JP7295626B2 - 半導体基板切断用レジンブレード及び半導体基板切断用レジンブレード製造方法 - Google Patents

半導体基板切断用レジンブレード及び半導体基板切断用レジンブレード製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体材料等の基板を切断してチップ状に個片化するのに用いられる半導体基板切断用レジンブレード及び半導体基板切断用レジンブレード製造方法に関する。
周知のように、半導体材料からなる基板等(以下、被切断材という)を切断してチップ状に個片化する際に、例えば、厚さ1mm以下の肉薄に形成された切刃ブレードが用いられている。
切刃ブレードによって被切断材を切断する際には、被切断材が切断される加工点において大量の発熱がある。特に、快削性の高い切刃ブレードを用いる場合には、加工点で短時間で大量の発熱があるため、工具寿命が短くなり、被切断材の加工品位が悪化するという問題がある。
そこで、例えば、砥粒と樹脂ボンド相を備えたレジンブレードにおいては、樹脂の種類を変更したりフィラーを添加することによりレジンブレードの耐熱性を向上させて工具寿命を延長させるとともに加工品位を改善する技術開発が進められている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、砥粒と金属ボンド相を備えたメタルブレードに関して、例えば、ブレード側面の外周側に凹溝を形成して、外部から供給する切削液によって加工点の冷却効率の向上するとともに溝を介して切り屑をスムースに排出して切削抵抗を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2013-223902号公報 特開2013-154424号公報 特開2012-111005号公報
しかしながら、引用文献3に記載された技術は、メタルボンド相を備えた切刃ブレードでは実現可能であるものの、溝を形成すると強度が低下して破損等が発生しやすくなるので、樹脂ボンド相を有していて結合強度が低いレジンブレードに適用することは容易ではない。特に、台金を使用しないオールブレードタイプのレジンブレードでは適用が非常に困難である。
一方、レジンブレードの耐熱性を改善したとしても、レジンブレードで被切断材を切断する際に、工具寿命が短くなるのを抑制しつつ被切断材をスムースに切断するためには、加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することが望ましい。
また、例えば、近年増加しつつあるQFN(Quad Flat Non lead package)のような被切断材を切断する場合には、セラミックスとリード等の金属を同時に切断する必要があり、加工点又は加工点近傍をより効率的に冷却する技術が必要である。
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することにより工具寿命が短くなるのを抑制することが可能とされ、望ましくはQFN等を切断する場合に、金属部分の切断品質を向上させることが可能なレジンブレード及びレジンブレード製造方法を提供することを目的としている。
そこで、発明者らは、半導体材料等の基板を工具寿命が短くなるのを抑制しつつ加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することが可能なレジンブレードに関して鋭意研究した結果、レジンブレードの径方向内方から外方に向かって溝部を形成して、切削液を外部から供給するのではなく、溝部を使用して切削液を供給して切断時に発生する熱を安定して逃がすことで加工点又は加工点近傍が効率的に冷却され、レジンブレードが効率的に冷却されて工具寿命が短くなるのを抑制可能であるとの知見を得た。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、軸線周りに回転される半導体基板切断用レジンブレードであって、樹脂ボンド相と、前記樹脂ボンド相に分散された砥粒と、を含み円板状に形成されたブレード本体を備え、前記ブレード本体の両側面には、周方向に間隔をあけて配置され径方向内方から外方に向かって伸びる複数の溝部が形成され、前記軸線に沿って見て前記両側面のいずれか一方に溝部が形成された溝部領域は、隣接する溝部領域の間に位置される平坦領域に比較して前記砥粒の含有率が高く設定されており、前記溝部領域における砥粒の平均含有率が前記平坦領域における砥粒の平均含有率に対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高く設定されており、CuタイプQFNパッケージを50m切断した後の5枚の前記半導体基板切断用レジンブレードのブレード摩耗量の平均値が151μm未満であることを特徴とする。
この発明に係るレジンブレードによれば、樹脂ボンド相と、樹脂ボンド相に分散された砥粒と、を含み円板状に形成されたブレード本体を備え、ブレード本体の両側面に周方向に間隔をあけて配置され径方向内方から外方に向かって伸びる複数の溝部が形成されているので、溝部を使用して切削液を供給して切断時に発生する熱を安定して逃がすことで加工点又は加工点近傍の熱を安定して逃がしてレジンブレード及び加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することができる。
その結果、工具寿命が短くなるのを抑制しつつ加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することができる。
また、溝部領域の砥粒含有量が平坦領域の砥粒含有量よりも高く設定されているので、薄肉である溝部領域の剛性が向上し又は低下するのが抑制されてレジンブレードの強度が確保される。また、溝部領域が偏って摩耗するのが抑制することができる。
また、レジンブレードが切断時に蛇行するのを抑制してスムースな切断を可能にするとともにレジンブレードが破損するのを抑制することができる。
この明細書において溝部領域とは、レジンブレード本体を軸線に沿って見たときに、両側面の少なくともいずれか一方の側面に溝部が形成された領域をいい、いずれかの側面ではなくブレード本体に対して定義される領域である。
また、平坦領域とは、軸線に沿って見たときに、隣接する溝部領域の間に位置されていて、いずれの側面にも溝部が形成されていない領域をいう。
また、溝部領域と平坦領域の砥粒含有量を対比する場合は、溝部領域において溝部の底をなす部分と平坦領域の砥粒含有量を比較するものとし、溝部における抜勾配等の傾斜部は除いて算出するものとする。
この発明に係るレジンブレードによれば、溝部領域における砥粒の平均含有率が、平坦領域に対して0.25体積%以上に高く設定されているので、薄肉である溝部領域にも充分な剛性を確保することができ、平坦領域に対して12.5体積%以下の範囲で高く設定されているので、溝部領域を効率的かつ安定して形成できる。また、溝部においてレジンブレードが偏摩耗するのを抑制することができる。
ここで、溝部領域における砥粒の平均含有率は、溝部領域において溝部の底部をなす部分(抜勾配を除く)を対象とする。また、平坦領域における砥粒の平均含有率はいずれの面にも溝部領域が形成されていない部分を対象とする。また、測定に際しては、レジンブレード全体を対象とするものとし、簡易的に隣接する溝部領域と平坦領域における砥粒の平均含有率を対象として測定してもよい。
