JP7298109B1 - 活性エネルギー線硬化型組成物及び印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、流動性などの印刷適性、耐摩擦性、耐熱性、硬化性、及び保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物、ならびに、該インキを用いた印刷物を提供することである。【解決手段】樹脂2種以上と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合禁止剤と、光重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキであって、樹脂が、ジアリルイソフタレート樹脂を特定量、フルオレン骨格を有する光重合開始剤を特定量含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
フォーム輪転印刷は、一般的に、固定絵柄をフォーム輪転印刷機で単色または多色でプレプリントし、オフライン工程で可変データを入力する印刷分野で用いられており、主に連続伝票、配送伝票などの各種伝票類や、ダイレクトメール、ラベル、請求書、領収書などの印刷に用いられている。
フォーム輪転印刷におけるプレプリントにおいては、高速印刷による大量生産が可能であることから、主に、活性エネルギー線の照射により瞬間乾燥して強固な被膜を形成する活性エネルギー線硬化型インキを用いた輪転式のオフセット印刷方式が採用されている。
プレプリントされた印刷物は、オフラインで、後工程として、ノンインパクトプリンターを用いて可変データの入力がなされるのが一般的であり、インクジェット方式、レーザー方式、熱転写方式などの印刷方式が主流となっている。
オフライン工程の熱転写方式とは、プレプリントされた印刷物上にトナーを用いて可変データを印刷し、フューザーロールにてトナー印刷部分を熱定着させる印刷方式であるが、印刷物をフューザーロールで熱定着させる際、印刷物上のインキが、熱を持ったフューザーロール上に転移してしまい、それが原因で印刷物に擦れ汚れを発生させやすいことや、フューザーロールやプリンターを傷めてしまうことが広く知られており、作業性や印刷品質の観点で好ましくなく、これらのトラブル防止のため、インキにはより高い耐熱性が求められている。
また、フォーム輪転印刷に用いられる活性エネルギー線硬化型インキは、印刷の高速化、及び省人化を目的として、優れた高速乾燥性(硬化性)を付与するために、高濃度の光重合開始剤を添加する場合が多いが、多量の光重合開始剤を含むインキは、活性エネルギー線が直接当たらない環境下にあっても暗反応によって増粘しやすく、その現象が過度となる場合には重合固化(ゲル化)してしまう傾向があり、保存安定性の点での改善が求められている。
さらに、上述のように、フォーム輪転印刷に用いられる活性エネルギー線硬化型インキが、多量の光重合開始剤を含むために、インキ全量中に含まれる樹脂やモノマー等の割合が相対的に下がり、印刷適性として重要な流動性が悪くなるほか、硬化後の塗膜の耐熱性が下がるなどの影響がある。
また、フォーム輪転印刷では、プレプリントと同時に、用紙搬送用の穴加工、折りたたみ・切離し用のミシン目加工を行うことが多く、印刷機には多数のガイドローラーが備え付けられているため、フォーム輪転印刷に用いられる活性エネルギー線硬化型インキには、高速摩擦に耐えうるための優れた耐摩擦性が必要となる。
特許文献1には活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキが開示されており、高融点のワックスを使用することで、インキに耐熱性を付加している。また、高融点ワックスの使用により、塗膜の耐熱性と耐摩擦性はある程度は向上するが、特に流動性に課題があった。
特許文献2には活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキが開示されており、金属錯体と分散剤を用いることで、特にインキの流動性に優れ、ワックスを用いることで耐摩擦性を向上させている。しかしながら、特に耐熱性に影響する樹脂や光重合開始剤の種類の規定はない。また、特許文献2の実施例での光重合開始剤量は活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキとしては少なく、上述したような光重合開始剤量が多い使用形態での耐熱性や、流動性、保存安定性については不明である。
特許文献3には、硬化性の高い光重合開始剤として、フルオレン骨格を有する光重合開始剤を用いた活性エネルギー線硬化型オフセットインキが開示されている。しかしながら、評価されているのは硬化性、臭気、流動性、印刷適性であり、耐熱性に関する記載はない。また、保存安定性に関しても評価されていない。
特開2014-210868号公報 特開2021-195468号公報 特開2021-070718号公報
本発明の課題は、流動性などの印刷適性、耐摩擦性、耐熱性、硬化性、及び保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物、ならびに、該インキを用いた印刷物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す活性エネルギー線硬化型組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、樹脂2種以上と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合禁止剤と、光重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキであって、
樹脂が、ジアリルイソフタレート樹脂をインキ全量中0.5~13質量%含み、
