソケットモデル32sとを含む場合、演算装置12は、特定工具モデル2sが、特定ソケットモデル32sを介して特定ホルダモデル31sによって仮想的に保持された状態のアセンブリモデルAMを作成する。なお、作成されたアセンブリモデルAMは、上述の第1条件を満たすアセンブリモデルである。
図16に例示されるように、演算装置12によって導出された突き出し長さL2の推奨値RVが、補正値MVに変更されてもよい。この場合、演算装置12(より具体的には、アセンブリモデル作成部124)は、特定工具モデル2sと、特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が補正値MVになるよう組み合わせられたアセンブリモデルAMを作成する。換言すれば、演算装置12は、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2が上述の補正値MVであるとの第2条件を満たすアセンブリモデルAMを作成する。
図21、図22、図25、図28に例示されるように、入力装置16を介して工具情報TF(例えば、工具種別TTおよび工具特徴データTC)が入力されることに応じて、演算装置12は、(1)工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを設定すること、(2)メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを選択すること、(3)上述の推奨値RVを導出すること、および、(4)上述のアセンブリモデルAMを作成すること、の全てを実行してもよい。
(加工シミュレーションの実行)
図17に例示されるように、演算装置12は、特定工具モデル2sを用いてワークモデルWmを仮想的に加工する。より具体的には、演算装置12は、加工プログラム58を仮想的に実行することにより、特定工具モデル2sを用いてワークモデルWmを仮想的に加工する。
例えば、演算装置12は、メモリ5に記憶された加工プログラム58を仮想的に実行することにより、特定工具モデル2sの移動経路データを生成する。より具体的には、演算装置12は、演算プログラム59(より具体的には、シミュレーション演算プログラム59a)を実行することにより、加工プログラム58を処理(換言すれば、解釈)する。また、演算装置12は、当該処理に基づいて(換言すれば、当該解釈に基づいて)、特定工具モデル2sの移動経路データを生成する。演算装置12は、上述の移動経路データによって指定される経路に沿って、特定工具モデル2s、および、特定工具モデル2sとともに移動する複数のモデル(3s、61m、2-2、3-2)が、ワークモデルWmに対して移動する動画を、表示装置15に表示させてもよい。
演算装置12は、メモリ5に記憶された加工プログラム58を仮想的に実行することにより、アセンブリモデルAMが、複数の構成モデル9m(例えば、爪モデル94m、チャックモデル93m、芯押し台モデル99m等)のいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックする。付加的に、演算装置12は、加工プログラム58を仮想的に実行することにより、上述のアセンブリモデルAMとともに移動するモデル(例えば、支持体モデル61m、支持体モデル61mに仮想的に取り付けられた他の保持ユニットモデル3-2、あるいは、他の工具モデル2-2)が、複数の構成モデル9m(例えば、爪モデル94m、チャックモデル93m、芯押し台モデル99m等)のいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックしてもよい。
(干渉チェック領域RGの設定)
図29、または、図30に例示されるように、演算装置12は、上述の特定工具モデル2sと、上述の特定保持ユニットモデル3sと、上述の推奨値RVまたは補正値MVとに基づいて干渉チェック領域RGを設定してもよい。なお、図29、および、図30において、干渉チェック領域RGには、ハッチングが付与されている。干渉チェック領域RGは、アセンブリモデルAMの全体を包含することが好ましい。干渉チェック領域RGは、アセンブリモデルAMの全体に加えて、支持体モデル61mの一部(あるいは、支持体モデル61mの全体)を包含していてもよい。
図29に記載の例では、演算装置12は、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さが上述の推奨値RVであるとの第1条件を満たすアセンブリモデルAMを作成し、当該アセンブリモデルの形状に基づいて干渉チェック領域RGを設定している。
他方、図30に記載の例では、演算装置12は、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さが上述の補正値MVであるとの第2条件を満たすアセンブリモデルAMを作成し、当該アセンブリモデルの形状に基づいて干渉チェック領域RGを設定している。
図31に記載の例では、演算装置12は、演算プログラム59(より具体的には、シミュレーション演算プログラム59a)を介して加工プログラム58を仮想的に実行することにより、上述の干渉チェック領域RGが、複数の構成モデル9mのいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックする。図31に記載の例では、矢印AR1で示されるように、特定保持ユニットモデル3sと、ワークモデルWmとの間に異常干渉がある。演算装置12によって、異常干渉が「有る」と判断された場合に、演算装置12は、表示装置15に、異常干渉がある旨のメッセージを表示させることが好ましい。
(主方向の突き出し長さL2、および、副方向の突き出し長さL3)
図21、図22、図25、図28に記載の例において、突き出し長さL2は、特定工具モデル2sの長手方向に沿う方向における、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し量を意味する。図21、図28に記載の例では、突き出し長さL2は、X軸方向(より具体的には、ワークの回転軸に垂直な方向)における、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し量である。他方、図22、図25に記載の例では、突き出し長さL2は、Z軸方向(より具体的には、ワークの回転軸に平行な方向)における、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し量である。
