JP7297397B2 - 絞出し容器 - Google Patents

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Description

本発明は、収容した内容物を絞り出して使用される絞出し容器に関する。
例えば、おろしワサビ(練りワサビ)、おろしにんにく、おろし生姜、マヨネーズ、ケチャップなどの練り状ないしペースト状の内容物を収容する容器として、口部、胴部及び底部を備えたボトル形状を有し、その胴部を押圧することによって口部から内容物を絞り出して使用される絞出し容器が知られている。
このような絞出し容器は、胴部を押し潰し易くし、これにより内容物を容易に絞り出すことができるようにするために、比較的柔らかい低密度ポリエチレンを主材として形成されるのが一般的である(特許文献1参照)。
特開2017-19562号公報
各種容器に収容される内容物として、容器に充填されて口部がアルミシール等のシール材で密封された後に、加熱殺菌処理を必要とするものがある。このような内容物の加熱殺菌処理は、例えば、内容物が充填され、口部が密封された容器を、所定時間(例えば30分)、80℃のスチーム環境下に置くなどして所定温度に保持することで内容物の加熱殺菌を行い、その後、容器に冷水等を掛けて急冷することにより行われる。そして、このような加熱殺菌処理を必要とする内容物を収容する容器として、上記のような絞出し容器を用いることが要望されている。
一方、低密度ポリエチレンを主材としてボトル状に形成される絞出し容器では、上記の通り、胴部を押し潰し易くして内容物の絞り出しを容易に行い得るようにするために、その主材として曲げ弾性率が比較的に低いグレードの低密度ポリエチレンを選定するのが好ましい。
しかし、絞出し容器の主材となる低密度ポリエチレンとして、曲げ弾性率が比較的に低いグレードのものを用いた場合では、内容物の充填後に上記した加熱殺菌処理を行うと、加熱により軟化した胴部が容器内圧の上昇により膨張変形し、次いで、急冷の際に減圧変形することによって永久変形を生じてしまうという問題があった。
これに対し、主材とする低密度ポリエチレンとして曲げ弾性率の高いグレードのものを選定することで、上記変形に耐え得る剛性を胴部に持たせることが考えられるが、この場合、胴部が硬くなって潰れにくくなり、内容物を絞り出す作業が困難になってしまうという問題が生じることになる。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、加熱殺菌処理が必要な内容物を収容することができるとともに当該内容物を容易に絞り出すことができる絞出し容器を提供することにある。
本発明の絞出し容器は、低密度ポリエチレンを主材として、口部、胴部及び底部を備えたボトル形状に形成され、前記胴部の押圧によって前記口部から内容物を絞り出して使用される絞出し容器であって、前記胴部が、互いに対向する正面壁部分及び背面壁部分と、前記正面壁部分及び前記背面壁部分よりも幅の狭い一対の側壁部分とを有する扁平形状であるとともに、前記正面壁部分の側からの正面視で、前記口部の側よりも前記底部の側の幅が広い下膨れの形状であり、前記胴部の、前記口部と前記底部との中間よりも前記底部側の部分に、それぞれ前記胴部の周方向に沿って前記正面壁部分から一対の前記側壁部分にまで回り込む複数本の横リブが前記胴部の軸方向に向けて間隔を空けて並べて設けられるとともに、それぞれ前記胴部の周方向に沿って前記背面壁部分から一対の前記側壁部分にまで回り込む複数本の横リブが前記胴部の軸方向に向けて間隔を空けて並べて設けられており、前記胴部の、前記口部と前記底部との中間よりも前記口部側の部分には前記横リブは設けられていないことを特徴とする。
本発明によれば、加熱殺菌処理が必要な内容物を収容することができるとともに当該内容物を容易に絞り出すことができる絞出し容器を提供することができる。
本発明の一実施の形態である絞出し容器の正面図である。 図1に示す絞出し容器の側面図である。 図1に示す絞出し容器の底面図である。 図1におけるA-A線に沿う断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
