JP7299207B2 - 制御装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形装置の温度制御を行う制御装置及びプログラムに関する。
射出成形装置には、成形時にヒータによって樹脂流路を加熱し溶融状態の樹脂材料を流動させるホットランナシステムと称される構造が金型内部に設けられているものがある。
例えば特許文献1の成形金型においては、溶融樹脂が樹脂流路で冷却・固化しないように、樹脂流路の形成されたスプルーブシュ、マニホールド、ゲートノズルがそれぞれに設けられたヒータによって加熱温調されている。
特開2002-205320号公報
例えば成形終了後に射出成形装置を休止状態に移行させるにあたって、全てのヒータの電源を同時にオフにして射出成形装置を室温まで降温させることが行われている。
しかし、バルブピンがゲートノズルに挿入された状態でマニホールドに保持される射出成形装置においては、休止状態への移行時に全てのヒータの電源を同時にオフにすると、ゲートノズルの樹脂流路に位置するバルブピンの一部がゲートノズル内の樹脂材料の固化により移動不能に拘束される一方、マニホールドに位置決めされたバルブピンの他の一部がマニホールドの熱収縮に合わせて移動されることにより、バルブピンに曲げ荷重が加わり、バルブピンが変形や折損する虞があった。
そこで本発明は、バルブピンの変形や折損の可能性を低減することを目的とする。
本発明に係る制御装置は、バルブピンがゲートノズルに挿入された状態でマニホールドに保持される射出成形装置の制御装置であって、前記マニホールドに対して設置されたマニホールドヒータと前記ゲートノズルに対して設置されたゲートノズルヒータの制御を行う制御部を備え、前記制御部は前記射出成形装置の休止状態への移行時の降温制御として、前記マニホールドヒータの制御により前記マニホールドを降温させ、前記ゲートノズルヒータの制御により前記ゲートノズルを前記ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第1の待機温度で維持させ、前記マニホールドが判定温度まで降温したことを受けて前記ゲートノズルを前記第1の待機温度から降温させる制御を行うものである。
この制御を行うと、マニホールドが判定温度に降温するまで、ゲートノズルが第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態が維持される。
上記した制御装置においては、前記判定温度は金型温度であることが考えられる。
この場合、マニホールドが金型温度に降温するまで、ゲートノズルが第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態が維持される。
上記した制御装置においては、前記判定温度は前記射出成形装置が設置された室内の室温であることが考えられる。
この場合、マニホールドが室温に降温するまで、ゲートノズルが第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態が維持される。
本発明に係る制御装置は、バルブピンがゲートノズルに挿入された状態でマニホールドに保持される射出成形装置の制御装置であって、前記マニホールドに対して設置されたマニホールドヒータの制御と前記ゲートノズルに対して設置されたゲートノズルヒータの制御を行う制御部を備え、前記制御部は前記射出成形装置の休止状態からの移行時の昇温制御として、前記ゲートノズルヒータの制御により前記ゲートノズルを前記ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第2の待機温度まで昇温させ、前記ゲートノズルが前記第2の待機温度まで昇温したことを受けて前記マニホールドヒータの制御により前記マニホールドを昇温させ、前記マニホールドが成形温度まで昇温したことを受けて前記ゲートノズルを成形温度まで昇温させる制御を行うものである。
この制御を行うと、ゲートノズルが第2の待機温度に昇温されてゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態が維持されるまで、マニホールドが昇温されない。
本発明に係るプログラムは、上記した射出成形装置の休止状態への移行時の降温制御としての処理を制御装置に実行させるプログラムである。これにより、上記した降温制御を行う制御装置を実現する。
また、本発明に係るプログラムは、上記した射出成形装置の休止状態からの移行時の昇温制御としての処理を制御装置に実行させるプログラムである。これにより、上記した昇温制御を行う制御装置を実現する。
本発明によれば、マニホールドが降温あるいは昇温に伴い変寸する間にゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態が維持されるため、マニホールドの変寸時にバルブピンにかかる曲げ荷重が解消又は少なくとも低減されて、バルブピンの変形や折損の可能性を低減することができる。
本発明の実施の形態の制御システムの構成を示したブロック図である。 実施の形態の制御装置のブロック図である。 実施の形態の射出成形装置の概略構成例を示す断面図である。 実施の形態の射出成形装置の別の概略構成例を示す断面図である。 比較例の温度制御が行われている過程の射出成形装置の状態を示す断面図である。 実施の形態の温度制御が行われている過程の射出成形装置の状態を示す断面図である。 実施の形態の降温制御における温度制御処理を示したフローチャートである。 実施の形態の昇温制御における温度制御処理を示したフローチャートである。
<1.制御システムの概略構成>
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。まず本発明の実施の形態となる射出成形装置1と制御装置2を含む制御システム100について説明する。
図1は制御システム100の構成概要を示した図である。図示するように、制御システム100は、射出成形装置1と制御装置2とを備えている。
射出成形装置1は、固定側金型と、図示しない可動側金型から構成されている。
固定側金型は、所定位置に配置される固定側型板10と、樹脂材料を射出充填するための機構を備えた射出部11と、を備えている。
