JP7296443B2 - 情報出力装置及びプログラム - Google Patents
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Description
そこで、将来にわたる不動産価値のより適切な評価を行い、ユーザへと提供する不動産情報提供システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
他方、税理士は、確定申告書の作成時に、オーナーから実際の賃料や、減価償却費等の情報を、ヒアリング等を行うことによって得ることができる。
(第1実施形態)
〔提案システム1000の全体構成〕
図1は、第1実施形態に係る提案システム1000の全体構成図である。
提案システム1000は、複数の税理士事務所(図1では、税理士事務所Aから税理士事務所Cを例示している。)が使用するシステムであり、税理士が、各不動産物件のオーナー(所有者、大家等)に対して不動産物件に係る提案を行うために用いる。また、提案システム1000は、税理士や税理士事務所の事務員等が、各不動産物件のオーナーに対する確定申告書の作成に係るデータの入力作業に用いる。
情報処理サーバ1は、例えば、サーバである。情報処理サーバ1は、その他、パーソナルコンピュータ(PC)に代表される端末等であってもよい。
また、情報処理サーバ1は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータは、例えば、通信ネットワークNを介して接続される。また、情報処理サーバ1は、例えばクラウド上に設けられる仮想サーバ(仮想マシン)として構成してもよい。
図2に示すように、情報処理サーバ1は、制御部10と、記憶部30と、通信IF(インタフェース)部39とを備えている。
制御部10は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該情報処理サーバ1の全体の制御を行う。制御部10は、記憶部30に記憶されたオペレーティングシステム(OS)や各種のアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
なお、プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、通信ネットワークN等の一時的伝送媒体を介して、プログラム配布サーバ等(図示せず)からコンピュータ等へ配布及び販売することができる。
制御部10は、情報入力部11と、将来値算出処理部15(予測値受付手段、将来値予測手段)と、将来予測生成処理部16(将来予測生成手段)と、グラフ種類受付部17(グラフ種類受付手段)と、グラフ生成処理部18(グラフ生成手段)と、指標項目処理部19(第1指標情報抽出手段、第1レポート生成手段)と、情報出力部20(出力手段)と、プログラム連携部21と、内訳書作成処理部23(書類作成手段)とを備える。
情報入力部11は、収入受付部12(収入受付手段)と、経費受付部13(経費受付手段)と、借入受付部14(借入受付手段)とを備える。
収入受付部12は、オーナーごとに、不動産物件に係る家賃収入を含む収入情報を受け付ける。オーナーが複数の不動産物件を所有している場合には、収入受付部12は、不動産物件の区分ごとに収入情報を受け付ける。ここで、区分とは、例えば、不動産物件がアパート等である場合には、部屋番号により一意に特定できる戸(室)を示すものである。
借入受付部14は、オーナーごとに、不動産物件に係る借入金額を含む借入情報を受け付ける。その際、借入受付部14は、不動産物件のうち土地の割合を示す土地負債利子割合(%)の入力を受け付ける。また、オーナーが複数の不動産物件を所有している場合には、借入受付部14は、不動産物件の区分ごとに借入情報を受け付ける。
収入受付部12、経費受付部13及び借入受付部14は、例えば、税理士事務所の事務員が、オーナーから受領した資料等に基づいて端末4から入力することで、入力された該当の情報を受け付けることができる。
将来予測生成処理部16は、情報入力部11により入力がされた各情報と、将来値算出処理部15が予測した将来の各情報とを用いてキャッシュフローを生成し、生成したキャッシュフローを含む、事業計画表を生成する。
グラフ生成処理部18は、グラフ種類受付部17が受け付けたグラフ種類に基づく事業計画グラフを、事業計画表に含む所定の値を用いて生成する。
指標項目処理部19は、後述する指標記憶部32(第1指標記憶部)を参照して、事業計画表から各指標項目(第1指標項目)に対応する各情報を抽出する。次に、指標項目処理部19は、抽出した各情報と、指標記憶部32の基準(第1基準)とに基づいて、抽出した各情報が基準を満たすか否かを判断する。基準を満たす場合には、指標項目処理部19は、該当する指標項目に対応する対策内容(第1対策情報)を抽出する。そして、指標項目処理部19は、対策内容を抽出した場合には、抽出した対策内容を含むレポート(第1レポート)を生成する。
