JP7300412B2 - 自在継手の接続構造 - Google Patents
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自在継手の一例として、特許文献1に示すようなクロスグルーブ型自在継手は、内周面に回転軸方向に延在する複数の溝と、回転軸方向に貫通する複数のボルト孔とが交互に備えられる円筒形状の外輪部材と、外輪部材の溝を摺動する動力伝達部材と、動力伝達部材に内嵌される軸部材と、外輪部材の回転軸方向の一端を封止するブーツ組立体と、外輪部材の回転軸方向の他端を封止するキャップと、を備える。
内輪部材の内周面にはインボリュートスプラインが形成されている。動力伝達部材は、軸部材の小径部に形成されたインボリュートスプラインに外嵌され、止め輪で固定されて、軸部材と一体に回転する。
本発明は以上の課題を解決するために考案されたものであり、その目的は、嵌合部の着脱作業性の悪化を招来しない自在継手の接続構造を提供するものである。
図1を用いて、本発明の第1実施形態である自在継手2を適用した推進軸1について説明する。推進軸1は、例として、クロスグルーブ型自在継手2を後端側の端部に備えている。図示しない前端側の端部には、他の自在継手と、中間軸受等を備える。自在継手2は、終減速装置の入力部材であるコンパニオンフランジ16に内嵌されている。
外輪部材3は、円筒状をなし、内周面には回転軸X方向に指向する半円状の溝3dが、円周上に複数、等間隔に備えられている。そして、隣接する二つの溝3d,3dの間に円周上、等間隔にボルト挿通孔3eが穿設されている。換言すれば、円周上に、溝3d及びボルト挿通孔3eが交互に備えられている。
動力伝達部材7は、内輪部材7aと、ケージ7bと、複数のボール7cを備える。内輪部材7aの外周面には半円状の溝が備えられる。
ケージ7bは、円筒状の部材であり、内周面と外周面を回転軸X方向と交差する方向に貫通する複数の孔が円周上に備えられ、この孔に、ボール7cが遊嵌されている。ケージ7bの内周面に露出するボール7cが内輪部材7aの溝と、ケージ7bの外周面に露出するボール7cが外輪部材3の溝3dと、それぞれ摺動しながら動力を伝達する。ケージ7bは、内輪部材7aと外輪部材3との回転軸X上の屈曲角度の二等分面上にボール7cを配置する機能を有し、これにより内輪部材7aと、外輪部材3のそれぞれの回転軸間に角度がついた状態であっても、角速度変動が生じない等速運動を行う。
外輪部材3の回転軸X方向の中央部近傍には、終減速装置のコンパニオンフランジ16が外嵌される。コンパニオンフランジ16にはねじ孔16dが備えられ、外輪部材3の前側から挿通されたボルト14が螺合されることにより、コンパニオンフランジ16と推進軸1が接続される。このようにして、パイプ10に伝達された動力は、自在継手2を経て、終減速装置に伝達される。
次に、図2を用いて、本発明の第2実施形態である自在継手22を適用した推進軸21について説明する。
図2において、本発明の第1実施形態と同様の構成については図1と同様の番号を付し、その説明を適宜省略する。
自在継手22は、第1実施形態の自在継手2に対して、ブーツ組立体24が異なる。
ブーツアダプタ25の延長部25eと、コンパニオンフランジ16の嵌合凸部外周面16aとは、径方向に隙間が生じる。自在継手22によれば、この隙間をシール部材25fにより遮断することができるので、外輪部材3の外周面3cに泥水が浸入することが、より効果的に防止される。
以上、第2実施形態によれば、延長部25eの先端に備えられるシール部材25fとコンパニオンフランジ16の篏合凸部外周面16aとを当接させることにより、外輪部材3の外周面3cを外部から遮蔽することができる。これにより、泥水等の浸入を受けることが防止されるので、外輪部材3の外周面3cに錆が発生することが防止される。したがって、本発明の第2実施形態によれば、嵌合部の着脱作業性の悪化を招来しない自在継手22を提供することができる。
