以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置を備えた浴槽システムを模式的に表す平面図である。
図1に表したように、浴槽システム500は、例えば、浴槽100と、浴槽洗浄装置200と、を備える。
浴槽100は、例えば、浴室の床に設置される。浴槽100は、例えば、略直方体の箱状であり、上方に向かって開放されている。浴槽100は、例えば、上面視において、長辺と短辺とを有する横長形状である。浴槽100は、内壁面110と、上面130と、を有する。内壁面110は、浴槽100の内側の面である。上面130は、内壁面110の上端から外方に拡がる面である。
内壁面110は、内壁面110の最下部に位置する内底面111と、内底面111よりも上方に位置する内側壁面112と、を有する。内側壁面112は、例えば、上面視において浴槽100の短辺側の第1内側壁面112a及び第2内側壁面112bと、上面視において浴槽100の長辺側の第3内側壁面112c及び第4内側壁面112dと、を有する。第1内側壁面112aは、例えば、第2内側壁面112bと対向する。第3内側壁面112cは、例えば、第4内側壁面112dと対向する。第3内側壁面112cは、例えば、浴室の洗い場床側に位置する。
内底面111には、浴槽100内の液体を下方に向かって排出する排水口115が設けられる。排水口115は、例えば、上面視において浴槽100の長辺の略中央に設けられる。排水口115は、例えば、上面視において浴槽100の短辺の中央よりも浴室の洗い場床側(すなわち、第3内側壁面112c側)に位置する。換言すれば、例えば、第3内側壁面112cと排水口115との間の水平方向の距離は、第4内側壁面112dと排水口115との間の水平方向の距離よりも短い。
この例では、浴槽100の上面130に洗剤投入口135が設けられている。洗剤投入口135は、例えば、浴槽100の内壁面110または第3内側壁面112cよりも洗い場床側に位置するバスエプロンに設けられてもよい。洗剤投入口135は、浴槽洗浄装置200(後述のタンク)と接続される。
また、この例では、浴槽100は、ステップ140を有する。ステップ140は、浴槽100の内部(すなわち、内壁面110よりも内側)において、内底面111よりも上、かつ、上面130よりも下に設けられた段差である。ステップ140は、短辺側の内側壁面112の一方(この例では、第1内側壁面112a)から内側に向かって延びるステップ上面141と、ステップ上面141の内側の端部から内底面111に向かって延びるステップ側面142と、を有する。ステップ上面141及びステップ側面142の一端は、第3内側壁面112cと接続される。ステップ上面141及びステップ側面142の他端は、第4内側壁面112dと接続される。ステップ140は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
浴槽洗浄装置200は、浴槽100に設けられる。より具体的には、浴槽洗浄装置200の一部(例えば、後述のノズル)は、浴槽100の内壁面110に設けられる。浴槽洗浄装置200の別の一部(例えば、後述のノズル以外の各部)は、浴槽100と浴室の側壁面との間の空間及び浴槽100の下方の空間に設けられる。
図2は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置を模式的に表す説明図である。
図3は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置を模式的に表すブロック図である。
図2及び図3に表したように、浴槽洗浄装置200は、タンク10と、洗剤混合部20と、ノズル30と、噴出制御部40と、駆動部50と、制御部60と、を備える。
タンク10は、洗剤投入口135と接続されており、洗剤投入口135から投入された洗剤を貯留する。タンク10には、例えば、フロートスイッチなどの水位検知部11が設けられる。
洗剤混合部20は、タンク10及び給水源WSの下流に設けられる。洗剤混合部20は、タンク10から供給される洗剤と給水源WSから供給される水とを混合して洗剤水を生成する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。つまり、給水源WSは、例えば、給湯器を有していてもよい。
洗剤混合部20は、例えば、洗剤水を貯留するタンクである。洗剤混合部20は、例えば、ノズル30から洗剤水を噴出する際には洗剤水を貯留し、ノズル30から水を噴出する際には水を貯留する。洗剤混合部20には、例えば、フロートスイッチなどの水位検知部21が設けられる。なお、洗剤混合部20は、これに限定されず、例えば、ベンチュリ管などであってもよい。
タンク10と洗剤混合部20との間には、洗剤流路15が設けられる。洗剤流路15は、タンク10と洗剤混合部20とを接続する。洗剤流路15には、例えば、開閉弁16と、流量調整部17と、ポンプ18と、が設けられる。
開閉弁16は、例えば、電磁弁である。開閉弁16は、洗剤混合部20への洗剤の供給を制御する。開閉弁16を開状態にすることで、タンク10に貯留された洗剤が洗剤混合部20に供給される。開閉弁16を閉状態にすることで、タンク10から洗剤混合部20への洗剤の供給が停止される。
流量調整部17は、例えば、開閉弁16の下流に設けられる。流量調整部17は、例えば、オリフィスである。流量調整部17は、洗剤流路15を流れる洗剤の流量を調整する。流量調整部17は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
ポンプ18は、例えば、開閉弁16及び流量調整部17の下流に設けられる。ポンプ18は、洗剤流路15内の洗剤を洗剤混合部20に送液する。
給水源WSと洗剤混合部20との間には、給水流路25が設けられる。給水流路25は、給水源WSと洗剤混合部20とを接続する。給水流路25には、例えば、開閉弁26と、流量調整部27と、が設けられる。
開閉弁26は、例えば、電磁弁である。開閉弁26は、洗剤混合部20への水の供給を制御する。開閉弁26を開状態にすることで、給水源WSからの水が洗剤混合部20に供給される。開閉弁26を閉状態にすることで、給水源WSから洗剤混合部20への水の供給が停止される。
流量調整部27は、例えば、開閉弁26の下流に設けられる。流量調整部27は、例えば、定流量弁である。流量調整部27は、給水流路25を流れる水の流量を調整する。
ノズル30は、浴槽100の内底面111に設けられる。ノズル30は、例えば、上面視において浴槽100の長辺の略中央に設けられる。ノズル30は、例えば、上面視において浴槽100の短辺の略中央に設けられる。
ノズル30は、噴出口31を有する。噴出口31は、液体(洗剤水または水)を浴槽100の内側壁面112の一部に向けて噴出する。ノズル30は、鉛直方向を軸に(すなわち、水平方向に)回転可能に設けられる。
ノズル30は、例えば、洗剤水の噴出を開始する位置において、噴出口31がノズル30から排水口115に向かう第1方向D1以外の方向を向くように設けられる。
このような向きでノズル30を設けることで、ノズル30の回転を開始する前に噴出口31から噴出される洗剤水がそのまま排水口115に排出されてしまうことを抑制できる。換言すれば、ノズル30の回転を開始する前に噴出口31から噴出される洗剤水を浴槽100の内底面111を通って排水口115から排出させることができる。これにより、洗剤水がかからない部分が生じることを抑制するためにノズル30の回転を開始する前に噴出口31から洗剤水を噴出する構成であっても、排水口115に流れるまでの経路を延ばすことで、浴槽100の内底面111などの洗浄に有効に活用することができ、洗剤水の無駄を抑制することができる。
この例では、排水口115は、ノズル30から第3内側壁面112cに向かう方向に設けられている。したがって、この例では、ノズル30は、洗剤水の噴出を開始する位置において、噴出口31が第1内側壁面112a、第2内側壁面112b、または第4内側壁面112dを向くように設けられることが好ましい。また、この例では、第1内側壁面112a側にステップ140が設けられている。したがって、この例では、ノズル30は、洗剤水の噴出を開始する位置において、噴出口31が第1内側壁面112aを向くように設けられることがより好ましい。
噴出口31から安定して吐水されるときの液体の水平方向の吐水角度θ1(図1参照)は、例えば、噴出口31から安定して吐水されるときの液体の鉛直方向の吐水角度θ2(図2参照)よりも小さい。換言すれば、例えば、ノズル30(噴出口31)は、液体を縦長状に噴出する。このように、液体を縦長状に噴出することで、限られた量の液体をより効率良く浴槽100の内側壁面112全体に散布することができる。