申告書情報提供部22は、収入受付部12が受け付けた収入情報と、経費受付部13が受け付けた経費情報と、借入受付部14が受け付けた借入情報とを、確定申告書の作成等に利用する申告書作成プログラム(申告書作成手段;図示せず)に提供する処理を行う。申告書作成プログラムは、例えば、一般的な会計ソフトである。申告書情報提供部22は、収入情報と経費情報と借入情報とを、例えば、申告書作成プログラムが受け付ける所定のデータフォーマット(例えば、CSV形式等)に変換して会計データを生成する。
内訳書作成処理部23は、収入受付部12が受け付けた収入情報から、確定申告書に添付する収支内訳書(書類)を作成する。
記憶部30は、プログラム記憶部31と、指標記憶部32とを備える。
プログラム記憶部31は、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部31は、上述した制御部10の各機能を実行するためのプログラムである、情報処理プログラム31aを記憶している。
指標記憶部32は、指標項目に関する基準と、基準に基づく対策内容とを記憶した記憶領域である。
出力順は、レポートして出力する順番である。
指標項目は、指標とする項目であり、この例では、稼働率と、経費率と、返済比率と、税金抑制とを有する。
基準は、各指標項目で対策を必要とする条件になる値を示す。基準を満たすと、該当する指標項目での対策を必要とする。例えば、指標項目が稼働率であれば、基準は95%未満である。
対策項目は、基準を満たす場合に対策するべき項目であり、対策内容は、対策項目の具体的な内容である。
図2の通信IF部39は、端末4との間での通信を行うためのインタフェースである。
端末4は、各税理士事務所に有する、例えば、PCである。端末4は、その他、スマートフォンやタブレットに代表される携帯端末等であってもよい。
図示しないが、端末4は、制御部と、記憶部と、入力部と、表示部と、通信IF部等とを備える。なお、端末4は、入力部及び表示部の機能が一体になったタッチパネルディスプレイを備えてもよい。
次に、情報処理サーバ1における処理を説明する。
まず、各情報を入力して、事業計画表を出力する処理について説明する。
図4は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1の事業計画出力処理を示すフローチャートである。
図5は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1が出力するメニュー画面50の例を示す図である。
図6は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1が出力する収入情報の入力画面60の例を示す図である。
図7は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1が出力する事業計画表70の例を示す図である。
図8は、第1実施形態に係る情報処理サーバの事業計画表70の項目と対応するデータとの対応付け80の例を示す図である。
図5のメニュー画面50は、指定したオーナーの指定した年についての各情報を入力したり、事業計画表を出力したりするためのものである。
メニュー画面50は、オーナー及び年表示部51と、収入情報入力領域52と、不動産所得収入内訳領域53と、減価償却管理領域54と、借入管理領域55と、事業計画領域56とを含む。
収入情報入力領域52は、収入情報を入力するための選択ボタンの領域である。収入情報入力領域52には、「収支入力」と「賃貸データ取り込み」と「家賃管理表」との各選択ボタンが設けられている。「収支入力」は、1明細ごとに、仕訳データの単位で不動産物件の収入情報を入力する画面を出力する。「賃貸データ取り込み」は、予め用意された指定のフォーマットに入力した賃貸データを、情報処理サーバ1に取り込むための画面を出力する。当該画面には、例えば、データ名及びデータ格納位置を指定するための欄が設けられている。「家賃管理表」は、複数の明細の不動産物件の収入情報を一度に入力するための画面を出力する。
また、当該画面において、収支内訳書の作成を選択することで、制御部10(内訳書作成処理部23)は、収入情報入力領域52から受け付けた収入情報を用いて収支内訳書を作成する。
借入管理領域55は、借入情報を入力するための画面を出力する。
事業計画領域56は、事業計画表の画面を出力する。
メニュー画面は、その他、複数の選択ボタンが用意されている。例えば、管理画面には、税率の変更に対応した設定が可能なものがある。他の選択ボタンについては、説明を省略する。
