JP7295539B1 - 合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマー及び合成皮革の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献3に記載された合成皮革は、同文献中に実施例1~5として記載されるように、表皮層のポリウレタン樹脂膜の上に、接着剤としてのポリウレタン樹脂溶液を塗布し、これを半乾燥させた状態で布に重ねて貼り合わせ、さらに80℃で24時間エージングを行なう工程を必須とし、合成皮革の製造には長時間の加熱工程を必要としていた。
実施形態の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマーは、水酸基価10~300KOHmg/gであり、かつ溶融粘度1000mPa・s以上の植物由来のバイオポリオールを用いる。上記溶融粘度は、特に上限を限定する必要性は少ないが、敢えて例示すれば1000~15000mPa・s程度である。
また、アミン系の触媒、錫を除く金属系の触媒、ブロック剤や遅延剤を併用してポットライフを延長し、またはセパレーターの剥離までに要する時間を適度に短くするように調整することが好ましい。
この発明では、上記ポリオールとして、1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(BEPD)1,4-ブタンジオール等のジオール型鎖延長剤を用いて好ましい結果を得ている。
上記バイオフィラーとしては、卵殻や貝殻等の生物由来の炭酸カルシウムを主成分とする粉末、セルロースを主成分とする粉末が代表例として挙げられる。市販されている卵殻粉末としては、グリーンテクノ21社製の卵殻パウダー(卵膜除去品、平均粒径15μm)を例示できる。
以下のバイオポリオール含有ウレタンプレポリマー(OH型樹脂)(A-1、A-2、A-5)と、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(NCO型樹脂)(B-1、B-2、B-5)とをそれぞれ製造し、これらを表1または表2に示す割合に配合すると共に均一に混合して、同表中に示される結晶化温度の実施例1-8の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマーを製造した。
なお、表1、2中に示される「NCOindex」は、配合物中に存在するイソシアネート反応水素原子に対するNCO基の比率であり、「バイオ成分比率」は、パイオマスプラスチック成分中のバイオマス成分質量の全質量に対する割合(%)である。
(A-1) ヒマシ油系バイオ成分比100質量%のポリオール783g、コハク酸系バイオ成分比100質量%のポリオール300g、ポリカーボネートポリオール700g及び酸化防止剤0.5gを120℃で熱溶融すると共に混合攪拌した後、70℃以下に冷却し、メチレンジイソシアネート(以下、MDIと略称する。)を100g投入し、80~90℃で2時間反応させ、その後、1,4‐ブチレングリコール(以下、1,4BGと略称する。)を27g加え80~90℃で1時間反応させた後、耐候剤を19g添加し、混合攪拌してOH型プレポリマー(A-1)を作製した。このプレポリマーのバイオ成分比率は55.9質量%、熱溶融温度は50℃以上、溶融粘度は6000mPa・s(60℃)、OHVは56.05であった。
(B-1) MDI325gと、p-トルエンスルホニルイソシアネート(以下、PTSIと略称する。)0.3gを溶融後、70℃以下に冷却し、これにヒマシ油系バイオ成分比100質量%のポリオール105g、ポリカーボネートポリオール100g、1,6HD14.1g、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(BEPD)11.2g、酸化防止剤2.0gを熱溶融すると共に混合し、70℃以下に冷却してから投入し、80~90℃で2時間反応させた後、耐候剤を5.6g添加し、混合攪拌してNCO型プレポリマー(B-1)を作製した。このプレポリマーのバイオ成分比率は10.2質量%、熱溶融温度は50℃以上、NCO%は15.34であった。
以下のバイオポリオール含有(OH型)プレポリマー(A-3、A-4、A-6)と、イソシアネート基含有(NCO型)プレポリマー(B-3、B-4、B-6)とをそれぞれ製造し、これらを表1または表2に示す割合に配合すると共に均一に混合して、同表中に結晶化温度等が示される比較例1-4の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマーを製造した。
(A-3) バイオ成分を含有しない3-メチル-1,5-ペンタンジオール(MPD)系ポリカーボネートポリオール820g、MPD系ポリエステルポリオール700g、ポリテトラメチレンエーテルポリオール(PTMEG)200g及び酸化防止剤0.2gを100℃で加熱混合した後、70℃以下に冷却し、MDIを75g投入し、80~90℃で2時間反応させ、その後、耐候剤を9g添加し、混合攪拌してOH型プレポリマー(A-3)を作製した。このプレポリマーのバイオ成分比率は0質量%、熱溶融温度は40℃以下、溶融粘度は4500mPa・s(25℃)、OHVは97.59であった。
