JP7291500B2 - 土木構造物の構築用の間詰体及び間詰方法 - Google Patents

土木構造物の構築用の間詰体及び間詰方法 Download PDF

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本発明は、土木構造物における間詰体及び間詰方法に関し、例えばプレロードシェル工法に用いられる間詰体及び間詰方法に関する。
例えばNATM(New Austrian Tunneling Method)工法によるトンネル施工においては、地山を掘削し、その掘削孔の内壁に沿って支保工を建て込む。支保工は地山からの荷重を受ける。一方、建て込み時の支保工と掘削孔の内壁との間には不可避的に間隙が形成される。これを埋めなければ地山が間隙の厚み分だけ沈下するおそれがある。このような沈下を抑制して地山を安定させるものとしてプレロードシェル工法が知られている。
プレロードシェル工法においては、袋体を用意し、該袋体を前記間隙にセットする。続いて、袋体の内部に無収縮モルタル又はコンクリートからなる充填剤を充填することによって袋体を膨張させ、間詰体を形成する。これによって、支保工と地山が一体化され、支保能力を発揮することができる。
特開平10-231700号公報
従来のプレロードシェル工法においては、無収縮モルタル又はコンクリートからなる充填剤が硬化して所要の圧縮強度が発現されるまで数日~1週間以上を要する。このため、工期が長くなる。
本発明は、かかる事情に鑑み、トンネルその他の各種土木構造物を構築するにあたって形成される間隙に間詰体を設ける際、その充填剤が短時間で所要の圧縮強度を発現するようにして、土木構造物の施工の工期を短縮することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明物は、土木構造物における間隙に設けられる間詰体であって、
袋体と、前記袋体に充填される充填剤とを備え、
前記充填剤が、充填時には流動性を有し、充填後に硬化反応を起こす熱硬化性樹脂を含み、かつ硬化後の圧縮強度が10N/mm以上であることを特徴とする。
前記熱硬化性樹脂が、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記熱硬化性樹脂の発泡倍率が0倍~3倍であることが好ましい。
前記硬化後の圧縮強度が、10N/mm~50N/mmであることが好ましい。ここで、「硬化後の圧縮強度」とは、充填剤が所要の硬さになったときの圧縮強度であればよく、最終強度に限らない。
前記圧縮強度の最終強度発現時間が、1時間以内であることが好ましい。
前記間詰体は、圧縮力を受けるものであることが好ましい。
本発明方法は、前記間詰体を用いた間詰方法であって、
土木構造物における間隙に前記間詰体の袋体を設け、
流動状態の前記充填剤を前記袋体に充填して、袋体の内部において前記硬化反応を起こさせることを特徴とする。
前記土木構造物が、地山の掘削面に沿うアーチ状の支保工、及び前記地山に打ち込まれる先受け鋼管を含むトンネルであり、前記支保工と地山又は先受け鋼管との間に前記間詰体を設けることが好ましい。
前記土木構造物が、シールドトンネルにおけるエントランス装置を含む発進部、到達部又は引抜き部であり、前記エントランス装置が、環状の枠部と、環状の止水シールとを含み、前記止水シールの外周部が前記枠部に固定されており、前記止水シールの内周部が前記エントランス装置内を通過時のシールドマシンの外周面に密着され、
前記間詰体が、前記枠部の内周面と、前記止水シールの内周部ないしは前記シールドマシンの外周面とによって画成された間隙に配置されてもよい。
