<不動産契約システムの全体構成>
以下に、本発明を具体化した実施形態となる不動産契約システムについて、図面に基づいて説明する。なお、以下の不動産契約システムでは、不動産物件の賃貸契約を例に上げて説明するが、貸し主と借り主の関係を売り主と買い主の関係に変更した不動産物件の売買契約であっても構わない。
まず始めに、本発明に係る不動産契約システムの全体構成について説明する。不動産契約システムは、図1に示すように、電話通信網N1とデータ通信網N2とで構成される通信網上に構成されるシステムである。なお、図1などにおいて、電話通信網N1及びデータ通信網N2それぞれを異なるネットワークにより図示しているが、説明を簡単にすべく、模式的に図示したものである。すなわち、電話通信網N1は、公衆電話回線、メタル回線、及び光ファイバなどにより構成された通信網であって、携帯端末装置と通信する基地局や、端末装置同士の通信を接続させる交換機を含む。また、データ通信網N2は、電話通信網N1と同様の通信回線を利用するものであり、ゲートウェイなどにより、プロトコルの異なる電話通信網N1と相互に接続可能としている。
不動産契約システムは、データ通信網N2と通信接続している契約管理サーバ1と、電話通信網N1及びデータ通信網N2それぞれと通信接続している架電制御サーバ2と、貸し主により操作される通信端末装置3と、借り主により操作される通信端末装置4と、審査担当者により操作される通信端末装置5と、連帯保証人(又は連帯債務者)により操作される通信端末装置6とにより構成される。以下の説明では、不動産契約システムの契約処理において、連帯保証人を設定した場合について説明するが、連帯債務者を設定した場合も同様の処理となる。
図2に示すように、契約管理サーバ1は、データ通信網N2と通信接続されるデータ用通信インターフェース101と、各種プログラム(アプリケーション)やデータを記憶するとともにデータを一時的に待避させる作業領域を有するメモリ部102と、装置全体を制御する制御部(演算制御部)103とを備えている。そして、契約管理サーバ1は、メモリ部102の一部となる記録媒体に、複数のデータベースDB1~DB5と、不動産物件の賃貸契約における契約書の作成支援を行う契約システム用プログラムとを格納している。
図2に示すように、架電制御サーバ2は、電話通信網N1と通信接続される電話用通信インターフェース201と、データ通信網N2と通信接続されるデータ用通信インターフェース202と、各種プログラムやデータを記憶するとともにデータを一時的に待避させる作業領域を有するメモリ部203と、装置全体を制御する制御部204とを備えている。そして、架電制御サーバ2は、メモリ部203の一部となる記録媒体に、架電制御用のクラウドAPI(Application Programming Interface)と、契約管理サーバ1を特定するためのデータベースDB6とを格納している。
図3に示すように、貸し主の通信端末装置3は、パーソナルコンピュータやタブレットコンピュータなどのように、少なくとも、データ通信網N2と通信接続されるデータ用通信インターフェース301と、貸し主からの操作を受け付けるキー又はボタンやタッチパネルなどによる入力インターフェース302と、契約管理サーバ1からのデータに基づく画像やテキストを表示させるディスプレイなどによる出力インターフェース303と、各種プログラムやデータを記憶するとともにデータを一時的に待避させる作業領域を有するメモリ部304と、装置全体を制御する制御部305とを備えた通信端末装置で構成される。なお、本実施形態では、通信端末装置3について、データ通信網N2のみと通信接続するパーソナルコンピュータを例に挙げて説明するが、電話通信網N1とも通信接続できるスマートフォンや携帯電話などの携帯型通信端末装置であっても構わない。
図3に示すように、借り主の通信端末装置4は、スマートフォンや携帯電話などのように、電話通信網N1と通信接続される電話用通信インターフェース401と、データ通信網N2と通信接続されるデータ用通信インターフェース402と、借り主からの操作を受け付けるキー又はボタンやタッチパネルなどによる入力インターフェース403と、契約管理サーバ1からのデータに基づく画像やテキストを表示させるディスプレイなどによる出力インターフェース404と、写真及び動画の撮影が可能な撮像部405と、各種プログラムやデータを記憶するとともにデータを一時的に待避させる作業領域を有するメモリ部406と、装置全体を制御する制御部407を備えた携帯型通信端末装置で構成される。審査担当者の通信端末装置5及び連帯保証人の通信端末装置6は、上述の借り主の通信端末装置4と同様の携帯型通信端末装置で構成されるものとする。
なお、本実施形態では、契約管理サーバ1及び架電制御サーバ2は、1つのコンピュータに構成されるものとしているが、複数のコンピュータをネットワーク上で連携させたものであってもよい。また、本実施形態において、データやプログラムを記憶させるハードディスクやフラッシュメモリといった記録媒体や、起動したプログラムやデータを一時的に記憶させるRAMなどを、メモリ部102,203,304,406として統括した構成としているが、実際は、複数のメモリや記録媒体で構成されている。
また、図2に示すように、契約管理サーバ1は、メモリ部102において、物件情報を記憶する物件データベースDB1と、貸し主情報を記憶する貸し主データベースDB2と、借り主情報を記憶する借り主データベースDB3と、契約情報を記憶する契約書データベースDB4と、審査担当者情報を記憶する審査担当データベースDB5とを格納している。また、架電制御サーバ2は、メモリ部203において、契約管理サーバ1の電話番号とグローバルIPアドレスとを照合させるサーバ特定用データベースDB6を格納している。
物件データベースDB1は、不動産物件毎に付番される物件識別番号(物件ID)に対して、物件IDで特定される不動産物件の所在地や間取りや専有面積といった物件情報と、不動産物件に設定された賃料と、不動産物件の外観写真や内覧写真や間取り画像といった画像データと、契約の度に変更される電子鍵情報と、集合住宅の場合のオートロック番号と、メールボックスの解錠のためのメールボックス解錠情報とを記憶している。
また、物件データベースDB1は、登録されている全ての不動産物件に対して、貸し主データベースDB2で貸し主毎に付番された貸し主識別番号(貸し主ID)を物件ID毎に記憶することで、各不動産物件の貸し主を特定している。更に、物件データベースDB1は、契約が成立している不動産物件に対して、借り主データベースDB3で借り主毎に付番された借り主識別番号(借り主ID)と、契約書データベースDB4で借り主毎に付番された契約書識別番号(契約書ID)とを物件ID毎に記憶することで、各不動産物件の契約書を特定している。
物件データベースDB1において、不動産物件毎に(集合住宅においては部屋毎に)、情報を記憶しているため、契約管理サーバ1は、物件データベースDB1における借り主IDまたは契約書IDの有無を確認することで、契約されていない不動産物件を容易に検索できる。また、契約管理サーバ1は、貸し主IDにより貸し主毎に不動産物件の契約状況をまとめることができ、各貸し主が所有する不動産物件の契約に関する現況について報告書を作成し、貸し主毎に通知できる。