本明細書において、特定工具モデル2sの長手方向に沿う方向を主方向と定義し、特定工具モデル2sの長手方向に垂直な方向を副方向と定義する。
図21、図22、図25、図28に記載の例では、演算装置12は、工具情報TF(より具体的には、工具種別TTおよび工具特徴データTC)に基づいて、副方向における、特定保持ユニットモデル3sの基準位置からの特定工具モデル2sの刃先の突き出し長さL3の推奨値(以下、「第2推奨値RV2」という。)を導出する。なお、各保持ユニットモデル3の基準位置を示すデータ514p(図18を参照。)は、予めメモリ5に記憶されていることが好ましい。
図21、図28に記載の例では、副方向における突き出し長さL3は、Z軸方向(より具体的には、ワークの回転軸に平行な方向)における、基準位置からの刃先の突き出し量である。他方、図22、図25に記載の例では、副方向における突き出し長さL3は、X軸方向(より具体的には、ワークの回転軸に垂直な方向)における、基準位置からの刃先の突き出し量である。
演算装置12は、工具情報TFに基づいて設定される特定工具モデル2s(より具体的には、特定工具モデル2sの形状データ)と、工具情報TFに基づいて選択される特定保持ユニットモデル3s(より具体的には、特定保持ユニットモデル3sの形状データ、および、特定保持ユニットモデル3sの基準位置を示すデータ514p)とに基づいて、上述の第2推奨値RV2を導出してもよい。
(表示装置15に表示される画像)
図32に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、工具種別TTの入力または選択を受け付ける画像を含む第1画像IM1を、表示装置15に表示させる。図32に記載の例では、第1画像IM1は、工具種別のリストLTを含む。オペレータが、入力装置16を介して、当該リストの中から1つの工具種別を選択することに応じて、演算装置12は、選択された工具種別を、工具情報TFの一部として、メモリ5に記憶する。
図32に記載の例では、表示装置15に表示された上述のリストLTにおいて、支持体モデル61mの仮想取付面614mを識別する第3識別子544iと、工具種別TTとが関連付けられている。この場合、上述のリストLTの中から1つの工具種別TTが選択されることに付随して、支持体モデル61mの仮想取付面614mが選択される。入力装置16を介して上述のリストLTの中から1つの工具種別TTが選択されることに応じて、演算装置12は、選択された工具種別TTを含む工具情報TFと、選択された仮想取付面614mの第3識別子544iとが関連付けられた第1関連付けデータ41cを、メモリ5に記憶することが好ましい。
図32に記載の例では、上述のリストLTの中から1つの工具種別TTが選択されることに応じて、工具情報TFの基礎データが決定される。図32に記載の例では、基礎データは、工具名Tnおよび加工部位PPを含む。基礎データは、呼び、または、呼径、を含んでいてもよい。また、基礎データは、同種の工具を区別するためのサフィックスを含んでいてもよい。
工具種別TTが入力または選択されることに応じて、演算装置12は、表示装置15に、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像を含む第2画像IM2を表示させる。より具体的には、図32に記載の例において、入力装置16を介して、工具種別TTが入力または選択され、入力装置16を介して、表示装置15に表示された操作ボタン158(より具体的には、デジタルツールプリセットボタン158b)が操作されることにより、演算装置12は、表示装置15に、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像を含む第2画像IM2を表示させる(図33を参照。)。
図33に記載の例では、第2画像IM2(より具体的には、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像)は、刃先角の入力を受け付ける入力欄Q1を含む。代替的に、あるいは、付加的に、第2画像IM2は、工具幅の入力を受け付ける入力欄Q2を含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第2画像IM2は、回転方向情報(すなわち、ワークの回転方向情報)、および/または、勝手情報の入力を受け付ける入力欄Q3、刃先のR値の入力を受け付ける入力欄Q4、および、切込角の入力を受け付ける入力欄Q5のうちの少なくとも1つ(あるいは、全部)を含んでいてもよい。
代替的に、図24に例示されるように、第2画像IM2(より具体的には、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像)は、工具径の入力を受け付ける入力欄Q6を含んでいてもよい。付加的に、第2画像IM2は、工具先端のコーナー部のR値の入力を受け付ける入力欄Q7を含んでいてもよい。
代替的に、図27に例示されるように、第2画像IM2(より具体的には、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像)は、溝深さ対応長さVLの入力を受け付ける入力欄Q7を含んでいてもよい。付加的に、第2画像IM2は、刃先幅の入力を受け付ける入力欄Q8を含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第2画像IM2は、工具幅の入力を受け付ける入力欄Q2、および/または、刃先のR値の入力を受け付ける入力欄Q4を含んでいてもよい。
図33に記載の例では、第2画像IM2は、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像に加えて、特定保持ユニットモデルの選択プロセス(より具体的には、特定ホルダモデルの選択プロセス、あるいは、特定ホルダモデルおよび特定ソケットモデルの選択プロセス)、および、上述の突き出し長さの推奨値RVの導出プロセスを開始させる操作ボタン157の画像(より具体的には、OKボタン157bの画像)を含む。
表示装置15に表示された操作ボタン157が操作されることに応じて、演算装置12は、上述の工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを選択し、且つ、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。