本発明によれば、間詰体の充填剤として熱硬化性樹脂を用いることによって、無収縮モルタル又はコンクリートよりも短時間で所要の圧縮強度が発現されるようにできる。したがって、土木構造物の施工の工期を短縮することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る間詰体を用いたNATMトンネルの施工現場の側面断面図である。 図2は、図1のII-II線に沿う、前記NATMトンネルの正面断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態を示し、ダブル支保構造のNATMトンネルの正面断面図である。 図4は、本発明の第3実施形態を示し、ダブルリング覆工構造のシールドトンネルの正面断面図である。 図5は、本発明の第4実施形態を示し、NATMトンネルの施工現場の側面断面図である。 図6は、本発明の第5実施形態を示し、シールドトンネルの発進部の施工現場の側面断面図である。 図7は、図6のVII-VII線に沿う正面断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2は、AGF(All Ground Fasten)工法を補助工法として含むNATM工法によって施工中のトンネル1(土木構造物)を示したものである。地山2に掘削孔2cが形成されてトンネル1が構築されている。トンネル1の軸方向の一定間隔(例えば1m)置きに支保工10が設けられている。支保工10は、H型断面の鋼材からなり、掘削孔2cの上半部の掘削面2aの周方向に沿うアーチ状に形成されている。
図1に示すように、隣接する支保工10間の掘削面2aには、吹付コンクリート3が吹付けられている。
さらに図2において二点鎖線にて示すように、支保工10及び吹付コンクリート3の内周側には、二次覆工4が構築される。
図1及び図2に示すように、支保工10の上方ないしは外周側の地山2には、複数の長尺の先受け鋼管11が打ち込まれている。各先受け鋼管11は、トンネル軸線L1に対して掘進前方側(図1において左側)へ向かうにしたがってトンネル外周側へ少し傾斜された角度をなしている。複数の先受け鋼管11が、トンネル軸方向に支保工10の配置間隔の数倍~十数倍の配置間隔(例えば9m~10m)置きに設置され(図1)、かつトンネル1の周方向に間隔を置いて並べられている(図2)。先受け鋼管11の基端部11bは、対応する支保工10の内周側に配置されている。管11の基端部11bは、支保工10の建て込み等の支障となるときは撤去してもよい。
なお、図においては、作図の都合上、支保工10の幅、先受け鋼管11の傾斜角度などは誇張されている。また、トンネル軸方向に沿う先受け鋼管11の配置間隔は、支保工10の配置間隔に対して実際より短縮されている。
先受け鋼管11のまわりの地山2には、注入材13が注入されている。注入材13の材質としては、シリカレジン、モルタル、セメントミルクが挙げられ、好ましくはシリカレジンである。
図1及び図2に示すように、支保工10の外周面と掘削面2aとの間には間隙1gが形成されている。間隙1gに間詰体20が設けられている。間詰体20は、支保工10の周方向に延びるとともに、地山2と支保工10との間、又は先受け鋼管11と支保工10との間に挟まれている。
なお、図1及び図2において、間隙1g及び間詰体20の厚みは誇張されている。
間詰体20は、袋体21と、充填剤22を含む。袋体21は、支保工10の周方向に延びている。袋体21によって間詰体20の外郭部が画成されている。袋体21の材質は、通気性を有し、かつ液体の透過を阻止するものであることが好ましく、100℃程度までの耐熱性、耐薬品性を有していることがより好ましく、織布製または不織布製でもよく、気密性袋に微細な通気孔を形成したものであってもよい。
袋体21の内部に充填剤22が充填されている。充填剤22は、有機系組成物によって構成され、充填時には流動性を有し、充填後に硬化反応によって硬化したものである。
硬化した充填剤22の圧縮強度は、10N/mm以上であり、好ましくは10N/mm~50N/mmであり、より好ましくは18N/mm~40N/mmである。
充填剤22の圧縮強度の最終強度発現時間は、1時間以内であり、好ましくは30分以内である。
具体的には、充填剤22は、熱硬化性樹脂によって構成されている。熱硬化性樹脂としては、ウレタン系樹脂(ウレタン、シリカレジンなど)、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
