JP7291473B2 - 車両制御システムおよび車両制御方法 - Google Patents

車両制御システムおよび車両制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、モータを有する車両を制御する車両制御システム、およびそのような車両を制御する車両制御方法に関する。
自動車等の車両では、電気自動車やハイブリッド自動車などのように、モータやインバータなどのパワーエレクトロニクス部品を備えるものがある。特許文献1には、例えばモータの発熱量を予測し、モータの温度が所定温度を超過することが予測される場合に、事前にモータの出力制限を行い、または事前にモータを冷却する技術が開示されている。
特開2004-324613号公報
このような車両では、例えば運転者、市街地の道路や高速道路などの道路種別、渋滞の有無などの道路状況、外気温度などが異なる様々な条件において、適切にモータを冷却することが望まれている。
適切にモータを冷却することができる車両制御システムおよび車両制御方法を提供することが望ましい。
本開示の一実施の形態に係る第1の車両制御システムは、サーバと、車両制御装置とを備えている。車両制御装置は、モータを有する車両に搭載可能である。サーバまたは車両制御装置は、第1のデータベースに基づいて、車両の予定走行ルートにおけるモータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行う。第1のデータベースは、車両に対応づけられ、車両のモータのモータ発熱量に関連する情報を含む。サーバまたは車両制御装置は、推定発熱量の推移に基づいて、予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行う。サーバまたは車両制御装置は、車両が冷却地点に到達したときに、モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行う。モータ発熱量に関連する情報は、モータ発熱量またはモータ出力値を含む。サーバは、渋滞情報を含む第2のデータベースを有する。第1のデータベースには、モータ発熱量に関連する情報が、渋滞情報に含まれる渋滞の程度により区分されて記憶される。第1の処理は、第2のデータベースに基づいて、予定走行ルートにおける渋滞情報を取得し、第1のデータベース、および取得した渋滞情報に基づいて、推定発熱量の推移を算出する処理である。
本開示の一実施の形態に係る第2の車両制御システムは、サーバと、車両制御装置とを備えている。車両制御装置は、モータを有する車両に搭載可能である。サーバまたは車両制御装置は、第1のデータベースに基づいて、車両の予定走行ルートにおけるモータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行う。第1のデータベースは、車両に対応づけられ、車両のモータのモータ発熱量に関連する情報を含む。サーバまたは車両制御装置は、推定発熱量の推移に基づいて、予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行う。サーバまたは車両制御装置は、車両が冷却地点に到達したときに、モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行う。モータ発熱量に関連する情報は、モータ発熱量またはモータ出力値を含む。サーバは、道路情報を含む第3のデータベースを有する。記第1のデータベースには、モータ発熱量に関連する情報が、道路情報に含まれる複数の道路種別により区分されて記憶される。第1の処理は、第3のデータベースに基づいて、予定走行ルートにおける道路情報を取得し、第1のデータベース、および取得した道路情報に基づいて、推定発熱量の推移を算出する処理である。
本開示の一実施の形態に係る第3の車両制御システムは、サーバと、車両制御装置とを備えている。車両制御装置は、モータを有する車両に搭載可能である。サーバまたは車両制御装置は、第1のデータベースに基づいて、車両の予定走行ルートにおけるモータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行う。第1のデータベースは、車両に対応づけられ、車両のモータのモータ発熱量に関連する情報を含む。サーバまたは車両制御装置は、推定発熱量の推移に基づいて、予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行う。サーバまたは車両制御装置は、車両が冷却地点に到達したときに、モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行う。モータ発熱量に関連する情報は、モータ発熱量と基準発熱量との差分を示す差分発熱量についての情報である。モータ発熱量は、単位走行距離あたりのモータの発熱量である。基準発熱量は、車両が、道路をその道路の制限車速で走行するときの、単位走行距離あたりのモータの発熱量の推定値である。
本開示の一実施の形態に係る第1の車両制御方法は、サーバと、モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置とを備えた車両制御システムが、車両に対応づけられ車両のモータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、車両の予定走行ルートにおけるモータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行うことと、車両制御システムが、推定発熱量の推移に基づいて、予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行うことと、車両制御システムが、車両が冷却地点に到達したときに、モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行うこととを含む。モータ発熱量に関連する情報は、モータ発熱量またはモータ出力値を含む。サーバは、渋滞情報を含む第2のデータベースを有する。第1のデータベースには、モータ発熱量に関連する情報が、渋滞情報に含まれる渋滞の程度により区分されて記憶される。第1の処理は、第2のデータベースに基づいて、予定走行ルートにおける渋滞情報を取得し、第1のデータベース、および取得した渋滞情報に基づいて、推定発熱量の推移を算出する処理である。
本開示の一実施の形態に係る第2の車両制御方法は、サーバと、モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置とを備えた車両制御システムが、車両に対応づけられ車両のモータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、車両の予定走行ルートにおけるモータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行うことと、車両制御システムが、推定発熱量の推移に基づいて、予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行うことと、車両制御システムが、車両が冷却地点に到達したときに、モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行うこととを含む。モータ発熱量に関連する情報は、モータ発熱量またはモータ出力値を含む。サーバは、道路情報を含む第3のデータベースを有する。記第1のデータベースには、モータ発熱量に関連する情報が、道路情報に含まれる複数の道路種別により区分されて記憶される。第1の処理は、第3のデータベースに基づいて、予定走行ルートにおける道路情報を取得し、第1のデータベース、および取得した道路情報に基づいて、推定発熱量の推移を算出する処理である。
本開示の一実施の形態に係る第3の車両制御方法は、サーバと、モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置とを備えた車両制御システムが、車両に対応づけられ車両のモータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、車両の予定走行ルートにおけるモータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行うことと、車両制御システムが、推定発熱量の推移に基づいて、予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行うことと、車両制御システムが、車両が冷却地点に到達したときに、モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行うこととを含む。モータ発熱量に関連する情報は、モータ発熱量と基準発熱量との差分を示す差分発熱量についての情報である。モータ発熱量は、単位走行距離あたりのモータの発熱量である。基準発熱量は、車両が、道路をその道路の制限車速で走行するときの、単位走行距離あたりのモータの発熱量の推定値である。
本開示の一実施の形態に係る車両制御システムおよび車両制御方法によれば、適切にモータを冷却することができる。
