JP7292157B2 - ブロー成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ポリマーから構成されるブロー成形品に関する。
サーモトロピック液晶ポリマー(以下、液晶ポリマーまたはLCPと略称する)は、耐熱性、剛性等の機械物性、耐薬品性、寸法精度等に優れているため、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。
また、液晶ポリマーはガスバリア性に優れるため、飲食品、化粧品、洗剤および各種薬品類を収納する容器やボトルなどの用途が期待されている。
しかし、液晶ポリマーは溶融粘度が低いため、ブロー成形で容器などの中空成形体を得るのが困難であった。
液晶ポリマーを材料として、ブロー成形により中空成形体を得るために、液晶ポリマーと他の樹脂とのアロイを用いる方法が知られている。
例えば、液晶ポリエステルと特定の構造のポリエステルからなる樹脂組成物を溶融成形して得られる中空成形体(特許文献1)、液晶ポリエステルと特定のエポキシ基含有エチレン共重合体を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物をブロー成形して得られる中空成形体容器(特許文献2)が提案されている。
特開昭61-192762号公報 特開平8-301983号公報
しかしながら、いずれの場合も液晶ポリマーを他の樹脂とブレンドする必要があるため、生産性に劣るという問題があった。また、他の樹脂とブレンドすることで成形加工性が低下し、外観が良好な成形体容器の製造が困難になるとともに、容器のガスバリア性が不十分となるなどの問題点があった。
したがって、単独でブロー成形が可能な液晶ポリマーの開発が求められていた。
本発明の目的は、単独でブロー成形が可能であり、外観が良好なブロー成形品を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の溶融粘度を有する液晶ポリマーを材料とすることにより、容易にブロー成形することが可能となり、外観が良好な、とりわけ均一な厚みを有するブロー成形品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕剪断速度1000sec-1の条件下で測定した結晶融解温度+20℃における溶融粘度が40Pa・s以上5000Pa・s以下である液晶ポリマーから構成されるブロー成形品。
〔2〕前記液晶ポリマーは、結晶融解温度が250℃以下である、〔1〕に記載のブロー成形品
〔3〕前記液晶ポリマーは、式[I]~[VI]
Figure 0007292157000001
[式中、p、q、r、s、tおよびuは、それぞれ各繰返し単位の液晶ポリマー中での組成比(モル%)を示し、以下の式を満たす:
35≦p≦55、
25≦q≦45、
2≦r≦15、
0≦s≦5、
2≦t≦15、
0≦u≦5、
r≧s

で表される繰返し単位を含んで構成される全芳香族液晶ポリエステルである、〔1〕または〔2〕に記載のブロー成形品。
〔4〕式[VI]で表される繰返し単位は、式[VII]
Figure 0007292157000002
で表される繰返し単位である、〔3〕に記載のブロー成形品。
〔5〕さらにp>qを満たす、〔3〕または〔4〕に記載のブロー成形品。
〔6〕ブロー成形品が容器またはボトルである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のブロー成形品。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のブロー成形品を得るためのパリソン。
〔8〕〔7〕に記載のパリソンにエアを吹き込むブロー工程を含む、ブロー成形品の製造方法
〔9〕剪断速度1000sec-1の条件下で測定した結晶融解温度+20℃における溶融粘度が40Pa・s以上5000Pa・s以下である液晶ポリマーを融解してパリソンを成形するパリソン成形工程と、成形されたパリソンを金型で挟み、パリソンにエアを吹き込むブロー工程とを含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のブロー成形品の製造方法。
本発明によれば、液晶ポリマー単独でのブロー成形が可能となり、外観が良好な、とりわけ均一な厚みを有し、好適にはガスバリア性の改善されたブロー成形品を提供することができる。
本発明のブロー成形品は、所定の溶融粘度を有する液晶ポリマーから構成される。本発明のブロー成形品に使用する液晶ポリマーは、当業者にサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれる、異方性溶融相を形成する液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルアミドである。
液晶ポリマーの異方性溶融相の性質は直交偏向子を利用した通常の偏向検査法、すなわち、ホットステージに載せた試料を窒素雰囲気下で観察することにより確認できる。
本発明に使用する液晶ポリマーを構成する繰返し単位としては、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰返し単位およびこれらの組合せなどが挙げられる。
