JP2016196596A - 活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物、及びそれを用いた印刷物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物、及びそれを用いた印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ロングラン印刷においても湿し水供給装置の調量ローラーへのインキ付着が少ない活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を提供することにある。
【解決手段】特定の活性エネルギー線重合性化合物、特定のベース樹脂、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウの塩から成る群から選ばれる一つ以上、及び/又は非晶性シリカを含有する活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性エネルギー線照射により硬化するオフセット用インキに関する。さらには、該インキを用いた印刷物に関する。
活性エネルギー線条件下で硬化する、中でも紫外線硬化型オフセットインキは、瞬間乾燥の特性の利便性から、食品、飲料、サニタリー、コスメ、玩具、機器、医薬品等の紙器パッケージ印刷や、書籍、チラシ、ポスター、カタログ、カード、ダイレクトメール、パンフレット、CDジャケット、シールラベル等の商業印刷用途に幅広く使用されている。
一方で、紫外線硬化型オフセットインキは、一般の油性オフセットインキと比較して、印刷時水量を減量させた際の印刷物の汚れポイントと、水量を増量させた際の印刷物の濃度低下を招くポイントの領域幅を示すいわゆる印刷時の「水幅の狭さ」に起因し、インキ/水バランスの制御が難しい傾向にある。
特に長時間継続して多量に印刷するロングラン印刷時では、版面温度の上昇等によるインキの過乳化が進行すること、及び、版面に湿し水を供給する湿し水供給装置の調量ローラーの親油化に伴い、余剰したインキが調量ローラーに付着し汚れる現象が見られる。調量ローラーは湿し水の供給量の増減をニップ幅で制御するものであり、調量ローラー自体が汚れると、紙面左右全体への水上がりが不均一となり、印刷物が汚れ易くなる。汚れが顕著となれば、印刷途中で印刷機を停止し、調量ローラーの汚れを専用洗浄剤で拭き取る等のメンテナンスを要し、印刷機の稼働率の低下に結び付く。
そして、活性エネルギー線硬化型、或いは紫外線硬化型オフセットインキの原料である重合性モノマーの構造により極性、粘度、反応性が相異なることから、オフセットインキの性能面で重要である硬化性、流動性、オフセット印刷適性の全てについて高いレベルに保持すべく、これらの特性を制御しうる重合性モノマーの選定・組合せが効果的である。
例えば、紫外線硬化型印刷インキ組成物として、多官能アクリレートやジアリルフタレート等のポリマーを用いたインキ組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、網点再現性やインキの保存安定性は改善したものの、湿し水供給装置の調量ローラーへのインキ付着性を低減させるに充分であるとは言えない。
特開昭53−69706号
本発明の課題は、ロングラン印刷においても湿し水供給装置の調量ローラーへのインキ付着が少ない活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物として、特定の活性エネルギー線重合性化合物、特定のベース樹脂、リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウの塩から成る群から選ばれる一つ以上、及び/又は非晶性シリカを含有することで上記課題を達成できることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は下記の(a)〜(c)を全て満足する活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物である。
(a)エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)を含有する。
(b)ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)を含有する。
(c)下記の群Cより選択される一つ以上 及び/又は非晶性シリカ(D)を含有する
(群C)
リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウム塩。
本発明は、更に、前記の群Cにおいて、
リン酸が、無水リン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸及びヘキサメタリン酸から成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアンモニウム塩が、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素アンモニウムナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアルカリ金属塩が、リン酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素カリウム、ポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
リン酸のアルカリ土類金属二水素塩が、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素バリウム及びリン酸二水素マグネシウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
クエン酸のアンモニウム塩が、クエン酸水素二アンモニウム及びクエン酸三アンモニウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
クエン酸のアルカリ金属塩が、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム及びクエン酸水素二ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上である活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に関する。
