JP7298191B2 - 加飾成形用両面粘着シート、加飾成形用積層粘着シート及び加飾成形積層体 - Google Patents

加飾成形用両面粘着シート、加飾成形用積層粘着シート及び加飾成形積層体 Download PDF

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Description

本発明は、加飾成形用両面粘着シート、加飾成形用積層粘着シート及び加飾成形積層体に関する。
従来、自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などの表面を保護したり、装飾(加飾)をする場合、射出成形や真空成形によって成形体を加工した後、成形体の表面にスプレー塗装などで塗料を塗布し、乾燥・加熱硬化させることが行われていた。しかし、この様な塗装は、揮発性有機溶剤の排出が作業環境を悪化させるという問題に加え、成形部品ごとの作業工程と生産設備が必要となることや、塗料の重ね塗りが必要となるため塗料の歩留りが悪く、生産性が低いという問題があった。
近年は、自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などを軽量化する目的で、成形体として樹脂成形体の使用が進んでいる。樹脂成形体の装飾(加飾)には、スプレー塗装が適さない場合が多く、樹脂成形体の表面を加飾するために、様々な手法が開発されている。中でも、成形体の最表面を、加飾フィルムで加飾して加飾成形体を得る方法は、塗料等を使って表面に塗布又は印刷する方法よりも、意匠の自由度が高く、生産性も優れるといった利点を有する。また、加飾フィルムを用いた加飾方法は、三次元的な凹凸を有する成形体表面も加飾をすることができるため、様々な用途に用いられている。
例えば、特許文献1には、基材層と、粘着剤層とを有する加飾成形用積層体であって、粘着剤層がシリコーン系粘着剤層と、アクリル系粘着剤層を有する加飾成形用積層体が開示されている。また、特許文献2には、表層フィルムの下面に接着剤層を有する真空成型用シートが開示されている。ここでは、接着剤層に、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂にポリイソシアネート1.5~2.5当量を配合し硬化したものを用いている。
特開2017-154410号公報 特開2010-120209号公報
加飾成形体においては、当然ながら被着体と加飾フィルムが十分に密着しており、容易に剥離しないことが求められている。しかしながら、被着体にポリオレフィン系の素材を用いた場合に、従来の加飾成形用粘着シート(加飾成形用積層体)を用いると、被着体に対する加飾フィルムの密着性が十分に発揮されないという問題があった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾成形用両面粘着シート及び加飾成形用積層粘着シートを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、オレフィン系エラストマーを含有する粘着剤層を形成することにより、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾成形用両面粘着シート及び加飾成形用積層粘着シートが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] オレフィン系エラストマーを含む、加飾成形用両面粘着シート。
[2] ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体への貼合用である、[1]に記載の加飾成形用両面粘着シート。
[3] オレフィン系エラストマーが、ブロック共重合体である、[1]又は[2]に記載の加飾成形用両面粘着シート。
[4] オレフィン系エラストマーが、ブロック共重合体であって、ブロック共重合体は、その一部にスチレン系ポリマーから構成されるブロックを有する、[1]~[3]のいずれかに記載の加飾成形用両面粘着シート。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の加飾成形用両面粘着シートと、表面側層とを備える、加飾成形用積層粘着シート。
[6] 加飾成形用積層粘着シートは、真空条件下又は減圧条件下における加飾成形用に用いられる、[5]に記載の加飾成形用積層粘着シート。
[7] [5]又は[6]に記載の加飾成形用積層粘着シートを、被着体に貼合してなる加飾成形積層体。
[8] 被着体がポリオレフィン系樹脂を主成分として含む、[7]に記載の加飾成形積層体。
[9] 被着体が乗物構成部材、電子機器構成部材又は建材である、[7]又は[8]に記載の加飾成形積層体。
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾成形用両面粘着シート及び加飾成形用積層粘着シートを得ることができる。