固定側型板10内には金型内センサ20が配置されている。本実施の形態の金型内センサ20には、固定側型板10の温度である金型温度を検出する金型温度センサが含まれている。金型内センサ20には、例えば充填された樹脂材料の温度を検出する温度センサや樹脂材料の圧力を検出する圧力センサなど、他のセンサが含まれていてもよい。
固定側型板10の構造、種別については特に限定されずに各種のものが想定される。
射出部11は、ホットランナシステムを構成するマニホールド30とゲートノズル40を備えている。マニホールド30に対してはマニホールドヒータ31が設置され、マニホールド30の温度を検出するマニホールド温度センサ32が設けられている。ゲートノズル40に対してはゲートノズルヒータ41が設置され、ゲートノズル40の温度を検出するゲートノズル温度センサ42が設けられている。
なお、射出部11には注入過程の樹脂材料の温度を検出する温度センサや、圧力を検出する圧力センサ、注入速度を算出する位置センサなど各種センサがさらに設けられていてもよい。
本実施の形態では、後述するようにバルブピンがゲートノズル40に挿入された状態でマニホールド30に保持される構成であれば、射出部11のその他の構造、種別については特に限定されずに各種のものが想定される。
金型内センサ20、マニホールド温度センサ32、ゲートノズル温度センサ42の検出信号は、例えば図示しないセンスアンプにより電圧値に変換され、電圧信号に変換された検出信号として制御装置2に供給される。
制御装置2は、射出成形装置1の各種制御を行う。
図2は、制御装置2の内部構成を示している。
制御装置2はPLC(Programmable Logic Controller)51、温度制御部52、ヒータ制御部53、タッチパネルディスプレイ54、駆動制御部55を有して構成されている。
PLC51は、ROM(Read Only Memory)51a、RAM(Random Access Memory)51b、記憶部51c、入力ポート51d、出力ポート51e、通信ポート51fを有している。PLC51はROM51aに記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。記憶部51cには各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
タッチパネルディスプレイ54は各種情報の表示と必要なパラメータの入力を行う。
温度制御部52は、ROM52aに記憶されているプログラムに従って温度調節の処理を実行する。温度制御部52、ROM52aは、入出力インタフェース52bと一枚の基板上に実装されている。
タッチパネルディスプレイ54と温度制御部52は、PLC51の通信ポート51fに接続され、PLC51からの通信によって制御されている。
入力部59は、射出部11に設けられた各種センサの検出信号の入力が可能にされている。入力部59に入力される検出信号は、例えば、検出情報が図示しないセンスアンプにより電圧レベルに変換された信号である。入力部59に入力された検出信号は、図示しないA/D変換器により電圧値に応じたデジタルデータに変換され、入出力インタフェース52bを介して温度制御部52が認識可能とされる。入力部59は複数チャネルの入力を想定しており、金型内センサ20、マニホールド温度センサ32、ゲートノズル温度センサ42を含む各種センサの検出信号を、同時に、それぞれ所要のチャネルに入力可能とされている。
出力部60は、温度制御部52からの電圧制御によりヒータ制御部53のコントロールされた電流をヒータへ出力する。
PLC51の入力ポート51dは、射出成形装置1からの制御信号等を受ける。PLC51はこれらの各制御信号に合わせた処理を行う。そしてPLC51は処理に応じた制御信号等を出力ポート51eから射出成形装置1等に対して出力する。
駆動制御部55は、射出部11による各部の駆動制御を行う。例えばゲート開閉機構の動作制御などを行う。これによって一連の射出成形動作を実行させる。
ヒータ制御部53は、温度制御部52の指示に応じて、マニホールドヒータ31とゲートノズルヒータ41の制御を実行し、マニホールド30とゲートノズル40の温度調整を行う。ヒータ制御部53は、このようなマニホールドヒータ31とゲートノズルヒータ41の制御にあたって、マニホールド温度センサ32、ゲートノズル温度センサ42による検出値を用いる。
また温度制御部52は、射出成形装置1に設けられた他の各種ヒータの制御し、射出成形装置1の各部の温度制御を行うことが可能にされていてもよい。さらに温度制御部52は、金型内センサ20による検出値を用いることが可能にされていてもよい。
<2.実施の形態としての温度制御処理>
実施の形態の制御装置2において実行する、射出成形装置1の温度制御処理の概要を説明する。実施の形態の温度制御処理は、バルブピンがゲートノズル40に挿入された状態でマニホールド30に保持される射出成形装置1に対して制御装置2が行う処理である。
先ず、図3及び図4を参照して射出成形装置1の構成例を説明する。
図3は、図1に示した射出成形装置1の一つの構成例を示している。図3では、図1の射出成形装置1における固定側型板10の構造を固定側型板10として示し、図1におけるマニホールド30の構造をバルブピン71、71を保持するマニホールド30として示し、図1におけるゲートノズル40の構造をゲートノズル40、40として示している。
また、図4は、図3と同様に図1に示した射出成形装置1の一つの構成例であり、後述するピン保持孔及びゲートの構成においてのみ図3の構成例と異なる例である。
以下の説明ではゲートを開閉するバルブピン71、71が移動する方向を上下方向として上下前後左右の方向を示すが、以下に示す方向は説明の便宜上のものであり、本発明の温度制御処理が実施される射出成形装置1はこれらの方向に限定して適用されることはない。
図3の射出成形装置1において、マニホールド30及びゲートノズル40、40は固定側型板10の各所に配置されている。固定側型板10は図示しない可動側型板と突き合わされるときに可動側型板との間に溶融樹脂Rが充填されるキャビティを形成する。固定側型板10には図示しない金型内センサ20が内蔵され、金型温度の検出が可能にされている。
