以下、本発明の一実施形態について、図1~図11を参照して説明する。なお、各図において共通する部材には、同一の符号を付している。
[画像形成装置の構成例]
まず、一実施形態(以下、「本例」という)に係る画像形成装置の構成について図1を参照して説明する。
図1は、本例の画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部70と、定着部80を有する。
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラー12とを有している。原稿搬送部10の原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラー12によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台13に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズに応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部70に搬送される。つまり、搬送部23は、給紙部21から給紙された用紙Sを2次転写部70へ搬送する機能を果たし、用紙Sを搬送する搬送経路を形成している。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
画像読取部30と用紙収納部20の間には、画像形成部40と中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンタのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、像担持体としてのドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モータによって反時計回りに回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光走査を行い感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、像担持体である感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー像が形成される。なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
感光体41上に付着したトナーは、像担持体の一例を示す中間転写ベルト50に転写される。クリーニング部45は、中間転写ベルト50に転写された後の感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、不図示の駆動モータで感光体41の回転方向とは逆方向の時計回りに回転する。中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性を印加することで、感光体41上に形成されたトナー像を中間転写ベルト50に転写させる。
そして、中間転写ベルト50が回転することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の下流には、2次転写ローラーで構成された2次転写部70が配置されている。
2次転写部70は、第1ローラー71と、第2ローラー72とを有している。第1ローラー71と第2ローラー72は、中間転写ベルト50を間に挟んで対向して配置されている。そして、第1ローラー71と第2ローラー72は、搬送部23によって送られてきた用紙Sを中間転写ベルト50側に押圧する。そして、2次転写部70は、搬送部23によって送られてきた用紙S上に中間転写ベルト50に形成されたカラー画像を転写する。
クリーニング部52は、用紙Sに転写した後、中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去する。また、2次転写部70における用紙Sの排出側には、定着部80が設けられている。定着部80は、用紙Sに転写されたトナー像を加圧加熱定着させる。
定着部80は、上定着ローラー81及び下定着ローラー82を有している。上定着ローラー81と下定着ローラー82が当接することで定着ニップ部を形成している。定着部80では、未定着のトナー像を有する用紙Sを上定着ローラー81及び下定着ローラー82で形成された定着ニップ部で挟持して加圧加熱することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。
定着部80の下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送経路を切り替える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラー25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラー25によって排紙される。両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び転写位置へ送られる。
また、一対の排紙ローラー25の下流側に、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
[現像部の構成]
次に、現像部44の構成について図2を参照して説明する。
図2は、現像部44の斜視図である。
図2示すように、現像部44は、現像剤筐体101と、第1現像ローラー102と、第2現像ローラー103とを有している。現像剤筐体101は、トナーとキャリアとからなる現像剤を収容する。現像剤筐体101には、トナー補給ボトルが着脱可能に接続される。トナーは、トナー補給ボトルからトナー補給ローラーの回転に基づいて現像剤筐体101の内部へ所定量ずつ補給される。
現像剤筐体101の内部には、攪拌搬送ローラーと、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103が設けられている。攪拌搬送ローラーは、回転することで現像剤を搬送するように構成されており、現像剤筐体101内の現像剤を撹拌する。また、現像剤筐体101は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が貫通する第1側板104及び第2側板105を有している。
第1現像ローラー102は、感光体41(図1参照)と対向しており、感光体41と対向する第1現像ニップにおいて感光体41と逆方向に回転する。第1現像ローラー102は、磁力により現像剤を吸着して、第1現像ニップに向けて搬送する。第1現像ローラー102により搬送された現像剤は、第1現像ニップにおいて感光体41に付着する。
第1現像ローラー102は、現像剤を吸着する円筒部であるスリーブ111と、スリーブ111に嵌合した回転軸とを有している。そして、第1現像ローラー102の回転軸におけるスリーブ111の両端から突出する部分には、位置決め部材112が設けられている。この位置決め部材112は、スリーブ111よりも大きい外径の円筒状に形成されており、後述する押圧部材141(図5参照)に押圧されて、感光体41に設けられた規制板92(図5参照)に当接する。
第2現像ローラー103は、感光体41の回転方向における第1現像ニップよりも下流側で感光体41と対向しており、感光体41と対向する第2現像ニップにおいて感光体41と同じ方向に回転する。第2現像ローラー103は、磁力により現像剤を吸着して第2現像ニップに向けて搬送する。第2現像ローラー103により搬送された現像剤は、第2現像ニップにおいて感光体41に付着する。