水平方向の吐水角度θ1は、噴出口31から安定して吐水されるときの液体の吐水形状をノズル30の上方に設けたカメラで所定時間(例えば、1秒間)撮影し、撮影した映像から所定時間内における液体の水平方向の吐水角度φ1を求め、この吐水角度φ1と所定時間内に回転したノズル30の水平方向の回転角度φ2との差から求めることができる(θ1=φ1-φ2)。
鉛直方向の吐水角度θ2は、噴出口31から安定して吐水されるときの液体の吐水形状をノズル30の側方に設けたカメラで撮影し、撮影した画像における鉛直方向の吐水角度から求めることができる。
水平方向の吐水角度θ1は、5度以上30度以下であることが好ましい。鉛直方向の吐水角度θ2は、例えば、30度以上180度以下であることが好ましい。なお、水を噴出する場合の鉛直方向の吐水角度θ2は、洗剤水を噴出する場合の鉛直方向の吐水角度θ2よりも大きいことが好ましい。
洗剤混合部20とノズル30との間には、洗浄流路35が設けられる。洗浄流路35は、洗剤混合部20とノズル30とを接続する。洗浄流路35には、例えば、噴出制御部40と、逆流防止部36と、が設けられる。
噴出制御部40は、噴出口31からの液体の噴出を制御する。噴出制御部40は、洗剤混合部20の下流に設けられる。噴出制御部40は、例えば、ポンプである。噴出制御部40は、例えば、電磁弁などの開閉弁であってもよい。噴出制御部40は、例えば、噴出口31からの液体の噴出瞬間流量を制御する。
逆流防止部36は、例えば、噴出制御部40の下流に設けられる。逆流防止部36は、ノズル30から洗剤混合部20への洗剤水や水、排水などの逆流を抑制する。逆流防止部36は、例えば、逆止弁である。逆流防止部36は、電磁弁などの開閉弁であってもよい。逆流防止部36は、例えば、複数設けられてもよい。
駆動部50は、ノズル30を駆動させる。駆動部50は、例えば、鉛直方向を軸にノズル30を回転させる回転部51を有する。回転部51は、ステッピングモータである。
制御部60は、噴出制御部40及び駆動部50(例えば、回転部51)と電気的に接続されており、噴出制御部40及び駆動部50を制御する。より具体的には、制御部60は、噴出制御部40を制御して、噴出口31からの液体の噴出の開始及び停止のタイミングや、噴出量を制御する。また、制御部60は、駆動部50を制御して、ノズル30の駆動の開始及び停止のタイミングや、駆動速度を制御する。より具体的には、制御部60は、回転部51を制御して、ノズル30の回転の開始及び停止のタイミングや、回転速度を制御する。
また、制御部60は、例えば、洗剤流路15の開閉弁16及び給水流路25の開閉弁26を制御する。制御部60は、例えば、洗剤混合部20の水位検知部21の検知結果に基づいて、開閉弁16及び開閉弁26を制御することで、洗剤混合部20において生成する洗剤水の濃度や量、水の量などを制御する。
図4(a)及び図4(b)は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置のノズル周辺を模式的に表す断面図である。
図5は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置のノズル周辺を模式的に表す分解斜視図である。 図4(a)は、ノズル30(噴出口31)から液体が噴出されていない状態(待機状態)を表している。
図4(b)は、ノズル30(噴出口31)から液体が噴出されている状態(噴出状態)を表している。
図4(a)、図4(b)、及び図5に表したように、浴槽洗浄装置200は、シャフト部70と、リング75と、ケーシング80と、シール部材90と、シャフトカバー95と、をさらに備える。
シャフト部70は、ノズル30と回転部51との間に設けられる。シャフト部70は、例えば、略円柱形である。シャフト部70は、例えば、回転部51と接続される基部71と、基部71から上方に延び、ノズル30と接続される上延部72と、を有する。シャフト部70は、回転部51(ステッピングモータ)のトルクをノズル30に伝達する。例えば、回転部51が時計回りに回転すると、シャフト部70及びノズル30は、時計回りに回転する。例えば、回転部51が反時計回りに回転すると、シャフト部70及びノズル30は、反時計回りに回転する。シャフト部70の回転軸は、例えば、回転部51の回転軸と同軸である。シャフト部70は、ノズル30と一体に設けられていてもよい。
リング75は、シャフト部70の一部(上延部72)が上下方向に貫通する孔を有する。リング75は、鉛直方向を軸に回転可能に設けられる。リング75は、例えば、略円筒形である。リング75は、例えば、シャフト部70の一部(基部71)の上に設けられる。リング75は、例えば、シャフトカバー95の下に設けられる。リング75は、シャフト部70の回転に連動して回転可能である。リング75の回転については、後述する。リング75は、シャフト部70の回転軸と同軸で回転可能なものであればよく、完全な環状のものに限定されない。リング75は、環状の構造の一部が切り欠かれたものであってもよい。
ケーシング80は、中空であり、内部の空間にノズル30、回転部51、シャフト部70、リング75、シール部材90、及びシャフトカバー95を収納する。この例では、ケーシング80は、第1の空間81と、第2の空間82と、を有している。第1の空間81は、浴槽100の内部側に位置し、第2の空間82は、浴槽100の外部側に位置する。ノズル30、シャフト部70、リング75、シール部材90、及びシャフトカバー95は、第1の空間81に収納されており、回転部51は、第2の空間82に収納されている。ケーシング80は、第1の空間81と、第2の空間82と、に分かれていなくてもよい。
この例では、ケーシング80は、本体部801と、上蓋部802と、底蓋部803と、を有する。上蓋部802は、本体部801の上部に設けられる。底蓋部803は、本体部801の下部に設けられる。第1の空間81及び第2の空間82は、上蓋部802と底蓋部803との間の空間である。
また、この例では、ケーシング80は、内部の空間において、シャフト部70を回転可能な状態で収納するシャフト収納部84を有する。シャフト収納部84は、例えば、略円筒形である。シャフト収納部84は、第1の空間81と第2の空間82とを接続する。また、シャフト収納部84は、シャフト部70の下方向の移動を規制するシャフト規制部841を有する。シャフト規制部841は、例えば、シャフト収納部84の内壁面から半径方向の内側に向かって突出する。
シール部材90は、ノズル30とケーシング80との間の隙間を塞ぐ。シール部材90は、例えば、パッキンである。この例では、シール部材90は、ノズル30に取り付けられている。このように、シール部材90をノズル30に取り付けることで、組立性や形状の自由度を向上させることができる。シール部材90は、例えば、ケーシング80に取り付けられていてもよい。
シャフトカバー95は、シャフト部70の一部(基部71)及びリング75を覆うように設けられる。シャフトカバー95は、シャフト部70及びリング75の上方向の移動を規制する。これにより、水圧がかかった場合にも、シャフト部70やリング75が浮き上がることを抑制できる。シャフトカバー95は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
実施形態において、ノズル30、回転部51、シャフト部70、ケーシング80、シール部材90、及びシャフトカバー95は、ケーシング80にノズル30、回転部51、シャフト部70、シール部材90、及びシャフトカバー95が収納されたノズルユニット180として設けられていてもよい。ノズルユニット180は、浴槽100の内底面111に設けられたノズルユニット保持部185に対して着脱自在に取り付けられる。このような構造とすることで、ノズル30、回転部51、シャフト部70、ケーシング80、シール部材90、及びシャフトカバー95のメンテナンス性を向上させることができる。
図4(a)に表したように、待機状態において、ノズル30は浴槽100の内部から後退した第1位置にある。一方、図4(b)に表したように、噴出状態において、ノズル30は浴槽100の内部に進出した第2位置にある。このように、ノズル30は、第1位置と第2位置との間で進出及び後退(進退)し、第2位置に進出した状態で内側壁面112に向けて液体を噴出する。実施形態において、ノズル30は、浴槽100の内底面111に設けられる。つまり、第2位置は、第1位置よりも高い位置である。換言すれば、ノズル30は、第1位置と第2位置との間で上下に移動する。以下、浴槽100の内部側を上方、浴槽100の外部側を下方として説明する。
