以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る駐車空間検出装置1の構成を示す。この駐車空間検出装置1は、自動車に搭載され、車両の縦列駐車、車庫入れ駐車等を支援するために、駐車されている車両の車両幅方向の長さを検出するようになっている。以下、説明の便宜上、駐車空間検出装置1が搭載される自動車を自車両とし、駐車されている車両を駐車車両とする。
図1に示すように、この駐車空間検出装置1は、画像センサ11、位置検出器12、距離センサ13、操作部14、ディスプレイ15、スピーカ16、および制御部17等を備えている。
画像センサ11は、自車両の周囲を一定周期毎に繰り返し撮像する。本実施形態では、画像センサ11によって撮像される撮像画像は、後述するように、対称軸の検出に用いられる。
位置検出器12は、車両の現在位置を検出するための信号を制御部17に出力する装置であって、車輪速センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ、およびGPS受信機等を含んでいる位置検出部である。操舵角センサは、自車両の操舵装置の操舵角を検出する。GPS受信機は、GPS用人工衛星から送信される信号を受信する。
本実施形態では、後述するように、位置検出器12は、距離センサ13の位置を算出するために用いられる。
距離センサ13は、音波(例えば、超音波)、電波(例えばミリ波)、光波(例えばレーザー)等の探査波を送信する送信部と、その送信部から送信される探査波が駐車車両で反射して戻って来た反射波を受信する受信部とを備える探査センサである。
ここで、距離センサ13は、送信部から探査波を送信してから反射波を受信部で受信するまでに要する所要時間を求め、この求めた所要時間と探査波の速度とに基づいて距離センサ13自身から駐車車両までの検知距離を求める。
ここで、検知距離とは、探査波を送信部から送信してから駐車車両で反射して反射波としての探査波が受信部で受信される迄の探査波の経路長Lを2で割った値(=L/2)のことである。
本実施形態では、距離センサ13は、送信部から探査波を一定周期毎に繰り返し送信し、探査波を受信部で受信する毎に所要時間と検知距離とをそれぞれ求める。
図2に、駐車空間検出装置1を搭載する自車両2における、距離センサ13の搭載位置を例示する。この図に示すように、距離センサ13は、例えば自車両2の左側面に取り付けられ、距離センサ13から自車両2の左側方の障害物までの距離を検出する。
検出可能範囲13aは、距離センサ13が距離を検出できる障害物の範囲であり、例えば、距離センサ13の正面を中央13bとして左右に所定角度(例えば30度)開いた角度範囲内で所定の距離内にある障害物を検出できる。
本実施形態の距離センサ13は、図2に示すように車両幅方向に対して車両進行方向前側に所定角度だけ傾けた方向に正面を向けて配置されている。距離センサ13は、自車両2の左側面に加えて右側面に搭載されていてもよいし、また、その他の位置に搭載されていてもよい。
操作部14は、自車両2の乗員の操作を受け付ける装置であり、受け付けた操作内容に応じた信号を制御部17に出力する。ディスプレイ15は、制御部17からの制御に応じて、各種画像を表示する。スピーカ16は、制御部17からの制御に応じて、各種音声を出力する装置である。
制御部17は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するマイクロコンピュータである。制御部17は、ROMに予め記憶されているコンピュータプログラムにしたがって、駐車車両車幅検出処理を実行する車両用処理装置である。
CPUは、駐車車両車幅検出処理の実行の際に、位置検出器12、距離センサ13、操作部14から各種情報を取得し、この取得される各種情報に応じてディスプレイ15、スピーカ16を必要に応じて制御する。
以下、制御部17の作動内容について詳細に説明する。本実施形態の典型的な適用場面は、図2に示すように、自車両2が駐車車両3の側方向に縦列駐車をするために、駐車車両3の前側を駐車車両3の車両幅方向に平行に走行している場面である。
まず、距離センサ13は、繰り返し、送信部から探査波を繰り返し送信するとともに、反射波の送信毎に受信部で反射波を繰り返し受信し、さらに反射波の受信毎に検知距離を繰り返し求める。距離センサ13は、反射波の受信毎に検知距離を示す検出信号を制御部17に出力する。
本実施形態の距離センサ13は、自車両2に固定されている。このため、位置検出器12は、自車両2の位置に基づいて距離センサ13の位置も特定することが可能である。
そこで、位置検出器12は、送信部から探査波を送信したときの距離センサ13の位置(以下、送信センサ位置という)を探査波の送信毎に求め、この求めた送信センサ位置を示す検出信号を探査波の送信毎に制御部17に出力する。
これに加えて、位置検出器12は、反射波を受信部が受信したときの距離センサ13の位置(以下、受信センサ位置という)を探査波の受信毎に求め、この求めた受信センサ位置を示す検出信号を探査波の受信毎に制御部17に出力する。
画像センサ11は、自車両2の周囲を一定周期毎に繰り返し撮像して、撮像毎に撮像画像を示す画像信号を制御部17に出力する。
このように制御部17には、位置検出器12からの送信センサ位置、受信センサ位置と画像センサ11からの撮像画像とが順次入力される。
さらに、制御部17は、操作部14に対して使用者が操作したとき、駐車車両車幅検出処理の実行を開始する。制御部17は、図3のフローチャートにしたがって、駐車車両車幅検出処理を実行する。駐車車両車幅検出処理は、制御部17によって、繰り返し、実行される。