更に本発明は、前記エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)が、多官能アクリレートモノマーである活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物に関する。
更に本発明は、基材上に、前記活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を用いてオフセット印刷された印刷物に関する。
本発明によれば、ロングラン印刷においても湿し水供給装置の調量ローラーへのインキ付着が少ない、印刷時の作業性に優れた活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物、及びそれを用いた印刷物を提供できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物は、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)、ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルフタレート樹脂(B−2)、群Cであるリン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウの塩から成る群から選ばれる一つ以上、及び/又は非晶性シリカ(D)を含有することで目的とする本発明の効果を奏するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)を必須成分とする。具体例としては、下記のような活性エネルギー線重合性化合物を挙げることができる。
〔エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)〕
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物で使用するエチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)としては、通常活性エネルギー線硬化性組成物に使用される公知の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリルオリゴマーから任意に選んで用いることができる。なお本発明において「(メタ)アクリル」とはアクリルとメタクリルとを総称したものである。
尚、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)は、後述するジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート(B−2)を除外する。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−(メタ)アクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換された(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
(メタ)アクリルモノマーの他の例としては、エチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリ(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)(メタ)アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシプロピル(メタ)アクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノマ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノ(メタ)アクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニル(メタ)アクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリルモノマーを用いることができる。
これらの活性エネルギー線重合性化合物は単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に特に好適な活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、N−ビニルホルムアミド等の1官能モノマー、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、オペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート等の多官能モノマーを挙げることができる。これらは2種類以上併用して用いることができる。
((メタ)アクリルオリゴマー)
実施形態に係る活性エネルギー線硬化性インキ組成物に含有されるオリゴマーは、光の照射により架橋又は重合する化合物である。また、モノマーの重合体を主鎖とする化合物であるが、主鎖を構成するモノマーの数は限定されない。前記オリゴマーの分子量は、500〜20,000の範囲であることが好ましい。
オリゴマーの官能基数は2〜20であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、6〜20であるとさらに好ましい。オリゴマーが有する官能基とは光重合性官能基である。光重合性官能基とは、アクリロイル基などの炭素−炭素の二重結合などである。官能基数が多いと、硬化性オリゴマーの硬化感度が高まり、かつ硬化塗膜の硬度も高まる。一方で、官能基数が多すぎると、硬化塗膜の収縮が生じやすくなり、塗膜表面が歪みやすくなる。
オリゴマーのガラス転移温度(Tg)は40℃以上であることが好ましく、50℃以上であるとより好ましく、70℃以上であると更に好ましい。ガラス転移温度(Tg)の測定は示差走査熱量測定(DSC)、熱機械分析(TMA)等で測定することができる。
オリゴマーの粘度は特に制限はないが、インキの取扱性および粘度への影響を考慮して、25℃での粘度が、100〜10,000mPa・sであることが好ましく、5,000mPa・s以下が好ましく、1,000mPa・s以下がより好ましい。
オリゴマーの主鎖は、ポリエポキシ、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリアミン、ポリアクリレートなどでありうる。オリゴマーの主鎖に、前述の光重合性官能基が付加していることが好ましい。