駆動部50は、ノズル30を進退させる進退部(昇降部)52をさらに有する。この例では、進退部52は、ケーシング80の内部に設けられた貯留空間83及びノズル30を下方に付勢するバネ85である。貯留空間83は、ケーシング80の内部において、ノズル30の下方に設けられ、液体を貯めることができる空間である。洗浄流路35から供給される液体は、この貯留空間83を経由してノズル30に供給される。貯留空間83は、例えば、第1の空間81の一部である。
ノズル30(噴出口31)から液体を噴出させる際に、洗浄流路35から貯留空間83に液体が供給されて貯留空間83内部の圧力が大きくなると、貯留空間83からノズル30に対して上方へ押し上げる力が働く。この上方への力がバネ85による下方への力よりも大きくなると、ノズル30は、第1位置から第2位置に向かって上昇(進出)する。一方で、液体により貯留空間83内部の圧力が大きくなると、噴出口31から液体が噴出される。このとき、噴出口31からの液体の噴出は、ノズル30が第2位置に到達する前に開始される。洗浄流路35からの液体の供給が停止すると、噴出口31からの液体の噴出が停止する。貯留空間83の液体が減少して、ノズル30を押し上げる上方への力がバネ85による下方への力よりも小さくなると、ノズル30は、第2位置から第1位置に向かって下降(後退)する。
このような進退部52を用いることで、モータなどの駆動機構を設けなくても、ノズル30の進退を行うことができる。したがって、ノズル30周辺を小型化できるとともに、ノズル30周辺のメンテナンス性を向上させることができる。
なお、進退部52は、これに限定されず、ノズル30を進退させるモータやソレノイドなどのアクチュエータであってもよい。進退部52がアクチュエータの場合、進退部52は、例えば、制御部60と電気的に接続され、制御部60により制御される。また、進退部52は、例えば、シャフト部70を上昇及び下降させることでノズル30を上昇及び下降させる昇降部であってもよい。このような昇降部については、後述する。
図6は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置のシャフト部周辺を表す斜視図である。
図6に表したように、シャフト部70は、シャフト本体70aと、第1突出部221と、を有する。シャフト本体70aは、例えば、上記の基部71と上延部72とを有する。第1突出部221は、シャフト本体70a(例えば、基部71または上延部72)の表面から上方、下方、または半径方向の外側に向けて突出する。第1突出部221は、例えば、シャフト本体70aの表面から突出する棒状の部材である。この例では、第1突出部221は、シャフト本体70a(上延部72)の外周面から半径方向の外側に向けて突出している。なお、第1突出部221は、例えば、シャフト本体70a(上延部72)の外周面から半径方向の外側に向けて突出したあと上方に延びていてもよいし、シャフト本体70a(基部71)の上面から上方に向けて突出していてもよい。第1突出部221の変形例については、後述する。
リング75は、リング本体75aと、第1規制部231と、第2突出部222と、を有する。第1規制部231は、リング本体75aに設けられ、第1突出部221のリング本体75aに対する回転方向の移動を規制する。この例では、第1規制部231は、リング本体75aの一部に設けられ、半径方向の内側が開放された溝である。第1規制部231は、例えば、半径方向の内側から外側に向かって貫通していてもよいし、溝の上方部や下方部が開放された切り欠きなどであってもよい。第1規制部231の変形例については、後述する。第1規制部231は、第1突出部221のリング本体75aに対する時計回りの回転移動を規制する第1端部231aと、第1突出部221のリング本体75aに対する反時計回りの回転移動を規制する第2端部231bと、を有する。
第2突出部222は、リング本体75aの表面から上方、下方、または半径方向の外側に向けて突出する。第2突出部222は、例えば、リング本体75aの表面から突出する棒状の部材である。この例では、第2突出部222は、リング本体75aの外周面から半径方向の外側に向けて突出している。また、第2突出部222は、リング本体75aの外周面からシャフト本体70aの外周面よりも半径方向の外側に突出している。換言すれば、第2突出部222のリング本体75aと反対側の端部は、シャフト本体70aの外周面よりも半径方向の外側に位置する。なお、第2突出部222は、例えば、リング本体75aの外周面から半径方向の外側に向けて突出したあと上方や下方に延びていてもよいし、リング本体75aの上面から上方に向けて突出していてもよい。第2突出部222の変形例については、後述する。
ケーシング80は、第2規制部232を有する。第2規制部232は、シャフト収納部84に設けられ、第2突出部222の回転方向の移動を規制する。この例では、第2規制部232は、ケーシング80のシャフト収納部84の上部に設けられ、上方に向かって延びる立面部である。第2規制部232は、例えば、溝などであってもよい。第2規制部232の変形例については、後述する。第2規制部232は、第2突出部222の時計回りの回転移動を規制する第1端部232aと、第2突出部222の反時計回りの回転移動を規制する第2端部232bと、を有する。
第1規制部231の第1端部231aと第2端部231bとの間の角度xは、例えば、105度以上160度以下程度である。角度xは、シャフト部70がリング75と連動せずに回転する角度である。第2規制部232の第1端部232aと第2端部232bとの間の角度yは、例えば、270度以上315度以下程度である。角度yは、リング75がシャフト部70と連動して回転する角度である。角度xと角度yとの合計が、ノズル30の回転可能範囲の角度である。角度xと角度yとの合計(ノズル30の回転可能範囲)は、360度よりも大きく390度以下が好ましく、さらに好ましくは、375度程度である。
図7(a)~図7(e)は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置においてノズルを時計回りに回転させる際のシャフト部周辺の動きを表す平面図である。
図7(a)は、ノズル30が第1回転位置にある状態を示しており、図7(e)は、ノズル30が第2回転位置にある状態を示している。
なお、図7(a)~図7(e)において、破線の矢印は、ノズル30の噴出口31の向きを示している。
図7(a)に表したように、ノズル30が第1回転位置にあるとき、第1突出部221は、第1規制部231の第2端部231bに当接し、第2突出部222は、第2規制部232の第2端部232bに当接する。
回転部51(ステッピングモータ)が時計回りに回転を開始すると、図7(b)に表したように、シャフト部70に設けられた第1突出部221は、シャフト本体70aとともにシャフト本体70aを軸に回転する。第1突出部221は、第1規制部231の第1端部231aに向かって移動する。例えば、第1突出部221が回転しているとき、第1突出部221は、リング75に当接しない。したがって、例えば、第1突出部221が回転しているとき、リング75は回転しない。
図7(c)に表したように、第1突出部221が第1規制部231の第1端部231aに当接する位置まで移動すると、第1規制部231の第1端部231aにより第1突出部221の回転方向の移動が規制される。
第1突出部221が第1規制部231の第1端部231aに当接すると、図7(d)に表したように、シャフト部70の回転がリング75に伝達され、シャフト部70とともにリング75が回転し始める。リング75が回転することで、リング75に設けられた第2突出部222は、シャフト本体70aを軸に回転する。第2突出部222は、第2規制部232の第1端部232aに向かって移動する。このように、リング75は、第1突出部221及び第1規制部231により、シャフト部70と連動して回転する。
図7(e)に表したように、第2突出部222が第2規制部232の第1端部232aに当接する位置まで移動すると、第2規制部232の第1端部232aにより第2突出部222の回転方向の移動が規制される。このように、ノズル30が第2回転位置にあるとき、第1突出部221は、第1規制部231の第1端部231aに当接し、第2突出部222は、第2規制部232の第1端部232aに当接する。
第1突出部221及び第2突出部222の移動が規制されると、シャフト部70の回転は停止する。この状態で、回転部51が回転を続けようとすると、回転部51は脱調する。制御部60は、例えば、回転部51が脱調する際の電流の変化により、ノズル30が第2回転位置にあることを検知することができる。制御部60は、例えば、ノズル30が第2回転位置にあることを検知すると、回転部51の回転を停止させる。
図8(a)~図8(e)は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置においてノズルを反時計回りに回転させる際のシャフト部周辺の動きを表す平面図である。