まず、制御部17は、ステップS100において、位置検出器12の検出信号と距離センサ13の検出信号とに基づいて、送信センサ位置、受信センサ位置、および検知距離を1組とする検出情報をRAM等の記憶媒体に検知距離の算出毎に記憶させる。
次に、制御部17は、ステップS101において、反射点算出部として、送信センサ位置、受信センサ位置、および検知距離に基づいて、駐車車両3のうち探査波が反射した反射点を反射波の受信毎に、三角法によって算出する。
例えば、自車両2の位置および駐車車両3の位置を示す座標上において、センサ位置Yaを中心として検知距離を半径とする第1円とセンサ位置Ybを中心として半径を検知距離とする第2円とを描いたとき、第1円と第2円との交点を反射点とする。
以下、説明の便宜上、反射点を反射点Z(n)とする。ここで、括弧内のnは、駐車車両車幅検出処理の実行回数を表す。このため、今回のステップS101では反射点Z(1)が求められることになる。
一方、制御部17は、ステップS120において、画像センサ11から取得される撮像毎の撮像画像に基づいて対称軸の基準を探索する。
例えば、制御部17は、パターン認識等の画像認識処理によって、画像センサ11によって繰り返し撮像された複数の撮像画像のうち、駐車車両3を撮像した撮像画像を選択する。これに加えて、制御部17は、この選択した撮像画像からパターン認識等の画像認識処理に基づいて駐車車両3のナンバープレート3a(すなわち、局所的特徴部位)を対称軸の基準として抽出する。
一般的に、ナンバープレート3aは、図4に示すように、車両幅方向に拡がる長方形状の板材によって構成されている。ナンバープレート3aは、駐車車両3の車両進行方向前側端部において、車両進行方向前側に向けて配置されている。或いは、ナンバープレート3aは、駐車車両3の車両進行方向後側端部において、車両進行方向後側に向けて配置されている。
ナンバープレート3aは、駐車車両3の車両進行方向前側端部、或いは後側端部において、駐車車両3の車両幅方向中央部に配置されている。このため、ナンバープレート3aのうち車両幅方向中央部は、駐車車両3の車両進行方向前側端部、或いは後側端部において、駐車車両3の車両幅方向中央部に一致することになる。
そこで、制御部17は、ステップS121(すなわち、中心線判別部)において、ナンバープレート3aのうち車両幅方向中央部を通り垂直方向に伸びる中心線3b(図4参照)を求める。これに加えて、ステップS121において、制御部17は、中心線3bに直交し、かつ駐車車両3の車両幅方向に直交する仮想線である中心線3c(図2参照)を対称軸として判別する。
本実施形態では、制御部17は、駐車車両3の車両幅方向と自車両2の車両進行方向とが平行であるとして、中心線3c(図2参照)を判別する。
このように、制御部17は、ステップS100、S101、S120、S121の各処理を実行する。その後に、次のステップS130(すなわち、偏り判定部)に進んで、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右に偏りが生じているか否かを反射波の受信毎に判定する。
このとき、制御部17は、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右に偏りが生じているときには、ステップS130において、YESと判定する。なお、ステップS130の反射点偏り判定処理の詳細は、後述する。
次に、制御部17は、ステップS131(すなわち、相関判定部)において、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右で相関性が有るか否かを判定する。
制御部17は、上述のステップS131において、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右で相関性が有るとしてYESと判定する。すると、制御部17は、ステップS132~S134において、中心線3cおよび反射点Z(n)等を用いて駐車車両3の右側コーナー部の位置と左側コーナー部の位置とを求める。なお、ステップS132~S134の詳細は、後述する。
これに伴い、制御部17は、ステップS135(すなわち、車幅推定部)において、このように求めた右側コーナー部の位置と左側コーナー部の位置に基づいて駐車車両3の幅方向寸法を求める。
また、制御部17は、上述のステップS130において、反射波の受信毎の反射点Z(n)に左右に偏りが生じていないとしてNOと判定すると、ステップS132~S134をスキップして、ステップS135に進んで、駐車車両3の幅方向寸法を求める。
さらに、制御部17は、上述のステップS131において、反射点Z(n)に左右で相関性が無いとしてNOと判定すると、ステップS132~S134をスキップして、ステップS135に進んで、駐車車両3の幅方向寸法を求める。
以上説明したように、制御部17は、このようなステップS100~S135の処理を繰り返し実行する。制御部17は、ステップS100~S135の制御処理を実行する毎に、反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)、Z(7)・・・が算出される。このため、制御部17は、反射点Z(n)の算出毎に、駐車車両3の車両幅方向寸法を求める。
次に、本実施形態のステップS130における反射点左右偏り判定処理について、反射波の受信毎の反射点Z(n)としての反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)、Z(7)を用いた具体例を図5、図6を参照して説明する。
