JP7298487B2 - 運搬台車 - Google Patents
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Description
以下、本発明を実施するための形態を、図1-25を用いて説明する。
始めに、第1の実施形態に係る運搬台車1の概要について説明する。以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。本実施形態に係る運搬台車1は、部品箱Aを部品組み立てのステーションBと部品詰所Cとの間で人力により押し動かして運搬するための台車とされる。具体的には、運搬台車1は、上記ステーションBとの間で部品箱Aを流すコンベヤ3と、コンベヤ3を台車本体2に対して部品箱Aの受け渡しに適した位置に昇降させることが可能な昇降装置4と、を備える。
転動輪10は、台車本体2の下部前側における左右方向の中央部分からぶら下がるように設けられている左右一対の車輪である。具体的には、図12に示すように、本体フレーム2aに取り付けられた台座11に対して、左右の転動輪10同士を一体的に繋ぐ車軸12が上下方向に移動可能に設けられている。転動輪10は、転動輪10から左方向に延びる円柱状の巻取部13と、巻取部13の左端から該巻取部13の中心軸に直交する方向にフランジ状に広がる座面15と、を有する。巻取部13には、前出の巻取ケーブル14の一端が取り付けられている。巻取ケーブル14は、巻取部13に巻き取られると、転動輪10と座面15との間に収まる構成とされる。
復帰機構61は、図11及び図12に示すように、転動輪10の車軸12に対して回転可能に取り付けられたフットペダル61aと、フットペダル61aと互いに回転可能に接続された第2リンク61bと、を有する。フットペダル61aは、図11に示すように、車軸12に回転可能に連結される連結部61a2と、連結部61a2から前上方に延び出て作業者により踏み込み操作されるペダル部61a1と、連結部61a2から後上方に延び出た第1リンク61a3と、を一体的に有する構成とされる。第2リンク61bは、リンク接続部61cを介して上記第1リンク61a3と互いに回転可能に接続されている。この第1リンク61a3、第2リンク61b及びリンク接続部61cが、本発明の「屈伸リンク」に相当する。第2リンク61bは、台座接続部61dを介して、台座11に対して回転可能に接続されている。連結部61a2と台座接続部61dとの間には、連結部61a2と台座接続部61dとを互いに近づけるように付勢する不図示の引張バネが設けられている。
昇降フレーム30は、略矩形状に組み付けられたフレーム部材である。昇降フレーム30は、図8に示すように、台車本体2に対して水平とされ上下方向に移動できるように取り付けられる。昇降フレーム30に対して、前出のコンベヤフレーム3aが後下方に傾斜するように一体的に組み付けられる。
定滑車21は、台車本体2の上部左側に前後方向に5つ並んで設けられる。動滑車22は、昇降フレーム30の左部に対して前後方向に5つ並んで設けられる。各定滑車21と各動滑車22とは、図8に示すように、前後方向に交互に並ぶように設けられている。
制限部40は、台車本体2の上部前側及び上部後側における左右方向の中央部分にそれぞれ設けられる略矩形状の板状部材である。各制限部40は、図8に示すように、それぞれが台車本体2の内側に向かって延びるように突出する。コンベヤ3は、各制限部40と当接することで、上昇位置を越えて更に引き上げられることを防止される。
引き込み機構80は、上記各制限部40の左右両隣近傍にそれぞれ位置するように、本体フレーム2aに組み付けられる4つの支持体81を有する。下支え部50は、図14に示すように、引き込み機構80の各支持体81に対して、回転可能に組み付けられる各爪51を有する。各爪51は、各支持体81の各左右面に設けられた各長孔82に嵌め込まれる各突起52を有する。
