JP2019183990A - 歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力部材に大きな荷重が加わっても歯当たりの異常を抑制できる歯車装置を提供することを目的とする。【解決手段】内歯歯車(22g、23g)と、内歯歯車と噛合う外歯歯車(12)と、外歯歯車を揺動させる揺動体軸(10)と、被駆動部材に連結される出力部材(23、27)と、を有する歯車装置である。そして、内輪(32A)及び外輪(32B)を有し、出力部材と揺動体軸との間に配置される第1軸受(32)と、出力部材と外輪との間に配置される第1弾性体(51)と、揺動体軸と内輪との間に配置される第2弾性体(52)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、内歯歯車と噛合う外歯歯車と、被駆動部材に連結される出力部材とを備える歯車装置に関する。
特許文献1には、起振体軸(200)の回転により撓み変形される外歯歯車(13)を備えた撓み噛合い式歯車装置(1B)が示されている。外歯歯車(13)は、撓み変形することで揺動し、回転軸から最も偏心した部位が内歯歯車(11、12)と噛合う。起振体軸(200)を介して入力され、外歯歯車(13)及び内歯歯車(11、12)を介して減速された回転運動は、出力部材(210)を介して外部へ出力される。出力部材(210)は、軸受(205)を介して起振体軸(200)を回転自在に支持している。
特開2017−106626号公報
歯車装置の出力部材には、使用条件に応じて様々な方向の荷重が加わることがある。例えば、特許文献1の歯車装置(1B)において、出力部材(210)に大きな荷重が加わり、出力部材(210)に僅かな変位が生じると、この変位が軸受(205)及び起振体軸(200)を介して外歯歯車(13)に伝わる。このような場合、外歯歯車の歯スジの位置がずれ、外歯と内歯とが片当たりするなど、歯当たりに異常が発生することがある。このため、従来の歯車装置では、出力部材の変位量が規定値を超えないよう、出力部材に加わる荷重の許容値が低く制限されるという課題があった。このような課題は、偏心揺動軸を用いて外歯歯車を偏心揺動させる偏心揺動型歯車装置においても同様に生じる。
本発明は、出力部材に大きな荷重が加わっても歯当たりの異常を抑制できる歯車装置を提供することを目的とする。
本発明は、
内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を揺動させる揺動体軸と、被駆動部材に連結される出力部材と、を有する歯車装置であって、
内輪及び外輪を有し、前記出力部材と前記揺動体軸との間に配置される第1軸受と、
前記出力部材と前記外輪との間に配置される第1弾性体と、
前記揺動体軸と前記内輪との間に配置される第2弾性体と、
を備える構成を採用する。
本発明によれば、出力部材に大きな荷重が加わっても歯当たりの異常を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 図1の軸受の周辺部分を示す拡大図である。 実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置の使用例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。図2は、図1の軸受の周辺部分を示す拡大図である。本明細書では、回転軸O1に沿った方向を軸方向、回転軸O1から垂直な方向を径方向、回転軸O1を中心とする回転方向を周方向と定義する。
本実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置1は、図1に示すように、起振体軸10、起振体軸10により撓み変形される外歯歯車12、外歯歯車12と噛合う2つの内歯歯車22g、23g、及び、起振体軸受15を備える。さらに、撓み噛合い式歯車装置1は、第1ケーシング22、内歯歯車部材23、第2ケーシング24、第1カバー26、第2カバー27、軸受31、32及び主軸受33を備える。さらに、撓み噛合い式歯車装置1は、オイルシール41〜43、シール用のOリング44〜46、及び、弾性材として作用するOリング51〜54を備える。
上記の構成要素のうち、第2カバー27及び内歯歯車部材23が、本発明に係る出力部材の一例に相当する。第1ケーシング22、第2ケーシング24及び第1カバー26が、本発明に係る被支持部材の一例に相当する。起振体軸10は本発明に係る揺動体軸の一例に相当する。軸受32は本発明に係る第1軸受の一例に相当する。軸受31は本発明に係る第2軸受の一例に相当する。Oリング51〜54は、本発明に係る第1弾性体〜第4弾性体の一例に相当する。