本開示の一実施の形態に係る車両制御システムの一構成例を表すブロック図である。 図1に示した送信情報の一構成例を表す説明図である。 図1に示した発熱量データベースの一構成例を表す表である。 図1に示した車両制御システムの一動作例を表すシーケンス図である。 図1に示した車両制御システムの一動作例を表すフローチャートである。 図1に示した事前冷却ポイントの一例を表す説明図である。 図1に示した車両制御システムの一動作例を表す他のフローチャートである。 変形例に係る車両制御システムの一構成例を表すブロック図である。 図8に示した送信情報の一構成例を表す説明図である。 図8に示した車両制御システムの一動作例を表すシーケンス図である。 他の変形例に係る車両制御システムの一構成例を表すブロック図である。 図11に示した出力値データベースの一構成例を表す表である。 図11に示した車両制御システムの一動作例を表すシーケンス図である。 図11に示した車両制御システムの一動作例を表す他のフローチャートである。 他の変形例に係る車両制御システムの一構成例を表すブロック図である。 図15に示した車両制御システムの一動作例を表すシーケンス図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る車両制御システム(車両制御システム1)の一構成例を表すものである。なお、本開示の実施の形態に係る車両制御方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
車両制御システム1は、車両10と、サーバ30とを備えている。車両10は、例えば、電気自動車などの電動車両である。車両10は、例えばLTE(Long Term Evolution)や無線LAN(Local Area Network)などの無線通信を用いて、インターネットINETに接続される。同様に、サーバ30は、インターネットINETに接続される。
この車両制御システム1では、車両10は、車両10が走行すべきルート(予定走行ルートRT)、モータにおける発熱量(モータ発熱量QM)などについての情報を含む送信情報INFを生成し、この送信情報INFをサーバ30に送信する。サーバ30は、送信情報INFに含まれるモータ発熱量QMについての情報に基づいて、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを更新する。サーバ30は、走行モードMDに基づいて、この発熱量データベースDBQを用いて、予定走行ルートRTにおける、モータ発熱量QMの推移を推定する。そして、サーバ30は、この推定結果に基づいて、予定走行ルートRTにおける、モータの冷却を開始すべき地点を示す事前冷却ポイントPを算出する。この事前冷却ポイントPは、モータの出力制限を開始する地点よりも手前に設定される。そして、サーバ30は、この事前冷却ポイントPについての情報を含む処理結果情報IRESを車両10に送信する。車両10は、この処理結果情報IRESに含まれる事前冷却ポイントPが示す地点に到達したときに、モータを冷却すべきかどうかを判断し、その判断結果に基づいて、モータ冷却性能を高めに設定するようになっている。
(車両10)
車両10は、通信部11と、温度センサ12と、ナビゲーション部13と、インバータ14と、モータ15と、モータ冷却部16と、制御部20とを有している。通信部11および制御部20は、車両制御装置19を構成する。
通信部11は、LTEや無線LANなどの無線通信を用いて、インターネットINETを介してサーバ30と通信を行うように構成される。具体的には、通信部11は、サーバ30に対して送信情報INFを送信するとともに、サーバ30から送信された処理結果情報IRESを受信するようになっている。
温度センサ12は、外気の温度(外気温度Tair)を検出するように構成される。
ナビゲーション部13は、車両10が走行すべき目的地までのルート(予定走行ルートRT)を決定するとともに、運転者に情報を提供することにより、決定したルートに沿って車両10を誘導することができるように構成される。ナビゲーション部13は、地図情報データベースDBM1を有する。地図情報データベースDBM1は、道路地図についての情報を記憶するように構成される。ナビゲーション部13は、この地図情報データベースDBM1を用いて、予定走行ルートRTを決定する。なお、これに限定されるものではなく、例えば、ナビゲーション部13は、地図情報データベースDBM1を有さず、図示しないネットワークサーバに接続することにより道路地図についての情報を取得し、取得した情報に基づいて予定走行ルートRTを決定してもよい。ナビゲーション部13は、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて、地上での車両10の位置(車両位置POS)を取得する。また、ナビゲーション部13は、例えば、表示パネル、タッチパネル、各種ボタンなどのユーザインタフェースUIを有している。これにより、ナビゲーション部13は、例えば、運転者がこのユーザインタフェースUIを操作することにより入力した目的地についての情報に基づいて目的地までの予定走行ルートRTを決定し、決定したルートについての情報を、このユーザインタフェースUIを用いて運転者に提供するようになっている。
インバータ14は、制御部20からの指示に基づいて、図示しないバッテリから供給された直流電力Pdcに基づいて交流電力Pacを生成し、生成した交流電力Pacをモータ15に供給するように構成される。
モータ15は、インバータ14から供給された交流電力Pacに基づいて、機械的エネルギーである駆動力を生成する動力源である。モータ15が生成した駆動力は、例えば変速機(図示せず)などを介して車両10の駆動輪(図示せず)に伝達されるようになっている。モータ15は、温度センサ15Tを有している。温度センサ15Tは、モータ15の温度(モータ温度Tm)を検出するように構成される。
モータ冷却部16は、制御部20からの指示に基づいて、モータ15を冷却するように構成される。モータ冷却部16は、例えば、ポンプ、ラジエータ、コンデンサなどを含み、冷却媒体を循環させることによりモータ15を冷却するようになっている。モータ冷却部16は、例えば、ポンプによる吐出流量を増やし、あるいはラジエータやコンデンサの性能を高めることにより、モータ冷却性能を高めることができるようになっている。モータ冷却部16は、温度センサ16Tを有している。温度センサ16Tは、冷却媒体の温度(冷却媒体温度Tc)を検出するように構成される。
制御部20は、例えばECU(Electronic Control Unit)を含んで構成され、車両10を制御するように構成される。制御部20は、走行モード設定部21と、モータ発熱量演算部22と、送信情報生成部23と、冷却判断部24と、冷却制御部25と、出力制限判断部26と、モータ制御部27とを有している。
走行モード設定部21は、例えば運転者の操作に基づいて、車両10の走行モードMDを設定するように構成される。車両10は、この例では3つの走行モードMD(スポーツモード、エコモード、ノーマルモード)を有している。スポーツモードは、走行性能を高めることを優先する走行モードであり、エコモードは、エネルギー消費量を低く抑えることを優先する走行モードであり、ノーマルモードは、走行性能とエネルギー消費量とを両立させることができる走行モードである。走行モード設定部21は、例えば運転者の操作に基づいて、この3つの走行モードMDのうちのいずれかを、使用すべき走行モードMDとして設定する。そして、制御部20は、設定された走行モードMDに応じて、車両10の動作を制御するようになっている。
モータ発熱量演算部22は、モータ15の発熱量(モータ発熱量QM)を算出するように構成される。具体的には、モータ発熱量演算部22は、例えば、モータ15の回転数やトルクなどのモータ出力値OMに基づいて、単位走行距離U(例えば1km)あたりのモータ発熱量QMを算出するようになっている。
送信情報生成部23は、サーバ30に送信する送信情報INFを生成するように構成される。
図2は、送信情報INFの一構成例を表すものである。送信情報INFは、車両識別子ID、車両データDT、車両位置POS、予定走行ルートRT、走行モードMD、外気温度Tair、モータ温度Tm、冷却媒体温度Tc、モータ発熱量QMについての情報を含んでいる。車両識別子IDは、車両10を識別する識別子である。車両データDTは、車両10の寸法や重量、モータ15の性能など、車両10の諸元についての情報を含んでいる。通信部11は、送信情報生成部23が生成した送信情報INFを、サーバ30に送信するようになっている。
冷却判断部24は、サーバ30から送信された処理結果情報IRESに基づいて、車両10が、この処理結果情報IRESに含まれる事前冷却ポイントPが示す地点に到達したときに、モータ15を事前に冷却すべきかどうかを判断するように構成される。そして、冷却判断部24は、モータ15を事前に冷却すべきと判断した場合に、冷却制御部25に対して指示を行うようになっている。
冷却制御部25は、モータ冷却部16に対して指示を行うことにより、モータ冷却部16の動作を制御するように構成される。また、冷却制御部25は、冷却判断部24からの指示に基づいて、モータ冷却部16におけるモータ冷却性能を高めに設定する機能をも有している。