遮断機構62は、図15に示すように、台車本体2の左側面において、本体フレーム2aに対して上下方向に移動可能に組み付けられた押動部62aと、押動部62aを図15に示す所定の位置で下方から支持する支持部62dと、を有する。押動部62aは、前出の昇降フレーム30の押圧部32に押し上げられる受圧片62bを有する。支持部62dは、本体フレーム2aに対して上下方向に移動できる。支持部62dは、押動部62aのケーブル62cが掛けられる追従滑車62eを有する。上記構成により、支持部62dは、押動部62aが上下方向に移動した際に、ケーブル62cにより押動部62aに追従するように移動する。また、追従滑車62eを介することで、支持部62dの移動速度は、押動部62aの移動速度の略半分の速度とされる。
解除機構70は、図14に示すように、台車本体2の上部左側において、作業者により押し込み操作される解除レバー71と、解除レバー71とケーブルにより連結された分岐部72と、を有する。分岐部72は、本体フレーム2aに対して上下方向に移動可能に設けられる。分岐部72は、前出の各引き込みケーブル83と、台車本体2の下部前側に設けられる摺動部73に繋がる摺動ケーブル74と、を有する。上記構成により、図24に示すように、作業者による解除レバー71の押し込み操作によって、分岐部72が台車本体2に対して上昇する。該分岐部72の上昇により、各引き込みケーブル83と摺動ケーブル74とが引っ張られる。
解除保持機構100は、上記左側に動かされた摺動部73の右側への移動を規制することで、ラチェット17の解除状態を保持する。解除保持機構100は、図12に示すように、中心軸102を中心として上下方向に傾動できるシーソー101を有する。シーソー101には、その左端に重りとなるローラ103と、その右端に前出の復帰ケーブル61fと、がそれぞれ取り付けられている。ローラ103は、図18に示すように、摺動部73が上記ラチェットケーブル18の付勢により右側に位置するときには、重力作用により摺動部73上に乗りあがった状態に保持される。しかし、ローラ103は、図12に示すように、摺動部73が左側に移動することにより、重力作用により本体フレーム2a上に落ち込む。なお、摺動部73が左側に移動する際には、乗りあがったローラ103は、摺動部73上で回転する。同ローラ103の回転により、摺動部73は、ローラ103との摩擦に妨げられることなくスムーズに左側に移動できる。
抑制機構90は、図11に示すように、フロアF上から引き離された転動輪10に対して当接する摩擦輪91を有する。摩擦輪91は、図16に示すように、本体フレーム2aから左方向に延び出た軸93を中心に回転可能に取り付けられている。軸93には、コイル状の圧縮ばね92が設けられている。この圧縮ばね92により、摩擦輪91は、座面部94に押し付けられるように付勢される。同押し付けにより、摩擦輪91は、座面部94との摩擦によって回転速度が抑制される。この摩擦輪91との当接により、転動輪10の回転速度が抑制される。
以下では、上述した運搬台車1の構成に基づいて、運搬台車1の一連の動作について説明する。先ず、作業者は、図1に示すように、運搬台車1をステーションBに連結する。そして、作業者は、解除レバー71を操作してコンベヤ3を下降位置に切り替える。該切り替えによって、図1に示すように、コンベヤ3がステーションBのストッパ(不図示)を押し下げて、ステーションBの下段側コンベヤから空の部品箱Aが運搬台車1のコンベヤ3上に流される。部品箱Aは、コンベヤ3の台車本体2に対して後下方に向かう傾斜により、ステーションBに逆戻りせずコンベヤ3の後方に向かって流れる。上記後方に流された部品箱Aは、コンベヤ3に設けられたストッパ(不図示)により受け止められる。
以上をまとめると、本実施形態の運搬台車1は次のような構成となっている。すなわち、部品箱(A)を流すコンベヤ(3)と、該コンベヤ(3)を台車本体(2)に対して昇降させる昇降装置(4)と、を備える運搬台車(1)である。昇降装置(4)が、台車本体(2)に取り付けられて該台車本体(2)の走行に伴いフロア(F)上を転動するラチェット(17)式の転動輪(10)と、該転動輪(10)とコンベヤ(3)とに繋がれて転動輪(10)の転動に伴い巻き取られることでコンベヤ(3)を台車本体(2)に対して引き上げるケーブル(14)と、該ケーブル(14)の配索経路の途中に掛けられる複滑車(20)であって台車本体(2)に取り付けられる定滑車(21)とコンベヤ(3)に取り付けられる動滑車(22)との組み合わせから成る複滑車(20)と、コンベヤ(3)が所定の上昇位置に達する動作により押し動かされて転動輪(10)をフロア(F)上から引き離す遮断機構(62)と、台車本体(2)に設けられた解除レバー(71)の操作により転動輪(10)の逆転止め状態を解除してコンベヤ(3)を重力作用により下降させる解除機構(70)と、転動輪(10)をフロア(F)上から引き離された状態からフロア(F)上に逆転止めした状態として接地させるフットペダル(61a)式の復帰機構(61)と、を有する。
