JP2017014427A - ポリカーボネートポリオール、及びポリウレタン - Google Patents

ポリカーボネートポリオール、及びポリウレタン Download PDF

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遼 藤本
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慈孝 吉田
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Satoru Fujizu
悟 藤津
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健二 弘津
隆志 土井
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隆志 土井
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Abstract

【課題】環境負荷が低く、かつ、原料の入手が容易な植物由来ポリカーボネートポリオールを提供するとともに、当該ポリカーボネートポリオールを用いた高分子量ポリウレタンを提供する。【解決手段】植物由来のポリオールと炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオール、若しくは、植物由来のポリオールと、植物由来のカルボン酸又はそのエステルと、炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオール。但し、植物由来のポリオール、植物由来のカルボン酸又はそのエステルの、加速器質量分析法により測定されるバイオマス度が90%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネートポリオール、及びポリウレタンに関する。
従来、石油または石炭由来(以下、「石油由来」と称する。)のポリオールと石油由来の炭酸エステルから合成される石油由来のポリカーボネートポリオールが広く使用されている。
ところで、近年、環境負荷低減の観点から植物由来の原料を用いた植物由来ポリカーボネートポリオールが求められており、植物由来のポリカーボネートポリオールを用いたポリウレタンなどの、植物由来のポリカーボネートポリオールを用いて合成された化合物に対するニーズも高まっている。
例えば、植物由来のポリオール(具体的には1,3−プロパンジオール又は1,4−ブタンジオール)と炭酸エステルとを反応させて植物由来のポリカーボネートポリオールを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
また、植物由来1,3−プロパンジオール及び2−メチル−1,3−プロパンジオールなどと炭酸ジエステルとを反応させて植物由来のポリカーボネートポリオールを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−225863号公報 特開2011−226047号公報 特開2014−1475号公報
しかしながら、特許文献1及び2の方法で得られるポリカーボネートポリオールは、植物由来成分含有量(BP)が53〜76%(例えば、特許文献1の表1のPC1〜PC6参照)と低いものであった。
また、これらの植物由来のポリオールを入手するのに煩雑な作業が必要となる。詳細には、1,3−プロパンジオールは、植物資源(例えば、トウモロコシ)を分解してグルコースが得られる発酵法により、又はグリセロールから3−ヒドロキシプロピルアルデヒド(HPA)を経て製造しなければならない。一方、1,4−ブタンジオールは、植物資源からグリコールを製造し発酵することで得られたコハク酸を水素還元することによって製造しなければならない。
更に、上記いずれの方法も、植物由来のポリカーボネートポリオールを用いて製造したポリウレタンからなる合成皮革は、石油由来のポリカーボネートポリオールを用いて製造した合成皮革と比較してほぼ同等の品位であり、植物由来のポリカーボネートポリオールを用いることの環境対策以外の効果は十分に示されているとはいえなかった。具体的には、高品位な合成皮革を得ることができる、分子量が十分に大きなポリウレタンを得ることが困難である。
本発明の主な課題は、即ち、環境負荷が低く、かつ、原料の入手が容易な植物由来ポリカーボネートポリオールを提供するとともに、当該ポリカーボネートポリオールを用いた高分子量ポリウレタンを提供することにある。
本発明の課題は、植物由来のポリオールと炭酸エステルを用いて合成されるポリカーボネートポリオール、若しくは、植物由来のポリオールと、植物由来のカルボン酸又はそのエステルと、炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオールによって解決される。
但し、植物由来のポリオール、植物由来のカルボン酸又はそのエステルの、加速器質量分析法により測定されるバイオマス度が90%以上である。
