JP7300975B2 - クロスローラ軸受及び回転部構造 - Google Patents

クロスローラ軸受及び回転部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7300975B2
JP7300975B2 JP2019225116A JP2019225116A JP7300975B2 JP 7300975 B2 JP7300975 B2 JP 7300975B2 JP 2019225116 A JP2019225116 A JP 2019225116A JP 2019225116 A JP2019225116 A JP 2019225116A JP 7300975 B2 JP7300975 B2 JP 7300975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller bearing
guide
bearing
cross roller
guide portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019225116A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021095918A (ja
Inventor
正幸 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2019225116A priority Critical patent/JP7300975B2/ja
Publication of JP2021095918A publication Critical patent/JP2021095918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7300975B2 publication Critical patent/JP7300975B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、クロスローラ軸受及び回転部構造に関する。
特許文献1には、クロスローラ軸受を備えた回転部構造が示されている。クロスローラ軸受の内輪と外輪との間には、転動体が配置される軸受内部空間に通じる間隙があり、軸方向の一方において間隙は内歯歯車と外歯歯車とが配置される空間に通じる。軸方向におけるもう一方において間隙はシールにより封止されている。
特開2011-112214号公報
従来のクロスローラ軸受においては内輪と外輪との相対回転により軸受内部空間の潤滑剤が内輪と外輪との間隙から軸受外へ流出するという課題がある。
本発明は、潤滑剤が軸受外へ流出することを抑制できるクロスローラ軸受を提供することを目的とする。本発明は、シールから外部へ潤滑剤が流出することを抑制できる回転部構造を提供することを目的とする。
本発明に係るクロスローラ軸受は、
内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置される複数の転動体と、を備えたクロスローラ軸受であって、
前記内輪と前記外輪との間の軸受内部空間から流出する潤滑剤を前記軸受内部空間へ戻すように案内する案内部材を、
更に備え
前記案内部材は、
前記複数の転動体のうち隣り合う2つの転動体の間に配置される本体部と、
前記転動体を軸方向に越えて前記本体部から突出する案内部と、を有し、
前記案内部は、
前記軸受内部空間を挟んで軸方向の一方と他方とにそれぞれ突出する第1案内部及び第2案内部を含み、
前記第1案内部と前記第2案内部とは形状、大きさ又はこれら両方が異なる。
本発明に係る回転部構造は、
相対的に回転する第1部材及び第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されたクロスローラ軸受と、前記クロスローラ軸受と隣り合って配置されるシールと、を備えた回転部構造であって、
少なくとも前記クロスローラ軸受と前記シールとの間で、前記クロスローラ軸受の軸受内部空間から流出する潤滑剤を前記軸受内部空間に戻すように案内する案内部材を備える。
本発明によれば、クロスローラ軸受において軸受内部空間から軸受外へ潤滑剤が流出することを抑制することができる。本発明によれば、クロスローラ軸受を備えた回転部構造において、シールから外部へ潤滑剤が流出することを抑制することができる。