図1は、剥離シート付き加飾成形用両面粘着シートの構成の一例を表す断面図である。 図2は、加飾成形用積層粘着シートの構成の一例を表す断面図である。 図3は、加飾成形積層体の構成の一例を表す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(加飾成形用両面粘着シート)
本発明は、オレフィン系エラストマーを含む、加飾成形用両面粘着シートに関する。本発明の粘着シートは、上記構成を有するため、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する。このため、本発明の加飾成形用両面粘着シートは、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体への貼合用として好ましく用いられる。
従来、加飾成形体の被着体としては、ポリカーボネート系樹脂やABS樹脂が用いられていた。このため、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体を加飾するための粘着シートについては、詳細な検討がなされていなかった。そこで、本発明者らが被着体としてポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体を用いた場合、従来の加飾フィルムでは、被着体への密着性が十分ではなく、耐久性や意匠性に優れた加飾成形体が得られにくいことを突き止めた。そこで、本発明は、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体を用いた場合に、優れた密着性を発揮すべく最適な構成を有する加飾成形用両面粘着シートを提供するものである。
加飾成形用両面粘着シートは、単層の粘着剤層からなる両面粘着シートであることが好ましいが、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層した複層の両面粘着シートであってもよい。加飾成形用両面粘着シートが支持体を有する場合、支持体としては透明な支持体を用いることが好ましい。
オレフィン系エラストマーは、α-オレフィンに由来する単位を含む。本発明で用いるオレフィン系エラストマーは、α-オレフィンを重合させることで得られるポリ-α-オレフィン系エラストマーであってもよい。オレフィン系エラストマーとしては、例えば、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテン共重合体、1-ブテン単独重合体、1-ブテン・エチレン共重合体、1-ブテン・プロピレン共重合体、4-メチルペンテン-1単独重合体、4-メチルペンテン-1・プロピレン共重合体、4-メチルペンテン-1・1-ブテン共重合体、4-メチルペンテン-1・プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体等が挙げられる。また、オレフィン系エラストマーは、2-メチル-1,3-ブタジエン単独重合体(ポリイソプレン)、2-メチル-1,3-ブタジエン共重合体、1,3ブタジエン単独重合体(ポリブタジエン)などのポリマー鎖に不飽和結合を含有するエラストマーであってもよい。また、耐候性の観点からポリイソプレン、ポリブタジエンの水添化合物を用いてもよい。
オレフィン系エラストマーは、ブロック共重合体であることが好ましい。オレフィン系エラストマーがブロック共重合体である場合、ブロック共重合体としては、例えば、プロピレン/エチレンブロック共重合体、プロピレン/エチレン/1-ブテンブロック共重合体、1-ブテン/エチレンブロック共重合体、1-ブテン/プロピレンブロック共重合体、4-メチルペンテン-1/プロピレンブロック共重合体、4-メチルペンテン-1/1-ブテンブロック共重合体、4-メチルペンテン-1/プロピレン/1-ブテンブロック共重合体、プロピレン/1-ブテンブロック共重合体、イソプレン/ブタジエン共重合体等が挙げられる。また、耐候性の観点からポリマー鎖に不飽和結合を有するエラストマーを用いてもよく、このようなエラストマーに関してはその水添化合物も例示される。
オレフィン系エラストマーがブロック共重合体である場合、ブロック共重合体は、α-オレフィンを重合させることで得られるブロックと、他のポリマーから構成されるブロックとを含む。この場合、他のポリマーから構成されるブロックとしては、例えば、スチレン系ポリマーから構成されるブロック、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーから構成されるブロック等が挙げられる。中でも、他の、ポリマーから構成されるブロックはスチレン系ポリマーから構成されるブロックであることが好ましい。すなわち、オレフィン系エラストマーがブロック共重合体である場合、ブロック共重合体は、その一部にスチレン系ポリマーから構成されるブロックを有するものであることが好ましい。
オレフィン系エラストマーの含有量は、加飾成形用両面粘着シートの全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。オレフィン系エラストマーの含有量を上記範囲とすることにより、本発明の加飾成形用両面粘着シートは、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体に対して、より優れた密着性を発揮することができる。