また、図34に例示されるように、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、(1)上述の工具情報TFに基づいて導出された突き出し長さL2の推奨値RVと、(2)アセンブリモデルAMの形状を示す画像156とを、同時に表示させる。なお、アセンブリモデルAMの形状を示す画像156は、特定工具モデル2sと特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が上述の推奨値RVになるよう組み合わせられた状態の画像である。
演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、(1)上述の推奨値RVと、(2)上述のアセンブリモデルAMの形状を示す画像156と、(3)工具情報TFに基づいて選択された特定保持ユニットモデル3sを識別する識別子501iとを、同時に表示させてもよい。また、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、(1)上述の推奨値RVと、(2)上述のアセンブリモデルAMの形状を示す画像156と、(3)上述の特定保持ユニットモデル3sを識別する識別子501iと、(4)工具特徴データTC(例えば、刃先角の数値データ、工具径の数値データ、および、工具幅の数値データのうちの少なくとも1つを含む工具特徴データTC)と、を同時に表示させてもよい。
また、演算装置12は、メモリ5に記憶された演算プログラム59(より具体的には、表示プログラム59c)を実行することにより、表示装置15に、上述の推奨値RVに加えて、上述の第2推奨値RV2を表示させてもよい。なお、第2推奨値RV2は、特定工具モデル2sの長手方向に垂直な方向における、特定保持ユニットモデル3sの基準位置からの特定工具モデル2sの刃先の突き出し長さL3の推奨値である。
図34に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された表示プログラム59cを実行することにより、上述の工具情報TFに基づいて導出された突き出し長さL2の推奨値RVを、表示装置15に、オペレータが編集可能な形式で表示させる。
図34に記載の例では、表示装置15に、推奨値RVを変更するボタン153(より具体的には、プラスボタン153p、および、マイナスボタン153n)が表示されている。図34に記載の例では、表示装置15に表示されたプラスボタン153pが操作される毎に、移動量の表示欄Q9に示された数値分だけ、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2が増加する。こうして、突き出し長さL2が、推奨値RVから当該推奨値RVよりも大きな補正値MVに変更される。例えば、図34に記載の例において、表示装置15に表示されたプラスボタン153pが5回操作されると、突き出し長さL2が、推奨値RV(図34に記載の例では、「52mm」)から、補正値(「57mm」)に変更される。
また、表示装置15に表示されたマイナスボタン153nが操作される毎に、移動量の表示欄Q9に示された数値分だけ、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2が減少する。
図34に記載の例では、プラスボタン153pまたはマイナスボタン153nが操作されることにより、突き出し長さL2の値が、推奨値RVから補正値MVに変更される。代替的に、突き出し長さL2の数値の表示欄Q10に、直接数値が入力されることにより、突き出し長さL2の値が、推奨値RVから、入力された数値に対応する補正値MVに変更されるようにしてもよい。
図34に記載の例では、演算装置12は、メモリ5に記憶された表示プログラム59cを実行することにより、表示装置15に、演算装置12によって選択された特定保持ユニットモデル3sを他の保持ユニットモデルに変更する変更操作部154を表示させる。演算装置12は、変更操作部154が操作されることに応じて、当該他の保持ユニットモデルを、変更後の特定保持ユニットモデルに設定する。変更操作部154が設けられる場合、オペレータによる特定保持ユニットモデル3sの選択が許容されることとなる。よって、特定保持ユニットモデル3sの選択の自由度が向上する。演算装置12は、メモリ5に記憶された表示プログラム59cを実行することにより、表示装置15に、演算装置12によって選択された特定のホルダモデルを他のホルダモデルに変更する第1変更操作部154aと、演算装置12によって選択された特定のソケットモデルを他のソケットモデルに変更する第2変更操作部154bと、を表示させてもよい。
演算装置12は、メモリ5に記憶された表示プログラム59cを実行することにより、表示装置15に、アセンブリモデルAMの形状を示す画像156を表示させる(図34を参照。)。また、上述の突き出し長さL2が、上述の推奨値RVから上述の補正値MVに変更されることに応じて、演算装置12は、表示装置15に表示されたアセンブリモデルAMの形状を自動変更する。より具体的には、上述の突き出し長さL2が、上述の推奨値RVから上述の補正値MVに変更されることに応じて、演算装置12は、アセンブリモデルAMの形状を、(1)特定工具モデル2sと特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が推奨値RVになるよう組み合わせられた第1形状SH1(図34を参照。)から、(2)特定工具モデル2sと特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が補正値MVになるよう組み合わせられた第2形状SH2(図35を参照。)に変更する。
また、変更操作部154が操作されることに応じて、演算装置12は、演算装置12によって選択された特定保持ユニットモデル3sを他の保持ユニットモデルに変更し、表示装置15に、変更後の保持ユニットモデルを表示させる。また、特定保持ユニットモデル3sが他の保持ユニットモデルに変更されることに応じて、演算装置12は、表示装置15に表示されたアセンブリモデルAMの形状(より具体的には、アセンブリモデルAMに含まれる特定保持ユニットモデルの形状)を変更する。
アセンブリモデルAMの形状が確定された後、オペレータは、ツールプリセットウィンドウを閉じる。図36には、アセンブリモデルAMの形状が確定され、第2画像IM2が閉じられた後の第3画像IM3が示されている。図36に記載の例では、第3画像IM3に、入力された工具特徴データTCの数値が含まれている。また、図36に記載の例では、第3画像IM3に、上述の工具情報TFに基づいて設定された特定工具モデル2sを識別する識別子531iが含まれている。