図1~図4に示す本発明の一実施の形態である絞出し容器1は、おろしワサビ(練りワサビ)、おろしにんにく、おろし生姜などの練り状ないしペースト状であるとともに、絞出し容器1に充填された後に加熱殺菌処理を必要とする内容物を収容する用途に用いることができるものである。
絞出し容器1は、低密度ポリエチレン(LDPE)を主材としてボトル形状に形成されており、口部11、胴部12及び底部13を備えている。
より具体的には、本実施の形態では、絞出し容器1は、主材である低密度ポリエチレンにより形成された内層と外層の間に、バリア層としてEVOH層(エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂層)を備えた構成となっている。また、内層とEVOH層の間及び外層とEVOH層の間には、それぞれ層間剥離を防止するための接着層が設けられている。さらに、内層と内側の接着層との間には、主材である低密度ポリエチレンに再生材を混合した材料により形成された再生層が設けられている。すなわち、本実施の形態では、絞出し容器1は、「外層/接着層/EVOH層/接着層/再生層/内層」の層構成を有している。これらの層の層厚比は、外層から内層に向けて、それぞれ16%、2%、3%、2%、74%、3%である。なお、再生材とは、絞出し容器1の上記各層を含む端材等を粉砕し、再利用したものであり、主材である低密度ポリエチレンが主成分となっているものである。上記層構成を有する絞出し容器1は、内層、外層及び再生層の大部分を構成する同一の低密度ポリエチレンを主材としており、全体に占める主材の割合は90%以上である。
バリア層として使用されているEVOH層は、エチレン含有量が29~44mol%のEVOHにより形成されたものであるのが好ましい。エチレン含有量が29~44mol%のEVOHによりEVOH層を形成することにより、適度の酸素バリア性能を確保しつつ、内容物を絞り出す際にEVOH層にクラック等が発生することを防止することができる。これに対して、エチレン含有量が29mol%未満のEVOHによりEVOH層を構成すると、内容物を絞り出す際に、EVOH層にクラック等が発生するおそれがある。また、エチレン含有量が44mol%を超えるEVOHによりEVOH層を構成すると、酸素バリア性能が不足することになる。本実施形態では、EVOH層として、日本合成化学社製ソアノール DC3203RB(エチレン含有量32mol%)を使用した。
本実施の形態の絞出し容器1では、上記したEVOH層(バリア層)を有する積層構造を有するので、胴部12を適度な可撓性を有する柔らかいものとしつつ、胴部12の酸素透過に対するバリア性を高めて、内容物の酸化を抑制することができる。
本実施の形態においては、絞出し容器1は、上記層構成を有する積層構造のパリソンを押出ブロー成形(EBM:Extrusion Blow Molding)することにより形成されている。
口部11は円筒状に形成されており、その先端は内容物の注出口11aとなっている。口部11の開口端は平坦に形成されており、内容物の充填後に、当該開口端にたとえばアルミシール等のフィルム状のシール材を貼着することによって注出口11aを密封することができる。さらに、口部11の外周面には雄ねじ11bが一体に設けられており、この雄ねじ11bにキャップ(不図示)をねじ結合させることで、注出口11aをキャップにより閉塞することができる。
胴部12は、互いに対向する正面壁部分12a及び背面壁部分12bと一対の側壁部分12cとを有する略筒状に形成されており、口部11の下端に一体に連ねられている。胴部12の内部は収容空間となっており、この収容空間に内容物を収容することができる。胴部12は可撓性を有しており、手などによって押圧(スクイズ)して容易に押し潰すことができる。
図3に示すように、正面壁部分12aと背面壁部分12bとの間隔は、一対の側壁部分12cの間隔よりも狭くなっている。すなわち、本実施の形態においては、胴部12は、正面壁部分12a及び背面壁部分12bの幅よりも一対の側壁部分12cの幅が狭い扁平形状となっている。