ここでは、充填剤22として、ウレタン系樹脂が用いられている。ウレタン系樹脂は、A液とB液を出発物質とし、これらA液とB液が混合されることによって硬化反応を起こして硬化される。好ましくは、充填剤22を構成するウレタン系樹脂の出発物質は、珪酸ソーダ溶液を主成分とするA液と、イソシアネート化合物を主成分とするB液を含む。
珪酸ソーダ溶液としては、NaO・2SiO・aq(珪酸ソーダ1号 モル比2)、2NaO・5SiO・aq(珪酸ソーダ2号 モル比2.5)、NaO・3SiO・aq(珪酸ソーダ3号 モル比3)、NaO・nSiO・aq(特殊珪酸ソーダ モル比1.7~4)等が挙げられる。Naに対するSiOのモル比は2.0~3.0が好ましい。
珪酸ソーダ溶液の20℃雰囲気中での比重は、1.25~1.75程度である。
珪酸ソーダ溶液の25℃雰囲気中の粘度は、各々500mPa・s以下、好ましくは10~500mPa・s、より好ましくは40~250mPa・sである。
A液には、珪酸ソーダ溶液の他、触媒、水、ポリオール、界面活性剤、難燃剤などの添加成分が含まれていてもよい。
イソシアネート化合物としては、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を含む化合物であるジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ポリトリレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、ポリイソシアネートのイソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。
イソシアネート化合物の20℃雰囲気中の比重は、1.1~1.4程度である。
イソシアネート化合物の25℃雰囲気中の粘度は、各々500mPa・s以下、好ましくは10~500mPa・s、より好ましくは40~250mPa・sである。
B液には、イソシアネート化合物の他、触媒、水、ポリオール、界面活性剤、難燃剤などの添加成分が含まれていてもよい。
A液とB液の混合比(重量比)は、0.6:1.4~1.4:0.6であり、好ましくは0.8:1.2~1.2:0.8であり、より好ましくは1:1程度である。
ウレタン系樹脂は、ほぼ無発泡であることが好ましい。ウレタン系樹脂の発泡倍率は、好ましくは0~3倍程度である。発泡倍率は、発泡剤の配合比によって調整可能である。発泡剤の配合比を小さくするか発泡剤を添加しないことによって、ウレタン系樹脂をほぼ無発泡にすることができる。
支保工10の下端部には、間詰体30が設けられている。間詰体30は、トンネル軸方向に複数の支保工10に跨るように延びるとともに、これら複数の支保工10の下端のベースプレート10bと掘削孔2cの底部掘削面2bとの間に挟まれている。言い換えると、支保工10の下端部と底部掘削面2bとの間に間隙1hが形成され、該間隙1hに間詰体30が設けられている。
なお、図1及び図2において、間隙1h及び間詰体30の厚みは誇張されている。
間詰体30は、袋体31と、充填剤32を含む。袋体31は、トンネル軸方向に延びている。袋体31によって間詰体30の外郭部が画成されている。袋体31の材質は、袋体21と同様であり、通気性を有し、かつ液体の透過を阻止するものであることが好ましく、100℃程度までの耐熱性、耐薬品性を有していることがより好ましく、織布製または不織布製でもよく、気密性袋に微細な通気孔を形成したものであってもよい。
充填剤32は、充填剤22と同様に熱硬化性樹脂によって構成されており、充填時には流動性を有し、充填後の硬化反応によって短時間で所要の圧縮強度を発現する。好ましくは充填剤32の材質はウレタン系樹脂である。
トンネル1は次のようにして構築される。
図示しない掘削機によって地山2を掘削することで掘削孔2cを掘進する。
