JP7291006B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような画像形成装置は、従来から、装置に組み込まれたコロナ放電器によって感光体表面を帯電させるコロナ帯電方式がある。
このようなコロナ帯電方式の画像形成装置は、コロナ放電器への電源供給のため高電圧電源が必要であること、あるいは、放電によって有害なオゾンを発生する等多くの問題点があった。
しかしながら、長尺な帯電ローラは、たわみ、あるいは、加工の難しさ等の問題から、感光体の幅方向の全長にわたって均一な接触圧で接触させることが困難である。
このようなことから、長尺な帯電ローラを用いた接触帯電方式の画像形成装置は、感光体に均一な接触圧で接触させて、均一に帯電することが難しいため、結果的に、実用に供し得るものではなかった。
この特許文献1に記載の帯電装置は、感光体の回転方向と直交する方向に複数個の帯電ローラを備えているので、感光体の幅に対して大幅に短い複数の帯電ローラによって感光体の幅方向の全域をカバーすることができる。
このため、特許文献1に記載の帯電装置は、帯電ローラのたわみ、および、加工性の問題を解消することができる。
このように、帯電ローラ100の重複部分Wの感光体表面210の帯電電位が帯電ローラ100の重複しない部分の感光体表面210の帯電電位に比較して大きくなると、図20に示すように、印刷濃度において濃度段差が発生し、重複部分Wの中間調画像濃度が薄く表現されてしまうという問題があった。
なお、図19中のグラフは、縦軸(Y)がマイナス帯電方向を上向きとする感光体200の表面電位を示し、横軸(X)が感光体の軸方向位置を示している。
また、図19中のグラフは、実線Aが一次帯電位(暗部電位)を示し、破線Bが中間調の電位を示し、一点鎖線Cが明部電位を示している。
帯電ローラには、接触帯電方式の問題を解消するために、様々な形状のものが提案されていることを考えると、帯電ローラがクラウン形状に限定されることは、大きな問題である。
この特許文献3に記載の画像形成装置は、各種形状の異なる帯電ローラに応じた傾斜角度が個体差も込みで設定されることによって、帯電ローラの帯電領域の重複部分を含めた感光体表面の帯電領域を均一に帯電させることができる。
このため、特許文献3に記載の画像形成装置のように帯電ローラの傾斜角度を調整しても、帯電ローラの帯電領域の重複部分を含めた感光体表面の帯電領域を均一に帯電させることができないことがある。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記露光部が、前記複数の帯電ローラの重複部分で帯電された感光体表面の露光量を、前記複数の帯電ローラの重複しない部分で帯電された感光体表面の露光量よりも大きくしているので、前記複数の帯電ローラが重複する領域に対応した前記感光体表面の帯電電位と、前記複数の帯電ローラが重複しない領域に対応した前記感光体表面の帯電電位との差を小さくすることができる。
従いまして、本発明に係る画像形成装置は、長尺な感光体に対して均一に帯電させることができ、すなわち、画像濃度段差のない均一な画像を得ることができ、かつ、各種形状の異なる帯電ローラを個体差も込みで適用することができる。
本発明の実施例1に係る画像形成装置1は、トナーの色に対応して複数の感光体11が配置されたタンデム式であり、感光体11と、回転軸を中心とした回転動作によって移動される感光体表面11aに接触することによって感光体表面11aを帯電させる帯電ローラ40を備える接触帯電方式の帯電部20と、を有するものである。
この画像形成装置1は、シアンC、マゼンタM、イエローY、および、ブラックKの4原色のトナーの色に対応した四つの色別対応ユニット10と、トナー画像を用紙等の転写材Pに転写する転写部14と、転写材Pを搬送する搬送部15と、転写材Pに転写したトナー画像を定着させる定着部16と、印刷に関する各種情報を入力する入力部60と、印刷に関する各種情報を記憶する記憶部61と、画像形成装置1の各部の動作を制御する制御部70と、を有する。
なお、4つの色別対応ユニット10は、トナーの色が異なる以外はいずれも略同じ構成であるため、個々の説明については省略する。
また、実施例1では、感光体11は、制御部70によって表面電位が-500Vを目標として制御される。
