以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る排水ますを備えた排水システムについて説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の一実施形態に過ぎず、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。
図1は、本実施形態に係る排水システム100を示す背面図である。図1では、本実施形態に係る排水ます10に、各配管101~103が接続された状態が示されている。図1に示すように、排水システム100は、排水の流路を切り替えることが可能なシステムである。排水システム100は、流入配管101と、第1流出配管102と、第2流出配管103と、排水ます10とを備えている。排水ます10は、排水の流路を切り替えることが可能なますである。例えば図1に示すように、排水ます10は、少なくとも一部が上下に延びた流入配管101、第1流出配管102および第2流出配管103に接続されている。排水ます10は、流入配管101と第1流出配管102との間、および、流入配管101と第2流出配管103との間に配置されている。
第1流出配管102および第2流出配管103は、それぞれ流入配管101よりも下流側に配置されている。流入配管101の上流端部は、トイレや台所など汚水を含む排水が排出される排水設備(図示せず)に接続されている。第1流出配管102の下流端部には、下水本管(図示せず)が接続されており、第2流出配管103の下流端部には、排水が貯留される貯留槽(図示せず)が接続されている。
流入配管101は、第1流出配管102および第2流出配管103よりも上方に配置されている。配管101~103の少なくとも一部は上下に延びている。排水ます10は、いわゆる縦配管の部材に接続されるものである。排水ます10によって排水の流路を切り替えることで、流入配管101から第1流出配管102、または、流入配管101から第2流出配管103に排水を流すことができる。
このような配管101~103に排水ます10が接続される場合、排水ます10は、例えば後述する点検口45が開口する方向が斜め上向きの方向になるような向きで配置されている。ここで、「点検口45が開口する方向が斜め上向きの方向」とは、点検口45の開口軸(言い換えると、排水ます10の後述の点検筒部22の中心軸)が鉛直方向から傾いた状態で配置されている状態のことをいう。「点検口45が開口する方向が斜め上向きの方向」とは、鉛直方向に延びた軸と点検口45の開口軸とが成す角度は、0度よりも大きく、かつ、90度よりも小さいことをいう。この鉛直方向に延びた軸と点検口45の開口軸とが成す角度は、0度よりも大きく、かつ、90度よりも小さければ、その具体的な数値は特に限定されず、例えば30度から60度であればよく、より具体的には例えば45度である。本実施形態では、排水ます10は、後述の流入口40の上端が第1流出口41の上端よりも上方に配置されるような向きで配置されている。ただし、排水ます10の向きは特に限定されない。
本実施形態では、排水ます10は、地中に埋設されたものであってもよいし、建物内に配置されるものであってもよい。排水ます10は、例えば建物のピット内に配置されている。例えば排水ます10が建物内に配置されている場合、この排水ます10は、立った作業者の目線の高さ、または目線よりも高い位置に配置されている。言い換えると、排水ます10は、建物内の1つの部屋内の空間の上部であって、天井近くに配置されていてもよい。
以下、排水ます10について詳しく説明する。以下では、排水ます10の点検口45が上方に向かって開口している向きに配置されている排水ます10について説明する。ここでは、点検口45が開口している方を上方と称する。なお、この排水ます10の配置および向きは便宜的に定めたものに過ぎず、限定的に解釈されるものではない。
図2は、本実施形態に係る排水ます10の斜視図である。図3は、排水ます10の平面図である。図4は、図3のVI-VI線に沿った排水ます10の断面図である。図5は、図3のV-V線に沿った排水ます10の断面図である。図6は、ます本体20の平面図である。図2~図5に示すように、排水ます10は、ます本体20と、流路切替部材50と、カバー54とを備えている。
ます本体20は、本体の一例である。ます本体20の構成は特に限定されない。本実施形態では、図2に示すように、ます本体20は、本体筒部21と、点検筒部22と、流入筒部23と、第1流出筒部24と、第2流出筒部25とを備えている。なお、以下の説明では、ます本体20の中心C1(図3参照)に近づく側を内側と称し、ます本体20の中心C1から遠ざかる側を外側と称する。
本体筒部21は、上下に延びた筒状の部材である。本体筒部21の構成は特に限定されない。ここでは、図4に示すように、本体筒部21は、底壁部31と、底壁部31から起立した側壁部32(図5参照)と、側壁部32の上部に設けられたフランジ33と、側壁部32の上部に設けられた傾斜面34とを有している。側壁部32は筒状の形状を有している。