また、図1に示すように、本実施の形態においては、胴部12は、正面壁部分12aの側からの正面視で、口部11の側よりも底部13の側の幅が広い下膨れの形状となっている。
胴部12の正面壁部分12a及び背面壁部分12bの、口部11と底部13との中間よりも底部13の側の部分には、それぞれ4本の横リブ20が設けられている。すなわち、胴部12の軸心を挟んだ両側に、それぞれ胴部12の図1における上下方向の中央位置よりも下方側の部分に位置するように4本の横リブ20が設けられている。これらの横リブ20は、それぞれ胴部12の内側に向けて半円状に凹む凹溝状に形成されている。
これらの横リブ20は、それぞれ胴部12の周方向(図1における左右方向)に沿って互いに略同一の長さでは延び、それぞれ正面壁部分12a及び背面壁部分12bから側壁部分12cにまで回り込んでいる。図1、図2に示すように、正面壁部分12aに設けられる4本の横リブ20は、互いに胴部12の軸方向つまり上下方向に向けて間隔を空けて並べて設けられ、背面壁部分12bに設けられる4本の横リブ20は、互いに胴部12の軸方向つまり上下方向に向けて間隔を空けて並べて設けられている。図示する場合では、隣り合う横リブ20の間隔は、何れも、当該横リブ20の溝幅すなわち上下方向幅の2倍程度とされている。なお、正面壁部分12aに設けられる4本の横リブ20と、背面壁部分12bに設けられる4本の横リブ20とは、胴部12の軸心を挟んで対称に配置されている。
また、胴部12の、最も口部11の側に設けられた横リブ20よりもさらに口部11の側の部分には、胴部12の周方向に沿って延びる1本の環状リブ21が設けられている。最も口部11の側に設けられた横リブ20と環状リブ21との間の軸方向の間隔は、隣り合う横リブ20の間隔よりも大きくなっている。なお、環状リブ21も、胴部12の内側に向けて半円状に凹む凹溝状に形成されている。
これらの横リブ20及び環状リブ21は、それぞれ胴部12の口部11の側における剛性を高めるとともに、胴部12の内圧の変化に応じて当該内圧の変化を吸収するように変形することができる。また、環状リブ21は、内容物を絞り出し残量が少なくなってきた際、口部11と胴部12との間の肩部に溜まった内容物を絞り出す際に容器内径方向に折れ曲がり、絞り出し易くできる効果も有する。
胴部12の、側壁部分12cには、それぞれ絞出し容器1の軸心に平行な平坦なカット面22が設けられている。
底部13は胴部12の下端に一体に連なり、胴部12の下端を閉塞している。底部13の中央側の部分は上方に向けてドーム状に凹む凹部13aとなっており、当該凹部13aには押出ブロー成形におけるパリソンの食切り部14が設けられている。図3に示すように、食切り部14は、一方の側壁部分12cの側から他方の側壁部分12cの側に向けて真っ直ぐに延びるリブ状の食切り本体部14aと、それぞれ食切り本体部14aから該食切り本体部14aに直交するように正面壁部分12aの側に向けて真っ直ぐに延びるとともに互いに間隔を空けて並ぶリブ状の2本の食切り枝部14bと、それぞれ食切り本体部14aから該食切り本体部14aに直交するように背面壁部分12bの側に向けて真っ直ぐに延びるとともに互いに間隔を空けて並ぶリブ状の3本の食切り枝部14cと、を有している。
このような構成を有する絞出し容器1は、胴部12の収容空間に収容されている内容物を、手などによって胴部12を押圧して押し潰すことにより、口部11の注出口11aから外部に絞り出すことができる。このとき、絞出し容器1は、比較的柔らかい材質である低密度ポリエチレンを主材として形成されているので、胴部12は押し潰し易く、これにより内容物を容易に絞り出すことができる。
ここで、本実施の形態の絞出し容器1では、主材となる低密度ポリエチレンは、曲げ弾性率が100~300MPa、ビカット軟化温度が90℃以上のものである。