(モデル工具長L1の算出)
メモリ5に記憶された演算プログラム59が演算装置12によって実行されることにより、演算装置12(より具体的には、モデル工具長算出部125)は、上述の突き出し長さL2の推奨値RV(または、突き出し長さL2の補正値MV)と、特定保持ユニットモデル3sの形状、および、メモリ5に記憶されたモデル基準点F0(図5を参照。)の位置データに基づいて、モデル工具長L1(より具体的には、モデル基準点F0から特定工具モデル2sの先端2eまでの距離)を算出してもよい。演算装置12によって算出されたモデル工具長L1は、メモリ5に記憶される。
(工作機械6へのデータ送信)
図18に例示されるように、加工シミュレーション装置1Aの通信回路13は、工作機械6に、突き出し長さL2の推奨値RVを示すデータ、または、推奨値RVから補正された補正値MVを示すデータを送信してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、加工シミュレーション装置1Aの通信回路13は、工作機械6に、当該推奨値RVまたは補正値MV等に基づいて算出されたモデル工具長L1を示すデータを送信してもよい。
代替的に、あるいは、付加的に、加工シミュレーション装置1Aの通信回路13は、工作機械6に、特定工具モデル2sの形状データ、および、特定保持ユニットモデル3sの形状データを送信してもよい。また、加工シミュレーション装置1Aの通信回路13は、工作機械6に、アセンブリモデルAMの形状データを送信してもよい。
また、加工シミュレーション装置1Aの通信回路13は、工作機械6に、上述の第1関連付けデータ41c(換言すれば、入力装置16を介して入力または選択された工具情報TFと、仮想取付面614mの第3識別子544iとが関連付けられた第1関連付けデータ41c)を送信してもよい。
(工作機械6)
続いて、図1乃至図38を参照して、第1の実施形態における工作機械6について説明する。
図2に記載の例では、工作機械6は、加工シミュレーション装置1Aからデータを取得するデータ取得部66(より具体的には、第2通信回路66a)と、工具保持ユニット8を介して工具7を支持する支持体61(より具体的には、タレット62)と、工具を移動させる移動装置64(より具体的には、支持体61を移動させる移動装置64)と、ワーク保持装置90と、制御ユニットUTと、を備える。
データ取得部66(より具体的には、第2通信回路66a)は、加工シミュレーション装置1Aから、データを取得する。データ取得部66(より具体的には、第2通信回路66a)は、加工シミュレーション装置1Aから、上述の突き出し長さL2の推奨値RV、または、当該推奨値RVから補正された補正値MVを取得してもよい。代替的に、あるいは、付加的に、データ取得部66(より具体的には、第2通信回路66a)は、加工シミュレーション装置1Aから、上述のモデル工具長L1を取得してもよい。また、データ取得部66(より具体的には、第2通信回路66a)は、加工シミュレーション装置1Aから、特定工具モデル2sのデータ、および、特定保持ユニットモデル3sのデータを取得してもよいし、上述のアセンブリモデルAMのデータを取得してもよい。また、データ取得部66(より具体的には、第2通信回路66a)は、加工シミュレーション装置1Aから、上述のアセンブリモデルAMに対応するアセンブリが取り付けられるべき支持体61の特定取付面614sを識別する第3識別子544iを取得してもよい。工作機械6が加工シミュレーション装置1Aから取得したデータは、第2メモリ67に記憶される。
移動装置64は、ワークWを加工する工具7を移動させる。移動装置64は、工具7と、工具7を保持する工具保持ユニット8と、工具保持ユニット8を支持する支持体61(例えば、タレット62)とを、1次元的、2次元的または3次元的に移動させる。
図2に例示されるように、移動装置64は、水平面に平行な第1方向DR1に、工具保持ユニット8を介して工具7を支持する支持体61を移動させる第1移動装置64aを含んでいてもよい。付加的に、移動装置64は、水平面に平行な第2方向DR2(より具体的には、Z軸方向)に、支持体61を移動させる第2移動装置64bを含んでいてもよい。また、移動装置64は、支持体61の高さを変更する第3移動装置64cを含んでいてもよい。
ワーク保持装置90は、例えば、ワークを保持する爪94と、爪94が取り付けられるチャック93と、チャック93を第1軸AXまわりに回転させる回転駆動装置92と、を有する。
また、工作機械6が、タレット62を備える場合には、当該工作機械6は、タレット62を第2軸AX2まわりに回転させる第2回転駆動装置63を有する。また、工作機械6は、工具7を、工具軸まわりに回転させる第3回転駆動装置を有していてもよい。
制御ユニットUTは、制御対象機器を制御する。より具体的には、制御ユニットUTは、複数の制御対象機器(例えば、回転駆動装置92、移動装置64、第2回転駆動装置63等)の各々に制御指令を送信することにより、それぞれの制御対象機器を制御する。制御ユニットUTは、複数の場所に分散配置されていてもよい。換言すれば、制御ユニットは、互いに通信可能な複数のサブユニットに分割されていてもよい。
図37に記載の例では、工作機械6(より具体的には、制御ユニットUT)は、第2演算装置65と、データ取得部66(より具体的には、第2通信回路66a)と、第2メモリ67と、第2表示装置68と、を有する。付加的に、工作機械6(より具体的には、制御ユニットUT)は、第2入力装置682を備えていていてもよい。第2入力装置682は第2表示装置68に組み込まれていてもよい(より具体的には、第2表示装置68は、第2入力装置682を内蔵したタッチパネル付きディスプレイであってもよい。)。代替的に、あるいは、付加的に、工作機械6は、第2表示装置68とは別に設けられた第2入力装置(例えば、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等)を備えていてもよい。
なお、第2演算装置65は、工作機械の駆動部に送信されるべき制御指令を生成する制御ユニットUTに含まれていてもよい。代替的に、当該制御ユニットUTとは、別に、第2演算装置65が設けられていてもよい。
図37に記載の例では、第2演算装置65と、第2通信回路66aと、第2メモリ67と、第2表示装置68および/または第2入力装置682とは、バス69を介して互いに接続されている。第2演算装置65は、少なくとも1つのプロセッサ65a(例えば、少なくとも1つのCPU)を含む。