制御部17は、反射点Z(1)、Z(2)、・・・Z(7)のうち、最も駐車車両3の車両幅方向右側に位置する最右側反射点としての反射点Z(7)と最も駐車車両3の車両幅方向左側に位置する最左側反射点としての反射点Z(1)とを求める。
さらに、制御部17は、最左側反射点Z(1)と中心線3cとの間の距離Laと、最右側反射点としての反射点Z(7)と中心線3cとの間の距離Lbとを求める。
次に、制御部17は、距離Laおよび距離Lbのうち一方の距離が他方の距離よりも大きいか否かを判定することにより、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右に偏りが有るか否かを判定する。
このとき、制御部17は、図5に示すように、距離Laが距離Lbよりも大きいとき、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左側に偏りが有ると判定する。制御部17は、図6に示すように、距離Laが距離Lbよりも小さいとき、反射波の受信毎の反射点Z(n)について右側に偏りが有ると判定する。
このように、制御部17は、距離Laと距離Lbとが異なるとき、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右方向に偏りが有ると判定する。
一方、制御部17は、距離Laと距離Lbとが同一であるとき、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右方向に偏りが無いと判定する。
次に、本実施形態のステップS131における反射点相関判定処理について、反射波の受信毎の反射点Z(n)としての反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)、Z(7)を用いた具体例を図7、図8を参照して説明する。
制御部17は、ステップS131において、反射波の受信毎の反射点Z(n)のうち対称軸に対して左側に位置する左側反射点群と、反射波の受信毎の反射点Z(n)のうち対称軸に対して右側に位置する右側反射点群との間に相関性が有るか否かを判定する。
具体的には、制御部17は、反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)、Z(7)を通る近似曲線Fを求める。
次に、制御部17は、近似曲線Fのうち左側に位置する左側近似曲線F1と近似曲線Fのうち右側に位置する右側近似曲線F2とを求める。本実施形態の近似曲線Fは、例えば、反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)、Z(7)の分布を示す二次近似関数によって表される。
このとき、図7に示すように、反射波の受信毎の反射点Z(n)について車両幅方向左側に偏りが有るときには、制御部17は、中心線3cを対称軸として右側近似曲線F2を車両幅方向左側に反転させて右側近似曲線F2を車両幅方向左側に複製する。
この際に、この複製された右側近似曲線F2と左側近似曲線F1が重なる場合には、制御部17は、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右方向に相関性が有るとしてステップS131においてYESと判定する。
換言すれば、制御部17は、ステップS131において、左側反射点群と右側反射点群との間に相関性が有るとしてYESと判定する。
一方、この複製された右側近似曲線F2と左側近似曲線F1がずれる場合には、制御部17は、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右方向に相関性が無いとしてステップS131においてNOと判定する。
つまり、制御部17は、ステップS131において、左側反射点群と右側反射点群との間に相関性が無いとしてNOと判定する。
また、図8に示すように、反射波の受信毎の反射点Z(n)について車両幅方向右側に偏りが有るときには、制御部17は、中心線3cを対称軸として左側近似曲線F1を車両幅方向右側に反転させて左側近似曲線F1を車両幅方向右側に複製する。
この際に、この複製された左側近似曲線F1と右側近似曲線F2が重なる場合には、制御部17は、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右方向に相関性が有るとしてステップS131においてYESと判定する。
つまり、制御部17は、ステップS131において、左側反射点群と右側反射点群との間に相関性が有るとしてYESと判定する。
一方、この複製された左側近似曲線F1と右側近似曲線F2がずれる場合には、制御部17は、反射波の受信毎の反射点Z(n)について左右方向に相関性が無いとしてステップS131においてNOと判定する。
つまり、制御部17は、ステップS131において、左側反射点群と右側反射点群との間に相関性が無いとしてNOと判定する。
次に、本実施形態のステップS132~S135の処理について説明する。
ステップS132~S135の処理は、制御部17によってステップS132でYESと判定されたときに実施される。
まず、制御部17は、ステップS132(すなわち、距離算出部)において、反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)、Z(7)のうち駐車車両の車両幅方向において最も左側に位置する最右側反射点である反射点Z(1)を選択する。
ステップS132において、制御部17は、反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)、Z(7)のうち駐車車両の車両幅方向において最も左側に位置する最右側反射点である反射点Z(7)を選択する。
