以下、図面を参照しながら、本発明に係るプリンタの実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。
図1は、本実施形態に係るプリンタ10を模式的に示した斜視図である。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれプリンタ10の前、後、左、右、上、下を示している。符号Yは走査方向を示している。走査方向Yは左右方向である。符号Xは搬送方向を示している。搬送方向Xは、走査方向Yと平面視において交差(ここでは直交)しており、例えば前後方向である。符号Zは上下方向を示している。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。プリンタ10は、媒体5に対して印刷を行う。媒体5は例えばロール状の記録紙である。ただし、媒体5は、例えばポリ塩化ビニルやポリエステルなどの樹脂材料、アルミニウム、鉄、木材によって形成されていてもよく、媒体5を形成する材料は特に限定されるものではない。
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体11と、プリンタ本体11に設けられたプラテン12と、搬送機構(図示せず)と、を備えている。プラテン12は、媒体5を支持する。プラテン12に載置された媒体5に対して印刷が行われる。上述の搬送機構は、プラテン12に支持された媒体5を搬送方向Xに搬送する。搬送機構は、図示は省略するが、例えばプラテン12に設けられたグリットローラと、グリットローラと共に媒体5を挟むピンチローラと、グリットローラに接続されたフィードモータとを備えている。フィードモータが駆動してグリットローラが回転することで、媒体5は搬送方向Xに搬送される。
図1に示すように、プリンタ10は、ガイドレール18と、キャリッジ20と、インクヘッド22と、移動機構25とを備えている。ガイドレール18は、プラテン12の上方に配置され、走査方向Yに延びている。キャリッジ20は、ガイドレール18に係合しており、ガイドレール18に沿って走査方向Yに移動可能に構成されている。
インクヘッド22は、キャリッジ20に設けられており、キャリッジ20と共に走査方向Yに移動可能である。インクヘッド22は、プラテン12よりも上方に配置されている。インクヘッド22は、インクを吐出する。インクヘッド22は、下方に向かって開口した複数のノズル(図示せず)を有し、当該ノズルからプラテン12に支持された媒体5に向かってインクを吐出する。インクヘッド22の数は特に限定されないが、ここでは4つである。4つのインクヘッド22は、走査方向Yに並んで配置されている。4つのインクヘッド22は、それぞれ色が異なるインクを吐出する。例えば各インクヘッド22は、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどのプロセスカラーインク、および、クリアインク、ホワイトインクなどの特色インクのうちの何れかの色のインクを吐出する。
移動機構25は、インクヘッド22を走査方向Yに移動させる機構である。本実施形態では、移動機構25は、キャリッジ20を走査方向Yに移動させることで、4つのインクヘッド22も走査方向Yに移動させる。移動機構25は、ガイドレール18の左右の両端部の周囲に設けられた左右のプーリ(図示せず)と、左右のプーリに巻き掛けられたベルト27と、一方のプーリに接続されたキャリッジモータ(図示せず)と、を備えている。ベルト27には、キャリッジ20が固定されている。ここでは、キャリッジモータが駆動することで、一方のプーリが回転し、ベルト27が走行する。このことで、キャリッジ20およびインクヘッド22は、走査方向Yに移動する。
プリンタ10は、図示しない制御装置を備えている。制御装置は、例えばマイクロコンピュータによって構成されている。制御装置は、例えばホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリと、を備えている。
詳しい図示は省略するが、制御装置は、上述の搬送機構、インクヘッド22、および、移動機構25にそれぞれ通信可能に接続されている。制御装置は、搬送機構、インクヘッド22、および、移動機構25を制御可能に構成されている。