オレフィン系エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であることが好ましく、-10℃以下であることがより好ましい。オレフィン系エラストマーのガラス転移温度を上記範囲とすることにより、本発明の加飾成形用両面粘着シートは、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体に対して、より優れた密着性を発揮することができる。
加飾成形用両面粘着シートは、オレフィン系エラストマーの他に、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、粘着付与剤、オイル成分、軟化剤、老化防止剤、架橋剤、顔料、水素引抜型開始剤を挙げることができる。中でも、加飾成形用両面粘着シートは、シランカップリング剤、粘着付与剤、オイル成分及び水素引抜型開始剤を含むことが好ましい。加飾成形用両面粘着シートがこれらの添加剤を含むことにより、両面粘着シートの粘着性をより高めることができ、耐久性や耐候性等を高めることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト基を含有するメルカプト系シランカップリング剤や、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤、ビニル基を有するビニル系シランカップリング剤等が挙げられる。これらの中でも、本発明の用途ではメルカプト系シランカップリング剤を用いることが好ましい。メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、トリエトキシ(2-メルカプトエチル)シラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、4-メルカプトブチルトリメトキシシラン、10-メルカプトデシルトリエトキシシラン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、11-メルカプトウンデシルトリエトキシシランなどが例示できる。
シランカップリング剤の含有量は、加飾成形用両面粘着シートの全質量に対して、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、加飾成形用両面粘着シートの全質量に対して、
5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましい。
粘着付与剤としては、例えば、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂などの石油系樹脂を挙げることができる。この中でもスチレン系樹脂が好ましく用いられる。
オイル成分としてはパラフィン系やナフテン系のシステムオイルが好ましく、ゴムの劣化が起き難い等の理由から、パラフィン系のシステムオイルがより好ましく用いられる。
水素引抜型開始剤としては、ベンゾイルギ酸メチルや4メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が挙げられる。水素引抜型開始剤の含有量は、加飾成形用両面粘着シートの全質量に対して、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、シランカップリング剤の含有量は、加飾成形用両面粘着シートの全質量に対して、5.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましい。水素引抜型開始剤の含有量を上記範囲内とすることにより、加飾成形用両面粘着シートは活性エネルギー線硬化性を有することも可能となるため、プレキュアやアフタキュアにより凝集力を高めることも可能となる。
本発明の加飾成形用両面粘着シートの厚みは、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。また、本発明の加飾成形用両面粘着シートの厚みは、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましく、150μm以下であることが一層好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。加飾成形用両面粘着シートの厚みを上記範囲内とすることにより、耐久性を高めることができ、被着体との密着性をより効果的に高めることができる。また、加飾成形用両面粘着シートの厚さを上記範囲内とすることにより、両面粘着シートの製造が容易となる。
加飾成形用両面粘着シートの表面は剥離シートによって覆われていることが好ましい。すなわち、本発明は、剥離シート付き加飾成形用両面粘着シートに関するものであってもよい。図1は、剥離シート付き加飾成形用両面粘着シート1の構成の一例を表す断面図である。図1に示された加飾成形用両面粘着シート11は剥離シート(12a、12b)を有している。なお、図1の加飾成形用両面粘着シート11は、基材レスタイプの単層の両面粘着シートである。