起振体軸10は、中空軸状であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が楕円状である起振体10Aと、起振体10Aの軸方向の両側に設けられ回転軸O1に垂直な断面の外形が円形である軸部10B、10Cとを有する。起振体軸10は、回転軸O1を中心に回転し、起振体10Aの回転軸O1に垂直な断面の外形形状の中心は回転軸O1と一致する。
外歯歯車12は、可撓性を有する円筒状の金属であり、外周に歯が設けられている。
2つの内歯歯車(第1内歯歯車、第2内歯歯車)22g、23gは、一方が、外歯歯車12の軸方向の中央より片側の歯部に噛合し、他方が、外歯歯車12の軸方向の中央よりもう一方の片側の歯部に噛合する。内歯歯車22gは、第1ケーシング22の内周部の該当箇所に内歯が設けられて構成される。内歯歯車23gは、内歯歯車部材23の内周部の該当箇所に内歯が設けられて構成される。
起振体軸受15は、起振体10Aと外歯歯車12との間に配置される。起振体軸受15は、複数の転動体(コロ)15Aと、外輪15Bと、複数の転動体15Aを保持する保持器15Cとを有する。複数の転動体15Aは、一方の内歯歯車22gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第1群の転動体15Aと、他方の内歯歯車23gの径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第2群の転動体15Aとを有する。複数の転動体15Aは、起振体10Aの外周面と外輪15Bの内周面とを転動面として転動する。
外歯歯車12、外輪15B及び保持器15Cの軸方向の両側には、これらに当接して、これらが軸方向に変位することを抑止するスペーサリング36、37が設けられている。
第1ケーシング22及び第2ケーシング24は互いに連結されて、内歯歯車22g、23g及び外歯歯車12の径方向外方を覆う。
第1カバー26は、第1ケーシング22と連結されて、起振体軸10の一端側における外周部を覆う。
第2カバー27は、起振体軸10の他端側における外周部を覆う。第2カバー27及び内歯歯車部材23には、負荷側の端部に軸方向に一続きに延びるボルト連結用穴27h、23hが設けられている。ボルト連結用穴27h、23hは、周方向の複数の箇所に設けられている。第2カバー27及び内歯歯車部材23には、両者を仮止めするためのボルト穴27j、23jが設けられている。
撓み噛合い式歯車装置1が相手装置と接続される際、第2カバー27と内歯歯車部材23はボルト連結用穴27h、23hを介して相手装置の被駆動部材に共締めにより連結される。被駆動部材に連結される前、第2カバー27は、Oリング51の弾性力により軸受32から圧力を受けることで、ボルト穴27j、23jを用いた仮止めを行うことなく、内歯歯車部材23に保持される。したがって、本実施形態では、ボルト穴27j、23jは省略されてもよい。
主軸受33は、例えばクロスローラ軸受であり、内歯歯車部材23と第2ケーシング24との間に配置される。第2ケーシング24は、主軸受33を介して内歯歯車部材23を回転自在に支持する。主軸受33は、内歯歯車部材23と一体化された内輪と、第2ケーシング24と一体化された外輪と、内輪と外輪との間に配置される複数の転動体とを有する。なお、主軸受33は、内歯歯車部材23と第2ケーシング24との間で、軸方向に離間した複数の軸受(アンギュラ玉軸受、テーパ軸受等)から構成されてもよい。
軸受31は、例えば玉軸受であり、起振体軸10の軸部10Bと第1カバー26との間に配置される。第1カバー26は、軸受31を介して起振体軸10を回転自在に支持する。軸受31は、例えば金属から構成される内輪31A及び外輪31Bと、内輪31Aと外輪31Bとの間で転動する複数の転動体(玉)31Cとを有する。
軸受31は、第1カバー26と起振体軸10との両方に隙間嵌めされている。すなわち、内輪31Aと起振体軸10とは隙間嵌めされ、外輪31Bと第1カバー26とは隙間嵌めされている。軸受31の内輪31Aと対向する箇所において、起振体軸10にはOリング54が配置される溝10mが設けられている。同様に、軸受31の外輪31Bと対向する箇所において、第1カバー26にはOリング53が配置される溝26mが設けられている。溝10m、26mは、周方向に延びるリング状の形態を有する。溝10mの深さ寸法は、圧力を加えていないOリング54の高さ(リングの内径と外径との差÷2)よりも短い。溝26mの深さ寸法は、圧力を加えていないOリング53の高さ(リングの内径と外径との差÷2)よりも短い。軸受31が配置された状態で、Oリング53、54は、軸受31と溝10m、26mの底面又は側面とから圧力を受けて圧縮され、これにより軸受31を弾性力により挟み込み、軸受31を保持する。このとき、内輪31Aと起振体軸10との間、並びに、外輪31Bと第1カバー26との間には、隙間(図2の隙間kと同様)が設けられる。