これに伴い、制御部17は、最左側反射点および中心線3cの間の距離Laと最右側反射点および中心線3cの間の距離Lbとを求める。
ここで、制御部17は、図7に示すように、距離Laが距離Lbよりも大きいとき、最左側反射点の方が、最右側反射点に比べて、中心線3cから離れているとしてステップS132において、YESと判定する。
この場合、制御部17は、ステップS133(すなわち、第1コーナー部算出部)において、最左側反射点である反射点Z(1)を中心線3cを対称軸として車両幅方向右側に反転させて反射点Z(1)と線対称となる反射点を複製する。以下、説明の便宜上、このように複製された反射点を最右側複製反射点Zaという。
これに伴い、制御部17は、ステップS135において、最左側反射点である反射点Z(1)を駐車車両3の右側コーナー部とし、最右側複製反射点Zaを駐車車両3の左側コーナー部とする。
これに加えて、制御部17は、反射点Z(1)および最左側複製反射点Zbの間の距離を駐車車両3の車両幅方向寸法として求める。
一方、制御部17は、図8に示すように、距離Laが距離Lbよりも小さいとき、最左側反射点の方が、最右側反射点に比べて、対称軸から離れているとしてステップS132において、NOと判定する。
この場合、制御部17は、ステップS134(すなわち、第2コーナー部算出部)において、最右側反射点である反射点Z(1)を中心線3cを対称軸として車両幅方向右側に反転させて反射点Z(1)と線対称となる反射点を複製する。以下、説明の便宜上、このように複製された反射点を最左側複製反射点Zbという。
これに伴い、制御部17は、ステップS135において、最左側反射点である反射点Z(1)を駐車車両3の左側コーナー部とし、最左側複製反射点Zbを駐車車両3の右側コーナー部とする。
これに加えて、制御部17は、反射点Z(1)および最左側複製反射点Zbの間の距離を駐車車両3の車両幅方向寸法として求める。
また、制御部17は、ステップS130、S131のうちいずれか一方のステップで、NOと判定すると、次のように、ステップS315の駐車車両3の車幅推定処理を実行する。
まず、制御部17は、反射波の受信毎の反射点Z(n)としての反射点Z(1)、Z(2)、・・・Z(6)、Z(7)のうち、最も右側に位置する最右側反射点としての反射点Z(1)と、最も左側に位置する最左側反射点Z(7)とを選択する。
これに伴い、制御部17は、最右側反射点としての反射点Z(1)および最左側反射点Z(7)の間の距離を駐車車両3の車両幅方向寸法として求める。
以上のように、制御部17が、このようなステップS100~S135の認識処理の実行を繰り返す。このことにより、ステップS100~S135の認識処理の実行毎に、反射点(n)が順次算出される。このため、反射点(n)の算出毎に、駐車車両3の左側コーナー部、右側コーナー部、および車両幅方向寸法が順次更新される。
以上説明した本実施形態によれば、制御部17は、画像センサ11、距離センサ13、および位置検出器12を備える車両2に適用される。画像センサ11は、自車両の周囲の駐車車両3を撮像する。距離センサ13は、探査波を繰り返し送信し、この送信される探査波のうち駐車車両3で反射される反射波を繰り返し受信する。
位置検出器12は、距離センサ13が探査波を送信したときの距離センサ13の位置であるセンサ送信位置と、距離センサ13が反射波を受信したときの距離センサ13の位置であるセンサ受信位置とを繰り返し求める。
制御部17は、距離センサ13が探査波を送信してから距離センサ13が反射波を受信する迄に要する時間を求め、この時間、センサ送信位置、およびセンサ受信位置に基づいて、駐車車両3の反射点Z(n)を反射波の受信毎に算出するステップS101を備える。
制御部17は、画像センサ11で撮像される駐車車両3の画像に基づいて、駐車車両3の車両幅方向中間部を通り駐車車両3の車両進行方向に延びる中心線3cを判別するステップS121を備える。
制御部17は、反射波の受信毎の反射点Z(n)のうち、最右側反射点と中心線3cとの間の距離Laを算出し、反射波の受信毎の反射点Z(n)のうち、最左側反射点と中心線3cとの間の距離Lbを算出するステップS132を備える。
制御部17は、距離Laが距離Lbよりも大きいときには、中心線3cを対称軸として最左側反射点を車両幅方向右側に反転させて最左側反射点と線対称となる反射点を複製するステップS134を備える。
制御部17は、ステップS135において、この複製した反射点を駐車車両3の右側コーナー部とし、最左側反射点を駐車車両3の左側コーナー部とし、左側コーナー部および右側コーナー部の間の距離を駐車車両3の車両幅方向寸法として求める。
一方、制御部17は、距離Lbが距離Laよりも大きいときには、中心線3cを対称軸として最右側反射点を車両幅方向左側に反転させて最右側反射点と線対称となる反射点を複製するステップS133を備える。
制御部17は、ステップS135において、この複製した反射点を駐車車両3の左側コーナー部とし、最右側反射点を駐車車両3の右側コーナー部とし、左側コーナー部および右側コーナー部の間の距離を駐車車両3の車両幅方向寸法として求める。
以上により、駐車車両3の右側コーナー部と左側コーナー部とを高精度に求める。このことにより、駐車車両3の車両幅方向寸法を高精度に求めることができる。
一方、上述した特許文献1では、超音波センサから送信される探査波を用いて駐車車両のコーナー部の位置を求め、駐車車両の輪郭上から算出した形状判別パラメータに従ってコーナー部の位置を補正してコーナー部の位置の検出精度を向上している。