入力画面60は、不動産物件の収入情報を入力するための画面である。入力画面60には、収入情報を登録するための各項目が表示されている。
また、ユーザは、部屋番号や契約者ID、空室である場合には、チェック欄にチェックを入れる等の入力を行う。これらの入力は、オーナーが有する書類を受領することで、入力が可能である。
このように、入力画面60は、項目の入力を支援する仕組みを有するので、会計知識がなくても入力を行うことができる。そのため、税理士事務所では、税理士等ではなく事務員等が行うことができるため、会計処理に関する知識がなくても、簡単に入力作業を行うことができる。
同様に、メニュー画面50の減価償却管理領域54を選択して経費情報を入力することで、S12において、制御部10(経費受付部13)は、経費情報の入力を受け付ける。ここで、図示しないが、経費情報についても、収入情報の場合と同様、個別で入力する画面と、一括で入力する画面とが用意されており、いずれかの画面を用いて経費情報の入力ができるようになっている。ユーザは、経費情報を、土地、建物、付属設備等に分けて減価償却費を入力する。
なお、S11からS13までの処理について、順番に決まりはない。ユーザによるメニュー画面50における選択に基づいて、制御部10(情報入力部11)は、入力を受け付ける。
事業計画表を作成したい場合には、ユーザが、メニュー画面50(図5)から事業計画領域56を選択する。そうすることで、S15において、制御部10(将来予測生成処理部16)は、キャッシュフローを生成し、生成したキャッシュフローを含む事業計画表70を生成して、端末4に出力する。
図7の事業計画表70は、期間71と、収入欄72と、経費欄73と、所得税金欄74と、各処理を行うボタン75から78までと、レポート出力領域79とを含む。図7では、事業計画表70の一部が表示されている。そして、他の部分は、右や下のスライドバーを操作することで表示される。ユーザが右のスライドバーを操作することで、未表示の各項目とその値とが表示される。また、ユーザが下のスライドバーを操作することで、未表示の各項目の該当年の値が表示される。なお、制御部10は、全ての情報を縮小して1画面に収まるように表示してもよい。
収入欄72は、各収入項目と、その値とを表示する。
経費欄73は、各経費項目と、その値とを表示する。
所得税金欄74は、所得及び税金に係る項目と、その値とを表示する。
ボタン75は、実データを取り込むためのものであり、選択をすることで、既にS11からS13までの処理で入力した値や、S14及びS15の処理で算出及び生成した値を展開する。
ボタン76は、不動産物件に係る情報の編集をするためのボタンである。
ボタン77は、不動産物件の予測値(空室率、家賃の下落率)の設定を変更するためのボタンである。ボタン77を選択することで、予測値を変更するための画面(図示せず)が出力される。
ボタン78は、グラフ表示画面に切り替えるためのボタンである。
レポート出力領域79は、選択をすることで、レポートを出力させるためのものである。
ここで、データ元が「作成時に手入力」になっているものは、事業計画表70に直接入力が可能なものである。また、データ元が「自動計算」になっているものは、既に入力されたものから自動的に計算されて出力される。そして、手入力が「○」のものは、既に入力されたものや、自動計算がされたものが事業計画表70に出力されるが、変更(上書き)が可能なものである。
なお、事業計画表70は、過去分については、入力されたデータに基づき生成され、未来分については、将来値の予測展開により展開されたデータに基づき生成される。
S17において、制御部10(将来予測生成処理部16)は、各項目値を用いた算出処理を行う。算出式は、情報処理プログラム31aに組み込まれている。
S18において、制御部10(将来予測生成処理部16)は、事業計画表70を算出した値に更新して、端末4に出力する。ここで、税理士は、端末4に出力された事業計画表70を印刷して、不動産物件のオーナーに見せながら、コンサルティング等、不動産物件におけるオーナーへの提案をすることができる。
図9は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1の操作受付処理を示すフローチャートである。
図10は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1のグラフ生成出力処理を示すフローチャートである。
図11から図13までは、第1実施形態に係る情報処理サーバ1が出力するグラフ画面の例を示す図である。
図14は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1のレポート生成処理を示すフローチャートである。
図15は、第1実施形態に係る情報処理サーバ1が出力するレポート150の例を示す図である。