貸し主データベースDB2は、貸し主ID毎に、貸し主の氏名、住所、電話番号といった貸し主情報と、データを送信できるメールアドレスなどの連絡先情報と、貸し主個人を特定するための鍵情報(パスワード)とを記憶している。既に貸し主データベースDB2に登録されている貸し主は、契約管理サーバ1に設定された貸し主ID及び鍵情報を通信端末装置3に入力し、契約管理サーバ1に貸し主ID及び鍵情報を送信することで、契約管理サーバ1へのアクセスが許可される。一方、貸し主データベースDB2に未登録の貸し主は、通信端末装置3を介して契約管理サーバ1にアクセスして、貸し主情報及び連絡先情報を契約管理サーバ1に送信し、貸し主として登録することを要求すると、契約管理サーバ1で貸し主ID及び鍵情報が新たに設定されて、通信端末装置3に送信される。なお、契約管サーバ1において、貸し主のクレジットカードのカード番号などによるクレジットカード情報が登録されるものとして、クレジットカード会社などを通じて貸し主本人を確実に特定するものとしてもよい。
借り主データベースDB3は、借り主ID毎に、借り主の氏名、住所、電話番号といった借り主情報と、データを送信できるメールアドレスなどの連絡先情報と、借り主の通信端末装置4に付番された電話番号と、借り主個人を特定するための鍵情報と、借り主のクレジットカードのカード番号などによるクレジットカード情報と、契約した不動産物件の賃料の支払い履歴に関する支払い履歴情報と、契約違反に代表される各種法的義務違反に関する違反履歴情報と、借り主の契約中となる不動産物件の物件ID及び契約書IDとを記憶している。なお、借り主データベースDB3において、物件ID及び契約書IDのいずれか一方だけが記憶されるものとしてもよい。また、借り主データベースDB3で物件ID及び契約書IDのいずれも記憶されていない借り主は、賃貸契約が未契約であることを示す。
借り主データベースDB3において、支払い履歴情報や違反履歴情報を記憶することにより、例えば、既に登録された借り主が新たに不動産物件を借りる場合に、以前の支払い履歴情報より、借り主の支払い能力を評価できるとともに、違反履歴情報より、賃貸契約に係る借り主の信用度を評価できる。また、契約管理サーバ1は、借り主データベースDB3より未契約である借り主を検索するとともに、未契約の借り主の支払い履歴情報から確認できる支払い能力に基づいて、例えば、物件データベースDB1を参照して、当該借り主に対するおすすめ物件リストを作成して、借り主の通信端末装置4に送信するものとしてもよい。
既に借り主データベースDB3に登録されている借り主は、契約管理サーバ1に設定された借り主ID及び鍵情報を通信端末装置4に入力し、契約管理サーバ1に借り主ID及び鍵情報を送信することで、契約管理サーバ1へのアクセスが許可される。このとき、借り主が、借り主の希望する不動産物件の物件条件を、通信端末装置4に対して入力することで、当該物件条件が契約管理サーバ1に送信される。そして、契約管理サーバ1は、受信した物件条件を満たす物件情報を備えた不動産物件を、物件データベースDB1から検索し、検索した不同さ物件のリストを検索結果情報として通信端末装置4に送信する。これにより、借り主は、通信端末装置4で受信した検索結果情報を閲覧することで、契約したい不動産物件を探すことができる。
なお、借り主データベースDB3に未登録の借り主は、通信端末装置4を介して契約管理サーバ1にアクセスして、借り主として登録することを要求すると、契約管理サーバ1で借り主ID及び鍵情報が新たに設定して、通信端末装置4に送信される。このとき、借り主は、通信端末装置4を介して、契約管理サーバ1に対して、借り主情報、連絡先情報、通信端末装置4の電話番号、及びクレジットカード情報を、契約管理サーバ1に送信することで、借り主データベースDB3における借り主の借り主IDに対するデータレコードに記憶させる。
契約書データベースDB4は、契約書ID毎に、契約の対象となる不動産物件の物件IDと、契約の当事者となる貸し主及び借り主それぞれの貸し主ID及び借り主IDと、禁止事項や付随設備や契約解除や修繕や原状回復などに関する取り決めとなる契約条件と、敷金及び礼金や支払期日や滞納時のルールなどの支払い方法と、不動産物件又は借り主毎に設定される特約条項と、入居者の氏名、住所、生年月日、借り主との関係(続柄)といった入居者情報と、入居者の写真による入居者画像データと、連帯保証人の氏名、住所、電話番号といった保証人情報と、連帯保証人の写真による保証人画像データと、借り主、審査担当者、及び連帯保証人それぞれを認証する際の認証用鍵情報とを記憶している。
契約書データベースDB4には、契約条件や支払い方法のひな形として、予め、借地借家法や民法に応じたものが記憶されており、各種法改正に合わせて、当該ひな形が変更される。貸し主は、通信端末装置3を操作して契約管理サーバ1と通信することで、契約書データベースDB4に記憶されたひな形を用いて、独自の契約条件や支払い方法に変更して、契約管理サーバ1に記憶させることができる。また、契約書データベースDB4は、契約条件や支払い方法を始めとする各種情報について、日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語など複数言語に翻訳して記憶されている。これにより、例えば、貸し主が日本人で、且つ、借り主が外国人の場合、日本語による契約書のみならず、貸し主の当該外国人の言語による契約書をも作成できる。
なお、入居者が借り主本人の場合は、入居者画像データとして借り主の写真が記憶される。また、入居者情報には、入居者の携帯電話番号やメールアドレスなどの連絡先情報が含まれており、保証人情報には、連帯保証人のメールアドレスなどの連絡先情報や通信端末装置6の電話番号が含まれている。更に、認証用鍵情報は、契約管理サーバ1が通信端末装置4~6のそれぞれから送信される各種情報を認証する際に使用されるものであり、認証動作を実行する度に生成されるものとすることで、契約書に関する情報の安全性を向上できる。また、通信端末装置4~6それぞれが架電制御サーバ2と通信して、認証用鍵情報が契約管理サーバ1に送信されることで、通信端末装置4~6からの各種情報が認証される。
審査担当データベースDB5は、審査担当者それぞれに割り付けた(付番した)担当識別番号(担当ID)毎に、審査担当者の名前や所属先などの審査担当者情報と、データを送信できるメールアドレスなどの連絡先情報と、審査担当者の通信端末装置5に付番された電話番号と、審査担当者個人を特定するための鍵情報とを記憶している。審査担当者は、契約管理サーバ1に設定された担当ID及び鍵情報を通信端末装置6に入力し、契約管理サーバ1に担当ID及び鍵情報を送信することで、契約管理サーバ1へのアクセスが許可される。
