JP7290917B2 - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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<第1の態様>
前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分と、両方の側縁が、前記腹側部分の前後方向の中間から前記背側部分の前後方向の中間まで、前後方向に対する鋭角側交差角が±2度未満の方向に延びる股間部と、を有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体を有し、
前記腹側部分及び前記背側部分は、前記股間部よりも幅方向外側に延び出たウイング部分を有し、
前記背側部分の両側部に、前記腹側部分とを着脱可能に連結するための連結テープを有する、
テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記腹側部分のウイング部分の下縁は、当該ウイング部分の基端側に位置する第1部分と、当該ウイング部分の先端側に位置する第2部分とを有し、
前記第1部分は、股間部の側縁の前端から横斜め前に屈曲して、前後方向に対する鈍角側交差角が160~175度の方向に延びており、
前記第2部分は、前記第1部分の前端から横斜め前に屈曲して、前後方向に対する鈍角側交差角が120~150度の方向に延びており、
前記第1部分の前後方向の寸法は、前記股間部の前後方向の寸法の0.15~0.30倍であり、
前記第2部分の前後方向の寸法は、前記股間部の前後方向の寸法の0.10~0.25倍である、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
本テープタイプ使い捨ておむつの腹側部分では、ウイング部分の下縁が、ウエスト側に向かい十分に深く切れ上がった基端側の第1部分を基本とし、そこから横に屈曲して、鼠径部に沿うように十分に延びる第2部分を有している。したがって、本テープタイプ使い捨ておむつでは、装着者が大腿部を大きく曲げたとしても、第1部分が深く切れ上がっているために、大腿部の上部前面がウイング部分の下縁にきつく当たりにくい。したがって、本テープタイプ使い捨ておむつでは、より広範囲の脚周り寸法において、大腿部を曲げたときの、大腿部の上部前面と腹側部分のウイング部分の下縁とのフィット性が良好となる。
前記股間部の両方の側縁は、後端から前端に向かって1~2度斜め内側に傾斜した方向に延びている、
第1の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
本態様のように、股間部の幅が前方に向かうにつれて狭くなると、大腿部が前方に移動しやすくなるため、大腿部を曲げたときの、大腿部の上部前面と腹側部分のウイング部分の下縁とのフィット性が、より良好となる。
腹側部分から背側部分にかけての幅方向両側に、吸収体を有しないサイドフラップ部を有し、
サイドフラップ部の側部における前後方向中間を切断することにより、股間部の側縁からウイング部分の下縁までの脚周り縁が形成されている、
第1又は2の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
前述のような第1部分及び第2部分を有するウイング部分は、本態様のようにサイドフラップ部を有する構造において、サイドフラップ部の切断により形成すると、製造が容易であるため好ましい。
前記サイドフラップ部における前記腹側部分のウイング部分よりも幅方向中央側に、サイド弾性部材が設けられるとともに、このサイド弾性部材により前後方向に収縮した平面ギャザーが設けられており、
前記サイド弾性部材の収縮力が作用する前後方向範囲が、前記第1部分の前後方向範囲の少なくとも一部と重なった重なり範囲を有しており、
自然長の状態で、前記第1部分は、前記サイド弾性部材により収縮した部分を有している、
第3の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
本態様のようにサイド弾性部材と第1部分とに重なり範囲を設けると、第1部分を有する部分も前後方向にある程度伸縮可能となるため、より広範囲の脚周り寸法において、大腿部を曲げたときの、大腿部の上部前面と腹側部分のウイング部分の下縁とのフィット性が良好となる。
前記背側部分のウイング部分の下縁は、股間部の側縁の後端から横斜め後に屈曲して、前後方向に対する鈍角側交差角が120~150度の方向に延びており、
前記背側部分のウイング部分の下縁の前後方向の寸法は、前記股間部の前後方向の寸法の0.2~0.3倍である、
第1~4のいずれか1つの態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
通常、大腿部の後方への曲げ角度は小さい。背側部分のウイング部分は臀部を広く覆うことが好ましい。このため、背側部分のウイング部分の下縁は、腹側部分のウイング部分とは異なり、股間部の後端から大きく横に屈曲して延びる(前後非対称)ことが好ましい。
(吸収体)
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、透湿性を有するものが好ましい。液不透過性シート11としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、液不透過性シート11としては、不織布を基材として防水性を高めたものも用いることができる。
外装不織布12は液不透過性シート11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。外装不織布12としては特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10~50g/m2、特に15~30g/m2のものが望ましい。
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
