JP7290140B2 - ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置 - Google Patents

ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7290140B2
JP7290140B2 JP2020151460A JP2020151460A JP7290140B2 JP 7290140 B2 JP7290140 B2 JP 7290140B2 JP 2020151460 A JP2020151460 A JP 2020151460A JP 2020151460 A JP2020151460 A JP 2020151460A JP 7290140 B2 JP7290140 B2 JP 7290140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
polishing
shaped member
ring
polished
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020151460A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022045720A (ja
Inventor
広樹 太田
裕生 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumco Corp
Original Assignee
Sumco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2020151460A priority Critical patent/JP7290140B2/ja
Application filed by Sumco Corp filed Critical Sumco Corp
Priority to PCT/JP2021/024893 priority patent/WO2022054380A1/ja
Priority to KR1020237007789A priority patent/KR20230047459A/ko
Priority to US18/025,337 priority patent/US20230330809A1/en
Priority to CN202180061818.2A priority patent/CN116075921A/zh
Priority to DE112021004717.5T priority patent/DE112021004717T5/de
Priority to TW110131046A priority patent/TWI795881B/zh
Publication of JP2022045720A publication Critical patent/JP2022045720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7290140B2 publication Critical patent/JP7290140B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B49/00Measuring or gauging equipment for controlling the feed movement of the grinding tool or work; Arrangements of indicating or measuring equipment, e.g. for indicating the start of the grinding operation
    • B24B49/16Measuring or gauging equipment for controlling the feed movement of the grinding tool or work; Arrangements of indicating or measuring equipment, e.g. for indicating the start of the grinding operation taking regard of the load
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/304Mechanical treatment, e.g. grinding, polishing, cutting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/005Control means for lapping machines or devices
    • B24B37/013Devices or means for detecting lapping completion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B49/00Measuring or gauging equipment for controlling the feed movement of the grinding tool or work; Arrangements of indicating or measuring equipment, e.g. for indicating the start of the grinding operation
    • B24B49/02Measuring or gauging equipment for controlling the feed movement of the grinding tool or work; Arrangements of indicating or measuring equipment, e.g. for indicating the start of the grinding operation according to the instantaneous size and required size of the workpiece acted upon, the measuring or gauging being continuous or intermittent
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67005Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/67242Apparatus for monitoring, sorting or marking

Description

本発明は、ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置に関する。
ウェーハの表面を研磨する装置には、ウェーハの片面を研磨する片面研磨装置と、ウェーハの両面を研磨する両面研磨装置とがある。片面研磨装置では、通常、研磨ヘッドに保持されたウェーハの研磨対象表面を、定盤に貼り付けられた研磨パッドに押し付けながら、研磨ヘッドと定盤とをそれぞれ回転させて、ウェーハの研磨対象表面と研磨パッドとを接触させる。こうして接触する研磨対象表面と研磨パッドとの間に研磨剤を供給することにより、ウェーハの研磨対象表面を研磨することができる(例えば特許文献1参照)。
特開2006-2663903号公報
片面研磨装置を用いるウェーハ研磨では、特許文献1(特開2006-2663903号公報)の段落0007等に記載されているように、安定的に研磨加工を行うために、リテーナリングを設けて研磨対象のウェーハを保持することが行われている。しかし、ウェーハ研磨における研磨加工の安定性を高めるためには単にリテーナリングを設けるのみでは十分ではなく、研磨条件を適切に設定することが、ウェーハ研磨における研磨加工の安定性を向上させることに寄与し得る。しかし、従来、そのような研磨条件を見出すためには、多くの試行錯誤を繰り返さざるを得なかった。
本発明の一態様は、適切な研磨条件を容易に設定して安定なウェーハ研磨加工を行うことを可能にすることを目的とする。
本発明の一態様は、
研磨装置を用いてウェーハを研磨するウェーハ研磨方法であって、
上記研磨装置は、
ヘッド本体部と、
上記ヘッド本体部の下方に位置し、開口部を有する第1のリング状部材と、
上記第1のリング状部材の上面側開口部を閉塞する板状部材と、
上記第1のリング状部材の下面側開口部を閉塞するメンブレンと、
上記メンブレンの下方に位置し、研磨対象のウェーハを保持する第2のリング状部材と、
を有する研磨ヘッド;ならびに
研磨時に研磨対象のウェーハの下面および上記第2のリング状部材の下面が接触する研磨パッド、
を有し、
上記第1のリング状部材の開口部が上記板状部材と上記メンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、この中央領域と仕切られた外周領域と、を有し、
研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて、面内厚さ分布情報を取得すること、
