以下、本発明の具体的な実施の形態として窓枠としてのアルミサッシに取り付けられる面格子について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明の面格子の構成は、以下の実施の形態に記載した面格子の構成に限定されるものではなく、以下の実施の形態において説明する技術的特徴を有する技術的思想と同等の技術に基づく構成を含むものである。
また、以下の実施の形態において示す数値、形状、構成、ステップ(工程、モード)、およびステップの順序などは、一例を示すものであり、発明を本発明の内容に限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各実施の形態においては、同じ要素には同じ符号を付して、説明を省略する場合がある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
先ず始めに、本発明の面格子における各種態様を例示する。
本発明に係る第1の態様の面格子は、
長手方向が水平方向となるように並設された長板状の複数の羽根と、
前記羽根の長手方向の両側に配設され、前記羽根のそれぞれに接合された軸ピンを保持し、前記軸ピンを回動中心として前記羽根のそれぞれを回動可能に保持する1組のアタッチ板と、
前記1組のアタッチ板の一方に並設され、前記羽根のそれぞれに接合されたガイドピンを回動可能に保持して、前記羽根の回動を連動させるリンク板と、
前記羽根における少なくとも一枚の主羽根の回動を操作して、当該主羽根に接合された主ガイドピンが前記リンク板を駆動するよう構成された羽根操作部と、を備え、
前記主羽根と前記リンク板とを接合する主ガイドピンが熱可塑性の樹脂で構成されている。
本発明に係る第2の態様の面格子は、前記の第1の態様において、前記羽根に接合された前記ガイドピンが前記アタッチ板に形成されたガイド溝に沿って移動するよう構成され、前記羽根の閉鎖状態と開放状態とを保持できるよう構成され、
前記面格子の周囲温度が所定温度に達したとき、前記主ガイドピンが溶融して、前記主羽根と前記リンク板との接合状態が外れ、前記リンク板が移動して、前記リンク板に接合された羽根が前記軸ピンを中心に回動して開放状態となるように構成されてもよい。
本発明に係る第3の態様の面格子は、前記の第1または第2の態様において、前記面格子の周囲温度が所定温度に達し、前記主ガイドピンが溶融し、前記主羽根と前記リンク板との接合状態が外れたとき、前記リンク板に接合された羽根が自重により回動して開放状態となるように、前記羽根における回動軸である軸ピンに対する重心位置が偏るよう構成されてもよい。
本発明に係る第4の態様の面格子は、前記の第2または第3の態様において、前記アタッチ板が、前記軸ピンを回動可能に保持する軸孔と、前記ガイドピンと係合して前記ガイドピンを案内するガイド溝とを有し、前記ガイド溝が前記軸孔を中心とする円弧状の開口で構成されてもよい。
本発明に係る第5の態様の面格子は、前記の第1から第4の態様におけるいずれかの態様において、複数の前記羽根が、上下に複数の回動操作領域に分割された構成を有し、それぞれの回動操作領域において主羽根を回動操作する羽根操作部と、それぞれの回動操作領域における全ての羽根を連動させるリンク板とを備える構成としてもよい。
本発明に係る第6の態様の面格子は、前記の第1から第5の態様におけるいずれかの態様において、前記羽根操作部が、ロック部と、前記主羽根に接合された羽根可変レバーとを備え、
前記羽根可変レバーの回動操作により、前記主羽根の回動と共に、前記リンク板が移動して、前記主羽根以外の従羽根が回動するよう構成され、
前記ロック部が前記羽根可変レバーを複数の回動位置で係止可能に構成され、前記ロック部が前記主羽根および前記従羽根を複数の回動位置で固定可能に構成されてもよい。
本発明に係る第7の態様の面格子取付け構造は、
前記の第1の態様から第6の態様におけるいずれかの態様の面格子と、
窓枠と、
前記面格子を前記窓枠の下部に接合するための下部ブラケットと、
前記面格子を前記窓枠の上部に接合するための上部ブラケットと、を備え、
前記下部ブラケットは、前記面格子を前記窓枠に対して回動可能に取り付ける構成を有し、
前記上部ブラケットは、前記窓枠に固定するために前記窓枠の辺を挟着する挟着機構と、前記面格子に固定するための螺合機構と、前記螺合機構における接合部分を引き離すように配設された引き離し機構とを有し、
前記螺合機構は、熱可塑性樹脂により形成された樹脂ワッシャと、前記上部ブラケットに形成された貫通孔と前記樹脂ワッシャとを貫通して、前記面格子に前記上部ブラケットを固定する螺合部材とを、を含み、
前記窓枠の周囲温度が所定温度に達したとき、前記樹脂ワッシャが溶融して、前記螺合部材が前記樹脂ワッシャから外れ、前記面格子の上部が前記窓枠から離れて、前記面格子が前記下部ブラケットを中心に回動するように構成されている。
本発明に係る第8の態様の面格子取付け構造は、前記の第7の態様において、前記上部ブラケットが、前記面格子の上部が前記窓枠から離れるように回動したとき、前記面格子を前記窓枠から所定距離を有して保持するアーム部を備えてもよい。
本発明に係る第9の態様の面格子取付け構造は、前記の第7または第8の態様において、前記引き離し機構が、前記面格子に形成された縦溝に沿って移動可能に構成されてもよい。
本発明に係る第10の態様の面格子取付け構造は、前記の第9の態様において、前記螺合部材が、前記面格子に形成された縦溝の裏側に配設された裏板と、前記樹脂ワッシャおよび前記上部ブラケットの貫通孔を通り、前記面格子に形成された縦溝を介して前記裏板に接合される面格子固定ネジとを含み、前記面格子固定ネジを前記裏板に螺合することにより、前記上部ブラケットを前記面格子に固定するように構成されてもよい。
本発明に係る第11の態様の面格子取付け構造は、前記の第10の態様において、前記引き離し機構が、前記螺合機構の接合部分に対して引き離す方向に付勢力を発生させる付勢部材を備える構成としてもよい。
本発明に係る第12の態様の面格子取付け構造は、前記の第11の態様において、前記引き離し機構が、楔プレートを含み、前記楔プレートの先端が前記螺合機構における前記裏板と前記面格子との間に当接して、前記楔プレートが前記裏板と前記面格子との間を引き離すように前記付勢部材の付勢力が加わるように構成されてもよい。
本発明に係る第13の態様の面格子取付け構造は、前記の第12の態様において、前記楔プレートの先端部分が二股に分かれた二叉部を有し、
前記窓枠の周囲温度が所定温度に達して、前記樹脂ワッシャが溶融したとき、前記二叉部が前記付勢部材の付勢力により前記裏板と前記面格子との間に入り、前記螺合部材が前記樹脂ワッシャから外れて、前記面格子の上部が前記窓枠から離れるよう構成されてもよい。
本発明に係る第14の態様の面格子取付け構造は、前記の第13の態様において、前記二叉部が湾曲部を有し、前記二叉部が前記付勢部材の付勢力により前記裏板と前記面格子との間に入り、前記二叉部が前記裏板に接合された前記面格子固定ネジの両側に配置され、前記湾曲部が前記裏板を前記面格子からさらに引き離すように構成されてもよい。
本発明に係る第15の態様の面格子取付け構造は、前記の第7から第14の態様におけるいずれかの態様において、前記下部ブラケットが、前記面格子を前記窓枠の下部から脱着可能に構成され、前記面格子の下側が前記窓枠から離れるように構成されてもよい。
以下、本発明に係る面格子に関して、例示としての実施の形態を添付の図面を参照しつつ説明する。
《実施の形態1》