オリゴマーの官能基は、オリゴマーの主鎖に以下の(光重合性)官能基含有化合物を反応させて導入することができる。(光重合性)官能基含有化合物の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びマレイン酸等の不飽和カルボン酸やそれらの塩又はエステル、ウレタン、アミド及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、並びに不飽和ウレタンが挙げられる。その他にN−ビニル化合物を含んでいてもよい。N−ビニル化合物には、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、及びそれらの誘導体などが含まれる。
オリゴマーのガラス転移温度(Tg)を高くするには、オリゴマーの主鎖に芳香環やアミド構造等を導入して、主鎖構造を剛直にしたり、オリゴマーの側鎖に大きな置換基を導入したりすればよい。
オリゴマーは、直鎖状オリゴマーであっても、分岐鎖状オリゴマーであっても、樹枝状オリゴマーであってもよいが、分岐鎖状オリゴマーまたは樹枝状オリゴマーであることが好ましい場合がある。分岐鎖状オリゴマーおよび樹枝状オリゴマーは、比較的低粘度であるため、活性エネルギー線硬化型オフセットインキの粘度を上昇させにくいにも係わらず、硬化膜の硬度を高めることができる。樹枝状オリゴマーとは、1分子中に複数の分岐鎖を有するオリゴマーを意味する。
樹枝状オリゴマーの例には、デンドリマー、ハイパーブランチオリゴマー、スターオリゴマー及びグラフトオリゴマーなどが含まれる。デンドリマー、ハイパーブランチオリゴマー、スターオリゴマー及びグラフトオリゴマーは、公知の化合物でありうる。これらのなかでも、デンドリマー及びハイパーブランチオリゴマーであることが好ましく、ハイパーブランチオリゴマーがより好ましい。デンドリマーやハイパーブランチオリゴマーは、活性エネルギー線硬化型オフセットインキの粘度をより上昇させにくい。
ハイパーブランチオリゴマーは、2個以上のモノマーが繰り返し単位として結合したオリゴマーに複数の光重合性官能基が結合したオリゴマーをいう。ハイパーブランチオリゴマーには、一般に多数の光重合性官能基が含まれる。そのため、ハイパーブランチオリゴマーは、活性エネルギー線硬化型オフセットインキの硬化速度を一層高めることができ、硬化膜の硬度も一層高めることができる。一分子のハイパーブランチオリゴマーが有する光重合性官能基の数は、6以上であることが好ましい。
ハイパーブランチオリゴマーの例には、ポリエステル6官能アクリレート、ポリエステル9官能アクリレート、ポリエステル16官能アクリレートなどが含まれる。
オリゴマーの市販品の例には以下のものがある。
CN131B、CN292、CN2272、CN2303、CN2304、CN968、CN972、CN975、CN978、CN980、CN981、CN983、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN1963、CN2901、CN2902、CN2920、CN2921、CN3210、CN3211、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9026、CN9165、CN9178、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893(以上サートマー社製)、MIRAMER PU206、PU2100、PU2200、PU340、PU3420、PU610、PU620、PU664、MU9500、MU9800、SC2100、SC2152、SC2153、SC2565、PU460、PU640、MU3603、PE210、PE110、PE230、PE240、PE320、EA2235、EA2255、EA2259、EA2280、PS420、PS460、PS4610、PS610(以上MIWON社製)、EBECRYL 210、220、230、270、5129、8210、8301、8804、8807、9260、4858、8402、9270、9270、8311、8701(以上ダイセルオルネクス社製)
なかでも、ウレタンオリゴマーの市販品の例には以下のものがある。
CN968、CN972、CN975、CN978、CN980、CN981、CN983、CN989、CN991、CN992、CN994、CN996、CN997、CN999、CN1963、CN2901、CN2902、CN2920、CN2921、CN3210、CN3211、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9026、CN9165、CN9178、CN9782、CN9783、CN9788、CN9893(以上サートマー社製)、MIRAMER PU206、PU2100、PU2200、PU340、PU3420、PU610、PU620、PU664、MU9500、MU9800、SC2100、SC2152、SC2153、SC2565、PU460、PU640、MU3603(以上MIWON社製)、EBECRYL 210、220、230、270、5129、8210、8301、8804、8807、9260、4858、8402、9270、9270、8311、8701(以上ダイセルオルネクス社製)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物には、ベース樹脂としてジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)も必須とする。ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)の市販品の例には、ダイソー株式会社製、ダイソーダップA、ダイソーダップK、ダイソーダップS、ダイソーダップLA、ダイソーイソダップ、ダイソーイソダップIK等が挙げられる。