上記面内厚さ分布情報に基づき、上記中央領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcと上記外周領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peとの圧力差を決定すること、
PcおよびPeのいずれか一方の圧力を決定し、決定された圧力および上記圧力差に基づき、他方の圧力を決定すること、
研磨時に上記研磨パッドと接触することにより上記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の設定値Prに基づき、上記ヘッド本体部を押圧することにより上記ヘッド本体部から下方に加える圧力Pgを決定すること、ならびに、
上記決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で、研磨対象のウェーハの下面を上記研磨パッドと接触させることにより研磨すること、
を含むウェーハ研磨方法(以下、単に「研磨方法」とも記載する。)、
に関する。
一形態では、上記研磨方法は、上記Prと上記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の基準値Ptとの比Pr/Ptと、上記Peと上記Pcとの比Pe/Pcと、に基づき、上記Pgを決定することを含むことができる。
一形態では、上記研磨方法は、上記Pgの決定を、上記比Pr/Ptと、上記比Pe/Pcと、上記Pgと、の関係式からPgを算出することによって行うことを更に含むことができる。
一形態では、上記関係式は、下記式Aであることができる。式A中、R、X、Y、Z、aおよびbは、それぞれ独立に正の数である。
(式A)
Pr/Pt=-R-X(Pe/Pc)+Y(Pg/Pc)+Z((Pe/Pc)-a)((Pg/Pc)-b)
一形態では、上記比Pr/Ptは、0.8~1.2の範囲であることができる。
本発明の一態様は、上記ウェーハ研磨方法によって研磨対象のウェーハの表面を研磨して研磨面を形成することを含むウェーハの製造方法に関する。
一形態では、上記ウェーハは、半導体ウェーハであることができる。
一形態では、上記半導体ウェーハは、シリコンウェーハであることができる。
本発明の一態様は、
ウェーハ研磨装置であって、
研磨部と、
研磨条件決定部と、
を含み、
上記研磨部は、
ヘッド本体部と、
上記ヘッド本体部の下方に位置し、開口部を有する第1のリング状部材と、
上記第1のリング状部材の上面側開口部を閉塞する板状部材と、
上記第1のリング状部材の下面側開口部を閉塞するメンブレンと、
上記メンブレンの下方に位置し、研磨対象のウェーハを保持する第2のリング状部材と、
を有する研磨ヘッド;ならびに
研磨時に研磨対象のウェーハの下面および上記第2のリング状部材の下面が接触する研磨パッド、
を有し、
上記第1のリング状部材の開口部が上記板状部材と上記メンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、この中央領域と仕切られた外周領域と、を有し、
上記研磨条件決定部は、
研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて取得された面内厚さ分布情報に基づき、上記中央領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcと上記外周領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peとの圧力差を決定し、
PcおよびPeのいずれか一方の圧力を決定し、決定された圧力および上記圧力差に基づき、他方の圧力を決定し、
研磨時に上記研磨パッドと接触することにより上記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の設定値Prに基づき、上記ヘッド本体部を押圧することにより上記ヘッド本体部から下方に加える圧力Pgを決定し、
上記研磨部は、上記決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で、研磨対象のウェーハの下面を上記研磨パッドと接触させることにより研磨する、ウェーハ研磨装置、
に関する。
一形態では、上記研磨条件決定部は、上記Prと上記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の基準値Ptとの比Pr/Ptと、上記Peと上記Peとの比Pe/Pcと、に基づき、上記Pgを決定することができる。
一形態では、上記研磨条件決定部は、上記Pgの決定を、上記比Pr/Ptと、上記比Pe/Pcと、上記Pgと、の関係式からPgを算出することによって行うことができる。
一形態では、上記関係式は、先に示した式Aであることができる。
一形態では、上記比Pr/Ptは、0.8~1.2の範囲であることができる。
一形態では、上記ウェーハは、半導体ウェーハであることができる。
一形態では、上記半導体ウェーハは、シリコンウェーハであることができる。
本発明の一態様によれば、高い安定性をもってウェーハを研磨加工することが可能になる。
研磨ヘッドの一例を示す概略断面図である。 図1に示す研磨ヘッドの一部拡大図である。 空間部と第2のリング状部材との位置関係の一例を示す上面図である。 板状部材の一例を示す概略断面図である。 板状部材の一例を示す概略断面図である。 研磨ヘッドの空間部の中央領域と外周領域とを仕切る仕切りの断面形状例を示す。 研磨ヘッドの空間部の中央領域と外周領域とを仕切る仕切りの断面形状例を示す。 研磨ヘッドの空間部の中央領域と外周領域とを仕切る仕切りの断面形状例を示す。 研磨ヘッドの空間部の中央領域と外周領域とを仕切る仕切りの断面形状例を示す。 研磨ヘッドの空間部の中央領域と外周領域とを仕切る仕切りの断面形状例を示す。 研磨ヘッドの空間部の中央領域と外周領域とを仕切る仕切りの断面形状例を示す。 研磨ヘッドの空間部からメンブレンに加えられる圧力に関する説明図である。 研磨装置の一例を示す概略断面図である。 研磨方法の一例を示すフロー図である。 研磨加工におけるウェーハ外周部の研磨量とウェーハ中央部の研磨量との研磨量差と圧力差(Pe-Pc)との相関関係を示すグラフの一例である。 ウェーハ中心部の研磨レートとPcとの相関関係を示すグラフの一例である。 ウェーハ研磨装置の一例の構成を示す概略図である。 研磨条件が異なる場合のウェーハの研磨対象表面の面内の研磨量分布を示すグラフである。
[ウェーハ研磨方法]
本発明の一態様は、研磨装置を用いてウェーハを研磨するウェーハ研磨方法に関する。 上記研磨装置は、ヘッド本体部と、上記ヘッド本体部の下方に位置し、開口部を有する第1のリング状部材と、上記第1のリング状部材の上面側開口部を閉塞する板状部材と、上記第1のリング状部材の下面側開口部を閉塞するメンブレンと、上記メンブレンの下方に位置し、研磨対象のウェーハを保持する第2のリング状部材と、を有する研磨ヘッド、ならびに研磨時に研磨対象のウェーハの下面および上記第2のリング状部材の下面が接触する研磨パッド、を有する。上記第1のリング状部材の開口部が上記板状部材と上記メンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、この中央領域と仕切られた外周領域と、を有する。上記研磨方法は、研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて、面内厚さ分布情報を取得すること、上記面内厚さ分布情報に基づき、上記中央領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcと上記外周領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peとの圧力差を決定すること、PcおよびPeのいずれか一方の圧力を決定し、決定された圧力および上記圧力差に基づき、他方の圧力を決定すること、研磨時に上記研磨パッドと接触することにより上記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の設定値Prに基づき、上記ヘッド本体部を押圧することにより上記ヘッド本体部から下方に加える圧力Pgを決定すること、ならびに、上記決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で、研磨対象のウェーハの下面を上記研磨パッドと接触させることにより研磨すること、を含む。
以下に、上記ウェーハ研磨方法について、更に詳細に説明する。本発明および本明細書において、「下面」、「下方」、「上面」等の表記は、研磨ヘッドが研磨処理を行う状態に置かれたときの「下面」、「下方」、「上面」等を意味する。以下では、図面に基づき本発明の一形態を説明するが、図面に示す形態は例示であって、かかる形態に本発明は限定されない。また、図中、同一の部分には同一の符号を付している。
<研磨装置>
上記研磨装置は、少なくとも研磨ヘッドおよび研磨パッドを含む。
(研磨ヘッド)
上記研磨装置に含まれる研磨ヘッドは、ヘッド本体部と、上記ヘッド本体部の下方に位置し、開口部を有する第1のリング状部材と、上記第1のリング状部材の上面側開口部を閉塞する板状部材と、上記第1のリング状部材の下面側開口部を閉塞するメンブレンと、上記メンブレンの下方に位置し、研磨対象のウェーハを保持する第2のリング状部材と、を有する。更に、上記第1のリング状部材の開口部が上記板状部材と上記メンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、この中央領域と仕切られた外周領域と、を有する。このように中央領域と外周領域が設けられた研磨ヘッドを使用することにより、ウェーハの研磨対象表面の外周部に加わる研磨面圧と中央部に加わる研磨面圧とを、それぞれ独立に制御することができる。