まず、本発明に係る実施の形態1の面格子について、図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1の面格子6を屋内側から見た内観図であり、窓枠を構成する建材であるサッシ(図示省略)に取り付けられる面格子6を示している。図示を省略しているサッシには引違い窓などが嵌め込まれる。図1に示すように、面格子6には曲面で構成された複数の細長い長板である羽根(ルーパー)7が水平方向を長手方向として上下方向に並設されており、それぞれの羽根7が連動して水平方向に延びる軸を中心に回動可能な構造を有する。
なお、窓枠であるサッシへの面格子6の取り付け方法としては、例えば、面格子6の下部両側に設けた下部ブラケットと、面格子6の上部両側に設けた上部ブラケットとにより固定されてもよく、実施の形態2において具体的な一例としての面格子取付け構造を説明する。本発明において、面格子6の窓枠への取り付け構造としては、特定するものではなく、通常の取り付け構造が用いられる。
図1に示す面格子6の構造においては、左右2つの面格子6(第1面格子6A、第2面格子6B)で構成されている。また、それぞれの面格子(6A、6B)においては、並設された複数の羽根7が上下2つの領域に分かれて別々に羽根操作部71(上羽根操作部71aおよび下羽根操作部71b)により回動操作される。実施の形態1の構成においては、上側の4枚の羽根7が上羽根操作部71aにより回動操作され、下側の15枚の羽根7が下羽根操作部71bにより回動操作される。図1においては、上羽根操作部71aにより回動操作される羽根7の上側回動操作領域を「X」と表示し、下羽根操作部71bにより回動操作される羽根7の下側回動操作領域を「Y」と表示している。
なお、実施の形態1においては、上記のように並設された複数の羽根を回動操作する構成で説明するが、この構成は例示であり、面格子6における回動操作領域の数、および回動操作領域における羽根の操作枚数などは適宜設計により変更される。
図2は、実施の形態1の面格子6における第1面格子6Aを分解して示す斜視図である。図2に示すように、複数の羽根7が長手方向を水平方向として並設されており、各羽根7の両端にはアタッチ板72が設けられている。両側のアタッチ板72には、各羽根7に対向する位置に軸孔72a、および軸孔72aを中心とする円弧状の開口であるガイド溝72bが形成されている。羽根7の両側に配置された1組のアタッチ板72は、軸孔72aを貫通する軸ピン73を回動中心として複数の羽根7のそれぞれを回動可能に保持している。
図3は、実施の形態1における並設された羽根7と、一方のアタッチ板72との関係を示す拡大斜視図である。アタッチ板72の軸孔72aには軸ピン73が貫通しており、軸ピン73の中心軸が羽根7における長手方向に延びる回動中心軸の位置に固定される。即ち、各羽根7は軸ピン73を中心に回動可能な構成である。また、実施の形態1においては、各羽根7に対応するように、軸ピン73と平行に延びるガイドピン74が配設されている。ガイドピン74はアタッチ板72の円弧状のガイド溝72bを貫通して羽根7に固定されている。ガイドピン74の中心軸は、羽根7において長手方向に延びる回動中心軸で二分される一方の領域の端部近傍に、その長手方向と平行に固定されている。即ち、それぞれの羽根7においては、回動軸となる軸ピン73に対して重心位置が一方に偏るよう構成されており、羽根7に負荷がかからないフリーな状態においては、羽根7が開放状態の位置となるように構成されている。なお、軸ピン73およびガイドピン74の表面はローレット加工されており、羽根7に対しては抜け止めおよび滑り止めされた接合状態である。
図2に示したように、一方のアタッチ板72には、上側回動操作領域Xおよび下側回動操作領域Yにおける各羽根7の回動操作を行うための羽根操作部71(上羽根操作部71a、下羽根操作部71b)が設けられている。図3においては、上羽根操作部71aおよび下羽根操作部71bが同様の構成を有するため、羽根操作部71として上羽根操作部71aを表示する。羽根操作部71は、ロック部75および羽根可変レバー76を備える。
羽根可変レバー76は、各羽根7に接合された連結ピンであるガイドピン74を羽根7の軸ピン73を中心として円弧状のガイド溝72bに沿って回動させるための操作レバーである。この羽根可変レバー76はロック部75から突設された構成である。ロック部75は、羽根可変レバー76を所定の回動位置で固定するものであり、使用者が望む回動位置で各羽根7を停止させて固定するものである。ロック部75においては、例えば、羽根可変レバー76が引張りコイルバネにより引張り可能な構成を有し、使用者が羽根可変レバー76を引張りながら回動し、所望の位置で羽根可変レバー76から手を離して突起に係止させることにより、羽根7を所望の回動位置に停止させる構成である。このように、実施の形態1におけるロック部75としては、羽根可変レバー76を引っ張ることにより、突起との係止状態を外して、別の回動位置の突起に係止させて羽根7を所望の回動位置で停止させることができる構成である。
羽根操作部71(上羽根操作部71a、下羽根操作部71b)は、回動操作領域(X、Y)の複数の羽根7における一枚の特定された羽根7である主羽根7Aに接合されており、主羽根7Aを直接的に回動操作する構成である。羽根操作部71においては、羽根可変レバー76(羽根可変レバー76a、下羽根可変レバー76b)が主羽根7A(図3参照)に直結された構成であり、羽根可変レバー76の回動操作により主羽根7Aが回動する。上側または下側の回動操作領域(X、Y)における主羽根7A以外の他の羽根(以下、従羽根7Bと称す)の回動操作は、後述する主羽根7Aの回動動作と連動するように設けられたリンク板77により行われる。
図2に示したように、並設された複数の羽根7の長手方向の両端には、アタッチ板72、軸ピン73およびガイドピン74がそれぞれ設けられている。一方のアタッチ板72には、ロック部75と羽根可変レバー76とを備える羽根操作部71が設けられており、他方のアタッチ板72にはリンク板77が並設されている。リンク板77は、長板形状であり、鉛直方向(上下方向)が長手方向となるように、並設された複数の羽根7の端部に沿って延設されている。リンク板77には、並設された複数の羽根7が連動して回動するように、各羽根7にそれぞれ固定された連結ピンであるガイドピン74が回動可能に接合されている。
実施の形態1の構成においては、前述のように、上下に羽根操作部71(上羽根操作部71a、下羽根操作部71b)が設けられており、面格子6における並設された複数の羽根7において、上側回動操作領域Xの羽根7が上羽根操作部71aにより回動操作され、下側回動操作領域Yの羽根7が下羽根操作部71bにより操作される。このため、リンク板77においても上側リンク板77aおよび下側リンク板77bが別々に設けられている。
図4は、実施の形態1における面格子6において両側の1組のアタッチ板72の間に複数の羽根7が並設された状態を模式的に示す図であり、(a)が内観側を正面としたときの左側面図、(b)が内観側の正面図、(c)が内観側を正面としたときの右側面図である。図4の(a)に示す面格子6においては左側が屋外側であり、図4の(c)に示す面格子6においては右側が屋外側である。図4の(a)および(c)においては、アタッチ板72の間に配設された複数の羽根7を模式的に実線で示している。また、図4の(b)においては、一部を分解して示しており、各羽根7に接合される軸ピン73とガイドピン74、および各羽根7を連動させるリンク板77を分解して示されている。