フランジ33は、側壁部32の内周面から内側に延びている。本実施形態では、図6に示すように、2つのフランジ33が側壁部32の上部に設けられており、2つのフランジ33は対向している。2つのフランジ33は、平面視において、ます本体20の中心C1を挟んで互いに向かい合っている。
図4に示すように、傾斜面34は、側壁部32の内周面の上部に形成されており、上方に向かうに従って、ます本体20の外側に向かって斜めに延びている。本実施形態では、図6に示すように、側壁部32の内周面の上部に2つの傾斜面34が設けられており、2つの傾斜面34は、2つのフランジ33を挟むようにして対向している。平面視において、2つの傾斜面34の間に、2つのフランジ33が対向するように配置されている。2つの傾斜面34は、平面視において、ます本体20の中心C1を挟んで互いに向かい合っている。図4に示すように、傾斜面34は、フランジ33よりも点検筒部22側に配置されている。
図6に示すように、2つの傾斜面34のそれぞれには、係合部35が設けられている。この係合部35は、傾斜面34の内側の端部の中央部分に設けられている。この係合部35には、溝35aが形成されている。2つの傾斜面34にそれぞれ設けられた係合部35は、対向しており、平面視において、ます本体20の中心C1を挟んで向かい合っている。
本実施形態では、図4に示すように、本体筒部21には、流入口40、第1流出口41および第2流出口42が形成されている。なお、本体筒部21に対する流入口40、第1流出口41および第2流出口42の形成位置は特に限定されない。ここでは、流入口40および第1流出口41は、側壁部32に形成されており、側方に向かって開口している。流入口40と第1流出口41は、互いに対向しており、平面視において、ます本体20の中心C1を挟んで互いに向かい合っている。流入口40および第1流出口41は、それぞれフランジ33の下方に設けられている。
図6に示すように、第2流出口42は、底壁部31に形成されている。詳しくは、第2流出口42は、底壁部31の中央部分に形成されている。第2流出口42は、下方に向かって開口している。平面視において、第2流出口42は、流入口40と第1流出口41との間に設けられている。
図5に示すように、点検筒部22は、筒状のものであり、本体筒部21の上方において上下に延びている。点検筒部22は、本体筒部21の上端に接続されている。点検筒部22は上方に開口しており、点検筒部22の上記開口が点検口45を構成している。排水ます10は、点検口45を閉鎖する蓋105(図1参照)を備えている。蓋105は点検口45に着脱可能に嵌め込まれる。本実施形態では、図6に示すように、平面視において点検筒部22の内周(言い換えると点検口45)よりも内側に、フランジ33、傾斜面34および第2流出口42が配置されている。本実施形態では、点検筒部22は、本体筒部21と単一の部材であるが、本体筒部21とは別部材であり、本体筒部21に組み付けられるものであってもよい。
図4に示すように、流入筒部23および第1流出筒部24は、それぞれ側方に延びている。流入筒部23は、本体筒部21の側壁部32の外周面から外側に向かって延びており、流入口40と繋がっている。流入筒部23には、流入配管101(図1参照)の下流端が接続される。第1流出筒部24は、本体筒部21の側壁部32の外周面から外側に向かって延びており、第1流出口41と繋がっている。図6に示すように、第1流出筒部24と流入筒部23とは、平面視において、ます本体20の中心C1を挟んで互いに向かい合っている。第1流出筒部24と流入筒部23とは、一直線状に配置されている。第1流出筒部24には、第1流出配管102(図1参照)の上流端が接続される。
第2流出筒部25は、流出筒部の一例である。図4に示すように、第2流出筒部25は上下に延びている。第2流出筒部25は、本体筒部21の底壁部31から下方に向かって延びている。第2流出筒部25には、第2流出口42が繋がっている。本実施形態では、第2流出筒部25の上部の内周面には、内側に向かって延びたフランジ25aが形成されている。フランジ25aの上方には、第2流出筒部25の内周面の上端を含む一部が配置されている。言い換えると、フランジ25aは、第2流出筒部25の上端には形成されていない。第2流出筒部25には、第2流出配管103(図1参照)の上流端が接続される。
本実施形態では、流入筒部23、第1流出筒部24および第2流出筒部25は、本体筒部21と単一の部材である。しかしながら、流入筒部23、第1流出筒部24および第2流出筒部25は、本体筒部21とは別体であり、本体筒部21に組み付けられてもよい。
次に、流路切替部材50について説明する。流路切替部材50は、排水ます10を流れる排水の流路を切り替えるための部材である。流路切替部材50は、ます本体20の本体筒部21の内部に着脱可能に配置される。
図7および図8は、それぞれ流路切替部材50の斜視図である。図9は、流路切替部材50の平面図である。図10は、図9のX-X線に沿った流路切替部材50の断面図である。図11は、流路切替部材50の底面図である。図7に示すように、流路切替部材50は、切替本体51と、第1流出嵌合筒部52と、第2流出嵌合筒部53と、カバー54と、延伸部55と、閉鎖部材80とを備えている。