測定に際しては、切片を切り出して、それぞれの体積を測定し、その後、樹脂ボンド相を溶解(又は焼失させて)除去した後の砥粒の体積を測定して、砥粒の平均含有量を算出する。体積測定については、アルキメデス法を用いることが可能である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、前記溝部の幅は、前記ブレード本体の一方の面における周方向長さの合計が前記ブレード本体の外周において3%以上45%以下に形成されていることを特徴とする。
この発明に係るレジンブレードによれば、溝部の幅は、ブレード本体の一方の面の外周における合計長さが、外周における円周に対して3%以上45%以下に形成されているので、切断時に加工点又は加工点近傍に充分な量の切削液を供給することができる。
また、溝部の幅が、ブレード本体の一方の面の外周における合計長さが、外周における円周に対して3%以上45%以下に形成されているので、溝部領域における砥粒含有量を安定して高めることが可能となる。また、溝部領域が大きくなり過ぎることに起因してレジンブレードの強度が低下するのを抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、前記溝部の溝深さは、前記ブレード本体の厚さに対して3%以上30%以下に形成されていることを特徴とする。
この発明に係るレジンブレードによれば、溝部の溝深さが、ブレード本体の厚さに対して3%以上とされているので、切断時に加工点又は加工点近傍に切削液を安定して供給することができる。
また、溝部の溝深さがブレード本体の厚さに対して30%以下とされているので、溝部が形成されて薄肉になっても充分な強度を確保することが可能となり、その結果、安定して切断することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、前記軸線方向における一方側の側面に形成される溝部と他方側の側面に形成される溝部とは周方向において互いに中間位置に配置されていることを特徴とする。
この発明に係るレジンブレードによれば、軸線方向における一方側の側面に形成される溝部と他方側の側面に形成される溝部とが周方向において互いに中間位置に配置されているので、溝部が両側面の同じ位置に形成されて、薄肉となり過ぎることに起因してレジンブレードの強度が低下するのを抑制することができる。
また、一方側の側面に形成される溝部と他方側の側面に形成される溝部とが互いに周方向において中間位置に配置されているので、一方側の側面と他方側の側面で切削液が交互に供給され、切削液による冷却を効率的に行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、前記溝部は、前記ブレード本体の内周側が外周側に対して回転方向前方側に形成されていて、前記ブレード本体の外周縁において前記溝部は前記ブレード本体の径方向に対して0°以上60°以下の交差角で交差するように形成されていることを特徴とする。
この発明に係るレジンブレードによれば、溝部は、ブレード本体の内周側が外周側に対して回転方向前方に形成されていて、ブレード本体の外周縁において溝部はブレード本体の径方向側に対して0°以上60°以下の交差角で交差するように形成されているので、レジンブレードが高速回転しても切削液を確実に供給することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体基板切断用レジンブレードを製造する半導体基板切断用レジンブレード製造方法であって、樹脂ボンド相を形成する樹脂素材粉末と砥粒とを混合して粉末材料を形成する材料混合工程と、前記粉末材料からブレード原板を形成するブレード原板形成工程と、ホットプレスによって前記ブレード原板の両側面に周方向に間隔をあけて配置され径方向内方から外方に向かって伸びる複数の溝部を形成するとともに、前記溝部と対応する溝部領域を前記溝部領域間に位置される平坦領域よりも高圧縮率で圧縮して前記溝部領域における砥粒含有量を前記平坦領域に比較して高く形成するブレード形成工程と、を備え、前記ブレード形成工程では、前記溝部領域における砥粒の平均含有率を前記平坦領域における砥粒の平均含有率に対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高くし、CuタイプQFNパッケージを50m切断した後の5枚の前記半導体基板切断用レジンブレードのブレード摩耗量の平均値を151μm未満とすることを特徴とする。
この発明に係るレジンブレード製造方法によれば、溝部を有するレジンブレードを効率的に製造することができる。
また、溝部領域における砥粒含有量を平坦領域に比較して効率的かつ安定して高く形成することができる。
その結果、工具寿命が短くなるのを抑制しつつ加工点又は加工点近傍を効率的に冷却するとともに、被切断材をスムースに切断することが可能なレジンブレードを効率的に製造することができる。
請求7に記載の発明は、請求項6に記載の半導体基板切断用レジンブレード製造方法であって、前記ブレード原板形成工程は、前記粉末材料をコールドプレスすることにより圧粉してブレード原板を形成することを特徴とする。
この発明に係るレジンブレード製造方法によれば、ブレード原板形成工程において、粉末材料をコールドプレスすることにより圧粉してブレード原板を形成するので、ブレード原板を効率的に製造することができる。
本発明に係るレジンブレードによれば、工具寿命が短くなるのを抑制しつつ加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することができる。
また、本発明に係るレジンブレード製造方法によれば、溝部を有するレジンブレードを効率的に製造することができる。
本発明の第1実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図であり、(A)はレジンブレードを軸線に沿って側面から見た図を、(B)は(A)において矢視IB‐IBで示す軸線を含む断面図を、(C)は(A)において矢視IC‐ICで示す図である。 本発明の第1実施形態に係るレジンブレード製造工程の概略を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るブレード原板形成型の概略構成の一例を説明する図であり、ブレード原板形成型の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るブレード原板形成型の概略構成を説明する図であり、(A)は上型を下方から見た図及び下型を上方から見た図を、(B)は(A)において、A1-A1及びA2-A2で示すブレード原板形成型の縦断面図を示している。 本発明の第1実施形態に係るレジンブレード製造工程におけるブレード原板形成工程の概略を説明する図であり、(A)はブレード原板形成型に材料粉末を充填した状態を、(B)は充填した材料粉末を圧粉した状態を、(C)は形成されたブレード原板を側面から見た図を示している。 本発明の第1実施形態に係るブレード形成型の概略構成の一例を説明する図であり、ブレード形成型の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るブレード形成型の概略構成を説明する図であり、(A)は上型を下方から見た図及び下型を上方から見た図を、(B)は(A)において、B1-B1及びB2-B2で示すブレード原板形成型の縦断面図を示している。 本発明の第1実施形態に係るレジンブレード製造工程におけるブレード形成工程の概略を説明する図であり、(A)はブレード形成型にブレード原板を配置した状態を、(B)は配置したブレード原板を加圧した状態を、(C)は形成されたレジンブレードを側面から見た図を示している。 本発明の第1実施形態に係るレジンブレード製造工程におけるブレード形成工程の概略を説明する図であり、(A)はブレード形成型に対するブレード原板の構成を示す概略構成図を、(B)はブレード形成型に配置したブレード原板の加圧を開始する状態を示す概略構成図を、(C)はブレード原板を加圧してレジンブレードを形成する状態を示す概念図である。 本発明の第2実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。 本発明の第3実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。 本発明の第4実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。 本発明の第5実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。 本発明の実施例に係るYバリ及び電極間距離の概略構成を説明する概念図である。