図4の(b)に示すように、リンク板77は、上羽根操作部71aに対応する上側リンク板77aと、下羽根操作部71bに対応する下側リンク板77bとに分かれている。図4の各図においては、羽根7が全閉状態を示している。
図5および図6は、羽根7の回動中心に固定され、アタッチ板72の軸孔72aに回動可能に保持された軸ピン73と、羽根7の端部近傍に固定され、アタッチ板72のガイド溝72bにガイドされるガイドピン74と、ガイドピン74を回動可能に保持して移動可能なリンク板77との関係を模式的に示す拡大図である。図5が羽根7の全閉状態を示し、図6が羽根7の開放状態を示している。
図5に示すように、リンク板77はガイドピン74を回動可能に保持しているため、羽根可変レバー76(上羽根可変レバー76a、下羽根可変レバー76b)の回動操作により、羽根可変レバー76(上羽根可変レバー76a、下羽根可変レバー76b)に直接的に接合された主羽根7Aが回動する。主羽根7Aの回動に応じて、主羽根7Aに固定された連結ピンである主ガイドピン74Aがガイド溝72aに沿って移動する。このため、主ガイドピン74Aが回動可能に接合されたリンク板77が移動し、リンク板77に回動可能に接合された他のガイドピン74も同時に移動する。このように、羽根可変レバー76(上羽根可変レバー76a、下羽根可変レバー76b)を回動操作することにより、リンク板77に接合された主羽根7Aと共に、回動操作領域内の該当する他の羽根7(従羽根7B)が連動して所望の位置まで回動する。従って、図5に示した羽根7の全閉状態と、図6に示した開放状態との間の所望の位置に主羽根7Aを回動操作することにより、連動して従羽根7Bも同時に所望の位置に回動させることができる。
[火災発生時の羽根自動開放機構]
実施の形態1の面格子6は、屋内で火災が発生した高温状況下において、羽根7が自動的に開放状態となり、面格子6による窓枠の閉鎖状態を開放できる構成を有している。このような高温状況下において、建物内部の熱が面格子6を通して外部へ排出することができる構成である。この結果、実施の形態1の面格子6は、窓枠であるサッシに対して急激に高温度化となる状況を防止することが可能となり、サッシの破損、ガラスの脱落などの事故の発生を抑制することが可能となる。
上記のように自動的に開放動作を行う羽根自動開放機構においては、図5および図6に示す主羽根7Aに固定された主ガイドピン74Aが、熱可塑性の樹脂で形成されている。主ガイドピン74Aは、平温時の状態では所定の剛性を有しており、リンク板77に対して回動可能に確実に接合されている。一方、高温状況下においては主ガイドピン74Aが溶融し、主羽根7Aとリンク板77との間の接合状態が外れる構成である。したがって、羽根操作部71(上羽根操作部71a、下羽根操作部71b)の羽根可変レバー76(上羽根可変レバー76a、下羽根可変レバー76b)による回動操作により、全ての羽根7が全閉状態であったとしても、主羽根7Aのみは閉鎖状態を維持するが、その他の従羽根7Bはリンク板77と共に、その自重により開放状態の位置に移動する。このように、その他の従羽根7Bが、開放状態の位置に回動するのは、各羽根7の端部近傍にガイドピン74が接合された構成であり、主ガイドピン74A以外の全てのガイドピン74がリンク板77に接合状態を維持しているためである。従羽根7Bにおいては、主羽根7Aとの連動が外れた状態であり、負荷がかからないフリーな状態においては、従羽根7Bが開放する方向に回動するように、従羽根7Bの一端側が重く構成されている。即ち、各羽根7においては、その長手方向に延びる回動中心軸(軸ピン73の中心軸)が各羽根7の略中央位置に配設され、回動中心軸で2分される一方側に重心が配置されるように、羽根7の一方側にガイドピン74が接合されている。なお、各羽根7においては、回動軸である軸ピン73が固定される位置を各羽根7の一方に偏った位置として、各羽根7がフリーな状態において羽根7の自重により回動する構成としてもよい。
上記ように、羽根操作部71(上羽根操作部71a、下羽根操作部71b)における回動操作により直接的に回動操作される主羽根7Aに固定された主ガイドピン74Aは、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリエステルなどが用いられており、高温度で溶融する材料が用いられている。なお、樹脂が溶融する温度としては、120℃以上、300℃以下の融点を有する樹脂が好ましく、特に、200℃以下の融点の樹脂材料が好ましい。発明者の実験においては、140℃~150℃でゲル化ずる熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレンなど)を材料として用いた。実施の形態1における樹脂製の主ガイドピン74Aの形状、構成に関しては、面格子6における羽根7の回動操作に耐える各種条件に応じて適切に設定される。
<火災発生時における面格子6における開放動作>
上記のように構成された実施の形態1の面格子6を窓枠であるサッシに取り付けることにより、例えば、屋内で火災が発生したときの高温状況下において、面格子6の従羽根7Bの全てが自動的に開放状態となり、面格子6を通して熱が外部に確実に放出される構成となる。
図7および図8は、実施の形態1の面格子6の側面を示す図であり、面格子6における並設された各羽根7が上側回動領域Xおよび下側回動領域Yに分かれており、羽根7、アタッチ板72、およびリンク板77における動作を示すように模式的に示している。図7は、羽根7(主羽根7Aおよび従羽根7B)の全てが全閉である状態を示しており、図8は、火災発生時において主羽根7A以外の従羽根7Bが開放された状態を示している。図7および図8において、右側が屋外側である。
図8は、火災発生時の高温状況下の面格子6において、主羽根7Aとリンク板77とを接合する主ガイドピン74Aが熱により溶融して、主羽根7Aとリンク板77との接合状態が外れて、リンク77が従羽根7Bに接合されたガイドピン74と共に下方に移動した状態を示しており、従羽根7Bの開放状態を示している。図9は、火災発生時における、従羽根7Bが開放された状態を示す内観図である。図8および図9に示す開放状態において、従羽根7Bを通して、窓枠からの熱が外部に放出される状態となる。
図10は、室内の火災発生時の高温状況下において、窓枠であるサッシ2に取り付けられた面格子6が閉鎖状態から開放状態に移行し、室内からの熱が従羽根7Bを通して外部に放出される開放動作を模式的に示した説明図である。図10において、(a)が平温時(通常時)の閉鎖状態を示している。図10の(b)は、火災発生時に熱可塑性の樹脂で形成された主ガイドピン74Aが溶融し、主羽根7Aとリンク板77との接合状態が外れる直前の状態を示している。図10の(c)は、主羽根7Aとリンク板77との接合状態が外れて、リンク板77が従羽根7Bと共に自重により移動した開放状態を示している。図10の(c)に示すような開放状態となることにより、サッシ2に対して急激に高温度化となる状況を防止することが可能となり、サッシ2の破損、ガラスの脱落などの事故の発生を抑制することが可能となる。
《実施の形態2》
次に、本発明に係る実施の形態2の面格子6の取付け構造について添付の図面を参照しつつ説明する。なお、実施の形態2における面格子6の構成は、前述の実施の形態1において説明した構成と同じである。