本発明の実施形態1に係る回転部構造を有する減速機を示す縦断面図である。 図1の回転部構造においてクロスローラ軸受の一部を露出した一部破断の斜視図である。 図1の回転部構造においてクロスローラ軸受の一部を露出した一部破断の正面図である。 実施形態1に係る案内部材を示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係る回転部構造を示す一部破断の斜視図である。 図5の回転部構造を示す一部破断の正面図である。 実施形態2に係る案内部材を示す斜視図である。 本発明の実施形態3に係る回転部構造を示す一部破断の斜視図である。 図8の回転部構造を示す一部破断の正面図である。 実施形態3に係る案内部材を示す平面図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る回転部構造を有する減速機を示す縦断面図である。本明細書では、クロスローラ軸受48の内輪48I又は外輪48Oの回転軸O1に沿った方向を軸方向、回転軸O1を中心とする回転方向を周方向、回転軸O1に直交する方向を径方向と定義する。また、軸方向における出力部材45の配置側を出力側、その反対側を反出力側と呼ぶ。
図1の減速機1は、実施形態1に係る回転部構造を有する撓み噛合い式歯車装置である。減速機1は、起振体軸30、起振体軸受31、外歯歯車32、内歯歯車41Gを含んだ第1内歯歯車部材41、内歯歯車42Gを含んだ第2内歯歯車部材42、フレーム部材43、反出力側カバー44、出力部材45、軸受46、47、主軸受であるクロスローラ軸受48、シール49、並びに、ストッパーリング51、52を備える。これらのうち、第2内歯歯車部材42、フレーム部材43、出力部材45、クロスローラ軸受48及びシール49の部分が、本発明に係る回転部構造の一例に相当し、第2内歯歯車部材42とフレーム部材43とが、本発明に係る「相対的に回転する第1部材及び第2部材」の一例に相当する。
起振体軸30は、回転軸O1を中心に回転する中空筒状の軸であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が非円形(例えば楕円状)の起振体30Aと、起振体30Aの軸方向の両側に設けられた軸部30B、30Cとを有する。楕円状は、幾何学的に厳密な楕円である必要はなく、略楕円を含む。軸部30B、30Cは、回転軸O1に垂直な断面の外形が円形の軸である。
2つの内歯歯車41G、42Gは、軸方向に並んで外歯歯車32と噛合う。一方の内歯歯車41Gは、剛性を有する第1内歯歯車部材41の内周の一部に歯が設けられて構成される。もう一方の内歯歯車42Gは、剛性を有する第2内歯歯車部材42の内周の一部に歯が設けられて構成される。
外歯歯車32は、可撓性を有する円筒状の部材であり、外周に歯が設けられている。
起振体軸受31は、例えばコロ軸受であり、起振体30Aと外歯歯車32との間に配置される。起振体軸受31は、外輪31aを有し、外歯歯車32の内側に外輪31aが嵌入されている。起振体30Aと外歯歯車32とは、起振体軸受31を介して相対的に回転可能にされる。
ストッパーリング51、52は、外歯歯車32及び起振体軸受31の軸方向の両側に配置され、外歯歯車32及び起振体軸受31の軸方向の移動を規制する。
フレーム部材43は、減速機1を支持する支持部材101にボルト等の連結部材を介して連結される。フレーム部材43は、内歯歯車42Gの外周側を覆う。フレーム部材43の内周部には、クロスローラ軸受48の外輪48Oが形成されている。フレーム部材43は、クロスローラ軸受48を介して第2内歯歯車部材42を回転自在に支持する。フレーム部材43は、例えばボルト等の連結部材を介して第1内歯歯車部材41と連結される。
反出力側カバー44は、第1内歯歯車部材41と連結され、外歯歯車32と内歯歯車41Gとの噛合い箇所を軸方向の反出力側から覆う。反出力側カバー44と起振体軸30の軸部30Bとの間には軸受46が配置される。反出力側カバー44は、軸受46を介して起振体軸30を回転自在に支持する。
出力部材45は、第2内歯歯車部材42と連結され、外歯歯車32と内歯歯車42Gとの噛合い箇所を軸方向の出力側から覆う。出力部材45及び第2内歯歯車部材42は、減速された運動を出力する相手部材102にボルト等の連結部材を介して連結される。出力部材45と起振体軸30の軸部30Cとの間には軸受47が配置される。出力部材45は、軸受47を介して起振体軸30を回転自在に支持する。
クロスローラ軸受48は、フレーム部材43と第2内歯歯車部材42との間に配置される。フレーム部材43は、クロスローラ軸受48を介して第2内歯歯車部材42を回転自在に支持する。クロスローラ軸受48は、支持部材101と相手部材102との間に生じるスラスト荷重及びラジアル荷重を受ける。クロスローラ軸受48の詳細は後述する。