剥離シートとしては、剥離シート用基材とこの剥離シート用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層シート、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
剥離シート付き加飾成形用両面粘着シートは、両面粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを備えることが好ましい。すなわち、両面粘着シートの一方の表面に第1の剥離シートを備え、両面粘着シートの他方の表面に第2の剥離シートを備え、第1の剥離シート及び第2の剥離シートの剥離力が互いに異なることが好ましい。図1の例では、剥離シートを剥離しやすくするために、剥離シート12aと剥離シート12bとの剥離性を異なるものとすることが好ましい。つまり、一方からの剥離性と他方からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方の剥離シート12だけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて剥離シート12aと剥離シート12bの剥離シート12の剥離性を調整すればよい。
(加飾成形用両面粘着シートの製造方法)
本発明の加飾成形用両面粘着シートの製造方法は、オレフィン系エラストマーを含む粘着剤組成物を硬化する工程を含む。粘着剤組成物は、オレフィン系エラストマーの他に、さらにシランカップリング剤、粘着付与剤、オイル成分、軟化剤、老化防止剤、架橋剤、顔料、水素引抜型開始剤等を含んでいてもよい。
粘着剤組成物を作製する際には、オレフィン系エラストマーをトルエン等の溶剤に溶解して、シランカップリング剤、粘着付与剤、オイル成分等を混合することにより製造することが好ましい。なお、オレフィン系エラストマーを含むペレット状のゴムを加熱することにより軟化させて、ニーダによりシランカップリング剤、粘着付与剤やオイル成分を混練する方法を採用することもできる。
上記のようにして作製した粘着剤組成物を、既存の方法により塗工することにより加飾成形用両面粘着シートを得ることができる。溶剤に溶解して製造した粘着剤組成物を用いる場合は、ナイフコーター等で塗工した後、乾燥炉にて溶剤を乾燥させることでシート化できる。一方、加熱による混練法で製造した粘着剤を用いる場合は、予め加熱することにより粘着剤組成物を軟化さることが可能なホットメルトコーダーを用いることによりシート化が可能となる。
粘着シートは、第1の剥離シートの上に形成されることが好ましく、第1の剥離シートの上に上述した方法で粘着シートを形成した後に、第2の剥離シートを積層することが好ましい。このように、粘着シートの両面に剥離シートが積層された剥離シート付き加飾成形用両面粘着シートを製造することができる。
(加飾成形用積層粘着シート)
本発明は、加飾成形用両面粘着シートと、表面側層とを備える加飾成形用積層粘着シートに関するものでもある。加飾成形用積層粘着シートが備える加飾成形用両面粘着シートは、上述した加飾成形用両面粘着シートであり、好ましい態様も上述したとおりである。なお、本明細書においては、加飾成形用積層粘着シートを加飾フィルムと呼ぶこともある。
本発明の加飾成形用積層粘着シートは、上記構成を有するため、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する。このため、本発明の加飾成形用積層粘着シートは、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体への貼合用として好ましく用いられる。ここで、加飾成形用積層粘着シートと被着体の密着性は、被着体から加飾成形用積層粘着シートを剥離する際の粘着力を測定することで評価できる。具体的には、被着体表面を被覆する加飾成形用積層粘着シートの表面側層を、引っ張り試験機を用いて、剥離速度300mm/minの剥離速度、剥離角度180度、測定温度23℃、相対湿度50%の条件で被着体から剥がしたときの粘着力を測定する。この際の粘着力は、3.0N/25mm以上であることが好ましく、5.0N/25mm以上であることがより好ましく、10.0N/25mm以上であることがさらに好ましい。ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体としては、例えば、ポリプロピレン製の被着体やポリエチレン製の被着体が挙げられるが、本発明の加飾成形用積層粘着シートは、ポリプロピレン製の被着体及びポリエチレン製の被着体の両方に優れた密着性を発揮することが好ましい。
図2は、加飾成形用積層粘着シートの構成の一例を説明する断面図である。図2に示されるように、加飾成形用積層粘着シート30は、表面側層21と、粘着剤層である加飾成形用両面粘着シート11を含む。本明細書においては、加飾成形用両面粘着シート11が加飾成形用積層粘着シート30中に含まれる場合には、加飾成形用両面粘着シート11を粘着剤層11と呼ぶこともある。