サーバ特定用データベースDB6は、契約管理サーバ1におけるグローバルIPアドレスといったサーバ特定情報と、契約管理サーバ1に対して割り振った(付番した)電話番号と、契約管理サーバ1が選択したサービス内容と、契約管理サーバ1を通じて作成されたAPI用プログラムとを、一つのデータレコードとして記憶している。架電制御サーバ2は、電話通信網N1を通じて通信端末装置4~6から契約管理サーバ1に設定した電話番号を受けると、サーバ特定用データベースDB6を参照することで、データ通信網N2上における契約管理サーバ1を特定できる。なお、API用プログラムは、架電制御用のクラウドAPIにおけるコードを組み合わせたプログラムであって、本実施形態では、架電制御サーバ2のサーバ特定用データベースDB6に格納されるものとしたが、契約管理サーバ1のメモリ部102に格納されるものとしてもよい。
<不動産契約システムによる契約処理>
次いで、本実施形態における不動産契約システムによる契約処理について、図面を参照して説明する。契約管理サーバ1は、契約管理サーバ1へのアクセスを許可した借り主の通信端末装置4を通じて、契約対象となる不動産物件が特定されたときに、不動産契約システムによる契約処理を開始する。なお、借り主の通信端末装置4は、契約管理サーバ1に対して、借り主IDと鍵情報を送信して認証要求し、契約管理サーバ1が通信端末装置4を認証することで、契約管理サーバ1へのアクセスが許可される。
図4に示すように、借り主が、出力インターフェース404における表示に従い、入力インターフェース403により希望の物件条件を入力すると、通信端末装置4は、アクセスが許可された契約管理サーバ1に対して、データ通信網N2と接続したデータ用通信インターフェース402より、入力された物件条件を送信する。このとき、例えば、制御部407が、メモリ部406に記憶されたブラウザアプリケーションを起動しており、起動したブラウザアプリケーションに、契約管理サーバ1から受信したサイトページを表示し、当該サイトページ内の記載に従って物件条件を入力する(閲覧要求)。
契約管理サーバ1は、データ用通信インターフェース101で物件条件を受信すると、制御部103によりメモリ部102における物件データベースDB1が検索されて、受信した物件条件に応じた不動産物件の物件情報に基づくリストを生成し、当該物件リストによる物件リストデータをデータ用通信インターフェース101より送信する。通信端末装置4は、データ用通信インターフェース402により物件リストデータを受信すると、出力インターフェース404により物件リストデータによる物件リストを表示させる。このとき、例えば、制御部407が、起動しているブラウザアプリケーションに物件リストを表示させる。なお、図4には、物件リストデータによる物件リスト中にある1つの不動産物件が、通信端末装置4の出力インターフェース404に表示された例を示している。
そして、図4及び図5に示すように、借り主が入力インターフェース403を操作して、表示された物件リストから希望の不動産物件を契約対象物件が指定選択されると、制御部407は、契約対象物件となる不動産物件に係る情報(物件ID)を、借り主の借り主IDと共に、データ用通信インターフェース402より契約管理サーバ1に送信する(申し込み)。図4の例では、これにより、出力インターフェース404上に表示された申し込みボタンの表示領域B1に対して、入力インターフェース403であるタッチパネルが借り主により操作されることで、契約対象物件となる不動産物件が指定される。契約管理サーバ1は、借り主により申し込まれた契約対象物件に関する不動産賃貸契約に対する処理(契約処理)を開始する。
以下、契約管理サーバ1を中心に、契約対象物件となる不動産物件に対する契約処理について説明する。図5及び図6に示すように、契約管理サーバ1は、データ用通信インターフェース101で、通信端末装置4から契約対象物件の物件IDを受信して、借り主による申し込みを受け付けると、制御部103が、物件データベースDB1を参照して、受信した物件IDより貸し主IDを特定する(STEP1)。このとき、制御部103は、特定した貸し主IDに基づいて、貸し主データベースDB2を検索し、貸し主の通信端末装置3と通信できるように、貸し主の連絡先情報などを確認する。また、制御部103は、新たな契約書IDを取得して、契約書データベースDB4に新たな契約書レコードを作成する(STEP2)。このとき、契約書IDが、物件データベースDB1における対応の物件レコードに記憶されるとともに、借り主データベースDB3における対応の借り主レコードに記憶される。
制御部103は、受信した物件IDに基づいて契約書データベースDB4を検索し、契約対象物件に対する過去の契約条件を読み出して、契約条件、支払い方法、及び特約条項などを仮設定する(STEP3)。この仮設定される契約条件は、例えば、最新の契約レコードの契約条件と同様に設定されるものとしてもよいし、全ての契約レコードより設定回数の契約条件と同様に設定されるものとしてもよい。このとき、制御部103は、契約書データベースDB4に新たに作成した契約書レコードに対して、受信した借り主ID及び物件IDや、STEP1で確認した貸し主IDと共に、STEP3で仮設定した契約条件、支払い方法、及び特約条項を記憶させる。
制御部103は、契約書データベースDB4に記憶させた物件ID、貸し主ID、及び借り主IDに基づき、物件データベースDB1、貸し主データベースDB2、及び借り主データベースDB3を参照して、物件情報、貸し主情報、及び借り主情報を取得し、仮設定した契約条件、支払い方法、及び特約条項と、物件情報、貸し主情報、及び借り主情報とを組み合わせることで、契約情報を作成する(STEP4)。そして、制御部103は、STEP4で作成した契約情報を、貸し主IDに基づいて貸し主データベースDB2より確認した貸し主の連絡先(メールアドレス)で指定される通信端末装置4に、データ用通信インターフェース101より送信する(STEP5)。
図5に示すように、通信端末装置3は、契約情報をデータ用通信インターフェース301で受信すると、出力インターフェース(ディスプレイ)303に、契約情報に基づく契約書を表示させる。貸し主は、物件に関する各種情報(物件情報)と、借り主に関する各種情報(借り主情報)と、仮設定された契約条件、支払い方法、及び特約条項とを、出力インターフェース303に表示された契約書より確認できる。
図7に示すように、貸し主は、出力インターフェース303に表示された契約書における内容に対して追加又は変更する場合、入力インターフェース(キーボードやマウスなど)302を操作することで、追加又は変更する情報を通信端末装置4に入力する。すなわち、貸し主は、借り主との通信または通話により、通信端末装置4に表示された契約書を参照しながら、契約条件、支払い方法、及び特約条項などを設定できる。そして、貸し主は、設定した契約条件、支払い方法、及び特約条項などについて、通信端末装置4に入力する。通信端末装置4に対して貸し主により入力された情報(貸し主入力情報)は、データ用通信インターフェース301より、データ通信網N2を介して、契約管理サーバ1に契約書IDと共に送信される。