出力制限判断部26は、例えば、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tmが所定の温度に達した場合や、モータ15の負荷が所定の負荷に達した場合など、所定の条件を満たした場合に、モータ15の出力制限を行うべきであると判断するように構成される。モータ15の出力制限は、例えば回転数の制限や、トルクの制限を含む。そして、出力制限判断部26は、その判断結果に基づいて、モータ制御部27に対して指示を行うようになっている。
モータ制御部27は、インバータ14に対して指示を行うことにより、モータ15の動作を制御するように構成される。また、モータ制御部27は、出力制限判断部26からの指示に基づいて、モータ15の回転数やトルクを下げることにより、モータの出力制限を行う機能をも有している。
(サーバ30)
サーバ30は、車両10から送信された送信情報INFに基づいて、その車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを更新するとともに、その発熱量データベースDBQを用いて、予定走行ルートRTにおける、モータ発熱量QMの推移を推定し、その推定結果に基づいて、予定走行ルートRTにおける事前冷却ポイントPを算出するように構成される。サーバ30は、1つのサーバ装置により構成されていてもよいし、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。サーバ30は、通信部31と、記憶部32と、制御部40とを有している。
通信部31は、インターネットINETを介して、車両10と通信を行うように構成される。具体的には、通信部31は、車両10から送信された送信情報INFを受信するとともに、その車両10に対して、処理結果情報IRESを送信するようになっている。
記憶部32は、例えばハードディスクドライブなどを含んで構成され、サーバ30で実行される各種プログラムや、生成されたデータを記憶するように構成される。記憶部32は、地図情報データベースDBM2と、渋滞情報データベースDBJと、発熱量データベースDBQとを記憶している。地図情報データベースDBM2は、道路地図についての情報を記憶するように構成される。渋滞情報データベースDBJは、道路における渋滞情報を、道路と対応づけて記憶するように構成される。発熱量データベースDBQは、車両識別子IDと対応づけて管理され、車両10のモータ発熱量QMについての情報を記憶するように構成される。
図3は、車両10の車両識別子IDに対応づけられた発熱量データベースDBQの一構成例を表すものである。発熱量データベースDBQでは、モータ発熱量QMと基準発熱量QRとの差分値である差分発熱量ΔQについての情報が、渋滞の有無および複数の道路種別により、この例では6つに区分され記憶される。基準発熱量QRは、車両10が、道路をその道路の制限車速で走行するときの、単位走行距離Uあたりのモータ15の発熱量の推定値である。複数の道路種別は、市街地の道路、郊外の道路、および高速道路を含む。差分発熱量ΔQについての情報は、差分発熱量ΔQの平均値ΔQavg、最大値ΔQmax、および最小値ΔQminについての情報を含む。
制御部40は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体回路を含んで構成され、サーバ30を制御するように構成される。制御部40は、データベース管理部41と、差分発熱量演算部42と、熱量推定部43と、事前冷却ポイント算出部44とを有している。
データベース管理部41は、地図情報データベースDBM2、渋滞情報データベースDBJ、および発熱量データベースDBQを管理するように構成される。具体的には、データベース管理部41は、例えば、図示しないネットワークサーバから渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報に基づいて渋滞情報データベースDBJを更新する。また、データベース管理部41は、送信情報INFに含まれる車両識別子IDについての情報に基づいて、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを特定する。そして、データベース管理部41は、例えば、差分発熱量演算部42により算出された差分発熱量ΔQに基づいて、特定された発熱量データベースDBQを更新する。また、データベース管理部41は、差分発熱量演算部42、熱量推定部43、および事前冷却ポイント算出部44からの指示に基づいて、地図情報データベースDBM2、渋滞情報データベースDBJ、および発熱量データベースDBQを用いて情報を取得するようになっている。
差分発熱量演算部42は、送信情報INFに含まれる車両位置POS、車両データDT、およびモータ発熱量QMについての情報に基づいて、差分発熱量ΔQを算出するように構成される。具体的には、差分発熱量演算部42は、車両位置POSに基づいて、地図情報データベースDBM2を用いて、車両10が走行している道路を特定するとともに、その特定された道路の制限車速についての情報を取得する。そして、差分発熱量演算部42は、車両データDTに含まれる、車両10の諸元についての情報に基づいて、この車両10が、特定された道路をその道路の制限車速で走行するときの、単位走行距離Uあたりのモータ15の発熱量を推定することにより、基準発熱量QRを算出する。そして、差分発熱量演算部42は、送信情報INFに含まれるモータ発熱量QMから、算出した基準発熱量QRを減算(QM-QR)することにより、差分発熱量ΔQを算出する。データベース管理部41は、この差分発熱量ΔQに基づいて、発熱量データベースDBQを更新するようになっている。
熱量推定部43は、送信情報INFに含まれる予定走行ルートRT、走行モードMD、外気温度Tair、および冷却媒体温度Tcについての情報に基づいて、車両10の推定発熱量QAおよび推定放熱量QBを算出するように構成される。具体的には、熱量推定部43は、走行モードMDに基づいて、発熱量データベースDBQを用いて、予定走行ルートRTにおける、単位走行距離Uあたりのモータ15の発熱量を推定することにより、推定発熱量QAの推移を算出する。また、熱量推定部43は、外気温度Tairおよび冷却媒体温度Tcに基づいて、予定走行ルートRTにおける、単位走行距離Uあたりのモータ15の放熱量を推定することにより、推定放熱量QBを算出するようになっている。
事前冷却ポイント算出部44は、車両10から送信された送信情報INFに含まれるモータ温度Tm、熱量推定部43が算出した推定発熱量QAおよび推定放熱量QBに基づいて、予定走行ルートRTにおける事前冷却ポイントPを算出するように構成される。具体的には、事前冷却ポイント算出部44は、例えば、モータ温度Tmを初期値とし、推定発熱量QAと推定放熱量QBの差を、予定走行ルートRTに沿って積分することにより、モータ温度Tmの推移を推定する。そして、事前冷却ポイント算出部44は、このモータ温度Tmの推定値が所定のしきい温度Tthを超える地点を事前冷却ポイントPとして算出する。サーバ30の通信部31は、この事前冷却ポイントPについての情報を含む処理結果情報IRESを、車両10に送信するようになっている。
この構成により、車両制御システム1では、サーバ30は、車両10の走行モードMDに基づいて、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを用いて、予定走行ルートRTにおける推定発熱量QAの推移を算出するとともに、外気温度Tairおよび冷却媒体温度Tcに基づいて、推定放熱量QBを算出する。そして、サーバ30は、この推定発熱量QAおよび推定放熱量QBに基づいて事前冷却ポイントPを算出する。車両10は、事前冷却ポイントPが示す地点に到達したときに、モータ15を事前に冷却すべきかどうかを判断する。これにより、車両制御システム1では、適切にモータ15を冷却することができるようになっている。
ここで、発熱量データベースDBQは、本開示における「第1のデータベース」の一具体例に対応する。渋滞情報データベースDBJは、本開示における「第2のデータベース」の一具体例に対応する。地図情報データベースDBM2は、本開示における「第3のデータベース」の一具体例に対応する。事前冷却ポイントPは、本開示における「冷却地点」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の車両制御システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、車両制御システム1の全体動作概要を説明する。車両10は、予定走行ルートRT、モータ発熱量QM、外気温度Tair、冷却媒体温度Tcなどについての情報を含む送信情報INFを生成し、この送信情報INFをサーバ30に送信する。サーバ30は、送信情報INFに含まれるモータ発熱量QMについての情報に基づいて、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを更新する。