本発明により、環境負荷が低く、かつ、原料の入手が容易なポリカーボネートポリオールを提供するとともに、それを用いた高分子量を有するポリウレタンを得ることができる。
(ポリカーボネートポリオール)
本発明のポリカーボネートポリオールは、植物由来のポリオールと炭酸エステルを用いて合成されるポリカーボネートポリオール、若しくは、植物由来のポリオールと、植物由来のカルボン酸又はそのエステルと、炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオールである。
但し、ポリオール、カルボン酸又はそのエステルの、加速器質量分析法により測定されるバイオマス度が95%以上である。
植物由来のポリオールと、炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオールとは、ポリオール由来の少なくとも1種のアルキレン基と、炭酸エステル由来のカーボネート基を有するポリカーボネートポリオールである。このポリカーボネートポリオールは、例えば、後述のポリカーボネートポリオールの合成方法1で製造することができる。植物由来のポリオール及び炭酸エステルを、それぞれ、1種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。ポリカーボネートポリオールの合成に複数種類のポリオールを用いる場合は、その複数種類のポリオールのうちの少なくとも1種のポリオールが植物由来のポリオールであればよい。炭酸エステルは、石油由来の炭酸エステルであってもよい。
一方、植物由来のポリオールと、植物由来のカルボン酸又はそのエステルと、炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオールとは、ポリオール由来の少なくとも1種のアルキレン基と、植物由来のカルボン酸又はそのエステル由来の少なくとも1種のエステル基と、炭酸エステル由来のカーボネート基を有するポリカーボネートポリオールである。このポリカーボネートポリオールは、例えば、後述の、ポリカーボネートポリオールの合成方法2で製造することができる。植物由来のポリオールと、植物由来のカルボン酸又はそのエステルと、炭酸エステルとを、それぞれ、1種類のみを用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。ポリカーボネートポリオールの合成に複数種類のポリオールを用いる場合は、その複数種類のポリオールのうちの少なくとも1種のポリオールが植物由来のポリオールであればよい。炭酸エステルは、石油由来の炭酸エステルであってもよい。
ポリカーボネートポリオール中のエステル基の割合は、アルキレン基1モルに対して、好ましくは0.0001〜0.02モル、更に好ましくは0.001〜0.02モルである。エステル基がこの範囲であることで、ポリカーボネートポリオールを用いて、より高分子量のポリウレタンを得ることができる。
なお、ポリカーボネートポリオール中のアルキレン基とジエステル基との存在割合は、H−NMRにより特定、又はポリカーボネートポリオールを加アルカリ分解し、生じたモノマーをガスクロマトグラフィーで分析することにより特定される。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、バイオマス度が75%以上であるポリカーボネートポリオールが好適に使用され、特に好適にはバイオマス度が80%以上であるポリカーボネートポリオールが使用される。
ポリオールとして、植物由来のポリオールと石油由来のポリオールとを併用する場合には、バイオマス度が35%以上であるポリカーボネートポリオールが好適に使用され、特に好適にはバイオマス度が40%以上であるポリカーボネートポリオールが使用される。
(植物性由来のポリオール)
植物由来ポリオールとしては、例えば、稲、サトウキビ、てん菜、トウモロコシ、廃木材、製紙系廃棄物などの植物由来原料から誘導されるポリオールが挙げられるが、入手のしやすさ、ポリカーボネートポリオールへの誘導のしやすさ、誘導されたポリウレタン樹脂の特性向上などの点から、具体的には、好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、より好ましくは1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、更に好ましくは1,5−ペンタンジオールが使用される。なお、これらのポリオールは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。複数種類のポリオールを用いる場合、植物由来の1,5−ペンタンジオールと、その他のポリオールを用いてもよい。その場合、その他のポリオールのうちの少なくとも1種のポリオールは、石油由来であってもよい。
前記1,5−ペンタンジオールは、例えば、テトラヒドロフルフリルアルコールの水素化分解により得ることができる(例えば、国際公開第2013/073705号公報参照)。