S22において、制御部10は、グラフ生成出力処理を行う。
図10のS31において、制御部10(グラフ種類受付部17)は、グラフ種類を受け付ける。グラフ種類は、例えば、初期値として「キャッシュフロー」が選択されていてもよい。そこで、グラフ表示の選択を受け付けた場合(図9のS21がYES)には、グラフ種類として「キャッシュフロー」が選択されたものとする。
S32において、制御部10(グラフ生成処理部18)は、受け付けたグラフ種類の事業計画グラフを生成する。
S33において、制御部10(グラフ生成処理部18)は、生成した事業計画グラフを、端末4に出力する。
事業計画グラフ110は、グラフ種類111がキャッシュフローであり、期間等を指定すると、課税所得と、手残りと、税金との推移が、グラフG11からG13によって示される。グラフG11からG13は、事業計画表70の所定の値を用いて生成されたものである。例えば、手残りのグラフG12は、以下の式(1)により算出した値である。
事業計画グラフ120は、グラフ種類121がデッドクロスであり、期間等を指定すると、借入残高の推移が、グラフG21によって示され、借入元本返済と、減価償却費との推移が、グラフG22とG23とによって示される。ここで、借入元本返済は、借入元本の返済額である。グラフG21からG23は、事業計画表70の所定の値を用いて生成されたものである。この事業計画グラフ120では、借入残高のグラフG21に着目すると、2019年に借入をし、少しずつ返済されることを示す。また、借入元本返済のグラフG22と、減価償却費のグラフG23とに着目すると、範囲125の部分では、借入元本返済のグラフG22が、減価償却費のグラフG23より上に推移しており、デッドクロスの状態になっている。デッドクロスは、資金繰りを悪化させるものであるため、税理士は、事業計画グラフ120により、例えば、「返済額軽減型の繰上返済」や「法人化」を、改善策としてオーナーに提案できる。
事業計画グラフ130は、グラフ種類131が損益分岐売却価格であり、売却利回りの上基準132と、下基準133とを、百分率又は金額で指定し、期間等を指定する。そうすることで、事業計画グラフ130は、上基準132に対応する売却上基準値GL1と、下基準133に対応する売却下基準値GL2とが示され、損益分岐売却価格の推移が、グラフG31によって示される。グラフG31は、事業計画表70の所定の値を用いて生成されたものである。例えば、損益分岐売却価格は、借入残高と、仲介手数料と、税金を含めた価格である。この事業計画グラフ130では、損益分岐売却のグラフG31が、借入残高の減少により低下していき、残高が当初借入額の約80%の付近で売却下基準値GL2と交わっていくことを示している。
売却手残りの計算式を、以下の式(2)に示す。
また、税金の計算を、以下の式(3)に示す。
式(3): 税金=(売却金額-簿価金額-譲渡費用)×税率
ただし、税率は、短期譲渡の場合(譲渡する年の1月1日時点で5年以下の所有)は39.63%(所得税・復興特別所得税30.63%、住民税9%)である。また、長期譲渡の場合(譲渡する年の1月1日時点で5年超の所有)は、20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)である。
譲渡所得がプラスになる場合、具体的には、次の式(4)又は(5)で売却金額を算出する。
式(5):売却金額=(残債金額-簿価金額×0.3963+39,844)÷0.58377 ・・・短期譲渡の税率の場合
S24において、制御部10(指標項目処理部19)は、レポート生成処理を行う。
図14のS41において、制御部10(指標項目処理部19)は、稼働率が基準を満たしているか否かを、指標記憶部32を参照して判断する。ここで、稼働率等、この処理で用いる指標項目は、レポート出力領域79の選択に該当する年のものであってもよいし、現在のものであってもよい。稼働率が基準を満たしている場合(S41:YES)には、制御部10は、処理をS42に移す。他方、稼働率が基準を満たしていない場合(S41:NO)には、制御部10は、処理をS43に移す。
S42において、制御部10(指標項目処理部19)は、指標記憶部32に記憶されている空室対策の対策内容をレポートに追加する。ここで、レポートとは、対象のオーナーに提示可能な、例えば、文書であり、空白のレポートに必要になる対策内容を追加することで完成する。
S44において、制御部10(指標項目処理部19)は、指標記憶部32に記憶されている経費削減の対策内容をレポートに追加する。
S46において、制御部10(指標項目処理部19)は、指標記憶部32に記憶されている借入見直しの対策内容をレポートに追加する。
S48において、制御部10(指標項目処理部19)は、指標記憶部32に記憶されている節税策の対策内容を、課税所得ごとの節税策をチェックリストとしてレポートに追加する。その後、制御部10は、図9のS25に処理を移す。