マニホールド30は射出成形装置1の配置空間1aに配置されている。マニホールド30の内部には流動路30aが形成され、スプル部30bを介して供給された溶融樹脂Rの流動が可能にされている。
マニホールド30にはバルブピン71、71と同数のピン保持孔が設けられている。
図3の構成例では、ピン保持孔にはバルブピン71、71をガイドし且つ樹脂漏れを防止するピンブシング72、72が埋設されている。なお、図3の構成例ではピンブシング72、72の下端部が流動路30a内に位置されているが、ピンブシング72、72の下端部は流動路30a内に位置されていなくてもよい。
また、ピン保持孔にはピンブシング72、72が埋設されていなくてもよい。この場合には、例えば図4の構成例に示すように、ピン保持孔がバルブピン71、71と略同径に形成され、ピン保持孔がバルブピン71、71をガイドする摺動孔として機能する。
マニホールド30にはマニホールド30の加熱を行うマニホールドヒータ31、31が取り付けられている。図3及び図4の構成例ではリング状のマニホールドヒータ31、31が上下に離隔して取り付けられているが、マニホールドヒータ31の形状、個数、配置は図示の例に限定されない。
また、マニホールド30には図示しないマニホールド温度センサ32が埋設されている。
図3のゲートノズル40、40は、マニホールド30の下面に接触するように固定側型板10の配置孔に位置決めされて配置されている。ゲートノズル40、40の内部にはマニホールド30の流動路30aに連通される流路40a、40aが形成され、流路40a、40aの下端は樹脂吐出口40b、40bとして設けられている。図3の構成例では、樹脂吐出口40b、40bは、固定側型板10に設けられた開口部10b、10bに連通し、開口部10b、10bとともにゲートとして機能する。
なお、ゲートの構成は上記に限られず、固定側型板10における開口部10b、10bのみがゲートとして機能するように形成されていてもよい。また、図4の構成例に示すように、ゲートノズル40、40の樹脂吐出口40b、40bが、固定側型板10におけるゲートノズル40、40の配置孔の下側開口に略一致して位置され、樹脂吐出口40b、40bがゲートとして機能するように構成されていてもよい。
ゲートノズル40、40には、ゲートノズル40、40を加熱するゲートノズルヒータ41、41が取り付けられている。図3及び図4の構成例ではゲートノズルヒータ41、41がゲートノズル40、40の外周部に取り付けられているが、ゲートノズルヒータ41の形状、個数、配置は図示の例に限定されない。ゲートノズル40、40には図示しないゲートノズル温度センサ42、42が取り付けられている。
バルブピン71、71は、ゲートノズル40、40に挿入された状態でマニホールド30に保持されている。バルブピン71、71は、ピン保持孔に挿通され、中間部がマニホールド30に対して位置決めされた状態で、下端部がマニホールド30の流動路30a又はゲートノズル40、40の流路40a、40a内に位置されている。バルブピン71、71の上端部は鍔部として設けられ、前後左右方向にクリアランスが設けられた状態で駆動機構に連結されている。
上記した射出成形装置1においては、図示しない成形機から供給される溶融樹脂Rが、マニホールド30の流動路30aを流動されてゲートノズル40、40に分配され、各ゲートノズル40、40の流路40a、40aにおけるバルブピン71、71の外周側の空間を流動され、ゲートから吐出されてキャビティに充填される。駆動機構によりバルブピン71、71が下方へ移動されると、バルブピン71、71の下端部における先端部がゲートを閉塞し、ゲートノズル40、40からキャビティへの溶融樹脂Rの吐出が停止される。
なお上記では、固定側型板10に開口部10bが設けられ且つピン保持孔にピンブシング72が設けられた構成例(図3)と、固定側型板10に開口部10bが設けられず且つピンブシング72が設けられない構成例(図4)を説明したが、射出成形装置1の構成例は図示した例に限られない。例えば、固定側型板10に開口部10bが設けられ且つピンブシング72が設けられない構成例、固定側型板10に開口部10bが設けられず且つピンブシング72が設けられる構成例も考えられる。
また上記では、マニホールド30及びゲートノズル40、40が固定側型板10の各所に配置されている構成例(図3及び図4)を説明したが、例えば、固定側型板10に受板が取り付けられ、マニホールド30及びゲートノズル40、40が当該受板に配置されている構成例も考えられる。
[2-1:温度制御処理の概要]
射出成形装置1において成形中に溶融樹脂がゲートへ向けて流動されるときには、マニホールドヒータ31、31及びゲートノズルヒータ41、41の制御により、樹脂流路を構成するマニホールド30及びゲートノズル40、40が加熱され、樹脂流路における溶融樹脂Rの冷却による固化が防止されている。
例えば成形終了後に、射出成形装置1を休止状態に移行させるにあたっては、射出成形装置1に対して設置された各種ヒータによる射出成形装置1の加熱を停止し、射出成形装置1を室温まで降温させることが行われている。ここで室温とは、射出成形装置1が設置される室内の室温であり、いわゆる常温である。室温は、射出成形装置1の休止状態における休止温度であるともいえる。
しかし、射出成形装置1を休止状態へ移行させるにあたって全てのヒータの電源を同時にオフにすると、バルブピン71、71が変形や折損する虞がある。以下、図3及び図5を参照して具体的に説明する。
図3に示す射出成形装置1の降温にあたって、バルブピン71、71はゲートを閉塞する閉塞位置に位置される。マニホールドヒータ31、31及びゲートノズルヒータ41、41の電源を同時にオフにすると、マニホールド30は放熱に伴い金型中心に向かって熱収縮する。ゲートノズル40、40は次第に降温し、ゲートノズル40、40も放熱に伴い熱収縮する。
ゲートノズル40、40はマニホールド30と比較して熱容量が小さく重量あたりの放熱面積が広いため、ゲートノズル40、40とその流路40a、40a内の樹脂材料はマニホールド30より先に降温する。ゲートノズル40、40が降温すると、流路40a、40a内の樹脂材料は固化し、流路40a、40aに位置するバルブピン71、71の下端部を拘束する。