そして、本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物は、エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)をインキ全量の10〜95重量%の範囲で、より好ましくは40〜80の範囲で使用することができる。ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)については、インキ全量の1〜30重量%の範囲で、より好ましくは5〜20重量%の範囲で使用することができる。樹脂の特性として活性エネルギー線重合性化合物(A)は硬化性に優れ、またジアクリルフタレート樹脂(B−1)、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)は耐乳化特性や地汚れ防止性に優れる特性がある。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物は、群Cであるリン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウの塩から成る群から選ばれる一つ以上、及び/又は非晶性シリカ(D)を必須とする。
殊に前記ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)と群Cの組み合わせ、ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)と非晶性シリカ(D)の組み合わせで併用することにより、本願発明の効果である湿し水供給装置の調量ローラーへのインキ付着の低減が発現する。群Cから選ばれる何れか1つ以上、非晶性シリカ(D)を添加することにより、調量ローラー表面の整面効果により親水性部分へのインキの付着力(親油化)が低下し、ローラー表面へのインキ絡みが軽減するからである。更にジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)、群Cから選ばれる何れか1つ以上、及び非晶性シリカ(D)の3者を併用すれば、調量ローラー表面の親水性部分へのインキの付着力(親油化)の低減はより効果を発揮し、最も好ましい。
前記の群Cとしては、リン酸が、無水リン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸及びヘキサメタリン酸から成る群から選ばれる一つ以上であり、リン酸のアンモニウム塩が、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素アンモニウムナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、リン酸のアルカリ金属塩が、リン酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素カリウム、ポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩が、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素バリウム及びリン酸二水素マグネシウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、クエン酸のアンモニウム塩が、クエン酸水素二アンモニウム及びクエン酸三アンモニウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、クエン酸のアルカリ金属塩が、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム及びクエン酸水素二ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上として挙げることが出来る。
これらの中でもヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムがより好ましい。
本発明で使用する群Cの添加量の総量は、インキ全量の0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%である。インキ全量の1重量%を上回ると親水性効果が過剰となりインキローラー間での転移不良、インキの着肉不良が発生する傾向にあり、インキ全量の0.0001重量%を下回ると、親水性を保持すべき湿し水供給装置の調量ローラーの親油化を阻止する整面効果が低下し、調量ローラーの汚れが阻止出来なくなる。
本発明で使用する非晶性シリカとしては、珪藻土、活性白土等が挙げられ、合成非晶性シリカとしては乾式シリカ、湿式シリカ、シリカゲル等が使用できる。
合成非晶性シリカとしては、四塩化ケイ素ガスなどを気相中で燃焼させて製造された乾式法シリカ、ケイ酸ソーダ水溶液の酸またはアルカリ金属塩による中和、分解反応によって製造された湿式法シリカどちらの製造方法によるものでも構わない。
また、合成非晶質シリカは物質の最小構成単位である5〜55nmの一次粒子が融着あるいは化学結合し一次粒子凝集体(二次粒子構造)となる。さらに一次粒子凝集体が物理的に凝集し二次凝集体として存在しているが、二次凝集体は各種媒体中で物理的なせん断力を与えることで一次粒子凝集体(二次粒子構造)まで分散することが可能である。本発明の平均二次粒子系は一次粒子凝集体(二次粒子構造)のことを指す。
本発明で使用する非晶性シリカは、平均二次粒子径が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜7.5μm、さらに好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは0.3〜3μmであることが望ましい。平均二次粒子径が0.05μm未満であると、より粒径の小さい一次粒子の強い結合から成り立っており、粒子が硬く版磨耗が発生しやすくなる。加えて比表面積も大きくなるため、高い吸油性能を有し、インキ化した際に十分な流動性が得られない。また、平均二次粒子径が10μmより大きいと、印刷時のパイリングや、インキローラー間での転移不良、インキの着肉不良に繋がる。
また、本発明で使用する非晶性シリカの含有率は、インキ全量の0.01〜10重量%、好ましくは、0.05〜7重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%が望ましい。シリカ含有率が0.01重量%未満であると印刷時の乳化安定性、乳化流動性に効果が見られず、10重量%より大きいとインキの流動性、転移性が損なわれる為好ましくない。非晶性シリカは日本アエロジル株式会社社製、AEROSIL90、AEROSIL130、AEROSIL150、AEROSIL200、AEROSIL255、AEROSIL300、AEROSIL380、AEROSIL OX50、AEROSIL TT600、AEROSIL200Pharma、AEROSIL300Pharma、AEROSIL R972、AEROSIL R974、AEROSIL R104、AEROSIL R106、AEROSIL R202、AEROSIL R805、AEROSIL R812、AEROSIL R812S、AEROSIL R816、AEROSIL R7200、AEROSIL R8200、AEROSIL R9200、AEROSIL R711、AEROSIL RY50、AEROSIL NY50、AEROSIL RY200、AEROSIL RY200S、AEROSIL RX50、AEROSIL NAX50、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300、AEROSIL R504、AEROSIL R972Pharmaなどがあげられる。