シール49は、クロスローラ軸受48の出力側で、第2内歯歯車部材42とフレーム部材43との間に配置される。シール49は、これらの間から外部へ潤滑剤が漏れ出るのを抑制するオイルシールとして機能する。シール49は、外部からクロスローラ軸受48へダストの進入を抑制するダストシールとして機能してもよい。
<減速動作>
図示略のモータ等から回転運動が入力され、起振体軸30が回転すると、起振体30Aの運動が外歯歯車32に伝わる。このとき、外歯歯車32は、起振体30Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、外歯歯車32は、固定された第1内歯歯車部材41の内歯と長軸部分で噛合っている。このため、外歯歯車32は起振体30Aと同じ回転速度で回転することはなく、外歯歯車32の内側で起振体30Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、外歯歯車32は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸30の回転周期に比例する。
外歯歯車32が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、外歯歯車32と内歯歯車41Gとの噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、外歯歯車32の歯数が100で、内歯歯車41Gの歯数が102だとすると、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車32と内歯歯車41Gとの噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車32が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸30の回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車32に伝達される。
一方、外歯歯車32はもう一方の内歯歯車42Gとも噛合っているため、起振体軸30の回転によって外歯歯車32と内歯歯車42Gとの噛合う位置も回転方向に変化する。一方、内歯歯車42Gの歯数と外歯歯車32の歯数とは一致しているため、外歯歯車32と内歯歯車42Gとは相対的に回転せず、外歯歯車32の回転運動が減速比1:1で内歯歯車42Gへ伝達される。これらによって、起振体軸30の回転運動が減速比100:2で減速されて、第2内歯歯車部材42及び出力部材45へ伝達される。そして、この減速された回転運動が相手部材102に出力される。
<クロスローラ軸受>
図2は、図1の回転部構造においてクロスローラ軸受の一部を露出した一部破断の斜視図である。図3は、図1の回転部構造においてクロスローラ軸受の一部を露出した一部破断の正面図である。図4は、実施形態1に係る案内部材を示す斜視図である。
クロスローラ軸受48は、内輪48Iと、外輪48Oと、複数の転動体D1、D2と、複数の案内部材Tとを備える。内輪48Iは、第2内歯歯車部材42と一体化されている。外輪48Oは、フレーム部材43と一体化されている。なお、内輪48Iは、第2内歯歯車部材42と別体に構成され、第2内歯歯車部材42に組み合わされた構成であってもよい。同様に、外輪48Oは、フレーム部材43と別体に構成され、フレーム部材43に組み合わされた構成であってもよい。
外輪48Oは、転動体D1、D2が転動する2つの転動面(軌道面とも言う)S1、S2を有する。2つの転動面S1、S2は、外輪48Oの内周部に形成されたV溝の2つの内周面に相当する。V溝は周方向に沿って連なる。
内輪48Iは、転動体D1、D2が転動する2つの転動面S3、S4を有する。2つの転動面S3、S4は、内輪48Iの外周部に形成されたV溝の2つの外周面に相当する。V溝は周方向に沿って連なる。
外輪48Oの2つの転動面S1、S2と、内輪48Iの2つの転動面S3、S4とは、互いに対向するように配置され、転動面S1~S4に囲まれた軸受内部空間H1を形成する。
内輪48Iの最小内径は、外輪48Oの最大外径よりもクリアランス分小さく、軸受内部空間H1の軸方向における一方と他方とには間隙部K1、K2が設けられる。反出力側の間隙部K1は、内歯歯車41G、42Gと外歯歯車32との配置部に通じる。出力側の間隙部K2はシール49の配置部へ通じる。