実施の形態2においては、窓枠としてのアルミサッシに面格子6を取り付けるための面格子取付け構造について説明する。なお、本発明の面格子取付け構造は、実施の形態2に記載した面格子取付け構造の構成に限定されるものではなく、以下の実施の形態において説明する技術的特徴を有する技術的思想と同等の技術に基づく取付け構造の構成を含むものである。
図11は、実施の形態2における面格子取付け構造を示す縦断面図であり、面格子6が引違い窓4のための窓枠を構成する建材であるサッシ2に取り付けられた状態を模式的に示す断面図である。図11において、引違い窓4の右側が屋内側であり、面格子6の左側が屋外側となる。図11に示すように、面格子6には複数の細長い羽根7が水平方向を長手方向として上下方向に並設されており、それぞれの羽根7が連動して水平方向の軸を中心に回動可能な構造を有する。
図12は、面格子6を屋内側から見た内観図であり、窓枠2に取り付けられる前の状態を示している。なお、図12においては、羽根7は全閉した状態を示している。図12に示すように、面格子6にはサッシ2に取り付けるために、面格子6の下部両側に設けた下部ブラケット10と、面格子6の上部両側に設けた上部ブラケット12とを備えている。これらの下部ブラケット10および上部ブラケット12が、窓枠となるサッシ2に対する面格子6の取付け構造8を構成している。即ち、実施の形態2における面格子6は、四カ所において、取付け構造8によりサッシ2に固定される構成である。
図13は、面格子6がサッシ2に取り付けられた状態を示す平面断面図であり、主要な部分を模式的に示している。図13においては、下側が屋内側であり、上側が屋外側である。図13に示すように、面格子6は、両側の取付け構造8(下部ブラケット10、上部ブラケット12)を介してサッシ2に確実に固定される。実施の形態2における取付け構造8における下部ブラケット10および上部ブラケット12の構造および取付け方法については以下に詳述する。
<下部ブラケット10>
まず、取付け構造8における下部ブラケット10の構造について説明する。図14および図15は、サッシ2に対して下部ブラケット10により面格子6が取り付けられた状態を示す斜視図である。図14は、面格子6およびサッシ2を屋内側の上側から見た内観側の斜視図である。図15は、面格子6およびサッシ2を屋外側の上側から見た外観側の斜視図である。
下部ブラケット10は、第1ブラケット14と、第2ブラケット16と、第3ブラケット18と、を備える。第1ブラケット14と第2ブラケット16は、協働してサッシ2の辺2aを挟着するように構成されている。第3ブラケット18は、面格子6に固定される構成を有し、サッシ2に固定された第1ブラケット14に対しては回動可能に接合される構成である。
[サッシ2に対する固定:サッシ側ブラケット]
下部ブラケット10における第1ブラケット14および第2ブラケット16は、サッシ2において上下に延設された辺2a(図14参照)を両側から挟んで固定するために設けられた板状の部材である。第1ブラケット14と第2ブラケット16は互いに隣接して、一部が重なるように配置されており、サッシ2の辺2aを両側から圧着して固定する。第1ブラケット14および第2ブラケット16は「サッシ側ブラケット」と称してもよい。
図16は、第1ブラケット14および第2ブラケット16を平面視したときの断面図である。図16に示すように、第1ブラケット14および第2ブラケット16は屈曲した形状を有しており、断面がL字状の部分が重なるように配設された構成である。
以下、第1ブラケット14および第2ブラケット16における屈曲部を境として、それぞれの部分に符号を付けて、それぞれの機能について説明する。第1ブラケット14は、第1板状部14aと、第2板状部14bと、第3板状部14cと、第4板状部14dとを含む。第2ブラケット16は、第1板状部16aと、第2板状部16bとを含む。
第1ブラケット14における第1板状部14aと第2板状部14bとにより、平面視の断面がL字状に略直角に屈曲して構成され、第2ブラケット16における第1板状部16aと第2板状部16bとにより、同様に平面視の断面がL字状に略直角に屈曲して構成されており、それぞれが対向するように配置されている。第1ブラケット14の第1板状部14aと、第2ブラケット16の第1板状部16aとは締め付けネジ38により接合するよう構成されている。締め付けネジ38は、第1ブラケット14の第1板状部14aに形成された貫通孔を挿通し、第2ブラケット16の第1板状部16aに形成された雌ネジに螺合する構成である。なお、締め付けネジ38のネジ部分が挿通する第1板状部14aの貫通孔は、締め付けネジ38の頭部の直径より小さく形成されており、締め付けネジ38の頭部が第1板状部14aの貫通孔を通り抜けることはない。従って、締め付けネジ38を回動させることにより、第2ブラケット16が第1ブラケット14に対して実質的に近づくように移動(図16における下方向)する。なお、第1ブラケット14には位置規制突起30が形成されており、この位置規制突起30が第2ブラケット16に形成された位置規制孔31の内部を移動し、第2ブラケット16の第1ブラケット14に対する移動方向が規制されている。
図17は、「サッシ側ブラケット」である第1ブラケット14および第2ブラケット16をサッシ2の上下方向(略鉛直方向)に延設している辺2aに取り付けるときの状態を示しており、固着する直前の状態を示す横断面図である。図18は、第1ブラケット14および第2ブラケット16の「サッシ側ブラケット」によりサッシ2の辺2aを挟着して、「サッシ側ブラケット」がサッシ2に固定された状態を示す横断面図である。
図16~図18に示すように、第1ブラケット14における第3板状部14cと第4板状部14dとにより形成されるU字形状部分の隙間Cの間にサッシ2の辺2aが挿入配置され、第2ブラケット16の第2板状部16bにおける突出端部が圧着用先端部16cとしてサッシ2の辺2aに当接するように配置される。また、第2ブラケット16の圧着用先端部16cが当接するサッシ2の辺2aの背面側(図17および図18においては下側)を支持するように、第1ブラケット14における第4板状部14dの先端部分が突出して圧着用先端部14eとして形成されている。従って、サッシ2の辺2aは、第1ブラケット14における圧着用先端部14eと、第2ブラケット16における圧着用先端部16cとに挟まれるように配置される。
前述のように、締め付けネジ38を回動(例えば、図17における矢印Rの方向に回動)することにより、第1ブラケット14の第1板状部14aと第2ブラケット16の第1板状部16aとの隙間Aが小さくなり、即ち、お互いの相対距離が短くなり、第2ブラケット16は第1ブラケット14に近づくように矢印B方向(図17参照)に移動する。このため、第2ブラケット16の圧着用先端部16cがサッシ2の辺2aに当接し、押し付けられる。この結果、第1ブラケット14の圧着用先端部14eと、第2ブラケット16の圧着用先端部16cとの間でサッシ2の辺2aが確実に挟着され、互いに強固に固定された状態となる。
実施の形態2における圧着用先端部16cは、図15に示すように鋸歯状の圧着面を有する形状としてもよい。また、圧着用先端部16cに対向するように配置される第1ブラケット14における圧着用先端部14eにおいても、サッシ2の辺2aとの摩擦係数が高くなるように、例えば、凸凹面を有する構成としてもよい。なお、圧着用先端部14e、16cにおいては、サッシ2の表面に当接して圧着できる機能を有する構成であればよく、そのような機能を有する任意の形態を採用してもよい。例えば、それらの先端部にディッピング加工によりゴム部材を取り付けることで圧着用先端部として構成してもよい。