図8(a)は、ノズル30が第2回転位置にある状態を示しており、図8(b)は、ノズル30が第1回転位置にある状態を示している。
なお、図8(a)~図8(e)において、破線の矢印は、ノズル30の噴出口31の向きを示している。
図8(a)に表したように、ノズル30が第2回転位置にあるとき、第1突出部221は、第1規制部231の第1端部231aに当接し、第2突出部222は、第2規制部232の第1端部232aに当接する。
回転部51(ステッピングモータ)が反時計回りに回転を開始すると、図8(b)に表したように、シャフト部70に設けられた第1突出部221は、シャフト本体70aとともにシャフト本体70aを軸に回転する。第1突出部221は、第1規制部231の第2端部231bに向かって移動する。例えば、第1突出部221が回転しているとき、第1突出部221は、リング75に当接しない。したがって、例えば、第1突出部221が回転しているとき、リング75は回転しない。
図8(c)に表したように、第1突出部221が第1規制部231の第2端部231bに当接する位置まで移動すると、第1規制部231の第2端部231bにより第1突出部221の回転方向の移動が規制される。
第1突出部221が第1規制部231の第2端部231bに当接すると、図8(d)に表したように、シャフト部70の回転がリング75に伝達され、シャフト部70とともにリング75が回転し始める。リング75が回転することで、リング75に設けられた第2突出部222は、シャフト本体70aを軸に回転する。第2突出部222は、第2規制部232の第2端部232bに向かって移動する。このように、リング75は、第1突出部221及び第1規制部231により、シャフト部70と連動して回転する。
図8(e)に表したように、第2突出部222が第2規制部232の第2端部232bに当接する位置まで移動すると、第2規制部232の第2端部232bにより第2突出部222の回転方向の移動が規制される。このように、ノズル30が第1回転位置にあるとき、第1突出部221は、第1規制部231の第2端部231bに当接し、第2突出部222は、第2規制部232の第2端部232bに当接する。
第1突出部221及び第2突出部222の移動が規制されると、シャフト部70の回転は停止する。この状態で、回転部51が回転を続けようとすると、回転部51は脱調する。制御部60は、例えば、回転部51が脱調する際の電流の変化により、ノズル30が第1回転位置にあることを検知することができる。制御部60は、例えば、ノズル30が第1回転位置にあることを検知すると、回転部51の回転を停止させる。
このように、実施形態によれば、ノズル30は、回転部51(ステッピングモータ)の回転軸のみにより、第1回転位置と第2回転位置との間で回転可能である。また、実施形態によれば、ステッピングモータの回転軸と連結する別の軸やホールIC、磁石などを設けずとも、ノズル30の回転位置を把握しつつ、ステッピングモータの回転軸によりノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。これにより、外観の意匠性を損なうことなく、噴出開始直後の不安定な吐水のままノズル30が回転し始めたとしても、噴出開始直後に噴出された領域にもう一度洗剤水を噴出させることができるとともに、浴槽100の形状に合わせた洗剤水の散布が可能となり、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることを抑制することができる。
また、このように、第1突出部221、第2突出部222、第1規制部231、及び第2規制部232によってノズル30の回転を停止させることで、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転位置を把握しつつ、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。これにより、ステッピングモータを用いつつノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができるとともに、外観の意匠性を低下させずにノズル30の回転を特定の位置で停止させることができる。したがって、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることをより抑制することができる。
また、上記のように、リング本体75aの外周面からシャフト本体70aの外周面よりも半径方向の外側に突出した第2突出部222を設けることで、よりシンプルな構成で、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。
以下、第1突出部221、第2突出部222、第1規制部231、及び第2規制部232の変形例の一例について、図面を参照しながら説明する。
図9は、第1実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置のシャフト部周辺を表す斜視図である。
図9に表したように、この例では、シャフト部70に設けられた第1突出部221は、シャフト本体70a(基部71)の上面から上方に向かって突出している。また、リング75に設けられた第1規制部231は、下方が開放された溝である。
また、この例では、リング75に設けられた第2突出部222は、リング本体75aの外周面から半径方向の外側に向けて突出したあと上方に延びている。また、ケーシング80のシャフト収納部84に設けられた第2規制部232は、ケーシング80のシャフト収納部84の上部に設けられ、半径方向の内側に向かって延びる平面部である。
図10は、第1実施形態の変形例をに係る浴槽洗浄装置のシャフト部周辺表す斜視図である。
図10に表したように、この例では、シャフト部70(シャフト本体70a)は、蓋部73をさらに有する。蓋部73は、基部71及び上延部72とは、別体である。蓋部73は、上延部72が上下方向に貫通する孔を有し、基部71及び上延部72の回転に連動して回転する。蓋部73は、リング75(リング本体75a)の上に設けられている。換言すれば、リング75は、基部71と蓋部73との間に設けられている。第1突出部221は、蓋部73の下面から下方に向かって突出している。また、リング75に設けられた第1規制部231は、上方が開放された溝である。
また、この例では、リング75に設けられた第2突出部222は、リング本体75aの外周面から半径方向の外側に向かって突出し、さらにケーシング80のシャフト収納部84の上から下方に突出している。また、ケーシング80のシャフト収納部84に設けられた第2規制部232は、ケーシング80のシャフト収納部84の上部に設けられ、上方が開放された溝である。
蓋部73は、基部71及び上延部72の少なくともいずれかと一体であってもよい。リング本体75aに切り欠き部が設けられ、この切り欠き部において蓋部73と基部71とが接続されることで、蓋部73と基部71とを一体に構成することができる。
図9及び図10に示した変形例においても、図6に示した例と同様に、第1規制部231は、第1突出部221のリング本体75aに対する時計回りの回転移動を規制する第1端部231aと、第1突出部221のリング本体75aに対する反時計回りの回転移動を規制する第2端部231bと、を有する。また、図9及び図10に示した変形例においても、図6に示した例と同様に、第2規制部232は、第2突出部222の時計回りの回転移動を規制する第1端部232aと、第2突出部222の反時計回りの回転移動を規制する第2端部232bと、を有する。
また、図9及び図10に示した変形例においても、回転部51が回転すると、図7(a)~図7(e)及び図8(a)~図8(e)について説明したのと同様の動作により、シャフト部70及びリング75が回転し、所定の角度回転すると第1突出部221、第2突出部222、第1規制部231、及び第2規制部232により回転が停止する。これにより、制御部60は、ノズル30が第1回転位置及び第2回転位置に到達したことを検知できる。
以下、別の機構によりノズル30の回転を停止させる変形例について、図面を参照しながら説明する。
図11(a)及び図11(b)は、第1実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置のノズル周辺を模式的に表す断面図である。
図11(a)は、ノズル30が第1位置にある状態を表している。
図11(b)は、ノズル30が第2位置にある状態を表している。
図11(a)及び図11(b)に表したように、この例では、進退部(昇降部)52は、シャフト部70を上昇及び下降させることで、ノズル30を上昇及び下降させる。また、昇降部52は、シャフト部70を回転させることで、シャフト部70を上昇及び下降させる。