なお、契約対象物件が初めての契約である場合は、契約条件、支払い方法、及び特約条項などについて仮設定されておらず、通信端末装置4に対して入力インターフェース302により入力されることで設定される。また、契約条件、支払い方法、及び特約条項などについて仮設定から変更がない場合は、変更がない旨の入力が入力インターフェース302を通じてなされる。更に、貸し主は、借り主との契約が成立しなかった場合、入力インターフェース302への操作により、契約が非成立であることを通信端末装置4に入力して、データ通信網N2を介して契約管理サーバ1に対して、契約が非成立となったことを契約書IDと共に通知する。
図6及び図7に示すように、契約管理サーバ1は、データ用通信インターフェース101で貸し主入力情報を受信すると(STEP6でYes)、貸し主入力情報に基づいて、契約書データベースDB4における契約情報を更新する(STEP7)。このとき、制御部103は、データ用通信インターフェース101で貸し主入力情報と共に受信した契約書IDより、更新する契約書レコードを契約書データベースDB4より特定し、特定した契約書レコードにおける契約情報を、貸し主入力情報に応じて更新する。その後、契約管理サーバ1による契約処理は、借り主に契約書への入力を求める借り主入力フェーズ(図8参照)に移行する。
一方、図6に示すように、契約管理サーバ1は、データ用通信インターフェース101で契約が非成立となったことを受信すると(STEP6及びSTEP8それぞれでNo)、同時に受信した契約書IDより、契約書データベースDB4における契約書レコードを特定し、契約書IDと共に契約書レコードを契約書データベースDB4から削除(破棄)して(STEP9)、契約処理動作を終了する。すなわち、貸し主と借り主との通信又は通話によって、双方の提示する条件が合わず、契約が非成立となった場合に、貸し主が通信端末装置4を通じて契約管理サーバ1に対して、契約が非成立となったことを通知し、契約書データベースDB4に仮設定された契約書レコードによる仮契約を破棄できる。このとき、物件データベースDB1の物件レコード及び借り主データベースDB3の借り主レコードそれぞれにおいて、記憶された契約書IDが削除される。
図7及び図8に示すように、契約管理サーバ1は、契約情報を更新した後(図6のSTEP7)、借り主入力フェーズに移行すると、更新された契約情報を借り主の通信端末装置4に送信する(STEP101)。このとき、契約管理サーバ1の制御部103が、契約書データベースDB4において契約情報を更新した契約書レコードより、借り主IDを認識して、借り主IDによる借り主を、借り主データベースDB3より特定する。そして、制御部103は、借り主データベースDB3で特定した借り主の連絡先(メールアドレス)による通信端末装置4に対して、更新した契約情報をデータ用通信インターフェース101より送信する。
図9に示すように、通信端末装置4は、契約情報をデータ用通信インターフェース402で受信すると、出力インターフェース(ディスプレイ)404に、契約情報に基づく契約書を表示させる。借り主は、物件に関する各種情報(物件情報)と、貸し主に関する各種情報(貸し主情報)と、仮設定された契約条件、支払い方法、及び特約条項とを、出力インターフェース303に表示された契約書より確認できる。借り主は、入力インターフェース(タッチパネル、またはキーボードなど)403を操作することで、通信端末装置4に対して、保証人情報を入力するとともに、入居者が借り主本人でない場合、上述の入居者情報も入力する。借り主により入力インターフェース403で入力された借り主入力情報が、データ用通信インターフェース402より、データ通信網N2を介して、契約管理サーバ1に契約書IDと共に送信される。
なお、説明を簡単にするため、本実施形態では、契約管理サーバ1より通信端末装置4に対して、契約情報を直接的に送信するものとしたが、例えば、契約管理サーバ1が通信端末装置4に対して、借り主の関わる契約情報に関するページアドレス(URL)を含むメールを送信するものとしても構わない。このとき、通信端末装置4を操作する借り主は、メールに含まれるページアドレスを指定したとき、契約管理サーバ1に対して、借り主を特定する借り主IDと鍵情報とを送信することで、契約管理サーバ1による指定ページアドレスにおける契約情報へのアクセスが許可され、通信端末装置4により契約情報を受信できる。
図8及び図10に示すように、契約管理サーバ1は、データ用通信インターフェース101で借り主入力情報を受信すると(STEP102でYes)、契約書データベースDB4における契約書レコードに対して、受信した借り主入力情報を追加で記憶させる(STEP103)。すなわち、契約書データベースDB4における契約書レコードに、受信した借り主入力情報による入居者情報及び保証人情報が追加される。制御部103は、契約書データベースDB4への借り主入力情報の追加記憶を実行した後、入居者の画像を要求するページ(入居者画像要求ページ)をデータ用通信インターフェース101より通信端末装置4に対して送信する(STEP104)。
図10に示すように、通信端末装置4は、入居者画像要求ページをデータ用通信インターフェース402で受信すると、入居者画像要求ページを出力インターフェース404に表示させる。出力インターフェース404に表示された入居者画像要求ページは、例えば、撮像部405による撮影範囲を表示する被写体表示領域451と、撮像部405を操作するボタン領域452とが表示されている。そして、通信端末装置4を操作する借り主が、被写体表示領域内に示された枠453内に入居者が収まるように撮像部405の撮影範囲を設定し、ボタン領域452に対してタッチ操作する。これにより、タッチパネルである入力インターフェース403への操作が成されて、撮像部405により入居者が撮影され、入居者画像(顔写真)による画像データがメモリ部406に記憶される。
このようにして、入居者画像が撮影されると、制御部407は、メモリ部406内の入居者画像(画像データ)に契約書IDを付加して、データ用通信インターフェース402より、契約管理サーバ1に送信する。なお、入居者画像(画像データ)は、GPS(Global Positioning System)衛星による測位情報及び時刻情報が追加されるものとしてもよい。これにより、入居者画像を撮影した住所及び時刻が確認され、撮影された時刻が現在時刻か否か、又は、撮影された住所が借り主の現住所であるか否かを確認することで、契約管理サーバ1は、通信端末装置4の操作者が借り主本人であるか否かを確認できる。また、入居者画像は、入居者本人の画像(顔写真)の他、入居者本人又は借り主本人を証明する運転免許証、保険証、パスポートなどの身分証明書の画像が追加されるものとし、通信端末装置4との通信の真贋を更に厳格に確認できるものとしてもよい。更に、入居者画像は、入居者本人と身分証明書とが同時に撮像された画像であってもよい。