該掘削孔2cに新たな支保工10を搬入する。支保工10の外周には、建て込み前に袋体21を設置しておく。また、底部掘削面2bにおける支保工10のベースプレート10bが配置されるべき位置には、支保工10の建て込み前に袋体31を設置しておく。
掘削が所定距離(例えば1m)進むたびに、切羽1eの直近における掘削面2aに沿って新たな支保工10を建て込む。該支保工10の外周面と掘削面2aとの間には不可避的に間隙1gが形成される。該隙間1g内に袋体21が配置される。袋体21は、支保工10の外周面と掘削面2aとの間に挟まれる。あらかじめ支保工10の外周に袋体21を設けておくことで、支保工10の建て込み後に袋体21を間隙1g内に差し込む必要がない。
また、支保工10のベースプレート10bと底部掘削面2bとの間に袋体31が挟まれる。あらかじめ袋体31を底部掘削面2bに敷設しておくことで、支保工10の建て込み後に袋体31を支保工10と底部掘削面2bとの間に差し込む必要がない。
次に、袋体21に充填剤22を流動状態で充填して硬化させる。詳しくは、充填剤22の出発物質のA液及びB液を袋体21に注入する。注入に伴って袋体21が膨張する。袋体21の内部においては、A液及びB液が混合されて硬化反応を起こし、硬いウレタン系樹脂が生成される。該ウレタン系樹脂からなる充填剤22は、短時間で十分に硬化して、所要の圧縮強度を発現する。
圧縮強度は、具体的には、前記注入開始(硬化反応の開始)から20分~30分程度、長くても1時間以内に10N/mm以上、好ましくは10N/mm~50N/mm程度となり、より好ましくは18N/mm~40N/mm程度となる。この硬化反応の時間は、モルタルやコンクリートの水和反応による硬化時間(数日~1週間以上)と比べると十分に短い。
充填剤22をほぼ無発泡(発泡倍率0倍~3倍)とすることによって、圧縮強度を十分に高めることができる。
硬化反応時に発生したガス成分は、袋体21の通気孔から放出される。
袋体21に耐熱性を持たせることによって、硬化反応時の発熱による袋体21の熱損傷を防止できる。
前記袋体21と硬化した充填剤22とによって間詰体20が形成される。間詰体20は、支保工10の外周面及び掘削面2aに強く押し当てられて圧縮される。これによって、支保工10と地山2が間詰体20を介して一体化され、支保工10が支保能力を発揮することができる。
さらに、一部の間詰体20は、先行して打設された先受け鋼管11にも押し当てられる。
同様にして、底部の袋体31に充填剤32を流動状態で充填して硬化させ、間詰体30を形成する。間詰体30は、ベースプレート10b及び底部掘削面2bに強く押し当てられて圧縮される。間詰体30は、ベースプレート10bより面積が大きいから、支保工10の荷重を分散させることができ、支保工10の沈下を防止できる。ひいては、支保工10の支保能力を確実に発揮させることができる。
なお、充填剤32の注入工程は、袋体31が跨る複数の支保工10を建て込むごとに行うことにしてもよい。
続いて、掘削面2aに吹付コンクリート3を吹き付ける。また、トンネル軸方向の位置によっては、先受け鋼管11を掘進方向前方の地山2に打ち込み、かつ注入材13を先受け鋼管11の管壁の注入孔(図示せず)から周りの地山2に注入する。
さらに、二次覆工4を構築する。また、掘削孔2cの掘進を再開する。
前述したように、充填剤22,32が短時間で所要の圧縮強度を発現するまで硬化するために、後続の工程を速やかに開始することができる。この結果、トンネル1の構築に要する工期を短縮することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態に係るトンネル1B(土木構造物)においては、支保工40が、外周側のアーチ状の支保工41と、内周側のアーチ状の支保工42とのダブル構造になっている。外周側の支保工41は、地山2の掘削面2aに沿っている。該支保工41の内周に沿って、内周側の支保工42が設置されている。支保工40をダブルにすることによって、支保強度が高まる。