第2メモリ67は、第2演算装置65によって読み取り可能な記憶媒体である。第2メモリ67は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。第2メモリ67は、演算プログラム671(例えば、加工演算プログラム671a、第2表示プログラム671b)、加工プログラム58、および、データ673を記憶する。
制御ユニットUT(より具体的には、第2演算装置65)は、第2メモリ67に記憶された加工プログラム58を実行することにより、複数の制御対象機器(例えば、回転駆動装置92、移動装置64、第2回転駆動装置63等)の各々に送信する制御指令を生成する。制御指令を受け取る制御対象機器が動作することにより、工具7によってワークWが加工される。なお、本明細書において、制御ユニットUT(より具体的には、第2演算装置65)が加工プログラム58を実行することには、制御ユニットUT(より具体的には、第2演算装置65)が、加工演算プログラム671aを介して加工プログラム58を実行することが包含される。換言すれば、第2演算装置65が、加工演算プログラム671aを実行することにより、第2演算装置65によって加工プログラム58が処理(換言すれば、解釈)されてもよい。また、第2演算装置65は、当該処理に基づいて(換言すれば、当該解釈に基づいて)、複数の制御対象機器の各々に送信する制御指令を生成する。
第2演算装置65は、第2メモリ67に記憶された第2表示プログラム671bを実行することにより、第2表示装置68に、データ取得部66によって取得されたデータに基づいて作成されたインストラクション画像IM4を表示させる。図38に記載の例では、インストラクション画像IM4は、(1)特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RV、または、当該推奨値から補正された補正値MVと、(2)上述のアセンブリモデルAMの形状を示す画像689と、を含む。
オペレータは、インストラクション画像IM4を参照して、工具保持ユニット8に対する工具7の突き出し長さN2(図4を参照。)が上述の推奨値RVまたは上述の補正値MVになるよう、工具保持ユニット8に工具7を取り付ける。よって、加工シミュレーションが行われた条件に近い状態で、工具保持ユニット8と工具7とのアセンブリを準備することができる。その後、当該アセンブリは、工作機械6の支持体61(例えば、タレット62)に取り付けられる。
図38に記載の例では、第2演算装置65は、第2メモリ67に記憶された第2表示プログラム671bを実行することにより、第2表示装置68に、工具保持ユニット8と工具7とのアセンブリが取り付けられるべき特定取付面614sを識別する第3識別子544iを表示させてもよい。この場合、オペレータは、工具保持ユニット8と工具7とのアセンブリを、支持体61が有する複数の取付面614のうち、どの取付面に取り付ければよいかを容易に認識することができる。
図38に記載の例では、第2表示装置68に表示されるインストラクション画像IM4は、(1)上述の推奨値RV、または、上述の補正値MVと、(2)上述のアセンブリモデルAMの形状を示す画像689と、(3)上述のアセンブリモデルAMに対応するアセンブリが取り付けられるべき特定取付面614sを識別する第3識別子544iと、を含む。換言すれば、第2演算装置65は、第2メモリ67に記憶された第2表示プログラム671bを実行することにより、第2表示装置68に、(1)上述の推奨値RV、または、上述の補正値MVと、(2)上述のアセンブリモデルAMの形状を示す画像689と、(3)上述の第3識別子544iとを同時に表示させる。
第1の実施形態における工作機械6は、高精度な干渉チェックを実行する加工シミュレーション装置1Aからデータを受け取る。高精度な干渉チェックが事前に行われることにより、工作機械6を用いて行う干渉チェックを省略または簡略化することができる。加工サイトでの干渉チェックが省略または簡略化されることにより、工作機械6の稼働率を向上させることができる。また、加工サイトにおけるオペレータの作業負担が低減される。
また、第1の実施形態における工作機械6では、突き出し長さL2の推奨値RVまたは補正値MVを含むインストラクション画像IM4が表示される。よって、加工シミュレーションが行われた条件に近い状態で、工具保持ユニット8と工具7とのアセンブリを準備することができる。よって、加工サイトで行われる段取り作業が容易となる。その結果、工作機械6の稼働率を更に向上させることができる。また、加工サイトにおけるオペレータの作業負担が更に低減される。
(工作機械システム100)
図1乃至図40を参照して、第1の実施形態における工作機械システム100について説明する。
図39に例示されるように、第1の実施形態における工作機械システム100は、加工シミュレーション装置1Aと、工作機械6とを備える。加工シミュレーション装置1Aと、工作機械6とは、ネットワーク101を介して通信可能に接続されていることが好ましい。ネットワーク101は、社内ネットワークであってもよいし、社外ネットワーク(例えば、インターネット)を含んでいてもよい。
代替的に、図40に例示されるように、工作機械システム100は、工作機械6を有し、当該工作機械6に、加工シミュレーション装置1Aが含まれていてもよい。この場合、工作機械6の第2演算装置65が、加工シミュレーション装置1Aの演算装置12として機能してもよい。代替的に、工作機械6の第2演算装置65と、加工シミュレーション装置1Aの演算装置12とが協働して動作してもよい。同様に、上述の第2通信回路66a、上述の第2メモリ67、上述の第2表示装置68、および、上述の第2入力装置682が、それぞれ、上述の通信回路13、上述のメモリ5、上述の表示装置15、および、上述の入力装置16として機能してもよい。
加工シミュレーション装置1A、および、工作機械6の各々の具体的構成については、説明済みであるため、加工シミュレーション装置1A、および、工作機械6の各々の具体的構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
第1の実施形態における工作機械システム100は、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1A、および/または、第1の実施形態における工作機械6と同様の効果を奏する。