芳香族オキシカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸である、4-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、5-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、4’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸、3’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸、4’-ヒドロキシフェニル-3-安息香酸など、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中では4-ヒドロキシ安息香酸および6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸が、得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。
芳香族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではテレフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸が、得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。
芳香族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジオールであるハイドロキノン、レゾルシン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニルエーテルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではハイドロキノンおよび4,4’-ジヒドロキシビフェニルが、重合時の反応性、得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。
芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位および芳香族アミノカルボニル繰返し単位を与える単量体としては、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよび芳香族アミノカルボン酸などが挙げられる。
本発明に使用する液晶ポリマーは本発明の目的を損なわない範囲で、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、脂肪酸ジヒドロキシ繰返し単位、脂肪酸ジカルボニル繰返し単位やチオエステル結合を含むものであってもよい。チオエステル結合を与える単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体の使用量は、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位および芳香族アミノカルボニル繰返し単位を与える単量体の合計量を含む全体に対して10モル%以下であるのが好ましい。
これらの繰り返し単位を組み合わせた共重合体には、単量体の構成や組成比、共重合体中での各繰り返し単位のシークエンス分布によっては、異方性溶融相を形成するものとしないものが存在するが、本発明に使用する液晶ポリマーは異方性溶融相を形成する共重合体に限られる。
本発明に使用する液晶ポリマーは、2種以上の液晶ポリマーをブレンドしたものであってもよい。
本発明に使用する液晶ポリマーの示差走査熱量計により測定される結晶融解温度は、好ましくは250℃以下であり、より好ましくは225℃以下であり、さらに好ましくは210℃以下であり、特に好ましくは200℃以下であり、より特に好ましくは195℃以下である。本発明における液晶ポリマーは、示差走査熱量計により測定される結晶融解温度が、好ましくは150℃以上、より好ましくは155℃以上、さらに好ましくは160℃以上である。本発明に使用する液晶ポリマーが2種以上の液晶ポリマーをブレンドしたものである場合、上記の好適な範囲はブレンド物が示す結晶融解温度に関する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「結晶融解温度」とは、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、以下DSCと略す)によって、昇温速度20℃/分で測定した際の結晶融解ピーク温度から求めたものである。より具体的には、液晶ポリマーの試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1より20~50℃高い温度で10分間保持し、次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を液晶ポリマーの結晶融解温度とする。測定用機器としては、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製Exstar6000等を使用することができる。
本発明に使用する液晶ポリマーの溶融粘度(キャピラリーレオメーターで測定、結晶融解温度+20℃、1000s-1)は、40Pa・s以上5000Pa・s以下であり、好ましくは50Pa・s以上3500Pa・s以下であり、より好ましくは300Pa・sを超え3000Pa・s以下であり、さらに好ましくは500Pa・s以上2000Pa・s以下であり、特に好ましくは1000Pa・sを超え1800Pa・s以下である。本発明に使用する液晶ポリマーが2種以上の液晶ポリマーをブレンドしたものである場合、上記の好適な範囲はブレンド物が示す溶融粘度に関する。
溶融粘度が40Pa・s未満であるとブロー成形による中空成形体が得られにくくなる傾向があり、5000Pa・sを超えるとやはりブロー成形品による中空成形体が得られにくくなる傾向がある。