また、サーバ30は、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを用いて、予定走行ルートRTにおける推定発熱量QAの推移を算出するとともに、外気温度Tairおよび冷却媒体温度Tcに基づいて、推定放熱量QBを算出する。そして、サーバ30は、この推定発熱量QAおよび推定放熱量QBに基づいて事前冷却ポイントPを算出する。この事前冷却ポイントPは、モータの出力制限を開始する地点よりも手前に設定される。そして、サーバ30は、この事前冷却ポイントPについての情報を含む処理結果情報IRESを車両10に送信する。車両10は、この処理結果情報IRESを受信し、この処理結果情報IRESに含まれる事前冷却ポイントPが示す地点に到達したときに、モータ15を冷却すべきかどうかを判断し、その判断結果に基づいて、モータ冷却部16のモータ冷却性能を高めに設定する。また、車両10は、例えば、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tmが所定の温度に達した場合や、モータ15の負荷が所定の負荷に達した場合など、所定の条件を満たした場合に、モータ15の出力制限を行う。
(詳細動作)
図4は、車両制御システム1の一動作例を表すものである。サーバ30は、車両10から送信された送信情報INFに基づいて事前冷却ポイントPを算出し、車両10は、この事前冷却ポイントPが示す地点に到達したときに、モータ15を事前に冷却すべきかどうかを判断する。以下に、この動作についての詳細に説明する。
まず、車両10のモータ発熱量演算部22は、例えば、モータ15の回転数やトルクなどのモータ出力値OMに基づいて、単位走行距離Uあたりのモータ発熱量QMを算出する(ステップS101)。
次に、車両10の送信情報生成部23は、図2に示した送信情報INFを生成する(ステップS102)。
次に、車両10の通信部11は、サーバ30に対してこの送信情報INFを送信する(ステップS103)。サーバ30の通信部31は、この送信情報INFを受信し、制御部40は、この送信情報INFに含まれる、車両識別子ID、車両データDT、車両位置POS、予定走行ルートRT、走行モードMD、外気温度Tair、モータ温度Tm、冷却媒体温度Tc、およびモータ発熱量QMについての情報を取得する。
次に、サーバ30の差分発熱量演算部42は、基準発熱量QRを算出し、送信情報INFに含まれるモータ発熱量QMから基準発熱量QRを減算することにより差分発熱量ΔQを算出する(ステップS104)。具体的には、差分発熱量演算部42は、送信情報INFに含まれる車両位置POSについての情報に基づいて、地図情報データベースDBM2を用いて、車両10が走行している道路を特定するとともに、その道路の制限車速についての情報を取得する。そして、差分発熱量演算部42は、送信情報INFの車両データDTに含まれる、車両10の諸元についての情報に基づいて、この車両10が、特定された道路をその道路の制限車速で走行するときの、単位走行距離Uあたりのモータ15の発熱量を推定することにより、基準発熱量QRを算出する。そして、差分発熱量演算部42は、送信情報INFに含まれるモータ発熱量QMから、算出した基準発熱量QRを減算することにより、差分発熱量ΔQを算出する。
次に、サーバ30のデータベース管理部41は、ステップS104において算出された差分発熱量ΔQに基づいて、発熱量データベースDBQを更新する(ステップS105)。具体的には、データベース管理部41は、地図情報データベースDBM2を用いて、ステップS104において特定された道路の道路種別についての情報を取得するとともに、渋滞情報データベースDBJを用いて、その特定された道路における渋滞の有無についての情報を取得する。そして、データベース管理部41は、送信情報INFに含まれる車両識別子IDについての情報に基づいて、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを特定する。そして、データベース管理部41は、特定された発熱量データベースDBQにおける6つの区分のうち、取得した道路種別や渋滞の有無に対応する区分に対応する情報(差分発熱量ΔQの平均値ΔQavg、最大値ΔQmax、および最小値ΔQmin)を、ステップS104において算出された差分発熱量ΔQに基づいて更新する。
次に、サーバ30の熱量推定部43は、送信情報INFに含まれる予定走行ルートRTおよび走行モードMDについての情報に基づいて、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを用いて、予定走行ルートRTにおける単位走行距離Uあたりの推定発熱量QAの推移を算出する(ステップS106)。
図5は、推定発熱量QAの算出処理の一例を表すものである。
まず、熱量推定部43は、予定走行ルートRTにおける基準発熱量QRの推移を算出する(ステップS121)。具体的には、熱量推定部43は、予定走行ルートRTに基づいて、地図情報データベースDBM2を用いて、予定走行ルートRTにおける道路の制限車速についての情報を取得する。そして、熱量推定部43は、車両データDTに含まれる、車両10の諸元についての情報に基づいて、この車両10が、予定走行ルートRTにおける道路をその道路の制限車速で走行するときの、単位走行距離Uあたりのモータ15の発熱量を推定することにより、予定走行ルートRTにおける基準発熱量QRの推移を算出する。
次に、熱量推定部43は、地図情報データベースDBM2を用いて、予定走行ルートRTの道路種別についての情報を取得するとともに、渋滞情報データベースDBJを用いて、予定走行ルートRTにおける渋滞の有無についての情報を取得する(ステップS122)。
次に、熱量推定部43は、送信情報INFに含まれる走行モードMDについての情報を確認する(ステップS123)。
ステップS123において、走行モードMDが“ノーマルモード”である場合には、熱量推定部43は、基準発熱量QRと、発熱量データベースDBQに含まれる差分発熱量ΔQの平均値ΔQavgとを加算することにより推定発熱量QAの推移を算出する(ステップS124)。具体的には、熱量推定部43は、まず、発熱量データベースDBQにおける6つの区分のうち、ステップS122において取得した道路種別や渋滞の有無に対応する区分における、差分発熱量ΔQの平均値ΔQavgを取得する。そして、熱量推定部43は、予定走行ルートRTに沿って、基準発熱量QRとこの差分発熱量ΔQの平均値ΔQavgとを加算することにより、予定走行ルートRTにおける推定発熱量QAの推移を算出する。
ステップS123において、走行モードMDが“スポーツモード”である場合には、熱量推定部43は、基準発熱量QRと、発熱量データベースDBQに含まれる差分発熱量ΔQの最大値ΔQmaxとを加算することにより推定発熱量QAの推移を算出する(ステップS125)。具体的には、熱量推定部43は、まず、発熱量データベースDBQにおける6つの区分のうち、ステップS122において取得した道路種別や渋滞の有無に対応する区分における、差分発熱量ΔQの最大値ΔQmaxを取得する。そして、熱量推定部43は、予定走行ルートRTに沿って、基準発熱量QRとこの差分発熱量ΔQの最大値ΔQmaxとを加算することにより、予定走行ルートRTにおける推定発熱量QAの推移を算出する。
ステップS123において、走行モードMDが“エコモード”である場合には、熱量推定部43は、基準発熱量QRと、発熱量データベースDBQに含まれる差分発熱量ΔQの最小値ΔQminとを加算することにより推定発熱量QAの推移を算出する(ステップS126)。具体的には、熱量推定部43は、まず、発熱量データベースDBQにおける6つの区分のうち、ステップS122において取得した道路種別や渋滞の有無に対応する区分における、差分発熱量ΔQの最小値ΔQminを取得する。そして、熱量推定部43は、予定走行ルートRTに沿って、基準発熱量QRとこの差分発熱量ΔQの最小値ΔQminとを加算することにより、予定走行ルートRTにおける推定発熱量QAの推移を算出する。
以上で、推定発熱量QAの算出処理は終了する。
次に、図3に示したように、サーバ30の熱量推定部43は、送信情報INFに含まれる外気温度Tairおよび冷却媒体温度Tcに基づいて、予定走行ルートRTにおける、単位走行距離Uあたりのモータ15の放熱量を推定することにより、予定走行ルートRTにおける推定放熱量QBを算出する(ステップS107)。
次に、サーバ30の事前冷却ポイント算出部44は、送信情報INFに含まれるモータ温度Tm、ステップS107により算出された推定発熱量QAおよび推定放熱量QBに基づいて、予定走行ルートRTにおいて事前冷却ポイントPを算出する(ステップS108)。具体的には、事前冷却ポイント算出部44は、例えば、モータ温度Tmを初期値とし、推定発熱量QAと推定放熱量QBの差を、予定走行ルートRTに沿って積分することにより、モータ温度Tmの推移を推定する。そして、事前冷却ポイント算出部44は、モータ温度Tmの推定値が所定のしきい温度Tthを超える地点を事前冷却ポイントPとして算出する。
図6は、事前冷却ポイントPの一例を表すものである。車両10は、予定走行ルートRTに沿って走行している。車両10は、車両位置POSが示す位置を走行している。事前冷却ポイントPは、予定走行ルートRTにおける車両10の前方に設定される。サーバ30は、モータ15の出力制限が開始される前に、この事前冷却ポイントPが示す地点においてモータ15の冷却を開始すべきであると判断する。