次に、図3を用いて、本発明の第3実施形態である自在継手32を適用した推進軸31について説明する。
図3において、本発明の第1実施形態と同様の構成については図1と同様の番号を付し、その説明を適宜省略する。
自在継手32は、第1実施形態の自在継手2に対して、ブーツ組立体34が異なる。
以上、第3実施形態によれば、ブーツアダプタ35の延長部35eと外輪部材3の外周面3cとによって挟まれる隙間にシール部材35fを配置することにより、外輪部材3の外周面3cを外部から遮蔽することができる。これにより、泥水等の浸入を受けることが防止されるので、外輪部材3の外周面3cに錆が発生することが防止される。したがって、本発明の第3実施形態によれば、嵌合部の着脱作業性の悪化を招来しない自在継手32を提供することができる。
次に、図4を用いて、本発明の第4実施形態である自在継手42を適用した推進軸41について説明する。
図4において、本発明の第1実施形態と同様の構成については図1と同様の番号を付し、その説明を適宜省略する。
自在継手42は、第1実施形態の自在継手2に対して、ブーツ組立体44が異なる。
以上、第4実施形態によれば、コンパニオンフランジ16の嵌合凸部端面16bと、ブーツ組立体45の嵌合端部45hとの間に、外輪部材3の外周面3cを覆うシール部材45fを配置することにより、外輪部材3の外周面3cを外部から遮蔽することができる。これにより、泥水等の浸入を受けることが防止されるので、外輪部材3の外周面3cに錆が発生することが防止される。したがって、本発明の第4実施形態によれば、嵌合部の着脱作業性の悪化を招来しない自在継手42を提供することができる。
次に、図5を用いて、本発明の第5実施形態である自在継手52を適用した推進軸51について説明する。
図5において、本発明の第1実施形態と同様の構成については図1と同様の番号を付し、その説明を適宜省略する。
自在継手52は、第1実施形態の自在継手2に対して、ブーツ組立体54が異なる。
以上、第5実施形態によれば、外輪部材3の外周面3cを覆うシール部材55fを、ブーツ組立体54のブーツアダプタ内周面55iに一体に設けることにより、外輪部材3の外周面3cを外部から遮蔽することができる。これにより、泥水等の浸入を受けることが防止されるので、外輪部材3の外周面3cに錆が発生することが防止される。したがって、本発明の第5実施形態によれば、嵌合部の着脱作業性の悪化を招来しない自在継手52を提供することができる。
また、推進軸に適用した形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、駆動軸(ドライブシャフト)に適用しても、同様の効果が得られる。
さらに、覆設部をブーツアダプタ側に備えず、コンパニオンフランジ側に備えても、同様の効果が得られる。
3 外輪部材
3c 外輪部材の外周面
3d 転動溝(溝)
4、54 ブーツ組立体
5b ブーツアダプタの外嵌部(ブーツ組立体の外嵌部)
5e、25e、35e、45e、55e ブーツアダプタの延長部(覆設部)
5h、35h、45h ブーツアダプタの篏合端部(ブーツ組立体の篏合端部)
25f、35f、45f、55f シール部材
7 動力伝達部材
14 ボルト締結部(ボルト)
16 コンパニオンフランジ
16a コンパニオンフランジの嵌合凸部外周面(外周面)
16b コンパニオンフランジの嵌合凸部端面(篏合端部)
35g ブーツアダプタの延長部の内周面
55i ブーツアダプタ内周面
Claims (6)
- 円周上に等間隔で配置された複数のボルト締結部、及び、
隣り合う2つの前記ボルト締結部の間に配置され、回転軸方向に延在する複数の溝を内周面に備える円筒状の外輪部材、及び、