上記のように、締め付けネジ38を回動させることにより、第2ブラケット16が第1ブラケット14に対して相対的に移動して、第1ブラケット14の圧着用先端部14eと第2ブラケット16の圧着用先端部16cとによりサッシ2において上下方向(略鉛直方向)に延びる辺2aを挟着する構成である。本発明の「サッシ側ブラケット」においては、上記の実施の形態2の構成に限定されるものではなく、各種接合機構を含む螺合機構の回動によりサッシの一部が挟着されて互いに確実に固定状態となる構成であればよい。
なお、締め付けネジ38を回動して、第1ブラケット14と第2ブラケット16とを接合し、サッシ2に固定するための取付け作業は、第1ブラケット14の内側において屋内側から行える構成であり、締め付けネジ38に対する作業空間が確保されている。サッシ2における固定すべき辺2aが第1ブラケット14の外側(L字状の外側)から挿入される構成であり、第1ブラケット14の内側(L字状の内側)において締め付けネジ38を回動させるための作業空間が確保された構成となっている。このため、作業空間は取り付けるべきサッシ2の辺2aと干渉しない位置に形成されており、「サッシ側ブラケット」の取付け作業を容易なものとしている。
[面格子6に対する固定:面格子側ブラケット]
図14および図15に示すように、下部ブラケット10における第3ブラケット18は、面格子6に取り付けられる板状の部材である。第3ブラケット18は「面格子側ブラケット」と称してもよい。第3ブラケット18である「面格子側ブラケット」は、前述の「サッシ側ブラケット」(第1ブラケット14および第2ブラケット16)に対して、回動可能に接合される。即ち、第3ブラケット18は、回転軸19(図15参照)を中心として、第1ブラケット14に回動可能である。
第3ブラケット18は、図14に示すように、裏板20を介して面格子6に取り付けられる。裏板20は、面格子6に形成された縦溝22を介して内側に配置された板状の部材である。縦溝22は、面格子6の縦方向(上下方向)に沿って延びる溝であり、裏板20も縦方向(上下方向)に沿って延設されている。裏板20は、固定ネジ(蝶ネジ)24a、24bにより縦溝22の所定位置に固定される。裏板20は、縦溝22の開口の横幅よりも広い横幅を有しており、縦溝22を通り抜けて外側へ脱落することが防止されている。
また、第3ブラケット18は、面格子固定ネジ25と固定ネジ(蝶ネジ)24bとにより裏板20に固定される。面格子固定ネジ25は、第3ブラケット18の貫通孔18aを挿通して、裏板20に形成された雌ネジに螺合している。面格子固定ネジ25が挿通する貫通孔18aの開口形状は、所謂、上下で孔の大きさが異なる瓢箪形状を有しており、面格子固定ネジ25の頭部より直径が小さい上側開口と、その頭部より直径が大きい下側開口とが上下に繋がった形状を有している。即ち、面格子固定ネジ25が貫通孔18aに係合した状態で第3ブラケット18を持ち上げることにより、面格子固定ネジ25の頭部が第3ブラケット18の貫通孔18aを通り抜けることが可能な状態となる。
一方、面格子固定ネジ25の下側に設けられた固定ネジ24b(蝶ネジ)は、第3ブラケット18に形成された溝開口に配置され、裏板20に形成された雌ネジに螺合するように構成されている。第3ブラケット18に形成された溝開口は、下方側が開放された逆U字状の溝形状である。このため、固定ネジ24bを緩めて、面格子6を持ち上げることが可能であり、面格子固定ネジ25を貫通孔18aから外すことが可能となるため、面格子6を下部ブラケット10の「面格子側ブラケット」から容易に取り外すことが可能となる。
上記のように、面格子6は第3ブラケット18である「面格子側ブラケット」に対して固定ネジ(24b、25)により取り外し可能に固定される構成を有すると共に、「面格子側ブラケット」は回転軸19を回転の中心として「サッシ側ブラケット」(第1ブラケット14および第2ブラケット16)に対して回転可能な構成を有する。
なお、図14に示すように、「サッシ側ブラケット」(第1ブラケット14および第2ブラケット16)をサッシ2に固定するための2本の締め付けネジ38と、「面格子側ブラケット」(第3ブラケット18)を面格子6に固定するための2本の固定ネジ(24b、25)が、第1ブラケット14および第3ブラケット18における内側の空間において上下にずれた位置に配設されている。即ち、締め付けネジ38と固定ネジ(24b、25)は、上下にずれた位置において取付け作業を行う構成である。この結果、回転工具を用いてそれぞれのネジ(24b、25、38)を回転させる際に、それぞれのネジを回動させる作業空間が他の部材と干渉しないため、取付け作業性の向上が図られている。
実施の形態2において用いる取付け構造8において用いるネジはSUSで形成されており、耐熱性、剛性を有する材料で構成されている。
<上部ブラケット12>
次に、実施の形態2の面格子6の取付け構造8における上部ブラケット12について、その構造および取付け方法について詳述する。
図19~図21は、サッシ2に対して上部ブラケット12により面格子6が取り付けられた状態を示す斜視図である。図19は、面格子6およびサッシ2を屋外側の斜め上から見た斜視図である。図20は、面格子6およびサッシ2を屋内側の斜め下からサッシ側を見た斜視図である。図21は、面格子6およびサッシ2を屋内側の斜め上から面格子側を見た斜視図である。
図19~図21に示すように、上部ブラケット12におけるサッシ2に対する固定方法は、下部ブラケット10と同様の構成を有する挟着機構を用いてサッシ2の上下方向に延びる辺2aを挟着して固定する構成である。一方、上部ブラケット12における面格子6に対する固定方法は、下部ブラケット10と同様にネジを用いた螺合機構を用いる構成であるが、上部ブラケット12においては、火災発生時に面格子6が上部ブラケット12から自動的に外れるように引き離し機構が設けられている。上部ブラケット12は、サッシ2に固定するための挟着機構を構成する第1ブラケット50と第2ブラケット52、面格子6に固定するために樹脂ワッシャ70を用いた螺合機構、および火災発生時の高温時において動作する引き離し部80とアーム部90とを有する引き離し機構を備える構成である。実施の形態2の構成においては、火災発生時の高温状況下において、樹脂ワッシャ70を用いた螺合機構の接合部分に対して引き離し機構が作動して、螺合機構における接合部分を確実に引き離して、面格子6をサッシ2から所定距だけ離れた所定位置に保持する構成を有している。
[サッシ2に対する固定:サッシ側ブラケット]
次に、上部ブラケット12においてサッシ2に固定するための挟着機構について説明する。上部ブラケット12における挟着機構は、前述の下部ブラケット10における第1ブラケット14および第2ブラケット16の「サッシ側ブラケット」によるサッシ2の辺2aに対する挟着機構と実質的に同様の構成である。上部ブラケット12における「サッシ側ブラケット」は、第1ブラケット50と第2ブラケット52が対応する。
第1ブラケット50および第2ブラケット52は、サッシ2において上下に延設された辺2aを両側から挟んで固定するために設けられた板状の金属部材である。第1ブラケット50と第2ブラケット52は互いに隣接して、一部が重なるように配置されており、サッシ2の辺2aを挟着して固定する。
図22は、第1ブラケット50および第2ブラケット52を平面視したときの断面図である。図22に示すように、第1ブラケット50および第2ブラケット52は屈曲した形状を有しており、断面がL字状の部分が重なるように配設された構成である。