樹脂が、ジアリルオルソフタレート樹脂、および、エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
樹脂の合計含有量が、インキ全量中1~25質量%であり、
(メタ)アクリレート化合物が、分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む化合物を、(メタ)アクリレート化合物の全質量に対して、70質量%以上含み、
光重合開始剤が、フルオレン骨格を有する光重合開始剤をインキ全量中0.5~10質量%含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキに関する。
また、本発明は、ワックスを含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキに関する。
また、本発明は、ワックスを含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキに関する。
また、本発明は、体質顔料が、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、および、ベントナイトからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキに関する。
また、本発明は、重合禁止剤を2種以上含むことを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキに関する。
また、本発明は、基材上に、上記活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキを印刷し、活性エネルギー線で硬化した印刷物に関する。
また、本発明は、基材が、紙である、上記印刷物に関する。
本発明によって、流動性などの印刷適性、耐摩擦性、耐熱性、硬化性、及び保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物、ならびに、該インキを用いた印刷物を提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、特にことわりのない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」を表す。
<活性エネルギー線硬化型組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物(以下、「組成物」とも称する)は、樹脂2種以上と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合禁止剤と、光重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、
樹脂が、ジアリルイソフタレート樹脂を組成物全量中0.5~13質量%含み、
光重合開始剤が、フルオレン骨格を有する光重合開始剤を組成物全量中0.5~10質量%含むことを特徴とする。
<樹脂>
本発明の組成物は、樹脂として、ジアリルイソフタレート樹脂を含む2種以上を含有する。
本発明におけるジアリルイソフタレート樹脂の合計含有量は、組成物全量中0.5~13質量%であり、1~10質量%であることが好ましく、1.5~8質量%であることがより好ましい。
ジアリルイソフタレート樹脂を含む樹脂2種以上を含有することで、組成物の耐熱性、流動性、及び耐摩擦性のバランスが保たれる。
樹脂の合計含有量は、組成物全量中1~25質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。
[ジアリルイソフタレート樹脂]
本発明は、樹脂として、ジアリルイソフタレート樹脂を含む。ジアリルイソフタレート樹脂を含むことで、粉体含有率の高いフォームインキにおいても流動性を得ることが出来、加えて後工程で高温のフューザーロールへの熱転写に耐えうる耐熱性を得ることが出来る。
ジアリルイソフタレート樹脂としては、市販品としては、大阪ソーダ社製 ダイソーイソダップが挙げられる。
本発明におけるジアリルイソフタレート樹脂は、重量平均分子量が2,000~30,000であることが好ましく、3,000~15,000であることがより好ましい。重量平均分子量が2,000~30,000であることで、耐熱性及び流動性がより良好となる。
[ジアリルイソフタレート樹脂以外の樹脂]
本発明の組成物は、樹脂として、ジアリルイソフタレート樹脂以外(以下、「その他の樹脂」と称する)の樹脂を少なくとも1種含む。その他の樹脂としては、目的物性に合わせ適宜選択することができるが、(メタ)アクリレート化合物との相溶性が良好で溶解可能な樹脂が好ましい。
その他の樹脂として具体的には、ジアリルオルソフタレート樹脂、及び、ロジン変性樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
その他の樹脂としては、耐摩擦性の観点から、ジアリルオルソフタレート樹脂を含む事が好ましい。
ジアリルイソフタレート樹脂とジアリルオルソフタレート樹脂を併用することで、耐熱性、流動性、及び耐摩擦性のバランスが特に良好になる。
本発明におけるジアリルオルソフタレート樹脂としては、市販品としては、大阪ソーダ社製ダイソーダップA、ダイソーダップKが挙げられる。
本発明におけるジアリルオルソフタレート樹脂は、重量平均分子量が2,000~30,000であることが好ましく、3,000~15,000であることがより好ましい。重量平均分子量が2,000~30,000であることで、耐摩擦性が良好となる。
<(メタ)アクリレート化合物>