前記外輪部材の中で摺動、或いは、転動自在に配置される動力伝達部材、を有する自在継手と、
前記外輪部材の一端に外嵌されるコンパニオンフランジと、
前記外輪部材の他端に外嵌されるブーツ組立体と、
前記外輪部材に外嵌する前記コンパニオンフランジの嵌合端部と、前記外輪部材に外嵌する前記ブーツ組立体の嵌合端部との間の、前記外輪部材の外周面を包囲する覆設部と、を有し、
前記覆設部が、前記ブーツ組立体の外嵌部から径方向外側にフランジ状に折れ曲がり、さらに前記コンパニオンフランジの嵌合端部まで延長するように前記ブーツ組立体に一体に設けられた延長部を有する自在継手の接続構造。 - 円周上に等間隔で配置された複数のボルト締結部、及び、
隣り合う2つの前記ボルト締結部の間に配置され、回転軸方向に延在する複数の溝を内周面に備える円筒状の外輪部材、及び、
前記外輪部材の中で摺動、或いは、転動自在に配置される動力伝達部材、を有する自在継手と、
前記外輪部材の一端に外嵌されるコンパニオンフランジと、
前記外輪部材の他端に外嵌されるブーツ組立体と、
前記外輪部材に外嵌する前記コンパニオンフランジの嵌合端部と、前記外輪部材に外嵌する前記ブーツ組立体の嵌合端部との間の、前記外輪部材の外周面を包囲する覆設部と、を有し、
前記覆設部が、前記ブーツ組立体の外嵌部から、拡径させるとともに、前記コンパニオンフランジの嵌合端部まで延長させた延長部を有し、
前記延長部の先端に、前記コンパニオンフランジの外周面に当接するシール部材を備える、自在継手の接続構造。 - 前記延長部の内周面と、前記外輪部材の外周面とによって画定される部位に、シール部材を備える、請求項1に記載の自在継手の接続構造。
- 円周上に等間隔で配置された複数のボルト締結部、及び、
隣り合う2つの前記ボルト締結部の間に配置され、回転軸方向に延在する複数の溝を内周面に備える円筒状の外輪部材、及び、
前記外輪部材の中で摺動、或いは、転動自在に配置される動力伝達部材、を有する自在継手と、
前記外輪部材の一端に外嵌されるコンパニオンフランジと、
前記外輪部材の他端に外嵌されるブーツ組立体と、
前記外輪部材に外嵌する前記コンパニオンフランジの嵌合端部と、前記外輪部材に外嵌する前記ブーツ組立体の嵌合端部との間の、前記外輪部材の外周面を包囲する覆設部と、を有し、
前記覆設部が、前記コンパニオンフランジの前記嵌合端部と、前記ブーツ組立体の前記嵌合端部との間に配置され、前記外輪部材の前記外周面を覆うシール部材であり、
前記シール部材は、前記コンパニオンフランジの前記嵌合端部の外周面に嵌着されている、自在継手の接続構造。 - 円周上に等間隔で配置された複数のボルト締結部、及び、
隣り合う2つの前記ボルト締結部の間に配置され、回転軸方向に延在する複数の溝を内周面に備える円筒状の外輪部材、及び、
前記外輪部材の中で摺動、或いは、転動自在に配置される動力伝達部材、を有する自在継手と、
前記外輪部材の一端に外嵌されるコンパニオンフランジと、
前記外輪部材の他端に外嵌されるブーツ組立体と、
前記外輪部材に外嵌する前記コンパニオンフランジの嵌合端部と、前記外輪部材に外嵌する前記ブーツ組立体の嵌合端部との間の、前記外輪部材の外周面を包囲する覆設部と、を有し、
前記覆設部が、前記ブーツ組立体のブーツアダプタ内周面に一体に備えられ、前記外輪部材の前記外周面を覆うシール部材である、自在継手の接続構造。 - 前記延長部の先端部は、前記コンパニオンフランジの外周面上に重なっている、請求項1に記載の自在継手の接続構造。
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JP2007092844A (ja) | 2005-09-28 | 2007-04-12 | Ntn Corp | 等速自在継手用フレキシブルブーツ |
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