図1は、上記研磨方法において使用可能な研磨装置に含まれる研磨ヘッドの一例を示す概略断面図である。
図1中、研磨ヘッド10は、ヘッド本体部11に、第1のリング状部材12が接続されている。
第1のリング状部材12は、ヘッド本体部11の下方に位置し、開口部を有する。
第1のリング状部材12の上面側開口部は、板状部材16によって閉塞されている。
第1のリング状部材12の下面は、メンブレン14で覆われている。メンブレン14によって、第1のリング上部材の下面側開口部が閉塞されている。
更に、メンブレン14の下面にはバックパッド15が貼り合わされている。
メンブレン14は、仕切り19を有する。これにより、第1のリング状部材12の開口部が板状部材16とメンブレン14によって閉塞されることにより、メンブレン14の背面に、中央領域17Aと中央領域17Aと仕切り19により仕切られた外周領域17Bとを有する空間部が形成される。
気体導入路18Aから中央領域17Aに気体を導入し、気体導入路18Aとは独立に気体導入量を制御可能な気体導入路18Bから外周領域17Bに気体を導入することにより、メンブレン14を膨らませてバックパッド15を介してウェーハWを押圧することができる。
図2は、図1に示す研磨ヘッドの一部拡大図である。
第2のリング状部材13は、その開口部にウェーハWを保持する。空間部の外周領域17Bの外周端の鉛直下方には、第2のリング状部材13の内周端部領域が位置している。内周端部領域とは、内周端とその周辺の部分を意味する。即ち、第2のリング状部材13の開口部の中心に向かう方向を内側、他方を外側と呼ぶと、第2のリング状部材13の内周端は、空間部の外周領域17Bの外周端より内側に位置している。また、仕切り19は、第2のリング状部材13の内周端より内側に位置している。図3は、空間部と第2のリング状部材13との位置関係の一例を示す上面図である。
更に、研磨ヘッド10は、中央領域17Aと仕切りで仕切られて独立した空間である外周領域17Bを有する。例えば、気体導入路18Aから中央領域17Aに導入する気体の量と気体導入路18Bから外周領域17Bに導入する気体の量を変えることにより、外周領域17Bの下方のウェーハWの研磨対象表面w1の外周部に加わる研磨面圧力を、中央領域17Aの下方のウェーハWの研磨対象表面w1の中央部に加わる研磨面圧力とは独立に制御することとができる。
上記研磨ヘッドは、以上の構成を有することにより、ウェーハの研磨対象表面の外周部に加わる研磨面圧力を容易に制御することができる。
次に、上記研磨ヘッドを構成する各部について、更に説明する。
第1のリング状部材12としては、片面研磨装置の研磨ヘッドに通常使用されるステンレス鋼材(SUS)等の剛性材料製の環状リングを使用することができる。
第1のリング状部材12が取り付けられるヘッド本体部11としては、片面研磨装置の研磨ヘッドに通常使用されるもの(例えばSUS製のヘッド本体部)を用いることができる。第1のリング状部材12は、ボルト止め等の公知の方法によってヘッド本体部11に取り付けることができる。
第1のリング状部材12の下面側開口部は、メンブレン14によって覆われて閉塞される。メンブレンが膨らんだ際に位置ずれを起こすことを防ぐ観点からは、第1のリング状部材の円環状下面もメンブレンによって覆われることが好ましい。また、第1のリング状部材の円環状下面もメンブレンによって覆われることは、第1のリング状部材の開口部に研磨剤が混入することを抑制する観点からも好ましい。メンブレン14は、接着剤の使用等の公知の方法によって第1のリング状部材12の円環状下面と貼り合わせることができる。また、メンブレン14を、図1および図2に示す形態のように、第1のリング状部材の側面にわたるように貼り合わせることも好ましい。こうして第1のリング状部材12の下面側開口部が閉塞される。更に、第1のリング状部材12の上面側開口部は、板状部材16によって閉塞される。こうして第1のリング状部材12の開口部が閉塞されて空間部が形成される。一形態では、空間部の高さ(換言すると、板状部材16の下面とメンブレン14の上面との距離)は、メンブレンを膨らませるために空間部に気体を導入していない状態の値として3.5~5.5mm程度であることが、ウェーハWの研磨対象表面に加わる研磨面圧力の面内分布を精度よく制御可能とする観点から好ましい。空間部の高さは、例えば、後述する仕切りのサイズによって調整できる。
メンブレン14としては、ゴム等の弾性を有する材料製の膜を使用することができる。ゴムとしては、例えばフッ素ゴムを挙げることができる。メンブレン14の厚さは、特に限定されないが、例えば0.5~2mm程度であることができる。
板状部材16は、例えば円盤状の板であることができ、ボルト止め等の公知の方法によってヘッド本体部11に取り付けることができる。板状部材16には、空間部の中央領域に気体を導入するための気体導入路18Aの一部をなす貫通孔および空間部の外周領域に気体を導入するための気体導入路18Bの一部をなす貫通孔が設けられている。図1には、空間部の中央領域に気体を導入するための気体導入路と外周領域へ気体を導入するための気体導入路がそれぞれ1つ設けられた形態を示したが、任意の位置に2つ以上設けることも可能であり、各気体導入路の数および位置は図面に示す形態に限定されるものではない。
メンブレン14は、仕切り19を有する。第1のリング状部材12の開口部が板状部材16とメンブレン14によって閉塞されて形成される空間部は、この仕切り19によって、中央領域17Aと外周領域17Bとに区切られる。一例として、例えばリング状部材(仕切り19)を板状部材16に設けた円環状の溝に差し込むことによって、仕切り19を板状部材16に取り付けることができる。板状部材16の一例としては、図4Aおよび図4Bに示すように、凹部を有する第1の板状部材16Aとその凹部に配置された第2の板状部材16Bから構成され、円環状の溝Gを有するものを挙げることができる。第2の板状部材16Bは、ボルト止め等の公知の方法によって第1の板状部材16Aに取り付けることができる。円環状の溝Gには、例えば後述するL字型等の断面形状を有する仕切りを差し込むための窪みgを、仕切りの形状に応じて任意の位置に設けることもできる。
図5A~図5Fに、仕切り19の断面形状例を示す。図中、点線部は板状部材16との接続部を示し、矢印は第1のリング状部材12の中心方向を示す。仕切り19は、一形態では、図5Aおよび図5Bに示すように、L字型の断面形状を有することができる。他の一形態では、仕切り19は、図5Cに示すように、I字型の断面形状を有することができる。また他の一形態では、仕切り19は、図5Dおよび図5Eに示すように、V字型部を含む断面形状を有することができる。他の一形態では、仕切り19は、図5Fに示すように、T字型の断面形状を有することができる。仕切り19は、例えば樹脂、金属等を所望の形状に成形して作製することができる。仕切り19は、空間部に気体が導入されて圧力が加えられる際にその形状を維持できる強度を示すことができる厚さを有することが好ましく、その厚さは、例えば0.5~1.5mm程度とすることができる。
仕切り19とメンブレン14とを別個の部材として作製し、両部材を接着剤等で固定する方法も取り得るが、仕切り19は、メンブレン14と一体成型されていることが好ましい。これは、以下の理由による。仕切り19とメンブレン14との間に隙間が生じると、仕切り19により仕切られた中央領域17Aと外周領域17Bとの間で通気が生じ得る。これに対し、仕切り19とメンブレン14とが一体成型された1つの部材であれば、そのような通気が生じることなく、仕切り19によって中央領域17Aと外周領域17Bとを仕切ることができる。また、別個の部材として作製された仕切り19とメンブレン14とを周方向で均一に貼り付けることは容易ではなく、貼り付け状態が不均一な場合にはウェーハに加わる圧力の均一性が低下する可能性がある。または、接着剤によりメンブレンに隆起が生じた場合には、隆起部分と他の部分とでは、研磨面圧が異なる可能性がある。以上の観点から、仕切り19がメンブレン14と一体成型されていることは好ましい。仕切り19としては、図5Aおよび図5Bに示すようにL字型の断面形状を有するものや、図5Cに示すようにI字型の断面形状を有するもののように比較的単純な形状のものは、仕切り19がメンブレン14と一体成型されているか否かにかかわらず成型が容易である。
図6は、空間部からメンブレンに加えられる圧力に関する説明図である。上記研磨ヘッドでは、第1のリング状部材の開口部が閉塞されて形成される空間部が、中央領域17Aと外周領域17Bとに仕切られている。中央領域17Aに気体を導入してメンブレン14の中央部を膨らませることで研磨時にメンブレン14の中央部の下方に位置するウェーハWの中央部に加える圧力をPc、外周領域17Bに気体を導入してメンブレン14の外周部を膨らませることでメンブレン14の外周部の下方に位置するウェーハWの外周部に加える圧力をPeと呼ぶと、圧力Pcおよび圧力Peの大きさは、空間部の各領域への気体導入量によって、それぞれ独立に制御することができる。PcおよびPeについては、更に後述する。