例えば、帯電ローラ40の放電開始電圧が-600Vである場合、放電開始電圧の-600Vに感光体11の目標とする表面電位である-500Vを加えた-1100Vを帯電ローラ40に印加すると、感光体11の表面電位が-500Vとなる。
なお、この実施例1では、帯電部20は、3つの帯電ローラ40のうち、2つの帯電ローラ40が回転軸方向を感光体表面11aの移動方向に直交する方向に対して傾斜角度Aをつけて設けられている。
より具体的には、中央の1つの帯電ローラ40が回転軸方向を感光体表面11aの移動方向に直交する方向に向けて設けられ、両側の2つの帯電ローラ40が回転軸方向を感光体表面11aの移動方向に直交する方向に対して傾斜角度Aをつけて設けられている。
なお、帯電ローラ40は、弾性接触部42の中央部分が凸状となる、いわゆるクラウン形状、あるいは、弾性接触部42の中央部分が凹状となる逆クラウン形状であっても構わないが、弾性接触部の外径偏差が0.2mm以下であるものが好ましい。
なお、帯電ローラ40が、金属軸部41に半導電性ゴムを被せただけの単層、或いは、半導電性ゴム層に表面保護層を追加しただけの二層ローラでは、帯電ローラ40の電気抵抗成分に担持される電圧降下分が無視できず、感光体11の1回転目とそれ以降の帯電電位に段差が生じ易く、また、隣接する帯電ローラ40の重複部分Wの感光体11の帯電電位にも段差が生じ易いので、機能分離型ローラを適用するのが好ましい。
帯電ローラ40の電気抵抗成分に担持される電圧降下分をできるだけ小さくするには、単に電気抵抗を小さくすれば良い訳でない。感光体11の耐電圧不足によるピンホールの発生を避けるには、帯電ローラ40の電気抵抗成分を実質的に支配する抵抗調整層の体積抵抗率を1×10の7乗[Ω・cm]程度とし、厚みが耐電圧不良を起こさない範囲でできるだけ薄い層にするのが好ましい。
この実施例1では、弾性接触部42の外径が12mm、長さが322mmとしている。
金属軸部41・・・直径8mm、
導電性弾性体層・・・厚さ略2mm、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、SBR、NR等に、カーボンブラック等の電子導電剤を配合して、体積抵抗率が1×10の3乗[Ω・cm]以下で、低硬度30度(Hs:JIS A)としている。
導電性弾性体層からのオイル滲み出し防止層・・・厚さ10μm
抵抗調整層・・・耐電圧性(耐リーク性)を高めるイオン伝導層とし、絶縁破壊電圧を満足させる最低限の厚みとして50μm以上としている。
なお、抵抗調整層に含まれるカーボンブラック等の電子導電剤はゴムに対して10容量%以下としている。
具体例として、厚さ160μm、エーテル結合を有する高分子化合物である、エピクロルヒドリン‐エチレンオキサイド共重合ゴム(CHC)や水素化ニトリルゴム等に、イオン導電剤としての過塩素酸塩(第4級アンモニウム塩)、帯電防止剤等を配合して、体積抵抗率を1×10の7乗[Ω・cm]としている。
表面保護層・・・厚さ10μm、フッ素系樹脂(フッ化ビニリデン‐四フッ化エチレン共重合樹脂)に電子導電粒子(マグネタイトまたはチタンブラック)を配合して、体積抵抗率を10の7乗~10の10乗、ショアー硬さ(D形)65度以下としている。
なお、表面保護層は、粗面形成用粒子に起因する凸部を分布形成し、粗面形成用粒子の外径が13μm、凸部以外の厚みが10μmとしている(特開2007-178559号公報、特開2007-264491号公報参照)。
このような表面保護層を適用することによって、感光体11と帯電ローラ40との接触面積を減少させて、その空隙において一定の放電領域を確保することによって、帯電性能を向上させることができる。したがって、低コスト化に有利な直流電圧方式も視野に入れることができ、交流電圧方式では、発生しがちな振動音を軽減することもできる。
このような問題を解消するために、この実施例1では、クリーニングローラ17は、例えば、特開平8-137208号公報に開示されたクリーニングローラ17を適用する。
このクリーニングローラ17により、上記帯電性能の低下、帯電ムラ等の問題を解消できる。
なお、クリーニング材17bは、特開2012-103641号公報に開示されているように、金属軸部17aに沿う部分の幅が5mm~24mm、厚みが1.9mm~3.6mmにするとよい。
この軸端回動支持部26は、金属軸部41の軸方向に沿って電極保持部24から連接されるように形成された金属軸部保持凹部27が形成されている。