図15に、端末4に出力する生成したレポート150の例を示す。レポート150は、稼働率についての対策内容151と、返済比率についての対策内容152とを含む。税理士は、端末4に出力されたレポート150を、例えば、印刷して当該不動産物件のオーナーに見せながら、キャッシュフローの改善提案を行うことができる。
なお、節税策の実施有無について、オーナーからヒアリングができていない等の場合に、制御部10は、例えば、S47の処理を行わずに、課税所得ごとの節税策をチェックリストとして出力してもよい。例えば、課税所得が800万円超の場合には、制御部10は、節税策のチェックリストAを出力し、課税所得が1円以上800万円以下の場合には、制御部10は、節税策のチェックリストAとは異なる節税策のチェックリストBを出力してもよい。そして、税理士は、こちらのチェックリストをもとに、オーナーに実施の有無をヒアリングするようにしてもよい。
また、いずれの基準をも満たさない場合には、予め作成し記憶部30に記憶させた提案がない場合の文書を、端末4に出力するようにしてもよい。
メニュー画面50(図5)で不動産所得収入内訳領域53が選択された場合に、情報処理サーバ1の制御部10は、「会計データの生成」又は「収支内訳書の作成」を選択する画面(図示せず)を出力する。「会計データの生成」の選択ボタンの近傍には、例えば、会計データのデータ出力先を指定するための欄が設けられている。当該画面において、ユーザがデータ出力先(例えば、端末4のローカルフォルダ等)を指定し、「会計データの生成」を選択することで、制御部10(申告書情報提供部22)は、収入情報と、経費情報と、借入情報とを含む会計データを、例えば、申告書作成プログラムが受け付ける所定のデータフォーマットに変換して、指定のデータ出力先に出力する。
(1)不動産物件に係る家賃収入を含む収入情報を受け付け、不動産物件に係る減価償却費を含む経費情報を受け付け、不動産物件に係る借入金額を含む借入情報を受け付け、受け付けた各情報に基づいて将来の各情報を予測し、受け付けた各情報と、予測した将来の各情報とを用いて事業計画表を生成して出力する。よって、収入及び経費等の将来時間への展開が可能になり、生成したキャッシュフローを含む事業計画表を、オーナーに提示できる。
不動産物件に係る事業計画に特化しており、オーナーから提示された情報を入力するため、実際の値を反映させたものにでき、事業計画も実際に即したものにできる。
(3)予測値を変動させることで、様々な将来の収入予想をすることができる。よって、様々な条件下による不動産物件に係る予測をシミュレートできる。
(5)事業計画表のデータと、指標記憶部32に記憶された情報とを用いて、実際の不動産物件のデータに基づいたレポート150を作成して出力するので、オーナー等に提案する資料を作成できる。
第2実施形態では、各不動産物件のオーナーに対して、不動産物件に係る提案のために入力された情報を活用して、相続に関する情報を提供するものを説明する。なお、以降の説明において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図16は、第2実施形態に係る情報処理サーバ2001の機能ブロック図である。
図17は、第2実施形態に係る情報処理サーバ2001の相続指標記憶部2033の例を示す図である。
提案システム2000は、情報処理サーバ2001と、端末4(図示せず)とを備える。
制御部2010は、情報入力部11と、将来値算出処理部15と、将来予測生成処理部16と、グラフ種類受付部17と、グラフ生成処理部18と、指標項目処理部19と、情報出力部2020と、プログラム連携部21と、内訳書作成処理部23と、相続情報入力部2024と、相続算出処理部2025(課税遺産額算出手段、相続税額算出手段)と、相続指標項目処理部2026(第2指標情報抽出手段、第2レポート生成手段)とを備える。
さらにまた、情報出力部2020は、相続算出処理部2025が算出した将来の課税遺産額及び相続税額を含む相続額推移表を、端末4に出力する。また、情報出力部2020は、相続指標項目処理部2026が生成した相続対策レポート(第2レポート)を、端末4に出力する。
相続情報入力部2024は、財産受付部2024a(財産受付手段)と、相続人情報受付部2024b(相続人情報受付手段)とを備える。
財産受付部2024aは、オーナー(被相続人)の財産情報を受け付ける。財産情報は、不動産物件の土地価格や家屋価格の他、預貯金(銀行の預金や手元現金)、株式や投資信託等のその他財産についての金額を含む。また、財産情報は、生命保険の死亡保険金や解約返戻金の金額、死亡退職金の金額を含む。土地価格は、例えば、固定資産税の課税明細書から得ることができる。