メンブレン14の下面には、バックパッド15が貼り合わされる。バックパッド15は、接着剤の使用等の公知の方法によってメンブレン14の下面と貼り合わせることができる。メンブレン14の下面の外周部と第2のリング状部材13の円環状上面とが直接接することも可能であるが、バックパッド15の剥離やうねりの発生を抑制する観点からは、バックパッド15がメンブレン14の下面の外周部と第2のリング状部材の円環状上面とに挟まれて、バックパッド15がメンブレン14の下面の外周部と第2のリング状部材と13の円環状上面との間に介在していることが好ましい。バックパッド15としては、例えば発泡ポリウレタン等の、水を含むと水の表面張力により吸着性を示す材料製の円盤状の板を用いることができる。これにより、水を含んだバックパッド15にウェーハWを保持させることができる。
第2のリング状部材13は、その開口部にウェーハWを保持するための部材であり、リテーナー、リテーナリング等とも呼ばれる。第2のリング状部材13は、例えばガラスエポキシ製のリング状部材であることができる。第2のリング状部材13は、接着剤の使用等の公知の方法によってバックパッド15と貼り合わせることができる。上記研磨ヘッドでは、第1のリング状部材12の開口部が閉塞されて形成される空間部の外周領域の外周端の鉛直下方に、第2のリング状部材の内周端部領域(詳しくは、第2のリング状部材の円環状上面の内周側領域)が位置する。これにより、空間部の外周端の鉛直下方にウェーハWの研磨対象表面w1の外周部を位置させることなく、ウェーハWの研磨対象表面w1を研磨することができる。例えば、第1のリング状部材の内径より小さな内径を有する第2のリング状部材を、第1のリング状部材と同心円状に配置することにより、第2のリング状部材の内周端部領域を、第1のリング状部材の開口部が閉塞されて形成される空間部の外周端の鉛直下方に配置することができる。ウェーハの研磨対象表面の外周部に加わる研磨面圧力の制御を容易に行う観点からは、第2のリング状部材の円環状上面において、内周端から外周側に向かう幅(図1中の「d」)8~25mm程度の領域が、空間部の外周領域17Bの下方に位置することが好ましい。第2のリング状部材13の厚さは、研磨対象のウェーハWの厚さに応じて決定すればよい。また、第2のリング状部材13の開口部の直径も、研磨対象のウェーハWの直径に応じて決定すればよい。第2のリング状部材13は、研磨ヘッドのリテーナリングに通常使用される材料製のリング状部材であることができる。
第2のリング状部材13は、その下面が、研磨時に研磨パッド41と接触する。第2のリング状部材には、研磨時にヘッド本体部11を圧力制御機構(図示せず)により押圧することによってヘッド本体部から下方に加える圧力(詳細を後述する圧力Pg;図1参照)やヘッド本体部11の自重および第1のリング状部材12の自重によって圧力が加わる。研磨時に研磨パット41と接触することによって第2のリング状部材13の下面に加わる接触圧力が過大であると、第2のリング状部材13の磨耗や劣化が生じ得る。他方、上記接触圧力が過小では、研磨時にウェーハWの脱落が生じ得る。そのような現象の発生によって研磨加工の安定性は低下してしまうが、上記研磨方法では、詳細を後述するようにPgを決定することによって、適切な研磨条件を容易に設定することができ、その結果、第2のリング状部材13の磨耗や劣化を低下すること、および/または、ウェーハの脱落を防止すること、が可能になる。
研磨対象のウェーハWとしては、シリコンウェーハ等の各種半導体ウェーハを挙げることができる。半導体ウェーハは、周知のとおり、円盤形状を有するウェーハである。
(研磨装置の構成例)
上記研磨方法において使用可能な研磨装置は、上記研磨ヘッドと、研磨パッドと、を含み、研磨パッドを支持する定盤を更に含むことができる。図7は、かかる研磨装置の一例を示す概略断面図である。研磨ヘッド10および定盤42を、それぞれ回転機構(図示せず)により回転させながら、ウェーハWの研磨対象表面と定盤42上に貼り合わされた研磨パッド41とを接触させる。研磨剤供給機構60から排出される研磨剤61が、ウェーハWの研磨対象表面と研磨パッド41との間に供給され、ウェーハWの研磨対象表面が研磨される。研磨剤としては、CMP(Chemical Mechanical Polishing)に通常使用される研磨スラリーを用いることができる。研磨パッド41の厚さ、材質等の詳細については、ウェーハの研磨加工に関する公知技術を適用できる。研磨パッド41としては、例えば市販品を使用することができる。上記研磨方法において使用される研磨装置は、研磨パッドと先に説明した研磨ヘッドを備える点以外は通常の片面研磨装置と同様の構成を有することができる。
<研磨条件の決定>
ウェーハの研磨における研磨加工の安定性を高めるためには、研磨時に研磨パッドと接触することにより第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力を適切な値に設定することが望ましい。これは、先に説明したように、上記研磨圧力を適切に制御することによって、第2のリング状部材の磨耗や劣化を低減でき、および/または、研磨時にウェーハが脱落することを防止できるためである。また、上記接触圧力が適切な値であることによって、具体的には研磨中に上記接触圧力を一定値に維持するか上記接触圧力の変化を低減することによって、ウェーハ外周部の研磨量が変動することを抑制することもできる。この点も、ウェーハ研磨における研磨加工の安定性を高めることに寄与し得る。例えば、研磨中、Pg、PcおよびPeを設定した値に一定に維持して研磨加工を行うことにより、研磨時に研磨パッドと接触することによって第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力を一定値に維持するかその変化を低減することができる。これにより、ウェーハ外周部の研磨量が変動することを抑制することができる。
以下に、上記研磨方法における研磨条件の決定方法について、図8に示すフロー図を適宜参照して説明する。ただし、以下に説明する形態は例示であって、上記研磨方法は例示された形態のみに限定されるものではない。
(ウェーハ面内厚さ分布情報の取得)
上記研磨方法では、先に説明したように、第1のリング状部材の開口部が板状部材とメンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、この中央領域と仕切られた外周領域と、を有する。このように中央領域と外周領域とを仕切ることにより、圧力Pcと圧力Peとを、それぞれ独立に制御することができる。PcとPeとを独立に制御できれば、ウェーハの研磨対象表面の面内の厚さ分布に応じて面内研磨量を変化させることができる。このことは、例えばウェーハ厚の面内均一性に優れるウェーハの提供を可能にするうえで好ましい。かかるPcおよびPeを設定するために、上記研磨方法では、 研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて、面内厚さ分布情報を取得する(図8中、S1)。面内厚さ分布情報とは、例えば、ウェーハ中央部とウェーハ外周部との厚さの差に関する情報であることができる。ウェーハに関する中央部とはウェーハ中心を含む一部領域をいい、外周部とは中央部を取り囲む領域をいうものとする。この点は、先に記載したメンブレンに関する中央部および外周部についても同様である。ウェーハの厚さの測定は、接触式または非接触式の公知の厚さ測定手段によって行うことができる。ここで中央部の厚さは、中央部の1か所の厚さの値であることができ、または中央部の2か所以上の厚さの算術平均等であることもできる。この点は、外周部の厚さについても同様である。面内厚さ分布情報は、一形態では、研磨対象ウェーハそのものを用いて厚さ測定を行って取得することができる。他の一形態では、面内厚さ分布情報は、研磨対象ウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハを用いて厚さ測定を行って取得することができる、ここで、「同じ加工処理が施されたウェーハ」とは、上記研磨方法において研磨が行われる前までの工程が同じ条件で行われたウェーハであることをいうものとする。ただし、「同じ条件」について、ウェーハ製造工程において通常の生じ得る違いは許容されるものとする。例えば、同じ加工処理が施された複数のウェーハを研磨する際、それら複数のウェーハの一部のウェーハについて面内厚さ分布情報を取得し、取得された面内厚さ分布情報を、それら複数のウェーハの研磨条件を決定するために使用することができる。上記の一部のウェーハの数は、1つまたは2つ以上であることができる。2つ以上のウェーハの場合、面内厚さ分布情報としては、それら2つ以上のウェーハについて得られた測定値の算術平均等から得られた面内厚さ分布情報を用いることができる。
(PcとPeとの圧力差の決定、Pc、Peの決定)
上記面内厚さ分布情報を取得した後、取得された面内厚さ分布情報に基づき、第1のリング状部材の開口部が閉塞されて形成される空間部の中央領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcと、上記空間部の外周領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peと、の圧力差を決定する(図8中、S2)。かかる圧力差は、具体的には、圧力差(Pe-Pc)または圧力差(Pc-Pe)であることができ、圧力差(Pe-Pc)であることが好ましい。