しかし、そもそも、駐車車両から離れた場所に自車両の超音波センサが位置すれば、超音波センサで受信される反射波の受信強度が低くなる。
一方で、超音波センサがノイズを誤って受信して選択する恐れもある。反射波とノイズとを切り分けるために、一般的には両者を区別するための閾値を設定し反射点としての採用可否を判断する。従って、コーナー部付近の反射点としては採用できず、それにより形状判別パラメータを正確に算出できないため、コーナー部の位置精度の向上の効果は限定的である。
また、パラメータを事前設計する必要があり、さらに、多種多様な車両に適合する必要もあり、適合不十分による精度低下も起こる。
これに対して、本実施形態では、制御部17は、上述の如く、最右側反射点および最左側反射点のうち一方の反射点を対称軸としての中心線3cに対して反転させて一方の反射点を複製する。
制御部17は、この複製した反射点と最右側反射点および最左側反射点のうち一方の反射点以外の他方の反射点とを左側コーナー部および右側コーナー部として求める。このため、左側コーナー部および右側コーナー部の位置精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、上記第1実施形態において、ステップS101で算出される反射波の受信毎の反射点のバラツキが大きいとき、ステップS132~S134をスキップして、ステップS135の処理を実施する例について図9、図10を参照して説明する。
本実施形態の制御部17は、図2に代わる図9のフローチャートにしたがって、車両用処理装置を実行する。
図9のフローチャートには、図2のフローチャートに対してステップS125、S126が追加されている。ステップS125、S126は、ステップS101、S130の間に配置されている。
まず、制御部17は、ステップS101で反射点Z(n)を算出した後、ステップS125(すなわち、バラツキ判定部)に進んで、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキの大小を判定する。反射点Z(1)・・・・Z(n)は、今回のステップS125の実行に先だって、ステップS101の実行毎に算出される反射点群である。
具体的には、制御部17は、座標上において、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布を示す近似式を求め、反射点Z(1)・・・・Z(n)のうち、近似式を示す近似曲線Fから最も離れた反射点と近似曲線Fとの間の距離を求める。
図10において、座標上に反射点Z(1)・・・・Z(7)をプロットした図を示す。
制御部17は、反射点Z(1)・・・・Z(7)のうち、近似式を示す近似曲線Fから最も離れた反射点としてZ(4)を選び、この反射点Z(4)および近似曲線の間の距離Lhを算出する。
さらに、制御部17は、この算出した距離Lhが閾値以上であるか否かを判定する。制御部17は、この算出した距離Lhが閾値K1以上であるときには、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが大きいと判定する。
一方、制御部17は、この算出した距離Lhが閾値K1未満であるときには、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが小さいと判定する。このように反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが大きいか否かが判定される。
制御部17は、例えば、この算出した距離Lhが閾値K1以上であり、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが大きいと判定すると、ステップS126、・・・・S134をスキップして、次のステップS135に移行する。
この場合、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが大きいため、ステップS126、・・・・S134の処理を実施することが適していないと判定されることになる。
このため、制御部17は、上述の如く、対称軸を用いることなく、ステップS101で算出される反射波の受信毎の反射点Z(n)に基づいて駐車車両3の右側コーナー部と左側コーナー部とを求める。そして、制御部17は、この求めた右側コーナー部と左側コーナー部とに基づいて駐車車両3の車両幅方寸法を求める。
一方、制御部17は、例えば、この算出した距離Lhが閾値K1未満であるときには、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが小さいと判定すると、次のステップS126(すなわち、グルーピング部)に移行する。
この場合、反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが小さいため、ステップS126、・・・・S134の処理を実施することが適していると判定されることになる。
このとき、制御部17は、反射点Z(1)・・・・Z(n)のうち駐車車両3の車両進行方向端部を示す反射点群を1つの集合体(すなわち、グループ)とするグルーピングを実施する。
具体的には、制御部17は、反射点Z(1)・・・・Z(n)のうち、隣り合う2つの反射点の間の距離が閾値K2未満である反射点群を上記1つの集合体とする。閾値K2としては、ステップS125におけるバラツキ判定処理に用いられる閾値K1よりも小さい値が用いられる。
このように反射点Z(1)・・・・Z(n)がグルーピングされて1つの集合体としての反射点群が求められる。