流路40a、40a内の樹脂材料の固化以降も、マニホールド30は放熱に伴う熱収縮を続ける。マニホールド30に埋設されたピンブシング72、72は、マニホールド30の熱収縮に伴い射出成形装置1の中央側に寄せられる。ピンブシング72、72に位置決めされたバルブピン71、71の中間部も、マニホールド30の熱収縮に伴い射出成形装置1の中央側に移動する。他方、バルブピン71、71の下端部は、流路40a、40a内の固化した樹脂材料R’、R’に拘束されて中間部と共に移動することができない。このためバルブピン71、71に曲げ荷重が加わり、図5に示すようにバルブピン71、71が変形する場合がある。
そこで、実施の形態の温度制御処理では、マニホールドヒータ31、31とゲートノズルヒータ41、41の制御により、マニホールド30が降温あるいは昇温に伴い変寸する間、ゲートノズル40、40の流路40a、40a内の樹脂材料の溶融状態を維持する。
[2-2:降温制御]
先ず、実施の形態の射出成形装置1の休止状態へ移行時の降温制御を説明する。実施の形態の降温制御は、図3に示す昇温状態にある射出成形装置1を室温に降温させる制御である。
以下、主に図7のフローチャートを参照して、図3の射出成形装置1に対する降温制御を実現するために制御装置2のPLC51が行う温度制御処理を説明する。
先ずステップS101でPLC51は、バルブピン71、71をゲート開放位置で保持する。PLC51は例えば、バルブピン71、71がゲートを閉塞している場合には、駆動機構の制御によりバルブピン71、71をゲート開放位置に移動させる。
ゲート開放位置は、バルブピン71、71によりゲートが開放された状態におけるバルブピン71、71の位置を指す。バルブピン71、71をゲート開放位置に引き上げて保持することで、バルブピン71、71の下端部における先端部がゲートを構成する樹脂吐出口40b、40bや開口部10b、10bに拘束されることを防止することができる。
ステップS102でPLC51は、マニホールドヒータ31、31の制御によりマニホールド30の降温を開始する。ステップS102におけるマニホールドヒータ31、31の制御は、例えばマニホールドヒータ31、31の電源をオフとする制御である。
ステップS103でPLC51は、ゲートノズルヒータ41、41の制御によりゲートノズル40、40の第1の待機温度への降温を開始する。
第1の待機温度は、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である。さらに第1の待機温度は、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の熱劣化を促進しない温度であることが好適である。そこで第1の待機温度は、成形に用いられる樹脂材料の性質に応じて設定される。
例えば樹脂材料が結晶性樹脂の場合は、第1の待機温度は樹脂材料の融点より高い温度から成形時の成形温度の間であることが相応しい。また、非結晶性樹脂の場合は、第1の待機温度は樹脂材料の性質がゴム状に変化するガラス転移温度より高温である任意の温度から成形温度の間であることが相応しい。
ステップS104でPLC51は、ゲートノズル40、40が第1の待機温度まで降温したか否かを判定する。
ゲートノズル40、40が第1の待機温度まで降温していない場合には、PLC51はステップS104でゲートノズル40、40が第1の待機温度に降温するまで待機する。
ゲートノズル40、40が第1の待機温度まで降温した場合には、PLC51はステップS105に進んでゲートノズル40、40を第1の待機温度で維持させる。
ステップS104及びステップS105が実行されている間、ゲートノズル40、40は第1の待機温度より低い温度には降温されない。このため、ゲートノズル40、40の流路40a、40a内の樹脂材料は溶融状態が保たれている。
他方、マニホールド30は降温を続け、マニホールド30とピンブシング72、72とピンブシング72、72の下端部の周りの流動路30a内の樹脂材料の温度は、ゲートノズル40、40とその流路40a、40a内の樹脂材料の温度より先に低下する。
マニホールド30は、ステップS102以降、降温に伴い次第に熱収縮する。マニホールド30が熱収縮する間、マニホールド30に固定されたピンブシング72、72は射出成形装置1の中央側に移動し、ピンブシング72、72に位置決めされたバルブピン71、71の中間部も射出成形装置1の中央側に移動する。この間、ゲートノズル40、40の流路40a、40a内の樹脂材料の溶融状態が維持されているため、バルブピン71、71の下端部は、図5で説明したような固化した樹脂材料R’、R’に拘束されることなく、図6に示すように中間部の移動に伴い溶融樹脂R内を移動することができる。即ちバルブピン71、71の全体がマニホールド30の変寸に応じて移動されるため、マニホールド30が熱収縮する間にバルブピン71、71にかかる曲げ荷重を解消又は少なくとも低減することができる。
続くステップS106でPLC51は、マニホールド30が判定温度まで降温したか否かを判定する。
マニホールド30が判定温度まで降温していない場合には、PLC51はステップS106でマニホールド30が判定温度に降温するまで待機する。
マニホールド30が判定温度まで降温した場合には、PLC51はステップS107に進んでゲートノズルヒータ41、41の制御によりゲートノズル40、40を第1の待機温度から降温させる。ステップS107におけるゲートノズルヒータ41、41の制御は、例えばゲートノズルヒータ41、41の電源をオフとする制御である。ステップS107が実行されることにより、ゲートノズル40、40が第1の待機温度から降温され、流路40a、40a内の樹脂材料は降温に伴い固化する。
上記のステップS106におけるマニホールド30の判定温度は、第1の待機温度より低く、マニホールド30の熱収縮による変寸の影響が低減される温度である。判定温度は金型構造や使用環境に応じて設定される。