複数の転動体D1、D2は、例えば円筒ころであり、軸方向に対して傾斜した回転軸B1(図1)を有し、互いに対向する一組の転動面S1、S3上を転がる複数の転動体D1と、軸方向に対して傾斜した回転軸B2(図1)を有し、互いに対向するもう一方の組の転動面S2、S4上を転がる複数の転動体D2とを含む。転動体D1は、回転軸B1の軌跡が転動面S1、S3に沿う向きに組み込まれ、転動体D2は、回転軸B2の軌跡が転動面S2、S4に沿う向きに組み込まれている。複数の転動体D1、D2は、交互に並ぶように軸受内部空間H1に収容されている。軸受内部空間H1において複数の転動体D1、D1の間には潤滑剤(グリス)が充填される。
案内部材Tは、軸受内部空間H1から間隙部K2を伝ってシール49側へ移動する潤滑剤を軸受内部空間H1側へ掻き戻すように案内する。案内部材Tは、樹脂材料から構成されてもよいし、金属から構成されてもよい。案内部材Tは、複数の転動体D1、D2のうち隣り合う2つの間に配置される本体部T10と、転動体D1、D2を軸方向に越えて本体部T10から突出する案内部T12とを有する。
本体部T10は、軸受内部空間H1に収まりかつ間隙部K1、K2に進入しない大きさを有する。本体部T10は、転動体D1、D2の間隔を大きく開けないように、薄い板状であってもよい。本体部T10は、隣接する転動体D1に対向する側に、転動体D1の筒状外面に沿った凹部を有し、反対側に、反対側で隣接する転動体D2の筒状外面に沿った凹部を有してもよい。本体部T10は、転動体D1、D2の間に配置された状態を周方向から見た形状が、円形状であってもよいし、矩形又は孔開き形状など、どのような形状であってもよい。
案内部T12は、軸方向におけるシール49側に突出し、内輪48I(図1)と外輪48Oとの間の間隙部K2に配置される。案内部T12は、図4に示すように、間隙部K2を周方向に移動可能な厚みL1を有する。さらに、案内部T12は、基端E1から軸方向外方へ離間するほど基準線R1との間の距離が増す第1傾斜面SL1と、基準線R1を挟んで第1傾斜面SL1の反対側で、基端E1から軸方向外方へ離間するほど基準線R1との間の距離が増す第2傾斜面SL2とを有する。基端E1とは、案内部T12における本体部T10に近い方の端部を意味し、基準線R1は基端E1を通る軸方向の線を意味する。案内部T12は、径方向から見て、本体部T10から離れるほど周方向の長さが広がる形状であってもよい。第1傾斜面SL1及び第2傾斜面SL2は、周方向と軸方向との両方に交差する向きの面であり、周方向に移動した物体に当接したとき、物体に対して軸方向の一方(基端E1の方)にに作用力を与える。
複数の案内部材Tは、複数の転動体D1、D2と同数であり、隣り合う全ての転動体D1、D2の間に1つずつ挿入されていてもよいし、複数個の転動体D1、D2おきに1つの案内部材Tが挿入されていてもよい。複数の案内部材Tは、全て同一形状、同一の大きさであってもよいし、案内部T12の形状、大きさ又はこれら両方が異なる複数種類が含まれていてもよい。
実施形態1のクロスローラ軸受48及び回転部構造によれば、フレーム部材43と第2内歯歯車部材42とが相対回転し、転動体D1、D2が軸受内部空間H1を周方向に転動したときに、複数の案内部材Tが周方向に移動する。そして、間隙部K2に張り出た案内部T12が、フレーム部材43と第2内歯歯車部材42に対して相対的に移動し、間隙部K2に流れ出た潤滑剤を軸受内部空間H1に掻き戻すように案内する。具体的には、案内部T12の第1傾斜面SL1又は第2傾斜面SL2に沿って潤滑剤が軸受内部空間H1へ掻き戻される。より具体的には、フレーム部材43を伝って流れ出る潤滑剤が、案内部材Tとフレーム部材43との相対的な回転移動により、第1傾斜面SL1又は第2傾斜面SL2により軸受内部空間H1へ掻き戻され、第2内歯歯車部材42を伝って流れ出る潤滑剤が、案内部材Tと第2内歯歯車部材42との相対的な回転移動により、第1傾斜面SL1又は第2傾斜面SL2により軸受内部空間H1へ掻き戻される。したがって、潤滑剤が軸受内部空間H1から間隙部K2へ流れ出ることが抑制され、延いては、間隙部K2の内圧が抑えられ、シール49から外部へ潤滑剤が漏れ出るといった事態を抑制できる。
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係る回転部構造を示す一部破断の斜視図である。図6は、図5の回転部構造を示す一部破断の正面図である。図7は、実施形態2に係る案内部材を示す斜視図である。