その後、制御部17は、この求められた反射点群を用いて、上記第1実施形態と同様に、ステップS130以降の各処理を実施する。このため、制御部17は、反射点群に基づいて、左側コーナー部、右側コーナー部、および駐車車両3の車両幅方向寸法を求めることができる。
以上説明した本実施形態によれば、制御部17は、ステップS101で算出される反射点Z(1)・・・・Z(n)の分布についてバラツキが大きいと判定すると、ステップS132~S134をスキップしてステップS135の車幅推定処理を実施する。このため、駐車車両3の右側コーナー部および左側コーナー部の位置を高精度に求めることができる。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上記第1実施形態では、ナンバープレート3aが車両幅方向中央部からずれているとき、ナンバープレート3aを用いて対称軸を求めることを禁止する例について図11、図12を参照して説明する。
本実施形態の制御部17は、図2に代わる図11のフローチャートにしたがって、車両用処理装置を実行する。
図11のフローチャートには、図2のフローチャートにおいて、ステップS120に代わるステップS120a、S120b、S120c、S120dが用いられる。
まず、制御部17は、ステップS120aにおいて、画像センサ11によって撮像される複数の撮影画像のうち駐車車両3の車両進行方向端部を示す撮影画像を探索する。
次に、制御部17は、ステップS120bにおいて、この探索した撮影画像に対してパターン認識等の画像識別処理を実施する。
さらに、制御部17は、ステップS120bにおいて、この施した画像識別処理結果に基づいて、駐車車両3のナンバープレート3aが駐車車両3の車両幅方向中央部に位置するか否かを判定する。
このとき、制御部17は、ステップS120bにおいて、駐車車両3のナンバープレート3aが駐車車両3の車両幅方向中央部に位置するときには、YESと判定する。これに伴い、制御部17は、ステップS120cにおいて、ナンバープレート3aを、対称軸を決めるための基準とする。
一方、制御部17は、ステップS120bにおいて、駐車車両3のナンバープレート3aが駐車車両3の車両幅方向中央部からずれて配置されているときには、NOと判定する。
つまり、ナンバープレート3aの車両幅方向中央部が、駐車車両3の車両幅方向中央部に対して車両幅方向右側(或いは、車両幅方向左側)に位置するときには、制御部17は、ステップS120bにおいてNOと判定する。
これに伴い、制御部17は、ステップS120d(すなわち、禁止部)において、ナンバープレート3aに代えて、フロントピラー3d、3e(すなわち、局所的特徴部位)を、対称軸を決めるための基準とする。
このことにより、ナンバープレート3aを、対称軸を決めるための基準とすることが禁止されることになる。
ここで、フロントピラー3dは、図12に示すように、フロントガラス3hの車両幅方向右側に配置されている右側フロントピラーである。フロントピラー3eは、フロントガラス3hの車両幅方向左側に配置されている左側フロントピラーである。フロントピラー3d、3eは、駐車車両3の車両幅方向の中間部を通る中心線3bに対して線対称に配置されている。
この場合、制御部17は、ステップS121において、駐車車両3を示す撮影画像からフロントピラー3d、3eを抽出する。
さらに、制御部17は、ステップS121において、この抽出したフロントピラー3d、3eの間の中間部を通り天地方向に延びる中心線3bを求めるとともに、中心線3bに直交してかつ駐車車両3の車両幅方向に直交する仮想線である中心線3cを対称軸として判別する。
本実施形態では、制御部17は、駐車車両3の車両幅方向と自車両2の車両進行方向とが平行であるとして、中心線3cを判別する。
その後、制御部17は、上記第1実施形態と同様に、中心線3cを用いてステップS130~S134の処理を実行する。
以上説明した本実施形態によれば、制御部17は、駐車車両3のナンバープレート3aが駐車車両3の車両幅方向中央部からずれて配置されているときには、ナンバープレート3aに代えて、フロントピラー3d、3eを、対称軸を決めるための基準とする。このため、対称軸を高精度に求めることができる。
上記第3実施形態では、フロントピラー3d、3eを、対称軸を決めるための基準とする例について説明した。しかし、これに代えて、図4に示す駐車車両3のうちヘッドランプ3g、3f(すなわち、局所的特徴的部位)を対称軸を決めるための基準としてもよい。
ヘッドランプ3gは、駐車車両3の車両進行方向前側において図中右側に配置されている右側ヘッドランプである。ヘッドランプ3fは、駐車車両3の車両進行方向前側において図中左側に配置されている左側ヘッドランプである。
この場合、制御部17は、ステップS121において、駐車車両3を示す撮影画像からフロントピラー3d、3eを抽出する。
さらに、制御部17は、ステップS121において、この抽出したヘッドランプ3g、3fの間の中間部を通り天地方向に延びる中心線3bを求めるとともに、中心線3bに直交してかつ駐車車両3の車両幅方向に直交する仮想線である中心線3cを対称軸として判別する。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、駐車車両3の車両幅方向が自車両2の車両進行方向と平行になっている例について説明した。
しかし、駐車車両3の車両幅方向が自車両2の車両進行方向に対して斜めになっている本第4実施形態について図13、図14を参照して説明する。
この場合、図13に示すように、駐車車両3の車両幅方向が自車両2の車両進行方向に対して斜めになっている場合に、駐車車両3の車両幅方向が自車両2の車両進行方向と平行であると仮定する。