切替本体51は、水平に延びた半管形状であり、下方に凹んだ部材である。ここで、半管形状とは、管を長手方向で分割したときの一方の部材の形状のことをいう。図10に示すように、切替本体51には、切替流入口60、第1切替流出口61および第2切替流出口62が形成されている。切替流入口60および第1切替流出口61は、側方に開口している。切替流入口60と第1切替流出口61は、対向している。図4に示すように、流路切替部材50が本体筒部21の内部に配置されたとき、切替流入口60は本体筒部21の流入口40と繋がり、第1切替流出口61は本体筒部21の第1流出口41と繋がることが可能である。言い換えると、流路切替部材50が本体筒部21の内部に配置されたとき、切替流入口60は流入口40と連通し、第1切替流出口61は第1流出口41と連通可能である。
図10に示すように、第2切替流出口62は、下方に開口しており、図11に示すように、切替本体51の底部に形成されている。平面視において、第2切替流出口62は、切替流入口60と第1切替流出口61との間に位置している。図4に示すように、流路切替部材50が本体筒部21の内部に配置されたとき、第2切替流出口62は、本体筒部21の第2流出口42と繋がることが可能であり、第2流出口42と連通可能である。
切替本体51の上面、言い換えると、流路切替部材50を本体筒部21内に配置したときにおける切替本体51の点検筒部22側の部位には、溝状のインバート56が形成されている。図10に示すように、インバート56は、切替流入口60と第1切替流出口61と第2切替流出口62とを相互に繋ぐものである。ここでは、インバート56の一端(言い換えると上流端)には、切替流入口60が形成され、インバート56の他端(言い換えると下流端)には、第1切替流出口61が形成されている。ここで、「繋ぐ」とは、排水が流れる状態のことをいう。本実施形態では、インバート56の中央部分に第2切替流出口62が形成されている。そのため、切替流入口60と第2切替流出口62との間のインバート56の部位によって、切替流入口60と第2切替流出口62とが繋がり、第2切替流出口62と第1切替流出口61との間のインバート56の部位によって、第2切替流出口62と第1切替流出口61とが繋がる。第2切替流出口62が閉鎖部材80によって閉鎖されているとき、切替流入口60と第1切替流出口61とは、インバート56によって繋がっている。本実施形態では、平面視においてインバート56は直線状であるが、一部が曲がっていてもよい。図1に示すように、点検口45が斜め上向きに開口するように排水ます10が配置されているとき、インバート56は、切替流入口60の下端が第1切替流出口61の下端よりも上方に位置するように斜めに配置される。
第1流出嵌合筒部52は、側方に開口した筒状のものであり、切替本体51に設けられている。ここでは、第1流出嵌合筒部52は、第1切替流出口61と繋がっており、第1切替流出口61と連通している。第1流出嵌合筒部52は、インバート56と連続しており、インバート56と共に排水が流れる部位になり得る。ここでは、第1流出嵌合筒部52の内径は、インバート56の内径よりも大きい。そのため、第1流出嵌合筒部52とインバート56との間には、第1内周段差部57が形成されている。
第2流出嵌合筒部53は、下方に開口した筒状のものであり、切替本体51に設けられている。ここでは、図8に示すように、第2流出嵌合筒部53は、切替本体51から下方に向かって延びており、第2切替流出口62と繋がっている。図10に示すように、第2流出嵌合筒部53の下部の内径は、第2流出嵌合筒部53の上部の内径よりも大きい。そのため、第2流出嵌合筒部53の内周面には、第2内周段差部58が形成されている。また、本実施形態では、第2流出嵌合筒部53の外周面には、リング状のシール部材53aが設けられている。このシール部材53aの材質は特に限定されないが、例えばゴム製である。
図4に示すように、カバー54は、本体筒部21の内部に配置される。図7に示すように、カバー54は、切替本体51に形成されたインバート56の少なくとも一部を覆うものである。ここでは、カバー54は、インバート56の全体を覆っている。カバー54は、インバート56の上方に配置されており、切替本体51と連続している。カバー54は、切替本体51に接続されている。また、カバー54は、第1流出嵌合筒部52とも連続している。なお、カバー54の形状は特に限定されない。
ここでは、カバー54は、インバート56と反対側、すなわち上方に凹んだ半管形状である。このカバー54におけるインバート56と反対側に凹んだ面が、曲面54aである。ここでは、図5に示すように、カバー54とインバート56とを併せた形状は、筒形状であり、例えば円筒形状である。カバー54は、インバート56の上方において、切替流入口60から第1切替流出口61に向かって直線状に延びている。本実施形態では、カバー54と、切替本体51と、第1流出嵌合筒部52によって、円筒状を形成している。流路切替部材50が本体筒部21の内部に配置されたとき、カバー54は、インバート56と点検口45との間に配置される。