次に、サーバ30の通信部31は、車両10に対して、この事前冷却ポイントPについての情報を含む処理結果情報IRESを送信する(ステップS109)。車両10の通信部11は、この処理結果情報IRESを受信する。
以上で、このシーケンスは終了する。車両制御システム1は、この一連の動作を、例えば、車両10が、単位走行距離Uだけ走行する度に行う。なお、これに限定されるものではなく、車両制御システム1は、この一連の動作を、例えば、所定の時間が経過する度に行うようにしてもよい。
車両10の出力制限判断部26は、例えば、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tmが所定の温度に達した場合や、モータ15の負荷が所定の負荷に達した場合など、所定の条件を満たした場合に、モータ15の出力制限を行うべきであると判断する。そして、モータ制御部27は、出力制限判断部26からの指示に基づいて、モータ15の回転数やトルクを下げることにより、モータ15の出力制限を行う。
また、車両10の冷却判断部24は、サーバ30から送信された処理結果情報IRESに基づいて、車両10がこの事前冷却ポイントPが示す地点に到達したときに、モータ15の出力制限を開始する前にモータ15を事前に冷却すべきかどうかを判断する。
図7は、車両10における冷却判断部24および冷却制御部25の一動作例を表すものである。
まず、冷却判断部24は、車両10が事前冷却ポイントPが示す地点に到達したかどうかを確認する(ステップS131)。具体的には、冷却判断部24は、ナビゲーション部13が取得した車両位置POSについての情報に基づいて、車両10が事前冷却ポイントPが示す地点に到達したかどうかを確認する。まだ車両10が事前冷却ポイントPが示す地点に到達していない場合(ステップS131において“N”)には、車両10が事前冷却ポイントPが示す地点に到達するまで、このステップS131を繰り返す。
ステップS131において、車両10が事前冷却ポイントPが示す地点に到達した場合(ステップS131において“Y”)には、冷却判断部24は、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tmが所定のしきい温度Tthを超えているかどうかを確認する(ステップS132)。モータ温度Tmが所定のしきい温度Tthを超えていない場合(ステップS132において“N”)には、このフローは終了する。
このステップS132において、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tmが所定のしきい温度Tthを超えている場合(ステップS133において“Y”)には、冷却制御部25は、冷却判断部24からの指示に基づいて、モータ冷却部16におけるモータ冷却性能を高めに設定するように、モータ冷却部16を制御する。
以上で、このフローは終了する。なお、この例では、車両10は、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tmに基づいて、モータ15を事前に冷却するかどうかを判断したが、これに限定されるものではない。例えば、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tmに加え、例えば、外気温度Tair、冷却媒体温度Tc、車両10の実際の走行状況などにも基づいて、モータ15を事前に冷却するかどうかを判断してもよい。言い換えれば、車両10は、モータ15を事前に冷却することによる、エネルギー消費量の増大と、モータ15の出力制限を回避する効果とのバランスを考慮して、モータ15を事前に冷却するようにしてもよい。
このように、車両制御システム1では、車両10に対応づけられた発熱量データベースDBQを用いて推定発熱量QAを算出し、算出した推定発熱量QAに基づいて事前冷却ポイントPを算出するようにした(ステップS106~S108)。これにより、車両制御システム1では、車両10を運転する運転者のアクセルワークおよびブレーキワークを演算に反映させることができるので、推定発熱量QAの精度を高めることができる。その結果、車両制御システム1では、事前冷却ポイントPの精度を高めることができるので、運転者のくせに応じて適切にモータ15を冷却することができる。
また、車両制御システム1では、発熱量データベースDBQにおいて、差分発熱量ΔQについての情報を、渋滞の有無および複数の道路種別により複数(この例では6つ)に区分して管理するようにした。これにより、車両制御システム1では、渋滞の有無や道路種別を演算に反映させることができるので、推定発熱量QAの精度を高めることができる。その結果、車両制御システム1では、様々な条件において、適切にモータ15を冷却することができる。
また、車両制御システム1では、走行モードMDに基づいて推定発熱量QAを算出するようにした。具体的には、熱量推定部43は、走行モードMDが“ノーマルモード”である場合には、基準発熱量QRと、差分発熱量ΔQの平均値ΔQavgとを加算することにより推定発熱量QAを算出し(ステップS124)、走行モードMDが“スポーツモード”である場合には、基準発熱量QRと、差分発熱量ΔQの最大値ΔQmaxとを加算することにより推定発熱量QAを算出し(ステップS125)、走行モードMDが“エコモード”である場合には、基準発熱量QRと、差分発熱量ΔQの最小値ΔQminとを加算することにより推定発熱量QAを算出するようにした(ステップS126)。これにより、例えば走行モードMDが“スポーツモード”である場合には、事前冷却ポイントPが、予定走行ルートRTにおける、より車両10に近い位置に設定されるので、モータ15を事前に冷却しやすくなる。その結果、モータ15の出力制限を行いにくくすることができるので、一時的に走行性能が低下するおそれを低減することができる。また、例えば走行モードMDが“エコモード”である場合には、事前冷却ポイントPが、予定走行ルートRTにおける、より車両10から遠い位置に設定されるので、モータ15を事前に冷却しにくくなる。その結果、モータ15を冷却することによるエネルギーの消費を抑えることができる。このように、車両制御システム1では、運転者が設定した走行モードMDに基づいて、モータ15を事前に冷却する動作を制御することができるので、運転者の指示に基づいて適切にモータ15を冷却することができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、車両に対応づけられた発熱量データベースに基づいて推定発熱量を算出し、算出した推定発熱量に基づいて事前冷却ポイントを算出するようにしたので、運転者のくせに応じて適切にモータを冷却することができる
本実施の形態では、発熱量データベースにおいて、差分発熱量についての情報を、渋滞の有無および複数の道路種別により複数に区分して管理するようにしたので、様々な条件において、適切にモータを冷却することができる
本実施の形態では、運転者が設定した走行モードに基づいて推定発熱量を算出するようにしたので、運転者の指示に基づいて適切にモータを冷却することができる。
[変形例1]
上記実施の形態では、車両10のモータ発熱量演算部22が、モータ15の回転数やトルクなどのモータ出力値OMに基づいてモータ発熱量QMを算出したが、これに限定されるものではなく、サーバがモータ発熱量QMを算出してもよい。以下に、本変形例について詳細に説明する。
図8は、本変形例に係る車両制御システム1Bの一構成例を表すものである。車両制御システム1Bは、車両10Bと、サーバ30Bとを備えている。
車両10Bは、制御部20Bを有している。制御部20Bは、モータ出力値演算部22Bと、送信情報生成部23Bとを有している。モータ出力値演算部22Bは、モータ15の回転数やトルクなどのモータ出力値OMを算出するものである。送信情報生成部23Bは、送信情報INFBを生成するように構成される。送信情報INFBは、図9に示したように、モータ出力値OMについての情報を含んでいる。通信部11は、この送信情報INFBをサーバ30Bに送信する。通信部11および制御部20Bは、車両制御装置19Bを構成する。
サーバ30Bは、制御部40Bを有している。制御部40Bは、差分発熱量演算部42Bを有している。差分発熱量演算部42Bは、モータ出力値OM、および車両データDTに含まれる車両10Bの諸元についての情報に基づいて、単位走行距離Uあたりのモータ発熱量QMを算出する。そして、差分発熱量演算部42Bは、このモータ発熱量QMから、基準発熱量QRを減算することにより、差分発熱量ΔQを算出するようになっている。
図10は、車両制御システム1Bの一動作例を表すものである。
まず、車両10Bのモータ出力値演算部22Bは、モータ出力値OMを算出する(ステップS141)。次に、車両10Bの送信情報生成部23Bは、図9に示した送信情報INFBを生成し(ステップS142)、車両10Bの通信部11は、サーバ30Bに対してこの送信情報INFBを送信する(ステップS143)。サーバ30Bの通信部31は、この送信情報INFBを受信する。