図22に示す上部ブラケット12における第1ブラケット50および第2ブラケット52の「サッシ側ブラケット」によるサッシ2に対する挟着構成および方法は、図16から図18において説明した下部ブラケット10における第1ブラケット14および第2ブラケット16の「サッシ側ブラケット」によるサッシ2に対する挟着構成および方法と同じである。なお、図22においては、上部ブラケット12が取り付けられるサッシ2を一点鎖線で示している。
図22に示すように、第1ブラケット50における第3板状部50cと第4板状部50dとにより形成されるU字形状部分の隙間Cの間にサッシ2の辺2aが挿入配置され、第2ブラケット52における突出端部が圧着用先端部52cとしてサッシ2の辺2aに当接するように配置される。また、第2ブラケット52の圧着用先端部52cが当接するサッシ2の辺2aの背面側(図22おいては下側)を支持するように、第1ブラケット50における第4板状部50dの先端部分が突出して圧着用先端部50eが形成されている。従って、サッシ2の辺2aは、第1ブラケット50における圧着用先端部50eと、第2ブラケット52における圧着用先端部52cとに挟まれるように配置される。
前述のように、締め付けネジ38を回動することにより、第1ブラケット50の第1板状部50aと第2ブラケット52の第1板状部52aとの隙間Aが小さくなり、即ち、お互いの相対距離が短くなり、第2ブラケット52は第1ブラケット50に近づくように矢印B方向に移動する。このため、第2ブラケット52の圧着用先端部52cがサッシ2の辺2aに当接し、押し付けられる。この結果、第1ブラケット50の第4板状部50dの圧着用先端部50eと、第2ブラケット52の圧着用先端部52cとの間でサッシ2の辺2aが確実に挟着され、互いに強固に固定された状態となる。
なお、上部ブラケット12には、第1ブラケット50および第2ブラケット52と共に、第3ブラケット54が設けられており、この第3ブラケット54は、面格子6に対して固定される部材であり、火災発生時の高温状況下では面格子6に対して自動的に外れる構成を有している。また、第3ブラケット54は、第1ブラケット50に対しては回動軸65(図19参照)を中心として回動可能な構成を有し、下部ブラケット10を外したときに、面格子6の下側が開放可能となるように、面格子6が回動する構成である。
[面格子6に対する固定:面格子側ブラケット]
図19に示すように、上部ブラケット12における第3ブラケット54は、面格子6に取り付けられる板状の金属部材である。実施の形態2において、第3ブラケット54は第1ブラケット50に対して回動可能な構成を有している。第3ブラケット54は「面格子側ブラケット」と称してもよい。なお、火災発生時の高温状況下では、後述するように、「面格子側ブラケット」が面格子6から自動的に外れる構成を有している。
図23は、上部ブラケット12における「面格子側ブラケット」である第3ブラケット54と、面格子6との取付け部分を拡大して模式的に示す断面図である。図23に示すように、第3ブラケット54は、面格子固定ネジ60が裏板61に螺合することにより、樹脂ワッシャ70を介して面格子6に取り付けられる。裏板61は、面格子6に形成された縦溝22を介して内側に配置された板状の部材である。縦溝22は、面格子6の縦方向(上下方向)に沿って延びる溝であり、裏板61も縦方向(上下方向)に沿って所定長さを有して延設されている。実施の形態2の構成においては、面格子固定ネジ60および裏板61が螺合部材となる。なお、本発明における螺合部材としては、螺合状態で接合されるものを特定するものではなく、単に接合される部材なども含むものとする。
第3ブラケット54は、2本の面格子固定ネジ60により樹脂ワッシャ70を介して面格子6と共に裏板61に固定される。裏板61は、縦溝22の開口の横幅よりも広い横幅を有しており、縦溝22から抜けて外側へ脱落することが防止されている。面格子固定ネジ60は、第3ブラケット54の貫通孔54aを挿通しており、裏板61に形成された雌ネジに螺合されている。
図23に示すように、面格子固定ネジ60の頭部と第3ブラケット54との間には樹脂ワッシャ70が配設されている。樹脂ワッシャ70は、熱可塑性の樹脂で形成されており、平温時の状態では第3ブラケット54の貫通孔54aを通り抜けない形状を有している。樹脂ワッシャ70を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂が用いられ、高温度で溶融する材料が用いられる。なお、樹脂が溶融する温度としては、120℃以上、300℃以下の融点を有する樹脂が好ましく、特に、200℃以下の融点の樹脂材料が好ましい。発明者の実験においては、140℃~150℃でゲル化する熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレンなど)を材料として、厚み3mmの樹脂ワッシャ70を用いて好ましい結果を得た。樹脂ワッシャ70としては、所定の温度でゲル化して、第3ブラケット54の貫通孔54aを通り抜ける構成であると共に、上部ブラケット12における面格子側ブラケットとして平温時は所定荷重に確実に耐える剛性を有する構成が必要である。実施の形態2における樹脂ワッシャ70としては、所定荷重に耐える剛性を確保するために、所定の厚み(例えば、2~5mm厚)として構成した。樹脂ワッシャ70の構成および形状に関しては、第3ブラケット54の貫通孔54aの形状および大きさ、面格子6の荷重などの各種条件に応じて適切に設定される。
なお、実施の形態2における第3ブラケット54の貫通孔54aは、横長の長孔形状であるため、樹脂ワッシャ70の直径が、第3ブラケット54の貫通孔54aの上下方向の開口長さより大きく設定されている。従って、面格子固定ネジ60を裏板61に螺合させて締め付けることにより、樹脂ワッシャ70と裏板61とにより第3ブラケット54および面格子6が挟着されて、第3ブラケット54が面格子6に確実に固定される。
上記のように、平温時においては、上部ブラケット12における面格子側ブラケット(第3ブラケット54)およびサッシ側ブラケット(第1ブラケット50と第2ブラケット52)を用いて、面格子6がサッシ2に確実に固定された状態となる。一方、火災発生時の非常時である高温状況下では、樹脂ワッシャ70が溶融しゲル化して第3ブラケット54の貫通孔54aを通り抜け、面格子側ブラケットである第3ブラケット54が面格子6から外れる構成である。図24は、高温状況下で樹脂ワッシャ70がゲル化して第3ブラケット54の貫通孔54aを通り抜けて、上部ブラケット12が面格子6から離れた状態を模式的に示す断面図である。
実施の形態2においては、樹脂ワッシャ70を熱可塑性樹脂で構成して、面格子側ブラケット(第3ブラケット54)を取り付けることにより、サッシ2を有する建物内部で火災が生じたときに、建物内部からの熱で樹脂ワッシャ70が溶融する。これにより、第3ブラケット54と面格子6との間の固定状態が外れて、面格子6がサッシ2から離れる方向に移動可能な状態となる。面格子6がサッシ2から離れるように移動することで、面格子6によるサッシ2の外側の閉鎖空間が開放され、建物内部の熱を外部に逃がすことができる。上記のようにして、サッシ2に取付け構造8を取り付ける場合であっても、火災発生時において、サッシ2に対する防火上の悪影響を与えないようにすることが可能となり、サッシ2の遮炎性能を維持することができる。