なお、本実施形態では、図3に示すように、カバー54の上面、流入口40側のフランジ33の上面、流入筒部23の上面には、それぞれ流入目印59a、59b、59cが付されている。流入目印59a、59b、59cは、流入口40の位置を知らせる目印であり、流入目印59a、59b、59cは、流入口40の位置を示すものである。例えば流入目印59a、59b、59cは、流入口40からインバート56に向かって指し示す矢印である。
なお、カバー54の材質は特に限定されない。本実施形態では、カバー54の少なくとも一部は、透明な部材によって形成されている。ここで、「透明」とは、点検口45を通じてカバー54を目視したとき、カバー54を通じて、インバート56およびインバート56内の排水を目視できる程の透過性を有していればよい。本実施形態では、「透明」には、半透明も含まれるものとする。カバー54は、例えばアクリルによって形成されている。なお、このように透明な材料によって形成されるカバー54の部位は、カバー54全体でなくてもよく、例えば点検口45を通じて目視し易い部位、例えばカバー54の中央部分のみであってもよい。
図7に示すように、延伸部55は、切替本体51から上方に延びた板状のものである。延伸部55は、切替本体51のインバート56を挟んだ両端からそれぞれ上方に延びている。そのため、延伸部55は、平面視においてインバート56を挟んで2つ設けられている。
本実施形態では、2つの延伸部55のそれぞれの上端には、上方に突出した突出部65が設けられている。2つの突出部65には、それぞれ挿入口66が形成されている。この2つの挿入口66は互いに向き合っている。
本実施形態では、流路切替部材50の切替本体51、第1流出嵌合筒部52、第2流出嵌合筒部53、カバー54および延伸部55は、単一の部材である。しかしながら、切替本体51と、第1流出嵌合筒部52と、第2流出嵌合筒部53と、カバー54と、延伸部55とは別体であり、互いに組み付けられるものであってもよい。
本実施形態では、2つの突出部65には、取っ手67が架け渡されている。取っ手67は、第1軸68aと第2軸68bと把持部69とを有している。第1軸68aは、一方の挿入口66に挿入され、一方の挿入口66に挿入された状態で回転可能である。第2軸68bは、他方の挿入口66に挿入され、他方の挿入口66に挿入された状態で回転可能である。把持部69は、第1軸68aと第2軸68bとの間に配置され、第1軸68aおよび第2軸68bに接続されている。
本実施形態では、図3に示すように、流路切替部材50がます本体20の本体筒部21内に配置されているとき、取っ手67の第1軸68aおよび第2軸68bは、傾斜面34に設けられた係合部35の溝35aに嵌まった状態である。このように、取っ手67の第1軸68aおよび第2軸68bが溝35aに嵌まっているときには、流路切替部材50は、本体筒部21内の適切な位置に配置されていることとなる。そのため、作業者は、取っ手67の第1軸68aおよび第2軸68bの位置を目視で確認することで、流路切替部材50が適切な位置に配置されているか否かを確認することができる。
次に、閉鎖部材80について説明する。図12は、閉鎖部材80が第1切替流出口61を閉鎖している状態を示す図であり、図4相当図である。図13および図14は、閉鎖部材80の斜視図である。図15は、図13のXV-XV線に沿った閉鎖部材80の断面図である。
図4および図12に示すように、閉鎖部材80は、流路切替部材50の第1切替流出口61および第2切替流出口62の何れかを閉鎖可能なものである。図12に示すように、閉鎖部材80が第1切替流出口61を閉鎖しているとき、第1流出口41も閉鎖されるため、流入口40から第1流出口41に排水が流れなくなる。図4に示すように、閉鎖部材80が第2切替流出口62を閉鎖しているとき、第2流出口42も閉鎖されるため、流入口40から第2流出口42に排水が流れなくなる。
なお、閉鎖部材80の構成は特に限定されない。本実施形態では、図13~図15に示すように、閉鎖部材80は、嵌合部81と、曲面部85と、取っ手87と、シール部材89とを備えている。嵌合部81は、例えば筒状の部材であり、図4および図12に示すように、流路切替部材50の第1流出嵌合筒部52および第2流出嵌合筒部53の何れかに選択的に嵌まり込むことが可能である。本実施形態では、第1流出嵌合筒部52の内径と、第2流出嵌合筒部53の内径とは同じである。嵌合部81は、第1流出嵌合筒部52と合致する形状であり、第2流出嵌合筒部53と合致する形状である。ここでは、図12に示すように、嵌合部81が第1流出嵌合筒部52に嵌まり込むことで、第1切替流出口61が閉鎖される。同様に、図4に示すように、嵌合部81が第2流出嵌合筒部53に嵌まり込むことで、第2切替流出口62が閉鎖される。