実施形態2のクロスローラ軸受48及び回転部構造は、案内部材TAが異なる他は、実施形態1と同様である。実施形態2の案内部材TAは、本体部T10と、2つの案内部T13、T14を備える。一方の案内部(第1案内部)T13は、本体部T10から出力側に突出する。もう一方の案内部(第2案内部)T14は、本体部T10から反出力側に突出する。本体部T10及び案内部T13は、実施形態1の本体部T10及び案内部T12と同様である。
案内部T14は、軸方向における反出力側に突出し、内輪48I(図1)と外輪48Oとの間の間隙部K1に配置される。案内部T14は、図7に示すように、間隙部K1を周方向に移動可能な厚みL2を有し、基端E2から軸方向外方(反出力側)へ離間するほど基準線R2との間の距離が増す第1傾斜面SL3と、基準線R2を挟んで第1傾斜面SL3の反対側で、基端E2から軸方向外方へ離間するほど基準線R2との距離が増す第2傾斜面SL4とを有する。基端E2とは、案内部T14における本体部T10に近い方の端部を意味し、基準線R2は、基端E2を通る軸方向の線を意味する。案内部T14は、径方向から見て本体部T10から離れるほど周方向の長さが広がる形状であってもよい。第1傾斜面SL3又は第2傾斜面SL4は、周方向と軸方向との両方に交差する向きの面であり、周方向に移動した物体に当接したとき、物体に対して軸方向の一方(基端E2側)に作用力を与える。
複数の案内部材TAは、複数の転動体D1、D2と同数であり、隣り合う全ての転動体D1、D2の間に案内部材TAが挿入されていてもよいし、複数個の転動体D1、D2おきに1つの案内部材TAが挿入されていてもよい。複数の案内部材TAは、全て同一形状、同一の大きさであってもよいし、例えば案内部T13、T14の大きさ形状又はそれら両方が異なる複数種類が含まれていてもよい。
実施形態2のクロスローラ軸受48及び回転部構造によれば、フレーム部材43と第2内歯歯車部材42とが相対回転し、転動体D1、D2が軸受内部空間H1を周方向に転動したときに、転動体D1、D2に伴って複数の案内部材TAが周方向に移動する。そして、一方の間隙部K2に張り出た案内部T13と、もう一方の間隙部K1に張り出た案内部T14とが、フレーム部材43と第2内歯歯車部材42に対して相対的に移動し、間隙部K1、K2に流れ出た潤滑剤を軸受内部空間H1に掻き戻すように案内する。具体的には、案内部T13の第1傾斜面SL1又は第2傾斜面SL2に沿って潤滑剤が軸受内部空間H1へ掻き戻され、案内部T14の第1傾斜面SL3又は第2傾斜面SL4に沿って潤滑剤が軸受内部空間H1へ掻き戻される。より具体的には、フレーム部材43を伝って流れ出る潤滑剤が、案内部材TAとフレーム部材43との相対的な回転方向により、案内部T13、T14の第1傾斜面SL1、SL3又は第2傾斜面SL2、SL4により掻き戻される。また、第2内歯歯車部材42を伝って流れ出る潤滑剤が、案内部材TAと第2内歯歯車部材42との相対的な回転方向により、案内部T13、T14の第1傾斜面SL1、SL3又は第2傾斜面SL2、SL4のいずれかにより掻き戻される。したがって、軸受内部空間H1から間隙部K1、K2へ潤滑剤が流れ出ることが抑制される。出力側では、間隙部K2の内圧の上昇が抑えられ、シール49から外部へ潤滑剤が漏れ出るといった事態を抑制できる。さらに、反出力側及び出力側において潤滑剤の流出が抑制されることで、軸受内部空間H1に充填された潤滑剤の減少を抑制できる。
なお、実施形態2のクロスローラ軸受48は、図7の1つ又は複数の案内部材TAと、実施形態1に示した1つ又は複数の案内部材Tとを備え、複数の転動体D1、D2の間に2種類の案内部材TA、Tが混合して配置されていてもよい。
(実施形態3)
図8は、本発明の実施形態3に係る回転部構造を示す一部破断の斜視図である。図9は、図8の回転部構造を示す一部破断の正面図である。図10は、実施形態3に係る案内部材を示す平面図である。
実施形態3のクロスローラ軸受48及び回転部構造は、案内部材TBが異なる他は、実施形態1又は実施形態2と同様である。実施形態3の案内部材TBは、本体部T10と、2つの案内部T15、T16を備える。一方の案内部(第1案内部)T15は、本体部T10から出力側に突出する。もう一方の案内部(第2案内部)T16は、本体部T10から反出力側に突出する。本体部T10は、実施形態1、2の本体部T10と同様である。案内部T15、T16は、実施形態2の案内部T13、T14と同様の形状を有する。
実施形態3の案内部材TBは、潤滑剤を軸受内部空間H1へ戻す能力が、一方の案内部T15と他方の案内部T16とで非対称にされている。シール49側の間隙部K2に配置された案内部T15の方が、反出力側の間隙部K1に配置された案内部T16よりも能力が高い。より具体的には、図10の平面視で、案内部T15は、案内部T16と同一形状である一方、案内部T16よりも大きい。案内部T15、T16の厚み(径方向の長さ)は同一であってもよい。