<第1実施形態>
以下、図1~図9を参照し、本発明の第1実施形態に係るレジンブレードについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図であり、図1(A)はレジンブレードを軸線に沿って側面から見た図を、図1(B)は図1(A)において矢視IB‐IBで示す軸線を含む断面図を、図1(C)は図1(A)において矢視IC‐ICで示す図である。図において、符号100はレジンブレードを、符号10はレジンブレード本体を、符号11は溝部を、符号12は樹脂ボンド相を、符号13はダイヤモンド超砥粒(砥粒)を示している。
レジンブレード100は、図1に示すように、円板状に形成され軸線O周りに回転されるブレード本体10を備えていて、ブレード本体10の径方向内方には円形穴10Hが形成され、両側面に径方向内方から外方に向かって伸びる複数の溝部11が形成されている。この実施形態では、レジンブレード100は、例えば、外径59.0mm、刃厚0.32mmに形成されている。
ブレード本体10は、図1(A)に示すように、例えば、軸線Oに沿って見たときに、軸線方向Oにおける手前側に一方側の側面10Aが形成され、軸線O方向における後ろ側に他方側の側面10Bが形成され、中央に軸線Oと同心の円形穴10Hが形成されている。この実施形態において、例えば、円形穴10Hは直径40.0mmとされている。
また、ブレード本体10は、図1(B)、(C)に示すように例えば、樹脂ボンド相12と、樹脂ボンド相12に分散されたダイヤモンド超砥粒(砥粒)13とを含んで構成されている。
また、ブレード本体10は、一方側の側面10Aに円形穴10Hから外周縁に貫通する溝部11Aが形成され、他方側の側面10Bに円形穴10Hから外周縁に貫通する溝部11Bが形成されている。
溝部11(11A、11B)は、例えば、溝幅1.0mm、溝深さ50μmに形成されている。
なお、溝部11の寸法については、任意に設定することが可能であるが、例えば、溝幅については、ブレード本体10の一方の面の溝部11の周方向長さの合計が外周における円周に対して3%以上45%以下に設定することが好適である。また、周方向長さの合計が外周における円周に対して8.5%以上45%以下に設定することがより好適である。
溝部11の溝幅を、ブレード本体10の一方の面の外周における合計長さが、外周における円周に対して3%以上とすることは、切断時に加工点又は加工点近傍に充分な量の切削液を供給できる点で好適である。
また、溝部11の溝幅を、ブレード本体10の一方の面の外周における合計長さが、外周における円周に対して45%以下とすることは溝部領域11Fが過大となり剛性が低下するのを抑制するうえで好適である。
また、溝深さについては、例えば、ブレード本体10の厚さに対して3%以上30%以下に形成することが好適である。また、溝深さをブレード本体10の厚さに対して10%以上20%以下に形成することがより好適である。
溝部11の溝深さを、ブレード本体10の厚さに対して3%以上に設定することは、切断時に加工点又は加工点近傍に切削液を安定して供給できる点で好適であり、30%以下に設定することは、溝部11が形成されて薄肉になっても充分な強度が確保可能な点でより好適である。
また、溝部11は、図1(A)、(C)に示すように、一方側の側面10Aに形成される溝部11Aと、他方側の側面10Bに形成される溝部11Bとが、互いに周方向における中間位置に配置されていて、溝部11Aと溝部11Bとが重ならないように配置されている。
また、ブレード本体10の両側面10A、10Bは、図1(A)、(C)に示すように、軸線Oに沿って見たときに、溝部11(溝部11Aと溝部11Bの少なくともいずれか一方)と対応する領域が溝部領域11Fとされている。
また、ブレード本体10の両側面10A、10Bにおいて、隣接する溝部領域11Fの間に位置されて溝部11(溝部11Aと溝部11Bのいずれも)が配置されていない領域は平坦領域10Fとされている。
また、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒13の砥粒含有率は、平坦領域10Fに対して高く設定されている。
この実施形態では、ダイヤモンド超砥粒13の砥粒含有率は、例えば、溝部領域11Fにおいて20.0体積%、平坦領域10Fにおいて18.75体積%に設定されていて、その結果、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒13の砥粒含有率は、平坦領域10Fに対して1.25体積%高く設定されている。
なお、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒13の砥粒含有率を平坦領域10Fに対してどれだけ高く設定するかは任意に設定することが可能であるが、例えば、溝部領域11Fを平坦領域10Fに対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高く設定することが好適であり、1.25体積%以上8.75体積%以下の範囲で高く設定することがより好適である。
溝部領域F11におけるダイヤモンド超砥粒13の平均含有率を、平坦領域に対して0.25体積%以上に高く設定することは、薄肉である溝部領域11Fに充分な剛性を確保するうえで好適であり、平坦領域に対して12.5体積%以下の範囲で高く設定することは、溝部領域11Fを効率的かつ安定して形成できる点で好適ある。
樹脂ボンド相12は、例えば、フェノール樹脂を主体とする樹脂素材粉末を圧粉し、圧粉体を焼結することにより構成されている。
また、ダイヤモンド超砥粒13は、例えば、粒径20~30μm(平均粒径23μm)とされている。
また、この実施形態において、ダイヤモンド超砥粒13は、ブレード本体10の両側面10A、10Bにおいて樹脂ボンド相12に埋設されて表面から突出しない構成とされている。
また、ダイヤモンド超砥粒13の平均粒径は粒度分布に基づくものとし、すでに形成されたレジンブレード10を構成するダイヤモンド超砥粒13については、樹脂ボンド相12を焼失して得られたダイヤモンド超砥粒13の粒度分布に基づくものとする。
次に、図2を参照して、第1実施形態に係るレジンブレード製造工程の概略について説明する。図2は、第1実施形態に係るレジンブレード製造工程の概略を説明するフローチャートである。
レジンブレード製造工程は、図2に示すように、例えば、材料配合工程(S1)と、材料混合工程(S2)と、ブレード原板形成工程(S3)と、ブレード形成工程(S4)とを備えていて、これら一連の工程を経ることによってレジンブレードが完成される(S5)。
(1)材料配合工程
まず、樹脂ボンド相を構成する樹脂素材粉末と、ダイヤモンド超砥粒(砥粒)を配合する(S1)。