液晶ポリマーの溶融粘度は、液晶ポリマーの製造に用いる単量体や開始剤等の種類と組成、重合温度、重合時間などの重合条件を適宜変更することにより調整することができ、例えば反応槽におけるトルク値を観測して重合反応の終点を決定することにより所望の溶融粘度を有する液晶ポリマーを得ることができる。すなわち、同じモノマー組成の液晶ポリマーであっても、重合反応の終点とすべきトルク値を変更することによって得られる液晶ポリマーの溶融粘度を調整することができる。
本発明に使用する液晶ポリマーの一例としては、式[I]~[VI]で表される繰返し単位を含んで構成される全芳香族液晶ポリエステルが好適である。
Figure 0007292157000003
[式中、p、q、r、s、tおよびuは、それぞれ各繰返し単位の液晶ポリマー中での組成比(モル%)を示し、以下の式を満たす:
35≦p≦55、
25≦q≦45、
2≦r≦15、
0≦s≦5、
2≦t≦15、
0≦u≦5、
r≧s。]
本発明に好適に用いられる上記の全芳香族液晶ポリエステルにおいて、式[I]で表される繰返し単位の全芳香族液晶ポリエステルに対する組成比pは、好ましくは35~55モル%、より好ましくは38~53モル%である。また、式[II]で表される繰返し単位の全芳香族液晶ポリエステルに対する組成比qは、好ましくは25~45モル%、より好ましくは28~43モル%である。
本発明に好適に用いられる上記の全芳香族液晶ポリエステルにおいて、式[I]および式[II]で表される繰り返し単位は、p>qの関係を満たすことが好ましく、p/qが1.01~2.0であることがより好ましく、1.03~1.9であることがさらに好ましく、1.08~1.8であることが特に好ましい。
式[I]で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えば4-ヒドロキシ安息香酸ならびに、そのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
式[II]で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えば6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸ならびに、そのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
また、本発明に好適に用いられる上記の全芳香族液晶ポリエステルは、式[III]で表される芳香族ジオキシ繰返し単位を含む。式[III]で表される繰返し単位の全芳香族液晶ポリエステルに対する組成比rは、好ましくは2~15モル%、より好ましくは4~14モル%である。
式[III]で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えば4,4'-ジヒドロキシビフェニルならびに、そのアシル化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
本発明に好適に用いられる上記の全芳香族液晶ポリエステルは、芳香族ジオキシ繰返し単位として、さらに式[IV]で表される繰返し単位を含んでいてもよい。式[IV]で表される繰返し単位の全芳香族液晶ポリエステルに対する組成比sは、好ましくは0~5モル%、より好ましくは1~4モル%である。
芳香族ジオキシ繰返し単位として式[IV]で表される繰返し単位を含む場合、r≧sの関係を満たす。
式[IV]で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えばハイドロキノンならびに、そのアシル化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
また、本発明に好適に用いられる上記の全芳香族液晶ポリエステルは、式[V]で表される芳香族ジカルボニル繰返し単位を含む。式[V]で表される繰返し単位の全芳香族液晶ポリエステルに対する組成比tは、好ましくは2~15モル%、より好ましくは4~14モル%である。
式[V]で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えば2,6-ナフタレンジカルボン酸ならびに、そのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。
本発明に好適に用いられる上記の全芳香族液晶ポリエステルは、芳香族ジカルボニル繰返し単位として、さらに式[VI]で表される繰返し単位を含んでいてもよい。式[VI]で表される繰返し単位の全芳香族液晶ポリエステルに対する組成比uは、好ましくは0~5モル%、より好ましくは1~4モル%である。
芳香族ジカルボニル繰返し単位として式[VI]で表される繰返し単位を含む場合、t≧uの関係を満たすことが好ましい。
式[VI]で表される繰返し単位を与える単量体としては、例えばテレフタル酸およびイソフタル酸ならびに、これらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性の誘導体が挙げられる。これらの中でも、イソフタル酸が好ましい。
すなわち、式[VI]で表される繰返し単位が、以下の式[VII]で表される繰返し単位であることが好ましい。
Figure 0007292157000004
なお、式[I]~式[VI]において、好適には、p+q+r+s+t+u=100である。
また、r+s=t+uであることが好ましい。
式[I]~[VI]で表される繰返し単位を与える上記の各単量体として、それぞれ2種以上の単量体を用いてもよい。