より具体的には、この例では、ケーシング80のシャフト収納部84の内側及びシャフト部70の基部71に、ネジ構造が設けられている。このようなネジ構造により、シャフト部70の回転方向の運動を上下方向の運動に変換することができる。換言すれば、シャフト部70を回転させることで、シャフト部70を上昇及び下降させることができる。また、回転部51とシャフト部70の基部71との接続部分には、セレーションが設けられている。これにより、回転部51との接続を維持したまま、シャフト部70を上昇及び下降させることができる。
シャフト部70が上昇すると、ノズル30は、シャフト部70に押されて上昇する。シャフト部70が下降すると、ノズル30は、バネ85により下方に付勢され、下降する。このように、この例では、ケーシング80のシャフト収納部84の内側及びシャフト部70の基部71に設けられたネジ構造、回転部51とシャフト部70の基部71との接続部分に設けられたセレーション、回転部51、及びノズル30を下方に付勢するバネ85が、昇降部52として機能する。
また、この例では、浴槽洗浄装置200は、下方規制部241と、上方規制部242と、をさらに備える。下方規制部241は、シャフト部70の下方に設けられ、シャフト部70の下方向の移動を規制する。この例では、下方規制部241は、回転部51(ステッピングモータ)の上面である。上方規制部242は、ノズル30の上方に設けられ、ノズル30の上方向の移動を規制する。この例では、上方規制部242は、ケーシング80(上蓋部802)の一部である。
上記のように、ノズル30は、回転しながら上昇及び下降する。図11(a)に表したように、ノズル30は、第1回転位置において、浴槽100の内部から後退(下降)した第1位置にある。一方、図11(b)に表したように、ノズル30は、第2回転位置において、浴槽100の内部に進出した第2位置にある。
ノズル30が第1回転位置(第1位置)にあるとき、シャフト部70は下方規制部241に当接する。下方規制部241は、シャフト部70の下方向の移動を規制することで、ノズル30の下方向の移動を規制する。下方規制部241によりシャフト部70の下方向の移動が規制されると、シャフト部70の回転は停止する。この状態で、回転部51が回転を続けようとすると、回転部51は脱調する。制御部60は、例えば、回転部51が脱調する際の電流の変化により、ノズル30が第2回転位置にあることを検知することができる。制御部60は、例えば、ノズル30が第1回転位置にあることを検知すると、回転部51の回転を停止させる。
ノズル30が第2回転位置(第2位置)にあるとき、ノズル30は上方規制部242に当接する。上方規制部242は、ノズル30の上方向の移動を規制することで、シャフト部70の上方向の移動を規制する。シャフト部70の上方向の移動が規制されると、シャフト部70の回転は停止する。この状態で、回転部51が回転を続けようとすると、回転部51は脱調する。制御部60は、例えば、回転部51が脱調する際の電流の変化により、ノズル30が第2回転位置にあることを検知することができる。制御部60は、例えば、ノズル30が第2回転位置にあることを検知すると、回転部51の回転を停止させる。
このように、下方規制部241及び上方規制部242によってノズル30の回転を停止させることで、水平方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転位置を把握しつつ、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。これにより、ステッピングモータを用いつつノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができるとともに、外観の意匠性を低下させずにノズル30の回転を特定の位置で停止させることができる。したがって、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることをより抑制することができる。
図12は、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置の動作を表すフローチャートである。
図12に表したように、制御部60は、本洗浄モードと、すすぎモードとを実行可能である。
本洗浄モードは、ノズル30(噴出口31)から第1濃度の洗剤水を噴出させるモードである。本洗浄モードを実行することで、浴槽100の内壁面110に付着した皮脂や角質などの汚れを剥がれやすくすることができる。また、本洗浄モードにより、浴槽100の内壁面110に付着した皮脂や角質などの汚れや髪の毛などの付着物の一部を洗い落とすこともできる。なお、第1濃度は、界面活性剤の濃度換算で1体積%以上30体積%以下であることが好ましい。
すすぎモードは、ノズル30(噴出口31)から水を噴出させるモードである。すすぎモードは、本洗浄モードよりも後に実行される。本洗浄モードよりも後にすすぎモードを実行することで、本洗浄モードで散布した洗剤水、及び、洗剤水によって剥がれた皮脂や角質などの汚れを洗い落とすことができる。また、すすぎモードにより、浴槽100の内壁面110に付着した髪の毛などの付着物を洗い落とすことができる。
また、制御部60は、前洗浄モードをさらに実行可能である。前洗浄モードは、ノズル30(噴出口31)から水または第1濃度よりも低い第2濃度の洗剤水を噴出させるモードである。前洗浄モードは、本洗浄モードよりも前に実行される。本洗浄モードよりも前に前洗浄モードを実行することで、浴槽100の内壁面110に付着した髪の毛などの付着物を事前に洗い落とすことができるため、本洗浄モードにおける洗浄性能を向上させることができる。なお、第2濃度は、界面活性剤の濃度換算で0体積%を超え29体積%以下であることが好ましい。前洗浄モードは、必要に応じて実行され、省略可能である。
以下、図12に示した浴槽洗浄のフローについて説明する。
使用者がリモコンなどによって浴槽洗浄の操作を実行すると(ステップS101)、制御部60は、浴槽100内の水を排水口115から排水する(ステップS102)。例えば、浴槽100には、浴槽100の内部の水位を検知するための水位検知部が設けられている。例えば、水位検知部により検知可能な最低水位になってから(あるいは、水位検知部が検知しない状態になってから)所定時間経過したら、排水が終了したものとみなすことができる。
次に、制御部60は、前洗浄モードを実行する(ステップS103)。前洗浄モードにおいて、制御部60は、浴槽100の内壁面110に向けて洗剤水または水を散布する。より具体的には、制御部60は、噴出制御部40を制御して、ノズル30の噴出口31から浴槽100の内側壁面112の一部に向けて洗剤水または水を噴出させるとともに、回転部51を制御して、ノズル30を回転させる。これにより、内側壁面112の全体に洗剤水または水を散布することができる。制御部60は、例えば、内側壁面112の所定範囲に2回以上洗剤水または水がかかるように、ノズル30を複数周回転させる。
前洗浄モードにおいて、制御部60は、例えば、1000mL/分の噴出瞬間流量で洗剤水または水を噴出させながら、ノズル30を時計回りに30秒/周の回転速度で回転させる。ノズル30が1周すると、制御部60は、同じ噴出瞬間流量で洗剤水または水を噴出させながら、ノズル30を反時計回りに同じ回転速度で回転させる。この時計回りと反時計回りのセットを2回繰り返すことで、内側壁面112の所定範囲に4回洗剤水または水をかけることができる。制御部60は、洗剤水または水を噴出させた状態でノズル30を1周回転させた後、洗剤水または水を噴出させない状態でノズル30を逆向きに回転させて噴出開始位置に戻し、再び洗剤水または水を噴出させた状態でノズル30を回転させることを繰り返してもよい。なお、前洗浄モードにおける噴出瞬間流量、ノズル30の回転速度、及びノズル30の回転回数は、適宜調整することができる。
前洗浄モードにおいて、制御部60は、例えば、合計で2000mL程度の洗剤水または水をノズル30(噴出口31)から噴出させる。なお、前洗浄モードにおいて、制御部60は、洗剤水または水を複数回に分けて噴出させてもよい。換言すれば、前洗浄モードにおいて、制御部60は、例えば、洗剤水または水を噴出する状態(噴出状態)と洗剤水または水を噴出しない状態(待機状態)とを交互に実行してもよい。
次に、制御部60は、本洗浄モードを実行する(ステップS104)。本洗浄モードにおいて、制御部60は、浴槽100の内壁面110に向けて洗剤水を散布する。より具体的には、制御部60は、噴出制御部40を制御して、ノズル30の噴出口31から浴槽100の内側壁面112の一部に向けて洗剤水を噴出させるとともに、回転部51を制御して、ノズル30を回転させる。これにより、内側壁面112の全体に洗剤水を散布することができる。制御部60は、例えば、内側壁面112の所定範囲に2回以上洗剤水がかかるように、ノズル30を複数周回転させる。