外周側の支保工41と掘削面2aとの間の間隙1gには、第1実施形態と同様の間詰体20が設けられている。各支保工41,42の下端ベースプレート41b,42bと底部掘削面2bとの間には、間詰体30が設けられている。
2つの支保工41,42の間には間隙40gが形成されている。間隙40gに間詰体43が設けられている。
なお、図3において、間隙40g及び間詰体43の厚みは誇張されている。
間詰体43は、袋体43aと、充填剤43bを含む。袋体43aは、支保工41,42の周方向に延びている。袋体43aの材質は、袋体21と同様であり、通気性を有し、かつ液体の透過を阻止するものであることが好ましく、100℃程度までの耐熱性、耐薬品性を有していることがより好ましく、織布製または不織布製でもよく、気密性袋に微細な通気孔を形成したものであってもよい。
袋体43aの内部に充填剤43bが充填されている。充填剤43bは、第1実施形態の充填剤22と同様に熱硬化性樹脂によって構成されており、充填時には流動性を有し、充填後の硬化反応によって短時間で所要の圧縮強度を発現する。好ましくは充填剤43bの材質はウレタン系樹脂である。
前記充填剤43bの充填、硬化によって、間詰体43が両側の支保工41,42に強く押し当てられている。支保工41,42どうしが間詰体43を介して一体化されることによって、ダブル支保工としての支保能力を発揮することができる。
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態を示したものである。
第3実施形態に係るトンネル1C(土木構造物)は、ダブルリング覆工50を備えたシールドトンネルである。ダブルリング覆工50は、外周側リング51と、内周側リング52を含む。外周側リング51は、環状の掘削面2aの内周に沿って複数の断面円弧状のセグメント51aを環状に組むことによって構成されている。内周側リング52は、外周側リング51の内周に沿って複数の断面円弧状のセグメント52aを環状に組むことによって構成されている。外周側リング51及び内周側リング52どうしの間には環状の間隙50gが形成されている。間隙50gに間詰体53が設けられている。
なお、図4において、間隙50g及び間詰体53の厚みは誇張されている。
間詰体53は、袋体53aと、充填剤53bを含む。袋体53aは、間隙50gの周方向ひいてはダブルリング覆工50の周方向に沿って環状に延びている。袋体53aによって間詰体53の外郭部が画成されている。袋体53aひいては間詰体53が、ダブルリング覆工50の周方向に複数に分割されていてもよい。袋体53aの材質は、第1実施形態の袋体21と同様であり、通気性を有し、かつ液体の透過を阻止するものであることが好ましく、100℃程度までの耐熱性、耐薬品性を有していることがより好ましく、織布製または不織布製でもよく、気密性袋に微細な通気孔を形成したものであってもよい。
袋体53aの内部に充填剤53bが充填されている。充填剤53bは、第1実施形態の充填剤22と同様に熱硬化性樹脂によって構成されており、充填時には流動性を有し、充填後の硬化反応によって短時間で所要の圧縮強度を発現する。好ましくは充填剤53bの材質はウレタン系樹脂である。
前記充填剤53bの充填、硬化によって、間詰体53が外周側リング51及び内周側リング52に強く押し当てられている。リング51,52どうしが間詰体53を介して一体化されることによって、ダブルリング覆工50の強度を確実に高めることができる。
<第4実施形態>
図5は、本発明の第4実施形態を示したものである。
第4実施形態においては、第1実施形態(図1)と同様のNATM工法によって施工中のトンネル1の補助工法としてAGF-Φ工法が採用されている。AGF-Φ工法では、先受け鋼管11の基端部11bが、対応する1の支保工10と交差している。該支保工10のウエブには、先受け鋼管11の基端部11bを通すガイド10dが設けられている。
<第5実施形態>
図6及び図7は、本発明の第5実施形態を示したものである。第5実施形態では、間詰体70が、図6の二点鎖線にて示すシールドトンネル60の発進部60a(土木構造物)の止水用チューブとして用いられている。