本発明に好適に用いられる上記の全芳香族液晶ポリエステルは、上述した通り、式[I]~[VI]で表される繰返し単位を含んで構成されるが、本発明の目的を損なわない範囲で一般式[I]~[VI]で表される繰返し単位を与える主たる単量体の他に、他の繰り返し単位、すなわち一般式[I]~[VI]で表される繰返し単位以外の繰返し単位を与える単量体を共重合していてもよい。他の繰り返し単位を与える単量体としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシジカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、芳香族アミノカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族メルカプトカルボン酸、芳香族ジチオールおよび芳香族メルカプトフェノールなどが例示される。これらの他の繰り返し単位を与える単量体は、式[I]~[VI]で表される繰返し単位を与える単量体の合計に対し、10モル%以下であることが好ましい。本発明における液晶ポリマーとしては、一般式[I]~[VI]で表される繰返し単位以外の繰返し単位を含まない、すなわち、式[I]~[VI]で表される繰返し単位により構成される全芳香族液晶ポリエステルが特に好適である。
本発明の別の実施形態において、本発明に使用する液晶ポリマーの他の例としては、式[VIII]~[XI]で表される繰返し単位を含んで構成される全芳香族液晶ポリエステルが好適である。
Figure 0007292157000005
[式中、ArおよびArは、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、v、w、xおよびyは、それぞれ、全芳香族液晶ポリエステル中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たすものである:
0.5≦v/w≦2.5
2≦r≦15、および
2≦s≦15。]
上記式[VIII]に係る組成比v(モル%)と式[IX]に係る組成比w(モル%)のモル比(v/w)は、0.6~1.8がより好ましく、0.8~1.6がさらに好ましい。
上記の好適に使用される全芳香族液晶ポリエステルについて、vとwの合計の組成比は、70~96モル%が好ましく、76~90モル%がより好ましい。
上記の好適に使用される全芳香族液晶ポリエステルについて、式[VIII]に係る組成比vと式[IX]に係る組成比wは、それぞれ、32~54モル%が好ましく、36~52モル%がより好ましい。
本発明に好適に使用される全芳香族液晶ポリエステルは、式[VIII]および式[IX]で表される繰り返し単位を、少なくとも上記のモル比(v/w)、および場合により上記のvとwの合計の組成比および/またはvとwのそれぞれの組成比(モル%)で含む。
また、本発明に好適に使用される全芳香族液晶ポリエステルについて、式[X]に係る組成比xと式[XI]に係る組成比yは、それぞれ、2~15モル%が好ましく、5~12モル%がより好ましい。xとyは、等モル量であるのが好ましい。
上記の繰返し単位において、例えばAr(またはAr)が2種以上の2価の芳香族基を表すとは、式[X](または[XI])で表される繰返し単位が全芳香族液晶ポリエステル中に2価の芳香族基の種類に応じて2種以上含まれることを意味する。この場合、式[X]に係る組成比x(または式[XI]に係る組成比y)は、2種以上の繰返し単位を合計した組成比を表す。
式[VIII]で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸およびこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
式[IX]で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸およびこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
式[X]で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
式[XI]で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジオールであるハイドロキノン、レゾルシン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニルエーテルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
また、本発明に好適に使用される全芳香族液晶ポリエステルのなかでも、式[X]および式[XI]で表される繰返し単位に係るArおよびArが、互いに独立して、式(1)~(4)で表される芳香族基からなる群から選択される1種または2種以上を含む全芳香族液晶ポリエステルが、さらに好適に使用される。
Figure 0007292157000006
これらの中でも、式[X]で表される繰返し単位としては、式(1)および式(4)で表される芳香族基が、すなわち、これら繰返し単位を与える単量体として、テレフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸ならびにこれらのエステル形成性誘導体を用いることが、得られる全芳香族液晶ポリエステルの機械物性、耐熱性、結晶融解温度および成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから特に好ましい。
また、式[XI]で表される繰返し単位としては、式(1)および式(3)で表される芳香族基が、すなわち、これら繰返し単位を与える単量体として、ハイドロキノンおよび4,4’-ジヒドロキシビフェニルならびにこれらのエステル形成性誘導体を用いることが、重合時の反応性および得られる全芳香族液晶ポリエステルの機械物性、耐熱性、結晶融解温度および成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから特に好ましい。