このような特性値を有する低密度ポリエチレンを主材として絞出し容器1を形成することにより、胴部12を押し潰し易い(スクイズ性のよい)適度な剛性を有するものとしつつ、内容物を充填した後、口部11の注出口11aを密封して加熱殺菌処理を行う際に、胴部12が軟化して永久変形を生じることを防止することができる。したがって、絞出し容器1を、加熱殺菌処理が必要な内容物を収容する用途に使用可能であるとともに、内容物を絞り出す作業を容易に行い得るものとすることができる。
主材となる低密度ポリエチレンは、曲げ弾性率が上記した100MPa~300MPaの範囲内のものであればよいが、100MPa~200MPaの範囲内のものであればより好ましく、130MPa~150MPaの範囲内のものであればさらに好ましい。これにより、絞出し容器1を、加熱殺菌処理が必要な内容物を収容する用途に使用可能なものとしつつ、内容物を絞り出す作業がさらに容易なものとすることができる。
また、主材となる低密度ポリエチレンは、ビカット軟化温度が91℃~93℃の範囲内のものであるのがより好ましい。これにより、絞出し容器1を、加熱殺菌処理を行う際に、胴部12が軟化して永久変形を生じることをさらに確実に防止することができる。
さらに、主材となる低密度ポリエチレンは、デュロメータ硬さが48~52の範囲内のものであるのが好ましい。これにより、胴部12の剛性を、さらに押し潰し易い適度なものとして、内容物を絞り出す作業をさらに容易にすることができる。
さらに、主材となる低密度ポリエチレンは、密度が0.922以下のものであるのが好ましい。これにより、胴部12の剛性を、さらに押し潰し易い適度なものとして、内容物を絞り出す作業をさらに容易にすることができる。
さらに、本実施の形態の絞出し容器1では、胴部12を扁平形状としているので、内容物を絞り出す際に胴部12を押圧し易くして、内容物を絞り出す作業をさらに容易にすることができる。
さらに、本実施の形態の絞出し容器1では、胴部12を下膨れの形状としているので、胴部12をより底部13の側において押圧し易くして、使用時に、底部13の側に溜まった内容物を効率良く注出口11aの側に押し出して外部に絞り出すことができる。
さらに、本実施の形態の絞出し容器1では、胴部12の正面壁部分12aと背面壁部分12bとに、それぞれ胴部12の周方向に沿って延びる4本の横リブ20を胴部12の軸方向に向けて間隔を空けて並べて設けるとともに、胴部12の横リブ20よりも口部11の側の部分に胴部12の周方向に沿って延びる環状リブ21を設けるようにしたので、胴部12の肉厚を厚くして胴部12の剛性を高めるなどの対策を施すことなく、胴部12を内容物の絞り出しを容易に行い得る程度の適度な可撓性を有する構成としたまま、当該横リブ20及び環状リブ21により胴部12の所望部位の剛性を高めつつ加熱殺菌処理において生じる胴部12の内圧の増減を当該横リブ20及び環状リブ21の変形により吸収することができるようにして、加熱殺菌処理を行うことによって胴部12に永久変形が生じることをさらに効果的に防止することができる。
さらに、本実施の形態の絞出し容器1では、底部13に設けられる食切り部14を、一方の側壁部分12cの側から他方の側壁部分12cの側に向けて真っ直ぐに延びるリブ状の食切り本体部14aと、それぞれ食切り本体部14aから該食切り本体部14aに直交するように正面壁部分12aの側に向けて真っ直ぐに延びるとともに互いに間隔を空けて並ぶリブ状の2本の食切り枝部14bと、それぞれ食切り本体部14aから該食切り本体部14aに直交するように背面壁部分12bの側に向けて真っ直ぐに延びるとともに互いに間隔を空けて並ぶリブ状の3本の食切り枝部14cと、を有する構成として、底部13の剛性を高めるようにしたので、加熱殺菌処理により胴部12の内圧が増加したときに、凹部13aが下方に向けて変形してしまうことを防止することができる。これにより、加熱殺菌処理を行うことによって胴部12に永久変形が生じることをさらに効果的に防止することができる。
上記の通り、絞出し容器1は、胴部12への充填後に加熱殺菌処理を必要とする内容物を収容する用途に用いることができる。
内容物の加熱殺菌処理は、例えば、口部11を通して胴部12の収容空間に所定量の内容物を充填し、口部11の開口端にシール材を貼着して注出口11aを密封した後、当該密封状態の内容物入りの絞出し容器1を、所定時間(例えば30分)、所定温度(例えば80℃)のスチーム環境内に保持することで内容物の殺菌を行い、その後、絞出し容器1に冷水等を掛けて急冷することにより行われる。