起振体軸10には、内輪31Aの配置箇所に隣接して(軸方向の中央側に)外径が大きく変化する段差h1が設けられている。第1カバー26には、外輪31Bの配置箇所に隣接して(軸方向の一端側に)内径が小さく変化する段差h2が設けられている。軸方向において、軸受31は、段差h1、h2の間に配置される。段差h1、h2は、軸受31がそれを超えて軸方向に移動するのを係止するストッパーとして機能する。
軸受32は、例えば玉軸受であり、起振体軸10の軸部10Bと第2カバー27との間に配置される。第2カバー27は、軸受32を介して起振体軸10を回転自在に支持する。軸受32は、例えば金属から構成される内輪32A及び外輪32Bと、内輪32Aと外輪32Bとの間で転動する複数の転動体(玉)32Cとを有する。
軸受32は、第2カバー27と起振体軸10との両方に隙間嵌めされている。すなわち、内輪32Aと起振体軸10とは隙間嵌めされ、外輪32Bと第2カバー27とは隙間嵌めされている。軸受32の内輪32Aと対向する箇所において、起振体軸10にはOリング52が配置される溝10mが設けられている。同様に、軸受32の外輪32Bと対向する箇所において、第2カバー27にはOリング51が配置される溝27mが設けられている。溝10m、27mは、周方向に延びるリング状の形態を有する。溝10mの深さ寸法は、圧力を加えていないOリング52の高さ(リングの内径と外径との差÷2)よりも短い。溝27mの深さ寸法は、圧力を加えていないOリング51の高さ(リングの内径と外径との差÷2)よりも短い。軸受32が配置された状態で、Oリング51、52は、軸受32と溝10m、27mの底面又は側面とから圧力を受けて圧縮され、これにより軸受32を弾性力により挟み込み、軸受32を保持する。このとき、内輪32Aと起振体軸10との間、並びに、外輪32Bと第2カバー27との間には、隙間k(図2を参照)が設けられる。
起振体軸10には、内輪32Aの配置箇所に隣接して(軸方向の中央側に)外径が大きく変化する段差h3が設けられている。第2カバー27には、外輪32Bの配置箇所に隣接して(軸方向の一端側に)内径が小さく変化する段差h4が設けられている。軸方向において、軸受32は、段差h3、h4の間に配置される。段差h3、h4は、軸受32がそれを超えて軸方向に移動するのを係止するストッパーとして機能する。
オイルシール41〜43は、それぞれ、起振体軸10の外周部の一端側と第1カバー26との間、起振体軸10の外周部の他端側と第2カバー27との間、第2ケーシング24と内歯歯車部材23との間を、シールし、潤滑剤の漏れを抑止する。
シール用のOリング44〜46は、それぞれ、第1ケーシング22と第1カバー26との間、第1ケーシング22と第2ケーシング24との間、内歯歯車部材23と第2カバー27との間を、シールし、潤滑剤の漏れを抑止する。
<使用例>
図3は、実施形態に係る撓み噛合い式歯車装置の使用例を示す図である。
一つの使用例において、第1ケーシング22及び第2ケーシング24はボルトB1を介して外部の支持部材61に連結され、これにより撓み噛合い式歯車装置1が支持される。さらに、起振体軸10は、外部のモータ軸に連結され、第2カバー27及び内歯歯車部材23はボルトB2を介して外部の被駆動部材62に連結される。
この状態で、モータ軸と一体的に起振体軸10が回転すると、起振体10Aの運動が外歯歯車12に伝わる。このとき、外歯歯車12は、起振体10Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、外歯歯車12は、固定された内歯歯車22gと長軸部分で噛合っている。このため、外歯歯車12は起振体10Aと同じ回転速度で回転することはなく、外歯歯車12の内側で起振体10Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、外歯歯車12は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形(揺動)する。この変形の周期は、起振体軸10の回転周期に比例する。