また、前記1,6−ヘキサンジオールは、例えば、テトラヒドロピラン−2−メタノールの水素化分解により得ることができる(例えば、国際公開第2013/027766号公報参照)。
植物性由来のポリオールの加速器質量分析法により測定されるバイオマス度は、95%以上であり、97%以上であることがより好ましい、99%以上が更に好ましい。
(植物由来のカルボン酸又はそのエステル)
植物由来のカルボン酸またはそのエステルは、例えば、前記植物由来のポリオールと同じ植物由来原料から得ることができる。前記カルボン酸またはそのエステルは、具体的には、鎖状ジカルボン酸やそのエステル、環状エステルを示す。カルボン酸は、ポリオールと同じ炭素原子数を有するカルボン酸エステルであってもよい。カルボン酸の炭素原子数は、例えば、好ましくは、3〜8であり、より好ましくは、4〜6である。
鎖状ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などが挙げられるが、好ましくはグルタル酸、アジピン酸、更に好ましくはグルタル酸が使用される。
環状カルボン酸としては、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンなどが挙げられるが、好ましくはバレロラクトン、カプロラクトン、更に好ましくはバレロラクトンが使用される。なお、これらのカルボン酸及びそのエステルは、それぞれ、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
植物性由来のカルボン酸の加速器質量分析法により測定されるバイオマス度は、95%以上であり、97%以上であることがより好ましい、99%以上が更に好ましい。
(炭酸エステル)
石油由来の炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられるが、好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、更に好ましくはジメチルカーボネートが使用される。なお、これらの炭酸エステルを、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
(ポリカーボネートポリオールの製造)
本発明のポリカーボネートポリオールは、植物由来のカルボン酸またはそのエステルを合成に使用する場合と、使用しない場合があるため、以下それぞれ分けて説明する。
(方法1)植物由来のポリオールと炭酸エステルとを反応させる方法
ポリカーボネートポリオールの合成は、例えば、植物由来のポリカーボネートポリオール、炭酸エステル及び触媒を混合し、副生するアルコールを除きつつ、攪拌しながら反応させるなどの方法によって行うことができる。その際の反応温度は、好ましくは0〜300℃、更に好ましくは100〜300℃、更に好ましくは150〜250℃である。
テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、及びフルフラール(トウモロコシなどの植物由来原料から得られる)からなる群より選ばれる少なくとも1種を水素化分解反応させて植物由来1,5−ペンタンジオールを得た後、これを精製して純度95%以上の1,5−ペンタンジオールを製造し、次いで、この1,5−ペンタンジオールと石油由来の炭酸ジメチルとを反応させることが好ましい。
(方法2)植物由来のポリオールと植物由来のカルボン酸またはそのエステルと炭酸エステルとを反応させる方法
ポリカーボネートポリオールの合成は、例えば、植物由来のポリカーボネートポリオール、植物由来のカルボン酸又はそのエステル、炭酸エステル及び触媒を混合し、副生するアルコールを除きつつ、攪拌しながら反応させるなどの方法によって行うことができる。その際の反応温度は、好ましくは100〜300℃、更に好ましくは150〜250℃である。
ここで、ポリオールと、カルボン酸又はそのエステルが同一の植物由来原料から同時に得る場合には、それらの混合物をそのままポリカーボネートポリオールの合成に使用することができる。
テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、及びフルフラール(トウモロコシなどの植物由来原料から得られる)を水素化分解反応させて植物由来1,5−ペンタンジオールと、植物由来のδ−バレロラクトンとを得た後、次いで、1,5−ペンタンジオールとδ−バレロラクトンと石油由来の炭酸ジメチルとを反応させることが好ましい。
また、前記方法1でポリカーボネートポリオールを合成した後、別途、植物由来の原料より製造したカルボン酸又はそのエステルを更に混合して反応させることで、エステル基(モノまたはジエステル基)を導入させることもできる。
前記触媒としては、エステル交換触媒として一般的に知られているものを使用することができるが、好ましくは、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの金属炭酸塩;
炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの金属炭酸水素塩;
酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸ニッケル、酢酸アンチモンなどの金属カルボン酸塩;
リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、マグネシウムメトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラシクロヘキシルアルコキシド、チタンテトラベンジルアルコキシド、トリイソプロポキシチタンステアレート、トリブトキシチタンステアレート、アンチモントリペントキシドなどの金属アルコキシド;
アルミニウムアセチルアセトナト、亜鉛アセチルアセトナト、ジルコニウムアセチルアセトナト、ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトナト、ジヒドロキシチタンラクタトなどの金属ジケトナト;
ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどのアルキル金属が挙げられるが、
好ましくは、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラシクロヘキシルアルコキシド、チタンテトラベンジルアルコキシド、トリイソプロポキシチタンステアレート、トリブトキシチタンステアレート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、
更に好ましくは、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシドが使用される。なお、これらの触媒を、単独で用いても良いし、複数種を混合して使用しても良い。
前記触媒の使用量は、ポリオール1gに対して、好ましくは1〜10000μg、更に好ましくは10〜1000μgである。
方法1又は方法2により得られたポリカーボネートポリオールの反応液から減圧下で未反応の原料などを留去するなどして、本発明のポリカーボネートポリオールを得ることができる。なお、反応に使用した触媒は、反応終了後、触媒失活剤(例えば、チタンアルコキシドであればリン酸エステルなど)を添加することで、不活性化することができる。
(ポリウレタン)
本発明のポリウレタンは、前記植物由来のポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られる。本発明のポリウレタンのバイオマス度は、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上である。
(ポリイソシアネート)
本発明で使用するポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタン、ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートが挙げられるが、反応性の制御と強度付与等の観点から、好ましくは4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)が使用される。なお、これらのポリイソシアネートを、単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。
前記ポリイソシアネートの使用量は、ポリカーボネートポリオールに含まれる水酸基の合計モル数と、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基のモル数の比率(OH/NCO)が、100/100〜110/100となる割合となる量であることが好ましい。イソシアネート基のモル数よりも水酸基の合計モル数を多くすることにより、残存する未反応イソシアネート基を低減することができる。
(ポリウレタンの製造方法)
本発明のポリウレタン化合物は、前記ポリカーボネートポリオールと、必要ならば後述する触媒の存在下、攪拌させながら反応させるなどの方法によって得られる。また、後述する鎖延長剤を用いる場合は、反応の最初から加えておいてもよいし、反応の途中から加えてもよい。その際の反応温度は、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは20〜100℃であり、反応圧力は特に制限されない。
(触媒)
ポリウレタンを製造するに際しては、反応を促進させるために触媒の存在下で行うのが望ましい。好ましく用いられる触媒としては、一般的にウレタン化反応で使用される触媒(ウレタン化触媒)であれば特に制限はされないが、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどの有機スズ化合物や、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタン化合物や、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機ジルコニウム化合物や、トリエチルアミンなどの3級アミン化合物などが具体的に挙げられるが、好ましくは有機スズ化合物、有機ジルコニウム化合物、更に好ましくはジブチルスズジラウレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネートである。なお、これらの触媒を、単独で用いても良いし、複数種を混合して使用しても良い。また、非環状アルキレンポリカーボネートジオールに前記触媒が含まれている場合には、これを本発明の反応にそのまま使用しても良く、不足分を別途補充しても良い。