図15に示すように、嵌合部81の外周面には、外周段差部91が形成されている。本実施形態では、嵌合部81には、外径が異なる少なくとも2つの部位が存在する。ここでは、嵌合部81のうち曲面部85側の部位の外径が小さく、曲面部85と反対側の部位の外径が大きい。嵌合部81の外周面のうち外径が異なる境目の部分に外周段差部91が設けられている。この外周段差部91は、位置合わせの役割を担っている。図12に示すように、例えば嵌合部81が第1流出嵌合筒部52に嵌まり込んでいるとき、外周段差部91には、第1流出嵌合筒部52の内周面に形成された第1内周段差部57が当接する。そのため、嵌合部81は、更に奥に嵌まり込まなくなっており、第1流出嵌合筒部52に対する閉鎖部材80の位置が決定される。同様に、図4に示すように、嵌合部81が第2流出嵌合筒部53に嵌まり込んでいるとき、外周段差部91には、第2流出嵌合筒部53の内周面に形成された第2内周段差部58が当接する。そのため、嵌合部81は、更に奥に嵌まり込まなくなっており、第2流出嵌合筒部53に対する閉鎖部材80の位置が決定される。
本実施形態では、図14に示すように、嵌合部81の外周面には、当該外周面から外側に突出した突起92が形成されている。突起92の形状および数は特に限定されない。本実施形態では、突起92は直方体形状である。図示は省略するが、突起92の数は例えば2つである。2つの突起92は、嵌合部81を挟んで対向している。
図8に示すように、第1流出嵌合筒部52の端部(ここではインバート56と反対側の端部)には、1つの突起92が嵌る第1凹部93aが設けられている。第1凹部93aは、突起92に対応するように2つ設けられており、これら2つの第1凹部93aは対向している。本実施形態では、嵌合部81が第1流出嵌合筒部52に嵌め込まれたとき、第1凹部93aに閉鎖部材80の突起92が嵌る。このことで、第1流出嵌合筒部52に対する嵌合部81の回転が規制される。なお、このとき、インバート56と曲面部85の後述の曲面86とは面一となる。
第2流出嵌合筒部53の端部(ここでは、下端部)には、1つの突起92が嵌る第2凹部93bが設けられている。第2凹部93bは、第1凹部93aと同様に2つ設けられており、互いが対向している。本実施形態では、嵌合部81が第2流出嵌合筒部53に嵌め込まれたとき、第2凹部93bに閉鎖部材80の突起92が嵌る。このことで、第2流出嵌合筒部53に対する嵌合部81の回転が規制される。なお、このとき、インバート56と曲面部85の後述の曲面86とは面一となる。このように、第1凹部93aおよび第2凹部93aは、インバート56に対する曲面部85の位置を規定する機能を有している。
図13に示すように、曲面部85は、嵌合部81に設けられている。詳しくは、嵌合部81のうち第1流出嵌合筒部52(または第2流出嵌合筒部53)に嵌め込まれる側に、曲面部85は設けられている。曲面部85は、嵌合部81側に向かって凹んだ曲面86を有している。図15に示すように、曲面86の断面形状はU字状である。
図12に示すように、例えば嵌合部81が第1流出嵌合筒部52に嵌まり込んだとき、曲面部85は、第1切替流出口61を塞ぐと共に、インバート56の一部を形成する。ここでは、曲面部85は、第2切替流出口62の周囲の一部(ここでは、当該周囲のうち第1流出嵌合筒部52側の周囲)から上方に延びている。このとき、曲面部85の曲面86は、平面視において第2切替流出口62の周に沿っている。嵌合部81が第1流出嵌合筒部52に嵌まり込まれたとき、曲面86はインバート56と面一となる。ここで、「面一」には、曲面86とインバート56とが完全に同じ高さである場合の他に、多少の段差が形成されているものも含まれるものとする。図4に示すように、例えば嵌合部81が第2流出嵌合筒部53に嵌まり込んだとき、曲面部85は、第2切替流出口62を塞ぐと共に、インバート56の一部を形成している。このとき、曲面部85の曲面86は、インバート56に沿っている。このとき、曲面86上を排水が流れることが可能である。嵌合部81が第2流出嵌合筒部53に嵌まり込まれたとき、曲面86はインバート56と面一となる。
本実施形態では、図14に示すように、取っ手87は、嵌合部81の内周面を架け渡すように嵌合部81に設けられている。ここでは、取っ手87は、嵌合部81の第1流出嵌合筒部52(または第2流出嵌合筒部53)に嵌め込まれる側と反対側の部位に設けられている。取っ手87の形状は特に限定されないが、例えば平らな棒形状である。
本実施形態では、嵌合部81、曲面部85および取っ手87は、複数の部材で形成され、それらの複数の部材が組み付けられることで、閉鎖部材80が形成されている。しかしながら、嵌合部81、曲面部85および取っ手87は、単一の部材で形成されていてもよい。
図15に示すように、シール部材89は、嵌合部81の外周面に設けられている。シール部材89の材質は特に限定されない。例えばシール部材89はゴム製である。
本実施形態では、流路切替部材50の形態を、所定の第1の形態と、第1の形態と異なる第2の形態との間で変更することで、排水の流路を切り替えることができる。ここで、流路切替部材50の「形態」とは、流路切替部材50の向きや位置のことである。流路切替部材50の「形態」が異なるとは、ます本体20に対する流路切替部材50(例えば切替本体51および閉鎖部材80など)の配置位置が異なる場合や、切替本体51に対する閉鎖部材80の配置位置が異なる場合のことをいう。