外歯歯車12が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、外歯歯車12と内歯歯車22gとの噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、外歯歯車12の歯数が100で、内歯歯車22gの歯数が102だとする。外歯歯車12と内歯歯車22gとの歯数に違いがあると、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車12と内歯歯車22gとの噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車12が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸10の回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車12に伝達される。
一方、外歯歯車12は内歯歯車23gとも噛合っているため、起振体軸10の回転によって外歯歯車12と内歯歯車23gとの噛合う位置も回転方向に変化する。ここで、内歯歯車23gの歯数と外歯歯車12の歯数とが同数であるとする。この場合、外歯歯車12と内歯歯車23gとは相対的に回転せず、外歯歯車12の回転運動が減速比1:1で内歯歯車23gへ伝達される。これらによって、起振体軸10の回転運動が減速比100:2で減速されて、内歯歯車部材23及び第2カバー27へ伝達され、この回転運動が被駆動部材62に出力される。
ここで、被駆動部材62に比較的に大きな荷重が加わった場合、主軸受33の内輪(内歯歯車部材23の一部)が第2ケーシング24に対して僅かに変位する。この変位は、内歯歯車部材23と第2カバー27との変位に相当する。第2カバー27には、軸受32を介して起振体軸10が支持されているが、第2カバー27と起振体軸10との間には、隙間嵌めされた軸受32と、これらの間に弾性力を作用させるOリング51、52とが介在する。したがって、第2カバー27の変位は、Oリング51、52が変形しかつ隙間kが大小変化することで吸収され、起振体軸10には殆ど伝わらない。したがって、大きな荷重により起振体軸10が回転軸O1に対して傾斜してしまうといった事態が回避される。内歯歯車部材23の変位は僅かなものであるため、起振体軸10が傾斜することが抑制されることで、内歯歯車22g、23gと外歯歯車12との間で外歯と内歯との片当たりが発生するといった事態が回避され、歯の劣化を抑制することができる。内歯歯車23gは僅かに変位しているが、僅かな変位であれば、可撓性を有する外歯歯車12が内歯歯車23gの変位に追従し、歯当たりが安定するように外歯歯車12の回転が収束する。これにより歯の劣化が抑制される。
また、撓み噛合い式歯車装置1の運転中、起振体軸10及び内歯歯車部材23に対して、支持部材61が連結されている第1ケーシング22及び第2ケーシング24に比較的に大きな荷重が加わったとする。このような場合、主軸受33の外輪(第2ケーシング24の一部)が内歯歯車部材23に対して僅かに変位する。この変位は、第1ケーシング22と、第1カバー26との変位に相当する。第1カバー26には、軸受31を介して起振体軸10が支持されているが、第1カバー26と起振体軸10との間には、隙間嵌めされた軸受31と、これらの間に弾性力を作用させるOリング53、54とが介在する。したがって、第1カバー26の変位は、Oリング53、54が変形しかつ隙間kが大小変化することで吸収され、起振体軸10には殆ど伝わらない。したがって、大きな荷重により起振体軸10が回転軸O1に対して傾斜してしまうといった事態が回避される。第1ケーシング22及び第2ケーシング24の変位は僅かなものであるため、起振体軸10が傾斜することが抑制されることで、内歯歯車22g、23gと外歯歯車12との間で外歯と内歯との片当たりが生じるといった事態が回避され、歯の劣化を抑制できる。内歯歯車22gは僅かに変位しているが、僅かな変位であれば、可撓性を有する外歯歯車12が内歯歯車22gの変位に追従し、歯当たりが安定するように外歯歯車12の回転が収束する。これにより歯の劣化が抑制される。
なお、軸受31に接触するOリング53、54により第1ケーシング22の変位を吸収して歯の劣化を抑制する作用は、内歯歯車部材23を支持部材に連結し、第1ケーシング22から回転運動を取り出す使用法を適用する場合にも有用である。