図示例のテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップ部EFと、吸収体56の両方の側縁よりも側方にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のサイドフラップ部SFとを有している。サイドフラップ部SFは、図示例のように、吸収体56を有する部分から連続する素材(外装不織布12等)からなるものであっても、他の素材を取り付けて形成してもよい。
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
背側部分Bにおけるサイドフラップ部SFには、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結テープ13がそれぞれ設けられている。おむつ10の装着に際しては、連結テープ13を腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ13の連結部13Aを腹側部分F外面の適所に連結する。
腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所には、ターゲット部を設けることが好ましい。ターゲット部は、図示例のように、連結を容易にするためのターゲットシート20を腹側部分Fの外面に貼り付けることにより設けることができる。ターゲットシート20は、連結部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所が不織布からなる場合、例えば図示例のように外装不織布12を有する場合には、ターゲットシート20を省略し、フック材を外装不織布12の繊維に絡ませて連結することもできる。この場合、目印としてのターゲットシート20を外装不織布12と液不透過性シート11との間に設ける他、外装不織布12や液不透過性シート11の外面に目印を印刷してもよい。
本テープタイプ使い捨ておむつは、図1、図2及び図7に示すように、腹側部分Fの前後方向LDの中間から背側部分Bの前後方向LDの中間まで、両方の側縁73が前後方向LDに対する鋭角側交差角θ0が±2度未満の方向に延びる股間部Mを有している。また、腹側部分F及び背側部分Bは、股間部Mよりも幅方向WD外側に延び出たウイング部分WPを有している。ウイング部分WPの側縁は図示例では直線状となっているが、これに限定されず、公知の他の形状を採用することもできる。股間部Mの前後方向LDの寸法は適宜定めることができるが、股間部Mの最小幅MXの1.2~1.4倍程度とすることができる。乳幼児用途の場合、股間部Mの前後方向LDの寸法MYは10~30cm程度である。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
Claims (5)
- 前後方向中央より前側に延びる腹側部分と、前後方向中央より後側に延びる背側部分と、両方の側縁が、前記腹側部分の前後方向の中間から前記背側部分の前後方向の中間まで、前後方向に対する鋭角側交差角が±2度未満の方向に延びる股間部と、を有し、
前記股間部を含む範囲に内蔵された吸収体を有し、
前記腹側部分及び前記背側部分は、前記股間部よりも幅方向外側に延び出たウイング部分を有し、
前記背側部分の両側部に、前記腹側部分とを着脱可能に連結するための連結テープを有する、
テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記腹側部分のウイング部分の下縁は、当該ウイング部分の基端側に位置する第1部分と、当該ウイング部分の先端側に位置する第2部分とを有し、
前記第1部分は、股間部の側縁の前端から横斜め前に屈曲して、前後方向に対する鈍角側交差角が160~175度の方向に延びており、
前記第2部分は、前記第1部分の前端から横斜め前に屈曲して、前後方向に対する鈍角側交差角が120~150度の方向に、前記腹側部分のウイング部分の下縁の側端まで延びており、
前記第1部分の前後方向の寸法は、前記股間部の前後方向の寸法の0.15~0.30倍であり、
前記第2部分の前後方向の寸法は、前記股間部の前後方向の寸法の0.10~0.25倍であり、
前記股間部の側縁、前記第1部分及び前記第2部分は、それぞれの延びる方向と直交する方向に±5mmの幅の範囲内を通り、変曲点を有しない曲線状に延びているとともに、前記第1部分はそれ自体よりも幅方向外側に曲率中心を有する曲線であり、前記第2部分はそれ自体よりも幅方向内側に曲率中心を有する曲線である、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記股間部の両方の側縁は、後端から前端に向かって1~2度斜め内側に傾斜した方向に延びている、
請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。 - 腹側部分から背側部分にかけての幅方向両側に、吸収体を有しないサイドフラップ部を有し、
サイドフラップ部の側部における前後方向中間を切断することにより、股間部の側縁からウイング部分の下縁までの脚周り縁が形成されている、
請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記サイドフラップ部における前記腹側部分のウイング部分よりも幅方向中央側に、サイド弾性部材が設けられるとともに、このサイド弾性部材により前後方向に収縮した平面ギャザーが設けられており、
前記サイド弾性部材の収縮力が作用する前後方向範囲が、前記第1部分の前後方向範囲の少なくとも一部と重なった重なり範囲を有するとともに、前記第2部分の前後方向範囲と重なった重なり範囲を有しておらず、
自然長の状態で、前記第1部分は、前記サイド弾性部材により収縮した部分を有している、
請求項3記載のテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記背側部分のウイング部分の下縁は、股間部の側縁の後端から横斜め後方に屈曲して、前後方向に対する鈍角側交差角が120~150度の方向に延びており、
前記背側部分のウイング部分の下縁の前後方向の寸法は、前記股間部の前後方向の寸法の0.2~0.3倍である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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