上記の繰返し単位において、例えばAr(またはAr)が2種以上の芳香族基を含むとは、式[X](または[XI])で表される繰返し単位が全芳香族液晶ポリエステル中に2価の芳香族基の種類に応じて2種以上含まれることを意味する。この場合、式[X]に係る組成比x(または式[XI]に係る組成比y)は、2種以上の繰返し単位を合計した組成比を表す。
本発明に好適に使用される全芳香族液晶ポリエステルにおいて繰返し単位の組成比の合計[v+w+x+y]が100モル%であることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲において、他の繰返し単位をさらに含有してもよい。式[VIII]~[XI]で表される繰返し単位以外の他の繰返し単位を与える単量体としては、前述したものと同様の単量体が挙げられる。
以下、本発明に使用する液晶ポリマーの製造方法について説明する。
本発明に使用する液晶ポリマーの製造方法に特に制限はなく、前記の単量体の組合せからなるエステル結合やアミド結合などを形成させる公知の重縮合方法、例えば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などを使用することができる。
溶融アシドリシス法とは、本発明で使用する液晶ポリマーの製造方法に使用するのに好ましい方法であり、この方法は、最初に単量体を加熱して反応物質の溶融液を形成し、続いて反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(例えば、酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で反応させる方法であって、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法の何れの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用する重合性単量体成分は、常温において、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。低級アシル基は炭素原子数2~5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。特に好ましくは前記単量体のアセチル化物を反応に使用する方法が挙げられる。
単量体のアシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時に単量体に無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法の何れの場合においても反応時、必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒の具体例としては、ジアルキルスズオキシド(たとえばジブチルスズオキシド)、ジアリールスズオキシドなどの有機スズ化合物;二酸化チタンなどの金属酸化物;三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物;アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物;カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(たとえば酢酸カリウム);ルイス酸(たとえば三フッ化硼素)、ハロゲン化水素(たとえば塩化水素)などの気体状酸触媒などが挙げられる。
触媒の使用割合は、単量体全量に対して通常1~1000ppm、好ましくは2~100ppmである。
このようにして重縮合反応されて得られた液晶ポリマーは、溶融状態で重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工される。
本発明に使用する液晶ポリマーは、任意の成分として、さらに無機および/または有機充填材を含有してもよい。
本発明に使用する液晶ポリマーが含有してもよい、無機および/または有機充填材の具体例としては、例えば、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ドロマイト、クレー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンなどが挙げられ、単独でまたは2種以上を併用してもよい。
これらの中では、タルクが、物性とコストのバランスが優れている点で好ましい。
また、無機および/または有機充填材は、表面処理をされたものであってもよい。表面処理の方法としては、例えば、充填材表面に表面処理剤を吸着させる方法、混練する際に表面処理剤を添加する方法などが挙げられる。
表面処理剤としては、反応性カップリング剤であるシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ボラン系カップリング剤など、潤滑剤である高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤などが挙げられる。
無機および/または有機充填材を配合する場合の含有量は、液晶ポリマー100質量部に対して、1~150質量部であることが好ましく、10~100質量部であることがより好ましい。
無機および/または有機充填材の含有量が1質量部未満であると、樹脂組成物について無機および/または有機充填材による機械強度および耐熱性の向上効果が得られにくく、150質量部を超えると流動性が低下する傾向がある。
本発明に使用する液晶ポリマーには、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の添加剤が添加されてもよい。