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」といった記載は、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を意味する。また、「PO」は「プロピレンオキサイド」を、「EO」は「エチレンオキサイド」を表す。
本発明の組成物は、(メタ)アクリレート化合物を含む。本発明における(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基有する化合物であれば、特に限定されない。また、本発明において、(メタ)アクリレート化合物は、1種でも2種以上組み合わせても良いが、インキ粘度と硬化性の観点から、2種以上組み合わせることが好ましい。
本発明において、(メタ)アクリレート化合物の含有量は、組成物全量中30~70質量%であることが好ましく、35~60質量%であることがより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物として具体的には、
2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性(2)ノニルフェノールアクリレート、(2-メチル-2-エチル-1、3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリンなどの(メタ)アクリロイル基を1個有する単官能(メタ)アクリレート化合物、
3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性(2)1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリロイル基を2個有する2官能(メタ)アクリレート化合物、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(6)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ有する(メタ)アクリレート化合物、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの分子内にアクリロイル基を4つ有する(メタ)アクリレート化合物、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を5つ有する(メタ)アクリレート化合物、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を6つ有する(メタ)アクリレート化合物、などが挙げられる。
また、(メタ)アクリレート化合物として、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートなどのウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなども用いることができる。
本発明の組成物は、(メタ)アクリレート化合物として、分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む(メタ)アクリレート化合物を含む。分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む(メタ)アクリレート化合物を含むことで、十分な硬化性を得ることができる。
分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む(メタ)アクリレート化合物の含有量の合計は、(メタ)アクリレート化合物の全質量に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、フルオレン骨格を有する光重合開始剤を含む。
本発明におけるフルオレン骨格を有する光重合開始剤の合計含有量は、組成物全量中0.5~10質量%であり、1.0~8.0質量%であることが好ましい。
フルオレン系化合物を含有することで、組成物の硬化性を保ちつつ、高い耐熱性を付与することができる。
フルオレン系化合物としては、1-(9,9-ジブチル-9H-フルオレン-2-イル)-2-メチル-2-モルホリン-4-イル-プロパン-1-オンなどが挙げられる。
また、光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の組成物は、光重合開始剤として、フルオレン系化合物以外の光重合開始剤を含んでも良い。フルオレン系化合物以外の光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。具体例としては、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α-アミノアルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、[4-(メチルフェニルチオ)フェニル]-フェニルメタノンなどが挙げられる。
ジアルコキシアセトフェノン系化合物としては、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどが挙げられる。
α-ヒドロキシアルキルフェノン系化合物としては、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オンなどが挙げられる。
α-アミノアルキルフェノン系化合物としては、2-メチル-1-[4-(メトキシチオ)-フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノンなどが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、ジフェニルアシルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、組成物全量中1~20質量%であることが好ましく、5~18質量%であることがより好ましく、7~15質量%であることが特に好ましい。