本洗浄モードにおいて、制御部60は、例えば、400mL/分の噴出瞬間流量で洗剤水を噴出させながら、ノズル30を時計回りに45秒/周~12秒/周の回転速度で回転させる。ノズル30が1周すると、制御部60は、洗剤水を噴出させない状態で、ノズル30を反時計回りに回転させて噴出開始位置に戻し、所定時間が経過するまで待機する。所定時間が経過すると、制御部60は、再度、同じ噴出瞬間流量で洗剤水を噴出させながら、ノズル30を時計回りに同じ回転速度で回転させる。例えば、この時計回りと反時計回りのセットを3回繰り返すことで、内側壁面112の所定範囲に3回洗剤水をかけることができる。なお、本洗浄モードにおける噴出瞬間流量及びノズル30の回転速度は、適宜調整することができる。例えば、ノズル30を1周させる間に、噴出瞬間流量及びノズル30の回転速度の少なくともいずれかを変化させてもよい。本洗浄モードにおけるノズル30の回転回数は、適宜調整することができるが、限られた量の洗剤水を効率良く散布するためには、3回程度とすることが好ましい。
本洗浄モードにおいて、制御部60は、例えば、合計で500mL程度の洗剤水をノズル30(噴出口31)から噴出させる。また、上記のように、本洗浄モードにおいて、制御部60は、例えば、洗剤水を複数回に分けて噴出させてもよい。換言すれば、本洗浄モードにおいて、制御部60は、例えば、洗剤水を噴出する状態(噴出状態)と洗剤水を噴出しない状態(待機状態)とを交互に実行してもよい。
このように、本洗浄モードにおいて、噴出口31から浴槽100の内側壁面112の一部に向けて洗剤水を噴出させながら、ノズル30を回転させることで、限られた量の洗剤水を効率良く浴槽100の内側壁面112全体に散布することができる。
なお、本洗浄モードにおいて、ノズル30の回転可能範囲は、360度よりも大きく390度以下が好ましい。さらに好ましくは、375度程度である。このような角度でノズル30を回転させることで、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることをさらに抑制できる。
次に、制御部60は、すすぎモードを実行する(ステップS105)。すすぎモードにおいて、制御部60は、浴槽100の内壁面110に向けて水を散布する。より具体的には、制御部60は、噴出制御部40を制御して、ノズル30の噴出口31から浴槽100の内側壁面112の一部に向けて水を噴出させるとともに、回転部51を制御して、ノズル30を回転させる。これにより、内側壁面112の全体に水を散布することができる。制御部60は、例えば、内側壁面112の所定範囲に2回以上水がかかるように、ノズル30を複数周回転させる。
すすぎモードにおいて、制御部60は、例えば、1000mL/分の噴出瞬間流量で水を噴出させながら、ノズル30を時計回りに30秒/周の回転速度で回転させる。ノズル30が1周すると、制御部60は、同じ噴出瞬間流量で水を噴出させながら、ノズル30を反時計回りに同じ回転速度で回転させる。例えば、この時計回りと反時計回りのセットを3回繰り返すことで、内側壁面112の所定範囲に6回水をかけることができる。制御部60は、水を噴出させた状態でノズル30を1周回転させた後、水を噴出させない状態でノズル30を逆向きに回転させて噴出開始位置に戻し、再び水を噴出させた状態でノズル30を回転させることを繰り返してもよい。なお、すすぎモードにおける噴出瞬間流量、ノズル30の回転速度、及びノズル30の回転回数は、適宜調整することができる。
すすぎモードにおいて、制御部60は、例えば、合計で3000mL程度の水をノズル30(噴出口31)から噴出させる。なお、すすぎモードにおいて、制御部60は、例えば、水を複数回に分けて噴出させてもよい。換言すれば、すすぎモードにおいて、制御部60は、例えば、水を噴出する状態(噴出状態)と水を噴出しない状態(待機状態)とを交互に実行してもよい。
前洗浄モード及びすすぎモードにおいて、ノズル30の回転可能範囲は、例えば、本洗浄モードにおいてノズル30の回転可能範囲と同じである。
また、ステップS101における操作は、排水の操作であってもよい。つまり、使用者がリモコンなどによって排水の操作を実行すると(ステップS101)、制御部60は、浴槽100内の水を排水口115から排水し(ステップS102)、続けて浴槽100の洗浄(ステップS103~S105)を実行してもよい。
また、前洗浄モード及び本洗浄モードにおいて、ノズル30(噴出口31)から噴出され洗浄に使用された洗剤水は、排水口115に流れる。前洗浄モード及び本洗浄モードにおいて、排水口115に流れた洗剤水は、そのまま排水口115から排出されてもよいし、排水口115からは排出されず図示しない回収機構により回収されて洗浄に再利用されてもよい。換言すれば、浴槽洗浄装置200は、洗剤回収式であってもよいし、洗剤非回収式であってもよい。
(第2実施形態)
図13は、第2実施形態に係る浴槽洗浄装置のノズル周辺を模式的に表す断面図である。
図14は、第2実施形態に係る浴槽洗浄装置のステッピングモータ周辺を表す断面斜視図である。
図14は、図13に示したA1-A2線による断面の斜視図である。
第2実施形態に係る浴槽洗浄装置200Aは、第1実施形態に係る浴槽洗浄装置200と同様に、タンク10と、洗剤混合部20と、ノズル30と、噴出制御部40と、駆動部50と、制御部60と、を備える(図2参照)。第2実施形態に係る浴槽洗浄装置200Aにおけるこれらの各部の動作などは、基本的に第1実施形態に係る浴槽洗浄装置200と同様である。ただし、駆動部50は、進退部(昇降部)52を有さない。つまり、ノズル30は、高さ方向の位置を変えることなく、回転する。
図13及び図14に表したように、浴槽洗浄装置200Aは、シャフト部70と、第1回転部材310と、第2回転部材320と、ケーシング80と、シール部材90と、をさらに備える。シャフト部70は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
第1回転部材310は、駆動部50の回転部51(ステッピングモータ)の回転に伴い回転する。この例では、第1回転部材310は、回転部51に設けられている。より具体的には、この例では、第1回転部材310は、回転部51が駆動した際に回転するモータシャフト51aに設けられている。第1回転部材310は、例えば、回転部51(モータシャフト51a)の表面から上方、下方、または半径方向の外側に向けて突出する。この例では、第1回転部材310は、回転部51(モータシャフト51a)の表面から半径方向の外側に向けて突出している。
第1回転部材310の回転軸は、回転部51の回転軸と同軸である。第1回転部材310は、回転部51(モータシャフト51a)の回転と連動して回転する。換言すれば、ノズル30が回転を開始すると同時に、第1回転部材310は回転を開始する。第1回転部材310は、第2回転部材320と係合可能に設けられている。第1回転部材310は、第1実施形態における第1突出部221に相当する。
第2回転部材320は、第1回転部材310と係合して第1回転部材310とともに回転する。この例では、第2回転部材320は、回転部51の上に設けられている。第2回転部材320の回転軸は、回転部51の回転軸と同軸である。第2回転部材320は、ノズル30が回転を開始した後に、第1回転部材310と係合して回転し始め、ケーシング80と係合するまで回転を続ける。第2回転部材320は、ケーシング80と係合すると、ノズル30の回転を停止させる。第2回転部材320は、例えば、リング状である。第2回転部材320は、回転部51のの回転軸と同軸で回転可能なものであればよく、完全な環状のものに限定されない。第2回転部材320は、環状の構造の一部が切り欠かれたものであってもよい。第2回転部材320は、第1実施形態におけるリング75に相当する。
第2回転部材320は、本体部320aと、第1規制部231と、突出部(第2突出部)222と、を有する。第1規制部231は、本体部320aに設けられ、第1回転部材310の第2回転部材320に対する回転方向の移動を規制する。この例では、第1規制部231は、本体部320aの一部に設けられ、半径方向の内側が開放された溝である。第1規制部231は、第1回転部材310の第2回転部材320に対する時計回りの回転移動を規制する第1端部231aと、第1回転部材310の第2回転部材320に対する反時計回りの回転移動を規制する第2端部231bと、を有する。