(B-3) MDI 1000gと、PTSI0.15g、酸化防止剤3gを溶融混合後、70℃以下に冷却し、これにMPD系ポリエステルポリオール400gを投入し、80~90℃で2時間反応させた後、耐候剤を3g添加し、混合攪拌してNCO型プレポリマー(B-3)を作製した。このプレポリマーのバイオ成分比率は0質量%、熱溶融温度は40℃以下、NCO%は9.26であった。
実施例1-4の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマーを用いて実施例9-12の合成皮革を製造した。
図1に示される製造工程に従って、バイオポリオール含有(OH型)プレポリマー配合液を収容したAタンクと、イソシアネート基含有(NCO型)プレポリマーを収容したBタンクを、それぞれ表2に示す温度で保温しながら脱泡し、最適なNCOindex(表1及び表2参照)で混合された液状物を瞬間混合器(ミキシングヘッド)Hから吐出し、所定のロール温度に加熱されたロールコーター(コンマコーター:登録商標)R上の一対のロール間に挟み込まれる2枚の離型紙(第1及び第2の離型紙)の間に混合物U1は引き込まれて均一な厚みの層状物U2になるよう塗布した。
実施例9-12における製造条件において、第1離型紙(セパレーター)1を使用せず、第2の離型紙には予め表皮となるポリウレタン樹脂層が設けたものを用いたこと以外は、実施例9-12と同様の製造工程によって、表4に示される製造条件で実施例13-16の合成皮革を製造した。
比較例5、6については、比較例1、2の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマーをそれぞれ用い、表3に示される製造条件を採用したこと以外は、上記した実施例9-12と同様にして合成皮革を製造した。
得られた合成皮革については、実施例9-16と同様に、強度や耐久性、加工性等について上記と同じ試験方法によって調べ、それらの結果を表3または表4中に併記した。
2 第2離型紙
3、6 空調域
4 基布
5 ラミネートロール
H ミキシングヘッド
M モーター
U1 混合物
U2 層状物
R ロールコーター
S 合成皮革
Claims (7)
- 分子鎖の繰り返し単位の両末端に水酸基を有するポリオールからなり、バイオポリオールを含んで水酸基価10~300KOHmg/gであり、かつ40~180℃で塗布されるときに溶融粘度1000~15000mPa・sである前記ポリオールと、イソシアネートとを必須成分として含有し、この必須成分に加えてリサイクルバイオフィラーが15質量%以上配合されていると共に、結晶化温度が40℃以上であるように配合されている合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマー。
- 前記バイオポリオールが、20質量%以上配合されている請求項1に記載の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマー。
- 前記バイオポリオールが、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ラクトン系ポリオール及びポリエーテル系ポリオールから選ばれる1種以上のバイオポリオールである請求項1または2に記載の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマー。
- 前記必須成分に加えて、鎖延長剤が配合されている請求項1~3のいずれかに記載の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマー。
- 前記鎖延長剤が、ジオール型鎖延長剤である請求項4に記載の合成皮革用ウレタン樹脂系プレポリマー。
- 分子鎖の繰り返し単位の両末端に水酸基を有するポリオールからなり、バイオポリオールを含んで水酸基価10~300KOHmg/gであり、かつ40~180℃で塗布されるときに溶融粘度1000~15000mPa・sのバイオポリオール含有ウレタンプレポリマーと、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとをウレタン樹脂系プレポリマーの結晶化温度が40℃以上であるように配合すると共に、40~180℃で熱溶融した状態で高速攪拌により混合する工程と、この工程後、前記混合された物をセパレーターと離型紙の間に40~180℃で塗布し、塗布された層を40℃未満まで冷却してセパレーターを剥離する工程と、その後、直ちに前記塗布された層のセパレーターを剥離した面を合成皮革用基材と密着させてラミネートする工程を必須工程とする合成皮革の製造方法。
- 前記ラミネートする工程において、加熱ロールを用いて前記塗布層の表面のみを加熱して前記密着に必要な粘着性を調整する請求項6に記載の合成皮革の製造方法。
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高分子材料大百科,初版第1刷,日刊工業新聞社,1999年07月30日,898頁 |
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