金属軸部保持凹部27は、内径が金属軸部41の外径より僅かに大きく設定されている。
また、金属軸部保持凹部27は、軸方向の深さが、金属軸部41が軸方向付勢部材25aによる付勢力を受けつつ軸方向に滑ることができるように設定されている。
このため、帯電ローラ40は、回転軸方向を感光体表面11aの移動方向に直交する方向に対して傾斜角度Aをつけて設けられていても、感光体11に圧接しながら安定して回転することができるようになっている。
すなわち、可動軸受け部23は、電極保持部24がクリーニングローラ17に対応した位置にも、電極板Eを保持している。
また、軸端回動支持部26は、帯電ローラ40に対応した金属軸部保持凹部27に並ぶように、クリーニングローラに対応した金属軸部保持凹部28が形成されている。
金属軸部保持凹部28は、軸方向の深さが、クリーニングローラ17の金属軸部17aが軸方向付勢部材25bによる付勢力を受けつつ軸方向に滑ることができるように設定されている。
この固定フレーム30は、図7に示すように、画像形成装置1の筐体、あるいは、フレームに固定される固定部31と、感光体11の幅方向に沿って延在するように配置され、3つの帯電ローラ40の各軸受け部21が固定される軸受け固定面32aが形成された複数帯電ローラ配置部32と、を有する。
より具体的には、角度調整ガイドスリット34は、各軸受け部21の被固定部22に1カ所ずつ形成されたガイド突起22cのスライドガイドになっている。
ここで、クロス量Tとは、[クロス量T=感光体の半径R1+帯電ローラの半径R2-感光体と帯電ローラの軸中心間距離D]によって算出される値である(図10参照)。
このような傾斜角度Aの調整範囲では、各帯電ローラ40は、上述した寸法に設定にした場合、帯電ローラ40の弾性接触部42の両端位置での軸中心位置の差B(図10参照)が1.1mm以上、11.2mm以下の範囲で傾斜角度Aが調整される。
すなわち、傾斜角度Aが、0.2度未満である場合、隣接する2つの帯電ローラの重複する部分の感光体11の帯電電位が、重複していない部分の感光体11の帯電電位よりも高くなることによって、帯電ローラ40が重複する部分の感光体11の中間調画像濃度が薄く表現されてしまう。
一方、傾斜角度Aが、2度を超える場合、感光体11への圧力分布の偏差が大きくなりすぎて、正しい帯電分布が得られず、画像ムラが発生してしまう。
すなわち、帯電部20は、一対の軸受け部21の被固定部22に1カ所ずつ形成されたガイド突起22cを固定フレーム30の対応する各角度調整ガイドスリット34に嵌め込んだ後、各角度調整ガイドスリット34内で各ガイド突起22cを動かして、所定の範囲で傾斜角度Aを調整した後に、被固定部22を固定フレーム30にネジ止め固定する。
これは、耐久で感光体の膜厚が薄くなったことや、感光体層内の空間電荷が多くなったこと等が影響したことによるものと、本特許出願人らは推察している。
また、本特許出願人らは、隣接する帯電ローラ40の重複部分Wにおける濃度段差の程度は、感光体11や帯電ローラ40の個体差、接触圧差、寸法誤差、環境差等で、必ずしも同じにはならないことも、実験により確認した。
この実施例1では、露光部50は、感光体11の軸に平行に並設された複数のLED(Light Emitting Diode)51aを光源とする公知のLEDヘッド51によって実現され、この実施例1では、3つのLEDヘッド51を有して感光体11の軸方向(以下、主走査方向MSDという。)の露光範囲をカバーするようになっている。
各LEDヘッド51は、直線状に並設された複数のLED51aを備え、各LED51aの光を感光体11の感光体表面11aに結像させる不図示のレンズを有する。
このLEDヘッド51の各LED51aは、制御部70によって点灯および消灯を制御されるようになっている。
ただし、以下の説明では、静電潜像の1ドット分を感光体表面11aに形成する際に、所定時間点灯するLEDの点灯回数(ライン数)の最大値が6回(6つのラインL1-L6)の場合について説明するが、該LEDの点灯回数は6回に限定されない。
このとき、第1の発光としての、第3ラインL3~第6ラインL6は潜像データに基づいて、点灯(強度)または消灯が制御される構成となっている。