詳しくは、図6に示すように、シールドトンネル60の発進立坑61の下端の周壁に発進口61aが形成されている。発進口61aを通して地山2の発進時切羽面2eが露出されている。
図6に示すように、発進立坑61における発進口61aの周りの周壁にエントランス装置62が設けられている。エントランス装置62は、枠部63と、止水部材64を含む。図6及び図7に示すように、枠部63は、発進口61aの周縁に沿う環状に形成されている。枠部63に止水部材64が取り付けられている。止水部材64は、複数のプレート65と、止水シール66を含む。複数のプレート65が、枠部63の周方向に沿って環状に配置されている。プレート65は、ヒンジ67を介して枠部63に回転可能に支持されている。ヒンジ67の軸線は、環状の枠部63の接線方向に沿っている。
図6に示すように、プレート65における発進時切羽面2eを向く側面に止水シール66が設けられている。止水シール66は、ゴムなどの止水性の軟質材によって構成され、枠部63の周方向に沿う環状のシート状に形成されている。止水シール66の外周部66aが、枠部63に固定されている。止水シール66の内周部66bは、プレート65よりも内周側へ延び出ている。
止水部材64より発進時切羽面2e側(図6において右側)における枠部63の内周面には間詰体70が設けられている。間詰体70は、袋体71と、充填剤72を含む。図7に示すように、袋体71は、枠部63の周方向に沿って環状に延びている。図7においては、袋体71ひいては間詰体70は、閉環状(ドーナツ状)に形成されているが、周方向の一箇所で途切れた開環状(C字状)に形成されていてもよい。袋体71ひいては間詰体70が、枠部63の周方向に複数に分割されていてもよい。
袋体71は、好ましくは気密性のゴム又は樹脂によって構成されており、液体はもちろん気体の透過をも阻止する。袋体71は、100℃程度までの耐熱性、耐薬品性を有していることがより好ましい。
図6に示すように、袋体71にガス抜き路73が接続されている。ガス抜き路73にはバルブ74が設けられている。
バルブ74に代えてガス抜き用キャップが設けられていてもよい。
ゴム製又は樹脂製の気密性の袋体71に微細な通気孔が形成されていてもよい。
袋体71が織布や不織布などの通気性材質によって構成されていてもよい。
袋体71の内部に充填剤72が充填されている。充填剤72は、第1実施形態の充填剤22と同様に熱硬化性樹脂によって構成されており、充填時には流動性を有し、充填後の硬化反応によって短時間で所要の圧縮強度を発現する。好ましくは、充填剤72は、硬化反応開始から1時間以内に10N/mm以上、好ましくは10N/mm~50N/mm程度の圧縮強度を発現する。好ましくは充填剤72の材質はウレタン系樹脂である。
充填剤72を袋体71内に充填して発泡させるタイミングは、好ましくは後記シールドマシンMがエントランス装置62内を通過する前であるが、通過中であってもよい。袋体71が充填剤72による内圧で膨張されることで、間詰体70が枠部63の内周面に圧接されるようになっていてもよい。
充填剤72の発泡時に発生するガス成分はガス抜き路73から外部へ放出される。
図6に示すように、シールドトンネル60の発進施工時は、シールドマシンMを発進立坑61に設置して発進時切羽面2eへ向けて前進させる。すると、シールドマシンMがエントランス装置62の枠部63内を通過する。このとき、止水部材64が、シールドマシンMの外周面に当たって発進時切羽面2eの側へ傾き、止水シール66が間詰体70に押し当てられるとともに、該止水シール66の内周部66bがシールドマシンMの外周面に全周にわたって密着される。