以上、本発明を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、各種の形態で実施することができるものである。
2 台車本体
2a 本体フレーム
2b キャスタ
2c 把持部
3 コンベヤ
3a コンベヤフレーム
3b ローラコンベヤ
4 昇降装置
10 転動輪
11 台座
12 車軸
13 巻取部
14 巻取ケーブル(ケーブル)
14a 滑車
15 座面
16 規制部
17 ラチェット
18 ラチェットケーブル
20 複滑車
21 定滑車
22 動滑車
30 昇降フレーム
31 連動ケーブル
31a 滑車
32 押圧部
40 制限部
50 下支え部
51 爪
52 突起
60 切替機構
61 復帰機構
61a フットペダル
61a1 ペダル部
61a2 連結部
61a3 第1リンク(屈伸リンク)
61b 第2リンク(屈伸リンク)
61c リンク接続部(屈伸リンク)
61d 台座接続部
61e 復帰部
61f 復帰ケーブル
62 遮断機構
62a 押動部
62b 受圧片
62c ケーブル
62d 支持部
62e 追従滑車
62f 遮断ケーブル
62g 遮断部
70 解除機構
71 解除レバー
71a ケーブル
72 分岐部
73 摺動部
74 摺動ケーブル
80 引き込み機構
81 支持体
82 長孔
83 引き込みケーブル
90 抑制機構
91 摩擦輪
92 圧縮ばね
93 軸
94 座面部
100 解除保持機構
101 シーソー
102 中心軸
103 ローラ
A 部品箱
B ステーション
C 部品詰所
F フロア
P 当接点
Q 取付点
Claims (4)
- 部品箱を流すコンベヤと、該コンベヤを台車本体に対して昇降させる昇降装置と、を備える運搬台車であって、
前記昇降装置が、
前記台車本体に取り付けられて該台車本体の走行に伴いフロア上を転動するラチェット式の転動輪と、
該転動輪と前記コンベヤとに繋がれて前記転動輪の転動に伴い巻き取られることで前記コンベヤを前記台車本体に対して引き上げるケーブルと、
該ケーブルの配索経路の途中に掛けられる複滑車であって前記台車本体に取り付けられる定滑車と前記コンベヤに取り付けられる動滑車との組み合わせから成る前記複滑車と、
前記コンベヤが所定の上昇位置に達する動作により押し動かされて前記転動輪を前記フロア上から引き離す遮断機構と、
前記台車本体に設けられた解除レバーの操作により前記転動輪の逆転止め状態を解除して前記コンベヤを重力作用により下降させる解除機構と、
前記転動輪を前記フロア上から引き離された状態から前記フロア上に逆転止めした状態として接地させるフットペダル式の復帰機構と、を有する運搬台車。 - 請求項1に記載の運搬台車であって、
当該運搬台車が、更に、前記解除レバーの操作により前記解除機構を前記転動輪の逆転止め状態を解除した状態に保持し、前記復帰機構の動作により解除保持状態がキャンセルされる解除保持機構を有する運搬台車。 - 請求項1又は請求項2に記載の運搬台車であって、
当該運搬台車が、更に、前記台車本体に取り付けられ、付勢により前記コンベヤが前記所定の上昇位置へと引き上げられる動きは逃がすが前記コンベヤが前記所定の上昇位置へと達することで前記コンベヤを下支えすることのできる状態へと突出する下支え部と、該下支え部を前記解除レバーの操作により前記コンベヤの下降を妨げない位置へと引き込む引き込み機構と、を有する運搬台車。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の運搬台車であって、
前記遮断機構及び前記復帰機構が、屈伸リンクを伸張させる操作により前記転動輪を前記フロア上に接地させた状態に突っ張らせ、前記屈伸リンクを屈曲させる操作により前記転動輪を前記フロア上から引き離す切替機構から成る運搬台車。
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