例えば、細い線等は通常の印刷すなわち潜像データに基づいた印刷では、他の部分に対して薄く印刷されてしまう傾向があるので、画像データよりも印刷濃度が濃くなるようなエンハンス補正(γ補正等の周知の補正)をした潜像データの書き込みを行う、第3ラインL3~第6ラインL6が設けられる構成となっている。
具体的には、潜像データに関わらず、隣接する帯電ローラ40の重複部分に対応した感光体表面11aの帯電電位に関わるLED51a(図4における範囲W1、W2)について、範囲W1においては第1ラインL1で点灯(第2ラインL2は消灯)、範囲W2においては第2ラインL2で点灯(第1ラインL1は消灯)とし、複数の帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの帯電電位に関わるLED51a(図4における範囲W1、W2以外の範囲)においては、第1ラインL1、第2ラインL2ともに消灯としている。
感光体表面11aに照射するLED51aの光エネルギー(露光量)は、LEDヘッド51aの「出力ワット×点灯時間」で表すことができ、LEDヘッド51aによる感光体表面11aの除電レベルは、LEDヘッド51aの光エネルギー(露光量)の大きさに依存する。
第1ラインL1~第2ラインL2が設けられていない従来技術の構成のときに、図19に示すような、隣接する帯電ローラ100の重複部分Wの感光体200の帯電電位が、重複しない部分の帯電電位よりもマイナス方向に高くなり、例えば、帯電ローラ100の重複しない部分の感光体表面210の帯電電位が-500Vのとき、帯電ローラの重複部分Wの感光体表面210の帯電電位が-550Vとなる。
しかし、この実施例1では、第1ラインL1~第2ラインL2が設けられる構成としたので、第1ラインL1~第2ラインL2の点灯時間を調整することで、図19に示すような、帯電ローラの重複部分Wの感光体表面210の帯電電位-550Vも-500Vに補正(除電)することが可能となり、帯電ローラ40の帯電領域42の重複部分Wを含めた感光体表面11aの帯電領域を均一に帯電させることができる。
各LEDヘッド51は、この実施例1では、図4に示すように、7296個のLED51aが直線状に並設されている。
3つのLEDヘッド51のうちの中央に配置されたLEDヘッド51は、両端部の各端から56個のLED51a(図4中、白丸で示している。)を露光には用いず常時消灯させておく。
また、3つのLEDヘッド51のうちの両側の2つのLEDヘッド51は、中央のLEDヘッド51との副走査方向SSDでの重なり側となる一端部の端から44個のLED51a(図4中、白丸で示している。)を露光には用いず常時に消灯させておく。
このため、汎用性の高い小サイズのLEDヘッド51を複数用いることによって主走査方向MSDでの長尺な露光範囲を低コストでカバーすることができるようになっている。
露光部50によって感光体表面11aに形成された静電潜像は、この現像部12によってトナーが現像されて可視像化される。
転写部14は、転写ベルト14aと、ベルト駆動ローラ14bと、ベルトテンションローラ14cと、一次転写ローラ14dと、ベルトクリーナ14eと、を有する。
搬送部15は、供給部からの紙等の転写材Pをトナー像が転写された状態で定着器まで、搬送する。
この搬送部15は、搬送方向に並べられた複数の搬送ローラ15aと、搬送ローラ15aを駆動する不図示のローラ駆動部と、を有し、搬送ローラ15aの一つとして二次転写ローラ15bが設けられている。
二次転写ローラ15bは、転写ベルト14aに対して紙等の転写材Pを挟んで対向配置され、トナーの帯電極性とは異なる極性のバイアスが印加されることによって、転写ベルト14a上に転写されたトナー像を紙等の転写材Pに転写する。
感光体11と帯電ローラ40のニップ入口側では、帯電ローラ40と感光体11との間の空隙が徐々に狭くなり、帯電ローラ40と感光体11との間の電位差が放電開始電圧よりも大きくなると放電が発生し、帯電ローラ40と感光体11との間の電位差が放電開始電圧と同値になるまで感光体11を帯電させ、放電開始電圧以上になると、傾き1の直線の帯電特性を示す。
一方、放電開始電圧は、温度あるいは気圧等の環境や、耐久で大きく変動するので、帯電電位も大きく変動する。