実施の形態2における上部ブラケット12においては、高温状況下でゲル化した樹脂ワッシャ70が第3ブラケット54の貫通孔54aを確実に通り抜けて、面格子6が上部ブラケット12(サッシ2)から確実に引き離され、面格子6がサッシ2から確実に離れるように引き離し機構が設けられている。
[引き離し機構]
上部ブラケット12における引き離し機構は、面格子6を上部ブラケット12の第3ブラケット54から直接的に引き離すための引き離し部80と、サッシ2から引き離された面格子6をサッシ2から所定距離を有して保持し、面格子6の上部空間を開放するアーム部90とを備える。
[引き離し部80の構成]
引き離し部80は、面格子6を上部ブラケット12の第3ブラケット54から直接的に引き離すための楔プレート81を有している。図20に示すように、楔プレート81は、付勢部材82、例えば、引張りバネにより上方に付勢力が常時加わっており、楔プレート81の上端が、第3ブラケット54を固定するために面格子6の裏側に設けられた裏板61の下端部61aと、面格子6の縦溝22の両側の溝フレーム6aとの間に当接している。即ち、楔プレート81においては、裏板61と面格子6の溝フレーム6aとの間に入り込み、裏板61を第3ブラケット54から引き離すように、常時付勢力が働いている。
楔プレート81の上端部分は、二叉に分かれた二叉部81aが形成されており、面格子6の縦溝22の両側の溝フレーム6aに対応している。また、裏板61の下端部61aは、面格子6から持ち上がるように斜めに形成されており、楔プレート81の上端である二叉部81aの先端が確実に当接するよう構成されている。
図20に示したように、楔プレート81において、二叉部81aにはその中間部分が湾曲した湾曲部81bが形成されている。火災発生時の高温状況下において二叉部81aが裏板61と溝フレーム6aとの間に挿入されていく場合、湾曲部81bが裏板61と溝フレーム6aとの間をより引き離すように機能する。また、楔プレート81において、裏板61と溝フレーム6aとの間の隙間に挿入される部分が二叉部81aに形成されているため、第3ブラケット54を固定するために裏板61に螺合された面格子固定ネジ60に干渉することがなく、面格子固定ネジ60の両側に挿入される。なお、二叉部81aの先端をくさび状に形成して、僅かな隙間でも確実に挿入される形状として、前述のように、火災発生時の高温状況下において樹脂ワッシャ70が溶融したとき、楔プレート81が僅かな隙間に入り込み、直ぐに引き離し動作を行う構成となる。
楔プレート81が上方への付勢力が常時働くように、楔プレート81には付勢部材82、例えば、引張りバネが設けられている。付勢部材82の一端が楔プレート81の下端部81cに固定され、付勢部材82の他端が、後述するアーム部90を面格子6に対して摺動可能に固定するためのアーム接合ネジ93c(図20参照)に固定されている。アーム接合ネジ93cは、アーム部90を面格子6に摺動可能に固定するための表板93aと裏板93bとに螺合している。表板93aと裏板93bは、アーム接合ネジ93cが螺合された状態で面格子6の縦溝22に沿って上下に摺動するように、溝フレーム6aに取り付けられている。
[アーム部90の構成]
上部ブラケット12の引き離し機構におけるアーム部90は、サッシ2から引き離された面格子6をサッシ2から所定距離を有して、面格子6の上方が開放されるように、面格子6をサッシ2におり保持するために設けられている。
図25~図27は、面格子6がサッシ2に固定された上部ブラケット12から外れて、面格子6がサッシ2に対して所定距離を有して保持された状態を示す斜視図である。図25は、面格子6およびサッシ2を屋外側の斜め上から見た斜視図である。図26は、面格子6およびサッシ2を屋内側の斜め下からサッシ側を見た斜視図である。図27は、面格子6およびサッシ2を屋内側の斜め上から面格子側を見た斜視図である。
アーム部90は、第1アーム91と第2アーム92とアーム固定部93とを備える。第1アーム91の一端は、上部ブラケット12の第1ブラケット50に回動可能に接合され、第1アーム91の他端には、第2アーム92に対して摺動可能および回動可能に接合するための摺動軸91aが形成されている。摺動軸91aは、第2アーム92の一端に形成された長孔92aと係合しており、第1アーム91の他端が第2アーム92の一端に対して摺動可能および回動可能な接合状態を構成している。第2アーム92の他端は、面格子6に固定されたアーム固定部93における表板93aに回動可能に接合されている。第1ブラケット50と第1アーム91との間の回動面と、第1アーム91と第2アーム92との間の回動面と、第2アーム92とアーム固定部93の表板93aとの間の回動面は、実質的に同じ平面、若しくは実質的に平行な平面であり、面格子6の上方がサッシ2から離れる方向への回動面である。このため、火災発生時における高温状況下において、アーム部90における回動動作は素早く滑らかに行われる構成であり、面格子6がサッシ2に固定された上部ブラケット12から外れたとき、瞬時に所定距離を有して保持される状態となる。
アーム固定部93は、面格子6の縦溝22の両側を形成する溝フレーム6aのサッシ側である表側に配設される表板93aと、面格子6の内側(裏側)に配設される裏板93bと、表板93aと裏板93bとを所定距離を有して接合し、表板93aと裏板93bが溝フレーム6aに沿って上下に摺動可能に接合するアーム接合ネジ93cと、を備える。
図19及び図25等に示すように、表板93aにおいてサッシ側に突設された部位に第2アーム92の上端部92bが回動可能に接合される構成である。また、表板93aと裏板93bとを溝フレーム6aを介して接合するアーム接合ネジ93cにおける面格子6の裏側の突出端(図26参照)には、前述の付勢部材82である引張りバネの一端が固定されている。
従って、付勢部材82の一端がアーム接合ネジ93cに固定され、付勢部材82の他端が楔フレーム81の下端部81cに固定されている。この結果、面格子6がサッシ2に取り付けられるとき、アーム部90の第1アーム91と第2アーム92が折り畳まれる状態となるため、第2アーム92の上端部92bが面格子6の縦溝22に沿って上方に移動する(図21参照)。第2アーム92の上端部92bが上方へ移動すると、第2アーム92の上端部92bに接合されたアーム固定部93の表板9aと共にアーム接合ネジ93cが上方へ移動する。アーム接合ネジ93cが上方へ移動すると、付勢部材82の一端が引き上げられて付勢部材82は伸長状態となる。前述したように、面格子固定ネジ60により固定された裏板61の下端部61aに楔プレート81の上端である二叉部81aの先端が当接しているため、付勢部材82の伸長状態による上向きの付勢力が楔フレーム81に加えられた状態が維持される。
上記のように、引き離し機構には、引き離し部80とアーム部90とを備えているため、図25~図27に示したように、火災発生時の高温状況下において樹脂ワッシャ70が溶融したとき(図24参照)、引き離し部80の楔プレート81の二叉部81aの先端が裏板61と溝フレーム6aとの隙間に入り込み、面格子6を上部ブラケット12(サッシ2)から直接的に引き離す動作を行う。この結果、サッシ2から引き離された面格子6は、アーム部90によりサッシ2から所定距離を有して、面格子6の上部が開放した状態で保持される。
<火災発生時における面格子6のサッシ2からの開放動作>
前述のように、下部ブラケット10および上部ブラケット12を備える取付け構造8を用いて、サッシ2に対して面格子6を取り付けることにより、例えば、屋内で火災が発生したときの高温状況下で面格子6がサッシ2から自動的に外れて、面格子6がサッシ2から所定距離を有して上方が開放された状態で確実に保持された状態となる。