この実施形態では、例えば、メッシュ#325アンダーのフェノール樹脂を主体とする樹脂素材粉末と、粒径20~30μmのダイヤモンド超砥粒と、を所定の配合比率にしたがって配合する。
また、配合比率は、任意に設定することが可能であるが、例えば、樹脂素材粉末87.5~75.0vol%、ダイヤモンド超砥粒12.5~25vol%で配合することが好適である。また、複数種類の樹脂素材粉末やフィラーを含んでもよい。
(2)材料混合工程
次に、材料準備工程で準備した材料を混合する(S2)。
材料混合工程では、例えば、ボールミルによって均一となるまで材料粉末を混合する。
なお、ボールミルに代えて、適用可能な周知の混合装置を用いてもよい。
(3)ブレード原板形成工程(コールドプレス)
次いで、混合した材料をブレード原板形成型に供給して、例えば、常温でプレス装置により圧粉して、圧粉体からなるブレード原板を形成する(S3)。
圧粉成形体は、例えば、外径59mm、内径39mm、厚み0.25mmの円板状とされている。
ここで、コールドプレスとは、常温(例えば、室温)以下での加圧に限定されず、例えば、樹脂素材粉末同士が溶融を開始する温度以下で加圧することをいう。
(4)ブレード形成工程(ホットプレス)
次いで、ブレード形成型にブレード原板を配置し、プレス装置により加圧して溝部を形成するとともにブレード原板を焼結するとともに、溝部領域の樹脂を押し出してダイヤモンド超砥粒の含有量を調整してレジンブレードを形成する(S4)。
ここで、ホットプレスとは、例えば、樹脂素材粉末が流動可能な程度の温度で加圧することをいい、加圧により樹脂ボンド相を構成する樹脂が砥粒と異なる流速で流動して砥粒含有率が変化可能な状態で加圧することをいう。
(5)レジンブレード完成
品質検査を実施して、検査基準を満足していたらレジンブレードが完成する(S5)。
なお、S1~S5の工程は、一例を示すものであり適宜変更又は省略することが可能である。
以下、図3、図4を参照して、第1実施形態に係るブレード原板形成型の概略構成について説明する。図3は、第1実施形態に係るブレード原板形成型の概略構成を説明する分解斜視図であり、図4はブレード原板形成型の概略構成を説明する図であり、図4(A)は上型を下方から見た図を、図4(B)は下型を上方から見た図を、図4(C)はブレード原板形成型の縦断面図を示している。図において、符号D100はブレード原板形成型を、符号D110は上型を、符号D120は下型を示している。
ブレード原板形成型D100は、例えば、図3、図4に示すように、上型D110と、下型D120とを備えていて、上型D110と下型D120とが軸線O1方向に相対移動して材料粉末を圧粉することによりブレード原板を形成するように構成されている。
上型D110は、例えば、図3、図4に示すように、平板状に形成された上型ベースD111と、上型ベースD111の下面に軸線O1方向に立設された上側形成部D112とを備えている。
上側形成部D112は、例えば、軸線O1と同軸の円筒状に形成され、内方には円形凹部D112Uが形成されている。
また、上側形成部D112の下面(下型D120側)には、ブレード原板の一方側の側面と対応して平坦とされたブレード原板形成面D100Aが形成されている。
下型D120は、例えば、図3、図4に示すように、リング型D121と、リング型D121に嵌挿される下側押圧型D125とを備えていて、リング型D121に下側押圧型D125を嵌挿することにより材料粉末充填部D100Cが形成されるようになっている。
リング型D121は、例えば、内方に軸線O1と同軸の円形孔D121Hが形成されたリング状とされていて、円形孔D121Hの内周面はブレード原板の外周縁を形成するブレード原板形成面D100Sとされている。
下側押圧型D125は、例えば、図3、図4に示すように、円板状に形成された下側形成部D126と、下側形成部D126から軸線O1方向に立設された円形凸部D127とを備えている。
下側形成部D126は、リング型D121の円形孔D121の内径と対応する円板状に形成されていて、上面(上型D110側)には、ブレード原板の他方側の側面と対応して平坦とされたブレード原板形成面D100Bが形成されている。
また、下側形成部D126はリング型D121の円形孔D121と協働して材料粉末充填部D100Cを形成するようになっている。
円形凸部D127は、軸線O1と同軸の円柱状に形成されていて、外周面にはブレード原板の円形穴と対応するブレード原板形成面D100Rが形成されている。
また、円形凸部D127は、上側D110の円形凹部D112Uに嵌挿可能とされていて、圧粉時に上型110と下型120とが軸線O1方向に相対移動するガイドとして機能するようになっている。
次に、図5を参照して、第1実施形態に係るブレード原板形成工程の概略について説明する。図5は、第1実施形態に係るレジンブレード製造工程におけるブレード原板形成工程の概略を説明する図であり、図5(A)はブレード原板形成型に材料粉末を充填した状態を、図5(B)は充填した材料粉末を圧粉した状態を、図5(C)は形成されたブレード原板を側面から見た図を示している。図において、符号W10はブレード原板を示している。
(1)まず、ブレード原板形成型D100の上型D110を下型D120の上方に位置させる。そして、図5(A)に示すように、材料粉末充填部D100Cに材料粉末Pを充填する。
(2)次に、軸線O1に沿って上型D110を下型D120に向かって下降させる。そして、図5(B)に示すように、材料粉末充填部D100Cに充填された材料粉末Pを上型D110により圧粉する。
材料粉末Pを圧粉すると、材料粉末Pの上側はブレード原板形成面D100Aによって押圧され、下側はブレード原板形成面D100Bによって押圧されてそれぞれ平坦に形成される。
また、外周側はブレード原板形成面D100Sによって円形の外周縁が形成され、内周側はブレード原板形成面D100Rによって円形穴の内周が形成される。
(3)その結果、図5(C)に示すような圧粉体からなるブレード原板W10が形成される。
ブレード原板W10は、図5(C)に示すように、軸線Oに対称な円板状に形成されていて、内方には円形穴W10Hが形成されている。
また、ブレード原板W10は、軸線方向Oの両側面W10A、W10Bがそれぞれ平坦に形成されている。
以下、図6、図7を参照して、第1実施形態に係るブレード形成型の概略構成について説明する。図6は、第1実施形態に係るブレード形成型の概略構成を説明する分解斜視図であり、図7はブレード形成型の概略構成を説明する図であり、図7(A)は上型を下方から見た図を、図7(B)は下型を上方から見た図を、図7(C)は図7(A)におけるA2‐A2、及び図7(B)におけるB2‐B2と対応する縦断面図を示している。図において、符号D200はブレード形成型を、符号D210は上型を、符号D220は下型を示している。
ブレード形成型D200は、例えば、図6、図7に示すように、上型D210と、下型D220と、ヒータ等の加熱手段(不図示)とを備え、上型D210と下型D220が軸線O2方向に相対移動してブレード原板を加熱しながら加圧して、レジンブレードを焼結、形成するように構成されている。
上型D210は、例えば、図6、図7に示すように、平板状に形成された上型ベースD211と、上型ベースD211の下面に立設された上側形成部D212とを備えている。
上側形成部D212は、例えば、軸線O2と同軸の外周円形に形成され、内方には円形凹部D212Uが形成されている。
また、上側形成部D212の下面(下型D220側)は、ブレードの一方側の側面と対応して形成されていて、平坦に形成された平坦面形成部D10Aと溝部11Aと対応して形成された溝形成凸部D11Aとを備えている。