具体的には、判定温度は、室温または室温に近似する温度に設定することが考えられる。マニホールド30の変寸は、室温において最も小さくなる。判定温度が室温または室温に近似する温度に設定された場合には、マニホールド30の変寸が最小になるまでゲートノズル40、40が第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態が維持される。従って、マニホールド30の熱収縮に伴うバルブピン71、71の中間部の移動が終息するまで、バルブピン71、71の下端部は溶融樹脂R内を移動することができる。
また、判定温度は、室温よりも高い温度である固定側型板10の金型温度または金型温度に近似する温度に設定することが考えられる。金型温度とマニホールド30の温度が一致していれば、どのような温度でも熱変寸による寸法差がなくなる。このため、判定温度が金型温度または金型温度に近似する温度に設定された場合には、マニホールド30と固定側型板10の変寸差がなくなるまでゲートノズル40、40が第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態が維持される。従って、固定側型板10に位置決めされたゲートノズル40、40に対するマニホールド30の変寸並びにバルブピン71、71の中間部の移動が終息するまで、バルブピン71、71の下端部は溶融樹脂R内を移動することができる。
なお、射出成形装置1の以降の降温過程で、マニホールド30と固定側型板10に温度差が発生することはありうる。しかしマニホールド30と固定側型板10はそれぞれ熱容量が大きく位置も接近しているため、温度差は僅かに抑えられている。
以上のステップS101からステップS107の処理により、マニホールド30及びゲートノズル40、40が室温まで降温すると、射出成形装置1の休止状態への降温が完了する。休止状態の射出成形装置1においては、バルブピン71、71全体が射出成形装置1の中央側に移動した状態で内部の樹脂材料が固化する。このため、休止状態におけるバルブピン71、71に加わる曲げ荷重も解消又は少なくとも低減されている。従って、バルブピン71、71の変形や折損の可能性を低減することができる。
以上、実施の形態の降温制御としての温度制御処理を説明した。
上記した実施の形態の降温制御に用いられるゲートノズル40、40の第1の待機温度と、マニホールド30の判定温度は、図7に示す処理の開始前に例えば制御装置2のオペレータにより設定されているものとする。
なお、第1の待機温度を成形温度と等しい温度に設定することも考えられる。この場合には、PLC51はステップS103及びステップS104の処理を省略し、マニホールド30が判定温度に降温するまでステップS105でゲートノズル40、40を第1の待機温度で維持する。なお、本実施の形態における成形温度は射出成形装置1の昇温状態における温度を指し、成形の可能な温度や成形待機時の温度等を含む。
また、上記ではステップS102のマニホールド30の降温開始の処理とステップS103のゲートノズル40、40を第1の待機温度への降温開始の処理がこの順序で行われる処理例を示したが、ステップS102とステップ103の処理は同時に行われてもよく、また逆の順序で行われてもよい。
さらにまた、上記ではステップS102のヒータ制御としてマニホールドヒータ31、31の電源をオフとする例を挙げたが、例えばマニホールドヒータ31、31の目標温度を段階的に低く設定してその温度に向けて徐々に降温させるなど、他の制御を行ってもよい。
同様に、上記ではステップS107のヒータ制御としてゲートノズルヒータ41、41の電源をオフとする例を挙げたが、例えばゲートノズルヒータ41、41の目標温度を段階的に低く設定してその温度に向けて徐々に降温させるなど、他の制御を行ってもよい。
[2-3:昇温制御]
続いて、実施の形態の射出成形装置1の休止状態からの移行時の昇温制御を説明する。実施の形態の昇温制御は、休止状態にある射出成形装置1を成形温度に昇温させる制御である。即ち、図6のようにバルブピン71、71が射出成形装置1の中央側へ移動した状態で内部の樹脂材料が固化した射出成形装置1を、図3に示す昇温状態に昇温させる制御である。
以下、主に図8のフローチャートを参照して、休止状態の射出成形装置1に対する昇温制御を実現するために制御装置2のPLC51が行う温度制御処理を説明する。なお、昇温制御の開始時点で、休止状態の射出成形装置1におけるバルブピン71、71はゲート開放位置に位置されている。
先ずステップS201でPLC51は、ゲートノズルヒータ41、41の制御によりゲートノズル40、40の第2の待機温度への昇温を開始する。
第2の待機温度は、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である。さらに第2の待機温度は、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の熱劣化を促進しない温度であることが好適である。そこで第2の待機温度は、成形に用いられる樹脂材料の性質に応じて設定される。
例えば樹脂材料が結晶性樹脂である場合は、第2の待機温度は樹脂の融点より高い温度から成形時の成形温度の間であることが相応しい。また、非結晶性樹脂の場合は、第2の待機温度は樹脂の性質がゴム状に変化するガラス転移温度より高温である任意の温度から成形温度の間であることが相応しい。
ステップS202でPLC51は、ゲートノズル40、40が第2の待機温度まで昇温したか否かを判定する。
ゲートノズル40、40が第2の待機温度まで昇温していない場合には、PLC51はステップS202でゲートノズル40、40が第2の待機温度に昇温するまで待機する。
ゲートノズル40、40が第2の待機温度まで昇温した場合には、PLC51はステップS203に進んでゲートノズル40、40を第2の待機温度で維持させる。
以上のステップS201からステップS203を実行することにより、ゲートノズル40、40は第2の待機温度まで昇温され、ゲートノズル40、40の流路40a、40a内の樹脂材料が溶融状態にされる。
続くステップS204でPLC51は、マニホールドヒータ31、31の制御によりマニホールド30の成形温度への昇温を開始する。
ステップS204が実行されることで、マニホールド30は昇温し次第に熱膨張する。