他の添加剤の具体例としては、例えば、滑剤である高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10~25のものをいう)など、離型改良剤であるポリシロキサン、フッ素樹脂など、着色剤である染料、顔料、カーボンブラックなど、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、造核剤であるタルク、有機リン酸塩、ソルビトール類など、アンチブロッキング剤、酸化防止剤であるリン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤など、耐候剤、熱安定剤、中和剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独でまたは2種以上を併用することができる。
他の添加剤の合計量は、液晶ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.01~5質量部、より好ましくは0.1~3質量部である。
他の添加剤の合計量が0.01質量部未満であると、添加剤の機能を実現しにくく、5質量部を超えると、樹脂組成物の成形加工の熱安定性が悪くなる傾向がある。
また、上記他の添加剤のうち、滑剤、離型剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を使用する場合は、樹脂組成物を作製する際に添加してもよいし、成形する際に樹脂組成物のペレット表面に付着させてもよい。
本発明に使用する液晶ポリマーは、無機および/または有機充填材、他の添加剤を混合し、バンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度+50℃の温度条件で溶融混練して、ブロー成形に供すべき液晶ポリマー(液晶ポリマー組成物)とすることができる。
本発明のブロー成形は、一般的に熱可塑性樹脂のブロー成形に用いられるブロー成形機を使用し、通常の方法で行うことができる。具体的には、ダイレクトブロー成形、インジェクションブロー成形などが挙げられる。
成形方法としてインジェクションブロー成形を用いる場合、例えば、上記で得られた結晶融解温度が250℃以下である液晶ポリマーを融解し、射出成形により試験管状のパリソンを成形する。得られた液晶ポリマーのパリソンを金型に嵌め、内部にエアを吹き込んで膨らませた後、冷却固化し、中空成形体に成形される。エアを吹き込む際の圧力は0.1~3MPaであるのが好ましく、0.3~2MPaであるのがより好ましい。
本発明において、所定の溶融粘度を有する、好適には結晶融解温度が250℃以下である液晶ポリマーをブロー成形することによって、外観が良好な、とりわけ均一な厚みを有し、好適にはガスバリア性が改善され、さらには耐熱性および耐薬品性に優れた成形品を得ることができる。
本発明のブロー成形品の形状は限定されないが、食品保存用途や医療用途などの容器やボトルなどの中空成形体であるのが好ましい。具体的には、チューブ形状、ボトル形状、タンク形状などが挙げられる。
本発明のブロー成形品は、米製品、加工食品、惣菜、漬物類、和菓子、洋菓子、ジュース、酒類、調味料などの飲食品、整髪料、ファンデーション、香水などの化粧品、手洗い用洗剤、洗顔用洗剤、台所用洗剤、洗濯用洗剤、シャンプー、リンスなどの各種洗剤など、様々な内容物を保存する容器またはボトルとして使用可能である。
また、本発明のブロー成形品である容器やボトルは、その用途に応じて、例えば、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例において、下記の略号は以下の化合物を表す。
LCP:液晶ポリマー
POB:4-ヒドロキシ安息香酸
BON6:6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸
BP:4,4’-ジヒドロキシビフェニル
HQ:ハイドロキノン
NDA:2,6-ナフタレンジカルボン酸
IPA:イソフタル酸
TPA:テレフタル酸
(液晶ポリマーの合成)
[合成例1(LCP-1)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:386.0g(43モル%)、BON6:403.6g(33モル%)、BP:145.2g(12モル%)、NDA:126.0g(9モル%)およびIPA:32.4g(3モル%)を仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下に室温から150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去させつつ210℃まで速やかに昇温し、同温度にて30分間保持した。その後、340℃まで4時間かけ昇温した後、80分かけ10mmHgにまで減圧を行なった。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られた液晶ポリマー(LCP-1)の結晶融解温度は184℃、溶融粘度は1121Pa・sであった。
[合成例2(LCP-2)]
重合反応終了時のトルクを合成例1におけるトルクの10%に変更したこと以外は合成例1と同様にして、液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたポリマー(LCP-2)の結晶融解温度は183℃、溶融粘度は29Pa・sであった。