なお、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を帯電ローラ40に印加する場合、一定のピーク間電圧VPPを印加するのではなく、環境や耐久、すなわち、帯電ローラ40の耐久による汚れ、さらには、感光体11の耐久による膜厚の変化等に対応できる必要最低限度のピーク間電圧、すなわち、放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧VPPを満足する必要最低限度のピーク間電圧をその都度検出して、その都度の必要最低限度のピーク間電圧VPPを印加することが重要である。
なお、濃度段差補正情報とは、帯電電位差調整部71が、隣接する帯電ローラ40が重複する領域に対応した感光体表面11aの帯電電位と、隣接する帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの帯電電位との差を小さくする制御を実行するために必要な情報である。
このような濃度段差補正情報の入力設定は、例えば、画像形成装置1のメンテナンス時に行う。
より具体的には、入力部60による各濃度段差補正情報の入力設定、すなわち、LED選択設定、および、LED点灯強度設定を変更しながら、各々の濃度段差補正情報の入力設定に於けるパターンの印刷出力画像を確認し、濃度段差を解消されたことが目視確認された濃度段差補正情報の入力設定値を、決定情報として記憶部61に記憶させる。
この実施例1では、記憶部61は、入力部60によって入力された上述の濃度段差補正情報が記憶されている。
この制御部70は、本発明の特徴部分であり、隣接する帯電ローラ40が重複する領域に対応した感光体表面11aの帯電電位と、隣接する帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの帯電電位との差を小さくするように露光部50による露光量を制御する帯電電位差調整部71を有する。
この帯電電位差調整部71は、記憶部61に記憶された濃度段差補正情報から、上述のLED選択設定情報、および、LED点灯強度設定情報を取得して、この情報に基づいて複数のLED51aの点灯および消灯を制御している。
LED点灯強度設定情報とは、隣接する帯電ローラ40の重複部分に対応した感光体表面11aの帯電電位に関わるLED51a(図4における範囲W1、W2)について、範囲W1においては第1ラインL1で点灯させる時間(第2ラインL2は消灯)、範囲W2においては第2ラインL2で点灯させる時間(第1ラインL1は消灯)、複数の帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの帯電電位に関わるLED51a(図4における範囲W1、W2以外の範囲)においては、第1ラインL1、第2ラインL2ともに消灯とする情報である。
具体的には、帯電ローラ40の重複しない部分の感光体表面11aの帯電電位が-500Vのとき、帯電ローラの重複部分Wの感光体表面11aの帯電電位が-550Vになるものの、選択LED51aの1画素における点灯強度を選択外LED51aの1画素における点灯強度に比して大きくすることによって、-550Vの帯電電位を-500Vに除電することができる。
これにより、画像形成装置1は、図13に示すように、各印刷濃度における帯電ローラ40の重複部分Wを原因とする濃度段差を解消することができる。
なお、図12中のグラフは、縦軸(Y)がマイナス帯電方向を上向きとする感光体11の表面電位を示し、横軸(X)が感光体11の軸方向位置を示している。
また、図12中のグラフは、実線Aが一次帯電位(暗部電位)を示し、破線Bが中間調の電位を示し、一点鎖線Cが明部電位を示している。
また、本発明の実施例1に係る画像形成装置1は、露光部50が、隣接する帯電ローラ40の重複部分で帯電された感光体表面11aの露光量を、隣接する帯電ローラ40の重複しない部分で帯電された感光体表面11aの露光量よりも、大きくしているので、隣接する帯電ローラ40が重複する領域に対応した感光体表面11aの帯電電位と、隣接する帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの帯電電位との差を小さくすることができる。
従いまして、本発明の実施例1に係る画像形成装置1は、長尺な感光体11に対して均一に帯電させることができ、すなわち、画像濃度段差のない均一な画像を得ることができかつ、各種形状の異なる帯電ローラ40を個体差も込みで適用することができる。
