JP7294986B2 - 幕板付き折畳テーブル - Google Patents

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Description

本発明は、幕板付き折畳テーブルに関する。
従来から、設置面への接地部を有する支持構造体と、該支持構造体に、什器幅方向に沿う枢軸回りに枢支される天板と、該天板および支持構造体の少なくとも一方に支持される幕板と、天板の支持構造体に対しての回動に連動して、幕板を下方であって、尚且つ、什器奥行方向において支持構造体に近接する方向に変位させる連動機構と、を備える幕板付き折畳テーブルが知られている。
例えば特許文献1では、天板側ブラケットと幕板側ブラケットとが幕板の上部において連結され、幕板の下部はリンクステーによって支柱に枢支される。さらに、天板側ブラケットに形成された長孔と、幕板側ブラケットに形成された逃げ孔との両方に、連結要素としてのピンが挿通(遊嵌)されている。
特開2015-089425号公報
上記従来の構成では、天板を回動限界まで至らせる過程において、ピンは天板側ブラケットの長孔の屈曲下部からいったん上部に変位したうえで、再度屈曲下部に復帰する。つまり、幕板が天板の下面に近接する挙動をする。したがって、天板の後部を手で保持しながら折り畳み作業を行うときに、その手が天板の下面と幕板との間に挟まりやすくなることが懸念される。
また、長孔の屈曲下部と逃げ孔の屈曲上部とは幅方向に整合しているものの、ピンは、天板側ブラケットおよび幕板側ブラケットという相対移動する2部材のそれぞれに、さらに相対移動可能に支持される関係である。そのため、これらの2部材同士の成型時の寸法精度や、組付け時の精度に狂いが生じた場合に、天板と幕板それぞれの荷重のどちらがより大きくピンに作用するかによって、ピンが動きにくくなったり、強引に天板を回動させることでピンを多方向から捩じるような応力が作用することが考えられる。
そこで本発明は、天板の跳ね上げと幕板の移動とを連動させる幕板付き折畳テーブルにおいて、天板と幕板とを連動させる機構部品への負荷を抑えるとともに、連動機構の動きをスムーズにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係る幕板付き折畳テーブルは、支持構造体と、什器幅方向に沿う天板回動軸を介して前記支持構造体に枢支される天板と、前記支持構造体よりも什器奥行方向奥側で前記天板の下方に垂下し、前記天板回動軸よりも下方で、前記什器幅方向に沿う幕板回動軸を介して前記支持構造体に枢支される幕板と、前記天板の回動と前記幕板の回動とを連動させる連動機構と、備え、前記天板は、上面を水平にした使用位置と、上面を起立させた跳ね上げ位置と、の間で回動可能であり、前記幕板は、前記連動機構の作動により、前記天板が前記使用位置にあるときに前記天板の前記什器奥行方向奥側の下方に延びるように配置される垂下位置と、前記天板が前記跳ね上げ位置にあるときに前記垂下位置よりも前記支持構造体に近付くように配置される格納位置と、の間で回動可能であり、前記連動機構は、前記天板に固着されて前記天板と一体回動可能な天板側ブラケットと、前記幕板に固着されて前記幕板と一体回動可能な幕板側ブラケットと、を備え、前記天板側ブラケットは、前記天板回動軸よりも前記什器奥行方向奥側かつ前記幕板回動軸よりも上方に、前記什器幅方向に延びる連動軸を一体に支持し、前記幕板側ブラケットは、前記什器幅方向で前記連動軸を入り込ませて係合させるガイド凹部を備え、前記什器幅方向から見たとき、前記ガイド凹部は、前記連動軸の前記幕板回動軸中心の回動軌跡と交差するように前記什器奥行方向に延びる上面部および下面部と、前記上面部および前記下面部の前記什器奥行方向手前側の端部同士を結合し、前記天板が前記使用位置にあるときに前記連動軸が前記什器奥行方向奥側から当接可能な端面部と、を備え、前記ガイド凹部は、前記天板が前記使用位置から前記跳ね上げ位置へ回動する際に、前記連動軸が前記端面部に当接する当接位置から前記幕板回動軸側へ移動可能となるように、前記什器奥行方向奥側に延びて形成され、前記ガイド凹部は、前記当接位置よりも前記什器奥行方向奥側に位置するほど上下方向で幅広に形成されている。
この構成によれば、天板の回動に幕板の回動を連動させる幕板付き折畳テーブルにおいて、使用位置にある天板を跳ね上げ位置に向けて回動させると、連動軸が下方かつ什器奥行方向手前側に回動する。すると、連動軸がガイド凹部の什器奥行方向手前側の端面部に突き当たり、幕板を什器奥行方向手前側に回動させる。幕板の回動時に連動軸が端面部から離間したとしても、上下面部が連動軸の幕板回動軸中心の回動軌跡と交差するように延びるので、連動軸が上下面部の何れかに接触して幕板の回動を継続させる。このとき、連動軸が上下面部の何れかに沿ってガイド凹部内を移動することで、異なる二軸(天板回動軸および幕板回動軸)を中心に回動する天板および幕板間の連動機構における軸間距離の変動が吸収される。ガイド凹部は、什器奥行方向奥側で上下方向に幅広をなすことで、連動軸が什器奥行方向奥側に移動する際にも、連動軸およびガイド凹部の相互の干渉が抑えられて相対移動がスムーズである。また、天板回動軸および幕板回動軸の二軸は上下方向に離間するので、連動機構における軸間距離の変動は上下方向で大きくなるが、この変動をガイド凹部の上下幅によっても吸収可能となり、連動機構の動きをスムーズにすることができる。連動軸は、天板側に固定されて天板の回動に追従するので、連動軸と天板との相対位置の精度は、天板回動時にも一定に確保される。したがって、天板回動時の作動部位間の相対位置精度は、連動軸を含む天板側ブラケットとガイド凹部を含む幕板側ブラケットとの二部位間で特に確保すればよい。このように、連動機構における作動部位間の相対位置精度の設定を容易にした上で、連動軸のスムーズな動作と過負荷の防止とを図ることができる。