前記触媒の使用量は、ポリカーボネートポリオール1gに対して、好ましくは1〜10000μg、更に好ましくは10〜1000μgである。
(ポリウレタン溶液)
ポリウレタンの合成反応において、イソシアネート基と反応する活性水素基を有しない有機溶媒を添加することにより、ポリウレタン溶液とすることができる。使用する溶媒は特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類が使用される。なお、これらの溶剤を、単独で用いても良いし、二種以上を混合して使用しても良い。
前記有機溶媒の使用量は、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとの合計質量1gに対して、好ましくは0.1〜10g、更に好ましくは0.2〜5gである。
(鎖延長剤)
ポリウレタンの製造においては、共重合成分として鎖延長剤を用いることができる。鎖延長剤としては、公知の鎖延長剤を使用することができ、例えば、水、低分子ポリオール、ポリアミンなどが挙げられる。鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができる。
低分子ポリオールとしては、分子量が300以下のジオールを用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール;キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどが挙げられるが、好ましくはエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが用いられる。
(ポリウレタン硬化物)
本発明のポリウレタン硬化物は、前記ポリウレタン化合物又はポリウレタン化合物の溶液を硬化させることによって製造することができる。また、ガラス板などの対象物に塗布した後に硬化させても良い。
硬化させる際には、前記ポリウレタン化合物又はポリウレタン化合物の溶液に、紫外線、可視光、レーザー光、電子線、X線、γ線、プラズマ、マイクロウェーブなどのエネルギー線を照射、あるいは加熱するなどの方法によって、重合・硬化させて製造することができる。
ポリオールとして、植物由来のポリオールなどを使用することにより、バイオマス度が高いポリカーボネートポリオールを製造することができる。また、当該ポリカーボネートポリオールを使用することで、バイオマス度が高いポリウレタンも製造することができる。
このように、高い比率で植物由来の成分を含有させることにより、焼却によって排出される二酸化炭素と、植物の育成過程で吸収される二酸化炭素が同じ量とはならないまでも、いわゆるカーボンニュートラルという環境に優しいプロセスとなり得る。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、加速器質量分析法により測定されるバイオマス度(放射性炭素年代測定)は以下の方法で測定した。
タンデム加速器をベースとした14C−AMS専用装置(NEC社製)を使用し、14Cの計数、13C濃度(13C/12C)、14C濃度(14C/12C)の測定を行った。測定では、米国国立標準局(NIST)から提供されたシュウ酸(HOxII)を標準試料とした。この標準試料とバックグラウンド試料の測定も同時に実施した。
算出方法は以下の通りである。
1)δ13Cは、試料炭素の13C濃度(13C/12C)を測定し、基準試料からのずれを千分偏差(‰)で求めた値である。
2)pMC(percent ModernCarbon)は、標準現代炭素に対する試料炭素の14C濃度の割合である。
3)pMCをδ13Cで補正することにより、補正後のpMCを求めた。
4)このpMCは14C濃度であり、これを本明細書ではバイオマス度とした。
参考例1(ポリオール製造触媒の合成)
硝酸銅(II)三水和物48.6g(銅として12.8g)、硝酸亜鉛(II)六水和物58.2g(亜鉛として12.8g)をイオン交換水130.3gに溶解させ、金属塩水溶液を調製した。別途、炭酸ナトリウム(無水)63.3gをイオン交換水261.8gに溶解させ、塩基性水溶液を調製した。更に、別途、別に攪拌翼、温度計、pH電極を設置した容器に75〜85℃に調整したイオン交換水160.9gを準備し、この溶液に金属塩水溶液と塩基性水溶液を、温度75〜85℃、pHが7.0〜7.5を維持しながら、同時に滴下して反応させた。滴下中、薄緑色の沈殿物が析出していった。反応終了後、ろ過にて得られた沈殿物を取得し、これをイオン交換水700mLで洗浄し、湿めった固体(触媒前駆体)を得た。得られた固体を120℃で乾燥させ、緑色の粉末41.0gを得た。更に、得られた粉末10.0gを、空気中、350℃にて2時間焼成し、黒色粉末として、銅−亜鉛を7.7g得た。