<重合禁止剤>
本発明の組成物は、重合禁止剤を含む。
重合禁止剤を含むことで、組成物の保存安定性が向上する。
本発明における重合禁止剤としては、保存安定性の観点から、ニトロソ系化合物、フェノール系化合物、キノン系化合物、及びピペリジン系化合物からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ニトロソ系化合物を含むことがより好ましい。
ニトロソ系化合物としては、ニトロソベンゼン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、ピクリン酸、クペロン、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシムなどが挙げられる。
フェノール系化合物としては、(アルキル)フェノール、p-メトキシフェノール、o-イソプロピルフェノール、カテコール、レゾルシン、t-ブチルカテコール、ピロガロール、ジブチルクレゾール、グアヤコールなどが挙げられる。
キノン系化合物としては、ハイドロキノン、t-ブチルハイドロキノン、p-ベンゾキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-p-ベンゾキノンなどが挙げられる。
ピペリジン系化合物としては、フェノチアジンなどが挙げられる。
本発明の組成物は、重合禁止剤を2種以上含むことが好ましい。重合禁止剤を2種以上含むことで、優れた保存安定性を得ることができる。これは、重合禁止剤はその分子構造の違いなどにより、重合禁止効果を有効に発現する条件が異なるため、複数の重合禁止剤を組み合わせることで、より広範囲の条件で保存安定性を発現できるためと考えられる。
本発明における重合禁止剤としては、保存安定性の観点から、ニトロソ系化合物と、フェノール系化合物、キノン系化合物、及びピペリジン系化合物からなる群より選ばれる1種以上とを含むことが好ましい。
また、本発明における重合禁止剤は、上述したニトロソ系化合物、フェノール系化合物、キノン系化合物、及びピペリジン系化合物以外の重合禁止剤(「その他の重合禁止剤」ともいう)を併用してもよい。その他の重合禁止剤の具体例としては、1,1-ピクリルヒドラジル、ジチオベンゾイルジスルフィド、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、シクロヘキサノンオキシムクレゾールなどが挙げられる。
本発明における重合禁止剤は、特に、ニトロソ系化合物であるニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩と、キノン系化合物であるt-ブチルヒドロキノンとを含むことが好ましく、保存安定性が特に優れた組成物を提供できる。
本発明の組成物への重合禁止剤の含有量は、硬化性を阻害しない観点から、組成物全量中0.01~1質量%であることが好ましく、0.1~0.5質量%であることがより好ましい。
<ワックス>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、ワックスを含むことが好ましい。
本発明に用いることができるワックスとしては、PE(ポリエチレン)ワックス、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ワックスが好ましい。ワックスは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
ワックスの含有量は、組成物全量中0.5~2.5質量%であることが好ましく、1.0~2.0質量%であることがより好ましい。
ワックスの融点は、特に耐熱性の面から、100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。
<体質顔料>
本発明の組成物は、体質顔料を含むことが好ましい。体質顔料を含むことで、組成物の流動性調整、ミスチング防止、インキ飛び防止、紙などの印刷基材への浸透防止といった効果を付与することができる。
体質顔料としては、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、ベントナイトなどが挙げられる。
体質顔料の含有量としては、ミスチング等のトラブルを防ぎつつ組成物の流動性を維持するために、組成物全量中1~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましい。
<分散剤>
本発明の組成物は、分散剤を含有してもよい。分散剤を含むことで、顔料の凝集を防ぎ、インキの流動性を保つことができる。分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤、顔料誘導体などが挙げられる。
分散剤の含有量としては、組成物全量中0.1~3質量%であることが好ましく、0.2~1質量%であることがより好ましい。
<着色剤>
本発明における活性エネルギー線硬化型組成物は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。耐光性の観点から、顔料が好ましい。なお上述した体質顔料は着色剤には含まない。
本発明に用いることができる顔料としては、特に制限はなく、公知の顔料を用いることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも用いることができる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる
有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料; β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料;銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(例えば、塩素化又は臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系等の多環式顔料及び複素環式顔料などが挙げられる。
更に詳しくは、C.I.カラーインデックスで示すと、黒顔料としては、C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、28、26、31などが挙げられる。
白顔料としては、C.I.Pigment White 5、6、7、12、28などが挙げられる。
黄顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、18、24、73、74、75、83、93、95、97、98、100、108、109、110、114、120、128、129、138、139、174、150、151、154、155、167、180、185、213などが挙げられる。
青又はシアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、2、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62などが挙げられる。
赤又は紅顔料としては、C.I.Pigment RED 1、3、5、19、21、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、50、52、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、90、104、108、112、114、122、144、146、148、149、150、166、168、169、170、172、173、176、177、178、184、185、187、193、202、209、214、242、254、255、264、266、269、C.I.Pigment Violet 19などが挙げられる。
緑顔料としては、C.I.Pigment Green 1、2、3、4、7、8、10、15、17、26、36、45、50などが挙げられる。
紫顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、2、3、4、5:1、12、13、15、16、17、19、23、25、29、31、32、36、37、39、42などが挙げられる。
オレンジ顔料としては、C.I.Pigment Orange 13、16、20、34、36、38、39、43、51、61、63、64、74などが挙げられる。
本発明において、上記顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、上記顔料は、印刷紙面上に目的の濃度が再現可能であれば任意の含有量で使用することが可能であり、組成物全量中5~30質量%であることが好ましく、より好ましくは10~25質量%である。
<シリカ>
本発明の組成物は、シリカを含んでもよい。本発明の組成物におけるシリカの含有量は、組成物全量中0.5~1.5質量%であることが好ましい。シリカを含むことで汚れ耐性が向上する。
<増感剤>
本発明の組成物は、増感剤を含んでもよい。増感剤を含むことで、硬化性を一層向上することができる。増感剤としては、具体的に、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、脂肪族アミン、2-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジブチルエタノールアミンなどが挙げられる。
[その他成分]
本発明の組成物は、必要に応じて上記成分以外に、表面張力調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを含有することができる。
本発明の組成物は、有機溶剤を実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、組成物全量中1質量%以下である。
本発明の組成物は、水を実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、組成物全量中3質量%以下である。
<印刷物>
本発明の組成物は、各種基材や、フォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの印刷物に適用される。本発明の組成物は、特にフォーム用印刷物に好適に用いられる。
本発明における印刷物は、本発明の組成物を、基材上に印刷することによって得られる。基材としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、アート紙、コート紙、キャスト紙などの塗工紙や上質紙、中質紙、新聞用紙などの非塗工紙、ユポ紙などの合成紙などの紙基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)のようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。本発明における組成物は、特に紙基材に好適に用いられる。
本発明の組成物を、基材上に印刷する方法としては、オフセット印刷(湿し水を使用する通常の平版及び湿し水を使用しない水無し平版)、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などが挙げられる。本発明における組成物は、特にオフセット印刷に好適に用いられる。