実施形態3のクロスローラ軸受48及び回転部構造によれば、フレーム部材43と第2内歯歯車部材42とが相対回転し、転動体D1、D2が軸受内部空間H1を周方向に転動したときに、転動体D1、D2に伴って複数の案内部材TBが周方向に移動する。そして、間隙部K2に張り出た案内部T15と、間隙部K1に張り出た案内部T16とが、フレーム部材43と第2内歯歯車部材42に対して相対的に移動し、間隙部K1、K2に流れ出た潤滑剤を軸受内部空間H1に掻き戻すように案内する。具体的には、案内部T15の第1傾斜面SL1又は第2傾斜面SL2に沿って潤滑剤が軸受内部空間H1へ掻き戻され、案内部T16の第1傾斜面SL3又は第2傾斜面SL4に沿って潤滑剤が軸受内部空間H1へ掻き戻される。より具体的には、フレーム部材43を伝って流れ出る潤滑剤が、案内部材TBとフレーム部材43との相対的な回転方向により、案内部T15、T16の第1傾斜面SL1、SL3又は第2傾斜面SL2、SL4により掻き戻される。第2内歯歯車部材42を伝って流れ出る潤滑剤が、案内部材TBと第2内歯歯車部材42との相対的な回転方向により、案内部T15、T16の第1傾斜面SL1、SL3又は第2傾斜面SL2、SL4により掻き戻される。したがって、軸受内部空間H1から間隙部K1、K2へ潤滑剤が流れ出ることが抑制される。出力側では、間隙部K2の内圧の上昇が抑えられ、シール49から外部へ潤滑剤が漏れ出るといった事態を抑制できる。反出力側及び出力側において潤滑剤の流出が抑制されることで、軸受内部空間H1に充填された潤滑剤の減少を抑制できる。
さらに、実施形態3のクロスローラ軸受48及び回転部構造によれば、出力側の間隙部K2から潤滑剤を軸受内部空間H1へ戻す能力が、反出力側の間隙部K1から潤滑剤を軸受内部空間H1へ戻す能力よりも高い。したがって、例えば、軸受内部空間H1に潤滑剤が満充填されている状態で、外歯歯車32と内歯歯車41G、42Gの配置空間から間隙部K1へ潤滑剤が流入してくるような場合には、この潤滑剤の流入を抑制することができる。すなわち、軸受内部空間H1に潤滑剤が満充填されている場合、一方の案内部T15により出力側の間隙部K2から潤滑剤を戻す力は、反出力側の間隙部K1へ潤滑剤を押し出す力となり、他方の案内部T16により反出力側の間隙部K1から潤滑剤を戻す力は、反出力側の間隙部K2へ潤滑剤を押し出す力となる。したがって、案内部T15、T16の能力の差により、総合すると、潤滑剤を出力側の間隙部K1から反出力側の間隙部K2へ送る力が生じ、反出力側からの潤滑剤の流入を抑制できる。したがって、反出力側から潤滑剤が流入してくるような場合でも、この流入を抑制することで、出力側の間隙部K2の内圧の上昇を抑え、シール49から外部へ潤滑剤が漏れ出るといった事態を抑制できる。
なお、実施形態3では、案内部T15、T16の平面視の大きさを変えることで、両者に能力差を付与したが、能力の差はその他の方法で付与してもよい。例えば、案内部T15、T16の厚みを異ならせたり、案内部T15の第1傾斜面SL1及び第2傾斜面SL2と案内部T16の第1傾斜面SL3及び第2傾斜面SL4とで、面積又は傾斜角度を異ならせるなど、案内部T15、T16を平面視したときの形状を変えて、能力差を付与してもよい。また、一方の間隙部K1に突出する案内部を有し、他方の間隙部K2に突出する案内部を有さない第1タイプの案内部材と、一方の間隙部K1に突出する案内部を有さず、他方の間隙部K2に突出する案内部を有する第2タイプの案内部材と、両方の案内部を有する第3タイプの案内部材とを備え、第1タイプ~第3タイプの案内部材の数の比率で、間隙部K1から潤滑剤を戻す能力と、間隙部K2から潤滑剤を戻す能力とに差を設けてもよい。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、潤滑剤を軸受内部空間に戻す案内部材が、転動体に隣接して配置される本体部を含んだ構成としたが、案内部材は、内輪に固定されて間隙部K1、K2に位置し、外輪に対して周方向に相対移動して、潤滑剤を軸受内部空間に戻す構成としてもよい。あるいは、案内部材は、外輪に固定されて間隙部K1、K2に位置し、内輪に対して周方向に相対移動して、潤滑剤を軸受内部空間に戻す構成としてもよい。あるいは、案内部材は間隙部K1、K2内で浮遊する構成とし、内輪、外輪又はこれら両方と周方向に相対移動する構成としてもよい。この場合、内輪、外輪又はこれら両方に、案内部材と係合する係合部(例えば、内輪及び外輪に係合溝を設け、案内部材に係合溝に係合する係合突起を設けるなど)を設け、案内部材が間隙部K1、K2の中で自由に移動しないよう規制したり、案内部材が内輪又は外輪と連れまわるように規制したりしてもよい。また、上記実施形態では、複数の案内部材が個々に分離した構成を示したが、複数の案内部材が環状につながった構成としてもよい。