本実施形態では、図1に示すように、プリンタ10は、チューブアセンブリ30と、支持部材50とを備えている。チューブアセンブリ30は、インクヘッド22の走査方向Yへの移動に合わせてインクヘッド22と連れ動くものである。チューブアセンブリ30は、インクヘッド22の走査方向Yの移動に合わせて屈曲して変形するものである。ここでは、チューブアセンブリ30は、平面視においてU字状に屈曲変形する。支持部材50は、屈曲して変形したチューブアセンブリ30を支持するものである。以下、チューブアセンブリ30および支持部材50について詳しく説明する。
図2は、チューブアセンブリ30を示す図である。図3は、図2のIII-III断面におけるチューブアセンブリ30の断面図である。図2に示すように、チューブアセンブリ30は、帯状の形状を有している。図3に示すように、チューブアセンブリ30は、インクチューブ32と、フレキシブルケーブル34と、板バネ36と、ホルダ38とを備えている。なお、フレキシブルケーブル34およびホルダ38は、省略されてもよい。図1に示すように、インクチューブ32は、インクヘッド22にインクを供給するものであり、インクヘッド22に接続されている。本実施形態では、インクチューブ32の数は、インクヘッド22の数と同じであり、ここでは4本である。1つのインクチューブ32につき、1つのインクヘッド22が接続される。インクチューブ32は、弾性変形可能なものであり、所定の弾性力を有する。インクチューブ32は、インクヘッド22の移動に合わせて変形可能なように、柔軟性や可撓性を有している。インクチューブ32を形成する材料は特に限定されないが、例えば樹脂製である。
ここでは、図1に示すように、インクチューブ32の一端は、インクヘッド22に接続され、インクチューブ32の他端は、インクカートリッジ80に接続されている。インクカートリッジ80には、インクチューブ32に接続されたインクヘッド22から吐出される色のインクが収容されている。インクカートリッジ80に収容されたインクは、インクチューブ32を通ってインクヘッド22に供給される。インクカートリッジ80の数は、インクヘッド22の数と同じであり、ここでは4つである。
フレキシブルケーブル34は、各インクヘッド22に電気的に接続されている。図示は省略するが、フレキシブルケーブル34の一端は、インクヘッド22に接続され、フレキシブルケーブル34の他端は、上述の制御装置に接続されている。制御装置は、フレキシブルケーブル34を介して信号をインクヘッド22に送信する。インクヘッド22は、制御装置から送信された信号を受信し、当該信号に基づいてインクを吐出する。
図3に示すように、フレキシブルケーブル34は、例えば扁平状の形状を有しているが、フレキシブルケーブル34の形状は特に限定されない。フレキシブルケーブル34は、インクヘッド22の移動に合わせて変形可能なように、柔軟性や可撓性を有している。
板バネ36は、インクチューブ32およびフレキシブルケーブル34に沿って延びたものである。板バネ36は、例えば扁平状のフレキシブルケーブル34の一方の面に取り付けられている。板バネ36は、所定の弾性力を有している。本実施形態では、チューブアセンブリ30が屈曲して変形しているとき、板バネ36も屈曲して変形している。このとき、板バネ36は、平らな面に戻るような向きに弾性力を付与する。このように、平らな面に戻るときに働く力のことを反発力という。板バネ36は、屈曲して変形しているときに反発力を有している。
ホルダ38は、インクチューブ32(詳しくは4本のインクチューブ32)と、フレキシブルケーブル34と、板バネ36とを束ねるものである。ホルダ38の形状は特に限定されない。図3に示すように、ホルダ38は、リング部40と、第1突起41と、第2突起42とを有している。リング部40は、上下方向Zに長い環状のものであり、内周形状および外周形状が矩形状のものである。このリング部40に、4本のインクチューブ32が束になって挿入される。
第1突起41および第2突起42は、リング部40の外周面に設けられており、図5に示すように、リング部40から支持部材50に向かって突出している。ここでは、第1突起41と第2突起42は、上下方向Zに並んで配置されている。第1突起41は、リング部40の上部の側面に設けられている。第2突起42は、第1突起41の下方であって、リング部40の下部の側面に設けられている。