上記態様において、前記幕板回動軸は、上下方向の移動を可能とする移動機構を介して前記支持構造体に支持され、前記ガイド凹部は、前記天板が前記使用位置にあるとき、前記幕板の自重によって前記連動軸を前記当接位置に案内してもよい。
この場合、幕板に什器奥行方向奥側から人や物がぶつかったとしても、幕板の自重による付勢力に抗して幕板が上方移動しつつ什器奥行方向手前側に移動することで、緩衝効果を得ることができる。幕板回動軸が上下方向に移動可能であるので、幕板全体の重量を幕板の鉛直下方への付勢力として利用し、緩衝効果を効果的に得ることができる。
上記態様において、前記上面部および前記下面部は、前記天板が前記使用位置にあるとき、前記什器奥行方向手前側ほど上方に位置するように傾斜してもよい。
この場合、上面部および下面部が当接位置に向けて上り傾斜となるので、幕板の自重によって連動軸を当接位置に案内しやすく、天板の回動し始めからスムーズに幕板を連動させることができる。
上記態様において、前記端面部は、前記連動軸の外周面に沿う湾曲状をなしていてもよい。
この場合、端面部は、連動軸の什器奥行方向手前側への移動を規制するとともに、連動軸の上下方向の移動も規制して、ガイド凹部内で当接位置を明確に規定することができる。
本発明によれば、天板の跳ね上げと幕板の移動とを連動させる幕板付き折畳テーブルにおいて、天板と幕板とを連動させる機構部品への負荷を抑えるとともに、連動機構の動きをスムーズにすることができる。
実施形態に係る幕板付き折畳テーブルの斜視図である。 天板が使用位置にあるときの上記幕板付き折畳テーブルの側面図である。 天板が跳ね上げ位置にあるときの上記幕板付き折畳テーブルの側面図である。 上記幕板付き折畳テーブルのネスティング時の側面図である。 天板が使用位置にあるときの上記幕板付き折畳テーブルの要部の側面図である。 天板を使用位置から跳ね上げ始めたときの図5に相当する側面図である。 天板を図6からさらに跳ね上げたときの側面図である。 天板を図7からさらに跳ね上げて連動軸が直線上位置にあるときの側面図である。 天板を図8からさらに跳ね上げて天板が跳ね上げ位置にあるときの側面図である。 天板が使用位置にあるときに幕板が什器奥行方向手前側へ移動する様を示す側面図である。 幕板のガイド凹部の変形例を示す側面図であり、(a)は天板が使用位置にあるとき、(b)は天板が跳ね上げ位置にあるときをそれぞれ示す。
以下、本実施形態の幕板付き折畳テーブルについて図面を参照して説明する。
図1~図3に示すように、幕板付き折畳テーブル1(以下、単にテーブル1ということがある。)は、天板2と、フレーム11と、幕板21と、を備えている。
テーブル1は、いわゆるフラップ式であり、天板2が回動可能となっている。以下の説明では、特に記載がなければ、天板2の作業面(上面2a)を上方に向けて水平にした状態(天板2が後述する使用位置P1にある状態)における各構成について説明する。
本実施形態では、XYZ直交座標系を設定して各構成を説明する。X軸に沿う方向を左右方向(什器幅方向)といい、Y軸に沿う方向を前後方向(什器奥行方向)といい、Z軸に沿う方向を上下方向(什器上下方向)という。上下方向は、テーブル1が設置される水平な床面Fの法線方向(鉛直方向)とする。前後方向のうち、Y軸を示す矢印Yが指し示す側(テーブル1に向き合う使用者側)を前側または什器奥行方向手前側といい、その反対側(使用者と反対側)を後側または什器奥行方向奥側という。什器幅方向から見ることを側面視という。
天板2は、前後方向幅よりも左右方向幅が広い横長の長方形状をなしている。天板2は、前後方向の中央位置を含む中間部が、天板回動機構3を介してフレーム11に支持されている。図中符号2aは天板2の上面(外面)、符号2bは天板2の下面(裏面)をそれぞれ示す。
幕板21は、上下方向幅よりも左右方向幅が広い横長の長方形状をなしている。幕板21は、下端部が移動機構25を介してフレーム11に支持され、上端部が連動機構5を介して天板2に支持されている。図中符号21aは幕板21の什器奥行方向奥側の後面(外面)、符号21bは幕板21の什器奥行方向手前側の前面(裏面)をそれぞれ示す。
フレーム11は、什器幅方向両側に一対の脚部12を備えている。一対の脚部12は、互いに左右対称の構成を有している。一対の脚部12は、互いに離間し、什器幅方向に延びるクロスフレーム16を介して一体に結合されている。
各脚部12は、上下方向に延びる脚柱(支持構造体)13と、脚柱13の上下中央位置よりも下方の下部から一旦什器幅方向外側に張り出した後に後方に湾曲し、什器幅方向と直交する什器側面に沿って後方に延びるサポート脚14と、を備えている。
脚柱13は、上端部の上方に天板2を支持する。脚柱13は、天板2の下方に向けて、下方に位置するほど前方に位置するように傾斜して直線状に延びている。脚柱13は、矩形状の断面形状を有し、下方に位置するほど断面形状を細める先細りをなしている。
サポート脚14は、脚柱13の下部外側から後方へ、後方に位置するほど下方に位置するように傾斜して直線状に延びている。サポート脚14は、矩形状の断面形状を有し、後方に位置するほど断面形状を細める先細りをなしている。
各脚柱13の下端部および各サポート脚14の後端部には、床面F上でテーブル1を移動可能とするキャスター15が設けられている。
左右サポート脚14の内側面の間の距離は、左右脚柱13の外側面の間の距離よりも大きい。
図4に示すように、テーブル1は、天板2を上方に跳ね上げた状態で、前後方向に複数入れ子状に重なることが可能である。このとき、複数のテーブル1の内、什器奥行方向奥側のテーブル1の左右サポート脚14は、什器奥行方向手前側のテーブル1の左右脚柱13の間に入り込む。テーブル1は、前述のように複数入れ子状に重なって相互の前後方向の距離を詰めた状態で、所定の収容区画に収容するという、いわゆるネスティングが可能である。