(加工シミュレーション方法、および、演算プログラム59)
図1乃至図41を参照して、第1の実施形態における加工シミュレーション方法について説明する。図41は、第1の実施形態における加工シミュレーション方法の一例を示すフローチャートである。
第1の実施形態における加工シミュレーション方法は、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1A、あるいは、他の加工シミュレーション装置を用いて実行される。第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aについては、説明済みであるため、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
第1ステップST1において、データがメモリ5に記憶される。第1ステップST1は、記憶工程である。なお、必要なデータが既にメモリ5に記憶されている場合には、第1ステップST1は、省略される。
記憶工程においてメモリ5に記憶されるデータは、複数の工具保持ユニット8をそれぞれモデリングした保持ユニットモデル3のデータ(より具体的には、複数のホルダモデル31のデータ51a、および、複数のソケットモデル32のデータ52a)を含む。
記憶工程においてメモリ5に記憶されるデータは、複数の工具7をそれぞれモデリングした複数の工具モデル2(より具体的には、複数の工具モデル2のデータ53a)を含んでいてもよい。
また、記憶工程においてメモリ5に記憶されるデータは、上述の支持体61をモデリングした支持体モデル61m(より具体的には、支持体モデル61mのデータ54a)、工作機械6を構成する要素の少なくとも一部をモデリングした複数の構成モデル9m(より具体的には、複数の構成モデル9mのデータ55a)、および、加工前のワークWをモデリングしたワークモデルWm(より具体的には、ワークモデルWmのデータ57a)を含んでいてもよい。
また、記憶工程において、上述のファイル43(図10、図12、図13を参照。)がメモリ5に記憶されてもよい。
第2ステップST2において、工具情報TFが加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力される。第2ステップST2は、工具情報入力工程である。
工具情報TFは、工具を識別する工具識別子70iを含んでいてもよい。この場合、工具情報入力工程は、工具を識別する工具識別子70iを加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力することを含む。
代替的に、あるいは、付加的に、工具情報TFは、工具種別TTおよび工具特徴データTCを含んでいてもよい。この場合、工具情報入力工程は、工具種別TTおよび工具特徴データTCを加工シミュレーション装置1に入力することを含む。図21に記載の例では、工具情報入力工程は、工具種別TT、および、刃先角を含む工具特徴データTCを加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力することを含む。図22に記載の例では、工具情報入力工程は、工具種別TT、および、工具幅を含む工具特徴データTCを加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力することを含む。図25に記載の例では、工具情報入力工程は、工具種別TT、および、工具径を含む工具特徴データTCを加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力することを含む。図28に記載の例では、工具情報入力工程は、工具種別TT、および、溝深さ対応長さVLを含む工具特徴データTCを加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力することを含む。
図32に例示されるように、工具情報入力工程は、工具種別TTの入力または選択を受け付ける画像を含む第1画像IM1を表示装置15に表示することを含んでいてもよい。また、図33に例示されるように、工具情報入力工程は、入力装置16を介して工具種別TTが入力または選択されることに応じて、工具特徴データTCの入力を受け付ける画像を含む第2画像IM2を表示装置15に表示することを含んでいてもよい。
工具情報入力工程は、入力装置16を介して入力または選択された工具情報TF(例えば、工具種別TTおよび工具特徴データTC、あるいは、工具識別子70i)を、メモリ5に記憶することを含む。図32に例示されるように、支持体モデル61mの仮想取付面614mを識別する第3識別子544iと、工具種別TTとが関連付けられた画像が表示装置15に表示される場合には、工具情報入力工程は、入力装置16を介して入力または選択された工具情報TFと、仮想取付面614mの第3識別子544iとが関連付けられた第1関連付けデータ41cを、メモリ5に記憶することを含んでいてもよい。
第3ステップST3において、加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力された工具情報TFに基づいて、工具をモデリングした特定工具モデル2sが設定される。第3ステップST3は、特定工具モデル設定工程である。
特定工具モデル設定工程は、工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶された複数の工具モデル2の中から、工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを自動選択することを含んでいてもよい。当該自動選択は、演算装置12によって行われる。
代替的に、特定工具モデル設定工程は、工具情報TFに整合する特定工具モデル2sを自動作成することを含んでいてもよい。当該自動作成は、演算装置12によって行われる。
工具情報TFに基づいて演算装置12によって設定された特定工具モデル2s(より具体的には、工具情報TFに基づいて演算装置12によって選択または作成された特定工具モデル2sのデータ)は、メモリ5に記憶される。
特定工具モデルが演算装置12によって設定される手順については、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aの説明において説明済みであるため、当該手順についての繰り返しとなる説明は省略する。