本発明において、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化する方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などを照射することで硬化することができる。中でも、紫外線、電子線が好ましく、より好ましくは紫外線である。紫外線のピーク波長は、200~600nmであることが好ましく、より好ましくは350~420nmである。
活性エネルギー線源としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、紫外線レーザーダイオード(UV-LD)などのLED(発光ダイオード)やガス・固体レーザーなどが挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
<活性エネルギー線硬化型組成物の作成方法>
実施例1
顔料を18.0部、TMPTA(EO)を17.0部、DPHAを33.3部、ジアリルオルソフタレート樹脂を12.5部、ジアリルイソフタレート樹脂を2.5部、フルオレン骨格を有する光重合開始剤としてNPI-20400を4.0部、その他の光重合開始剤として379を6.0部、DETXを2.0部、体質顔料を2.0部、分散剤を0.5部、Q-1301を0.1部、t-ブチルヒドロキノンを0.1部、及び、PTFEワックスを2.0部混合し、バタフライミキサーを用いて攪拌混合した後、3本ロールにて分散してインキを作成した。
実施例2~17比較例1~9
表1に記載した原料と量を使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2~17、比較例1~9を得た。なお、空欄は配合していないことを表す。
Figure 0007298109000001

Figure 0007298109000002

Figure 0007298109000003

実施例で用いた材料の表記の説明は以下の通りである。
[着色剤]
・顔料:トーヨーカラー社製、LIONOL YELLOW 1314
[(メタ)アクリレート化合物]
・TMPTA(EO):トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート:MIWON社製、MIRAMER M3130
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:MIWON社製、MIRAMER M600
[樹脂]
・ジアリルオルソフタレート樹脂:ダイソー株式会社製、ダイソーダップK
・ジアリルイソフタレート樹脂:ダイソー株式会社製、ダイソーイソダップ
・エポキシ樹脂:ハリマ化成社製、バンビーム UV 103-D
[光重合開始剤]
・NPI-20400:常州強力電子新材料社製、TR-NPI-20400
・379:IGM RESINS社製、Omnirad 379
・DETX:Chemark Chemical社製、CHEMARK DETX
・TPO:双邦実業社製、OMNIRAD TPO
・EDB:双邦実業社製、OMNIRAD EDB
[体質顔料]
・体質顔料:松村産業社製、ハイフィラー 5000PJ
[分散剤]
・分散剤:味の素ファインテクノ社製、アジスパーPB821
[重合禁止剤]
・Q-1301:N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム(富士フィルム和光純薬社製、Q-1301)
・TBHQ:t-ブチルヒドロキノン(▼シ維▲坊通潤化工有限公司製、TBHQ FINE)
・ポリストップ 7300P:2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル(伯東社製、ポリストップ 7300P)
[ワックス]
・PTFEワックス:Shamrock Technologies社製、SHAMROCK SST-3T1-RC、平均粒子径2.0μm、融点320℃
・PEワックス:Shamrock Technologies社製、SB-395、平均粒子径4.0μm、融点126℃
得られた組成物を、以下の方法により性能評価を行った。結果を表1に示す。
(流動性の評価)
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、25℃雰囲気下で60°に傾けた真鍮製の傾斜板の上に3g垂らし、インキの着地点から10分間に流動した距離を測定し静置流動性として評価した。なお、評価基準は、インキの流れた長さが長いほど良好であるとした。
5:静置流動が100mm以上である
4:静置流動が80mm以上、100mm未満である
3:静置流動が50mm以上、80mm未満である
2:静置流動が10mm以上、50mm未満である
1:静置流動が10mm未満である
(硬化性の評価)
得られた活性エネルギー線硬化型組成物について、RIテスター(テスター産業株式会社製)4分割ロール、インキ量0.75mlの条件にて展色物(基材:ポリエチレンコート紙)を作成した。その後アイグラフィックス社製紫外線硬化装置(96W/cm メタハライドランプ)を用いてコンベア速度100m/minにて紫外線を照射し、印刷面を完全に乾燥させた。綿布を用い印刷面を擦り評価した。擦れが少ない程、硬化性が良好であると判断ができる。評価基準は下記に示した通りであり、3、4、5で実用可能であり、4、5が実用上特に好ましい。
5:印刷面への擦れがない
4:印刷面表層まで擦れる
3:印刷面の中間部まで擦れる
2:印刷面底部まで擦れる
1:印刷面の塗膜が無くなる
(耐摩擦性の評価)