マニホールド30が熱膨張する間、マニホールド30に固定されたピンブシング72、72は射出成形装置1の中央側から外周側へ移動する。バルブピン71、71の中間部も射出成形装置1の中央側から外周側へ移動するが、この間、第2の待機温度に保温されたゲートノズル40、40の流路40a、40a内では樹脂材料の溶融状態が維持されている。このため、バルブピン71、71の下端部は、マニホールドの熱膨張に応じて溶融樹脂R内を移動することができる。即ちバルブピン71、71の全体がマニホールド30の変寸に応じて移動されるため、マニホールド30が熱膨張する間にバルブピン71、71にかかる曲げ荷重を解消又は少なくとも低減することができる。
ステップS205でPLC51は、マニホールド30が成形温度まで昇温したか否かを判定する。
マニホールド30が成形温度まで昇温していない場合には、PLC51はステップS205でマニホールド30が成形温度に昇温するまで待機する。
マニホールド30が成形温度まで昇温した場合には、PLC51はステップS206に進んでマニホールド30を成形温度で保温する。
ステップS207でPLC51は、ゲートノズル40、40を成形温度まで昇温させる制御を開始する。
ステップS208でPLC51は、ゲートノズル40、40が成形温度まで昇温したか否かを判定する。
ゲートノズル40、40が成形温度まで昇温していない場合には、PLC51はステップS208でゲートノズル40、40が成形温度に昇温するまで待機する。
ゲートノズル40、40が成形温度まで昇温した場合には、PLC51はステップS209に進んで駆動機構の制御によりバルブピン71、71をゲート開放位置からゲート閉塞位置に移動させる。ゲート閉塞位置は、バルブピン71、71によりゲートが閉塞された状態におけるバルブピン71、71の位置を指す。バルブピン71、71をゲート閉塞位置に移動させて保持することで、ゲートが閉塞される。
続くステップS210でPLC51はゲートノズル40、40を成形温度で保温する。
以上のステップS201からステップS210の処理により、マニホールド30及びゲートノズル40、40が成形温度まで昇温され、射出成形装置1の休止状態からの昇温が完了する。なお、図3に示すように、昇温状態においてバルブピン71、71は全体が射出成形装置1の中央側から移動されている。そして昇温開始から図3の状態に至る過程において、バルブピン71、71に変形や折損をもたらす曲げ荷重は加えられない。
以上、実施の形態の昇温制御としての温度制御処理を説明した。
上記した実施の形態の昇温制御に用いられるゲートノズル40、40の第2の待機温度と、ゲートノズル40、40及びマニホールド30の成形温度とは、図8に示す処理の開始前に例えば制御装置2のオペレータにより設定されているものとする。
また、上記したステップS202及びステップS203における第2の待機温度は、ゲートノズル40、40の成形温度より低いが短時間で成形温度まで昇温できる温度であることが好ましい。
第2の待機温度が成形温度より低い温度であることで、PLC51は、ゲートノズル40、40が成形温度まで昇温するのを待つことなくステップS204のマニホールド30の昇温を開始することができる。つまり、ゲートノズル40、40が成形温度に昇温するのを待ってマニホールド30の昇温を開始する場合と比較して、マニホールド30の昇温開始のタイミングを早めることができるため、射出成形装置1の昇温完了及び成形開始までの時間を短縮することが可能になる。これにより、昇温制御時の電力消費を低減すると共にゲートノズル40、40内の樹脂材料の熱劣化を抑制することができる。
なお、第2の待機温度を成形温度と等しい温度に設定することも考えられるが、この場合には、PLC51はステップS207からステップS210の処理を省略し、ステップS205でマニホールドが成形温度まで昇温したと判定したことに応じてバルブピン71、71をゲート開放位置からゲート閉塞位置に移動させ、ステップS206でマニホールド30を成形温度で保温した時点で射出成形装置1の昇温制御を終了する。
また上記では、PLC51がステップS209で駆動機構の制御によりバルブピン71、71をゲート開放位置からゲート閉塞位置に移動させる処理例を説明した。
射出成形装置1の通常の制御では、昇温時に温度の制御装置の電源がオンにされるとバルブピン71、71をゲート閉塞位置に移動させる方向にバルブピン71、71の駆動機構の駆動制御が行われる。この場合、射出成形装置1における樹脂材料が固化した状態でバルブピン71、71が移動されると、バルブピン71、71の破損につながる虞がある。
そこで、実施の形態の制御装置2のPLC51は、制御装置2の電源がオンにされてもバルブピン71、71をゲート閉塞位置に移動させる方向への駆動制御を行わないことが可能にされている。即ち、PLC51はバルブピン71、71をゲート閉塞位置に移動させる駆動制御と制御装置2の電源制御とを独立して行うことが可能にされている。あるいは、PLC51は、制御装置2の電源がオンにされる際に、バルブピン71、71が破損しない程度の弱い駆動制御を行うことが可能にされていてもよい。
<3.まとめ>
上記のように実施の形態の制御装置2は、バルブピン71、71がゲートノズル40、40に挿入された状態でマニホールド30に保持される射出成形装置1の制御装置であって、マニホールド30に対して設置されたマニホールドヒータ31、31とゲートノズル40、40に対して設置されたゲートノズルヒータ41、41の制御を行うPLC51(制御部)を備える。PLC51(制御部)は射出成形装置1の休止状態への移行時の降温制御として、マニホールドヒータ31、31の制御によりマニホールド30を降温させ、ゲートノズルヒータ41、41の制御によりゲートノズル40、40をゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第1の待機温度で維持させ、マニホールド30が判定温度まで降温したことを受けてゲートノズル40、40を第1の待機温度から降温させる制御を行う。即ち制御装置2は、図7に示す降温制御のための温度制御処理を行う。
上記した制御装置2が行う降温制御によると、マニホールド30が判定温度に降温するまでゲートノズル40、40は第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態が維持される。従って、マニホールド30が判定温度への降温に伴い熱収縮する間、バルブピン71、71の下端部はマニホールド30の変寸に応じて溶融樹脂R内を移動することができる。