図8及び図10に示すように、契約管理サーバ1は、データ用通信インターフェース101で通信端末装置4からの入居者画像(画像データ)を受信すると(STEP105でYes)、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに、受信した入居者画像(画像データ)を記憶させる(STEP106)。そして、制御部103は、受信した借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を認証するための認証用鍵情報(トークン)を生成する(STEP107)。このとき、制御部103は、生成した認証用鍵情報を契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに記憶させる。その後、図8及び図11に示すように、制御部103は、生成したパスワードと契約管理サーバ1に割り当てられた電話番号(サーバ電話番号)とを含む認証画面となるページ(認証画面ページ)を作成し、データ用通信インターフェース301より送信する(STEP108)。
図11に示すように、通信端末装置4は、認証画面ページをデータ用通信インターフェース402で受信すると、認証画面ページを出力インターフェース404に表示させる。借り主は、出力インターフェース404に表示された認証画面ページにより、ショートメッセージの送信先となる電話番号(サーバ電話番号)と、送信する認証用鍵情報(トークン)を認識する。借り主は、入力インターフェース403を操作して、通信端末装置4に対して認証用鍵情報を入力した後、ショートメッセージ機能を利用して、サーバ電話番号に対して、認証用鍵情報を含むショートメッセージを送信させる。
これにより、通信端末装置4は、入力された認証用鍵情報を含むショートメッセージを、電話用通信インターフェース401より電話通信網N1に送信する。このとき、ショートメッセージの送信に先立って、その送信先となるサーバ電話番号が送信されることで、電話通信網N1上の交換機により、通信端末装置4が架電制御サーバ2と通話可能な状態とされている。従って、通信端末装置4からのショートメッセージが、サーバ電話番号及び通信端末装置4の電話番号(端末電話番号)と共に、電話通信網N1を介して、架電制御サーバ2に送信される。
一方、借り主は、契約対象物件に対する賃貸契約を中止する場合、入力インターフェース403を操作して、契約を中止する理由を、出力インターフェース404に表示されている認証画面の理由欄461に記入した後、中止ボタン462をタッチ操作する。これにより、通信端末装置4は、理由欄361に記入されたテキストによるショートメッセージを中止理由情報として作成し、サーバ電話番号及び通信端末装置4の電話番号(端末電話番号)と共に、電話用通信インターフェース401より架電制御サーバ2に送信する。
架電制御サーバ2は、通信端末装置4からのショートメッセージを電話用通信インターフェース201で受信すると、サーバ特定用データベースDB6を参照して、サーバ電話番号に対応する契約管理サーバ1のIPアドレスを確認する。そして、架電制御サーバ2は、ショートメッセージ内に含まれる情報(認証用鍵情報、又は、中止理由情報)に端末電話番号を追加した認証用情報を、データ通信網N2で通信可能なプロトコルに準じた情報に変換する。架電制御サーバ2は、データ通信網N2のプロトコルに対応させた認証用情報を、データ用通信インターフェース202よりデータ通信網N2を介して、契約管理サーバ1に送信する。
図8及び図11に示すように、契約管理サーバ1は、データ通信網N2を介して、架電制御サーバ2からの認証用情報をデータ用通信インターフェース101で受信すると(STEP109でYes)、認証用情報に基づいて、借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)の認証を行う(STEP110)。STEP110において、認証用情報に認証用鍵情報が含まれており、認証用情報における認証用鍵情報が、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに記憶された、借り主に対する認証用情報と一致し、且つ、認証用情報における端末電話番号が、借り主データベースDB3における対応の借り主レコードに記憶される通信端末装置4の電話番号と一致したとき、制御部103は、STEP102及びSTEP104それぞれで受信した借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を真正となる借り主からの情報として認証する。
契約管理サーバ1は、認証用情報における認証用鍵情報と端末電話番号に基づいて、借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を認証した場合(STEP110でYes)、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに記憶された借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を確定するとともに、借り主からの契約書への入力を認証したことを、貸し主の通信端末装置3及び借り主の通信端末装置4それぞれに通知する(STEP111)。これにより、貸し主及び借り主はそれぞれ、貸し主及び借り主それぞれによる契約書への入力内容が確定されたことを確認できる。その後、契約管理サーバ1による契約処理が、審査担当官による審査を実行させる審査フェーズ(図12参照)へ移行する。
なお、借り主からの契約書への入力を認証したことを通知する際、契約管理サーバ1は、確定した契約書レコード内の契約情報に基づく契約書の文書ファイルを作成し、当該契約書の文書ファイルをメールにより、貸し主の通信端末装置3及び借り主の通信端末装置4それぞれに送信するものとしてもよいし、契約書の文書ファイルを印字したものを仮契約書として郵送するものとしてもよい。
また、契約書の文書ファイルには、契約書IDに基づくバーコードや二次元バーコードなどの識別コードを表示させるものとしてもよい。このとき、例えば、通信端末装置4を契約管理サーバ1と通信可能な状態とした上で、通信端末装置4の撮像部405により、印字された契約書上の識別コードを読みとることで、識別コードに契約書IDに対応する契約書レコードにアクセスし、通信端末装置4に現在の契約の進捗状況を通知できる。また、通信端末装置3を、通信端末装置4と同様の撮像部を備えた構成とすることで、契約書上の識別コードに基づいて、貸し主の通信端末装置3にも容易に契約の進捗状況を通知できる。
上述のように、契約管理サーバ1における演算制御部103は、借り主の通信端末装置4で指定された物件に対応した借り主の通信端末装置で指定された物件に対応した物件情報、貸し主情報、及び契約情報を通信端末装置4に通信インターフェース101を通じて送信する。そして、通信インターフェース101により通信端末装置4から借り主情報を受信したとき、認証用鍵情報を生成して、該認証用鍵情報を通信端末装置4へ通信インターフェース101を通じて送信する。その後、通信インターフェース101が、通信端末装置から電話通信網N1を介して架電制御サーバ2に送信された認証用鍵情報を、データ通信網N2を通じて架電制御サーバ2より受信した際、受信された該認証用鍵情報が通信端末装置4に送信した認証用鍵情報と一致する場合に、通信端末装置からの借り主情報(借り主入力情報)を認証する。