本発明者の検討によれば、圧力差(Pe-Pc)を大きくするほど、研磨加工におけるウェーハ外周部の研磨量をウェーハ中央部の研磨量より多くすることができる。この点に関して、図9は、研磨加工におけるウェーハ外周部の研磨量とウェーハ中央部の研磨量との研磨量差と圧力差(Pe-Pc)との相関関係を示すグラフの一例である。ここで研磨量とは、研磨加工によって除去される部分の厚さであり、研磨前後のウェーハ厚の差(研磨前のウェーハ厚-研磨後のウェーハ厚)として算出できる。図中、「a.u.」は、任意単位(arbitrary unit)を示す。研磨加工におけるウェーハ外周部の研磨量とウェーハ中央部の研磨量との研磨量差を縦軸に取り、圧力差(Pe-Pc)を横軸に取ってグラフを作成し、測定値を最小二乗法によって線形近似したところ、y=cx+d(cおよびdはそれぞれ独立に正の数)の近似直線が得られ、この近似直線の相関係数の二乗R=0.96であり、高い相関性が確認された。
上記の通り、PeとPcとの圧力差によって、ウェーハ外周部とウェーハ中央部との研磨量差を制御することができる。一方、先に取得したウェーハの面内厚さ分布情報において、ウェーハ外周部の厚さがウェーハ中央部の厚さより厚い場合には、その厚さの差が大きいほど、研磨後のウェーハ厚の面内均一性を高めるためには中央部と比べて外周部の研磨量をより多くすることが好ましい。例えば、ウェーハ外周部の厚さとウェーハ中央部の厚さとの差に基づき、研磨後のウェーハ厚さの面内均一性を高めるために望ましい研磨量差を決定し、決定された研磨量差に基づき、図9に示すような相関関係(例えば近似直線)を利用して、圧力差(Pe-Pc)を決定することができる。
上記のように圧力差が求められれば、研磨時に印加すべき圧力Pe、Pcのいずれか一方の圧力を決定することにより、上記圧力差に基づき、他方の圧力も決定することができる(図8中、S3)。例えば、スループットを考慮した研磨時間t、用途に応じたウェーハ厚さの理想値を考慮した研磨量目標値Bを決定することにより、研磨レートAを、関係式:A×t=Bから算出できる。研磨レートとは、単位時間あたりの研磨量である。本発明者の検討によれば、圧力Pcを高くするほど、単位時間あたりの研磨量を多くする(即ち研磨レートを高める)ことができる。この点に関して、図10は、ウェーハ中心部の研磨レートとPcとの相関関係を示すグラフの一例である。研磨レートを縦軸に取り、Pcを横軸に取ってグラフを作成し、測定値を最小二乗法によって線形近似したところ、y=ex+f(eおよびfはそれぞれ独立に正の数)の近似直線が得られ、この近似直線の相関係数の二乗R=0.95であり、高い相関性が確認された。例えば、図10に示すような相関関係(例えば近似直線)を利用して、上記関係式により決定した研磨レートAの値から、Pcを算出して決定することができる。こうしてPcが決定されれば、上記で決定された圧力差の値と決定されたPcから、Peを算出して決定することができる。
(Pgの決定)
先に記載したように、ウェーハの面内厚さ分布情報に基づきPcとPeとの圧力差を決定することによって、PcとPeとを適切な値に設定して研磨を行うことが可能になる。このことは、上記の通り、例えば研磨後のウェーハ厚の面内均一性を高めるうえで好ましい。他方、先に記載したように、研磨加工の安定性を高めるうえでは、研磨時に研磨パッドと接触することにより第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力が適切な値であることが望まれる。上記接触圧力は、ヘッド本体部を押圧することによりヘッド本体部から下方に加える圧力Pgの影響を受ける。したがって、Pgを適切な値に設定できるように研磨条件を決定することが好ましい。この点に関して、上記研磨方法では、第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の設定値Prに基づき、ヘッド本体部を押圧することによりヘッド本体部から下方に加える圧力Pgが決定される。こうしてPgを決定することにより、Pgを適切な値に設定することができ、その結果、研磨時に研磨パッドと接触することにより第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力を適切な値に設定することが可能になる。
上記Prは、研磨時に研磨パッドと接触することにより第2のリング状部材の下面に実際に加わる接触圧力と同等の値または近い値ということができる。一形態では、Prを経験的に決定することができ、またはPrを予備実験を行って決定することができる。この場合、Prは、例えば、研磨時に研磨パッドと接触することにより第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力として研磨上の不都合が生じ難い値に、経験的に決定することができ、または予備実験を行って決定することができる。研磨上の不都合とは、例えば、研磨時のウェーハの脱落、研磨装置の構成部材の破損等を挙げることができる。
また、一形態では、Prの決定にあたり、第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の基準値Ptをまず決定することができる(図8中、S4)。Ptは、Prに対する基準または目安となる値ということができる。Pt決定の具体的形態については、Pr決定に関する先の記載を参照できる。PrとPtとの比Pr/Ptは、例えば0.8~1.2の範囲であることができる。
Pgの決定(図8中、S5)は、Prに基づいて行うことができる。また、研磨時に研磨パッドと接触することにより第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力は、ヘッド本体部を押圧することによりヘッド本体部から下方に加える圧力Pgの影響を受け、更に、研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcおよび研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peの影響も受け得る。したがって、Prに基づくPgの決定は、PcおよびPeも考慮して行うことが好ましい。例えば、Prに基づくPgの決定は、比Pr/Ptと、PeとPcとの比Pe/Pcと、に基づいて行うことができる。決定方法の具体例としては、比Pr/Ptと、比Pe/Pcと、Pgと、の関係式からPgを算出する方法を挙げることができる。関係式としては、例えば下記式Aを挙げることができる。式A中、係数R、X、Y、Z、aおよびbは、それぞれ独立に正の数である。式A中の係数は、一形態では実験的に求めることができる。また、一形態では、例えば、Pc、Pe、Pgを変更した圧力計算からPrを求め、Pr/Pt、Pe/Pc、Pg/Pcを計算し、Pr/Pt、Pe/Pc、Pg/Pcの多変量回帰分析から式A中の係数を求めることができる。上記圧力計算は、例えば、研磨ヘッドの構成に応じて、FEM(Finite Element Method;有限要素法)等のシミュレーションによって行うことができる。
(式A)
Pr/Pt=-R-X(Pe/Pc)+Y(Pg/Pc)+Z((Pe/Pc)-a)((Pg/Pc)-b)
一形態では、式Aは、下記式A-1であることができる。
(式A-1)
Pr/Pt=-0.3282-0.2087(Pe/Pc)+0.7947(Pg/Pc)+0.0293((Pe/Pc)-0.9)((Pg/Pc)-2.1)
以上により、Pg、PcおよびPeを決定できる。
上記のように、上記研磨方法では、多くの試行錯誤を繰り返すことなく、適切な研磨条件を容易に決定することができる。
<研磨の実施>
上記研磨方法では、決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で、研磨対象のウェーハの下面を上記研磨パッドと接触させることにより研磨する(図8中、S6)。決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で研磨を行う点以外は、ウェーハ研磨に関する公知技術を適用することができる。研磨対象のウェーハは、例えば半導体ウェーハであることができる。半導体ウェーハは、例えばシリコンウェーハ(好ましくは単結晶シリコンウェーハ)であることができる。例えば、シリコンウェーハは、以下の方法により作製できる。チョクラルスキー法により単結晶インゴットを引き上げ、作製されたインゴットをカットしてブロックを得る。得られたブロックをスライスしてウェーハとする。このウェーハに各種加工を施すことにより、シリコンウェーハを作製することができる。上記加工としては、面取り加工、平坦化加工(ラップ、研削、研磨)等を挙げることができる。上記研磨方法は、これらのウェーハ加工の最終工程である仕上げ研磨工程における研磨方法として好適である。
[ウェーハの製造方法]
本発明の一態様は、研磨方法によって研磨対象のウェーハの表面を研磨して研磨面を形成することを含むウェーハの製造方法(以下、単に「製造方法」とも記載する。)に関する。