図1~図3に戻り、天板回動機構3は、天板2の作業面と反対側の裏面(下面2b)に固定される天板側ブラケット3aと、脚柱13の上部に固定される脚柱側ブラケット3bと、天板側ブラケット3aと脚柱側ブラケット3bとを相対回動可能に連結する什器幅方向に沿う回動軸(天板回動軸4)と、天板2が使用位置P1(図1、図2参照)および跳ね上げ位置P2(図3参照)の何れかにあるときに天板側ブラケット7と脚柱側ブラケットとの相対回動をロック可能なロック機構(不図示)と、を備えている。図中符号3cはロック機構のロック解除操作を行うためのロック解除レバーを示す。天板回動軸4は、天板2の下面2bの下方に配置されている。天板回動軸4は、天板2の前後中央位置よりも後方に配置されている。天板2は、一対の脚柱13の上方に配置され、天板回動軸4を中心に回動可能な状態でフレーム11に支持されている。
移動機構25は、幕板21の下端部の前面21bに固定される幕板下ブラケット25aと、幕板下ブラケット25aに一端部が什器幅方向に沿う第一回動軸(幕板回動軸22)を介して相対回動可能に連結される下端リンク25bと、を備えている。下端リンク25bの他端部は、什器幅方向に沿う第二回動軸24を介して、脚柱13の下部に相対回動可能に連結されている。下端リンク25bは、例えば両端部に渡って直線状に延びている。移動機構25は、幕板21の下端部および幕板回動軸22を脚柱13に対して昇降可能に支持している。
連動機構5は、幕板21の上端部の前面21bに固定される幕板側ブラケット6と、幕板側ブラケット6に対し、先端部に固定した連動軸(連結軸)8を介して相対回動可能かつ相対移動可能に連結される天板側ブラケット7と、を備えている。
幕板側ブラケット6は、幕板21の上端部の裏面に固定される基部6aと、基部6aから什器奥行方向手前側へ延びる連結部6bと、を備えている。連結部6bは、什器幅方向に直交する板状をなし、側面視で什器奥行方向手前側に位置するほど上下幅を狭めて形成されている。連結部6bの什器奥行方向手前側には、例えば当該部位を什器幅方向で貫通するガイド凹部31が設けられている。ガイド凹部31は、連結部6bの什器奥行方向手前側の上部、下部および什器奥行方向手前側の三方の外周部を枠状に残すように形成されている。
天板側ブラケット7は、天板回動軸4よりも什器奥行方向奥側の下面2bに固定される基部7aと、基部7aから什器幅方向奥側かつ下方へ延びる側面視L字状のアーム部7bと、を備えている。アーム部7bは、基部7aの下端部から什器奥行方向奥側へ、天板2の下面2bの下方に離間した位置で延びる第一延出部7cと、第一延出部7cの什器奥行方向奥側の端部から下方へ屈曲し、下側ほど什器奥行方向奥側に位置するようにやや傾斜して下方に延びる第二延出部7dと、を備えている。第二延出部7dの先端部(下端部)には、連動軸8が固定されている。連動軸8は、天板回動軸4および脚柱13よりも什器奥行方向奥側に配置されている。連動軸8は、天板回動軸4よりも下方に配置されている。連動軸8は、幕板回動軸22よりも上方に配置されている。
図3に示すように、天板側ブラケット7のアーム部7bは、天板2が跳ね上げ位置P2にあるとき、左右脚柱13の上部の間に渡るクロスフレーム16を避けるように形成されている。クロスフレーム16は、例えば断面楕円状をなして什器幅方向で直線状に延びている。このクロスフレーム16の什器奥行方向奥側から下方に渡って延びるようにアーム部7bが形成されている。幕板21の上端部の什器奥行方向手前側には、天板2の回動時にアーム部7bの屈曲部との干渉を避けるように(図7、図8参照)、什器奥行方向手前側の前面21bを切り欠く切り欠き部21cが設けられている。
図5に示すように、連動軸8は、側面視で天板回動軸4および幕板回動軸22の各軸線C1,C3同士を結ぶ直線T0に対し、什器奥行方向奥側に配置されている。天板回動軸4および連動軸8の各軸線C1,C2同士を結ぶ直線を符号T1で示し、連動軸8および幕板回動軸22の各軸線C2,C3同士を結ぶ直線を符号T2で示し、幕板回動軸22および第二回動軸24の各軸線C3,C4同士を結ぶ直線を符号T3で示し、天板回動軸4および第二連動軸8の各軸線C1,C4同士を結ぶ直線を符号T4で示す。天板2(天板側ブラケット3a)、幕板21、脚柱13および下端リンク25bは、各直線T1~T4に沿って連結された四節リンク機構26を構成している。幕板21は、自重によって下方に付勢されているが、ガイド凹部31に係合する連動軸8を介して天板2に吊下されることで、規定の配置状態を維持する。
幕板21は、脚柱13よりも什器奥行方向奥側に位置して天板2の下方に垂下している。連動軸8は、幕板21の上端部の什器奥行方向手前側に配置されている。幕板21は、連動軸8ひいては連動機構5を介して、天板2の回動に連動して回動可能である。
天板2は、上面2aを水平にした使用位置P1(図2、図5参照)と、上面2aを起立させた跳ね上げ位置P2(図3、図9参照)と、の間で回動可能である。
幕板21は、天板2が使用位置P1にあるときに天板2の什器奥行方向奥側の下方に延びるように配置される垂下位置P3(図2、図5参照)と、天板2が跳ね上げ位置P2にあるときに垂下位置P3よりも脚柱13に近付くように配置される格納位置P4(図3、図9参照)と、の間で回動可能である。
連動軸8ひいては天板側ブラケット7は、天板2に固着されて、天板2と一体回動可能である。
幕板側ブラケット6および幕板下ブラケット25aは、幕板21に固着されて、幕板21と一体回動可能である。なお、第一回動軸(幕板回動軸22)は、幕板側ブラケット6および幕板下ブラケット25aの一方に固着されてもよい。
幕板側ブラケット6の連結部6bは、幕板21の裏面側から什器奥行方向手前側へ、側面視で略三角形状をなして延びている。幕板側ブラケット6の連結部6bは、幕板21の裏面側から什器奥行方向手前側へ、水平方向に対してやや上向きに傾斜して延びている。連結部6bの什器奥行方向手前側に形成されるガイド凹部31は、側面視で連結部6bの什器奥行方向手前側の形状に倣う一回り小さい略三角形状をなしている。