第4ステップST4において、加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力された工具情報TFに基づいて特定保持ユニットモデル3sが選択される。第4ステップST4は、特定保持ユニットモデル選択工程である。特定保持ユニットモデル選択工程は、演算装置12が、工具情報TF(例えば、工具種別TTおよび工具特徴データTC)に基づいて、メモリ5に記憶された複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを選択することを含む。
特定保持ユニットモデル3sが演算装置12によって選択される手順については、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aの説明において説明済みであるため、当該手順についての繰り返しとなる説明は省略する。
第5ステップST5において、加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力された工具情報TFに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVが導出される。第5ステップST5は、推奨値導出工程である。
図21に例示されるように、工具情報TFに含まれる工具種別TTが第1タイプの旋削工具である場合、演算装置12は、少なくとも当該旋削工具の刃先角に基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。図22に例示されるように、工具情報TFに含まれる工具種別TTが第2タイプの旋削工具である場合、演算装置12は、少なくとも当該旋削工具の工具幅に基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。図25に例示されるように、工具種別TTが回転工具であるとき、演算装置12は、少なくとも当該回転工具の工具径に基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。また、図28に例示されるように、工具種別TTが溝入れ工具であるとき、演算装置12は、少なくとも当該溝入れ工具の溝深さ対応長さVLに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する。なお、導出された突き出し長さL2の推奨値RVは、メモリ5に記憶される。
突き出し長さL2の推奨値RVが演算装置12によって導出される手順については、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aの説明において説明済みであるため、当該手順についての繰り返しとなる説明は省略する。
第6ステップST6において、アセンブリモデルAMが作成される。第6ステップST6は、アセンブリモデル作成工程である。アセンブリモデル作成工程は、特定工具モデル2sと特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が推奨値RVになるよう組み合わせられたアセンブリモデルAMを作成することを含む。アセンブリモデルAMの作成は、演算装置12によって行われる。
第7ステップST7において、突き出し長さL2の推奨値RVが表示装置15に表示される。第7ステップST7は、表示工程である。図21、図22、図25、図28に例示されるように、表示工程は、表示装置15に、突き出し長さL2の推奨値RVと、上述の第2推奨値RV2とを同時に表示することを含んでいてもよい。
図34に例示されるように、表示工程(第7ステップST7)は、工具情報TFに基づいて導出された突き出し長さL2の推奨値RVを、表示装置15に、オペレータが編集可能な形式で表示することを含んでいてもよい。この場合、入力装置16を介して推奨値の数値が変更されることに応じて、演算装置12は、上述の突き出し長さL2の推奨値RVを補正値MVに変更する。また、演算装置12は、特定工具モデル2sと特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が当該補正値MVになるよう組み合わせられたアセンブリモデルAMを作成する。
図34に例示されるように、表示工程(第7ステップST7)は、アセンブリモデルAMの形状を示す画像156を表示装置15に表示することを含んでいてもよい。また、上述の突き出し長さL2が、上述の推奨値RVから上述の補正値MVに変更されることに応じて、表示装置15に表示されたアセンブリモデルAMの形状が自動変更されてもよい。
図34に例示されるように、表示工程(第7ステップST7)は、(1)上述の推奨値RVまたは上述の補正値MV、および、(2)上述のアセンブリモデルAMの形状を示す画像156、を表示装置15に同時に表示することを含んでいてもよい。また、表示工程(第7ステップST7)は、(1)上述の推奨値RVまたは上述の補正値MV、(2)上述のアセンブリモデルAMの形状を示す画像156、(3)工具情報TFに基づいて選択された特定保持ユニットモデル3sを識別する識別子501i、および/または、(4)工具特徴データTC(例えば、刃先角の数値データ、工具径の数値データ、および、工具幅の数値データのうちの少なくとも1つを含む工具特徴データTC)、を表示装置15に同時に表示することを含んでいてもよい。
なお、表示工程(第7ステップST7)は、省略されてもよい。
第8ステップST8において、加工シミュレーションが行われる。第8ステップST8は、加工シミュレーション実行工程である。加工シミュレーション実行工程は、ワークモデルWmを仮想的に加工することを含む。より具体的には、加工シミュレーション実行工程は、演算装置12が加工プログラム58を仮想的に実行することにより、工作機械6を構成する要素の少なくとも一部をモデリングした複数の構成モデル9mと、加工前のワークWをモデリングしたワークモデルWmと、アセンブリモデルAMとを用いて、ワークモデルWmを仮想的に加工することを含む。
加工シミュレーション実行工程は、特定工具モデル2sの移動経路データを生成することを含んでいてもよい。また、図17に例示されるように、加工シミュレーション実行工程は、上述の移動経路データによって指定される経路に沿って、特定工具モデル2s、および、特定工具モデル2sとともに移動する複数のモデル(3s、61m、2-2、3-2)が、ワークモデルWmに対して移動する動画を、表示装置15に表示することを含んでいてもよい。当該動画において、ワークモデルWmは、特定工具モデル2sによって疑似的に加工される。