以上のように、本実施形態の撓み噛合い式歯車装置1によれば、負荷側の第2カバー27と起振体軸10との間に軸受32が配置される。一方、第2カバー27と軸受32の外輪32Bとの間にOリング51が配置され、起振体軸10と軸受32の内輪32Aとの間にOリング52が配置される。そして、Oリング51、52の弾性により、第2カバー27の変位が直接に起振体軸10に伝わってしまうことが抑制される。したがって、第2カバー27に連結された被駆動部材62に大きな荷重が加わっても、内歯歯車22g、23gと外歯歯車12との間で歯当たりに異常が生じることを抑制でき、歯の劣化を抑制できる。
さらに、本実施形態の撓み噛合い式歯車装置1によれば、軸受32の内輪32Aと起振体軸10とが隙間嵌めされ、軸受32の外輪32Bと第2カバー27とが隙間嵌めされている。このような構成と上記Oリング51、52の弾性作用により、第2カバー27の変位が起振体軸10へ伝わってしまうことをより抑制できる。
また、本実施形態の撓み噛合い式歯車装置1によれば、Oリング51、52が配置される溝10m、27mが、内輪32A及び外輪32Bになく、起振体軸10及び第2カバー27に設けられている。これにより、Oリング51、52を配置する溝の成形性が良好となり、部品コストの低減を図れる。
また、本実施形態の撓み噛合い式歯車装置1によれば、起振体軸10を支持するもう一方の軸受31についても、内輪31Aと起振体軸10との間、外輪31Bと第1カバー26との間に、Oリング53、54が配置されている。これにより、内歯歯車部材23及び起振体軸10に対して、第1ケーシング22及び第2ケーシング24が僅かに変位するような場合でも、内歯歯車22g、23gと外歯歯車12との間で片当たりが生じることを抑制できる。さらに、内輪31Aと起振体軸10とが隙間嵌めされ、外輪31Bと第1カバー26とが隙間嵌めされていることで、変位が起振体軸10に伝わることをより抑制できる。
このような作用効果は、筒型の外歯歯車12が撓み変形し、被駆動部材62が連結される内歯歯車部材23が、主軸受33の内輪と内歯歯車23gと一体化されている撓み噛合い式歯車装置1において、より有効に奏される。
また、本実施形態の撓み噛合い式歯車装置1によれば、Oリング51、52の弾性力により、第2カバー27が保持されるので、第2カバー27と内歯歯車部材23との仮固定が不要になる。したがって、被駆動部材62を第2カバー27及び内歯歯車部材23に連結する際に、第2カバー27と内歯歯車部材23との軸心を、モータ軸の軸心と合わせて、同時に連結することができる。したがって、被駆動部材62、第2カバー27、内歯歯車部材23及びモータ軸の同軸度が高くなり、撓み噛合い式歯車装置1の回転精度が向上する。
上記の説明では、本発明を撓み噛合い式歯車装置に適用した例を示した。しかし、本発明は、外歯歯車を偏心揺動させる偏心揺動型歯車装置に適用しても同様の作用効果が奏される。続いて、その適用例を説明する。
(偏心揺動型歯車装置への適用例1)
特開2006−263878号公報の図2(B)には、1本の偏心体軸(160)を減速機の軸心に配置した所謂センタークランク式の偏心揺動型歯車装置(190)が開示されている。括弧内にはこの公報内の符号を記す。この構成に、本発明を適用する場合、軸受(122)の内輪と偏心体軸(160)との間、並びに、軸受(122)の外輪と出力フランジ体(100)との間に、Oリング等の弾性体を設ければよい。ここで、軸受(122)の内輪及び外輪は隙間嵌めとし、弾性体が配置される溝を偏心体軸(160)と出力フランジ体(100)とに設けてもよい。さらに、軸受(120)の内輪と偏心体軸(160)との間、並びに、軸受(120)の外輪と出力フランジ体(102)との間に、Oリング等の弾性体を設けてもよい。ここで、軸受(120)の内輪と外輪とは隙間嵌めとし、弾性体が配置される溝は偏心体軸(160)と出力フランジ体(102)とに設けてもよい。ここで、偏心体軸(160)は本発明に係る揺動体軸の一例に相当する。
このような構成が、本発明をセンタークランク式の偏心揺動型歯車装置に適用した一実施形態である。この実施形態によれば、大きな荷重が加わって出力フランジ体(100)が変位しても、内歯歯車(134)と外歯歯車(138)との噛合いの異常を抑制することができる。
(偏心揺動型歯車装置への適用例2)
特開2014−009808号公報の図1及び図2には、2個以上の偏心体軸(10)が減速機の軸心からオフセットして配置された所謂振り分け型の偏心揺動型歯車装置(1)が開示されている。括弧内にはこの公報内の符号を記す。この構成に、本発明を適用する場合、クランク軸受(12a、12b)の内輪と偏心体軸(10)との間、クランク軸受(12a、12b)の外輪とキャリア(4)との間に、Oリング等の弾性体を設ければよい。ここで、クランク軸受(12a、12b)の内輪及び外輪は隙間嵌めとし、弾性体が配置される溝を偏心体軸(10)とキャリア(4)とに設けてもよい。ここで、偏心体軸(10)は本発明に係る揺動体軸の一例に相当する。