図5を参照し、ガイド凹部31について詳細に説明する。図中符号R2は幕板回動軸22の軸線C3(軸心)中心の円弧(幕板21の幕板回動軸22中心の回動軌跡に沿う円弧)であり、側面視でガイド凹部31と交差する円弧を示す。図中符号R1は側面視でガイド凹部31と交差する天板回動軸4の軸線C1(軸心)中心の円弧(天板2の天板回動軸4中心の回動軌跡に沿う円弧)であり、側面視でガイド凹部31と交差する円弧を示す。
ガイド凹部31は、什器幅方向で連動軸8を入り込ませ、連動軸8をガイド凹部31内で移動可能に係合させている。ガイド凹部31は、連動軸8を什器奥行方向および上下方向で移動自在に遊嵌させている。ガイド凹部31は、天板2が使用位置P1にあるとき、幕板21の自重によって連動軸8に対して下方に移動する。このとき、連動軸8は、ガイド凹部31内の規定の当接位置(係合位置)31bに案内される。ガイド凹部31は、連動軸8の外周面8aに接触可能な内周面31aを有している。内周面31aは、側面視で幕板回動軸22中心の円弧R2と交差するように什器奥行方向に延びる上面部32および下面部33と、上面部(第一案内面)32および下面部(第二案内面)33の什器奥行方向手前側の端部同士を結合し、連動軸8を什器奥行方向奥側から当接可能とする端面部(当接面、係合面)34と、を備えている。
前記「円弧R2と交差する」とは、側面視で円弧R2の接線に対して角度を有していることをいう。これにより、連動軸8と上面部32および下面部33とが幕板回動軸22中心の回動方向で係合する。その結果、幕板21が自重等によって意図せず回動しようとしても、上面部32および下面部33の何れかが連動軸8に当接することで、前記回動が規制される。下面部33の什器奥行方向奥側には、上方に湾曲した後に上向きに傾斜して直線状に延びる上向き部35が連なる。この上向き部35が、ガイド凹部31の内部における連結軸8の什器奥行方向奥側への相対移動範囲を画定させる。上向き部35の上端部と上面部32の什器奥行方向奥側の端部とは、奥側端面部36を介して互いに結合されている。
後述するように、上面部32は、側面視において什器奥行方向手前側ほど上方に位置するように傾斜する直線状をなしている。この上面部32の什器奥行方向奥側への延長線L1と、側面視において上向きに傾斜する上向き部35の上方への延長線L2とは、互いに交差した状態において鋭角をなす。これら上面部32および上向き部35によって、奥側端面部36に什器奥行方向手前側から当接、係合した状態の連結軸8の位置規制力が増強される。すなわち、奥側端面部36に当接した連動軸8は、什器奥行方向奥側への移動が規制されるとともに、上面部32および上向き部35によって連結軸8の上方および下方への移動も規制される。なお、上面部32の奥側端部と上向き部35の上端部とが直接つながる形状も採り得る。
天板2の回動範囲(天板2が使用位置P1と跳ね上げ位置P2との間で回動する範囲)の内、天板2が跳ね上げ位置P2近傍にあるときを除き、上面部32および下面部33は、側面視で天板回動軸4中心の円弧R1と交差するように什器奥行方向に延びている。これにより、天板2の回動時、連動軸8からガイド凹部31ひいては幕板21に対して天板2の回動トルクを伝達可能である。前記「円弧R1と交差する」の意は、前記「円弧R2と交差する」の意と同様である。
上面部32および下面部33は、什器奥行方向手前側ほど上方に位置するように側面視で傾斜した直線状をなしている。幕板21は、自重によって下方移動する際、連動軸8に対して上面部32および下面部33の傾斜に沿って移動する。その結果、連動軸8は、上面部32および下面部33に沿って什器奥行方向手前側に案内され、端面部34に突き当たって停止する。上面部32および下面部33は、連動軸8を当接位置31bに案内するための案内部として機能する。上面部32に沿う方向は、ガイド凹部31の長さ方向に相当する。上面部32(および前記長さ方向)は、天板回動軸4および連動軸8の各軸線C1,C2同士を結ぶ直線T1と略平行である。
端面部34は、連動軸8の外周面8aに沿うように側面視円弧状をなしている。端面部34の上下端からは、それぞれ上面部32および下面部33が端面部34の接線方向に延びている。これにより、上面部32および下面部33に案内された連動軸8が、端面部34に当接する位置(当接位置31b)にスムーズに案内される。なお、奥側端面部36も連動軸8の外周面8aに沿うように側面視円弧状をなしている。
当接位置31bにある連動軸8は、上方、下方および什器奥行方向手前側の三方への移動が規制される。当接位置31bにある連動軸8は、什器奥行方向奥側への移動のみ、上面部32および下面部33に挟まれた挟角の範囲で許容される。幕板21は、自重によってガイド凹部31の端面部34を連動軸8に当接させることで、天板2に吊下された状態となり、垂下位置P3に配置された状態となる。端面部34は、連動軸8を什器奥行方向奥側から当接させることで、天板2が使用位置P1にあるとき(かつ幕板21が垂下位置P3にあるとき)の連動軸8の当接位置31bを規定する。ガイド凹部31は、天板2が使用位置P1にあるとき、幕板21の自重によって連動軸8を当接位置31bに案内する。
ガイド凹部31は、当接位置31bから什器奥行方向奥側へ連動軸8を移動可能とするべく、什器奥行方向奥側に延びて形成されている。ガイド凹部31において「連動軸8を移動可能とする」とは、ガイド凹部31および連動軸8間のクリアランス程度の移動代ではなく、少なくとも連動軸8の半径程度の移動代があり、好ましくは連動軸8の直径以上の移動代があることをいう。ガイド凹部31は、連動軸8を什器奥行方向で移動可能な長さを有している。