このため、本発明の実施例1に係る画像形成装置1は、帯電ローラ40の傾斜角度Aを調整することによって、帯電ローラ40の帯電領域42の重複部分Wについて感光体11を均一に帯電させつつ、さらに、帯電電位差調整部71によって、より安定的に感光体11を均一に帯電させることができる。すなわち、画像濃度段差のない均一な画像を得ることができる。
また、各種形状の異なる帯電ローラ40を個体差も込みで適用することができる。
図14は、本発明の実施例2に係る画像形成装置2の制御部90を含めた全体構造を概略的に示した図である。図15は、図14に示した画像形成装置2の感光体11周辺を拡大した図である。図16は、露光部50と、3つの帯電ローラ40と、感光体11と、表面電位検出部80との位置関係を説明するための図である。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施例2では、表面電位検出部80は、6つの表面電位センサ81を有する。
各表面電位センサ81は、感光体11の回転方向において露光部50の下流側に設けられ、図16に示すように、3つの帯電ローラ40が重複する領域に対応した感光体表面11a、および、3つの帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの電位を測定できるように感光体11の軸方向に平行に分散配置されている。
なお、この実施例2では、表面電位検出部80が6つの表面電位センサ81を有するものを例示したが、表面電位センサ81の数は6つに限らない。すなわち、後述する帯電電位差調整部91によってLED点灯強度設定情報を自動で生成することができる程度の電位の情報を取得できればその他の数であっても構わない。
この制御部90は、本発明の特徴部分であり、隣接する帯電ローラ40が重複する領域に対応した感光体表面11aの帯電電位と、隣接する帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの帯電電位との差を小さくするように露光部50による露光量を制御する帯電電位差調整部91を有する。
具体的には、帯電電位差調整部91は、隣接する帯電ローラ40が重複する領域に対応した感光体表面11aの帯電電位に関わるLED51aの点灯強度を、隣接する帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの帯電電位に関わるLED51aに比して大きくするように複数のLED51aの点灯および消灯を制御する。
濃度段差補正情報は、隣接する帯電ローラ40が重複する領域に対応した感光体表面11a、および、隣接する帯電ローラ40が重複しない領域に対応した感光体表面11aの電位を測定できるように分散配置された各表面電位センサ81から検出された電位の情報である。
例えば、入力部60に、濃度段差補正情報の記憶処理の実行スイッチを設け、この実行スイッチを押すことによって、自動で表面電位検出部80が各表面電位センサ81によって感光体表面11aの電位を検出し、検出された電位の情報が記憶部61に記憶される。
例えば、図18に示すように、3つの帯電ローラ40の全てが傾斜角度Aを付けて設けられても構わないし(図18(a)参照)、中央の1つの帯電ローラ40が回転軸方向を感光体表面11aの移動方向に直交する方向に対して傾斜角度Aをつけて設けられ、両側の2つの帯電ローラ40が回転軸方向を感光体表面11aの移動方向に直交する方向に向けて設けられるようにしても構わない(図18(b)参照)。
さらには、3つの帯電ローラ40の全てに傾斜角度Aを付けず、3つの帯電ローラ40の全てが回転軸方向を感光体表面11aの移動方向に直交する方向に向けて設けられるようにしても構わない(図18(c)参照)。
例えば、クラウン形状、ストレート形状、逆クラウン形状というような帯電ローラ40の形状に対応した最適な傾斜角度Aを定めることによって、その定められた傾斜角度Aに固定した装置仕様であっても構わない。
10 色別対応ユニット
11 感光体
11a 感光体表面
12 現像部
12a トナー収容部
12b 現像ローラ
13 感光体クリーナ
14 転写部
14a 転写ベルト
14b ベルト駆動ローラ
14c ベルトテンションローラ
14d 一次転写ローラ
14e ベルトクリーナ
15 搬送部
15a 搬送ローラ
15b 二次転写ローラ
16 定着部