相続人情報受付部2024bは、被保険者の相続人に係る相続人情報を受け付ける。相続人情報は、配偶者の有無や、相続人の属性及び人数等を含む。
プログラム記憶部2031は、上述した制御部2010の各機能を実行するためのプログラムである、情報処理プログラム2031aを記憶している。
相続指標記憶部2033は、指標項目に関する基準と、基準に基づく対策内容とを記憶した記憶領域である。
出力順は、相続対策レポートして出力する順番である。
指標項目は、指標とする項目であり、この例では、納税余力率と、土地活用比率と、小規模宅地活用比率と、相続税増加率とを有する。
基準は、各指標項目で対策を必要とする条件になる値を示す。基準を満たすと、該当する指標項目での対策を必要とする。例えば、指標項目が納税余力率であれば、基準は100%未満又は300%以上が、基準を満たす範囲である。
対策項目は、基準を満たす場合に対策するべき項目であり、対策内容は、対策項目の具体的な内容である。
次に、情報処理サーバ2001における処理を説明する。
図18は、第2実施形態に係る情報処理サーバ2001の相続情報出力処理を示すフローチャートである。
図19は、第2実施形態に係る情報処理サーバ2001が出力するメニュー画面2050の例を示す図である。
図20は、第2実施形態に係る情報処理サーバ2001の相続税額の算出に係る項目と対応するデータとの対応付け2081の例を示す図である。
図21は、第2実施形態に係る情報処理サーバ2001が用いる現在の相続税額に係る算出シート2090の例を示す図である。
図22は、第2実施形態に係る情報処理サーバ2001が出力する相続額推移表2170の例を示す図である。
図19のメニュー画面2050は、賃貸経営管理領域2150と、相続対策管理領域2160とを含む。ここで、賃貸経営管理領域2150に基づく処理は、事業計画表の作成のために既に入力されているものとする。なお、相続対策管理領域2160を用いた処理は、事業計画表の作成のための入力値を用いるため、ユーザが賃貸経営管理領域2150を用いて事業計画表の作成のための入力をした後に行うのが望ましい。
メニュー画面2050の相続対策管理領域2160のうち、財産管理領域2161に含まれる複数の入力領域のうちのいずれかを選択して財産情報を入力することで、図18のS2011において、情報処理サーバ2001の制御部2010(財産受付部2024a)は、財産情報の入力を受け付ける。
財産管理領域2161に含まれる複数の入力領域のうちのいずれかを選択すると、各入力領域に対応した入力画面(図示せず)が出力されるので、ユーザは、財産情報を、土地・建物と、現預金と、非情報株式と、その他財産とに分けて入力する。そして、ユーザが入力画面にしたがって入力をすることで、制御部2010は、財産情報の入力を受け付ける。
現預金の入力画面は、例えば、銀行名及び金額を入力可能な画面である。
非上場株式の入力画面は、例えば、非上場株式の株価を入力可能な画面である。
その他財産の入力画面は、例えば、株式、投資信託、火災保険、未収金及び事業用構築物・器具備品の各項目に対応した金額を入力可能な画面である。
生命保険の入力画面は、例えば、オーナー(被相続人)が被保険者である生命保険に関する入力画面であり、生命保険会社名、受取金額、受取人等を入力可能な画面である。
他方、その他保険の入力画面は、例えば、オーナー(被相続人)が契約者であって、被保険者ではない生命保険に関する入力画面であり、生命保険に関する権利として、解約返戻金、非保険者、受取人、受取金額等を入力可能な画面である。
死亡退職金の入力画面は、例えば、死亡退職金の種類及び金額を入力可能な画面である。
図20に、課税遺産額及び相続税額の算出根拠を示す対応付け2081の例を示し、図21に、現在の課税遺産額及び相続税額を算出するために用いる算出シート2090の例を示す。図21に示す算出シート2090は、図20の対応付け2081に基づき値が入力される。対応付け2081の各項目に対応するデータ元は、S2012までの処理で受け付けた各情報と、現在のキャッシュフローの値と、それらから自動計算されるものである。
図22に、相続額推移表2170の例を示す。相続額推移表2170は、年度ごとの課税遺産額と相続税額とを表領域2171で示し、さらに両者の関係をグラフ領域2172で示したものである。
制御部2010は、相続指標記憶部2033(図17)を参照して、算出した各指標項目の値が相続指標記憶部2033の基準を満たしているか否かを判断する。ここで、算出する各指標項目の値は、現在のものであってもよいし、相続額推移表2170のうち基準を満たす年を抽出してもよい。
納税余力率は、納税資金が足りないかどうか、又は、評価が高い現預金が多すぎないかどうかを測る指標であり、例えば、相続税の納税額に対する現預金合計額の割合で表すことができる。そして、算出した納税余力率が100%未満であれば、制御部2010は、納税資金が足りないと判断し、算出した納税余力率が300%以上であれば、制御部2010は、評価が高い現預金が多すぎると判断する。