ここで、低密度ポリエチレンを主材とした従来の絞出し容器は、加熱殺菌処理を必要とする内容物を収容する用途には用いられておらず、また、上記の通り、加熱殺菌処理を必要とする内容物を収容する用途に用いた場合には、加熱殺菌処理により生じる胴部の永久変形の防止と、胴部を適度な可撓性を有するものとして内容物の絞り出し易さの維持とを両立することが困難なものであった。すなわち、本出願人は、低密度ポリエチレンを主材とした絞出し容器を、加熱殺菌処理を必要とする内容物を収容する用途には用いようとした場合において、主材として曲げ弾性率が比較的に低いグレードの低密度ポリエチレンを用いて胴部を押し潰し易くし、内容物の絞り出しを容易に行い得るようにしようとすると、加熱殺菌処理の際に、胴部の永久変形が生じてしまうという新たな課題を見出した。
当該課題を解決するための手段を検討するために、出願人は、図1に示す絞出し容器1と同一の形状を有するとともに、それぞれグレードが相違する低密度ポリエチレンを主材とする実施例1~4及び比較例1、2の6種類の絞出し容器を用意した。絞出し容器は押出ブロー成形により形成し、ボトル重量13g、満注容量174ml、ブロー比 長径3.1倍、短径1.9倍とした。
実施例1の絞出し容器は、日本ポリエチレン株式会社の低密度ポリエチレンである「ノバテック(登録商標) ZE41K」を主材とし、実施例2の絞出し容器は、日本ポリエチレン株式会社の低密度ポリエチレンである「ノバテック LE306」を主材とし、実施例3の絞出し容器は、株式会社NUC(日本ユニカー株式会社)の低密度ポリエチレンである「DND-2450」を主材とし、実施例4の絞出し容器は、日本ポリエチレン株式会社の低密度ポリエチレンである「ノバテック LB420M」を主材とし、比較例1の絞出し容器は、日本ポリエチレン株式会社の低密度ポリエチレンである「ノバテック LB240」を主材とし、比較例2の絞出し容器は、日本ポリエチレン株式会社の低密度ポリエチレンである「ノバテック LB280」を主材としたものである。
そして、出願人は、これらの絞出し容器のそれぞれに内容物としてペースト状の生姜を充填し、口部をアルミシールで密封した後、30分間、80℃のスチーム環境下に置いて内容物の殺菌処理を行い、その後、冷却水により急冷して、胴部に永久変形が生じるか否かを確認するとともにそれぞれの絞出し容器の胴部のスクイズ性の良否を確認する実験を行った。胴部の永久変形の有無は目視で確認して行い、スクイズ性は、胴部の剛性が13N以下の場合に○、13Nを超えた場合に×として評価した。
実施例1~4及び比較例1、2のそれぞれの絞出し容器についてのスクイズ性及び製品外観の評価結果を、それぞれの絞出し容器の物性値及びそれぞれの主材の特性値とともに表1に示す。
なお、表1において、主材の密度は「JIS K7112」、主材の曲げ弾性率は「JIS K6922-2」、主材のデュロメータ硬さは「JIS K7215」、主材のビカット軟化温度は「JIS K7206」に基づき測定した。
Figure 0007297397000001
表1から、主材の曲げ弾性率が300MPaより大きく、ビカット軟化温度が90℃以上である比較例1、2の絞出し容器では、胴部の永久変形を防止することはできるが、スクイズ性の評価は×であった。これに対し、主材の曲げ弾性率が100MPa~300MPa、ビカット軟化温度が90℃以上である実施例1~4の絞出し容器では、良好なスクイズ性を確保しつつ胴部の永久変形を防止することができることが確認できた。
特に、主材の曲げ弾性率が100MPa~200MPaないし130MPa~150MPaの範囲内となる実施例2、3の絞出し容器では、ビカット軟化温及びデュロメータ硬さが実施例1、4よりも低いにも拘わらず、良好なスクイズ性を確保しつつ胴部の永久変形を防止することができることが確認できた。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、絞出し容器1の主材となる低密度ポリエチレンは、低密度ポリエチレンを主成分とした樹脂材料により形成されていれば、例えば、低密度ポリエチレンに他種類の樹脂材料ないし添加剤等を混ぜた樹脂材料により形成された構成とすることもできる。