17 クリーニングローラ
17a 金属軸部
17b クリーニング材
20 帯電部
21 軸受部
22 被固定部
22a バネ収容部
22b ガイド壁部
22c ガイド突起
23 可動軸受部
24 電極保持部
25 軸方向付勢部材保持部
25a、25b 軸方向付勢部材
26 軸端回動支持部
27、28 金属軸部保持凹部
30 固定フレーム
31 固定部
32 複数帯電ローラ配置部
32a 軸受け固定面
33 ネジ止め固定部
34 角度調整ガイドスリット
40 帯電ローラ
41 金属軸部
42 弾性接触部(帯電領域)
50 露光部
51 LEDヘッド
51a LED
60 入力部
61 記憶部
70、90 制御部
71、91 帯電電位差調整部
80 表面電位検出部
81 表面電位センサ
A 傾斜角度
B 帯電ローラの両端位置での軸中心位置の差
D 感光体と帯電ローラの軸中心間距離
E 電極板
P 紙等の転写材
R1 感光体の半径
R2 帯電ローラの半径
S バネ
T クロス量
W1,W2 重複部分
Claims (7)
- 感光体と、該感光体の回転軸を中心とした回転動作によって移動される感光体表面に接触することによって前記感光体表面を帯電させる帯電ローラを有する帯電部と、前記帯電部により帯電された前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光部と、を備えた画像形成装置において、
前記帯電部は、
前記帯電ローラが、隣接する互いの帯電領域の端部が前記感光体表面の移動方向で重複するように前記感光体表面の移動方向に交差する方向に沿って複数設けられており、
前記露光部は、
前記複数の帯電ローラの重複部分で帯電された前記感光体表面の露光量を、前記複数の帯電ローラの重複しない部分で帯電された前記感光体表面の露光量よりも大きくした
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記露光部は、
前記感光体の軸に平行に並設された複数のLEDを光源とし、
当該画像形成装置は、
前記複数のLEDの点灯および消灯を制御することによって、前記複数の帯電ローラが重複する領域に対応した前記感光体表面の帯電電位と、前記複数の帯電ローラが重複しない領域に対応した前記感光体表面の帯電電位との差を小さくするように前記露光部による露光量を制御する帯電電位差調整部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記複数の帯電ローラは、
1つ以上の前記帯電ローラが回転軸方向を前記感光体表面の移動方向に直交する方向に対して傾斜角度をつけて設けられる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 前記複数の帯電ローラは、
前記傾斜角度を所定の範囲で調整可能に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記帯電電位差調整部は、
前記感光体表面に形成する静電潜像の1画素ごとの前記LEDの点灯強度を、前記複数の帯電ローラが重複する領域に対応した前記感光体表面の帯電電位に関わる前記LEDを、前記複数の帯電ローラが重複しない領域に対応した前記感光体表面の帯電電位に関わる前記LEDに比して大きくするように前記複数のLEDの点灯および消灯を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記露光部は、
複数の前記LEDが直線状に並設された複数のLEDヘッドを有し、前記複数のLEDヘッドによって前記感光体の軸方向の露光範囲をカバーする
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記感光体表面の電位を検出する表面電位検出部をさらに有し、
前記表面電位検出部によって検出された電位に基づいて前記複数の帯電ローラが重複する領域に対応した前記感光体表面の帯電電位と、前記複数の帯電ローラが重複しない領域に対応した前記感光体表面の帯電電位との差を小さくするように前記露光部による露光量を制御する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の画像形成装置。
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