次に、サーバ30Bの差分発熱量演算部42Bは、モータ出力値OMに基づいてモータ発熱量QMを算出する(ステップS144)。具体的には、差分発熱量演算部42Bは、モータ出力値OM、および車両データDTに含まれる車両10Bの諸元についての情報に基づいて、単位走行距離Uあたりのモータ発熱量QMを算出する。
そして、差分発熱量演算部42Bは、上記実施の形態の場合と同様に、基準発熱量QRを算出し、モータ発熱量QMから基準発熱量QRを減算することにより差分発熱量ΔQを算出する(ステップS104)。これ以降の動作は、上記実施の形態の場合と同じである。
[変形例2]
上記実施の形態では、発熱量データベースDBQを用いるようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、モータ15の回転数やトルクなどのモータ出力値OMについての情報を含む出力値データベースDBOを用いてもよい。すなわち、モータ出力値OMとモータ発熱量QMとは、車両データDTに含まれる車両10Bの諸元についての情報に基づいて、互いに変換することが可能である。よって、車両制御システムは、出力値データベースDBOを用いて、上記実施の形態の場合と同様の処理を行うことができる。以下に、本変形例について詳細に説明する。
図11は、本変形例に係る車両制御システム1Cの一構成例を表すものである。車両制御システム1Cは、車両10Bと、サーバ30Cとを備えている。サーバ30Cは、記憶部32Cと、制御部40Cとを有している。
記憶部32Cは、出力値データベースDBOを記憶している。出力値データベースDBOは、車両識別子IDと対応づけて管理され、車両10Bのモータ出力値OMについての情報を記憶するように構成される。
図12は、車両10Bの車両識別子IDに対応づけられた出力値データベースDBOの一構成例を表すものである。出力値データベースDBOでは、モータ出力値OMと基準出力値ORとの差分値である差分出力値ΔOについての情報が、渋滞の有無および複数の道路種別により、この例では6つに区分され記憶される。基準出力値ORは、車両10Bが、道路をその道路の制限車速で走行するときの、モータ15の出力値の推定値である。差分出力値ΔOについての情報は、差分出力値ΔMの平均値ΔOavg、最大値ΔOmax、および最小値ΔOminについての情報を含む。
制御部40Cは、データベース管理部41Cと、差分出力値演算部42Cと、熱量推定部43Cとを有している。
データベース管理部41Cは、地図情報データベースDBM2、渋滞情報データベースDBJ、および出力値データベースDBOを管理するように構成される。
差分出力値演算部42Cは、送信情報INFBに含まれる車両位置POS、車両データDT、およびモータ出力値OMについての情報に基づいて、差分出力値ΔOを算出するように構成される。具体的には、差分出力値演算部42Cは、車両位置POSに基づいて、地図情報データベースDBM2を用いて、車両10Bが走行している道路を特定するとともに、その特定された道路の制限車速についての情報を取得する。そして、差分出力値演算部42Cは、車両データDTに含まれる、車両10Bの諸元についての情報に基づいて、この車両10Bが特定された道路をその道路の制限車速で走行するときのモータ15の出力値を推定することにより、基準出力値ORを算出する。そして、差分出力値演算部42Cは、送信情報INFに含まれるモータ出力値OMから、算出した基準出力値ORを減算(OM-OR)することにより、差分出力値ΔOを算出する。データベース管理部41Cは、この差分出力値ΔOに基づいて、出力値データベースDBOを更新するようになっている。
熱量推定部43Cは、送信情報INFBに含まれる予定走行ルートRT、走行モードMD、車両データDT、外気温度Tair、および冷却媒体温度Tcについての情報に基づいて、車両10Bの推定発熱量QAおよび推定放熱量QBを算出するように構成される。具体的には、熱量推定部43Cは、走行モードMDおよび車両データDTに基づいて、出力値データベースDBOを用いて、予定走行ルートRTにおける、単位走行距離Uあたりのモータ15の発熱量を推定することにより、推定発熱量QAの推移を算出する。また、熱量推定部43Cは、外気温度Tairおよび冷却媒体温度Tcに基づいて、予定走行ルートRTにおける、単位走行距離Uあたりのモータ15の放熱量を推定することにより、推定放熱量QBを算出するようになっている。
ここで、出力値データベースDBOは、本開示における「第2のデータベース」の一具体例に対応する。
図13は、車両制御システム1Cの一動作例を表すものである。
まず、車両10Bのモータ出力値演算部22Bは、モータ出力値OMを算出する(ステップS141)。次に、車両10Bの送信情報生成部23Bは、図9に示した送信情報INFBを生成し(ステップS142)、車両10Bの通信部11は、サーバ30Bに対してこの送信情報INFBを送信する(ステップS143)。サーバ30Cの通信部31は、この送信情報INFBを受信する。
次に、サーバ30Cの差分出力値演算部42Cは、基準出力値ORを算出し、送信情報INFBに含まれるモータ出力値OMから基準出力値ORを減算することにより差分出力値ΔOを算出する(ステップS154)。具体的には、差分出力値演算部42Cは、送信情報INFBに含まれる車両位置POSについての情報に基づいて、地図情報データベースDBM2を用いて、車両10Bが走行している道路を特定するとともに、その道路の制限車速についての情報を取得する。そして、差分出力値演算部42Cは、送信情報INFBの車両データDTに含まれる、車両10Bの諸元についての情報に基づいて、この車両10Bが、特定された道路をその道路の制限車速で走行するときのモータ15の出力値を推定することにより、基準出力値ORを算出する。そして、差分出力値演算部42Cは、送信情報INFBに含まれるモータ出力値OMから、算出した基準出力値ORを減算することにより、差分出力値ΔOを算出する。
次に、サーバ30Cのデータベース管理部41Cは、上記実施の形態に係るステップS105と同様に、ステップS144において算出された差分出力値ΔOに基づいて、出力値データベースDBOを更新する(ステップS155)。
次に、サーバ30Cの熱量推定部43Cは、送信情報INFBに含まれる予定走行ルートRTおよび走行モードMDについての情報に基づいて、出力値データベースDBOを用いて、予定走行ルートRTにおける単位走行距離Uあたりの推定発熱量QAの推移を算出する(ステップS156)。
図14は、推定発熱量QAの算出処理の一例を表すものである。
まず、熱量推定部43Cは、予定走行ルートRTにおける基準出力値ORの推移を算出する(ステップS161)。具体的には、熱量推定部43Cは、予定走行ルートRTに基づいて、地図情報データベースDBM2を用いて、予定走行ルートRTにおける道路の制限車速についての情報を取得する。そして、熱量推定部43Cは、車両データDTに含まれる、車両10の諸元についての情報に基づいて、この車両10Bが、予定走行ルートRTにおける道路をその道路の制限車速で走行するときのモータ15の出力値を推定することにより、予定走行ルートRTにおける基準出力値ORの推移を算出する。
次に、熱量推定部43Cは、地図情報データベースDBM2を用いて、予定走行ルートRTの道路種別についての情報を取得するとともに、渋滞情報データベースDBJを用いて、予定走行ルートRTにおける渋滞の有無についての情報を取得する(ステップS122)。
次に、熱量推定部43Cは、送信情報INFBに含まれる走行モードMDについての情報を確認する(ステップS123)。ステップS123において、走行モードMDが“ノーマルモード”である場合には、熱量推定部43Cは、基準出力値ORと、出力値データベースDBOに含まれる差分出力値ΔOの平均値ΔOavgとを加算することにより推定出力値OAの推移を算出する(ステップS164)。ステップS123において、走行モードMDが“スポーツモード”である場合には、熱量推定部43Cは、基準出力値ORと、出力値データベースDBOに含まれる差分出力値ΔOの最大値ΔOmaxとを加算することにより推定出力値OAの推移を算出する(ステップS165)。ステップS123において、走行モードMDが“エコモード”である場合には、熱量推定部43Cは、基準出力値ORと、出力値データベースDBOに含まれる差分出力値ΔOの最小値ΔOminとを加算することにより推定出力値OAの推移を算出する(ステップS166)。
そして、熱量推定部43Cは、車両データDTに含まれる、車両10Bの諸元についての情報に基づいて、予定走行ルートRTにおける推定出力値OAの推移を、予定走行ルートRTにおける単位走行距離Uあたりの推定発熱量QAの推移に換算する(ステップS167)。
以上で、推定発熱量QAの算出処理は終了する。
次に、図13に示したように、サーバ30Cの熱量推定部43Cは、送信情報INFに含まれる外気温度Tairおよび冷却媒体温度Tcについての情報に基づいて、予定走行ルートRTにおける、単位走行距離Uあたりのモータ15の放熱量を推定することにより、予定走行ルートRTにおける推定放熱量QBを算出する(ステップS107)。これ以降の動作は、上記実施の形態の場合(図4)と同様である。