下型D220は、例えば、図6、図7に示すように、リング型D221と、リング型D221に嵌挿される下側押圧型D225とを備えていて、リング型D221に下側押圧型D225を嵌挿することによりブレード原板加圧部D200Cが形成されるようになっている。
リング型D221は、例えば、内方に軸線O2と同軸の円形孔D221Hが形成されたリング状とされていて、円形孔D221Hの内周面はブレードの外周縁を形成するブレード形成面D200Sとされている。
下側押圧型D225は、例えば、図6、図7に示すように、円板状に形成された下側形成部D226と、下側形成部D226から軸線O2方向に立設された円形凸部D227とを備えている。
下側形成部D226の上面(上型D210側)は、ブレードの他方側面の側面と対応して形成されていて、平坦に形成された平坦面形成部D10Bと、溝部11Bと対応して形成された溝形成凸部D11Bとを備えている。
また、溝形成凸部D11Aと溝形成凸部D11Bは、図7に示すように、互いに軸線O2周りにおける中間位置に配置されていて、ブレード本体10の一方側の側面10Aと他方側の側面に、周方向における交互の位置に溝部11A、溝部11Bを形成可能とされている。
円形凸部D227は、軸線O2と同軸の円柱状に形成されていて、外周面にはブレードの円形穴と対応するブレード原板形成面D200Rが形成されている。
また、円形凸部D227は、上側D210の円形凹部D212Uに嵌挿可能とされ、ブレード形成時に上型210と下型220とが軸線O2方向に相対移動するガイドとして機能するようになっている。
次に、図8、図9を参照して、第1実施形態に係るブレード形成工程の概略について説明する。
図8は、第1実施形態に係るレジンブレード製造工程におけるブレード形成工程の概略を説明する図であり、図8(A)はブレード形成型にブレード原板を配置した状態を、図8(B)はブレード原板を加圧した状態を、図8(C)は形成されたレジンブレードを側面から見た図を示している。また、図9は、ブレード形成工程の概略を説明する図であり、図9(A)はブレード形成型に対するブレード原板の構成を示す概略構成図を、図9(B)はブレード形成型に配置したブレード原板の加圧を開始する状態を示す概略構成図を、図9(C)はブレード原板を加圧してレジンブレードを形成する状態を示す概念図である。
(1)まず、ブレード形成型D200の上型D210を下型D220の上方に位置させる。そして、図8(A)に示すように、ブレード原板加圧部D200Cにブレード原板W10を配置する。
(2)次に、上型D210を下型D220に向かって軸線O2に沿って下降させる。
ここで、ブレード原板W10は、図9(A)に示すように、両側面W10A、W10Bが平坦に形成されているのに対して、上型D210には溝形成凸部D11Aが、下型D220には溝形成凸部D11Bが突出している。
また、ブレード形成型D200が加圧を開始する際には、図9(B)に示すように、ブレード原板W10の一方側の側面W10Aに溝形成凸部D11Aが当接し、他方側の側面W10Bに溝形成凸部D11Bが当接する。
また、ブレード原板W10を加圧する際にはブレード原板W10を、例えば、材料樹脂の融点以上に加熱して流動可能な状態とする。
そして、上型D210がブレード原板加圧部D200Cに配置されたブレード原板W10を流動可能な状態で加圧する。
ブレード原板W10を加圧すると、図8(B)に示すように、ブレード原板W10の上側は溝形成凸部D11Aにより押圧され、溝形成凸部D11Aがブレード原板W10に入り込んでゆき最終的に平坦面形成部D10Aによって押圧される。
また、ブレード原板W10の下側は溝形成凸部D11Bによって押圧され、ブレード原板W10に溝形成凸部D11Bが入り込んでゆき、最終的に平坦面形成部D10Bによって押圧される。
また、外周側はブレード形成面D200Sによって円形の外周縁が形成され、内周側はブレード形成面D200Rによって円形穴の内周が形成される。
また、図9(C)に示すように、ブレード原板W10が溝形成凸部D11A及び溝形成凸部D11Bによって押圧される際には、溝形成凸部D11A及び溝形成凸部D11Bによって押圧された溝部領域と対応する部分が圧縮されて、流動化された樹脂材料が、平坦領域と対応する部分に向かって矢印F方向に流動する。流動化された樹脂材料が平坦領域と対応する部分に流動することで、溝部領域11Fに分散されたダイヤモンド超砥粒13は溝部領域11Fに取り残され、溝部領域11Fにおける樹脂材料(樹脂ボンド相12)に対するダイヤモンド超砥粒13の含有量が高くなる。
(3)その結果、図8(C)に示すようなレジンブレード100が形成される。
レジンブレード100は、図8(C)に示すように、軸線Oに対称な円板状に形成され内方には円形穴10Hが形成されている。
また、レジンブレード100は、軸線方向Oの両側に溝部11A、11Bが形成されている。
このように製造されたレジンブレード100は、例えば、軸線O方向の両側に配置したフランジ部(不図示)により溝部11A、11Bを閉塞しないように円形穴10Hを挟んで、軸線O周りに回転させながら円形穴10Hに切削液を供給する。
すると、レジンブレード100の外周縁から溝部11A、11Bを流通した切削液が遠心力等によって放出される。
その結果、外部供給した切削液を用いることなく、加工点又は加工点近傍に切削液が安定して供給されて、加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することができる。なお、切削液を外部から供給してもよい。
第1実施形態に係るレジンブレード100によれば、樹脂ボンド相12と、樹脂ボンド相12に分散されたダイヤモンド超砥粒13とを含むブレード本体10を備え、ブレード本体10の両側面10A、10Bに溝部11A、11Bが形成されているので、溝部11A、11Bを介して加工点又は加工点近傍に切削液を供給して切断時に発生する熱を安定して逃がすことが可能となり、レジンブレード10を効率的に冷却することができる。
その結果、工具寿命が短くなるのを抑制しつつ加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することができる。
また、第1実施形態に係るレジンブレード100によれば、溝部領域11Fの砥粒含有量が平坦領域10Fの砥粒含有量よりも高く設定されているので、溝部領域11Fの剛性が平坦領域よりも向上して、レジンブレード100の強度が確保される。また、溝部領域11Fが偏って摩耗するのが抑制することができる。
また、レジンブレード100が切断時に蛇行するのを抑制してスムースな切断を可能にするとともにレジンブレード100が破損するのを抑制することができる。
第1実施形態に係るレジンブレード100によれば、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒13の平均含有率が平坦領域に対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高く設定されているので、溝部領域11Fに充分な剛性が確保されるとともに、溝部領域11Fを効率的かつ安定して形成することができる。また、溝部11においてレジンブレード100が偏摩耗するのを抑制することができる。
第1実施形態に係るレジンブレード100によれば、ブレード本体10の一方の面の外周における溝部11の合計長さが、外周における円周に対して3%以上45%以下に設定されているので、切断時に加工点又は加工点近傍に充分な量の切削液を供給することができる。また、溝部領域F11におけるダイヤモンド超砥粒13の含有量を安定して高めることができる。また、レジンブレード100の強度低下を抑制することができる。