図2においては、表面側層21は単層であるが、表面側層21は複数の層から構成される層であってもよい。すなわち、本明細書においては、粘着剤層11よりも露出表面側に位置する層をまとめて表面側層21と呼ぶ。なお、このような場合、表面側層21は、複数の層を積層するためにさらに粘着剤層を有していてもよいが、表面側層21中に含まれる粘着剤層は、被着体に直接貼合される加飾成形用両面粘着シート11(粘着剤層11)とは異なる粘着剤層である。
表面側層を構成する層としては、例えば、基材層、加飾層、表面保護層、粘着剤層、反射防止層、防眩層などの機能層等を挙げることができる。
基材層は、成形工程において被着体に追従する形で延伸可能なものであることが好ましい。基材層を構成する材料は、例えば、プラスチックであることが好ましい。プラスチックとしては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、及び、スチレンの共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレンの共重合体)、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ウレタン樹脂等が好ましい。これらの中でも、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン形樹脂がより好ましい。基材層は、これらの樹脂にカーボン(グラファイト)等が配合された有色の層であってもよい。
加飾層は、印刷層であることが好ましい。印刷層は、例えば熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を主剤とするインクを用いて、基材層の一方の面側に印刷を施すことによって形成される印刷は、例えばインクジェット印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法を採用することができる。
表面保護層は、表面側層においては、最も露出表面側に配置され、耐傷性や耐候性を高める働きをする層であることが好ましい。このため、表面保護層は硬化性樹脂層を含む層であることが好ましく、ハードコート層であることがより好ましい。中でも、硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましく、紫外線硬化性樹脂であることがより好ましい。この場合、表面保護層を形成するための樹脂組成物は、例えば、紫外線硬化性樹脂に加えて光重合開始剤を含むことが好ましい。
表面保護層は、さらに微粒子を含んでもよい。微粒子としては、例えば、無機微粒子を挙げることができ、金属酸化物を好ましく例示することができる。また、必要に応じて、顔料や染料を含んでもよい。また、表面保護層は、必要に応じて、顔料分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、ハルス、酸化防止剤、帯電防止剤、耐磨耗防止剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。
上述したような各機能層を貼合する目的で、表面側層は、粘着剤層を含んでいてもよい。このような粘着剤層を構成する粘着剤としては、公知の粘着剤を利用することができる。粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は、溶剤系、無溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。これらの中でも、透明度、耐候性、耐久性、コスト等の観点から、アクリル系粘着剤が好ましく、特に溶剤系アクリル系粘着剤が好ましい。
表面側層は、さらにプロテクトフィルムや最表層に粘着剤層がある場合はセパレーター層を含んでいてもよい。プロテクトフィルムやセパレーター層は、表面保護層を一時的に保護するために設けられるものである。例えば、使用時までに表面保護層に傷がつくこと等を防止するために設けられる。プロテクトフィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体からなる自着性フィルムや、PETフィルムなどにウレタン系及び/又はアクリル系の再剥離性を有する粘着剤層を積層した微粘着フィルムであることが好ましい。セパレーター層は、例えば、上述したような基材層の表面にシリコーン等の剥離層を設けた構成であることが好ましい。このようなセパレーター層は、製造工程や使用時に剥離され、加飾成形用積層粘着シートから除去されてもよい。
表面側層の構成としては、例えば、以下のような層構成が挙げられる。なお、各層を接着するために、必要に応じて各層の間には粘着剤層が設けられていてもよい。
(1)加飾層、表面保護層がこの順で設けられた構成
(2)加飾層、基材層がこの順で設けられた構成
(3)基材層、加飾層がこの順で設けられた構成
(4)加飾層、基材層、表面保護層がこの順で設けられた構成
(5)上述した(1)~(4)の構成の最表面にさらにプロテクトフィルムが設けられた構成
(6)上述した(1)~(4)の構成の最表面にさらに粘着剤層及びセパレーター層が設けられた構成