ガイド凹部31は、側面視で当接位置31bを什器奥行方向手前側の頂点部とする略三角形状をなしている。ガイド凹部31は、当接位置31bよりも什器奥行方向奥側で連動軸8を上下方向に移動可能とするべく、什器奥行方向奥側に位置するほど上下方向で幅広をなしている。ガイド凹部31は、連動軸8を上下方向で移動可能な長さ(高さ)を有している。ガイド凹部31は、上下方向の幅よりも什器奥行方向の幅が大きい。
次に、実施形態の幕板付き折畳テーブル1の作用について説明する。
図5を参照し、天板2が使用位置P1にあるときは、天板回動機構3がロック状態となり、天板2の回動が規制され、天板2が水平な使用位置P1に固定される。このとき、幕板21は、自重によって下方に移動しようとするが、ガイド凹部31の端面部34が連動軸8に突き当たって係合することで、幕板21が連動軸8ひいては天板2に吊り下げられた状態となる。幕板21の下部は、下端リンク25bの回動により下方移動可能であるが、幕板21の上部が天板2に吊り下げられることで、幕板21の下部の下方移動も規制される。これにより、幕板21が略垂直な垂下位置P3にある状態を維持する。連動軸8に係合するガイド凹部31ひいては幕板21の上部には、幕板21の自重による位置規制力が作用する。連動軸8は、天板2の使用位置P1に対応する第一位置P11にある。第一位置P11は、天板回動軸4および脚柱13よりも什器奥行方向奥側に離間し、かつ幕板回動軸22よりも上方により大きく離間した位置である。第一位置P11は、天板回動軸4よりも下方にあり、かつ幕板回動軸22よりも什器奥行方向手前側にある位置である。
図10を併せて参照し、ガイド凹部31は、什器奥行方向に長さ方向を向けており、連動軸8を什器奥行方向で移動可能とする。幕板21が垂下位置P3にあり、連動軸8が当接位置31bにあるとき、連動軸8は当接位置31bから什器奥行方向奥側へ移動可能である。すなわち、連動軸8に対してガイド凹部31ひいては幕板21の上部が什器奥行方向手前側へ移動可能である。幕板21が垂下位置P3にあるとき、幕板21に外部(奥行方向奥側)から身体や物体が当たると、連動軸8に対してガイド凹部31が什器奥行方向手前側へ移動する。このとき、幕板21の上部に作用する自重による位置規制力を越える必要がある。この位置規制力によって什器奥行方向手前側への荷重の一部が吸収され、幕板21および衝突対象に伝わる衝撃が緩和される。
図6を参照し、天板2のロックを解除して使用位置P1から跳ね上げ位置P2に向けて回動し始めると、天板2に固定された連動軸8も天板2と一体的に回動する。このとき、天板回動軸4よりも什器奥行方向奥側かつ下方に位置する連動軸8は、天板2の天板回動軸4中心の回動軌跡に沿って、什器奥行方向手前側(脚柱13に接近する側)かつ下方に移動する。連動軸8には、ガイド凹部31の什器奥行方向手前側の端面部34が当接している。この状態で、ガイド凹部31ひいては幕板21の上部は、幕板21の自重によって連動軸8に係合している。
ガイド凹部31は、幕板21の自重によって連動軸8の移動に追従して移動する。連動軸8が天板2の回動に応じて什器奥行方向手前側かつ下方に移動すると、ガイド凹部31ひいては幕板21の上部も同様に移動する。このとき、幕板21の下部は、下端リンク25bが第二回動軸24中心に回動することで下方に移動する。この幕板21の動きは、天板2、幕板21、脚柱13および下端リンク25bからなる四節リンク機構26の作動によって規定される。下端リンク25bの長さは短く、幕板21の下降代を制限する。これにより、テーブル1のネスティング時には、幕板21下方に他のテーブル1のサポート脚14が入り込むスペースが確保される。
図5を参照し、連動軸8は、天板2が使用位置P1にあるとき、側面視で天板回動軸4および幕板回動軸22の各軸線C1,C3同士を結ぶ直線T0よりも什器奥行方向奥側に位置している。この状態から、連動軸8は、天板2とともに回動することで、前記直線T0に近付くように移動する(図6、図7参照)。その後、連動軸8は、前記直線T0上に至り(図8参照)、さらに直線T0を越えて(横断して)什器奥行方向手前側に回動する(図9参照)。
図9を参照し、天板2が跳ね上げ位置P2まで回動しきると、連動軸8は、天板2の跳ね上げ位置P2に対応する第二位置P12に至る。第二位置P12は、天板回動軸4のほぼ真下に離間した位置である。なお、天板2が跳ね上げ位置P2から使用位置P1に向けて回動するときは、連動軸8は、前記直線T0を什器奥行方向手前側から奥側へ越えるように回動する。
図7を参照し、天板2の跳ね上げ時、側面視で連動軸8の軸線C2(軸心)が前記直線T0に至る前に、幕板21の下端が脚柱13の後縁に当接する等によって、下端リンク25bの回動が規制される。この状態からさらに天板2が跳ね上げ方向へ回動すると、連動軸8と幕板回動軸22との間の軸間距離(連動軸8および幕板回動軸22間の前記直線T2の長さ)が変化する。前記軸間距離は、側面視で連動軸8の軸線C2が前記直線T0に至るまでは短縮し、連動軸8の軸線C2が前記直線T0を越えてからは伸長する。この軸間距離の変動は、連動軸8がガイド凹部31内を移動することで吸収される。
幕板21は、天板2の回動に追従してある程度まで什器奥行方向手前側へ回動すると、自重によって什器奥行方向手前側へ回動しようとする。このとき、前記軸間距離の短縮により連動軸8が当接位置31bから下向き(直線T1の延長方向)に離脱する。この離脱方向にある下面部33は下方に傾斜しており、かつガイド凹部31の上下方向の幅は連動軸8の直径よりも大となっているので、連動軸8の前記下向きの離脱が促進される。連動軸8が当接位置31bから前記下向きに離脱する様を図7の部分拡大図に示す。そして、幕板21が自重により什器奥行方向手前側へ回動することによって、ガイド凹部31の上面部32が連動軸8に接した状態になると、連動軸8に対してガイド凹部31の上面部32が摺接しながら、幕板21がガイド凹部31の長さ分だけ什器奥行方向手前側へ回動する。この回動前の幕板21を図7中鎖線で示し、回動後の幕板21を図7中実線で示す。この幕板21の回動によって、幕板21の上端と天板2の下面2bとの間の間隔が広がり、天板2の回動時の身体や物体の挟み込みを防止しやすくなる。