第1実施形態に係るレジンブレード100によれば、溝部11の溝深さが、ブレード本体10の厚さに対して3%以上30%以下とされているので、切断時に加工点又は加工点近傍に切削液を安定して供給することができ、充分な強度を確保して、安定して切断することができる。
第1実施形態に係るレジンブレード100によれば、一方側の側面10Aに形成される溝部11Aと他方側の側面10Bに形成される溝部11Bとが、周方向において互いに中間位置に配置されているので、溝部領域11Fが薄肉となりレジンブレード100の強度が低下するのを抑制することができる。また、一方側の側面10Aの溝部11Aと他方側の側面10Bの溝部11Bで切削液を交互に供給するので冷却効率を向上させることができる。
<第2実施形態>
以下、図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。図において、符号200はレジンブレードを、符号21は溝部を示している。
レジンブレード200は、図10に示すように、ブレード本体20を備えている。
ブレード本体20が第1実施形態に係るブレード本体10と異なるのは、溝部11に代えて溝部21を備えている点である。
溝部21は、ブレード本体20の両側面に形成されていて、軸線O方向における一方側に配置される溝部21Aと、他方側に配置される溝部21Bとを備えている。
また、溝部21A、溝部21Bは、それぞれブレード本体20における内周側が外周側に対して回転方向Tの前方側に傾斜して配置され、互いに周方向における中間位置に配置されている。
また、溝部21は、ブレード本体20の外周縁においてブレード本体20の径方向(直径を構成する線)に対して交差角θ1で交差して配置されている。
なお、交差角θ1は、例えば、0°以上60°以下であることが好適であり、15°以上30°以下であることがより好適である。
その他は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
第2実施形態に係るレジンブレード200によれば、溝部21がブレード本体の内周側で外周側に対して回転方向Tの前方側に形成され、外周縁においてブレード本体20の径方向に対して交差角θ1が0°以上60°以下で交差するように形成されているので、レジンブレード200が高速回転しても加工点又は加工点近傍に切削液を確実に供給することができる。
<第3実施形態>
以下、図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。図において、符号300はレジンブレードを、符号31は溝部を示している。
レジンブレード300は、図11に示すように、ブレード本体30を備えている。
ブレード本体30が第1実施形態に係るブレード本体10と異なるのは、溝部11に代えて溝部31を備えている点である。
溝部31は、ブレード本体30の両側面に形成されていて、軸線O方向における一方側に配置される溝部31Aと、他方側に配置される溝部31Bとを備えている。
また、溝部31A、溝部31Bは、それぞれブレード本体30における内周側が外周側に対して回転方向Tの後方側に傾斜して配置され、互いに周方向における中間位置に配置されている。
また、溝部31は、ブレード本体30の外周縁においてブレード本体30の径方向(直径を構成する線)に対して交差角θ2で交差して配置されている。
なお、交差角θ2は、例えば、0°以上60°以下であることが好適であり、15°以上30°以下であることがより好適である。
その他は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
<第4実施形態>
以下、図12を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
図12は、本発明の第4実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。図において、符号400はレジンブレードを、符号41は溝部を示している。
レジンブレード400は、図12に示すように、ブレード本体40を備えている。
ブレード本体40が第1実施形態に係るブレード本体10と異なるのは、溝部11に代えて溝部41を備えている点である。
溝部41は、ブレード本体40の両側面に形成されていて、外周縁側(外周側)の溝幅L41Aは円形穴側(内周側)の溝幅L41Bに対して小さく形成されている。
その他は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
<第5実施形態>
以下、図13を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
図13は、本発明の第5実施形態に係るレジンブレードの概略構成の一例を説明する図である。図において、符号500はレジンブレードを、符号51は溝部を示している。
レジンブレード500は、図12に示すように、ブレード本体50を備えている。
ブレード本体50が第1実施形態に係るブレード本体10と異なるのは、溝部11に代えて溝部51を備えている点である。
溝部51は、ブレード本体50の両側面に形成されていて、外周縁側(外周側)の溝幅L51Aは円形穴側(内周側)の溝幅L51Bに対して大きく形成されている。
その他は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
なお、上記実施形態において記載した技術的事項については、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の含有率が平坦領域10Fに対して高く設定されている場合について説明したが、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の含有率を平坦領域10Fに対して高くするかどうかは任意に設定することが可能であり、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の含有率を平坦領域10Fと同じか平坦領域10Fに対して低く設定してもよい。
また、上記実施形態においては、溝部11A、11Bにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の含有率を平坦領域10Fより高く設定する際に、両側面W10A、W10Bが平坦に形成されたブレード原板W10を用いる場合について説明したが、例えば、ブレード原板W10の両側面W10A、W10Bに溝形成凸部D11A、D11Bよりも浅い溝部が形成されたブレード原板を溝形成凸部D11A、D11Bによって押圧することによって溝部11A、11Bにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の含有率を平坦領域10Fより高く設定することも可能である。
また、上記実施形態においては、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の平均含有率が20.0体積%とされ、平坦領域10Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の平均含有率が18.75体積%とされるとともに、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の平均含有率が平坦領域10Fに対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高く設定されている場合について説明したが、溝部領域11F、平坦領域10Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の平均含有率については任意に設定可能である。また、溝部領域11Fにおけるダイヤモンド超砥粒(砥粒)13の平均含有率を平坦領域10Fに対してどれだけ高く設定するかは任意に設定することが可能である。