本実施形態では、図2の示すように、ホルダ38の数は複数であり、その数は特に限定されない。ホルダ38は、インクチューブ32(言い換えると、フレキシブルケーブル34、または、板バネ36)に沿って所定の間隔で配置されている。複数のホルダ38の間隔は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。
次に、図1に示す支持部材50について説明する。上述のように、支持部材50は、平面視においてU字状に屈曲して変形したチューブアセンブリ30を支持するものである。支持部材50の配置位置は特に限定されない。本実施形態では、支持部材50は、ガイドレール18、キャリッジ20およびインクヘッド22よりも後方であって、プラテン12よりも上方に配置されている。
図4は、支持部材50の平面図である。図5は、走査方向Yから見たときにおける支持部材50の断面図であり、チューブアセンブリ30が当て付け面60に当て付けられた状態を示す図である。図4に示すように、支持部材50は、走査方向Yに延びた部材である。支持部材50は、底面51と、連絡面55と、当て付け面60とを有している。
底面51は、走査方向Yに延びたものである。底面51は、プラテン12(図1参照)よりも上方において走査方向Yおよび搬送方向Xに広がった平面である。底面51の搬送方向Xの長さL11(図5参照)は、底面51の走査方向Yの長さL12(図4参照)よりも短い。
連絡面55は、底面51と連続するものである。連絡面55は、走査方向Yに延びている。ここでは、図5に示すように、連絡面55は、走査方向Yから見たときに底面51から上方に向かうにしたがって底面51から離れる方向に傾斜して延びている。連絡面55は、底面51の搬送方向X側の端に接続されている。
本実施形態では、連絡面55は、前連絡面56と、後連絡面57とを有し、2つの面から構成されている。前連絡面56は、底面51の前端に接続され、底面51の前端から上方かつ前方に傾斜して延びた傾斜面である。後連絡面57は、底面51の後端に接続され、底面51の後端から上方かつ後方に傾斜して延びた傾斜面である。ここでは、図4に示すように、前連絡面56と後連絡面57とは、平面視において底面51を挟んで対向している。平面視において、前連絡面56および後連絡面57は、底面51と重ならない位置に配置されている。平面視において、前連絡面56は、底面51の前方に配置され、後連絡面57は、底面51の後方に配置されている。
本実施形態では、前連絡面56と後連絡面57は、同じ大きさを有している。走査方向Yから見たときの連絡面55(言い換えると前連絡面56および後連絡面57のそれぞれ)の長さL21(図5参照)は、連絡面55の走査方向Yの長さL22(図4参照)よりも短い。本実施形態では、図5に示すように、連絡面55の長さL21は、底面51の搬送方向Xの長さL11よりも短いが、長くてもよいし、長さL11と同じであってもよい。また、図4に示すように、連絡面55の走査方向Yの長さL22は、底面51の走査方向Yの長さL12と同じであるが、異なっていてもよい。
図5に示すように、当て付け面60は、チューブアセンブリ30が屈曲して変形したときに、インクチューブ32や板バネ36による弾性力によってチューブアセンブリ30が当て付けられる面である。詳しくは、当て付け面60には、チューブアセンブリ30のホルダ38の第1突起41および第2突起42が接触する。当て付け面60は、連絡面55と連続するものである。図4に示すように、当て付け面60は、走査方向Yに延びている。ここでは、図5に示すように、当て付け面60は、走査方向Yから見たときに連絡面55から上方に向かうにしたがって底面51から離れる方向に傾斜して延びている。当て付け面60は、連絡面55の上端に接続されている。