参考例2(植物由来1,5−ペンタンジオールの合成)
100mLのオートクレーブに、テトラヒドロフルフリルアルコール20g(0.196モル)、銅−亜鉛系金属触媒2.0g(参考例1に記載の方法で調製);金属成分比:Cu/Zn=50/50;テトラヒドロフルフリルアルコール使用量に対して、10質量%使用)を加え、オートクレーブ内を窒素ガスにて5回、水素ガスにて5回、ガス置換を行った後、オートクレーブ内の内圧が15MPaとなるように水素ガスを充填した。次いで、反応温度を260〜280℃とした後、更にオートクレーブ内の内圧を25MPaとなるように水素ガスを充填し、5時間反応させた。得られた反応液を分析したところ、反応収率52.5%で1,5−ペンタンジオールが生成していた。
次いで、前記反応液を単蒸留し、純度98.40%の1,5−ペンタンジオールを得た。当該1,5−ペンタンジオール中には、テトラヒドロフルフリルアルコールが0.05%、1,2−ペンタンジオール0.10%、δ−バレロラクトンが1.25%含まれていた。なお、1,5−ペンタンジオールのバイオマス度は99.9%であった。
また銅含有触媒を用い、固定床で反応を行うことでも1,5−ペンタンジオールを製造することができ、長期間にわたり触媒活性及び選択性を保持することができる。固定床流通反応の場合には、空時収率(STY:Space Time Yield)が、好ましくは1〜5000g/L・hr、更に好ましくは10〜1000g/L・hr、特に好ましくは50〜500g/L・hrになるように金属触媒の使用量とテトラヒドロフルフリルアルコールのフィード量を調整する。前記範囲とすることで、1,5−ペンタンジオールを高選択率かつ高収率で得ることができる。
実施例1A(植物由来ポリカーボネートジオールの合成)
蒸留塔を備えた内容積2Lのガラス製フラスコに、参考例2で得られた純度98.40%の1,5−ペンタンジオール421.93g(4.05モル)、ジメチルカーボネート(石油由来)365.93g(4.06モル)及びテトラブトキシチタン61.3mg(0.18ミリモル)を加え、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しつつ、攪拌しながら95〜195℃で15時間反応させた。
次いで、減圧下(20kPa)にて反応液からメタノール(副生成物)とジメチルカーボネート(原料)を留去した。更に減圧下(0.1〜1kPa)にて、1,5−ペンタンジオールを留去しつつ、170〜190℃で3時間反応させ、ポリカーボネートジオール393.51gを得た。得られたポリカーボネートジオールの物性値は以下の通りであった。
バイオマス度;86.4%
数平均分子量;2000
水酸基価;56.2mgKOH/g
酸価;0.03mgKOH/g
テトラブトキシチタン触媒含有量;156ppm
融点;45℃
粘度;2905cp(75℃)
ガラス転移点;−54℃
なお、ポリカーボネートポリオール中のアルキレン基(1,5−ペンタンジオール由来)とエステル基(δ−バレロラクトン由来)との存在割合は、100:0.5であった。
実施例1B(植物由来ポリウレタンの合成)
実施例1Aで得られたポリカーボネートジオール99.97gにリン酸ジブチル11.3mg、を加え110〜120℃で2時間反応させ、続いてこれに水2.04gを加え110〜120℃で2時間反応させチタン触媒を失活し、続いて減圧下にて水を留去した。攪拌装置及び温度計を備えた内容積500mLのガラス製フラスコに、こうして得られたポリカーボネートジオール42.46(20.23ミリモル)、1,4−ブタンジオール3.089g(34.27ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド240.00g及び4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート16.65g(66.53ミリモル)を加え、攪拌しながら80℃で6時間反応させた。6時間後の撹拌トルクは2.03kgf・cmであった。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ポリウレタンのN,N−ジメチルアセトアミド溶液260.53gを得た。
実施例1C(植物由来ポリウレタン硬化物)
次いで、得られた溶液をガラス板上にコートし、80℃で1時間、120℃で2時間乾燥させた後、ガラス板より剥離して、膜厚42〜61μmのポリウレタンフィルムを得た。得られたポリウレタンフィルムの物性値は以下の通りであった。
バイオマス度;50.8%
重量平均分子量;227000g/モル
数平均分子量;107000g/モル
弾性率;19.9MPa
最大伸度;491%
破断点応力;73.3MPa
破断エネルギー:0.855N・m
参考例3(植物由来1,5−ペンタンジオールの合成)