中でも、BET法による比表面積が50〜500m/gの非晶性シリカが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物は、紫外線硬化型オフセットインキに限定すれば、適宜光重合開始剤を適量組合せて使用する事で、メタルハライドランプ等一般的な紫外線光源にも、発光波長200〜420nmである発光ダイオード(UV−LED)光源どちらにも対応する事ができる。
(光重合開始剤)
本発明で使用する光重合開始剤としては、従来公知のものでよく、具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルマート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等も併用できる。
特に光源として発光ダイオード(以下LEDと称する場合がある)を使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記光重合開始剤の添加量の総計は、インキ全量の0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。0.1重量%未満の添加量では良好な硬化性を得ることが困難であり、また15重量%を超える添加量では、開始剤量が過剰となり、同様にインキ流動性を損なうことから好ましくない。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物で使用する着色顔料としては、公知公用の着色用有機顔料を挙げることができ、例えば「有機顔料ハンドブック(著者:橋本勲、発行所:カラーオフィス、2006年初版)」に掲載される印刷インキ用有機顔料等が挙げられ、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、カーボンブラック顔料、その他多環式顔料等が使用可能である。
前記着色顔料を含む紫外線硬化型インキにおいては、特に紫外線吸収能の極めて高いカーボンブラックを添加量10〜25重量%の範囲で用いた墨インキにおいては光重合開始剤を活性化させる紫外線エネルギーの損失が多く、他の着色顔料と比較して特にインキ皮膜底部における光重合反応が進行し難い為、十分な硬化性を得ることが困難であるが、本発明で述べるオフセットインキはカーボンブラックを10〜25重量%用いた墨インキについても好適な硬化性を付与することが可能である。
しかし、カーボンブラックの添加量が25重量%を超える紫外線硬化型インキにおいては、カーボンブラックによる紫外線エネルギーの損失が莫大となり、好適な乾燥性が得られないことから好ましくない。前記カーボンブラックの平均一次粒子径は、15〜70nmの範囲にあることが好ましく、20〜40nmの範囲にあることが特に好ましい。平均一次粒子径が15nm未満である場合、カーボンブラックによる紫外線エネルギーの損失が莫大となり、好適な乾燥性が得られないことから好ましくなく、また70nmを超える場合、墨インキの黒色感が損なわれることから好ましくない。
前記カーボンブラックはファーネス法、サーマル法、コンタクト法などの公知の手法により製造されたものを挙げることができ、例えば、ラーベン14、ラーベン450、ラーベン860Ultra、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060Ultra、ラーベン1080Ultra、ラーベン1180、ラーベン1255(以上、コロンビアンケミカル社製)、リーガル400R、リーガル330R、リーガル660R、モーグルL(以上、キャボット社製)、MA7、MA8、MA11(以上、三菱化学社製)等を挙げることができ、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を用いた印刷物で使用する印刷基材としては、特に限定は無く、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。
本発明で述べる活性エネルギー線硬化型オフセット印刷インキ組成物の製造は、従来の紫外線硬化型インキと同様に、前記着色顔料、重合性アクリレートモノマー、重合基を有する樹脂オリゴマー、光重合開始剤、増感剤、その他添加剤等を配合してミキサー等で撹拌混合し、三本ロールミル、ビーズミル等の分散機を用いて練肉することで製造される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
〔紫外線硬化型オフセットインキの製造方法〕
表1の組成に従って混合し三本ロールミルにて練肉することによって、紫外線硬化型オフセットインキを作成した。
尚、色材顔料としてインキ全量の20重量%のフタロシアニンブルー(DIC製FASTOGEN Blue TGR−1)を添加した。エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)として、アロニックスM−402(東亜合成製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート粘度4000〜7000mPa・sをインキ全量の48重量%、 及びアロニックスM−350(東亜合成製トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、粘度45〜65mPa・s/25℃をインキ全量の15重量%を、
ジアクリルフタレート樹脂(B−1)として、ダイソーDAP A(ダイソー製)を、又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)として、ダイソーイソダップ(ダイソー製)を、インキ全量の12重量%を、
光重合開始剤としてIRGACURE907(2-メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モノフォリノプロパン−1−オン)BASF社製をインキ全量の5重量%を、