上記製造方法におけるウェーハ研磨については、上記研磨方法について先に説明した通りである。製造されるウェーハおよびウェーハ製造のために行われる各種工程については、上記研磨方法に関する先の記載を参照でき、公知技術も適用できる。
[ウェーハ研磨装置]
本発明の一態様は、ウェーハ研磨装置(以下、単に「研磨装置」とも記載する。)に関する。
上記研磨装置は、研磨部と、研磨条件決定部と、を含む。
上記研磨部は、
ヘッド本体部と、
上記ヘッド本体部の下方に位置し、開口部を有する第1のリング状部材と、
上記第1のリング状部材の上面側開口部を閉塞する板状部材と、
上記第1のリング状部材の下面側開口部を閉塞するメンブレンと、
上記メンブレンの下方に位置し、研磨対象のウェーハを保持する第2のリング状部材と、
を有する研磨ヘッド;ならびに
研磨時に研磨対象のウェーハの下面および上記第2のリング状部材の下面が接触する研磨パッド、
を有し、
上記第1のリング状部材の開口部が上記板状部材と上記メンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、この中央領域と仕切られた外周領域と、を有する。
上記研磨部については、上記研磨方法において使用可能な研磨装置に関する先の記載を参照できる。上記研磨部は、研磨条件決定部において決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で、研磨対象のウェーハの下面を上記研磨パッドと接触させることにより研磨する。ウェーハ研磨および研磨対象のウェーハについては、上記研磨方法について先に説明した通りである。
上記研磨装置に含まれる研磨条件決定部は、
研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて取得された面内厚さ分布情報に基づき、上記中央領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcと上記外周領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peとの圧力差を決定し、
PcおよびPeのいずれか一方の圧力を決定し、決定された圧力および上記圧力差に基づき、他方の圧力を決定し、
研磨時に上記研磨パッドと接触することにより上記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の設定値Prに基づき、上記ヘッド本体部を押圧することにより上記ヘッド本体部から下方に加える圧力Pgを決定する。
上記研磨条件決定部は、Prと上記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の基準値Ptとの比Pr/Ptと、PeとPcとの比Pe/Pcと、に基づき、Pgを決定することができる。このPgの決定は、比Pr/Ptと、比Pe/Pcと、Pgと、の関係式からPgを算出することによって行うことができる。関係式としては、先に示した式Aを挙げることができ、式Aは先に示した式A-1であることができる。
上記研磨条件決定部が実行する各種決定については、上記研磨方法について先に記載した通りである。
図11は、上記研磨装置の一例の構成を示す概略図である。図1中、ウェーハ研磨装置1は、研磨条件決定部2および研磨部3を含む。研磨部3に含まれる研磨ヘッド10、研磨パッド41および定盤42については、先の記載を参照できる。
研磨条件決定部2は、面内厚さ分布情報入力部201および決定部202を有する。面内厚さ分布情報入力部201には、研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて取得された面内厚さ分布情報が入力される。ウェーハ研磨装置1は、ウェーハ厚さ測定部(不図示)を含むこともできる。ウェーハ厚さ測定部への測定対象ウェーハの導入は、手動または自動で行うことができる。例えば、研磨部3に導入される前の研磨対象ウェーハがウェーハ厚さ測定部に導入されるように研磨工程を自動化することができる。決定部202は、面内厚さ分布情報入力部201から面内厚さ分布情報を受信し、または取り出し、先に記載したようにPg、PcおよびPeを決定する。決定は、公知の計算ソフトを用いて行うことができる。計算ソフトでは、例えば、先に記載した相関関係(例えば近似曲線)による圧力差(Pe-Pc)の算出、関係式に基づくPcの決定、Pcおよび圧力差(Pe-Pc)からのPeの算出、FEMによる応力・変位の構造解析または力の釣り合い式によるPtまたはPrの算出、式AによるPgの算出が行われる。
研磨部1は、一形態では、Pg、PcおよびPeの値を決定部10から受信し、または取り出すことができる。研磨部1は、Pg、PcおよびPeが印加されるようにヘッド本体部の押圧条件、空間部の中央領域および外周領域への気体の導入条件を決定して、研磨を行うことができる。また、一形態では、押圧条件および/または気体の導入条件も決定部10において、例えば公知の計算ソフトを用いて決定し、決定された条件に関する情報を決定部10から研磨部1に送信するか、決定部10から取り出すことができる。
ウェーハ研磨装置では、研磨条件決定部と研磨部とを、無線または有線の通信手段によって接続することができる。この点は、ウェーハ厚さ測定部と研磨条件決定部についても同様である。図11には、ウェーハ研磨装置に、1つの研磨条件決定部に対して1つの研磨部が含まれる例を示した。ただし、上記ウェーハ研磨装置は、かかる例に限定されるものではない。例えば、1つの研磨条件決定部と2つ以上の研磨部とを無線または有線の通信手段によって接続することもできる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。ただし本発明は実施例に示す実施形態に限定されるものではない。以下では、研磨面圧力および接触圧力は、ダッソー・システムズ社製ABAQUSを使用して圧力計算(有限要素法)により求めた。
図1に示す構成の研磨ヘッドの構造解析モデルにおいて、FEMによるシミュレーションによって、Pc、Pe、Pgを変更した圧力計算からPrを求め、Pr/Pt、Pe/Pc、Pg/Pcを計算し、Pr/Pt、Pe/Pc、Pg/Pcの多変量回帰分析から式A中の各種係数を求めた。具体的には、縦軸にPr/Ptを取り、横軸にPg/Pcを取り、Pe/Pc=0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4、1.6の場合について、Pr/PtとPg/Pcとの関係を示すグラフを作成し、このグラフの全80データを多変量回帰分析して求めたPr/Pt、Pe/Pc、Pg/Pc間に成り立つ関係式として、先に示した式A-1が決定された(近似直線の相関係数の二乗R=0.99)。
表1は、ダッソー・システムズ社製ABAQUSを使用した圧力計算(有限要素法)および実験的に得られた知見に基づき、研磨条件と安定研磨可否との関係をまとめた表である。表中、「WF脱落」とは研磨時にウェーハの脱落が生じること、「過剰な摩耗」とは第2のリング状部材の過剰な摩耗が生じることを示す。「Good」とは、それらが生じずに安定に研磨可能であることを示す。例えば、Prに基づくことなくPgを一定値に決定した結果、Pgが、例えばPg/Pc=1.2またはPg/Pc=3.0となる値に設定された場合、研磨時のウェーハの脱落や第2のリング状部材の過剰な摩耗が生じて研磨加工の安定性は低下してしまう。また、表1に示すように、Pg/Pc=2.2の場合には、Pe/Pcの値が1.0~1.6の範囲では「Good」であるものの、0.2~0.8の範囲では第2のリング状部材の過剰な摩耗が生じて研磨加工の安定性は低下してしまう。即ち、Prに基づくことなくPgを一定値に決定した結果、Pgが、例えばPg/Pc=2.2となる値に設定された場合、第2のリング状部材の過剰な摩耗が生じ得る。
これに対し、上記研磨方法によれば、例えば、先に説明したようにPcとPeを決定し、かつ式A-1を用いてPr/Ptが0.8~1.2となる範囲にPgを決定して、研磨条件(研磨時のPc、PeおよびPg)を設定することによって、研磨時のウェーハの脱落や第2のリング状部材の過剰な摩耗を抑制して高い安定性をもってウェーハの研磨加工を行うことができる。また、かかる研磨条件の決定は、例えば先に説明したようなフローに沿って、多くの試行錯誤を経ることなく、容易に行うことができる。
更に、研磨中、Pg、PcおよびPeを設定した値に一定に維持して研磨加工を行うことにより、研磨時に研磨パッドと接触することによって第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力を一定値に維持するかその変化を低減することができる。これにより、ウェーハ外周部の研磨量が変動することを抑制することができる。
Figure 0007290140000001
図12は、研磨条件が異なる場合のウェーハの研磨対象表面の面内の研磨量分布を示すグラフである。図12に示す面内各部の研磨量は、Pe/Pcが1であって、下記(1)~(3):
(1)Pr/Pt=0.5、Pg/Pc=1.2
(2)Pr/Pt=1.0、Pg/Pc=1.9
(3)Pr/Pt=1.8、Pg/Pc=3.0
のようにPr(詳しくはPr/Pt)およびPg(詳しくはPg/Pc)が異なる場合について、Preston式により算出した。