これにより、マニホールド30が判定温度に降温する間にバルブピン71、71にかかる曲げ荷重が解消又は少なくとも低減される。またゲートノズル40、40内の樹脂材料が固化した休止状態において、バルブピン71、71にかかる曲げ荷重が解消又は少なくとも低減される。よって、バルブピン71、71の変形や折損の可能性を低減することができる。
さらに、バルブピン71、71にかかる曲げ荷重が低減されることで、バルブピン71、71とピンブシング72、72それぞれの摺動部の摩耗が低減される。さらに、バルブピン71、71の先端部並びにゲートを構成する樹脂吐出口40b、40bや開口部10b、10bにおける摺動部の摩耗が低減される。これにより、バルブピン71、71の長寿命化およびメンテナンスの頻度削減を図ることができる。これにより、射出成形装置1のメンテナンスのコスト及び作業負担を軽減することができる。さらにまた、ゲートにバリが発生しにくくなることにより、成形品の品質向上を図ることができる。
また、実施の形態の制御装置2の降温制御では、判定温度は金型温度または金型温度に近似する温度である例を説明した。
この場合には、マニホールド30が金型温度または金型温度に近似する温度に降温するまで、ゲートノズル40、40が第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態が維持される。即ち、マニホールド30と固定側型板10(金型)との変寸差がなくなるまで、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態が維持される。
従って、固定側型板10(金型)に対するマニホールド30の熱収縮並びにバルブピン71、71の中間部の移動が終息するまで、バルブピン71、71の下端部は溶融樹脂R内を移動することができる。よって、マニホールド30と固定側型板10(金型)に変寸差がある間に、バルブピン71、71にかかる曲げ荷重が解消又は少なくとも低減され、バルブピン71、71の変形や折損の可能性を低減することができる。
さらに、判定温度が室温より高い金型温度または金型温度に近似する温度に設定される場合には、判定温度が室温または室温に近似する温度に設定される場合と比較して、マニホールド30が判定温度まで降温する時間を短縮することができる。これによりゲートノズル40、40を第1の待機温度で維持させる保温時間を短くすることができるため、長時間の通電が不要になり、通電に伴う安全管理上の問題や電力消費、ゲートノズル40、40内の溶融樹脂の分解劣化の可能性を低減することができる。
また、実施の形態の制御装置2の降温制御では、判定温度は射出成形装置1が設置された室内の室温または室温に近似する温度である例を説明した。
この場合には、マニホールド30が室温または室温に近似する温度に降温するまで、ゲートノズル40、40が第1の待機温度から降温されず、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態が維持される。即ち、マニホールド30の変寸が最小になるまで、ゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態が維持される。
従って、マニホールド30の熱収縮に伴うバルブピン71、71の中間部の移動が終息するまで、バルブピン71、71の下端部は溶融樹脂R内を移動することができる。よって、マニホールド30が熱収縮する間に、バルブピン71、71にかかる曲げ荷重が解消又は少なくとも低減され、バルブピン71、71の変形や折損の可能性を低減することができる。
上記の実施の形態の制御装置2のPLC51(制御部)は、射出成形装置1の休止状態からの移行時の昇温制御として、ゲートノズルヒータ41、41の制御によりゲートノズル40、40をゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第2の待機温度まで昇温させ、ゲートノズル40、40が第2の待機温度まで昇温したことを受けてマニホールドヒータ31、31の制御によりマニホールド30を昇温させ、マニホールド30が成形温度まで昇温したことを受けてゲートノズル40、40を成形温度まで昇温させる制御を行う。即ち制御装置2は、図8に示す昇温制御のための温度制御処理を行う。
上記した制御装置2が行う昇温制御によると、ゲートノズル40、40が第2の待機温度に昇温されてゲートノズル40、40内の樹脂材料が溶融状態になるまで、マニホールド30は昇温されない。従って、マニホールド30が昇温に伴い熱膨張する間、バルブピン71、71の下端部はマニホールド30の変寸に応じて溶融樹脂R内を移動することができる。
これにより、マニホールド30が昇温する間にバルブピン71、71にかかる曲げ荷重が解消又は少なくとも低減され、バルブピン71、71の変形や折損の可能性を低減することができる。
さらに、バルブピン71、71にかかる曲げ荷重が低減されることで、バルブピン71、71とピンブシング72、72それぞれの摺動部の摩耗が低減される。さらに、バルブピン71、71の先端部並びにゲートを構成する樹脂吐出口40b、40bや開口部10b、10bにおける摺動部の摩耗が低減される。これにより、バルブピン71、71の長寿命化およびメンテナンスの頻度削減を図ることができる。これにより、射出成形装置1のメンテナンスのコスト及び作業負担を軽減することができる。さらにまた、ゲートにバリが発生しにくくなることにより、成形品の品質向上を図ることができる。
<4.プログラム及び記憶媒体>
本発明の実施の形態のプログラムは、制御装置2におけるPLC51や、マイクロコンピュータ等の演算処理装置に上述の降温制御や昇温制御を実行させるプログラムである。