このように、個人を特定できる通信端末装置4を操作し、電話通信網N1により認証用鍵情報を契約管理サーバ1に送信させる構成としているため、契約管理サーバ1において、通信端末装置4からデータ通信網N2より受信した契約情報の一部となる借り主情報を真正なものとして確実に認証できる。従って、不動産契約において契約書への署名捺印といった煩雑な手続きを省略しながらも、契約書の承認した当事者について、真贋を確実に判定できることとなり、当事者が国外などの遠隔地に所在する場合であっても、容易に契約を成立させることができる。
また、通信端末装置4は撮像部405を有しており、撮像部405で撮像した画像データ又は通信端末装置4に記憶された画像データを、通信インターフェース101で借り主情報と共に受信する。そして、演算制御部103が、受信した画像データと認証用鍵情報により契約情報を確定させる。
一方、契約管理サーバ1は、受信した認証用情報に基づき、非認証となったとき(STEP110でNo)、非認証となった回数がN回を下回っている場合は(STEP112でNo)、STEP107に移行して、再び認証処理を実行するべく、認証用鍵情報を新たに生成する。また、非認証となった回数がN回となった場合は(STEP112でYes)、データ用通信インターフェース101より通信端末装置4に対して非認証信号を送信することで、通信端末装置4を通じて、借り主に非認証であることを通知する(STEP113)。このとき、契約管理サーバ1は、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに記憶した借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を削除(破棄)する。
なお、上述の例では、借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を契約書データベースDB4に記憶した後、認証するものとしたが、メモリ部102におけるデータベースDB1~DB5と異なる領域で、借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を一時的に記憶した後、認証により契約書データベースDB4に記憶させる一方、非認証の場合に、位置的に記憶した借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)を削除(破棄)するものとしてもよい。
契約管理サーバ1は、通信端末装置4に非認証を通知した後、契約処理の中止(手続き中止)が通信端末装置4を通じて指示されたか否かが確認される(STEP114)。すなわち、契約管理サーバ1は、制御部103において、受信した認証用情報より中止理由情報を確認すると、契約処理の中止(手続き中止)が指示されたものと判断し(STEP114でYes)、通信端末装置3及び通信端末装置4それぞれに、データ用通信インターフェース101より契約処理の中止を通知する(STEP115)。このとき、制御部103は、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに、中止理由情報を記憶する。このように、契約書レコードに中止理由情報を記憶することにより、貸し主は、物件毎に契約が非成立になった原因を確認し、今後の賃貸契約の成立のために、契約条件、支払い方法、賃料、特約条項などについて見直すことができる。
また、契約管理サーバ1は、借り主入力情報又は入居者画像(画像データ)の受信がなされていない場合においても(STEP102でNo、又はSTEP105でNo)、STEP114に移行して、契約処理の中止(手続き中止)が通信端末装置4を通じて指示されたか否かを確認する。このとき、通信端末装置4の出力インターフェース404に、契約情報による契約書とともに、上述の理由欄461及び中止ボタン462が表示されており、中止理由情報が契約管理サーバ1にデータ通信網N2を介して直接送信されるものとしてもよい。
図12に示すように、契約管理サーバ1は、借り主入力情報及び入居者画像(画像データ)の認証結果を通知した後(図8のSTEP111)、審査フェーズに移行すると、審査担当データベースDB5を参照して、審査可能な審査担当者を選択し、審査担当者の連絡先(メールアドレス)を読み出す(STEP201)。契約管理サーバ1は、契約書データベースDB4より、審査対象となる契約情報を読み出して、審査担当者の通信端末装置5に対して、データ用通信インターフェース101より契約情報を送信する(STEP202)。
審査担当者は、通信端末装置5で受信した契約情報による契約書の内容を、通信端末装置5の出力インターフェース404上の表示より確認し、その契約内容を審査することで、保証会社による保証が可能であるか否かを判定する。審査担当者は、保証会社による保証が可能と判断した場合、通信端末装置5で受信した契約情報による契約書を出力し、ファクシミリなどの通信機器により契約書を送信して、保証会社に契約内容を通知する。なお、通信端末装置5の契約情報そのものをメールなどにより保証会社の通信端末装置に送信して、契約内容を通知するものとしてもよい。
一方、図13に示すように、審査担当者は、保証会社による保証が困難であると判断した場合、連帯保証人による保証の可否を審査する。審査担当者は、通信端末装置5に表示された契約情報より、連帯保証人の住所を確認すると、契約情報から確認された契約内容を含むハガキ(保証内容ハガキ)を印字して、連帯保証人に郵送する。すなわち、保証内容ハガキが、不動産物件の契約に係る通知が記載された通知書として、連帯保証人に送信される。保証内容ハガキには、契約内容が印字されているだけでなく、連帯保証人が保証内容を承諾したことを確定するための承認ページのページアドレス(URL)が印字されている。更に、保証内容ハガキには、契約管理サーバ1における承認ページへのアクセスを許可するためのID及び鍵情報が印字されているものとしてもよい。なお、上記保証内容ハガキには、審査担当者によって調査された借り主の信用情報が含まれるものとしてもよい。
審査担当者は、保証内容ハガキを連帯保証人に郵送した後、例えば、通信端末装置5の電話機能により通信端末装置6を介して連帯保証人と通話することで、契約内容の保証の可否について、連帯保証人の意思を確認する。なお、通信端末装置5のデータ通信機能により、通信端末装置6との間でメールやインスタントメッセンジャーなどによる通信を実行することで、契約内容の保証の可否について、連帯保証人の意思を確認するものとしてもよい。また、審査担当者は、連帯保証人との通話内容及び通信内容を、通信端末装置5のメモリ部406に記憶させる。更に、保証内容ハガキを連帯保証人に郵送するものとしたが、契約内容情報に承認ページのページアドレスを追加したメールを、通信端末装置5から通信端末装置6に送信して、保証内容を連帯保証人に通知するものとしてもよい。