先に説明したように、PeとPcとの圧力差によって、ウェーハ外周部とウェーハ中央部との研磨量差を制御することができる。また、図12に示す結果は、PeとPcが変わらない場合、Pgが異なることによってPrが変わる結果、ウェーハ外周部の研磨量が変わることを示している。詳しくは、ウェーハ外周部の研磨量は、Pgが大きいほど多く、Pgが小さいほど少ない。例えば、研磨後のウェーハ厚の面内均一性に関しては、先に記載したように、研磨対象のウェーハの外周部の厚さが中央部の厚さより厚い場合には、その厚さの差が大きいほど、研磨後のウェーハ厚の面内均一性を高めるためには、中央部と比べて外周部の研磨量をより多くすることが好ましい。換言すれば、研磨対象のウェーハの外周部の厚さと中央部の厚さとの差が小さいならば、研磨後のウェーハ厚の面内均一性を高めるためには、中央部の研磨量と外周部の研磨量との差は小さいことが好ましい。このように、形状が異なるウェーハを研磨する場合には、研磨対象ウェーハの形状に応じて研磨条件をそれぞれ適切に設定することが好ましい。この点に関して、上記研磨方法によれば、研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて取得された面内厚さ分布情報に基づき、Pg、PcおよびPeを、それぞれのウェーハの形状に応じて望まれる研磨量を実現可能な適切な値に決定することができ、しかも、その決定は、多くの試行錯誤を経ることなく、容易に行うことができる。
本発明の一態様は、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハの技術分野において有用である。

Claims (15)

  1. 研磨装置を用いてウェーハを研磨するウェーハ研磨方法であって、
    前記研磨装置は、
    ヘッド本体部と、
    前記ヘッド本体部の下方に位置し、開口部を有する第1のリング状部材と、
    前記第1のリング状部材の上面側開口部を閉塞する板状部材と、
    前記第1のリング状部材の下面側開口部を閉塞するメンブレンと、
    前記メンブレンの下方に位置し、研磨対象のウェーハを保持する第2のリング状部材と、
    を有する研磨ヘッド;ならびに
    研磨時に研磨対象のウェーハの下面および前記第2のリング状部材の下面が接触する研磨パッド、
    を有し、
    前記第1のリング状部材の開口部が前記板状部材と前記メンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、該中央領域と仕切られた外周領域と、を有し、
    研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて、面内厚さ分布情報を取得すること、
    前記面内厚さ分布情報に基づき、前記中央領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcと前記外周領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peとの圧力差を決定すること、
    PcおよびPeのいずれか一方の圧力を決定し、決定された圧力および前記圧力差に基づき、他方の圧力を決定すること、
    研磨時に前記研磨パッドと接触することにより前記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の設定値Prに基づき、前記ヘッド本体部を押圧することにより前記ヘッド本体部から下方に加える圧力Pgを決定すること、ならびに、
    前記決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で、研磨対象のウェーハの下面を前記研磨パッドと接触させることにより研磨すること、
    を含むウェーハ研磨方法。
  2. 前記Prと前記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の基準値Ptとの比Pr/Ptと、前記Peと前記Pcとの比Pe/Pcと、に基づき、前記Pgを決定すること、
    を含む、請求項1に記載のウェーハ研磨方法。
  3. 前記Pgの決定を、前記比Pr/Ptと、前記比Pe/Pcと、前記Pgと、の関係式からPgを算出することによって行うことを更に含む、請求項2に記載のウェーハ研磨方法。
  4. 前記関係式は、下記式A:
    (式A)
    Pr/Pt=-R-X(Pe/Pc)+Y(Pg/Pc)+Z((Pe/Pc)-a)((Pg/Pc)-b)
    であり、R、X、Y、Z、aおよびbは、それぞれ独立に正の数である、請求項3に記載のウェーハ研磨方法。
  5. 前記比Pr/Ptは、0.8~1.2の範囲である、請求項2~4のいずれか1項に記載のウェーハ研磨方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のウェーハ研磨方法によって研磨対象のウェーハの表面を研磨して研磨面を形成することを含む、ウェーハの製造方法。
  7. 前記ウェーハは半導体ウェーハである、請求項6に記載のウェーハの製造方法。
  8. 前記半導体ウェーハはシリコンウェーハである、請求項7に記載のウェーハの製造方法。
  9. ウェーハ研磨装置であって、
    研磨部と、
    研磨条件決定部と、
    を含み、
    前記研磨部は、
    ヘッド本体部と、
    前記ヘッド本体部の下方に位置し、開口部を有する第1のリング状部材と、
    前記第1のリング状部材の上面側開口部を閉塞する板状部材と、
    前記第1のリング状部材の下面側開口部を閉塞するメンブレンと、
    前記メンブレンの下方に位置し、研磨対象のウェーハを保持する第2のリング状部材と、
    を有する研磨ヘッド;ならびに
    研磨時に研磨対象のウェーハの下面および前記第2のリング状部材の下面が接触する研磨パッド、
    を有し、
    前記第1のリング状部材の開口部が前記板状部材と前記メンブレンとにより閉塞されて形成された空間部は、中央領域と、該中央領域と仕切られた外周領域と、を有し、
    前記研磨条件決定部は、
    研磨対象のウェーハまたは研磨対象のウェーハと同じ加工処理が施されたウェーハについて取得された面内厚さ分布情報に基づき、前記中央領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの中央部に加える圧力Pcと前記外周領域に気体を導入することにより研磨対象のウェーハの外周部に加える圧力Peとの圧力差を決定し、
    PcおよびPeのいずれか一方の圧力を決定し、決定された圧力および前記圧力差に基づき、他方の圧力を決定し、
    研磨時に前記研磨パッドと接触することにより前記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の設定値Prに基づき、前記ヘッド本体部を押圧することにより前記ヘッド本体部から下方に加える圧力Pgを決定し、
    前記研磨部は、前記決定されたPg、PcおよびPeが印加された状態で、研磨対象のウェーハの下面を前記研磨パッドと接触させることにより研磨する、ウェーハ研磨装置。
  10. 前記研磨条件決定部は、
    前記Prと前記第2のリング状部材の下面に加わる接触圧力の基準値Ptとの比Pr/Ptと、前記Peと前記Peとの比Pe/Pcと、に基づき、前記Pgを決定する、請求項9に記載のウェーハ研磨装置。
  11. 前記研磨条件決定部は、前記Pgの決定を、前記比Pr/Ptと、前記比Pe/Pcと、前記Pgと、の関係式からPgを算出することによって行う、請求項10に記載のウェーハ研磨装置。
  12. 前記関係式は、下記式A:
    (式A)
    Pr/Pt=-R-X(Pe/Pc)+Y(Pg/Pc)+Z((Pe/Pc)-a)((Pg/Pc)-b)
    であり、R、X、Y、Z、aおよびbは、それぞれ独立に正の数である、請求項11に記載のウェーハ研磨装置。
  13. 前記比Pr/Ptは、0.8~1.2の範囲である、請求項10~12のいずれか1項に記載のウェーハ研磨装置。
  14. 前記ウェーハは半導体ウェーハである、請求項9~13のいずれか1項に記載のウェーハ研磨装置。
  15. 前記半導体ウェーハはシリコンウェーハである、請求項14に記載のウェーハ研磨装置。
JP2020151460A 2020-09-09 2020-09-09 ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置 Active JP7290140B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020151460A JP7290140B2 (ja) 2020-09-09 2020-09-09 ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置
KR1020237007789A KR20230047459A (ko) 2020-09-09 2021-07-01 웨이퍼 연마 방법 및 웨이퍼 연마 장치
US18/025,337 US20230330809A1 (en) 2020-09-09 2021-07-01 Wafer polishing method and wafer polishing device