[変形例3]
上記実施の形態では、サーバ30に発熱量データベースDBQを設けたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、車両に発熱量データベースDBQを設けてもよい。以下に、本変形例について詳細に説明する。
図15は、本変形例に係る車両制御システム1Dの一構成例を表すものである。車両制御システム1Dは、車両10Dと、サーバ30Dとを備えている。
車両10Dは、通信部11と、温度センサ12と、ナビゲーション部13と、記憶部52Dと、インバータ14と、モータ15と、モータ冷却部16と、制御部20Dとを有している。通信部11および制御部20Dは、車両制御装置19Dを構成する。
記憶部52Dは、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどを含んで構成される。記憶部52Dは、発熱量データベースDBQを記憶している。
制御部20Dは、走行モード設定部21と、モータ発熱量演算部22と、送信情報生成部23Dと、データベース管理部61Dと、差分発熱量演算部62Dと、熱量推定部63Dと、事前冷却ポイント算出部64Dと、冷却判断部24と、冷却制御部25と、出力制限判断部26と、モータ制御部27とを備えている。送信情報生成部23Dは、サーバ30Dに送信する送信情報INFDを生成するように構成される。送信情報INFDは、車両位置POSおよび予定走行ルートRTについての情報を含んでいる。データベース管理部61D、差分発熱量演算部62D、熱量推定部63D、および事前冷却ポイント算出部64Dは、上記実施の形態に係るデータベース管理部41、差分発熱量演算部42、熱量推定部43、および事前冷却ポイント算出部44にそれぞれ対応している。
サーバ30Dは、通信部31と、記憶部32Dと、制御部40Dとを有している。記憶部32Dは、地図情報データベースDBM2と、渋滞情報データベースDBJとを記憶している。制御部40Dは、データベース管理部41Dを有している。データベース管理部41Dは、地図情報データベースDBM2および渋滞情報データベースDBJを管理するように構成される。また、データベース管理部41Dは、送信情報INFDに含まれる車両位置POSおよび予定走行ルートRTについての情報に基づいて、地図情報データベースDBM2および渋滞情報データベースDBJを用いて、車両10Dが走行している道路における渋滞の有無、および予定走行ルートRTにおける渋滞の有無についての情報を取得する。そして、サーバ30Dの通信部31は、これらの渋滞の有無についての情報を含む処理結果情報IRESDを、車両10Dに送信するようになっている。
図16は、車両制御システム1Dの一動作例を表すものである。
まず、車両10Dの送信情報生成部23Dは、車両位置POSおよび予定走行ルートRTについての情報を含む送信情報INFDを生成する(ステップS201)。そして、車両10Dの通信部11は、サーバ30Dに対してこの送信情報INFDを送信する(ステップS202)。サーバ30Dの通信部31は、この送信情報INFDを受信する。
サーバ30Dのデータベース管理部41Dは、送信情報INFDに含まれる車両位置POSおよび予定走行ルートRTについての情報に基づいて、地図情報データベースDBM2および渋滞情報データベースDBJを用いて、車両10Dが走行している道路における渋滞の有無、および予定走行ルートRTにおける渋滞の有無についての情報を取得する。そして、サーバ30Dの通信部31は、これらの渋滞の有無についての情報を含む処理結果情報IRESDを、車両10Dに送信する(ステップS203)。車両10Dの通信部11は、この処理結果情報IRESDを受信する。
次に、車両10Dのモータ発熱量演算部22は、例えば、モータ15の回転数やトルクなどのモータ出力値OMに基づいて、単位走行距離Uあたりのモータ発熱量QMを算出する(ステップS204)。
次に、車両10Dの差分発熱量演算部62Dは、基準発熱量QRを算出し、モータ発熱量QMから基準発熱量QRを減算することにより差分発熱量ΔQを算出する(ステップS205)。
次に、車両10Dのデータベース管理部61Dは、ステップS205において算出された差分発熱量ΔQに基づいて、発熱量データベースDBQを更新する(ステップS206)。
次に、車両10Dの熱量推定部63Dは、予定走行ルートRTおよび走行モードMDに基づいて、発熱量データベースDBQを用いて、上記実施の形態の場合(図5)と同様に、予定走行ルートRTにおける単位走行距離Uあたりの推定発熱量QAの推移を算出する(ステップS207)。
次に、車両10Dの熱量推定部63Dは、外気温度Tairおよび冷却媒体温度Tcに基づいて、予定走行ルートRTにおける、単位走行距離Uあたりのモータ15の放熱量を推定することにより、予定走行ルートRTにおける推定放熱量QBを算出する(ステップS208)。
次に、車両10Dの事前冷却ポイント算出部64Dは、温度センサ15Tにより検出されたモータ温度Tm、ステップS208により算出された推定発熱量QAおよび推定放熱量QBに基づいて、予定走行ルートRTにおいて事前冷却ポイントPを算出する(ステップS209)。
以上で、このシーケンスは終了する。
[変形例4]
上記実施の形態では、車両10がモータ15を事前に冷却すべきかどうかを判断するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、サーバ30が、車両10が事前冷却ポイントPが示す地点に到達したときに、モータ15を事前に冷却すべきかどうかを判断し、その判断結果を車両10に通知してもよい。
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態などでは、モータ15を冷却したが、これに限定されるものではなく、さらにインバータ14を冷却してもよい。
例えば、上記の実施の形態などでは、本技術を電気自動車に適用したが、これに限定されるものではなく、例えばハイブリッド自動車に適用してもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
1,1B,1C,1D…車両制御システム、10,10B…車両、11…通信部、12…温度センサ、13…ナビゲーション部、14…インバータ、15…モータ、15T…温度センサ、16…モータ冷却部、16T…温度センサ、19,19B,19D…車両制御装置、20,20B…制御部、21…走行モード設定部、22…モータ発熱量演算部、22B…モータ出力値演算部、23,23B,23D…送信情報生成部、24…冷却判断部、25…冷却制御部、26…出力制限判断部、27…モータ制御部、30,30B,30C,30D…サーバ、31…通信部、32,32C,32D…記憶部、40,40B,40C,40D…制御部、41,41C,41D…データベース管理部、42,42B…差分発熱量演算部、42C…差分出力値演算部、43,43C…熱量推定部、44…事前冷却ポイント算出部、52D…記憶部、61D…データベース管理部、62D…差分発熱量演算部、63D…熱量推定部、64D…事前冷却ポイント算出部、DBJ…渋滞情報データベース、DBM1,DBM2…地図情報データベース、DBO…出力値データベース、DBQ…発熱量データベース、DT…車両データ、ID…車両識別子、INF,INFB,INFD…送信情報、IRES,IRESD…処理結果情報、MD…走行モード、OM…モータ出力値、P…事前冷却ポイント、POS…車両位置、QA…推定発熱量、QB…推定放熱量、QM…モータ発熱量、QR…基準発熱量、RT…予定走行ルート、Tair…外気温度、Tc…冷却媒体温度、Tm…モータ温度、Tth…しきい温度、ΔO…差分出力値、ΔOavg…平均値、ΔOmax…最大値、ΔOmin…最小値、ΔQ…差分発熱量、ΔQavg…平均値、ΔQmax…最大値、ΔQmin…最小値。

Claims (10)

  1. サーバと、
    モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置と
    を備え、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記車両に対応づけられ前記車両の前記モータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、前記車両の予定走行ルートにおける前記モータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記推定発熱量の推移に基づいて、前記予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記車両が前記冷却地点に到達したときに、前記モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行い、
    前記モータ発熱量に関連する情報は、前記モータ発熱量またはモータ出力値を含み、
    前記サーバは、渋滞情報を含む第2のデータベースを有し、
    前記第1のデータベースには、前記モータ発熱量に関連する情報が、前記渋滞情報に含まれる渋滞の程度により区分されて記憶され、