図4に示すように、流路切替部材50が第1の形態のとき、インバート56は、切替流入口60と第1切替流出口61とを繋ぎ、流入口40と第1流出口41とが繋がる。具体的には、第1の形態は、第2切替流出口62を閉鎖部材80で閉鎖した流路切替部材50の形態である。第1の形態のとき、第2流出嵌合筒部53に閉鎖部材80の嵌合部81が嵌め込まれている。第1の形態では、閉鎖部材80の曲面部85がインバート56の一部として機能するため、インバート56および曲面部85を介して、切替流入口60から第1切替流出口61に向かって排水が流れる。
図12に示すように、流路切替部材50が第2の形態のとき、インバート56は、切替流入口60と第2切替流出口62とを繋ぎ、流入口40と第2流出口42とが繋がる。具体的には、第2の形態は、第1切替流出口61を閉鎖部材80で閉鎖した流路切替部材50の形態である。第2の形態のとき、第1流出嵌合筒部52に閉鎖部材80の嵌合部81が嵌め込まれている。第2の形態では、インバート56の途中部分に第2切替流出口62が開口している状態となるため、流入口40から流入した排水は、第1流出口41に到達することなく、第2流出口42へ流れる。
以上、本実施形態に係る排水ます10の構成について説明した。次に、排水ます10の使用例について説明する。以下の説明において、閉鎖部材80によって第2切替流出口62を閉鎖し、流入配管101(図1参照)から第1流出配管102(図1参照)に向かって排水を流す状態(図4参照)を第1の状態という。一方、閉鎖部材80によって第1切替流出口61を閉鎖し、流入配管101から第2流出配管103(図1参照)に向かって排水を流す状態(図12参照)を第2の状態という。
図4に示すように、流入配管101から第1流出配管102に向かって排水を流す第1の状態では、閉鎖部材80によって流路切替部材50の第2切替流出口62が閉鎖される。具体的には、まず流路切替部材50がます本体20から取り外された状態で、閉鎖部材80の嵌合部81を第2流出嵌合筒部53に嵌め込む。この嵌め込みを行っているとき、嵌合部81の外周段差部91が、第2流出嵌合筒部53の第2内周段差部58に当接し、第2流出嵌合筒部53に対する嵌合部81の位置合わせを行う。このとき、図16に示すように、閉鎖部材80の突起92と、第2流出嵌合筒部53の第2凹部93bとを嵌め合わせる。このことで、第2流出嵌合筒部53に対する閉鎖部材80の回転が規制され、インバート56と曲面部85とを面一になるように閉鎖部材80を配置することができる。
第1の状態では、閉鎖部材80の嵌合部81が第2流出嵌合筒部53に嵌め込まれた状態の流路切替部材50を、点検口45を通じて、ます本体20の本体筒部21内に配置する。このとき、図4に示すように、閉鎖部材80の曲面部85は、インバート56に沿って配置される。このことで、曲面部85は、インバート56の一部として機能する。第2流出嵌合筒部53および閉鎖部材80は、ます本体20の第2流出筒部25に嵌め込まれ、第2流出嵌合筒部53の下端、および、嵌合部81の下端は、第2流出筒部25の内周面に形成されたフランジ25aに当接する。このことで、流路切替部材50の下方への移動が規制され、流路切替部材50が本体筒部21内の適切な位置に配置された状態となる。
流路切替部材50が本体筒部21内の適切な位置に配置されているとき、流路切替部材50の切替流入口60は流入口40と連通した状態となり、第1切替流出口61は第1流出口41と連通した状態となる。流路切替部材50のカバー54は、本体筒部21のフランジ33と連なった状態となる。
第1の状態では、流入配管101内の排水は、排水ます10の流入口40および切替流入口60を通じて、流路切替部材50のインバート56に流入する。インバート56内の排水は、第1切替流出口62に向かって流れ、このとき、閉鎖部材80の曲面部85の曲面86上を通過する。そして、インバート56内の排水は、第1切替流出口61および第1流出口41を通じて第1流出配管102に流れる。
流入配管101から第2流出配管103に向かって排水を流す第2の状態では、閉鎖部材80によって流路切替部材50の第1切替流出口61が閉鎖される。具体的には、まず流路切替部材50がます本体20から取り外された状態で、閉鎖部材80の嵌合部81を第1流出嵌合筒部52に嵌め込む。このとき、嵌合部81の外周段差部91が、第1流出嵌合筒部52の第1内周段差部57に当接し、第1流出嵌合筒部52に嵌合部81が適切に嵌め込まれた状態となる。このとき、閉鎖部材80の突起92と、第1流出嵌合筒部52の第1凹部93aとが嵌まった状態となる。このことで、第1流出嵌合筒部52に対する閉鎖部材80の回転が規制され、インバート56と曲面部85とが面一になるように閉鎖部材80を配置することができる。
第2の状態では、閉鎖部材80の嵌合部81が第1流出嵌合筒部52に嵌め込まれた状態の流路切替部材50を、点検口45を通じて、ます本体20の本体筒部21内に配置する。このとき、図12に示すように、閉鎖部材80の曲面部85は、第1切替流出口61から内側に向かって延びた状態となる。曲面部85の曲面86は、第2切替流出口62の第1切替流出口61側の周囲から上方に延びた状態となる。曲面部85は、インバート56の内部に配置される。このとき、第2流出嵌合筒部53は、ます本体20の第2流出筒部25に嵌め込まれ、第2流出嵌合筒部53の下端は、第2流出筒部25の内周面に形成されたフランジ25aに当接する。このことで、流路切替部材50の下方への移動が規制され、流路切替部材50が本体筒部21内の適切な位置に配置された状態となる。