図8は連動軸8の軸線C2が前記直線T0上にある状態(天板回動軸4、幕板回動軸22および連動軸8の三軸が直線状に並んだ状態)を示す。連動軸8が前記直線T0上にあるときの連動軸8の位置を直線上位置P10という。前記軸間距離の短縮時、連動軸8は当接位置31bから什器奥行方向奥側へ離脱する。前記軸間距離の伸長時、連動軸8は什器奥行方向奥側から当接位置31b側に移動する。
図9を参照し、天板2が跳ね上げ位置P2まで回動したとき、連動軸8はガイド凹部31内の当接位置31bに戻る。このとき、連動軸8と端面部34との間にクリアランスを設定することで、連動軸8と端面部34とが突き当たって天板2および幕板21の回動位置に影響することを抑えてもよい。天板2が跳ね上げ位置P2まで回動し、幕板21が格納位置P4まで移動した時点で、天板2の回動をロックして天板跳ね上げ操作が終了する。
なお、仮に、ガイド凹部31の前端部が、上面部32と下面部33とを什器奥行方向手前側に延長して連結した鋭角状に形成されている場合について説明する。この場合、ガイド凹部31は、より什器奥行方向手前側に延びるので、什器奥行方向に広幅となり、それによって連結部6bも什器奥行方向に広幅となる。これに対し、実施形態では、上面部32と下面部33とが円弧状の端面部34によって連結されているので、連結部6bの什器奥行方向の幅が抑えられる。これにより、天板2が跳ね上げ位置P2まで回動したときも、連結部6bが脚柱13よりも什器奥行方向手前側に突出しない程度に、連結部6bの什器奥行方向の幅を設定することができる。このことによって、複数の幕板付き折畳テーブル1同士をネスティングする場合において、連結部6bの什器奥行方向手前側の端部が、什器奥行方向手前側に隣り合う幕板付き折畳テーブル1の天板2に当接することを防止することができる。
前記軸間距離は上下方向を向いているので、当接位置31bから離脱した連動軸8は、前記軸間距離の短縮に応じて下方へ移動する。これに対し、ガイド凹部31の什器奥行方向奥側が上下方向に広がるように形成されているので、当接位置31bから離脱した連動軸8が下方移動しやすい。下方移動した連動軸8に対し、例えばガイド凹部31の下面部33が摺接することで、幕板21の上部の回動が案内される。
ガイド凹部31は、幕板21が垂下位置P3と格納位置P4との間で回動する間、上面部32に沿う長さ方向が水平寄りの角度(例えば水平方向に対する角度が45度未満)となるよう設定されている。このため、仮にガイド凹部31が一定の上下幅で形成されている場合、下方移動した連動軸8が下面部33を下方に向けて押圧する荷重成分が大きくなる。すると、連動軸8と下面部33とが摺動し難くなり、ガイド凹部31が幕板21の回動を案内し難くなる。これに対し、ガイド凹部31が什器奥行方向奥側ほど上下幅が広いテーパ状をなすことで、連動軸8が下面部33に対して傾斜を寝かせて当接することが可能となる。これにより、連動軸8と下面部33との摺動がスムーズになり、幕板21の回動を案内しやすくなる。
また、ガイド凹部31の長さ方向が水平寄りに設定されているので、ガイド凹部31ひいては幕板21の上部が什器奥行方向でスムーズに移動可能である。これにより、例えば幕板21と天板2との間に身体や物体が挟まっても、前記身体や物体に対する挟み込み荷重が軽減される。
また、ガイド凹部31における上面部32は、幕板21が収納位置P4にある状態において、水平となるような角度をなす直線状である(図9参照)。天板2が跳ね上げ位置P2まで回動した状態にある幕板付き折畳テーブル1を床面F上で移動させるとき、例えばキャスタ15が段差を乗り越えようとすると、そのときの衝撃に起因する荷重によって幕板21がぐらつくことがある。このぐらつきは、主として幕板21の幕板回動軸22回りの回動であるが、上面部32が水平をなす直線状であるので、幕板21の幕板回動軸22回りの回動を規制することができる。なお、上面部32は、幕板21が収納位置P4にある状態において、後部(奥行方向奥側)が下方を向くように傾斜していてもよい。
また、例えば幕板21と脚柱13との間に身体や物体が挟まった際には、幕板21の自重による付勢力に抗して下端リンク25bが上方に回動可能である。これにより、幕板21と脚柱13との間に身体や物体が挟まっても、前記身体や物体に対する挟み込み荷重が軽減される。
また、幕板21に外部(奥行方向奥側)から身体や物体が当たった際には、幕板21の自重による位置規制力に抗して幕板21が什器奥行方向手前側に移動する。これにより、幕板21および衝突対象に伝わる衝撃が緩和される。
実施形態では、ガイド凹部31が什器奥行方向に延びて形成され、かつガイド凹部31の什器幅方向奥側が上下方向に広がるように形成されている。これにより、前記軸間距離の伸縮に対応する連動軸8の移動が許容され、連動軸8とガイド凹部31との摺接がスムーズになり、幕板21前後の身体や物体の挟み込みが抑えられ、幕板21に身体や物体が衝突した際の緩衝作用が得られる。
幕板21は、天板2の回動に追従してある程度まで什器奥行方向手前側へ回動すると、重心位置が幕板回動軸22よりも什器奥行方向手前側に移動する。この場合、幕板21に自重による什器奥行方向手前側へのモーメントが生じる。すると、連動軸8に対し、ガイド凹部31から前記モーメントによる荷重が付与される。この荷重は、連動軸8を介して天板2の回動を補助するように作用する。これにより、天板2が跳ね上げ位置P2に近付いたときの天板操作力の軽減が図られる。
連動軸8は、天板2側に固定されて天板2の回動に追従するので、連動軸8と天板2との相対位置の精度は、天板回動時にも一定に確保される。したがって、天板回動時の作動部位間の相対位置精度は、連動軸8を含む天板側ブラケット7とガイド凹部31を含む幕板側ブラケット6との二部位間で特に確保すればよい。このように、連動機構5における作動部位間の相対位置精度の設定を容易にした上で、連動軸8のスムーズな動作と過負荷の防止とを図ることができる。