相続レポートは、特に図示しないが、図15に例示したレポート150と同様のものであってよい。税理士は、端末4に出力された相続レポートを、例えば、印刷して当該不動産物件のオーナーに見せながら、相続税に係る対策の提案を行うことができる。
(1)オーナーの財産情報を受け付け、相続人情報を受け付けて、受け付けた各情報と、キャッシュフローに係る情報とを用いて、将来の課税遺産額と相続税額とを算出し、相続額推移表を出力する。
よって、不動産物件に係る事業計画に係る情報を活用して、相続に関する金額を算出できる。特に、不動産物件のオーナーの場合、相続財産は、土地・建物の不動産が多くを占める。そこで、不動産物件に係る事業計画を作成する際の賃貸に係る情報を活用して、相続に係る情報を算出できる。また、相続の発生タイミングが不明であるが、不動産のオーナーの場合、賃貸経営によって家賃収入が入り、借入金を返済していくため、基本的には財産が増えて、借入金残高が減る。そのため、このような金額を含むキャッシュフローを用いることで、将来の相続に係る金額を算出できる。
(2)相続額推移表に基づいて経年の相続に係る金額をグラフで出力するので、オーナーに直感で分かりやすく示すことができる。
(1)第1実施形態では、事業計画表や事業計画グラフ、レポートを印刷して不動産物件のオーナーに提案するものを例に説明した。また、第2実施形態では、相続額推移表や相続レポートを印刷して不動産物件のオーナーに提案するものを例に説明した。しかし、これに限定されない。端末4に出力された画面をオーナーに見せながら提案してもよい。その場合には、オーナーに確認しながら、例えば、事業計画表の値を入力及び変更させることができ、また、変更後の事業計画グラフを見せることができるので、より提案がしやすくなる。
4 端末
10,2010 制御部
12 収入受付部
13 経費受付部
14 借入受付部
15 将来値算出処理部
16 将来予測生成処理部
17 グラフ種類受付部
18 グラフ生成処理部
19 指標項目処理部
20,2020 情報出力部
22 申告書情報提供部
23 内訳書作成処理部
30,2030 記憶部
31a,2031a 情報処理プログラム
32 指標記憶部
50,2050 メニュー画面
60 入力画面
70 事業計画表
80 対応付け
110,120,130 事業計画グラフ
150 レポート
1000,2000 提案システム
2024a 財産受付部
2024b 相続人情報受付部
2033 相続指標記憶部
2090 算出シート
2150 賃貸経営管理領域
2160 相続対策管理領域
2170 相続額推移表
Claims (9)
- 所有する不動産物件に係る家賃収入を含む、確定申告書の作成に必要な収入情報を受け付ける収入受付手段と、
前記不動産物件に係る減価償却費を含む、前記確定申告書の作成に必要な経費情報を受け付ける経費受付手段と、
前記不動産物件に係る借入金額を含む、前記確定申告書の作成に必要な借入情報を受け付ける借入受付手段と、
を備え、
前記収入受付手段、前記経費受付手段及び前記借入受付手段は、前記不動産物件の区分ごとに各情報を受け付け、
受け付けた各情報に基づいて将来の各情報を予測する将来値予測手段と、
受け付けた各情報と、前記将来値予測手段により予測した将来の各情報とを用い、受け付けた各情報に対して税金計算ロジックを適用して生成するキャッシュフローを含む、将来予測一覧を生成する将来予測生成手段と、
前記将来予測生成手段が生成した前記将来予測一覧を出力する出力手段と、
前記収入受付手段が受け付けた前記収入情報から前記確定申告書に添付する書類であって、前記不動産物件の区分ごとの内訳を必要とする前記書類を作成する書類作成手段と、
受け付けた各情報を所定のデータフォーマットに変換した会計データを、前記確定申告書の作成に用いる申告書作成手段に提供するために出力する申告書情報提供手段と、
をさらに備える、情報出力装置。 - 請求項1に記載の情報出力装置において、
一以上の区分の選択を受け付ける区分受付手段を備え、
前記将来値予測手段は、受け付けた前記一以上の区分の各情報に基づいて将来の各情報を予測し、
前記将来予測生成手段は、受け付けた前記一以上の区分の各情報と、前記将来値予測手段により予測した将来の各情報とを用いて生成するキャッシュフローを含む、前記将来予測一覧を生成する、情報出力装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の情報出力装置において、
前記不動産物件に係る予測値を受け付ける予測値受付手段を備え、