この場合、制御部17は、上記第1実施形態と同様に、中心線3cを求め、中心線3cを対称軸とすると、反射波の受信毎の反射点Z(n)について実際には左右方向に相関性が有るにも関わらず、左右方向に相関性が無いと判定されることになる。
図14に示すように、反射点Z(1)、Z(2)、Z(3)、Z(4)、Z(5)、Z(6)の分布を示す近似曲線Fのうち、中心線3bに対して車両幅方向右側の直線部分Fbと車両幅方向左側の直線部分Faとの間で相関関係がなくなる。
つまり、中心線3cが自車両2の車両進行方向に直交すると仮定すると、近似曲線Fのうち左側近似曲線F1を中心線3cを対称軸として反転して左側近似曲線F1’を複製しても左側近似曲線F1’と直線部分fbとがずれる。
そこで、本実施形態では、制御部17は、次のように、自車両2の車両進行方向に対して駐車車両3の中心線3cが形成する傾斜角度θ(すなわち、駐車車両3の傾き)を求める。
すなわち、制御部17は、画像センサ11によって撮像された駐車車両3の撮像画像に対して画像認識を施して撮像画像からフロントピラー3d、3eを抽出する。これに加えて、制御部17は、フロントピラー3dの画像面積とフロントピラー3eの画像面積との比を算出する。
ここで、フロントピラー3dの画像面積とフロントピラー3eの画像面積との比は、自車両2の車両進行方向に対して駐車車両3の中心線3cが形成する傾斜角度θを表している。以下、フロントピラー3dの画像面積とフロントピラー3eの画像面積との比をフロントピラー3d、3eの面積比ともいう。
そこで、フロントピラー3d、3eの面積比毎にフロントピラー3d、3eの面積比と傾斜角度θとの関係が1対1で特定される面積比/傾斜角度データをROMに予め記憶させておく。
制御部17は、ROMに予め記憶された面積比/傾斜角度データを参照して、フロントピラー3d、3eの面積比に対応する傾斜角度θを求めるとともに、この求めた傾斜角度θによって駐車車両3の中心線3cを求める。
このとき、制御部17は、距離Laが距離Lbよりも大きいとしてステップS132において、YESと判定する。
すると、制御部17は、ステップS133において、中心線3cを対称軸として最左側反射点を車両幅方向右側に反転させて最左側反射点と線対称となる最左側複製反射点Zbを求め、この最左側複製反射点Zbを左側コーナー部の位置とする。このため、駐車車両3の左側コーナー部の位置を高精度に求めることができる。
このとき、制御部17は、距離Lbが距離Laよりも大きいとしてステップS132において、N0と判定する。
これに伴い、制御部17は、ステップS134において、中心線3cを対称軸として最右側反射点を車両幅方向左側に反転させて最右側反射点と線対称となる最左側複製反射点Zbを求め、この最左側複製反射点Zbを右側側コーナー部の位置とする。このため、駐車車両3の右側側コーナー部の位置を高精度に求めることができる。以上により、駐車車両3の車両幅方向寸法を精度良く求めることができる。
(他の実施形態)
(1)上記第4実施形態では、制御部17は、フロントピラー3dの画像面積とフロントピラー3eの画像面積との比に基づいて傾斜角度θを求める例について説明したが、これに代えて、次の(a)(b)のようにしてもよい。
(a)制御部17は、ヘッドランプ3gの画像面積とヘッドランプ3fの画像面積との比に基づいて傾斜角度θを求める。
具体的には、制御部17は、画像センサ11によって撮像された駐車車両3の撮像画像に対して画像認識を施して撮像画像からヘッドランプ3g、3fを抽出する。これに加えて、制御部17は、ヘッドランプ3gの画像面積とヘッドランプ3fの画像面積との比を算出する。
ここで、ヘッドランプ3gの画像面積とヘッドランプ3fの画像面積との比は、自車両2の車両進行方向に対して駐車車両3の中心線3cが形成する傾斜角度θを表している。以下、ヘッドランプ3gの画像面積とヘッドランプ3fの画像面積との比をヘッドランプ3g、3fの面積比ともいう。
そこで、ヘッドランプ3g、3fの面積比毎にヘッドランプ3g、3fの面積比と傾斜角度θとの関係が1対1で特定される面積比/傾斜角度データをROMに予め記憶させておく。
制御部17は、ROMに予め記憶された面積比/傾斜角度データを参照して、ヘッドランプ3g、3fの面積比に対応する傾斜角度θを求めるとともに、この求めた傾斜角度θによって駐車車両3の中心線3cを求める。
(b)制御部17は、画像センサ11によって撮像された駐車車両3の撮像画像に対して画像認識を施して撮像画像から、自車両2の車両進行方向に対するナンバープレート3aの傾斜角度を求め、この求めた傾斜角度から駐車車両3の中心線3cを求める。
(2)上記第4実施形態では、傾斜角度θに基づいて駐車車両3の中心線3c求め、この求めた中心線3cを対称軸として最右側複製反射点Za(或いは、最左側複製反射点Zb)を求めた例について説明した。
しかし、これに代えて、ステップS101で求められる反射波の受信毎の反射点の分布を示す近似式を求め、この求めた近似式に基づいて、最右側複製反射点Za(或いは、最左側複製反射点Zb)を求めてもよい。
(3)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
(まとめ)
上記第1実施形態、上記第2実施形態、上記第3実施形態、上記第4実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、車両用処理装置は、探査センサと位置検出部と画像センサとを備える車両に適用される。
探査センサは、探査波を繰り返し送信し、この送信される探査波のうち駐車車両で反射される反射波を繰り返し受信する。