突出部222は、本体部320aの表面から上方、下方、または半径方向の外側に向けて突出する。この例では、突出部222は、本体部320aの表面から半径方向の外側に向けて突出している。また、突出部222は、本体部320aの外周面からシャフト部70の外周面よりも半径方向の外側に突出している。
ケーシング80は、ノズル30、回転部51、シャフト部70、第1回転部材310、及び第2回転部材320を収納している。ケーシング80は、第1の空間81と、第2の空間82と、有する。ノズル30は、第1の空間81に収納されており、回転部51、第1回転部材310、及び第2回転部材320は、第2の空間82に収納されている。
ケーシング80は、第1の空間81と第2の空間82との間に設けられた区画壁804を有する。シャフト部70は、区画壁804を上下方向に貫通するように設けられている。また、シャフト部70と区画壁804との間には、シール部材90が設けられており、シャフト部70と区画壁804との間の隙間を塞いでいる。つまり、第1の空間81と第2の空間82との間に設けられた区画壁804、シャフト部70、及びシール部材90によって、第2の空間82は、第1の空間81と分離されている。これにより、第1の空間81に侵入した水が回転部51を収納する第2の空間82に侵入することを抑制できる。つまり、第2の空間82に収納された回転部51などに水がかかることを抑制できる。
また、この例では、ケーシング80は、区画壁804とノズル30との間に設けられた緩衝部805を有する。このような緩衝部805を設けることで、ノズル30に上方から荷重がかかった際にノズル30からシャフト部70に荷重がかかり、シャフト部70が破損することを抑制できる。
また、ケーシング80は、第2規制部232を有する。第2規制部232は、第2回転部材320の回転方向の移動を規制する。この例では、第2規制部232は、第2回転部材320の突出部222の回転方向の移動を規制する。後述するように、第2規制部232は、第2回転部材320の本体部320aの回転方向の移動を規制してもよい(図19参照)。この例では、第2規制部232は、第2回転部材320の外周に設けられ、第2回転部材320の半径方向の内側に向かって突出する凸部である。第2規制部232は、第2突出部222の時計回りの回転移動を規制する第1端部232aと、第2突出部222の反時計回りの回転移動を規制する第2端部232bと、を有する。
第2規制部232は、第2回転部材320と係合できる位置であれば、ケーシング80のどこに設けられていてもよい。第2規制部232は、例えば、本体部801、上蓋部802、底蓋部803、区画壁804、または緩衝部805のいずれかに設けられる。第2実施形態に係る浴槽洗浄装置200Aにおいて、シャフト収納部84は、必要に応じて設けられ、省略可能である。ケーシング80がシャフト収納部84を有する場合、第2規制部232は、シャフト収納部84に設けられていてもよい。
図15(a)~図15(e)は、第2実施形態に係る浴槽洗浄装置においてノズルを時計回りに回転させる際のステッピングモータ周辺の動きを表す平面図である。
図15(a)は、ノズル30が第1回転位置にある状態を示しており、図15(e)は、ノズル30が第2回転位置にある状態を示している。
なお、図15(a)~図15(e)において、破線の矢印は、ノズル30の噴出口31の向きを示している。
図15(a)に表したように、ノズル30が第1回転位置にあるとき、第1回転部材310(第1突出部221)は、第1規制部231の第2端部231bに当接し、第2回転部材320の突出部(第2突出部)222は、第2規制部232の第2端部232bに当接する。
回転部51(ステッピングモータ)が時計回りに回転を開始すると、図15(b)に表したように、第1回転部材310は、回転部51とともに回転部51と同軸で回転する。第1回転部材310は、第1規制部231の第1端部231aに向かって移動する。例えば、第1回転部材310が回転しているとき、第1回転部材310は、第2回転部材320に当接しない。したがって、例えば、第1回転部材310が回転しているとき、第2回転部材320は回転しない。
図15(c)に表したように、第1回転部材310が第1規制部231の第1端部231aに当接する位置まで移動すると、第1規制部231の第1端部231aにより第1回転部材310の回転方向の移動が規制される。
第1回転部材310が第1規制部231の第1端部231aに当接すると、図15(d)に表したように、回転部51の回転が第2回転部材320に伝達され、回転部51とともに第2回転部材320が回転し始める。第2回転部材320が回転することで、第2回転部材320に設けられた突出部222は、回転部51と同軸で回転する。突出部222は、第2規制部232の第1端部232aに向かって移動する。このように、第2回転部材320は、第1回転部材310及び第1規制部231により、回転部51と連動して回転する。
図15(e)に表したように、突出部222が第2規制部232の第1端部232aに当接する位置まで移動すると、第2規制部232の第1端部232aにより突出部222の回転方向の移動が規制される。このように、ノズル30が第2回転位置にあるとき、第1回転部材310は、第1規制部231の第1端部231aに当接し、突出部222は、第2規制部232の第1端部232aに当接する。
第1回転部材310及び第2回転部材320(突出部222)の移動が規制された状態で、回転部51が回転を続けようとすると、回転部51は脱調する。制御部60は、例えば、回転部51が脱調する際の電流の変化により、ノズル30が第2回転位置にあることを検知することができる。制御部60は、例えば、ノズル30が第2回転位置にあることを検知すると、回転部51の回転を停止させる。
このように、第1回転部材310と第2回転部材320とを設けることで、ノズル30の回転中におけるノズル30の高さ方向の位置を変えることなく、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転位置を把握しつつ、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。これにより、ステッピングモータを用いつつノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができるとともに、外観の意匠性を低下させずにノズル30の回転を特定の位置で停止させることができる。したがって、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることをより抑制することができる。
また、第1回転部材310を回転部51(ステッピングモータ)に設け、第1回転部材310、第2回転部材320、及びケーシング80によってノズル30の回転を停止させることで、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転位置を把握しつつ、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。これにより、ステッピングモータを用いつつノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができるとともに、外観の意匠性を低下させずにノズル30の回転を特定の位置で停止させることができる。したがって、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることをより抑制することができる。
また、シャフト部70を設けることで、汎用的なステッピングモータを用いつつ、組立が容易な構成とすることができる。
また、第2回転部材320において突出部222を設けることで、よりシンプルな構成で、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。
さらに、第2回転部材320の突出部222を本体部320aの外周面からシャフト部70の外周面よりも半径方向の外側に突出させることで、さらにシンプルな構成で、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。
また、回転部51を収納するケーシング80の第2の空間82に第2回転部材320を設けることで、第2回転部材320に浴槽内からの水がかかることを抑制できる。これにより、第2回転部材320に浴槽内からの水に含まれるごみなどが付着することを抑制でき、ごみが付着することによるノズル30の回転不良などの不具合の発生を抑制できる。したがって、洗浄性能の低下を抑制できる。
第2実施形態に係る浴槽洗浄装置200Aおいて、第1回転部材310は、シャフト部70に設けられていてもよい。この場合、第1回転部材310は、シャフト部70の表面から上方、下方、または半径方向の外側に向けて突出する。