また、上記実施形態においては、ブレード本体10の一方の面の外周における溝部領域11Fの周方向の合計長さがブレード本体10の外周における円周に対して3%以上45%以下に設定されている場合について説明したが、溝部領域11Fのブレード本体10の外周における周方向の合計長さの円周長さに対する比率は任意に設定することが可能である。
また、上記実施形態においては、レジンブレード100の溝部11の溝深さが、ブレード本体10の厚さに対して3%以上30%以下に形成されている場合について説明したが、溝深さについては、切削液が流通可能な範囲で任意に設定してもよい。
また、第2実施形態においては、溝部21がブレード本体20の内周側が外周側に対して回転方向Tの前方側に形成され、第3実施形態においては、溝部31がブレード本体30の内周側が外周側に対して回転方向Tの後方側に形成される場合につて説明したが、溝部を回転方向Tに対して前方側に配置するか後方側に配置するかは任意に設定することが可能である。
また、ブレード本体の外周縁において溝部のブレード本体の直径に対する交差角についても任意に設定することが可能である。
また、上記実施形態においては、樹脂ボンド相12がフェノール樹脂を主体とする樹脂により構成される場合について説明したが、樹脂ボンド相12の構成については任意に設定することが可能であり、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等を適用して樹脂ボンド相を構成してもよい。また、複数種類の樹脂素材粉末やフィラーを含んでもよい。また、ブレード本体10における樹脂、砥粒の含有率は任意に設定してもよい。
また、上記実施形態においては、砥粒が、粒径20~30μm(平均粒径23μm)のダイヤモンド超砥粒13である場合について説明したが、砥粒の大きさについては任意に設定することが可能である。また、ダイヤモンド超砥粒13に代えて、例えば、CBN等を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、レジンブレード10を構成する溝部11が一方側の側面10Aと他方側の側面10Bで周方向において互いに中間位置に配置される場合について説明したが、溝部11Aと溝部11Bが同じ位置に配置された構成としてもよい。
また、図2に示したレジンブレード製造工程を示すフローチャートは一例であり、適宜変更(省略、追加)することが可能であり任意に設定することができる。例えば、上記実施形態においては、材料粉末Pを圧粉して形成したブレード原板W10をホットプレスすることによりレジンブレード100を製造する場合について説明したが、例えば、混合した材料をスラリーにしてドクターブレードを用いて形成したブレード原板や、スラリーを成形型に流し込んで形成したブレード原板を、ホットプレスすることによりレジンブレードを製造してもよい。
次に、表1~表6及び図14を参照して、本発明の実施例について説明する。
表1は、実施例1から実施例4で用いたレジンブレードの概略構成を示している。また、表2は、実施例の切断条件を示している。
実施例1~実施例4で用いたレジンブレード、切断ワークは表1に示すとおりである。レジンブレードは、表1に示すように、平坦領域における砥粒の平均含有率が21.25体積%、外形φ59mm、内径φ40mm、平坦領域の厚さt0.32mmである。
また、切断ワークは、QFNパッケージ(Cuタイプ)であり、このQFNパッケージを長さ50m切断した。
Figure 0007295626000001
また、実施例における切断条件は、表2に示すとおりである。
切断条件は、表2に示すように、ダイサーSS30(株式会社東京精密製)を用いて、スピンドル回転数30000rpm、送り速度100mm/S、クーラント供給量1.5L+1.5L/mとした。
そして、本発明例、比較例に係るそれぞれ5枚のレジンブレードに関して、切断長50m後におけるレジンブレードのブレード摩耗量(μm)、切断して得られたチップのYバリ寸法の最大値(μm)、電極間距離についてそれぞれ測定して、その平均値に基づいて評価した。
ここで、Yバリ寸法の基準は、75μm未満である。また、電極間距離の基準値は、設計値の1/2以上であり、この実施例では135μm以上である。
また、Yバリ寸法を60μm未満、電極間距離を150μm以上とすると、切断中に種々の条件が変動した場合にも、切断品質を充分に確保できることからより好適な範囲とした。
Figure 0007295626000002
ここで、Yバリ寸法の最大値(μm)、電極間距離について説明する。
Yバリとは、図14に示す電極Eを切断したQFNパッケージを上から見たときに、切断面SからQFNパッケージの内方に向かって突出する符号Yで示す金属バリ(網掛け部)をいい、Yバリ寸法の最大値(μm)とは符号LYで示す寸法である。
また、電極間距離とは、図14に示すQFNパッケージの切断面Sを正面から見たときに、隣り合う電極Eと電極Eの間の距離をいい、符号LEで示す寸法である。
<実施例1>
実施例1では、本発明例1から本発明例7、及び比較例1を用いて、レジンブレードに溝部領域が形成することの効果、溝部領域における砥粒の平均含有率を平坦領域における砥粒の平均含有率より高く設定する場合の好適な設定範囲について評価した。
本発明例1から本発明例7は、溝深さ50μm、溝幅1mm、溝数8、溝交差角度0°のレジンブレードである。実施例1では、表3に示すように、溝部領域における砥粒の平均含有量をばらつかせた。
また、比較例1は、溝部が形成されていないレジンブレード(砥粒の平均含有率21.25体積%)である。
Figure 0007295626000003
実施例1によると、本発明例1から本発明例7に係る溝を形成したレジンブレードは、摩耗量が73~128μmであり、比較例1の151μmと比べて摩耗量が約21%改善された。
また、実施例1において、本発明例2から本発明例6は、Yバリ寸法が75μm未満かつ電極間距離135μm以上であり、本発明例1、本発明例7と比較して切削性が優れている。
したがって、溝部領域における砥粒の平均含有率を平坦領域に対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高くすることが好適であることが確認できた。
また、本発明例3から本発明例5は、Yバリ寸法が60μm未満かつ電極間距離150μm以上であり、1.25体積%以上8.75体積%以下の範囲で高くすることがより好適であると確認できた。
<実施例2>
実施例2では、本発明例8から本発明例11、及び比較例1から比較例3を用いて、溝部領域のブレード本体の外周における周方向の合計長さの好適範囲について評価した。なお、便宜のため、実施例2(表4)では本発明例9として示したが、本発明例9は実施例1(表3)に示す本発明例3と同一のものである。
本発明例8から本発明例11、及び比較例2、比較例3は、溝深さ50μm、溝幅1mm、溝部領域における砥粒の平均含有率22.5体積%、溝交差角度0°のレジンブレードである。実施例2では、表4に示すように、溝数を変化させることにより、溝部領域のブレード本体の外周における周方向の合計長さをばらつかせた。
Figure 0007295626000004