さらに、上記実施形態では、本発明に係る回転部構造を有する機構として、撓み噛合い式歯車装置を示したが、クロスローラ軸受とシールとが配置され、シールによりクロスローラ軸受の軸受内部空間H1に連絡する間隙が封止される構造が含まれれば、どのような機構であってもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 減速機
42 第2内歯歯車部材
43 フレーム部材
48 クロスローラ軸受
49 シール
K1、K2 間隙部
H1軸受内部空間
D1、D2 転動体
T、TA、TB 案内部材
T10 本体部
T12~T16 案内部
E1、E2 基端
R1、R2 基準線
SL1、SL3 第1傾斜面
SL2、SL4 第2傾斜面

Claims (5)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置される複数の転動体と、を備えたクロスローラ軸受であって、
    前記内輪と前記外輪との間の軸受内部空間から流出する潤滑剤を前記軸受内部空間へ戻すように案内する案内部材を、
    更に備え
    前記案内部材は、
    前記複数の転動体のうち隣り合う2つの転動体の間に配置される本体部と、
    前記転動体を軸方向に越えて前記本体部から突出する案内部と、を有し、
    前記案内部は、
    前記軸受内部空間を挟んで軸方向の一方と他方とにそれぞれ突出する第1案内部及び第2案内部を含み、
    前記第1案内部と前記第2案内部とは形状、大きさ又はこれら両方が異なるクロスローラ軸受。
  2. シールと隣り合って配置される請求項記載のクロスローラ軸受であって、
    前記第1案内部及び前記第2案内部のうち、前記潤滑剤を前記軸受内部空間へ戻す能力が高い方が、前記シール側に配置されている、
    クロスローラ軸受。
  3. 前記軸受内部空間に近い方の前記案内部の端部を基端と呼び、前記基端を通る軸方向の線を基準線と呼んだときに、
    前記案内部は、
    前記基端から軸方向外方へ離間するほど前記基準線との間の距離が増す第1傾斜面と、
    前記基準線を挟んで前記第1傾斜面の反対側で、前記基端から軸方向外方へ離間するほど前記基準線との間の距離が増す第2傾斜面と、
    を有する請求項記載のクロスローラ軸受。
  4. 相対的に回転する第1部材及び第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されたクロスローラ軸受と、前記クロスローラ軸受と隣り合って配置されるシールと、を備えた回転部構造であって、
    少なくとも前記クロスローラ軸受と前記シールとの間で、前記クロスローラ軸受の軸受内部空間から流出する潤滑剤を前記軸受内部空間に戻すように案内する案内部材を備えた回転部構造。
  5. 請求項4に記載の回転部構造に使用されるクロスローラ軸受であって、前記案内部材を備えるクロスローラ軸受。
JP2019225116A 2019-12-13 2019-12-13 クロスローラ軸受及び回転部構造 Active JP7300975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019225116A JP7300975B2 (ja) 2019-12-13 2019-12-13 クロスローラ軸受及び回転部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019225116A JP7300975B2 (ja) 2019-12-13 2019-12-13 クロスローラ軸受及び回転部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021095918A JP2021095918A (ja) 2021-06-24
JP7300975B2 true JP7300975B2 (ja) 2023-06-30

Family