(加飾成形用積層粘着シートの製造方法)
加飾成形用積層粘着シートの製造方法は、加飾成形用両面粘着シートと表面側層とを貼合する工程を含む。具体的には、上述した加飾成形用両面粘着シートの製造方法で製造された剥離シート付き加飾成形用両面粘着シートにおいて、一方の剥離シートを剥離することで露出した加飾成形用両面粘着シートの粘着面を表面側層に貼合する。貼合方法としては既存の貼合機を使用することができる。例えば、加飾成形用両面粘着シートと表面側層は、ロールtoロール、シートtoロール、ロールtoシート、シートtoシートなどの組合せで貼合してよく、この際、ニップロールやローラーなどで加圧しながら貼合することが好ましい。
(加飾成形積層体)
本発明は、加飾成形用積層粘着シートを、被着体に貼合してなる加飾成形積層体に関するものでもある。加飾成形積層体が備える加飾成形用積層粘着シートは、上述した加飾成形用積層粘着シートであり、好ましい態様も上述したとおりである。なお、加飾成形積層体においては、被着体に加飾成形用積層粘着シートが積層され、被着体の表面の少なくとも一部が被覆された状態である。本明細書においては、加飾成形積層体を、単に加飾成形体と呼ぶこともある。
図3は、加飾成形積層体の構成の一例を説明する断面図である。図3に示されるように、加飾成形積層体100は、被着体50に、加飾成形用積層粘着シートが積層された構成を有する。図3に示されるように、加飾成形用積層粘着シートは、加飾成形用両面粘着シート11(粘着剤層11)と、表面側層21を有しており、粘着剤層11が被着体50に直接貼り合わされている。
従来、加飾成形積層体の被着体としては、ポリカーボネート系樹脂やABS樹脂が用いられていたが、本発明においては、粘着剤層がオレフィン系エラストマーを含むため、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体を用いた場合であっても、加飾フィルムが十分に密着した加飾成形積層体が得られる。このため、本発明では、加飾成形積層体の被着体として、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体を用いることが特に適した態様である。
被着体の形状は特に限定されるものではなく、板状であってもよく、3次元立体形状を有するものであってもよい。また、被着体は、その表面の一部に凹凸構造を有するものであってもよい。
被着体は、乗物構成部材、電子機器構成部材又は建材であることが好ましい。乗物構成部材としては、例えば、自動車部材(例えば、ボディー、バンパー、スポイラー、ミラー、ホイール、内装材等の部品であって、各種材質のもの)、二輪車用部材、鉄道車両用部材が挙げられる。また、電子機器構成部材としては、家電製品等の電子機器や、パソコンといった液晶表示装置等を挙げることができる。建材としては、家具、建築材料等を挙げることができる。さらに、被着体は、道路用資材(例えば、交通標識、防音壁等)、トンネル用資材(例えば、側壁板等)、楽器、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具等であってもよい。
(加飾成形積層体の製造方法)
加飾成形積層体の製造方法は、加飾成形用積層粘着シートを被着体に熱接着する工程を含むことが好ましい。加飾成形積層体の製造方法としては、例えば、加飾成形用積層粘着シートを熱プレス成形、射出成形、インサート成形、真空条件下又は減圧条件下における成形等を挙げることができる。中でも、加飾成形積層体の製造方法は、真空条件下又は減圧条件下における成形であることが好ましく、上述した加飾成形用積層粘着シートは、真空条件下又は減圧条件下における加飾成形用に適した粘着シートである。
本明細書において、真空条件下又は減圧条件下での成形は、いわゆるTOM成形と呼ばれるものである。TOM成形工法においては、真空条件下又は減圧条件下において、加飾成形用積層粘着シートを被着体に積層する工程と、気圧差により、加飾成形用積層粘着シートを被着体に圧着する工程を含む。さらに、TOM成形においては、加飾成形用積層粘着シートを被着体に圧着する工程の後に、加飾成形用積層粘着シートの表面を100℃以上180℃以下に加熱する工程を含むことが好ましい。この場合、加熱には、赤外線ヒーターを使用することが好ましい。
なお、本明細書においては、真空条件下又は減圧条件下での成形には、成形体に真空孔を設けたものを利用して、積層体と成形体を密着させる工法は含まれない。具体的には、真空条件下又は減圧条件下での成形は、特許第3733564号公報に記載の「真空成形装置」を用いることで実施をすることができる。