流路切替部材50が本体筒部21内の適切な位置に配置されているとき、流路切替部材50の切替流入口60は流入口40と連通した状態となり、第2切替流出口62は第2流出口42と連通した状態となる。流路切替部材50のカバー54は、本体筒部21のフランジ33と連なった状態となる。閉鎖部材80は、第1流出筒部24と、流路切替部材50のインバート56との間に配置される。
第2の状態では、流入配管101内の排水は、排水ます10の流入口40および切替流入口60を通じて、流路切替部材50のインバート56に流入する。インバート56内の排水は、閉鎖部材80の曲面部85にぶつかり、第2切替流出口62および第2流出口42を通じて第2流出配管103に向かって流れる。
以上、本実施形態では、流路切替部材50は、本体筒部21の内部に着脱可能であって、所定の第1の形態(図4参照)のときに流入口40と第1流出口41とを繋ぎ、第1の形態とは異なる第2の形態(図12参照)のときに流入口40と第2流出口42とを繋ぐインバート56が形成された切替本体51を有する。図4に示すように、流路切替部材50の形態を第1の形態にしたとき、流入口40から第1流出口41、すなわち流入配管101から第1流出配管102に向かって排水を流すことができる。図12に示すように、流路切替部材50の形態を第2の形態にしたとき、流入口40から第2流出口42、すなわち流入配管101から第2流出配管103に向かって排水を流すことができる。第1の形態であっても第2の形態であっても、インバート56上の排水が勢いよく流れることがあり得る。本実施形態では、インバート56は、カバー54によって覆われているため、インバート56上の排水が勢いよく流れた場合であっても、排水がインバート56から外へ飛散することを抑制することができる。
本実施形態では、排水ます10は、例えば立った状態の作業者の目線ほどの高さ、またはそれ以上の高さの位置に配置されることがあり得る。この場合、点検口45が上方を向くように排水ます10が配置されていると、作業者が点検口45からます本体20内を覗き込み難く、点検口45を通じて流路切替部材50をます本体20内に着脱するする作業がし難い。また、例えば作業者における流路切替部材に関する操作の作業性を良くするために、点検口が水平方向に向くように排水ますを配置することが考えられるが、この場合、点検口から排水が外部へ流れるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、排水ます10は、図1に示すように、点検口45が開口する方向が斜め上向きの方向になるような向きで配置されているため、作業者は点検口45からます本体20内を相対的に覗き込み易く、点検口45を通じて流路切替部材50をます本体20内に着脱する作業が相対的にし易い。本実施形態では、点検口が水平方向に向くように排水ますが配置されている場合と比較して、点検口45から排水が流出し難い。また、本体筒部21内に配置された流路切替部材50は、傾斜して配置されているため、インバート56から排水が飛散する可能性が高くなる。しかしながら、本実施形態では、インバート56はカバー54に覆われているため、インバート56から外へ飛散することを抑制できる。そのため、インバート56を覆うカバー54は、排水ます10が斜め向きに配置される場合に特に有用である。
本実施形態では、排水ます10は、流入口40の下端が第1流出口41の下端よりも上方に配置されるような向きで配置されている。カバー54は、インバート56の第1切替流出口61側の端部を少なくとも覆うように構成されている。ここでは、カバー54は、インバート56の全体を覆っている。本実施形態では、切替流入口60の下端が第1切替流出口61の下端よりも上方に配置されるような向きでインバート56が配置されているため、インバート56の第1切替流出口61側の端部を流れる排水が飛散し易い。ここでは、カバー54は、インバート56の第1切替流出口61側の端部を少なくとも覆うように構成されているため、インバート56のうち排水が飛散し易い部分をカバー54で覆うことができる。よって、インバート56から外へ排水が飛散し難くすることができる。
本実施形態では、カバー54は、切替本体51に接続されている。このことによって、排水の流路を切り替える際に流路切替部材50を移動させるとき、切替本体51と共にカバー54を移動させることができる。よって、カバー54を流路切替部材50と別々に移動させる場合と比較して、作業者の手間を省くことができる。
本実施形態では、図7に示すように、カバー54とインバート56とを併せた形状は、筒形状である。このことによって、インバート56が上下に延びたような向きで排水ます10を使用した場合、カバー54は、インバート56と共に筒形状の管となる。よって、インバート56とカバー54との間から排水が漏れることなく、インバート56とカバー54とによって形成された管内に、排水が円滑に流れる。したがって、インバート56が上下に延びたような向きで排水ます10を使用することができる。