ID=76430977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019225116A Active JP7300975B2 (ja) 2019-12-13 2019-12-13 クロスローラ軸受及び回転部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7300975B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004011725A (ja) 2002-06-05 2004-01-15 Nsk Ltd 転動体保持スペーサ及びこれを用いる転がり軸受
WO2009081793A1 (ja) 2007-12-21 2009-07-02 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. 減速機

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6085627U (ja) * 1983-11-14 1985-06-13 エヌ・テー・エヌ東洋ベアリング株式会社 クロスロ−ラ軸受

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004011725A (ja) 2002-06-05 2004-01-15 Nsk Ltd 転動体保持スペーサ及びこれを用いる転がり軸受
WO2009081793A1 (ja) 2007-12-21 2009-07-02 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. 減速機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021095918A (ja) 2021-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102379849B1 (ko) 내부 시일을 갖는 스트레인 웨이브 기어 기구
JP4699470B2 (ja) 偏心揺動型減速機
EP2273140B1 (en) Device with seals
JP6909141B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP6109085B2 (ja) 偏心揺動型の減速装置
CN110388421B (zh) 挠曲啮合式齿轮装置
JP7340937B2 (ja) 減速装置
US20180363750A1 (en) Flat strain wave gearing
US11566695B2 (en) Unit-type strain wave gearing device
JP7145616B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP7300975B2 (ja) クロスローラ軸受及び回転部構造
JP5492700B2 (ja) ローラのリテーナ及び揺動内接噛合型の歯車装置
JP7175084B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP7129308B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
JP6815361B2 (ja) 内接式遊星歯車機構を組み合わせた変速装置
JP6886415B2 (ja) 歯車装置のシリーズ、歯車装置のシリーズの構築方法、および歯車装置群の製造方法
JP7210581B2 (ja) 減速装置
JP7454946B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
CN112443645A (zh) 马达组件
JP7466471B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP7047644B2 (ja) 潤滑構造
JP2018091414A (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP2019183990A (ja) 歯車装置
JP7326086B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置及び歯車装置
CN110273922B (zh) 滚珠轴承

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7300975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150