触媒を銅−クロム系金属触媒に変えたこと以外、参考例2と同様に反応を行い純度98.40%の1,5−ペンタンジオールを得た。当該1,5−ペンタンジオール中には、テトラヒドロフルフリルアルコールが0.05%、1,2−ペンタンジオール0.80%含まれていた。なお、δ−バレロラクトンは0.01%未満であった。なお、1,5−ペンタンジオールのバイオマス度は99.9%であった。
参考例4(植物由来1,5−ペンタンジオールの合成)
200mLのオートクレーブに、フルフリルアルコール100g(1.02モル)、銅−亜鉛触媒5.0g(金属成分の質量比Cu/Zn=50/50;フルフリルアルコール使用量に対して、5.0質量%)及び水酸化ナトリウム(粒状)0.2g(フルフリルアルコール使用量に対して、0.2質量%)を加え、オートクレーブ内を窒素ガスにて5回、水素ガスにて5回、ガス置換を行った後、オートクレーブ内の内圧が15MPaとなるように水素ガスを充填した。次いで、反応温度を170℃とした後、さらにオートクレーブ内の内圧を25MPaとなるように水素ガスを充填し、5時間反応させた。反応終了後、室温まで放冷してオートクレーブを開封し、触媒を濾過した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにて定量分析したところ、フルフリルアルコールの反応転化率89.2%、反応収率21.6%にて1,5−ペンタンジオールを得た。また、副生成物である、1,2−ペンタンジオールの反応収率は42.5%、1−ペンタノールの反応収率は12.5%、2−メチルフランの反応収率は4.0%、テトラヒドロフルフリルアルコールの反応収率は3.6%であった。
同等の方法を19バッチ行い、反応終了後に得られた反応液1907.7g(GC定量分析より1,2−ペンタンジオール849.0g及び1,5−ペンタンジオール410.8gを含む)の単蒸留を行った。塔頂圧力10kPa、塔頂温度117℃までの低沸点の留分502.4gを除去したのち、塔頂圧力3kPa、塔頂温度127〜131℃の主留分1111.8g(1,2−ペンタンジオール753.1g及び1,5−ペンタンジオール210.1gを含む)を得た。次に、スルザーラボパッキングEX(内径25mm、高さ53mm)を16個充填した蒸留塔を用いて、得られた主留分の蒸留精製を行った。還流比10、塔頂温度116℃、塔頂圧力3kPaの留分を取得し、623.48gの1,2−ペンタンジオール(純度99.6%、蒸留における回収率73.4%)及び139.0gの1,5−ペンタンジオール(純度99.2%、蒸留における回収率66.1%)を得た。
実施例2A
(植物由来ポリカーボネートジオールの合成)
参考例3で合成した1,5−ペンタンジオールを用いて、実施例1Aと同様にして植物由来のポリカーボネートジオールを得た。得られたポリカーボネートジオールの物性値は以下の通りであった。
バイオマス度;85.3%
数平均分子量;2000
水酸基価;56.2mgKOH/g
酸価;0.03mgKOH/g
テトラブトキシチタン触媒含有量;156ppm
融点;45℃
粘度;2905cp(75℃)
ガラス転移点;−54℃
なお、ポリカーボネートポリオール中のジエステル基は痕跡程度であった。
実施例2B(植物由来ポリウレタンの合成)
実施例2Aで得られたポリカーボネートジオールを用いて、実施例1Bと同様な方法で、ポリウレタンのN,N−ジメチルアセトアミド溶液を得た。
実施例2C(植物由来ポリウレタン硬化物)
次いで、得られた溶液をガラス板上にコートし、80℃で1時間、120℃で2時間乾燥させた後、ガラス板より剥離して、膜厚42〜61μmのポリウレタンフィルムを得た。得られたポリウレタンフィルムの物性値は以下の通りであった。
重量平均分子量;215000g/モル
数平均分子量;99100g/モル
弾性率;19.5MPa
最大伸度;476%
破断点応力;65.4MPa
破断エネルギー:0.704N・m
比較例1A(石油由来ポリカーボネートジオールの合成)
蒸留塔を備えた内容積2Lのガラス製フラスコに、純度98.40%の1,5−ペンタンジオール(石油由来;へキシルアルコール0.1%、1,6−ヘキサンジオール0.2%、1,5−ヘキサンジオール0.2%、1,4−シクロヘキサンジメタノール0.1%含有)1153.79g(11.08モル)、ジメチルカーボネート(石油由来)1044.63g(11.60モル)及びテトラブトキシチタン0.120g(0.352ミリモル)を加え、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しつつ、攪拌しながら95〜195℃で20時間反応させた。
次いで、減圧下(20kPa)にて反応液からメタノール(副生成物)とジメチルカーボネート(原料)を留去した。更に減圧下(0.1〜1kPa)にて、1,5−ペンタンジオールを留去しつつ、170〜190℃で10時間反応させ、ポリカーボネートジオール1017.10gを得た。得られたポリカーボネートジオールの物性値は以下の通りであった。
バイオマス度;0%