上述のように、審査担当者は、保証会社による保証が確定し場合は、その保証会社に関する情報を、通信端末装置5より契約管理サーバ1に送信する一方、連帯保証人との通話又は通信により、連帯保証人の意思を確認すると、確認した連帯保証人の意思について、その通話内容及び通信内容とともに、通信端末装置5より契約管理サーバ1に送信する。このとき、審査担当者は、担当IDと鍵情報とを契約管理サーバ1に送信することで、契約管理サーバ1へのアクセスが許可された状態で、契約書IDを送信して契約情報を指定するとともに、保証会社に関する情報、又は、連帯保証人の意思に係る情報による審査結果を、契約管理サーバ1へ送信する。
なお、審査担当者から保証内容ハガキが連帯保証人に郵送されるものとしたが、審査担当者から連帯保証人に対して、通信端末装置5と通信端末装置6とによる通信又は通話により、契約情報から確認された契約内容が通知されるものとしてもよい。更に、審査担当者から連帯保証人に対して、審査担当者によって調査された借り主の信用情報も通知されるものとしてもよい。連帯保証人は、通信端末装置5と通信端末装置6とによる通信又は通信により契約内容などを確認することで、連帯保証人の意思を審査担当者に通知する。これにより連帯保証人の意志に係る情報が取得されると、上述の審査結果が契約管理サーバ1へ送信される。
図12及び図14に示すように、契約管理サーバ1は、データ用通信インターフェース101により、通信端末装置5から送信される審査結果を受信すると(STEP203でYes)、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに、受信した審査結果を記憶させる(STEP204)。その後、借り主入力フェーズと同様、通信端末装置5を操作する審査担当者を認証するべく、認証鍵情報(トークン)を生成した後(STEP205)、認証鍵情報及びサーバ電話番号を含む認証画面ページを、データ用通信インターフェース101より通信端末装置5に送信する(STEP206)。
通信端末装置5は、認証画面ページを受信して表示させた後、審査担当者による認証用鍵情報の入力を受け付けると、入力された認証用鍵情報を含むショートメッセージを、電話通信網N1を介して架電制御サーバ2に送信する。架電制御サーバ2は、通信端末装置5からのショートメッセージを電話用通信インターフェース201で受信すると、データ通信網N2のプロトコルに対応させた認証用情報に変換して、データ通信網N2を介して契約管理サーバ1に送信する。
契約管理サーバ1は、データ通信網N2を介して、架電制御サーバ3からの認証用情報を受信すると(STEP207でYes)、認証用情報に基づいて、審査結果の認証を行う(STEP208)。このとき、認証用情報における認証用鍵情報が、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに記憶された、審査担当者に対する認証用情報と一致し、且つ、認証用情報における端末電話番号が、審査担当データベースDB5における対応の審査担当レコードに記憶される通信端末装置5の電話番号と一致した場合に、制御部103は、STEP204で受信した審査結果を真正となる審査担当者からの情報として認証する。
契約管理サーバ1は、認証用情報における認証用鍵情報と端末電話番号に基づいて、審査結果を認証した場合(STEP208でYes)、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに記憶された審査結果を確定するとともに、審査結果を認証したことを、審査担当者の通信端末装置5に通知する(STEP209)。そして、保証会社による保証とする審査結果である場合(STEP210でYes)、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに保証会社の情報を記憶させる(STEP211)。その後、契約管理サーバ1は、保証会社による保証が承認された旨の通知(OK通知)を、貸し主の通信端末装置3及び借り主の通信端末装置4それぞれに通知し(STEP212)、借り主による初回支払いが成されたことを確認する契約履行確認フェーズ(図18参照)に移行する。
契約管理サーバ1は、連帯保証人による保証に関する審査結果であって(STEP210でNo)、連帯保証人による保証が承認された場合(STEP213でYes)、連帯保証人による保証が承認された旨の通知(OK通知)を、貸し主の通信端末装置3及び借り主の通信端末装置4それぞれに通知し(STEP214)、連帯保証人に必要な情報の送信を求める保証人入力フェーズ(図15参照)に移行する。
一方、連帯保証人による保証が承認されなかった場合(STEP213でNo)、連帯保証人による保証が承認されなかった旨の通知(NG通知)を、貸し主の通信端末装置3及び借り主の通信端末装置4それぞれに通知する(STEP215)。そして、契約管理サーバ1は、非承認となった結果を契約書データベースDB4における対応の契約レコードに記憶した後(STEP216)、契約処理を終了する。
また、契約管理サーバ1は、受信した認証用情報に基づき、非認証となったとき(STEP208でNo)、非認証となった回数がN回を下回っている場合は(STEP217でNo)、STEP205に移行して、再び認証処理を実行するべく、認証用鍵情報を新たに生成する。一方、非認証となった回数がN回となった場合は(STEP217でYes)、通信端末装置5を通じて、審査担当者に非認証であることを通知する(STEP218)。そして、契約管理サーバ1は、審査担当データベースDB5を参照して、審査可能な別の審査担当者を選択し、その審査担当者の連絡先を読み出して(STEP219)、審査対象となる契約情報を送信する(STEP202)。
図15及び図16に示すように、契約管理サーバ1は、連帯保証人による保証が承認された旨を通知して(図12のSTEP214)、保証人入力フェーズに移行すると、契約書データベースDB4における対応の契約レコードより連帯保証人の連絡先(メールアドレス)を取得し(STEP301)、保証の承認を確定するための承認確定ページを、連帯保証人の通信端末装置6に送信する(STEP302)。連帯保証人は、通信端末装置6により受信した承認確定ページの表示内容により、保証の承認を確定するために必要な手続きを確認できる。
なお、説明を簡単にするため、本実施形態では、契約管理サーバ1より通信端末装置6に対して、承認確定ページを直接的に送信するものとしたが、例えば、契約管理サーバ1が通信端末装置6に対して、承認確定ページのページアドレス(URL)を含むメールを送信するものとしても構わない。このとき、通信端末装置6を操作する連帯保証人は、メールに含まれるページアドレスを指定したとき、契約管理サーバ1に対して、連帯保証人を特定する保証人IDと鍵情報とを送信することで、契約管理サーバ1へのアクセスが許可され、通信端末装置6により承認確定ページが表示される。