本実施形態では、当て付け面60は、前当て付け面61と、後当て付け面62とを有し、2つの面から構成されている。前当て付け面61は、前連絡面56の上端に接続され、前連絡面56の上端から上方かつ前方に傾斜して延びた傾斜面である。後当て付け面62は、後連絡面57の上端に接続され、後連絡面57の上端から上方かつ後方に傾斜して延びた傾斜面である。図4に示すように、前当て付け面61と後当て付け面62とは、平面視において底面51を挟んで対向している。平面視において、前当て付け面61および後当て付け面62は、それぞれ前連絡面56および後連絡面57と重ならない位置に配置されている。平面視において、前当て付け面61は、底面51および前連絡面56の前方に配置され、後当て付け面62は、底面51および後連絡面57の後方に配置されている。
本実施形態では、前当て付け面61と後当て付け面62とは、同じ大きさを有している。走査方向Yから見たときの当て付け面60(言い換えると前当て付け面61および後当て付け面62のそれぞれ)の長さL31(図5参照)は、当て付け面60の走査方向Yの長さL32(図4参照)よりも短い。図5に示すように、当て付け面60の長さL31は、底面51の長さL11よりも短く、かつ、連絡面55の長さL21よりも長い。連絡面55の長さL21は、当て付け面60の長さL31よりも短い。ただし、当て付け面60の長さL31は、底面51の長さL11よりも長くてもよいし、長さL11と同じであってもよい。当て付け面60の長さL31は、チューブアセンブリ30のホルダ38の長手方向の長さL41と同じであるが、ホルダ38の長手方向の長さL41よりも長くてもよい。また、当て付け面60の長さL31は、連絡面55の長さL21よりも短くてもよいし、長さL21と同じであってもよい。
図4に示すように、当て付け面60の走査方向Yの長さL32は、底面51の走査方向Yの長さL12と同じであり、かつ、連絡面55の走査方向Yの長さL22と同じである。ただし、当て付け面60の走査方向Yの長さL32は、底面51の長さL12と異なっていてもよいし、連絡面55の長さL22と異なっていてもよい。
本実施形態では、図5に示すように、当て付け面60(詳しくは前当て付け面61および後当て付け面62)は、連絡面55(詳しくは前連絡面56および後連絡面57)よりも上方に傾いている。言い換えると、底面51と当て付け面60とが成す角度R2は、底面51と連絡面55とが成す角度R1よりも小さい。ここで、角度R1、R2とは、いわゆる内角のことをいう。
底面51と連絡面55とが成す角度R1は、135度よりも大きい。本実施形態では、角度R1は、例えば150度である。底面51と当て付け面60とが成す角度R2は、90度以上、好ましくは105度以上である。本実施形態では、角度R2は、例えば105度である。
本実施形態では、当て付け面60は、連絡面55に対して支持部材50の中心側に向かって屈曲している。当て付け面60と連絡面55とによって屈曲部65が形成されている。屈曲部65は、チューブアセンブリ30が当て付け面60に当て付けられているときに、チューブアセンブリ30の下端を支持するものである。本実施形態では、屈曲部65は、支持部材50の前部および後部に設けられている。ここでは、屈曲部65は、前連絡面56と前当て付け面61とによって形成され、かつ、後連絡面57と後当て付け面62によって形成されている。
本実施形態では、支持部材50は、プリンタ本体11(図1参照)に固定されている。ここでは、図5に示すように、底面51には、1つまたは複数のネジ70が取り付けられている。ネジ70は、例えば底面51をプリンタ本体11に固定するものである。ネジ70は、頭部71と、軸部72とを有している。頭部71は、底面51に設けられており、底面51から上方に突出している。頭部71における底面51から上方に向かう突出長さL41は、底面51から連絡面55までの高さ方向Zの距離L42よりも短い。頭部71の上端は、連絡面55の上端よりも下方に配置されている。言い換えると、頭部71の上端は、屈曲部65よりも下方に配置されている。軸部72は、底面51に挿入されている。ここでは、図示は省略するが、軸部72は、底面51を貫通して、プリンタ本体11に挿入されて螺合する。ネジ70を締め付けることで、支持部材50はプリンタ本体11に固定される。
本実施形態では、ネジ70の頭部71が、底面51に設けられる「所定の部材」の一例である。ここで、所定の部材は、ネジ70の頭部71に限定されるものではなく、底面51に設けられるもの(言い換えると、配置されるもの)であってもよい。所定の部材は、例えばフレキシブルケーブル34の一部、フレキシブルケーブル34以外の他のフレキシブルケーブルなどのケーブル、または、ハーネスなどであってもよい。