[合成例3(LCP-3)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:276.2g(40モル%)、BON6:376.4g(40モル%)、HQ:55.1g(10モル%)およびTPA:83.1g(10モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.025倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下に室温から150℃まで1時間かけて昇温し、同温にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ210℃まで速やかに昇温し、同温にて30分間保持した。その後、3時間かけて335℃まで昇温した後、30分かけて20mmHgにまで減圧した。所定のトルク(合成例1と同じトルク値)を示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られた液晶ポリマー(LCP-3)の結晶融解温度は218℃、溶融粘度は90Pa・sであった。
[合成例4(LCP-4)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:323.2g(36モル%)、BON6:48.9g(4モル%)、TPA:323.9g(30モル%)、BP:169.4g(14モル%)およびHQ:114.5g(16モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下に室温から145℃まで1時間かけて昇温し、145℃で30分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ350℃まで7時間かけて昇温した後、80分かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルク(合成例1と同じトルク値)を示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られた液晶ポリマー(LCP-4)の結晶融解温度は335℃、溶融粘度は17Pa・sであった。
(ブロー成形品の成形)
合成例1~4で作製したLCP1~4について、それぞれ射出成形機(日精樹脂工業(株)製FNX140)を用いて、シリンダー温度を液晶ポリマーの結晶融解温度+20~+60℃となるようにして溶融射出し、試験管状のパリソンを成形した。
実施例1
LCP-1から得たパリソンについて、ブロー成形機((株)フロンティア製FMB-1)を用いて、表面温度が140℃となるように加熱し、金型で挟み込み、エアを吹き込んでパリソンを膨らましながら延伸させることによって、中空成形体(底面と側面を備える胴径50mm、口径25mm、高さ126mm、容量163mLの円筒状ボトル)を得た。
得られた中空成形体は、全体的に均一な厚みを有し、外観が良好なものであった。
実施例2
LCP-3から得たパリソンについて、ブロー成形機((株)フロンティア製FMB-1)を用いて、表面温度が180℃となるように加熱し、金型で挟み込み、エアを吹き込んでパリソンを膨らましながら延伸させることによって、中空成形体(底面と側面を備える胴径50mm、口径25mm、高さ126mm、容量163mLの円筒状ボトル)を得た。
得られた中空成形体は、底部の厚みに若干バラツキがあるものの外観の良好なものであった。
比較例1
LCP-2のパリソンについて、ブロー成形機((株)フロンティア製FMB-1)を用いて、表面温度が140℃となるように加熱し、金型で挟み込み、パリソンにエアを吹き込んだが、パリソンに穴が開いたため膨らまず、中空成形体を得ることができなかった。
比較例2
LCP-4のパリソンについて、ブロー成形機((株)フロンティア製FMB-1)を用いて、表面温度が280℃となるように加熱し、金型で挟み込み、パリソンにエアを吹き込んだが、パリソンに穴が開いたため膨らまず、中空成形体を得ることができなかった。

Claims (8)

  1. 剪断速度1000sec-1の条件下で測定した結晶融解温度+20℃における溶融粘度が40Pa・s以上5000Pa・s以下である液晶ポリマーから構成されるブロー成形品であって、
    前記液晶ポリマーは、式[I]~[VI]
    Figure 0007292157000007
    [式中、p、q、r、s、tおよびuは、それぞれ各繰返し単位の液晶ポリマー中での組成比(モル%)を示し、以下の式を満たす:
    35≦p≦55、
    25≦q≦45、
    2≦r≦15、
    0≦s≦5、
    2≦t≦15、
    0≦u≦5、
    r≧s]
    で表される繰返し単位を含んで構成される全芳香族液晶ポリエステルである、ブロー成形品
  2. 前記液晶ポリマーは、結晶融解温度が250℃以下である、請求項1に記載のブロー成形品。
  3. 式[VI]で表される繰返し単位は、式[VII]
    Figure 0007292157000008
    で表される繰返し単位である、請求項1または2に記載のブロー成形品。
  4. さらにp>qを満たす、請求項1~3のいずれかに記載のブロー成形品。
  5. ブロー成形品は容器またはボトルである、請求項1~のいずれかに記載のブロー成形品。
  6. 請求項1~のいずれかに記載のブロー成形品を得るためのパリソン。
  7. 請求項に記載のパリソンにエアを吹き込むブロー工程を含む、ブロー成形品の製造方法。
  8. 剪断速度1000sec-1の条件下で測定した結晶融解温度+20℃における溶融粘度が40Pa・s以上~5000Pa・s以下である液晶ポリマーを融解してパリソンを成形するパリソン成形工程と、
    成形されたパリソンを金型で挟み、パリソンにエアを吹き込むブロー工程と
    を含む、請求項1~のいずれかに記載のブロー成形品の製造方法。
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