言い換えると、枠部63の内周面と、止水シール66の内周部66bないしはシールドマシンMの外周面との間に環状の間隙68が画成され、該間隙68に間詰体70が配置されて圧縮される。このため、止水シール66が、シールドマシンMの外周面と間詰体70との間に強く挟み付けられ、シールドマシンMの外周面に強く密着される。これによって、地下水が地山2から間隙68に流れ込んできたとしても、止水シール66によって確実に止水することができ、地下水が発進立坑61内に侵入するのを防止できる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、施工手順は適宜改変できる。支保工10を建て込んで間隙1gを形成した後で、該間隙1gに袋体21を差し込んでもよい。
本発明の間詰体は、トンネルに限らず、立坑、函渠などに形成される間隙の間詰体にも適用できる。第5実施形態では間詰体70をシールドトンネル60の発進部60aの止水用チューブとして用いているが、間詰体70をシールドトンネルの到達部や引抜き部における止水用チューブとして用いてもよい。
土木構造物の新設時に限らず、補修時に形成される間隙の間詰にも適用できる。第2実施形態のトンネルは、新設時に限らず補修時にダブル支保構造またはトリプル支保構造としてもよい。
本発明は、例えばAGF工法を補助工法とするNATM工法によるトンネル施工に適用できる。
1 トンネル(土木構造物)
1B,1C トンネル(土木構造物)
1g 間隙
1h 間隙
2 地山
10 支保工
11 先受け鋼管
20 間詰体
21 袋体
22 充填剤
30 間詰体
31 袋体
32 充填剤
40 支保工
40g 間隙
43 間詰体
43a 袋体
43b 充填剤
50g 間隙
53 間詰体
53a 袋体
53b 充填剤
60 シールドトンネル
60a 発進部
61 発進立坑
61a 発進口
62 エントランス装置
63 枠部
64 止水部材
65 プレート
66 止水シール
66a 外周部
66b 内周部
67 ヒンジ
68 間隙
70 間詰体
71 袋体
72 充填剤
73 ガス抜き路
74 バルブ
M シールドマシン

Claims (6)

  1. 土木構造物を構築するにあたって形成される間隙に設けられる間詰体であって、
    袋体と、前記袋体に充填される充填剤とを備え、
    前記充填剤が、充填時には流動性を有し、充填後に硬化反応を起こす熱硬化性樹脂を含み、かつ硬化後の圧縮強度が10N/mm以上であり、前記熱硬化性樹脂が、発泡剤無添加で発泡倍率0倍の無発泡ウレタン系樹脂であり、前記硬化反応前の前記無発泡ウレタン系樹脂が、珪酸ソーダ及びイソシアネート化合物を含み、前記珪酸ソーダが、Na OとSiO を含み、かつNa Oに対するSiO のモル比が2.0~3.0であることを特徴とする間詰体。
  2. 前記充填剤が所要の硬さになったときの圧縮強度が、10N/mm~50N/mmであることを特徴とする請求項1に記載の間詰体。
  3. 前記充填剤が硬化反応開始から前記所要の硬さになるまでの時間が、1時間以内であることを特徴とする請求項に記載の間詰体。
  4. 請求項1~の何れか1項に記載の間詰体を用いた間詰方法であって、
    土木構造物を構築するにあたって形成される間隙に前記間詰体の袋体を設け、
    流動状態の前記充填剤を前記袋体に充填して、袋体の内部において前記硬化反応を起こさせることを特徴とする間詰方法。
  5. 前記土木構造物が、地山の掘削面に沿うアーチ状の支保工、及び前記地山に打ち込まれる先受け鋼管を含むトンネルであり、前記支保工と地山又は先受け鋼管との間に前記間詰体を設けることを特徴とする請求項に記載の間詰方法。
  6. 前記土木構造物が、シールドトンネルであり、前記シールドトンネルの発進部、到達部又は引抜き部に設けられたエントランス装置が、環状の枠部と、環状の止水シールとを含み、前記止水シールの外周部が前記枠部に固定されており、前記止水シールの内周部が前記エントランス装置内を通過時のシールドマシンの外周面に密着され、
    前記間詰体が、前記枠部の内周面と、前記止水シールの内周部ないしは前記シールドマシンの外周面とによって画成された間隙に配置されることを特徴とする請求項に記載の間詰方法。
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