このような例においても、第1回転部材310をシャフト部70に設け、第1回転部材310、第2回転部材320、及びケーシング80によってノズル30の回転を停止させることで、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転位置を把握しつつ、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。これにより、ステッピングモータを用いつつノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができるとともに、外観の意匠性を低下させずにノズル30の回転を特定の位置で停止させることができる。したがって、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることをより抑制することができる。
図16は、第2実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置のノズル周辺を模式的に表す断面図である。
図17は、第2実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置のノズル周辺を表す断面斜視図である。
図17は、図16に示したB1-B2線による断面の斜視図である。
図16及び図17に表したように、第2実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置200Bでは、シャフト部70が省略されており、第1回転部材310は、ノズル30に設けられている。より具体的には、この例では、第1回転部材310は、ノズル30から下方に延びて回転部51と接続されるノズルシャフト30aに設けられている。第1回転部材310は、例えば、ノズル30(ノズルシャフト30a)の表面から上方、下方、または半径方向の外側に向けて突出する。この例では、第1回転部材310は、ノズル30(ノズルシャフト30a)の表面から半径方向の外側に向けて突出している。
また、この例では、第1回転部材310及び第2回転部材320は、ケーシング80の第1の空間81に設けられている。この例では、第2規制部232は、ケーシング80の区画壁804の上に設けられ、上方に向かって延びる立面部である。それ以外の構造は、基本的に第2実施形態に係る浴槽洗浄装置200と同様である。
回転部51(ステッピングモータ)が回転すると、第1回転部材310(第1突出部221)が第2回転部材320の第1規制部231の一方の端部231bに当接するとともに、第2回転部材320(突出部222)がケーシング80の第2規制部232の一方の端部232bに当接することで、第1回転位置においてノズル30の回転が停止する。また、第1回転部材310(第1突出部221)が第2回転部材320の第1規制部231の他方の端部231aに当接するとともに、第2回転部材320(突出部222)がケーシング80の第2規制部232の他方の端部232aに当接することで、第2回転位置においてノズル30の回転が停止する。
このように、第1回転部材310をノズル30に設け、第1回転部材310、第2回転部材320、及びケーシング80によってノズル30の回転を停止させることで、ノズル30周辺の水平方向及び上下方向の大きさをコンパクトにしながら、ノズル30の回転位置を把握しつつ、ノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができる。これにより、ステッピングモータを用いつつノズル30の回転可能範囲を360度よりも大きくすることができるとともに、外観の意匠性を低下させずにノズル30の回転を特定の位置で停止させることができる。したがって、浴槽100の内側壁面112において洗剤水がかからない部分が生じることをより抑制することができる。
図18は、第2実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置のノズル周辺を模式的に表す断面図である。
図19は、第2実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置のステッピングモータ周辺を表す断面斜視図である。
図19は、図18に示したC1-C2線による断面の斜視図である。
図18及び図19に表したように、第2実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置200Cでは、第1回転部材310は、回転部51に設けられている。また、この例では、第2回転部材320は、円弧状であり、突出部222を有さない。第1回転部材310は、第2回転部材320の本体部320aと係合する。つまり、本体部320aの側面が第1規制部231として機能する。また、ケーシング80の第2規制部232は、第2回転部材320の本体部320aと係合する。それ以外の構造は、基本的に第2実施形態に係る浴槽洗浄装置200と同様である。
図20(a)~図20(e)は、第2実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置においてノズルを時計回りに回転させる際のステッピングモータ周辺の動きを表す平面図である。
図20(a)は、ノズル30が第1回転位置にある状態を示しており、図20(e)は、ノズル30が第2回転位置にある状態を示している。
なお、図20(a)~図20(e)において、破線の矢印は、ノズル30の噴出口31の向きを示している。
図20(a)に表したように、ノズル30が第1回転位置にあるとき、第1回転部材310(第1突出部221)は、第1規制部231の第2端部231bに当接し、第2回転部材320の本体部320a(第1規制部231の第1端部231a)は、第2規制部232の第2端部232bに当接する。
回転部51(ステッピングモータ)が時計回りに回転を開始すると、図20(b)に表したように、第1回転部材310は、回転部51とともに回転部51と同軸で回転する。第1回転部材310は、第1規制部231の第1端部231aに向かって移動する。例えば、第1回転部材310が回転しているとき、第1回転部材310は、第2回転部材320に当接しない。したがって、例えば、第1回転部材310が回転しているとき、第2回転部材320は回転しない。
図20(c)に表したように、第1回転部材310が第1規制部231の第1端部231aに当接する位置まで移動すると、第1規制部231の第1端部231aにより第1回転部材310の回転方向の移動が規制される。
第1回転部材310が第1規制部231の第1端部231aに当接すると、図20(d)に表したように、回転部51の回転が第2回転部材320に伝達され、回転部51とともに第2回転部材320が回転し始める。第2回転部材320は、回転部51と同軸で回転する。第2回転部材320は、第2規制部232の第1端部232aに向かって移動する。このように、第2回転部材320は、第1回転部材310及び第1規制部231により、回転部51と連動して回転する。
図20(e)に表したように、第2回転部材320が第2規制部232の第1端部232aに当接する位置まで移動すると、第2規制部232の第1端部232aにより第2回転部材320の回転方向の移動が規制される。このように、ノズル30が第2回転位置にあるとき、第1回転部材310は、第1規制部231の第1端部231aに当接し、第2回転部材320の本体部320a(第1規制部231の第2端部231b)は、第2規制部232の第1端部232aに当接する。
第1回転部材310及び第2回転部材320の移動が規制された状態で、回転部51が回転を続けようとすると、回転部51は脱調する。制御部60は、例えば、回転部51が脱調する際の電流の変化により、ノズル30が第2回転位置にあることを検知することができる。制御部60は、例えば、ノズル30が第2回転位置にあることを検知すると、回転部51の回転を停止させる。
このように、第2回転部材320は、円弧状であってもよい。図14及び図19に示したように、第2回転部材320の周りがケーシング80で囲まれている場合には、第2回転部材320を円弧状にしても、安定して回転させることができる。一方、図17に示したように、第2回転部材320の周りがケーシング80で囲まれていない場合には、第2回転部材320を円弧状にすると、安定して回転させにくい場合がある。第2回転部材320をリング状にすることで、第2回転部材320の周りがケーシング80で囲まれていない場合であっても、第2回転部材320を安定して回転させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴槽洗浄装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。