また、胴部12は、上記した扁平形状に限らず、例えば円形の横断面形状や楕円形の横断面形状などの他の形状とすることもできる。さらに、胴部12は、上記した下膨れの形状に限らず、口部11の側と底部13の側が同一の幅となる形状など他の形状とすることもできる。
さらに、前記実施の形態においては、胴部12の軸心を挟んだ両側に、それぞれ4本の横リブ20を設けるようにしているが、これに限らず、それぞれの側に複数本の横リブ20が設けられていれば、その本数は任意に変更可能である。また、横リブ20を設けない構成とすることもできる。
さらに、前記実施の形態においては、胴部12に、環状リブ21を設けるようにしているが、これに限らず、環状リブ21を設けない構成とすることもできる。
さらに、前記実施の形態においては、絞出し容器1は、主材である低密度ポリエチレンにより形成された内層と外層の間に、バリア層としてのEVOH層、2つの接着層及び再生層を備えた構成となっているが、これに限らず、低密度ポリエチレンを主材としてボトル形状に形成されていれば、例えば、低密度ポリエチレンの単層構造とするなど、その層構成は種々変更可能である。
さらに、絞出し容器1は、押出ブロー成形により形成されたものに限らず、低密度ポリエチレンを主材としてボトル形状に形成されていれば、例えば、低密度ポリエチレンにより予め有底筒状に形成されたプリフォームをブロー成形して形成されたものとするなど、他の方法により形成されたものとすることもできる。
さらに、前記実施の形態においては、絞出し容器1を、おろしワサビ(練りワサビ)、おろしにんにく、おろし生姜等の練り状ないしペースト状の内容物を収容する用途に用いられるものとしたが、これに限らず、例えばマヨネーズやケチャップ等の他の練り状ないしペースト状の内容物や、練り状ないしペースト状ではない内容物など、他の内容物を収容する用途に用いることもできる。また、絞出し容器1を、加熱殺菌処理を必要としない内容物を収容する用途に用いることもできる。
1 絞出し容器
11 口部
11a 注出口
11b 雄ねじ
12 胴部
12a 正面壁部分
12b 背面壁部分
12c 側壁部分
13 底部
13a 凹部
14 食切り部
14a 食切り本体部
14b 食切り枝部
14c 食切り枝部
20 横リブ
21 環状リブ
22 カット面

Claims (1)

  1. 低密度ポリエチレンを主材として、口部、胴部及び底部を備えたボトル形状に形成され、前記胴部の押圧によって前記口部から内容物を絞り出して使用される絞出し容器であって、
    前記胴部が、互いに対向する正面壁部分及び背面壁部分と、前記正面壁部分及び前記背面壁部分よりも幅の狭い一対の側壁部分とを有する扁平形状であるとともに、前記正面壁部分の側からの正面視で、前記口部の側よりも前記底部の側の幅が広い下膨れの形状であり、
    前記胴部の、前記口部と前記底部との中間よりも前記底部側の部分に、それぞれ前記胴部の周方向に沿って前記正面壁部分から一対の前記側壁部分にまで回り込む複数本の横リブが前記胴部の軸方向に向けて間隔を空けて並べて設けられるとともに、それぞれ前記胴部の周方向に沿って前記背面壁部分から一対の前記側壁部分にまで回り込む複数本の横リブが前記胴部の軸方向に向けて間隔を空けて並べて設けられており、
    前記胴部の、前記口部と前記底部との中間よりも前記口部側の部分には前記横リブは設けられていないことを特徴とする絞出し容器。
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JP2017019562A (ja) 2015-07-10 2017-01-26 キユーピー株式会社 液状調味料容器及び容器詰液状調味料

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