なお、加飾成形積層体の製造方法として、射出成形工法を採用する場合には、加飾成形用積層粘着シートを射出成形機の金型内に固定し、金型内に被着体を構成するポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を射出し、該樹脂組成物を固化することで加飾成形積層体を得る。また、加飾成形積層体の製造方法として、インサート成形工法を採用する場合には、加飾成形用積層粘着シートを加熱軟化させて、成形等の処理を施した後、成形金型内に挿入し、成形金型内にポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を射出し、該樹脂組成物を固化することで加飾成形積層体を得る。熱プレス成形は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする被着体に加飾成形用積層粘着シートを積層した後に、加熱加圧する成形工法であり、射出成形やインサート成形工法の一部に熱プレス工程が含まれていてもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<粘着剤組成物の製造>
粘着剤組成物(A-1)
オレフィン系エラストマー(クラレ社製、セプトン2063)100質量部、スチレン系粘着付与剤(三井化学社製、FTR8100)70質量部、パラフィン系オイル(出光社製、ダイアナプロセスオイルPW-90)50質量部、シランカップリング剤(信越化学工業社製、X-41-1818)0.5質量部をトルエンに溶解し均一になるまで撹拌して、固形分濃度45質量%の粘着剤組成物(A-1)を得た。撹拌は、23℃で4時間撹拌した。なお、固形分とはオレフィン系エラストマー、シランカップリング剤、粘着付与剤、オイル成分のことを指す。
粘着剤組成物(A-2)
オレフィン系エラストマー(クラレ社製、セプトン8007L)を使用した以外は粘着剤組成物(A-1)の作製方法と同様にして固形分濃度45質量%の粘着剤組成物(A-2)を得た。なお、オレフィン系エラストマー(クラレ社製、セプトン8007L)は、ブロック共重合体であって、その一部にスチレン系ポリマーから構成されるブロックを有する重合体である。
粘着剤組成物(A-3)
スチレン系粘着付与剤の添加量を100質量部、パラフィン系オイルの添加量を100質量部に変更した以外は粘着剤組成物(A-1)の作製方法と同様にして固形分濃度45質量%の粘着剤組成物(A-3)を得た。
粘着剤組成物(A-4)
スチレン系粘着付与剤の添加量を30質量部、パラフィン系オイルの添加量を25質量部に変更した以外は粘着剤組成物(A-1)の作製方法と同様にして固形分濃度45質量%の粘着剤組成物(A-4)を得た。
粘着剤組成物(B-1)
撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却管を備えた反応容器に、アクリル酸nブチル(BA)と、2-ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)を、質量比が80:20となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱することでモノマー成分をランダム共重合させ、共重合体(B)の溶液を得た。上記で得られた共重合体(B)の固形分100質量部に対して、架橋剤としてキシリレンジイソシアネート化合物(三井化学(株)製、タケネートD-110N)を0.11質量部加えて、固形分濃度が40質量%となるように酢酸エチルを添加して、粘着剤組成物(B-1)を得た。
粘着剤組成物(C-1)
酸成分として、テレフタル酸:イソフタル酸:アジピン酸を30:30:40となるように配合し、グリコール成分として、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールを25:75となるように配合し、触媒(テトラブチルチタネート)の存在下、加熱することで、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を得た。上記で得られた熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を溶剤(メチルエチルケトン)に溶解し、固形分濃度が30質量%の溶液となるように希釈撹拌した。次いで、該溶液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン製、「コロネートHX」(ヘキサメチレンジイソシアネート)、固形分濃度100質量%)を、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して2質量部加えることで粘着剤組成物(C-1)を得た。
<粘着シートの作製>
(実施例1)
上記で作製した粘着剤組成物(A-1)を、ナイフコーターを用いて重剥離力側の剥離シート(王子エフテックス社製:RL-07(2))に、乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工した後、100℃で3分間乾燥して溶剤のトルエンを揮発させ、両面粘着シートを得た。得られた粘着シートの上に軽剥離力側の剥離シート(王子エフテックス社製:RL-07(L))をラミネートすることにより剥離シート付き両面粘着シートを得た。
次いで、上記両面粘着シートの軽剥離力側の剥離シートを剥がし、表面側層(三菱レイヨン社製、アクリプレンHBA001P、鉛筆硬度は2H、厚さ125μm)と貼合することによって加飾成形用積層粘着シートを得た。
(実施例2)
