JP2008079643A - プラスチック製ブロー成形輸液容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】口部1と首部2、肩部3、胴部4、底部5を有するブロー成形容器であって、胴部4は、一対の幅広の側面41と一対の幅狭の側面42とを有しており、底部5は、この底部5の長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した形状に形成されている。また、肩部3は、一対の幅広の側面31と一対の幅狭の側面32とを有しており、幅狭の側面32には、長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した溝部33が形成されている。
【選択図】図1
Description
ボトルタイプの輸液容器は、輸液容器を直立させることができるという利点がある。しかしながら、このタイプの輸液容器は、ブロー成形により形成されるため、柔軟性に問題があり、従って、薬液の流出に際して容器が十分に圧潰しないため、かなりの量の薬液が残ってしまうという欠点を有している。そこで、従来、薬液を一定の流量で輸液するに当たり、例えば、容器口部の栓にエアー針を穿刺して容器の内外を連通させ、薬液の流出に合わせて空気が導入されるようにする方法や、残液を少なくするために、容器容量に比して控え目に薬液を充填し、空気などの気体の量を増やしておく方法が採用されている。
しかしながら、特許文献1の輸液容器は、肩部および底部の圧潰が十分でなく、従って、注入されるエアーの量が多く不満の残るものであり、また、特許文献2の輸液容器についても、若干の改善は認められるものの、同様に肩部および底部、就中肩部の圧潰が十分でなく、従って注入されるエアーの量が多く不満の残るものであった。
胴部の幅狭の側面には、例えば加熱プレス成形により、長軸に関して対称に外側に折れ曲がる折れ目が設けられていてもよい。
尚、折れ目は、例えばブロー成形金型の内部を陰圧にすることによっても形成することができる。また、本発明において内側とは容器の内部側を言い、外側とは容器の外部側を言う。
以上、一般的に本発明を記述したが、より一層の理解は、いくつかの特定の実施例を参照することによって得ることが出来る。これらの実施例は本明細書に例示の目的のためにのみ提供されるものであり、他の旨が特定されない限り、限定的なものではない。
また、肩部に設けたV字状の溝部は、このV字状の溝部が殆ど圧潰しない首部に隣接する部分に嵌り込んで、デッドスペースになる首部隣接部分を埋める格好になるので、その分更にエアー注入量を少なくすることができる。
図1は実施例1の輸液容器を示す正面図であり、図2は図1の側面図、図3は図1の平面図、図4は図1のX−X線端面図、図5は図1のY−Y線端面図である。
実施例1の輸液容器は、図1〜図5に示すように、口部1と首部2、肩部3、胴部4、底部5を有するブロー成形容器であって、胴部4は、一対の幅広の側面41、41と一対の幅狭の側面42、42とを有しており、底部5は、この底部5の長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した形状に形成されている。また、肩部3は、一対の幅広の側面31、31と一対の幅狭の側面32、32とを有しており、幅狭の側面32、32には、長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した溝部33、33が形成されている。さらに、底部5および肩部3の屈曲部分にはそれぞれ、折れ目(図示していない)が設けられている。また、胴部4の幅狭の側面42、42には、長軸に関して対称に外側に折れ曲がる折れ目(図示していない)が設けられている。
尚、ブロー成形の場合、通常、肩部3および胴部4の幅広の側面31、41は短軸に関して対称になっており、肩部3および胴部4の幅狭の側面32、42は長軸に関して対称になっている。また、輸液容器を吊すための吊り手段は省略している。
また、肩部4のV字状の溝部33が圧潰しない首部に隣接する部分に嵌り込んで、デッドスペースになる首部隣接部分を埋める格好になるので、デッドスペースが更に少なくなる。
図6は実施例2の輸液容器を示す正面図であり、図7は図6の側面図、図8は図6の平面図、図9は図6のX−X線端面図、図10は図6のY−Y線端面図である。
実施例1の輸液容器は、図6〜図10に示すように、口部1と首部2、肩部3、胴部4、底部5を有する容器であって、胴部4は、一対の幅広の側面41、41と一対の幅狭の側面42、42とを有しており、底部5は、この底部5の長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した形状に形成されている。また、肩部3は、一対の幅広の側面31、31と一対の幅狭の側面32、32とを有しており、肩部3の幅狭の側面32、32には、長軸に対して対称に外側に折れ曲がる折れ目321、321が設けられている。また、底部5の屈曲部分に、加熱プレス成形により折れ目(図示していない)が設けられ、胴部の幅狭の側面42、42には、加熱プレス成形により、長軸に関して対称に外側に折れ曲がる折れ目(図示していない)が設けられている。
LLDPE(プライムポリマー社製モアテック3500Z)とLD(日本ポリエチレン社製LM360)を重量比80:20の割合でブレンドしたプラスチックを用いて、容量540mL、重量12g、最低肉厚0.15mmを仕様とする表1に示すようなブローボトルを各5個作成し、それぞれに水道水520mLを充填し、輸液セット(ニプロ社製、ISA−300A00)を接続して自然落下による排液(落差80cm)を行い、各ボトル内の残液量を30mLシリンジで測定したところ、表2のような結果が得られた。
表2から、実施例1、実施例4の輸液容器の残液量は20mL以下であり、また、実施例2、実施例3の残液量もそれぞれ僅か25mL、32mLであり、従来の輸液容器(残液量53mL)より大幅に残液量が改善されている。従って、特に底部を長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した形状に形成することにより、残液量を大幅に減少させることができることが判る。
また、肩部に長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した形状の溝部を形成することにより、さらに残液量を大幅に減少させることができることが判る。また、底部および肩部の屈曲部分に、内側に折れ曲がる折れ目を設け、胴部の幅狭の側面に、長軸に関して対称に外側に折れ曲がる折れ目を設けることにより、残液量をさらに減少させることができることが判る。
2 首部
3 肩部
31 幅広の側面
32 幅狭の側面
33 溝部
4 胴部
41 幅広の側面
42 幅狭の側面
5 底部
51 V字状部分
Claims (4)
- 口部と首部、肩部、胴部、底部を有する容器であって、前記胴部は、一対の幅広の側面と一対の幅狭の側面とを有しており、前記底部は、該底部の長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した形状に形成されてなる、プラスチック製ブロー成形輸液容器。
- 肩部は、一対の幅広の側面と一対の幅狭の側面とを有しており、該幅狭の側面には、長軸に関して対称且つ内側に向かってV字状に屈曲した形状の溝部が形成されてなる、請求項1に記載の輸液容器。
- 底部および肩部の屈曲部分に、内側に折れ曲がる折れ目が設けられてなる、請求項1または2に記載の輸液容器。
- 胴部の幅狭の側面に、長軸に関して対称に外側に折れ曲がる折れ目が設けられてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の輸液容器。
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