天板2が跳ね上げ位置P2にあるときも、天板回動機構3がロック状態となり、天板2の回動が規制され、天板2が起立した跳ね上げ位置P2に固定される。このとき、幕板21は、脚柱13と略平行な格納位置P4となり、上部が連動軸8を介して天板2に吊り下げられ、下部が下端リンク25bを介して脚柱13に吊り下げられた状態となる。
図8、図9を参照し、天板2のロックを解除して跳ね上げ位置P2から使用位置P1に向けて回動し始めると、天板回動軸4のほぼ真下の第二位置P12にある連動軸8は、天板2の天板回動軸4中心の回動軌跡に沿って什器奥行方向奥側に移動する。このとき、連動軸8は、直線上位置P10に至るまで、一時的にガイド凹部31内を当接位置31bから什器奥行方向奥側に移動する。連動軸8は、やがて天板回動軸4中心の回動軌跡が上向きになると、ガイド凹部31の上面部32に係合し、ガイド凹部31ひいては幕板21の上部を上方に引き上げる。幕板21は、当初は幕板回動軸22中心で什器奥行方向奥側に回動する。連動軸8は、天板2の回動が進み、連動軸8と幕板回動軸22との間の軸間距離が一旦短縮した後に伸長し始めると、ガイド凹部31で当接位置31bに戻って端面部34に当接する。この状態で天板2がさらに回動すると、前記四節リンク機構26を作動させながら幕板21が上昇し始める。天板2が使用位置P1まで回動し、幕板21が垂下位置P3まで移動した時点で、天板2の回動をロックして天板展開操作が終了する。
以上説明したように、本実施形態の幕板付き折畳テーブル1は、フレーム11における上下方向に延びる脚柱13と、前記脚柱13の上方に配置され、什器幅方向に沿う天板回動軸4を介して前記脚柱13に枢支される天板2と、前記脚柱13よりも什器奥行方向奥側で前記天板2の下方に垂下し、前記天板回動軸4よりも下方で、什器幅方向に沿う幕板回動軸22を介して前記脚柱13に枢支される幕板21と、前記天板2の回動と前記幕板21の回動とを連動させる連動機構5と、備えている。前記天板2は、上面2aを水平にした使用位置P1と、上面2aを起立させた跳ね上げ位置P2と、の間で回動可能である。前記幕板21は、前記連動機構5の作動により、前記天板2が使用位置P1にあるときに前記天板2の什器奥行方向奥側の下方に延びるように配置される垂下位置P3と、前記天板2が跳ね上げ位置P2にあるときに前記垂下位置P3よりも前記脚柱13に近付くように配置される格納位置P4と、の間で回動可能である。前記連動機構5は、前記天板2に固着されて一体回動可能な天板側ブラケット7と、前記幕板21に固着されて一体回動可能な幕板側ブラケット6と、を備えている。前記天板側ブラケット7は、前記天板回動軸4よりも什器奥行方向奥側かつ前記幕板回動軸22よりも上方に、什器幅方向に延びる連動軸8を一体に支持している。前記幕板側ブラケット6は、什器幅方向で前記連動軸8を入り込ませて係合させるガイド凹部31を備えている。什器幅方向から見たとき、前記ガイド凹部31は、前記連動軸8の前記幕板回動軸22中心の回動軌跡と交差するように什器奥行方向に延びる上面部32および下面部33と、前記上面部32および前記下面部33の什器奥行方向手前側の端部同士を結合し、前記天板2が使用位置P1にあるときに前記連動軸8が什器奥行方向奥側から当接可能な端面部34と、を備えている。前記ガイド凹部31は、前記天板2が前記使用位置P1から前記跳ね上げ位置P2へ回動する際に、前記連動軸8が前記端面部34に当接する当接位置31bから前記幕板回動軸22側へ移動可能となるように、什器奥行方向奥側に延びて形成されている。前記ガイド凹部31は、前記当接位置31bよりも什器奥行方向奥側に位置するほど上下方向で幅広に形成されている。
この構成によれば、天板2の回動に幕板21の回動を連動させる幕板付き折畳テーブル1において、使用位置P1にある天板2を跳ね上げ位置P2に向けて回動させると、連動軸8が下方かつ什器奥行方向手前側に回動する。すると、連動軸8がガイド凹部31の什器奥行方向手前側の端面部34に突き当たり、幕板21を什器奥行方向手前側に回動させる。幕板21の回動時に連動軸8が端面部34から離間したとしても、上下面部32,33が連動軸8の幕板回動軸22中心の回動軌跡と交差するように延びるので、連動軸8が上下面部32,33の何れかに接触して幕板21の回動を継続させる。このとき、連動軸8が上下面部32,33の何れかに沿ってガイド凹部31内を移動することで、異なる二軸(天板回動軸4および幕板回動軸22)を中心に回動する天板2および幕板21間の連動機構5における軸間距離の変動が吸収される。これにより、幕板21に什器奥行方向奥側から人や物がぶつかったとしても、幕板21の自重による付勢力に抗して幕板21が上方移動しつつ什器奥行方向手前側に移動することで、緩衝効果を得ることができる。また、ガイド凹部31が什器奥行方向奥側で上下方向に幅広をなすことで、連動軸8に対してガイド凹部31が什器奥行方向手前側に移動する際にも、連動軸8およびガイド凹部31の相互の干渉が抑えられて相対移動がスムーズである。また、天板回動軸4および幕板回動軸22の二軸は上下方向に離間するので、連動機構5における軸間距離の変動は上下方向で大きくなるが、この変動をガイド凹部31の上下幅によっても吸収可能となり、連動機構5の動きをスムーズにすることができる。
本実施形態の幕板付き折畳テーブル1において、前記幕板回動軸22は、上下方向の移動を可能とする移動機構25を介して前記脚柱13に支持され、前記ガイド凹部31は、前記天板2が使用位置P1にあるとき、前記幕板21の自重によって前記連動軸8を前記当接位置31bに案内する。