本実施形態では、カバー54は、インバート56と反対側に凹んだ曲面54aを有している。このことによって、インバート56を流れる排水が飛散して、カバー54に付着したとき、カバー54に付着した排水は、カバー54の曲面54aに沿って流れ易い。よって、カバー54に付着した排水が留まり難い。
本実施形態では、カバー54の少なくとも一部は、透明な部材によって形成されている。このことによって、作業者は、点検口45を通じてカバー54の透明の部位からインバート56を流れる排水の様子を観察することができる。
本実施形態では、流路切替部材50は、第1切替流出口61および第2切替流出口62の何れかを閉鎖可能な閉鎖部材80を有する。図4に示すように、第1の形態は、第2切替流出口62を閉鎖部材80で閉鎖した流路切替部材50の形態である。このことによって、流入口40からインバート56に流入した排水を、第2切替流出口62から第2流出口42に流すことなく、第1切替流出口61から第1流出口41に流すことができる。図12に示すように、第2の形態は、第1切替流出口61を閉鎖部材80で閉鎖した流路切替部材50の形態である。このことによって、流入口40からインバート56に流入した排水を、第1切替流出口61から第1流出口41に流すことなく、第2切替流出口62から第2流出口42に流すことができる。
本実施形態では、図1に示すように、排水ます10は、点検口45を閉鎖する蓋105を備えている。このように、点検口45が蓋105によって閉鎖されることで、インバート56は、カバー54と共に蓋105によって覆われた状態となる。よって、インバート56上の排水が勢いよく流れた場合であっても、その排水がます本体20の外へ飛散することをより抑制することができる。
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限らず、他にも種々の形態にて実施することができる。次に、他の実施形態の例について簡単に説明する。以下の説明では、前記実施形態と同様の要素には同様の符号を付し、それらの説明は省略する。
上記実施形態では、カバー54は、切替本体51に接続されており、カバー54と切替本体51とは一体であった。しかしながら、カバー54は、切替本体51と別体であってもよい。この場合、カバー54は、インバート56の上方において、ます本体20の本体筒部21に取り付けられるものであってもよい。
上記実施形態では、図1に示すように、点検口45が斜め上向きに開口するように、排水ます10は配置されていた。しかしながら、排水ます10の配置向きなどは特に限定されない。例えば図17の他の実施形態に示すように、排水ます10は、点検口45が上方に向かって開口するように配置されていてもよい。この場合、流入口40および第1流出口41は側方に向かって開口し、第2流出口42は、下方に向かって開口している。
図示は省略するが、排水ます10は、点検口45が側方に向かって開口するように配置されていてもよい。この場合、例えば流入口40は上方に向かって開口し、第1流出口41は下方に向かって開口し、第2流出口42は側方に向かって開口している。
上記実施形態では、排水ます10は、建物内に配置されるものであり、いわゆるシャフト内に配置されるものである。しかしながら、排水ます10は、建物のピット内に配置されるものであってもよい。また、排水ます10は、地上に配置されていなくてもよく、例えば地中に埋設されていてもよい。
上記実施形態では、カバー54は、インバート56の全体を覆っていた。しかしながら、カバー54は、インバート56の全体を覆っていなくてもよく、例えばインバート56のうち第1切替流出口61側の端部を覆い、かつ、切替流入口60側の端部を覆わないように構成されていてもよい。ここで、インバート56の第1切替流出口61側の端部とは、例えばインバート56を排水が流れる方向で3分割したときの最も第1切替流出口61側に位置する部位のことをいう。
上記実施形態では、第2流出口42は、流入口40および第1流出口41の開口方向とは異なり、下方に向かって開口していた。しかしながら、第2流出口42は、流入口40および第1流出口41の開口方向と同様に、側方に向かって開口していてもよい。
この場合、ます本体20に対する第1流出口41の位置と、第2流出口42の位置とは、平面視において線対称の位置関係であってもよい。この場合、流路切替部材50の切替本体51は、ます本体20に対して回動可能であってもよい。例えば切替本体51が第1の回転位置のとき、切替本体51に形成されたインバート56は、流入口40と第1流出口41とを繋ぐように構成されると共に、切替本体51の側部が第2流出口42を閉鎖するように構成されている。例えば切替本体51が第1の回転位置とは異なる第2の回転位置のとき、インバート56は、流入口40と第2流出口42とを繋ぐように構成されると共に、切替本体51の側部が第1流出口41を閉鎖するように構成されている。これらの場合、本発明の第1の形態は、ます本体20に対する切替本体51の回転位置が第1の回転位置のときの流路切替部材50の形態となる。本発明の第2の形態は、ます本体20に対する切替本体51の回転位置が第2の回転位置のときの流路切替部材50の形態となる。