粘着剤組成物(A-1)を粘着剤組成物(A-2)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用積層粘着シートを得た。
(実施例3)
粘着剤組成物(A-1)を粘着剤組成物(A-3)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用積層粘着シートを得た。
(実施例4)
粘着剤組成物(A-1)を粘着剤組成物(A-4)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用積層粘着シートを得た。
(比較例1)
粘着剤組成物(A-1)を粘着剤組成物(B-1)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用積層粘着シートを得た。
(比較例2)
粘着剤組成物(A-1)を粘着剤組成物(C-1)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾成形用積層粘着シートを得た。
(密着性の評価方法)
<加飾成形積層体の作製>
各実施例及び比較例で得た加飾成形用積層粘着シートを用いて加飾成形積層体を作製した。まず、重剥離力側の剥離シートを取り外した加飾成形用積層粘着シートをTOM成形機にセットした。被着体としては、2.0mm×25mm×150mmのポリエチレン板(住友化学社製、住友ノーブレンAZ864)、もしくは、ポリプロピレン板(住友化学社製、スミカセン(登録商標)-L GA401)をそれぞれ用いた。該被着体と加飾成形用積層粘着シートの粘着剤層とが向き合うように、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成形機)にセットした。TOM成形機を用いて130℃で加飾成形用積層粘着シートを上記成形体に積層させることによって、加飾成形積層体を得た。
<評価>
TOM成形機により作製した成形品の表面側層を、引っ張り試験機を用いて、剥離速度300mm/ minの剥離速度、剥離角度180度、測定温度23℃、相対湿度50%の条件で被着体から剥がしたときに、剥がすのに要する力(粘着力)を測定し、下記の基準で評価した。
◎・・・粘着力が10.0N/25mm以上
○・・・粘着力が10.0N/25mm未満、5.0N/25mm以上
△・・・粘着力が5.0N/25mm未満、3.0N/25mm以上
×・・・粘着力が3.0N/25mm未満
Figure 0007298191000001
実施例で得られた加飾成形用積層粘着シートは、ポリエチレン製及びポリプロピレン製の被着体に対して良好な密着性を示した
。一方、比較例で得られた加飾成形用積層粘着シートは、ポリエチレン製及びポリプロピレン製の被着体に対する密着性が不十分であった。
1 剥離シート付き加飾成形用両面粘着シート
11 加飾成形用両面粘着シート(粘着剤層)
12a、12b 剥離シート
21 表面側層
30 加飾成形用積層粘着シート
50 被着体
100 加飾成形積層体

Claims (7)

  1. オレフィン系エラストマー、粘着付与樹脂、オイル成分及びシランカップリング剤を含む、加飾成形用両面粘着シートであって、
    前記オレフィン系エラストマーは、ブロック共重合体であり、
    前記ブロック共重合体は、水添化合物であるα-オレフィンを重合させることで得られるブロックと、スチレン系ポリマーから構成されるブロックを有し、
    前記オレフィン系エラストマーの含有量は、前記加飾成形用両面粘着シートの全質量に対して、40質量%以上であり、
    単層の粘着剤層からなる、加飾成形用両面粘着シート。
  2. ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む被着体への貼合用である、請求項1に記載の加飾成形用両面粘着シート。
  3. 請求項1又は2に記載の加飾成形用両面粘着シートと、表面側層とを備え、
    前記表面側層は、基材層、加飾層、表面保護層、反射防止層及び防眩層から選択される少なくとも1種である、加飾成形用積層粘着シート。
  4. 前記加飾成形用積層粘着シートは、真空条件下又は減圧条件下における加飾成形用に用いられる、請求項3に記載の加飾成形用積層粘着シート。
  5. 請求項3又は4に記載の加飾成形用積層粘着シートを、被着体に貼合してなる加飾成形積層体。
  6. 前記被着体がポリオレフィン系樹脂を主成分として含む、請求項5に記載の加飾成形積層体。
  7. 前記被着体が乗物構成部材、電子機器構成部材又は建材である、請求項5又は6に記載の加飾成形積層体。
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セプトン:スチレン系熱可塑性エラストマー,日本,2020年05月15日,https://www.enplanet.com/Company/00000029/Ja/Data/p004.html,「セプトン」とは,分子構造モデル,「セプトン」の基本物性(代表値)

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