この場合、幕板21に什器奥行方向奥側から人や物がぶつかったとしても、幕板21の自重による付勢力に抗して幕板21が上方移動しつつ什器奥行方向手前側に移動することで、緩衝効果を得ることができる。幕板回動軸22が上下方向に移動可能であるので、幕板21全体の重量を幕板21の鉛直下方への付勢力として利用し、緩衝効果を効果的に得ることができる。
本実施形態の幕板付き折畳テーブル1において、前記上面部32および下面部33は、前記天板2が使用位置P1にあるとき、什器奥行方向手前側ほど上方に位置するように傾斜している。
この場合、上面部32および下面部33が当接位置31bに向けて上り傾斜となるので、幕板21の自重によって連動軸8を当接位置31bに案内しやすく、天板2の回動し始めからスムーズに幕板21を連動させることができる。
本実施形態の幕板付き折畳テーブル1において、前記端面部34は、前記連動軸8の外周面8aに沿う湾曲状をなしている。
この場合、端面部34は、連動軸8の什器奥行方向手前側への移動を規制するとともに、連動軸8の上下方向の移動も規制して、ガイド凹部31内の当接位置31bを明確に規定することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ガイド凹部31は、幕板側ブラケット6の連結部6bを什器幅方向で貫通する貫通孔の態様をなしているが、これに限らない。ガイド凹部31は、什器幅方向一側が閉じた有底の凹状であってもよい。
図11に示すように、ガイド凹部31は、当接位置31bの上方において上面部32を上方に凹ませることで、連動軸8の上端部を入り込ませることが可能な凹部37を形成してもよい。幕板21が垂下位置P3または収納位置P4にあり、連動軸8が当接位置31bにあるとき、連動軸8は当接位置31bから什器奥行方向奥側へ移動可能である。これに対し、当接位置31bの上方に連結部8の上端部に整合する円弧状の凹部37を形成することで、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、幕板21の自重によって連結軸8が凹部37に嵌まり込み、連動軸8が上面部32に沿って什器奥行方向奥側に移動することが抑制される。これにより、幕板21の自重によって連動軸8を当接位置31bに留まらせる位置規制力が強まるので、幕板21が垂下位置P3にあるときは(図11(a))、幕板21に人や物がぶつかったときの緩衝効果を高めることができる。幕板21が格納位置P4にあるときは(図11(b))、幕板付き折畳テーブル1の移動時にも幕板21のがたつきを抑えることができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 幕板付き折畳テーブル
2 天板
2a 上面
P1 使用位置
P2 跳ね上げ位置
4 天板回動軸
5 連動機構
6 幕板側ブラケット
7 天板側ブラケット
8 連動軸
8a 外周面
11 フレーム
13 脚柱(支持構造体)
21 幕板
P3 垂下位置
P4 格納位置
22 幕板回動軸
25 移動機構
31 ガイド凹部
31a 内周面
31b 当接位置
32 上面部
33 下面部
34 端面部

Claims (4)

  1. 支持構造体と、
    什器幅方向に沿う天板回動軸を介して前記支持構造体に枢支される天板と、
    前記支持構造体よりも什器奥行方向奥側で前記天板の下方に垂下し、前記天板回動軸よりも下方で、前記什器幅方向に沿う幕板回動軸を介して前記支持構造体に枢支される幕板と、
    前記天板の回動と前記幕板の回動とを連動させる連動機構と、備え、
    前記天板は、上面を水平にした使用位置と、上面を起立させた跳ね上げ位置と、の間で回動可能であり、
    前記幕板は、前記連動機構の作動により、前記天板が前記使用位置にあるときに前記天板の前記什器奥行方向奥側の下方に延びるように配置される垂下位置と、前記天板が前記跳ね上げ位置にあるときに前記垂下位置よりも前記支持構造体に近付くように配置される格納位置と、の間で回動可能であり、
    前記連動機構は、前記天板に固着されて前記天板と一体回動可能な天板側ブラケットと、前記幕板に固着されて前記幕板と一体回動可能な幕板側ブラケットと、を備え、
    前記天板側ブラケットは、前記天板回動軸よりも前記什器奥行方向奥側かつ前記幕板回動軸よりも上方に、前記什器幅方向に延びる連動軸を一体に支持し、
    前記幕板側ブラケットは、前記什器幅方向で前記連動軸を入り込ませて係合させるガイド凹部を備え、
    前記什器幅方向から見たとき、前記ガイド凹部は、前記連動軸の前記幕板回動軸中心の回動軌跡と交差するように前記什器奥行方向に延びる上面部および下面部と、前記上面部および前記下面部の前記什器奥行方向手前側の端部同士を結合し、前記天板が前記使用位置にあるときに前記連動軸が前記什器奥行方向奥側から当接可能な端面部と、を備え、
    前記ガイド凹部は、前記天板が前記使用位置から前記跳ね上げ位置へ回動する際に、前記連動軸が前記端面部に当接する当接位置から前記幕板回動軸側へ移動可能となるように、前記什器奥行方向奥側に延びて形成され、
    前記ガイド凹部は、前記当接位置よりも前記什器奥行方向奥側に位置するほど上下方向で幅広に形成されている、幕板付き折畳テーブル。
  2. 前記幕板回動軸は、上下方向の移動を可能とする移動機構を介して前記支持構造体に支持され、
    前記ガイド凹部は、前記天板が前記使用位置にあるとき、前記幕板の自重によって前記連動軸を前記当接位置に案内する、請求項1に記載の幕板付き折畳テーブル。
  3. 前記上面部および前記下面部は、前記天板が前記使用位置にあるとき、前記什器奥行方向手前側ほど上方に位置するように傾斜している、請求項1又は2に記載の幕板付き折畳テーブル。
  4. 前記端面部は、前記連動軸の外周面に沿う湾曲状をなしている、請求項1から3の何れか一項に記載の幕板付き折畳テーブル。
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