本実施形態では、図1に示すように、チューブアセンブリ30は、平面視においてU字状に屈曲して変形した状態で、支持部材50の底面51よりも上方であって、前当て付け面61と後当て付け面62との間に配置される。移動機構25によってインクヘッド22が走査方向Yに移動しているときには、チューブアセンブリ30は、前当て付け面61と後当て付け面62との間で、U字状に屈曲する部分が変更されながら移動する。
このとき、図5に示すように、チューブアセンブリ30は、インクチューブ32や板バネ36の反発力によって前後方向Xに広がる力が矢印A1の向きに働く。そのため、チューブアセンブリ30の前部は、前当て付け面61に当て付けられて、前方に傾いて配置される。同様に、チューブアセンブリ30の後部は、後当て付け面62に当て付けられて、後方に傾いて配置される。詳しくは、チューブアセンブリ30のホルダ38の第1突起41および第2突起42が当て付け面60に接触して当て付けられる。
以上、本実施形態では、プリンタ10は、図1に示すように、インクヘッド22の走査方向Yの移動に合わせて連れ動くチューブアセンブリ30と、走査方向Yに延び、チューブアセンブリ30を支持する支持部材50と、を備えている。図5に示すように、支持部材50は、底面51と、連絡面55と、当て付け面60とを有している。図4に示すように、底面51は、走査方向Yに延びている。連絡面55は、走査方向Yに延び、図5に示すように、走査方向Yから見たときに底面51から上方に向かうにしたがって底面51から離れる方向に傾斜して延びている。当て付け面60は、走査方向Yに延びると共に、走査方向Yから見たときに連絡面55から上方に向かうにしたがって底面51から離れる方向に傾斜して延び、インクチューブ32および板バネ36による弾性力によってチューブアセンブリ30が当て付けられる面である。連絡面55と当て付け面60とによって屈曲部65が形成されている。
このことによって、チューブアセンブリ30は、インクヘッド22の移動によって連れ動くときに、インクチューブ32および板バネ36の弾性力によって反発力が図5の矢印A1の向きに発生する。この反発力によって、チューブアセンブリ30は、支持部材50の当て付け面60に当て付けられて、連絡面55と当て付け面60とで形成された屈曲部65に支持される。ここで、当て付け面60は傾斜しているため、チューブアセンブリ30は、当て付け面60に対して下方にスライドし難い。
図6は、走査方向Yから見たときにおける支持部材50の断面図であり、チューブアセンブリ30が当て付け面60および連絡面55に当て付けられた状態を示す図である。例えば、チューブアセンブリ30の板バネ36の弾性力が弱い場合や、チューブアセンブリ30の重量が重い場合には、図6に示すように、チューブアセンブリ30が、当て付け面60に対して下方にスライドすることがあり得る。仮にチューブアセンブリ30が当て付け面60に対して下方にスライドした場合であっても、チューブアセンブリ30は、傾斜した連絡面55によって支持される。このとき、チューブアセンブリ30の第1突起41が当て付け面60に当て付けられ、第2突起42が連絡面55に当て付けられる。よって、屈曲変形したチューブアセンブリ30が、支持部材50の底面51に支持され難く、支持部材50に適切に支持されることができる。
本実施形態では、当て付け面60は、連絡面55よりも上方に傾いている。言い換えると、当て付け面60は、連絡面55よりも底面51に対して垂直に立っており、連絡面55は、当て付け面60よりも底面51が延びる方向側に傾いている。このことによって、当て付け面60に対してチューブアセンブリ30が下方にスライドした場合であっても、連絡面55でチューブアセンブリ30を支持し易い。