第9ステップST9において、加工シミュレーションにおいて異常干渉の有無がチェックされる。第9ステップST9は、干渉チェック工程である。干渉チェック工程は、加工シミュレーション実行工程(第8ステップST8)と並列的に実行される。
干渉チェック工程(第9ステップST9)では、上述の加工シミュレーションにおいて、演算装置12は、上述のアセンブリモデルAMが、複数の構成モデル9mのいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックする。なお、アセンブリモデルAMは、特定工具モデル2sと特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が推奨値RVまたは推奨値RVから補正された補正値MVになるよう組み合わせられたモデルである。付加的に、干渉チェック工程(第9ステップST9)は、演算装置12が、アセンブリモデルAMとともに移動するモデル(例えば、支持体モデル61m、支持体モデル61mに仮想的に取り付けられた他の保持ユニットモデル3-2、あるいは、他の工具モデル2-2)が、複数の構成モデル9mのいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックすることを含んでいてもよい。
干渉チェック工程(第9ステップST9)は、演算装置12が、干渉チェック領域RG(図29または図30を参照。)が、複数の構成モデル9mのいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックすることを含んでいてもよい。
干渉チェック工程(第9ステップST9)は、演算装置12によって、異常干渉が「有る」と判断された場合に、表示装置15に、異常干渉がある旨のメッセージを表示することを含んでいてもよい。
第10ステップST10において、加工シミュレーション装置1の通信回路13から工作機械6に、データが送信される。第10ステップST10はデータ送信工程である。
データ送信工程は、加工シミュレーション装置1の通信回路13から工作機械6に、突き出し長さL2の推奨値RVを示すデータ、または、推奨値RVから補正された補正値MVを示すデータを送信することを含む。代替的に、あるいは、付加的に、データ送信工程は、加工シミュレーション装置1の通信回路13から工作機械6に、当該推奨値RVまたは補正値MV等に基づいて算出されたモデル工具長L1を示すデータを送信することを含んでいてもよい。
代替的に、あるいは、付加的に、データ送信工程は、加工シミュレーション装置1の通信回路13から工作機械6に、特定工具モデル2sの形状データ、および、特定保持ユニットモデル3sの形状データを送信することを含んでいてもよい。また、データ送信工程は、加工シミュレーション装置1の通信回路13から工作機械6に、アセンブリモデルAMの形状データを送信することを含んでいてもよい。
また、データ送信工程は、加工シミュレーション装置1の通信回路13から工作機械6に、上述の第1関連付けデータ41c(換言すれば、入力装置16を介して入力または選択された工具情報TFと、仮想取付面614mの第3識別子544iとが関連付けられた第1関連付けデータ41c)を送信することを含んでいてもよい。
なお、上述の第3ステップST3乃至第9ステップST9が工作機械6によって実行される場合には、第10ステップST10(データ送信工程)は、省略されてもよい。
第1の実施形態におけるプログラム(より具体的には、演算プログラム59)は、第1の実施形態における加工シミュレーション方法を加工シミュレーション装置1または工作機械6に実行させるためのプログラムである。
より具体的には、第1の実施形態におけるプログラム(より具体的には、演算プログラム59)は、(1)加工シミュレーション装置1または工作機械6に入力された工具情報TFに基づいて、工具をモデリングした特定工具モデル2sを設定する工程(換言すれば、上述の第3ステップST3)と、(2)工具情報TFに基づいて、メモリ5に記憶され、複数の工具保持ユニット8をそれぞれモデリングした複数の保持ユニットモデル3の中から特定保持ユニットモデル3sを選択する工程(換言すれば、上述の第4ステップST4)と、(3)工具情報TFに基づいて、特定保持ユニットモデル3sに対する特定工具モデル2sの突き出し長さL2の推奨値RVを導出する工程(換言すれば、上述の第5ステップST5)と、(4)特定工具モデル2sと、特定保持ユニットモデル3sとが、突き出し長さL2が推奨値RVまたは推奨値RVから補正された補正値MVになるよう組み合わせられたアセンブリモデルAMを作成する工程(換言すれば、上述の第6ステップST6)と、(5)加工プログラム58を仮想的に実行することにより、工作機械6を構成する要素の少なくとも一部をモデリングした複数の構成モデル9mと加工前のワークWをモデリングしたワークモデルWmとアセンブリモデルAMとを用いて、ワークモデルWmを仮想的に加工する加工シミュレーションを行う工程(換言すれば、上述の第8ステップST8)と、(6)加工シミュレーションにおいて、アセンブリモデルAMが、複数の構成モデル9mのいずれか、または、ワークモデルWmと異常干渉するか否かをチェックする工程(換言すれば、上述の第9ステップST9)と、を具備する加工シミュレーション方法を加工シミュレーション装置1または工作機械6に実行させるためのプログラムである。
付加的に、第1の実施形態におけるプログラム(より具体的には、演算プログラム59)は、上述の工具情報入力工程(第2ステップST2)、上述の表示工程(第7ステップST7)、および/または、上述のデータ送信工程(第10ステップST10)を含む加工シミュレーション方法を加工シミュレーション装置1に実行させるためのプログラムであってもよい。
また、第1の実施形態におけるメモリ5は、上述のプログラム(より具体的には、演算プログラム59)を記録した不揮発性記憶媒体であってもよい。上述のプログラム(より具体的には、演算プログラム59)を記録した不揮発性記憶媒体は、図42に例示されるように、可搬式の記憶媒体5Mであってもよい。
第1の実施形態における加工シミュレーション方法、プログラム(より具体的には、演算プログラム59)、あるいは、当該プログラム(より具体的には、演算プログラム59)を記録した不揮発性記憶媒体は、第1の実施形態における加工シミュレーション装置1Aと同様の効果を奏する。
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。