前記将来値予測手段は、前記収入受付手段により受け付けた前記収入情報に対して、前記予測値受付手段が受け付けた前記予測値を適用して将来の収入情報を予測する、情報出力装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の情報出力装置において、
グラフ種類の選択を受け付けるグラフ種類受付手段と、
前記グラフ種類受付手段が受け付けた前記グラフ種類に基づくグラフを、前記将来予測一覧に含む所定の値を用いて生成する、グラフ生成手段と、
を備え、
前記グラフ生成手段が生成する前記グラフには、損益分岐売却に係るグラフを含み、
前記損益分岐売却に係るグラフは、受け付けた売却利回りの上限値及び下限値並びに期間の指定に基づき生成される、前記上限値に対応した売却上基準値及び前記下限値に対応した売却下基準値と、損益分岐売却価格の推移とを示すグラフであり、
前記出力手段は、前記グラフ生成手段が生成した前記グラフを出力する、情報出力装置。 - 請求項4に記載の情報出力装置において、
前記グラフ生成手段が生成する前記グラフには、デッドクロスに係るグラフを含み、
前記デッドクロスに係るグラフは、受け付けた期間の指定に基づき生成される、借入元本返済と減価償却費との推移を示すグラフである、情報出力装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の情報出力装置において、
稼働率、経費率及び返済比率を含む第1指標項目に関する第1基準と、出力順と、前記第1基準に基づく第1対策情報とを記憶した第1指標記憶部と、
前記将来予測一覧から前記第1指標項目に対応する現在の各情報を抽出する第1指標情報抽出手段と、
前記第1指標情報抽出手段が抽出した各情報と、前記第1指標記憶部の前記第1基準とに基づいて、該当する前記第1対策情報を抽出し、抽出した前記第1対策情報を前記出力順に記載した第1レポートを生成する第1レポート生成手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記第1レポート生成手段が生成した前記第1レポートを出力する、情報出力装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の情報出力装置において、
前記不動産物件の土地価格を含む、前記不動産物件の所有者である被相続人の財産情報を受け付ける財産受付手段と、
前記被相続人に対する相続人に係る相続人情報を受け付ける相続人情報受付手段と、
前記財産受付手段が受け付けた前記財産情報と、前記将来予測生成手段が生成した前記キャッシュフローに係る情報とを用いて、将来の課税遺産額を算出する課税遺産額算出手段と、
前記課税遺産額算出手段が算出した将来の前記課税遺産額と、前記相続人情報受付手段が受け付けた前記相続人情報と、課税価格に応じた税率を記憶した税率テーブルとに基づいて、将来の相続税額を算出する相続税額算出手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記課税遺産額算出手段が算出した将来の前記課税遺産額と、前記相続税額算出手段が算出した将来の前記相続税額とを含む相続額推移表を出力する、情報出力装置。 - 請求項7に記載の情報出力装置において、
納税余力率、土地活用比率、小規模宅地活用比率及び相続税増加率を含む第2指標項目に関する第2基準と、前記第2基準に基づく第2対策情報とを記憶した第2指標記憶部と、
前記課税遺産額及び前記相続税額から前記第2指標項目に対応する現在の各情報を抽出する第2指標情報抽出手段と、
前記第2指標情報抽出手段が抽出した各情報と、前記第2指標記憶部の前記第2基準とに基づいて、該当する前記第2対策情報を抽出し、抽出した前記第2対策情報を含む第2レポートを生成する第2レポート生成手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記第2レポート生成手段が生成した前記第2レポートを出力する、情報出力装置。 - 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の情報出力装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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パソコンで確定申告,YOMIURI PC,日本,2003年03月01日,第8巻 第3号,pp.108-118 |
畑中 学,不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書,第1版,日本,株式会社技術評論社 片岡 巌,2020年09月08日,pp.116,117,ISBN: 978-4-297-11478-7 |
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