本実施形態では、図5に示すように、底面51と連絡面55とが成す角度R1は、135度よりも大きい。仮に底面51と連絡面55とが成す角度R1を135度以下にすると、連絡面55が上方に傾斜し過ぎた状態になり、当て付け面60から下方にスライドしたチューブアセンブリ30を連絡面55が支持し難くなる。しかしながら、底面51と連絡面55とが成す角度R1を135度よりも大きくすることで、連絡面55が緩やかに傾斜した状態になる。よって、当て付け面60から下方にスライドしたチューブアセンブリ30を連絡面55が受け止め易く、かつ、支持し易い。
本実施形態では、底面51と当て付け面60とが成す角度R2は、90度以上である。仮に底面51と当て付け面60とが成す角度R2を90度より小さくすると、当て付け面60が当て付け面60側に傾斜した状態になり、チューブアセンブリ30を当て付け面60が支持し難い。そのため、チューブアセンブリ30が屈曲部65に支持されずに、当て付け面60側に倒れ易くなる。しかしながら、底面51と当て付け面60とが成す角度R2を90度以上にすることで、当て付け面60が当て付け面60側とは反対側に傾斜した状態になる。よって、チューブアセンブリ30を当て付け面60が受け止め易く、かつ、支持し易い。
本実施形態では、図5に示すように、支持部材50の底面51には、ネジ70の頭部71が設けられている。ネジ70の頭部71における底面51から上方に向かう突出長さL41は、底面51から連絡面55までの高さ方向Zの距離L42よりも短い。仮に支持部材50の底面51にチューブアセンブリ30が接触した状態で印刷が行われると、インクヘッド22の走査方向Yの移動に伴い、チューブアセンブリ30が移動し、底面51に設けられたネジ70の頭部71を一例とする部材に接触する。チューブアセンブリ30がネジ70の頭部71に接触することで、プリンタ10に振動が発生し、印刷の品質が低下するおそれがある。
このように、チューブアセンブリ30がネジ70の頭部71などの底面51に設けられた部材に接触しないようにするためには、いわゆる摺動シートを底面51に設けることや、例えば特開2020-93439号公報に開示されたケーブル類保護案内装置(例えばケーブルベア(登録商標))をチューブアセンブリ30に設けることなどが考えられる。しかしながら、摺動シートは高額であり、プリンタ10の製造コストが上がるため、摺動シートは底面51に設けられない方が好ましい。ケーブル類保護案内装置をチューブアセンブリ30に設けることで、チューブアセンブリ30が更に重くなり、インクヘッド22の振動が発生する原因となる。そのため、印刷の品質の低下に繋がるため、ケーブル類保護案内装置は使用されない方が好ましい。
しかしながら、本実施形態では、チューブアセンブリ30は、傾斜した当て付け面60に当て付けられるため、当て付け面60から下方に傾斜し難い。図6に示すように、仮にチューブアセンブリ30が当て付け面60に対して下方にスライドした場合であっても、チューブアセンブリ30は、傾斜した連絡面55によって支持される。よって、本実施形態のような支持部材50の構成にすることで、チューブアセンブリ30が支持部材50の底面51に接触し難くすることができる。したがって、上記のような摺動シートを底面51に設けない場合や、上記のようなケーブル類保護案内装置をチューブアセンブリ30に設けない場合であっても、印刷時に、チューブアセンブリ30が、底面51に設けられたネジ70の頭部71を一例とする部材に接触し難くすることができる。その結果、印刷の品質を低下することを抑制しつつ、プリンタ10の製造コストを抑えることができる。更に、摺動シートやケーブル類保護案内装置を使用しなくてもよいため、プリンタ10の部品点数を抑えることができる。
本実施形態では、図5に示すように、ネジ70の頭部71における底面51から上方に向かう突出長さL41は、底面51から連絡面55までの高さ方向Zの距離L42よりも短い。このことによって、チューブアセンブリ30が当て付け面60に当て付けられて支持されているときには、チューブアセンブリ30がネジ70の頭部71などの底面51に設けられた部材に接触し難くすることができる。
本実施形態では、走査方向Yから見たとき、連絡面55の長さL21は、当て付け面60の長さL31よりも短い。このことによって、連絡面55の長さL21を比較的に短くすることで、連絡面55の搬送方向Xの長さを比較的に短くすることができる。よって、支持部材50全体の搬送方向Xの長さを短くすることができ、プリンタ10が大型化することを抑えることができる。