CN202180061818.2A CN116075921A (zh) 2020-09-09 2021-07-01 晶片研磨方法及晶片研磨装置
PCT/JP2021/024893 WO2022054380A1 (ja) 2020-09-09 2021-07-01 ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置
DE112021004717.5T DE112021004717T5 (de) 2020-09-09 2021-07-01 Waferpolierverfahren und Waferpoliervorrichtung
TW110131046A TWI795881B (zh) 2020-09-09 2021-08-23 晶圓研磨方法及晶圓研磨裝置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020151460A JP7290140B2 (ja) 2020-09-09 2020-09-09 ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022045720A JP2022045720A (ja) 2022-03-22
JP7290140B2 true JP7290140B2 (ja) 2023-06-13

Family

ID=80632193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020151460A Active JP7290140B2 (ja) 2020-09-09 2020-09-09 ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20230330809A1 (ja)
JP (1) JP7290140B2 (ja)
KR (1) KR20230047459A (ja)
CN (1) CN116075921A (ja)
DE (1) DE112021004717T5 (ja)
TW (1) TWI795881B (ja)
WO (1) WO2022054380A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230381915A1 (en) * 2022-05-27 2023-11-30 Applied Materials, Inc. Operation of clamping retainer for chemical mechanical polishing

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001060572A (ja) 1999-07-09 2001-03-06 Applied Materials Inc 化学機械研磨装置でのウェーハ研磨の閉ループ制御
JP2006263903A (ja) 2005-02-25 2006-10-05 Ebara Corp 研磨装置及び研磨方法
JP2009200068A (ja) 2008-02-19 2009-09-03 Tokyo Seimitsu Co Ltd ウェーハ研磨装置及びウェーハ研磨方法
WO2010023829A1 (ja) 2008-08-29 2010-03-04 信越半導体株式会社 研磨ヘッド及び研磨装置
JP2014501455A (ja) 2011-01-03 2014-01-20 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 圧力制御された研磨プラテン
JP2015193068A (ja) 2014-03-20 2015-11-05 株式会社荏原製作所 研磨装置及び研磨方法
JP2017064801A (ja) 2015-09-28 2017-04-06 株式会社荏原製作所 研磨方法および研磨装置
WO2017090406A1 (ja) 2015-11-26 2017-06-01 株式会社Sumco ウェーハ研磨方法
JP2018176414A (ja) 2017-04-12 2018-11-15 株式会社荏原製作所 弾性膜、基板保持装置、及び研磨装置
JP2019201127A (ja) 2018-05-17 2019-11-21 株式会社Sumco 研磨ヘッド及びこれを用いたウェーハ研磨装置及び研磨方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001060572A (ja) 1999-07-09 2001-03-06 Applied Materials Inc 化学機械研磨装置でのウェーハ研磨の閉ループ制御
JP2006263903A (ja) 2005-02-25 2006-10-05 Ebara Corp 研磨装置及び研磨方法
JP2009200068A (ja) 2008-02-19 2009-09-03 Tokyo Seimitsu Co Ltd ウェーハ研磨装置及びウェーハ研磨方法
WO2010023829A1 (ja) 2008-08-29 2010-03-04 信越半導体株式会社 研磨ヘッド及び研磨装置
JP2014501455A (ja) 2011-01-03 2014-01-20 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 圧力制御された研磨プラテン
JP2015193068A (ja) 2014-03-20 2015-11-05 株式会社荏原製作所 研磨装置及び研磨方法
JP2017064801A (ja) 2015-09-28 2017-04-06 株式会社荏原製作所 研磨方法および研磨装置
WO2017090406A1 (ja) 2015-11-26 2017-06-01 株式会社Sumco ウェーハ研磨方法
JP2018176414A (ja) 2017-04-12 2018-11-15 株式会社荏原製作所 弾性膜、基板保持装置、及び研磨装置
JP2019201127A (ja) 2018-05-17 2019-11-21 株式会社Sumco 研磨ヘッド及びこれを用いたウェーハ研磨装置及び研磨方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20230330809A1 (en) 2023-10-19
TWI795881B (zh) 2023-03-11
JP2022045720A (ja) 2022-03-22
WO2022054380A1 (ja) 2022-03-17
TW202215520A (zh) 2022-04-16
KR20230047459A (ko) 2023-04-07
CN116075921A (zh) 2023-05-05
DE112021004717T5 (de) 2023-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6447368B1 (en) Carriers with concentric balloons supporting a diaphragm
CN108369903B (zh) 晶圆抛光装置及用于该装置的抛光头
CN110193776B (zh) 晶圆抛光的抛光压力控制方法、装置和设备
TWI752999B (zh) 基板之製造方法
US6425809B1 (en) Polishing apparatus
JP7290140B2 (ja) ウェーハ研磨方法およびウェーハ研磨装置
KR101591803B1 (ko) 멤브레인, 연마 헤드, 워크의 연마 장치 및 연마 방법, 그리고, 실리콘 웨이퍼
KR20140048894A (ko) 연마 헤드 및 연마 장치
CN115673908B (zh) 一种半导体基材抛光设备中晶圆压头及其设计方法
US6517422B2 (en) Polishing apparatus and method thereof
US6102779A (en) Method and apparatus for improved semiconductor wafer polishing
TWI778338B (zh) 研磨頭、研磨裝置及半導體晶圓的製造方法
JP5455190B2 (ja) 研磨装置
KR101487414B1 (ko) 웨이퍼의 연마 장치
JP7363978B1 (ja) ウェーハ研磨条件の決定方法、ウェーハの製造方法およびウェーハ片面研磨システム
JP2004063880A (ja) ウェーハ接着装置およびウェーハ接着方法
TW202300283A (zh) 研磨頭、研磨裝置以及半導體晶圓之製造方法
KR102582347B1 (ko) 멀티 영역 제어 연마 헤드
JP2000190203A (ja) 研磨装置
TW202243804A (zh) 研磨頭及研磨處理裝置
TW202406674A (zh) 晶圓的單面拋光方法、晶圓的製造方法、及晶圓的單面拋光裝置
KR20160025780A (ko) 템플레이트 어셈블리 및 이를 포함하는 웨이퍼 연마 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230515

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7290140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150