連帯保証人は、通信端末装置6に表示された承認確定ページの内容に従い、撮像部405により、連帯保証人の画像(顔写真)、身分証明書の画像(証明書写真)、及び保証内容ハガキの画像(通知書写真)を撮影して、これらの顔写真、証明書写真、及び通知書写真の組み合わせによる承認画像(画像データ)をデータ用通信インターフェース402より契約管理サーバ1に送信する。なお、承認画像は、連帯保証人の画像(顔写真)、身分証明書の画像(証明書写真)、及び保証内容ハガキの画像(通知書写真)が同時に撮像されるものであってもよいし、別々に撮影されるものとしてもよい。また、通知書として、郵送される保証内容ハガキとしたが、電子メールにより送信される文書ファイルやメール文書であってもよいし、ファクシミリ送信されるファクシミリ文書であってもよい。文書ファイル、メール文書、又はファクシミリ文書を通知書とする場合は、通知書を印字したものを撮影した画像を通知書写真とする。
図15及び図17に示すように、契約管理サーバ1は、通信端末装置6より承認画像(画像データ)を受信すると(STEP303でYes)、受信した承認画像(画像データ)を、契約書データベースDB4における対応の契約レコードに記憶する(STEP304)。このとき、承認画像(画像データ)には、上述の入居者画像(画像データ)と同様、GPS(Global Positioning System)衛星による測位情報及び時刻情報が追加されるものとしてもよい。その後、契約管理サーバ1は、図8の借り主入力フェーズと同様、承認画像(画像データ)を認証するための認証用鍵情報(トークン)を生成し、認証画面ページを通信端末装置6に送信する(STEP305~STEP306)。
そして、契約管理サーバ1は、通信端末装置6からの認証用情報を、架電制御サーバ2を介して受信した後、認証用情報による認証結果を、貸し主の通信端末装置3、借り主の通信端末装置4、及び連帯保証人の通信端末装置6それぞれに通知する(STEP307~STEP313)。このとき、契約管理サーバ1が、認証用情報における認証用鍵情報と端末電話番号に基づいて、承認画像(画像データ)を認証した場合(STEP308でYes)、承認画像(画像データ)を承認したことを通知した後(STEP309)、契約履行確認フェーズ(図18参照)へ移行する。
図18及び図19に示すように、契約管理サーバ1は、契約履行確認フェーズへ移行すると、クレジットカード会社10からの通信により、借り主によるクレジットカードによる入金が成されたか否かを確認する(STEP401)。契約管理サーバ1は、クレジットカード会社10からのメールなどにより、借り主による入金を確認すると(STEP401でYes)、対象となる不動産物件の電子鍵情報及びメールボックス解錠情報を生成して、物件データベースDB1における対応の物件レコードに記憶する(STEP402)。
そして、物件データベースDB1における対応の物件レコードより、生成した電子鍵情報及びメールボックス解錠情報と、オートロック番号とを読み出して、借り主の通信端末装置4に送信する(STEP403)。これにより、通信端末装置4は、Bluetooth(登録商標)などの近接無線通信を不動産物件の電子鍵との間で実行して、記憶した電子鍵情報を電子鍵へ送信することで、電子鍵の解錠及び施錠を実行する。また、通信端末装置4で受信したメールボックス解錠情報及びオートロック番号を確認し、当該メールボックス解錠情報及びオートロック番号を使用することで、対象の不動産物件のメールボックス及びビルのオートロックを解錠できる。
なお、入居者が借り主本人でない場合は、借り主が、通信端末装置4で受信した電子鍵情報及びメールボックス解錠情報と、オートロック番号を入居者に転送する。また、本実施形態では、不動産物件が電子鍵を備えるものとしたが、機械的な鍵を備える場合は、不動産物件の鍵と、メールボックス解錠情報及びオートロック番号とが、借り主又は入居者に対して郵送されるか、又は、貸し主より手渡される。
そして、契約管理サーバ1は、貸し主と借り主との間の契約が成立した契約書として、契約書データベースDB4における対応の契約書レコード内の契約情報により、契約書の文書ファイルを作成して、貸し主、借り主、及び連帯保証人それぞれの通信端末装置3,4,6に対して送信し(STEP404)、契約処理を終了する。また、契約管理サーバ1は、借り主による入金が期日を超えた場合(STEP405でNo)、貸し主、借り主、及び連帯保証人それぞれの通信端末装置3,4,6に対して、契約を中止する通知を行う(STEP406)。そして、契約管理サーバ1は、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに、入金がなかった旨の情報を記憶し(STEP407)、契約を中止した状態で契約処理を終了する。
契約が成立した後、契約管理サーバ1は、クレジットカード会社10との通信により、借り主からの入金の有無や入金日を受け、契約書データベースDB4における対応の契約書レコードに記憶するものとしてもよい。これにより、契約管理サーバ1は、既に一度賃貸契約を行った借り主が別の不動産物件に対して賃貸契約を行う際において、当該借り主の以前の賃貸契約に係る契約書レコードに記憶された入金状況に基づいて、借り主の信用調査を行える。
上述したように、本実施形態における契約管理サーバ1は、不動産物件に係る物件情報と、不動産物件の貸し主に係る貸し主情報と、不動産物件の借り主に係る借り主情報と、不動産物件の契約に係る契約情報とを記憶するデータベースDB1~DB5と、外部の通信端末装置3~6とデータ通信網N2を通じて通信する通信インターフェース101と、各種情報に基づいて演算する演算制御部103とを備える。契約管理サーバ1は、電話通信網N1を介して通信接続する架電制御サーバ2とデータ通信網N2を通じて通信接続する。演算制御部103は、借り主の通信端末装置4で指定された物件に対応した物件情報、貸し主情報、及び契約情報を読み出して、該通信端末装置4に通信インターフェース101を通じて送信し、通信インターフェース101により通信端末装置4から借り主情報を受信したとき、認証用鍵情報を生成して、該認証用鍵情報を通信端末装置4へ通信インターフェース101を通じて送信する。その後、通信インターフェース101が、通信端末装置4から電話通信網N1を介して架電制御サーバ2に送信された認証用鍵情報を、データ通信網N2を通じて架電制御サーバ2より受信した際、受信された該認証用鍵情報が通信端末装置4に送信した認証用鍵情報と一致する場合に、通信端末装置4からの借り主情報を認証する。
また、本実施形態における契約管理サーバ1は、通信インターフェース101が、不動産物件の契約に係る通知が記載された通知書を受理した端末操作者により、撮像部を有する通信端末装置4,6に入力された入力情報を受信した後、通信端末装置4,6の撮像部405で撮影された端末操作者及び通知書の画像データを受信すると、演算制御部103が、入力情報を端末操作者及び通知書の画像データにより認証する。
なお、本実施形態において、認証用鍵情報と端末電話番号により、借り主、審査担当者、及び連帯保証人それぞれの通信端末装置4~6からの契約管理サーバ1へ送信された情報を認証するものとしたが、端末電話番号の代わりに、通信端末装置4~6の備えるPIN(Personal Identification Number)コードなど、借り主、審査担当者、及び連帯保証人それぞれを特定するための、他の固有番号を使用するものとしても構わない。