    前記第1の処理は、前記第2のデータベースに基づいて、前記予定走行ルートにおける前記渋滞情報を取得し、前記第1のデータベース、および取得した前記渋滞情報に基づいて、前記推定発熱量の推移を算出する処理である
    車両制御システム。
  2. サーバと、
    モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置と
    を備え、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記車両に対応づけられ前記車両の前記モータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、前記車両の予定走行ルートにおける前記モータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記推定発熱量の推移に基づいて、前記予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記車両が前記冷却地点に到達したときに、前記モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行い、
    前記モータ発熱量に関連する情報は、前記モータ発熱量またはモータ出力値を含み、
    前記サーバは、道路情報を含む第3のデータベースを有し、
    前記第1のデータベースには、前記モータ発熱量に関連する情報が、前記道路情報に含まれる複数の道路種別により区分されて記憶され、
    前記第1の処理は、前記第3のデータベースに基づいて、前記予定走行ルートにおける前記道路情報を取得し、前記第1のデータベース、および取得した前記道路情報に基づいて、前記推定発熱量の推移を算出する処理である
    車両制御システム。
  3. 前記車両制御装置は、複数の走行モードを有しており、
    前記第1の処理は、前記第1のデータベース、および前記複数の走行モードのうちの選択された走行モードに基づいて、前記推定発熱量の推移を算出する処理である
    請求項1または請求項2に記載の車両制御システム。
  4. サーバと、
    モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置と
    を備え、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記車両に対応づけられ前記車両の前記モータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、前記車両の予定走行ルートにおける前記モータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記推定発熱量の推移に基づいて、前記予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記車両が前記冷却地点に到達したときに、前記モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行い、
    前記モータ発熱量に関連する情報は、前記モータ発熱量と基準発熱量との差分を示す差分発熱量についての情報であり、
    前記モータ発熱量は、単位走行距離あたりの前記モータの発熱量であり、
    前記基準発熱量は、前記車両が、道路をその道路の制限車速で走行するときの、前記単位走行距離あたりの前記モータの発熱量の推定値である
    車両制御システム。
  5. 前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記モータのモータ出力値に基づいて前記モータ発熱量を算出する第4の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記車両の走行ルートに基づいて前記基準発熱量を算出する第5の処理を行い、
    前記サーバまたは前記車両制御装置は、前記モータ発熱量および前記基準発熱量に基づいて、前記差分発熱量を算出し、前記差分発熱量に基づいて前記第1のデータベースを更新する第6の処理を行う
    請求項4に記載の車両制御システム。
  6. 前記第1のデータベースは、前記差分発熱量の平均値についての情報と、前記差分発熱量の最大値についての情報と、前記差分発熱量の最小値についての情報とを含む
    請求項4または請求項5に記載の車両制御システム。
  7. 前記車両制御装置は、複数の走行モードを有しており、前記複数の走行モードのうちの1つの走行モードを選択し、
    前記第1の処理は、前記第1のデータベースに含まれる、前記平均値についての情報、前記最大値についての情報、および前記最小値についての情報のうちの、選択された前記走行モードに対応する情報に基づいて、前記推定発熱量の推移を算出する処理である
    請求項6に記載の車両制御システム。
  8. サーバと、モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置とを備えた車両制御システムが、前記車両に対応づけられ前記車両の前記モータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、前記車両の予定走行ルートにおける前記モータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行うことと、
    前記車両制御システムが、前記推定発熱量の推移に基づいて、前記予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行うことと、
    前記車両制御システムが、前記車両が前記冷却地点に到達したときに、前記モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行うことと
    を含み、
    前記モータ発熱量に関連する情報は、前記モータ発熱量またはモータ出力値を含み、
    前記サーバは、渋滞情報を含む第2のデータベースを有し、
    前記第1のデータベースには、前記モータ発熱量に関連する情報が、前記渋滞情報に含まれる渋滞の程度により区分されて記憶され、
    前記第1の処理は、前記第2のデータベースに基づいて、前記予定走行ルートにおける前記渋滞情報を取得し、前記第1のデータベース、および取得した前記渋滞情報に基づいて、前記推定発熱量の推移を算出する処理である
    車両制御方法。
  9. サーバと、モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置とを備えた車両制御システムが、前記車両に対応づけられ前記車両の前記モータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、前記車両の予定走行ルートにおける前記モータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行うことと、
    前記車両制御システムが、前記推定発熱量の推移に基づいて、前記予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行うことと、
    前記車両制御システムが、前記車両が前記冷却地点に到達したときに、前記モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行うことと
    を含み、
    前記モータ発熱量に関連する情報は、前記モータ発熱量またはモータ出力値を含み、
    前記サーバは、道路情報を含む第3のデータベースを有し、
    前記第1のデータベースには、前記モータ発熱量に関連する情報が、前記道路情報に含まれる複数の道路種別により区分されて記憶され、
    前記第1の処理は、前記第3のデータベースに基づいて、前記予定走行ルートにおける前記道路情報を取得し、前記第1のデータベース、および取得した前記道路情報に基づいて、前記推定発熱量の推移を算出する処理である
    車両制御方法。
  10. サーバと、モータを有する車両に搭載可能な車両制御装置とを備えた車両制御システムが、前記車両に対応づけられ前記車両の前記モータのモータ発熱量に関連する情報を含む第1のデータベースに基づいて、前記車両の予定走行ルートにおける前記モータの推定発熱量の推移を算出する第1の処理を行うことと、
    前記車両制御システムが、前記推定発熱量の推移に基づいて、前記予定走行ルートにおける冷却地点を算出する第2の処理を行うことと、
    前記車両制御システムが、前記車両が前記冷却地点に到達したときに、前記モータを冷却するかどうかを判断する第3の処理を行うことと
    を含み、
    前記モータ発熱量に関連する情報は、前記モータ発熱量と基準発熱量との差分を示す差分発熱量についての情報であり、
    前記モータ発熱量は、単位走行距離あたりの前記モータの発熱量であり、
    前記基準発熱量は、前記車両が、道路をその道路の制限車速で走行するときの、前記単位走行距離あたりの前記モータの発熱量の推定値である
    車両制御方法。
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