RIテスター(テスター産業株式会社製)4分割ロール、インキ量0.75mlの条件にて展色物(基材:コート紙)を作成した。その後アイグラフィックス社製紫外線硬化装置(96W/cm メタハライドランプ)を用いてコンベア速度100m/minにて紫外線を照射し、印刷面を完全に乾燥させた。MHIソリューションテクノロジーズ製擦れ評価試験装置を用いて印刷面に2.0cm×1.5cmのコート紙を当て、2.5kgの荷重をかけたまま、2.0m/minの速度で印刷紙面を移動させ、評価した。擦れが少ない程、耐摩擦性が良好であると判断ができる。評価基準は下記に示した通りであり、3、4、5で実用可能であり、4、5が実用上特に好ましい。
5:印刷面への擦れがない
4:印刷面表層まで擦れる
3:印刷面の中間部まで擦れる
2:印刷面底部まで擦れる
1:印刷面の塗膜が無くなる
(耐熱性の評価)
RIテスター(テスター産業株式会社製)4分割ロール、インキ量0.075mlの条件にて展色物(基材:三菱特両アート紙)を作成した。その後アイグラフィックス社製紫外線硬化装置(96W/cm メタハライドランプ)を用い、コンベア速度50m/分で印刷面を完全に乾燥させた。乾燥して得られた印刷面上に1.0cm×1.7cm×0.1cm四方に切った消しゴムを乗せ、230℃に加熱した鉄板を20秒間押し当て消しゴムを溶融させ、冷却後固化した消しゴムに転移付着したインキの付着量を評価した。消しゴムへ転移付着したインキ量が少ない程、熱転写方式におけるフューザーロールでの熱定着工程時に印刷物上のインキが転移付着する量が少ないと判断ができる。評価基準は下記に示した通りであり、3、4、5で実用可能であり、4、5が実用上特に好ましい。
5:消しゴムへの着色全くなし
4:消しゴムの着色面積が10%未満である
3:消しゴムの着色面積が10%以上20%未満である
2:消しゴムの着色面積が20%以上50%未満である
1:消しゴムの着色面積が50%以上である
(保存安定性の評価)
金属製の容器に活性エネルギー線硬化型組成物を充填し、3000rpmで10分間遠心脱泡した後、容器を密閉して80℃の加熱条件で保存した。2週間後にインキを取り出し、Thermo Scientific製HAAKE Rheo Stress 6000で粘度を測定し、試験開始前の粘度に対する比率を算出した。評価基準は下記に示した通りであり、3、4、5で実用可能であり、4、5が実用上特に好ましい。
5:試験前の粘度と比較した増粘率が120%未満
4:試験前の粘度と比較した増粘率が120%以上140%未満
3:試験前の粘度と比較した増粘率が140%以上160%未満
2:試験前の粘度と比較した増粘率が160%以上180%未満
1:試験前の粘度と比較した増粘率が180%以上
実施例1~17はすべての評価で良好な結果であり、特に、実施例1、3、4、17は、流動性、硬化性、耐摩擦性、耐熱性、保存安定性のいずれの評価も最も良好な結果であった。
一方、ジアリルイソフタレート樹脂を用いていない比較例1(ジアリルオルソフタレート樹脂のみ)、3(ジアリルオルソフタレート樹脂とジアリルイソフタレート樹脂以外の樹脂)、ジアリルイソフタレート樹脂の量が少ない比較例6は耐熱性及び流動性が劣っていた。ジアリルイソフタレート樹脂の量が多い比較例2は耐摩擦性が劣っていた。
また、フルオレン骨格を有する光重合開始剤を用いていない比較例7、8、フルオレン骨格を有する光重合開始剤の量が少ない比較例4、6は耐熱性が劣っていた。
また、禁止剤を用いていない比較例9は保存安定性に劣っていた。
以上より、本願発明の活性エネルギー線硬化型組成物によって、流動性などの印刷適性、耐摩擦性、耐熱性、硬化性、及び保存安定性に優れる活性エネルギー線硬化型組成物を提供できることがわかった。

Claims (7)

  1. 樹脂2種以上と、(メタ)アクリレート化合物と、光重合禁止剤と、光重合開始剤とを含む活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキであって、
    樹脂が、ジアリルイソフタレート樹脂をインキ全量中0.5~13質量%含み、
    樹脂が、ジアリルオルソフタレート樹脂、および、エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    樹脂の合計含有量が、インキ全量中1~25質量%であり、
    (メタ)アクリレート化合物が、分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上含む化合物を、(メタ)アクリレート化合物の全質量に対して、70質量%以上含み、
    光重合開始剤が、フルオレン骨格を有する光重合開始剤をインキ全量中0.5~10質量%含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキ
  2. さらに、ワックスを含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキ
  3. さらに、体質顔料を含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキ
  4. 体質顔料が、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、および、ベントナイトからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3記載の活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキ。
  5. 重合禁止剤を2種以上含むことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキ
  6. 基材上に、請求項1~5いずれか記載の活性エネルギー線硬化型フォーム印刷用インキを印刷し、活性エネルギー線で硬化した印刷物。
  7. 基材が、紙である、請求項記載の印刷物。
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