位置検出部は、探査センサが探査波を送信したときの探査センサの位置であるセンサ送信位置と、探査センサが反射波を受信したときの探査センサの位置であるセンサ受信位置とをそれぞれ求める。画像センサは、駐車車両を撮像する。
反射点算出部は、探査センサが探査波を送信してから探査センサが反射波を受信する迄に要する時間を求め、この求めた時間とセンサ送信位置、およびセンサ受信位置に基づいて、駐車車両のうち探査波の反射点の位置を反射波の受信毎に算出する。
中心線判別部は、画像センサで撮像される駐車車両の画像に基づいて、駐車車両の車両幅方向中間部を通り駐車車両の車両進行方向に延びる中心線を判別する。
距離算出部は、反射点算出部で算出される反射波の受信毎の反射点のうち、最も車両幅方向右側に位置する最右側反射点と中心線との間の第1距離を算出する。距離算出部は、反射点算出部で算出される反射波の受信毎の反射点のうち、最も車両幅方向左側に位置する最左側反射点と中心線との間の第2距離を算出する。
第1コーナー部算出部は、第1距離が第2距離よりも大きいときには、中心線を対称軸として最右側反射点を車両幅方向左側に反転させて最右側反射点と線対称となる反射点を複製する。第1コーナー部算出部は、この複製した反射点を駐車車両の左側コーナー部とし、最右側反射点を駐車車両の右側コーナー部とする。
第2コーナー部算出部は、第1距離が第2距離よりも小さいときには、中心線を対称軸として最左側反射点を車両幅方向右側に反転させて最左側反射点と線対称となる反射点を複製する。第2コーナー部算出部は、この複製した反射点を駐車車両の右側コーナー部とし、最左側反射点を駐車車両の左側コーナー部とする。
第2の観点によれば、車両用処理装置は、反射点算出部で算出される反射波の受信毎の反射点のうち、駐車車両の車両進行方向端部を示す反射点群をグルーピングするグルーピング部を備える。
距離算出部は、グルーピング部によってグルーピングされた反射点群のうち最も車両幅方向右側に位置する反射点を最右側反射点とし、グルーピング部によってグルーピングされた反射点群のうち最も車両幅方向左側に位置する反射点を最左側反射点とする。
ここで、距離算出部は、最左側反射点と最右側反射点とに基づいて第1距離と第2距離を算出する。
したがって、最右側反射点と最左側反射点とを高精度に求めることができるので、第1距離と第2距離を高精度に算出することができる。
第3の観点によれば、第1コーナー部算出部および第2コーナー部算出部のうちいずれか一方のコーナー部算出部で求められる右側コーナー部と左側コーナー部との間の距離を駐車車両の車両幅方向の寸法として推定する車幅推定部を備える。
したがって、駐車車両の車両幅方向の寸法を高精度に推定することができる。
第4の観点によれば、中心線判別部は、画像センサで撮像される駐車車両のうち、中心線に関する局所的特徴部位に基づいて、中心線を判別する。
第5の観点によれば、局所的特徴部位は、駐車車両のナンバープレートであり、中心線判別部は、ナンバープレートのうち、車両幅方向中間部を通り、かつ駐車車両の車両進行方向に延びる中心線を判別する。
第6の観点によれば、車両用処理装置は、ナンバープレートが駐車車両のうち車両幅方向の一方側、或いは他方側に偏って配置されているか否かを判定する偏り判定部を備える。車両用処理装置は、ナンバープレートが駐車車両のうち車両幅方向の一方側、或いは他方側に偏って配置されていると偏り判定部が判定したとき、中心線判別部がナンバープレートの中心線を対称軸として判別することを禁止する禁止部を備える。
したがって、誤った対称軸を判別することを未然に防ぐことができる。
第7の観点によれば、局所的特徴部位は、駐車車両のうち、右側ヘッドランプおよび左側ヘッドランプである。中心線判別部は、右側ヘッドランプおよび左側ヘッドランプの間の中間部を通り、車両進行方向に延びる仮想線を中心線として判別する。
第8の観点によれば、局所的特徴部位は、駐車車両のうち、右側フロントピラーおよび左側フロントピラーである。中心線判別部は、右側フロントピラーおよび左側フロントピラーの間の中間部を通り駐車車両の車両進行方向に延びる仮想線を中心線をとして判別する。
第9の観点によれば、車両用処理装置は、相関判定部を備える。相関判定部は、反射点算出部で算出される反射波の受信毎の反射点のうち、中心線に対して駐車車両の車両幅方向右側に位置する右側反射点群と、中心線に対して駐車車両の車両幅方向左側に位置する左側反射点群とに相関性が有るか否かを判定する。
右側反射点群と左側反射点群とに相関性が有ると相関判定部が判定したとき、第1コーナー部算出部および第2コーナー部算出部を実行することを許容する。右側反射点群と左側反射点群とに相関性が無いと相関判定部が判定したとき、第1コーナー部算出部および第2コーナー部算出部を実行することを禁止する。
したがって、右側反射点群と左側反射点群とに相関性が無いとき、第1コーナー部算出部および第2コーナー部算出部を実行することを実施することを未然に禁止することができる。
第10の観点によれば、車両用処理装置は、反射点算出部で算出される反射波の受信毎の反射点の分布のバラツキが大きい否かを判定するバラツキ判定部を備える。反射波の受信毎の反射点のバラツキが小さいとバラツキ判定部が判定したとき、第1コーナー部算出部および第2コーナー部算出部を実行することを許容する。
反射波の受信毎の反射点の分布のバラツキが大きいとバラツキ判定部が判定したとき、第1コーナー部算出部および第2コーナー部算出部を実行することを禁止する。
したがって、反射波の受信毎の反射点の分布のバラツキが大きいとき、第1コーナー部算出部および第2コーナー部算出部を実行することを未然に禁止することができる。