重合禁止剤としてニトロソアミン系重合禁止剤Q−1301、和光純薬工業株式会社製をインキ全量の0.1重量%を添加した。アロニックスM−402とジアクリルフタレート樹脂(ダイソーDAP A)、及び、ジアリルイソフタレート樹脂(ダイソーイソダップ)は、120℃の熱を加え、予め溶解させた。
また、実施例1では、ヘキサメタリン酸を各々インキ全量の0.05重量%、及び非晶性シリカAEROSIL200を各々インキ全量の0.5重量%を添加し同様に連肉し、紫外線硬化型オフセットインキを得た。実施例2〜9については、各々C群から1点(0.05重量%)、非晶性シリカ(D)から1点(0.5重量%)添加し同様に連肉し紫外線硬化型オフセットインキを得た。更に実施例9は、ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)を各々インキ全量の6重量%ずつ、計12重量%とした。また、比較例としてジアクリルフタレート樹脂(B−1)、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)、C群、非晶性シリカ(D)いずれか欠如したもの、又は2点欠如したものを作製した。
〔インキ組成物の評価方法:給水ローラーへのインキの付着〕
リスロンG40印刷機(小森コーポレーション社製)を用い、10,000枚連続印刷した際の湿し水供給装置給水ローラーへのインキの付着度合を、印刷開始からローラー汚れ始める時間を測定して比較した。
使用エッチ液:DICエッチ液FST―545(DICグラフィックス社製)2%添加、給水温度10℃、
印刷用紙:OKトップコート、70.5Kg(王子製紙社製)
印刷スピード:10000枚/時、印刷開始〜刷了まで60分。
(評価基準)ポイントが多い程、汚れにくい。
5:刷了まで給水ローラーの汚れは見られない。
4:印刷開始から50分で給水ローラーにインキが付着した。
3:印刷開始から40分で給水ローラーにインキが付着した。
2:印刷開始から30分で給水ローラーにインキが付着した。
1:印刷開始から30分以内で給水ローラーにインキが付着した。
表1及び2に評価結果を記す。
Figure 2016196596
Figure 2016196596
表1及び2中の数値は重量%である。
尚、日本エアロジル(株)社製AEROSILの各々の「水に対する挙動」、BET法による比表面積、及び1次粒子の平均径は次の通りである。
・AEROSIL200(CAS登録番号7631−86−9):親水性シリカ、比表面積200±25m/g、1次粒子の平均径12nm
・AEROSIL300(CAS登録番号7631−86−9):親水性シリカ、比表面積300±30m/g、1次粒子の平均径7nm
・AEROSIL R972(CAS登録番号68611−44−9):疎水性シリカ、比表面積110±20m/g、1次粒子の平均径16nm
実施例に述べる紫外線硬化型オフセットインキでは、ロングラン印刷においても湿し水供給装置の調量ローラーへのインキ付着が抑制でき、印刷物の汚れを回避する為の作業中断によるメンテナンス作業が不要となり、安定した印刷が継続できる。

Claims (4)

  1. 下記の(a)〜(c)を全て満足する活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物。
    (a)エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)を含有する。
    (b)ジアクリルフタレート樹脂(B−1)、及び/又は、ジアリルイソフタレート樹脂(B−2)を含有する。
    (c)下記の群Cより選択される一つ以上 及び/又は非晶性シリカ(D)を含有する
    (群C)
    リン酸、リン酸のアンモニウム塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属二水素塩、クエン酸、クエン酸のアンモニウム塩、クエン酸のアルカリ金属塩、クエン酸のマグネシウム塩。
  2. 前記の群Cにおいて、
    リン酸が、無水リン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ペンタポリリン酸、ヘキサポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸及びヘキサメタリン酸から成る群から選ばれる一つ以上であり、
    リン酸のアンモニウム塩が、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸水素アンモニウムナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    リン酸のアルカリ金属塩が、リン酸水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸水素カリウム、ポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    リン酸のアルカリ土類金属二水素塩が、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素バリウム及びリン酸二水素マグネシウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    クエン酸のアンモニウム塩が、クエン酸水素二アンモニウム及びクエン酸三アンモニウムから成る群から選ばれる一つ以上であり、
    クエン酸のアルカリ金属塩が、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウム及びクエン酸水素二ナトリウムから成る群から選ばれる一つ以上である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物。
  3. 前記エチレン性二重結合を有する活性エネルギー線重合性化合物(A)が、多官能アクリレートモノマーである請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物。
  4. 基材上に、請求項1〜3の何れか1つに記載の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物を用いてオフセット印刷された印刷物。
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