数平均分子量;2010
水酸基価;55.9mgKOH/g
酸価;0.03mgKOH/g
テトラブトキシチタン触媒含有量;118ppm
融点;45℃
粘度;3300cp(75℃)
ガラス転移点;−54℃
なお、ポリカーボネートポリオール中にエステル基は存在していなかった。
比較例1B(石油由来ポリウレタンの合成)
実施例1Aで得られたポリカーボネートジオール99.97gにリン酸ジブチル11.3mg、を加え110〜120℃で2時間反応させ、続いてこれに水2.04gを加え110−120℃で2時間反応させチタン触媒を失活し、続いて減圧下にて水を留去した。攪拌装置及び温度計を備えた内容積500mLのガラス製フラスコに、こうして得られたポリカーボネートジオール42.46(20.23ミリモル)、1,4−ブタンジオール3.089g(34.27ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド240.00g及び4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート16.65g(66.53ミリモル)を加え、攪拌しながら80℃で6時間反応させた。6時間後の撹拌トルクは0.94kgf・cmであった。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ポリウレタンのN,N−ジメチルアセトアミド溶液260.53gを得た。
比較例1C(石油由来ポリウレタン硬化物)
次いで、得られた溶液をガラス板上にコートし、80℃で1時間、120℃で2時間乾燥させた後、ガラス板より剥離して、膜厚45〜55μmのポリウレタンフィルムを得た。得られたポリウレタンフィルムの物性値は以下の通りであった。
バイオマス度;0%
重量平均分子量;197000g/モル
数平均分子量;98000g/モル
弾性率;18.9MPa
最大伸度;451%
破断点応力;59.4MPa
破断エネルギー:0.614N・m
本発明の植物由来のジオールを用いることにより、環境負荷が低減されたポリカーボネートポリオールを得ることができることが分かった。また、当該ポリカーボネートポリオールを使用することで、環境負荷が低減された植物由来のポリウレタンを得ることができることが分かった。
更に、植物由来のポリウレタンは、石油由来のポリカーボネートポリオールを原料として製造されたポリウレタンと比較して高分子量であり、特にジエステル基が一定量存在しているポリカーボネートジオールを用いることにより高分子量のポリウレタンが得られた。
本発明により、環境負荷が低く、かつ、原料の入手が容易なポリカーボネートポリオールを提供するとともに、それを用いた高分子量を有するポリウレタンを得ることができる。

Claims (8)

  1. 植物由来のポリオールと炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオール、若しくは、
    植物由来のポリオールと、植物由来のカルボン酸またはそのエステルと、炭酸エステルを用いて合成される植物由来のポリカーボネートポリオール。
    但し、植物由来のポリオール、植物由来のカルボン酸又はそのエステルの、加速器質量分析法により測定されるバイオマス度が90%以上である。
  2. 植物由来のポリオールが、植物由来の1,5−ペンタンジオール及び植物由来の1,6−ヘキサンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールである請求項1記載のポリカーボネートポリオール。
  3. 植物由来のポリオールが、植物由来のフルフラール、フルフリルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を原料として合成される1,5−ペンタンジオールである請求項1又は2に記載のポリカーボネートポリオール。
  4. 植物由来のカルボン酸又はそのエステルが、ポリオールと同じ炭素原子数を有するカルボン酸エステルである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオール。
  5. 植物由来のカルボン酸エステルが植物由来の環状エステルである請求項4記載のポリカーボネートポリオール。
  6. 植物由来の環状エステルが、バレロラクトン及びカプロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の環状エステルである請求項5記載のポリカーボネートポリオール。
  7. 植物由来のポリオールとカルボン酸又はそのエステルとは、同じ植物由来原料から製造される請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオール。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネートを用いて合成されるポリウレタン。
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