図28~図30は、火災発生時の高温状況下において面格子6がサッシ2から外れて上方が開放された状態で保持される動作を模式的に示した説明図である。図28は、火災発生時の高温状況下における上部ブラケット12の動作を模式的に示しており、(a)が平温時(通常時)の状態を示し、(b)が火災発生時において樹脂ワッシャ70が熱により溶融してゲル化し、楔プレート81が上方へ挿入されたときの状態を示し、(c)が面格子6の開放状態を示している。図29は、上部ブラケット12における引き離し部80の動作を模式的に示しており、(a)が平温時(通常時)の状態を示し、(b)が火災発生時において樹脂ワッシャ70がゲル化して楔プレート81の二叉部81aが面格子固定ネジ60の両側に挿入されたときの状態を示し、(c)は面格子6がサッシ2から外れたときの状態を示している。図30は、火災発生時の高温状況下における下部ブラケット10および上部ブラケット12の動作を含む面格子6の開放動作を模式的に示しており、(a)が平温時(通常時)の状態を示し、(b)が火災発生時の状態を示し、(c)が面格子6の上方が開放されたときの状態を示している。
図28~図30に示すように、サッシ2を有する建物内部において火災が発生し、その熱によって面格子6をサッシ2に固定するために用いた取付け構造8の樹脂ワッシャ70が溶融する(図24参照)。下部ブラケット10および上部ブラケット12における樹脂ワッシャ70以外の構成はSUSで構成されており、耐熱性を有し、樹脂ワッシャ70が溶融する温度(例えば、140℃~150℃)では外れるようなことはない。
樹脂ワッシャ70が溶融し、ゲル化することにより、第3ブラケット54と裏板61との接合状態が緩くなる。このように樹脂ワッシャ70がゲル化し、接合状態が緩くなったとき、楔プレート81の二叉部81aの先端が、付勢部材82(引張りバネ)の付勢力により裏板61と面格子6との間に入り込む。この結果、楔プレート81の二叉部81aが面格子固定ネジ60の両側に挿入されることになり、湾曲部81bにより裏板61が面格子6から離されて、面格子6が第3ブラケット54から完全に引き離された状態となる。
面格子6が第3ブラケット54から引き離されたとき、図28~図30における(c)に示すように、面格子6の上部は重力によりサッシ2から離れる方向に移動する。このとき、アーム部90における第1アーム91の摺動軸91aと第2アーム92の長孔92aとの接合位置において回動することにより、第1アーム91と第2アーム92との成す角度が広がり、面格子6の上部がサッシ2から離れるように回動する。このため、面格子6によるサッシ2の屋外側に対する閉鎖状態が解放された状態となり、サッシ2を有する建物内部の熱を面格子6の上部から上方に逃がす状態となる。この結果、サッシ2に対して急激に高温度化となる状況を防止することが可能となり、サッシ2の破損、ガラスの脱落などの事故の発生を抑制することが可能となる。
なお、実施の形態2の面格子6の取付け構造8においては、図14に示したように、下部ブラケット10の第3ブラケット18は、固定ネジ(24b、25)により面格子6に接合される構造であり、容易に脱着可能な構成を有している。このため、図31の(a)に示すように、窓枠(サッシ2)に設けた網戸95などを外すときに、面格子6を下部ブラケット10から取り外すことにより、面格子6の下側が開放状態となり、面格子6の下側から網戸95などを容易に交換することが可能となる。なお、このように面格子6の下側が開放状態となるように、上部ブラケット12は第1ブラケット50と第3ブラケット54が回動軸65を中心として回動可能な構成である。
一方、火災発生時においては、自動的に面格子6がサッシ2か離れて上部が開放状態となるように、上部ブラケット12に樹脂ワッシャ70を用いた特別な機構が設けられているため、建物内部の熱を面格子6の上部から上方に確実に逃がす構成となる(図31の(b)参照)。
上記のように、実施の形態2の面格子6の取付け構造8を用いて、サッシ2に対して面格子6を取り付けることにより、面格子6が取り付けられた建物において火災が起こった場合、取付け構造8における樹脂ワッシャ70が熱で溶けて螺合機構が外れると共に、そのときの螺合機構(接合機構を含む)に対して強制的に引き離すように引き離し機構が機能するように構成されている。このため、第3ブラケット54と面格子6との間の固定状態が解放され、面格子6は、サッシ2から外れて、サッシ2から確実に離れる方向に回動する。このように、火災発生時に面格子6を自動的に回動させて、サッシ2との間の上部空間を開放することで、建物内部の熱を外に逃がすことが可能となる。このように、サッシ2に対して、その外側を覆うように面格子6を取り付けた場合であっても、サッシ2に対して防火上の悪影響を与えない構成とすることができると共に、サッシ2における遮炎性能を維持することができる。
なお、実施の形態2の構成においては、上部ブラケット(12)が窓枠(サッシ2)に対して挟着機構により接合し、面格子(6)に対して樹脂ワッシャ(70)を用いた螺合機構により接合して、その螺合機構の接合部分に対して切り離し機構を設けた構成について説明したが、変形例としては、上部ブラケット(12)が面格子(6)に対して挟着機構により接合し、窓枠(サッシ2)に対して樹脂ワッシャ(70)を用いた螺合機構を設け、その螺合機構(接合機構を含む)の接合部分に対して切り離し機構を設けた構成とすることも可能であり、同様の効果を奏する。
また、実施の形態2の構成においては、ネジを用いて接合する螺合機構を用いた構成について説明したが、本発明においてはネジを用いた接合に限定されるものではなく、使用する箇所、使用する目的、使用する部材の構成などに応じて、ネジ以外の各種接合部材を用いることが可能である。
本発明においては、前述の実施の形態1において例示した面格子の構成、および/または実施の形態2において例示した面格子の取付け構造を用いることにより、通常においては面格子としての基本性能を発揮する構造を有すると共に、屋内における火災発生時においては、窓枠における急激な温度上昇を抑制することが可能な信頼性の高い面格子を提供することができる。上記のように、実施の形態1においては面格子の特徴的な構造を説明し、実施の形態2においては面格子の取付け構造の特徴的な構造を説明したが、それぞれの実施の形態で説明した構造を単独で用いても優れた効果を奏すると共に、それぞれの構造を組み合わせることにより更に優れた効果を奏するものとなる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
なお、前記の実施の形態および変形例のうちの任意の実施の形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの形態が有する効果を奏するものとなる。
以上のように、本発明における技術の例示として、各実施の形態を説明した。そのために、詳細な説明および添付の図面を開示した。よって、詳細な説明および添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が、詳細な説明および添付の図面に記載されているからといって、直ちに、それらの必須ではない構成要素に対して必須であると認定されるべきではない。
上記の各実施の形態においては、本発明における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことが可能である。