実施の形態のプログラムは、射出成形装置1の休止状態への移行時の降温制御として、マニホールドヒータ31、31の制御によりマニホールド30を降温させ、ゲートノズルヒータ41、41の制御によりゲートノズル40、40をゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第1の待機温度で維持させ、マニホールド30が判定温度まで降温したことを受けてゲートノズル40、40を第1の待機温度から降温させる制御を行う処理を実行させるプログラムである。即ち、図7の処理を実行させるプログラムである。
実施の形態のプログラムは、射出成形装置1の休止状態からの移行時の昇温制御として、ゲートノズルヒータ41、41の制御によりゲートノズル40、40をゲートノズル40、40内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第2の待機温度まで昇温させ、ゲートノズル40、40が第2の待機温度まで昇温したことを受けてマニホールドヒータ31、31の制御によりマニホールド30を昇温させ、マニホールド30が成形温度まで昇温したことを受けてゲートノズル40、40を成形温度まで昇温させる制御を行う処理を実行させるプログラムである。即ち、図8の処理を実行させるプログラムである。
このようなプログラムにより本実施の形態の制御装置2の製造が可能となる。
そしてこのようなプログラムは制御装置2等の機器に内蔵されている記憶媒体や、CPU(Central Processing Unit)を有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記憶しておくことができる。あるいはまた、半導体メモリ、メモリカード、ディスク状記憶媒体などのリムーバブル記憶媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記憶)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記憶媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記憶媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
1…射出成形装置
2…制御装置
10…固定側型板
20…金型内センサ
30…マニホールド
31…マニホールドヒータ
32…マニホールド温度センサ
40…ゲートノズル
41…ゲートノズルヒータ
42…ゲートノズル温度センサ
51…PLC
71…バルブピン
72…ピンブシング
R…溶融樹脂
R’…固化した樹脂材料

Claims (6)

  1. バルブピンがゲートノズルに挿入された状態でマニホールドに保持される射出成形装置の制御装置であって、
    前記マニホールドに対して設置されたマニホールドヒータと前記ゲートノズルに対して設置されたゲートノズルヒータの制御を行う制御部を備え、
    前記制御部は前記射出成形装置の休止状態への移行時の降温制御として、
    前記マニホールドヒータの制御により前記マニホールドを降温させ、
    前記ゲートノズルヒータの制御により前記ゲートノズルを前記ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第1の待機温度で維持させ、
    前記マニホールドが判定温度まで降温したことを受けて前記ゲートノズルを前記第1の待機温度から降温させる制御を行う
    制御装置。
  2. 前記判定温度は金型温度である
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記判定温度は前記射出成形装置が設置された室内の室温である
    請求項1に記載の制御装置。
  4. バルブピンがゲートノズルに挿入された状態でマニホールドに保持される射出成形装置の制御装置であって、
    前記マニホールドに対して設置されたマニホールドヒータの制御と前記ゲートノズルに対して設置されたゲートノズルヒータの制御を行う制御部を備え、
    前記制御部は前記射出成形装置の休止状態からの移行時の昇温制御として、
    前記ゲートノズルヒータの制御により前記ゲートノズルを前記ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第2の待機温度まで昇温させ、
    前記ゲートノズルが前記第2の待機温度まで昇温したことを受けて前記マニホールドヒータの制御により前記マニホールドを昇温させ、
    前記マニホールドが成形温度まで昇温したことを受けて前記ゲートノズルを成形温度まで昇温させる制御を行う
    制御装置。
  5. バルブピンがゲートノズルに挿入された状態でマニホールドに保持される射出成形装置の制御装置に、前記マニホールドに対して設置されたマニホールドヒータと前記ゲートノズルに対して設置されたゲートノズルヒータの制御を行う処理を行わせるプログラムであって、
    前記射出成形装置の休止状態への移行時の降温制御として、
    前記マニホールドヒータの制御により前記マニホールドを降温させ、
    前記ゲートノズルヒータの制御により前記ゲートノズルを前記ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第1の待機温度で維持させ、
    前記マニホールドが判定温度まで降温したことを受けて前記ゲートノズルを前記第1の待機温度から降温させる制御を行う処理を実行させるプログラム。
  6. バルブピンがゲートノズルに挿入された状態でマニホールドに保持される射出成形装置の制御装置に、前記マニホールドに対して設置されたマニホールドヒータと前記ゲートノズルに対して設置されたゲートノズルヒータの制御を行う処理を行わせるプログラムであって、
    前記射出成形装置の休止状態からの移行時の昇温制御として、
    前記ゲートノズルヒータの制御により前記ゲートノズルを前記ゲートノズル内の樹脂材料の溶融状態を維持可能な温度である第2の待機温度まで昇温させ、
    前記ゲートノズルが前記第2の待機温度まで昇温したことを受けて前記マニホールドヒータの制御により前記マニホールドを昇温させ、
    前記マニホールドが成形温度まで昇温したことを受けて前記ゲートノズルを成形温度まで昇温させる制御を行う処理を実行させるプログラム。
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