実施例2において、本発明例8~本発明例11は、Yバリ寸法が75μm未満かつ電極間距離135μm以上であり、比較例1、比較例3と比べて切削性が優れていた。
したがって、溝部領域のブレード本体の一方の面の外周における周方向の合計長さが外周における周長に対して3%以上45%以下の範囲であることが好適であることが確認できた。
また、本発明例9から本発明例11は、Yバリ寸法が60μm未満かつ電極間距離150μm以上であり、周方向の合計長さが外周における周長に対して8.5%以上45%以下の範囲であることがより好適であることが確認できた。
<実施例3>
実施例3では、本発明例12から本発明例17、及び比較例1、比較例4、比較例5を用いて、溝深さの好適範囲について評価した。
本発明例12から本発明例17、及び比較例4、比較例5は、溝幅1mm、溝数16、溝部領域における砥粒の平均含有率22.5体積%、溝交差角度0°のレジンブレードである。実施例3では、表5に示すように、溝深さを変化させた。
Figure 0007295626000005
実施例3において、本発明例12から本発明例17は、Yバリ寸法が75μm未満かつ電極間距離135μm以上であり、比較例1、比較例4、比較例5と比べて切削性が優れている。
したがって、溝深さが10μm以上96μm以下、換言すると溝深さがブレード本体の厚さの3%以上30%以下であることが好適であると確認できた。
また、本発明例14から本発明例16は、Yバリ寸法が60μm未満かつ電極間距離150μm以上であり、溝深さが32μm以上64μm以下、換言すると溝深さがブレード本体の厚さの10%以上20%以下であることがより好適であると確認できた。
<実施例4>
実施例4では、本発明例18から本発明例24、及び比較例1、比較例6を用いて、溝部の内周側を外周側に対して回転方向前方側に形成する場合における径方向に対する交差角度の好適範囲について評価した。なお、便宜のため、実施例4(表6)では本発明例18として示したが、本発明例18は実施例3(表5)に示す本発明例15と同一のものである。
本発明例18から本発明例24、及び比較例6は、溝深さ48μm、溝幅1mm、溝数16、溝部領域における砥粒の平均含有率22.5体積%のレジンブレードである。実施例4では、表6に示すように、溝部の径方向に対する交差角度を変化させた。
Figure 0007295626000006
実施例4において、本発明例18から本発明例24は、Yバリ寸法が75μm未満かつ電極間距離135μm以上であり、比較例1、比較例6と比べて切削性が優れている。
したがって、溝部の交差角度が0°以上60°以下の範囲が好適であることが確認できた。
また、本発明例20から本発明例22は、Yバリ寸法が60μm未満かつ電極間距離150μm以上であり、交差角度が15°以上30°以下の範囲がより好適であることが確認できた。
本発明に係るレジンブレード及びレジンブレード製造方法によれば、半導体材料等の基板を切断する際に、工具寿命が短くなるのを抑制しつつ加工点又は加工点近傍を効率的に冷却することができるので産業上利用可能である。
O 軸線
10、20、30、40、50 レジンブレード本体
10A 一方側の側面
10B 他方側の側面
11、21、31、41、51 溝部
12 樹脂ボンド相
13 ダイヤモンド超砥粒(砥粒)
F10 平坦領域
F11 溝部領域
D100 ブレード原板形成型
D110 上型
D120 下型
D200 ブレード形成型
D210 上型
D220 下型
100、200、300、400、500 レジンブレード

Claims (7)

  1. 軸線周りに回転される半導体基板切断用レジンブレードであって、
    樹脂ボンド相と、前記樹脂ボンド相に分散された砥粒と、を含み円板状に形成されたブレード本体を備え、
    前記ブレード本体の両側面には、周方向に間隔をあけて配置され径方向内方から外方に向かって伸びる複数の溝部が形成され、
    前記軸線に沿って見て前記両側面のいずれか一方に溝部が形成された溝部領域は、隣接する溝部領域の間に位置される平坦領域に比較して前記砥粒の含有率が高く設定されており、
    前記溝部領域における砥粒の平均含有率が前記平坦領域における砥粒の平均含有率に対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高く設定されており、
    CuタイプQFNパッケージを50m切断した後の5枚の前記半導体基板切断用レジンブレードのブレード摩耗量の平均値が151μm未満であることを特徴とする半導体基板切断用レジンブレード。
  2. 請求項1に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、
    前記溝部の幅は、
    前記ブレード本体の一方の面における周方向長さの合計が前記ブレード本体の外周において3%以上45%以下に形成されていることを特徴とする半導体基板切断用レジンブレード。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、
    前記溝部の溝深さは、前記ブレード本体の厚さに対して3%以上30%以下に形成されていることを特徴とする半導体基板切断用レジンブレード。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、
    前記軸線方向における一方側の側面に形成される溝部と他方側の側面に形成される溝部とは周方向において互いに中間位置に配置されていることを特徴とする半導体基板切断用レジンブレード。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体基板切断用レジンブレードであって、
    前記溝部は、前記ブレード本体の内周側が外周側に対して回転方向前方側に形成されていて、前記ブレード本体の外周縁において前記溝部は前記ブレード本体の径方向に対して0°以上60°以下の交差角で交差するように形成されていることを特徴とする半導体基板切断用レジンブレード。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体基板切断用レジンブレードを製造する半導体基板切断用レジンブレード製造方法であって、
    樹脂ボンド相を形成する樹脂素材粉末と砥粒とを混合して粉末材料を形成する材料混合工程と、
    前記粉末材料からブレード原板を形成するブレード原板形成工程と、
    ホットプレスによって前記ブレード原板の両側面に周方向に間隔をあけて配置され径方向内方から外方に向かって伸びる複数の溝部を形成するとともに、前記溝部と対応する溝部領域を前記溝部領域間に位置される平坦領域よりも高圧縮率で圧縮して前記溝部領域における砥粒含有量を前記平坦領域に比較して高く形成するブレード形成工程と、
    を備え、
    前記ブレード形成工程では、前記溝部領域における砥粒の平均含有率を前記平坦領域における砥粒の平均含有率に対して0.25体積%以上12.5体積%以下の範囲で高くし、
    CuタイプQFNパッケージを50m切断した後の5枚の前記半導体基板切断用レジンブレードのブレード摩耗量の平均値を151μm未満とすることを特徴とする半導体基板切断用レジンブレード製造方法。
  7. 請求項6に記載の半導体基板切断用レジンブレード製造方法であって、
    前記ブレード原板形成工程は、
    前記粉末材料をコールドプレスすることにより圧粉してブレード原板を形成する
    ことを特徴とする半導体基板切断用レジンブレード製造方法。
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