このような構成が、本発明を振り分け型の偏心揺動型歯車装置に適用した一実施形態である。この実施形態によれば、大きな荷重が加わって偏心体軸(10)が変位しても、内歯歯車(3)と外歯歯車(14a、16a)との噛合いの異常を抑制することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、実施形態において、単一の部材により一体的に形成された構成要素は、複数の部材に分割されて互いに連結又は固着された構成要素に置換してもよい。また、複数の部材が連結されて構成された構成要素は、単一の部材により一体的に形成された構成要素に置換してもよい。
また、上記実施形態では、一対の軸受31、32、(120、122)、(12a、12b)の両方において、その外輪及び内輪に接触する弾性体を設け、外輪及び内輪を隙間嵌めにした例を示した。しかし、一対の軸受31、32、(120、122)、(12a、12b)のうち、出力部材に嵌合される一方についてのみ、その外輪及び内輪に接触する弾性体を設け、外輪及び内輪を隙間嵌めにしてもよい。また、上記実施形態では、弾性体を配置する溝を、外輪と内輪とには設けない例を示したが、外輪と内輪にも弾性体を配置する溝が設けられてもよい。また、上記実施形態では、弾性体としてOリングを適用した例を示したが、Oリングに限定されず、種々の弾性体を使用可能であり、例えば、弾性体は周方向につながっている必要はなく、周方向において複数に分断された構成としてもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 撓み噛合い式歯車装置
10 起振体軸(揺動体軸)
10A 起振体
10B、10C 軸部
10m、26m、27m 溝
12 外歯歯車
15 起振体軸受
22 第1ケーシング
23 内歯歯車部材
22g,23g 内歯歯車
24 第2ケーシング
26 第1カバー
27 第2カバー
31、32 軸受
31A、32A 内輪
31B、32B 外輪
31C、32C 転動体
33 主軸受
51〜54 Oリング(第1弾性体〜第4弾性体)

Claims (6)

  1. 内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車を揺動させる揺動体軸と、被駆動部材に連結される出力部材と、を有する歯車装置であって、
    内輪及び外輪を有し、前記出力部材と前記揺動体軸との間に配置される第1軸受と、
    前記出力部材と前記外輪との間に配置される第1弾性体と、
    前記揺動体軸と前記内輪との間に配置される第2弾性体と、
    を備える歯車装置。
  2. 前記出力部材と前記外輪とは隙間嵌めされ、
    前記揺動体軸と前記内輪とは隙間嵌めされている、
    請求項1記載の歯車装置。
  3. 前記出力部材は前記第1弾性体が配置される溝を有する一方、前記外輪には前記第1弾性体が配置される溝を有さず、
    前記揺動体軸は前記第2弾性体が配置される溝を有する一方、前記内輪には前記第2弾性体が配置される溝を有さない、
    請求項1又は請求項2に記載の歯車装置。
  4. 内輪及び外輪を有し、外部の支持部材に連結される被支持部材と前記揺動体軸との間に配置される第2軸受と、
    前記被支持部材と前記第2軸受の前記外輪との間に配置される第3弾性体と、
    前記揺動体軸と前記第2軸受の前記内輪との間に配置される第4弾性体と、
    を更に備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の歯車装置。
  5. 前記被支持部材と前記第2軸受の前記外輪とは隙間嵌めされ、
    前記揺動体軸と前記第2軸受の前記内輪とは隙間嵌めされている、
    請求項4記載の歯車装置。
  6. 前記内歯歯車として第1内歯歯車及び第2内歯歯車を有し、前記外歯歯車が前記揺動体軸によって撓み変形される撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記出力部材を回転自在に支持する主軸受を更に備え、
    前記出力部材は前記第2内歯歯車と前記主軸受の内輪と一体化されている、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の歯車装置。
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