第2現像ローラー103は、現像剤を吸着する円筒部であるスリーブ113と、スリーブ113に嵌合した回転軸とを有している。そして、第2現像ローラー103の回転軸におけるスリーブ113の両端から突出する部分には、位置決め部材114が設けられている。この位置決め部材114は、スリーブ113よりも大きい外径の円筒状に形成されており、後述する押圧部材141(図5参照)に押圧されて、感光体41に設けられた規制板94(図5参照)に当接する。
また、現像剤筐体101の外面には、係合凸部107が設けられている(図5参照)。係合凸部107は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸と略並行な方向に延びる突条部であり、後述するガイドレール161に係合する。
[側板の構成]
次に、側板の構成について図3を参照して説明する。
図3は、現像剤筐体101の側面図である。
第1側板104と第2側板105は、左右対称に形成されており、共通の構成を有している。そのため、ここでは、第1側板104を例に挙げて側板の構成を説明する。
図3に示すように、第1側板104は、略長方形の板状に形成されており、上辺104aと、下辺104bと、左辺104cと、右辺104dを有している。左辺104cは、感光体41(図1参照)に対向する辺であり、感光体41側に向かって凸となる角部を有している。一方、右辺104dは、上側を切り欠いたような段部を有している。
第1側板104の左辺104c側には、第1現像ローラー102の回転軸が貫通する軸貫通孔121と、第2現像ローラー103の回転軸が貫通する軸貫通孔122が設けられている。また、第1側板104には2つの嵌合突部123,124が設けられている。
嵌合突部123,124は、それぞれ円筒状に形成されており、第1側板104の一方の平面(現像剤筐体101の外面を形成する面)から略垂直に突出している。嵌合突部123,124は、後述する押圧板142の嵌合孔145,146(図5参照)にそれぞれ嵌合する。
第1側板104の下辺104bには、第1支持突起125と、第2支持突起126が形成されている。第1支持突起125及び第2支持突起126は、それぞれ下方に突出する円弧状に形成されている。すなわち、第1支持突起125及び第2支持突起126は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103(図2参照)の回転軸が延びる方向から見た形状が円弧状に形成されている。
第1支持突起125は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向から見て現像部44の重心の下方に設けられている。より詳しく説明すると、第1支持突起125は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向から見た場合に、現像部44の重心を通り鉛直方向に延びる直線Lに重なる位置に設けられている。
第2支持突起126は、第1側板104の右辺104d側に設けられている。すなわち、第2支持突起126は、第1支持突起125よりも第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103から遠い位置に設けられている。言い換えれば、第2支持突起126は、第1支持突起125よりも重心から離れた位置に設けられている。第1支持突起125及び第2支持突起126は、後述する支持台135の支持面135aに係合(当接)する。
[枠体の構成]
次に、枠体の構成について図4を参照して説明する。
図4は、枠体を示す斜視図である。
上述した感光体41及び現像部44は、画像形成装置1の筐体(本体)に設けた枠体131に支持されている。図4に示すように、枠体131は、互いに対向する2つの枠側板132,133と、2つの枠側板132,133の上部に接続された天板134と、2つの枠側板132,133の略中央部に接続された支持台135とを有している。
2つの枠側板132,133は、感光体41を回転可能に支持する。天板134と支持台135は、上下方向に適当な距離をあけて対向している。支持台135は、上下方向に直行する平面を有する板状に形成されており、上方を向く(天板134に対向する)面は、現像部44を支持する支持面135aになる。この支持面135aには、現像部44の第1支持突起125及び第2支持突起126が係合(当接)する。これにより、支持台135は、現像部44を揺動可能に支持する。
枠側板132には、現像部44を枠体131に対して挿抜するための開口部132aが形成されている。現像部44は、開口部132aから枠体131内へ挿入され、支持台135の支持面135a上を摺動して支持台135の所定位置に配置される。また、現像部44は、開口部132aから枠体131の外部へ抜き出し可能である。したがって、支持台135は、現像部44を着脱可能に支持している。
[押圧部材の構成]
次に、押圧部材の構成について図5~図7を参照して説明する。
図5は、押圧部材を示す説明図である。図6は、図5に示す押圧部材の付勢部の正面図である。図7は、図5に示す押圧部材の付勢部の斜視図である。
本実施形態では、支持台135(図4参照)に支持され所定位置に配置された現像部44を押圧部材141により押圧して、感光体41に接近した装着位置に配置する。なお、押圧部材141は、第1側板104と第2側板に対してそれぞれ設けられており、第1側板104用の押圧部材141と、第2側板105用の押圧部材141は、左右対称に形成されている。そのため、ここでは、第1側板104用の押圧部材141の構成について説明し、第2側板105用の押圧部材141の構成についての説明を省略する。
図5に示すように、押圧部材141は、押圧板142と、押圧板142を介して現像部44を感光体41側に押圧する押圧力発生部143とを有する。押圧板142は、略長方形の板状に形成されており、現像部44の第1側板104に嵌合されている。そのため、押圧部材141は、現像部44と一緒に支持台135から取り外し可能である。
押圧板142には、現像部44の第1側板104に設けた嵌合突部123,124が嵌合する嵌合孔145,146が設けられている。また、押圧板142の一辺には、現像部44の位置決め部材112,114の周面に当接する当接部147,148が設けられている。これら当接部147,148は、直線状の端面に形成されている。
さらに、押圧板142の一辺とは反対側の辺には、押圧力発生部143が係合する係合部149が形成されている。係合部149は、当接部147,148側に凹む円弧状の端面に形成されている(図9参照)。
上述したように、現像部44の位置決め部材112,114は、感光体41の規制板92,94に当接する。感光体41は、感光体ドラム91と、感光体ドラム91の回転軸を回転可能に支持する軸受け板93,93と、規制板92,94とを有している。軸受け板93,93は、上述した枠体131に固定されている。
規制板92は、本発明に係る第1現像ローラー用規制部の一具体例を示し、規制板92は、本発明に係る第2現像ローラー用規制部の一具体例を示す。規制板92,94は、軸受け板93,93にそれぞれ固定さている。規制板92,94は、それぞれ円弧状の端面を有しており、その円弧状の端面に現像部44の位置決め部材112,114が当接する。現像部44の位置決め部材112,114が規制板92,94に当接すると、現像部44は、装着位置に配置され、感光体41に対して位置決めされる。
図6に示すように、押圧力発生部143は、押圧枠部151と、支持軸152と、圧縮コイルばね153と、コロ受け154と、押圧コロ155とを有している。押圧枠部151は、U字状に形成されており、ベース片151aと、ベース片151aに連続する2つの側片151b,151cから構成されている。
押圧枠部151の側片151b,151cは、現像部44の第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向において互いに対向している。また、側片151cには、ロック部157を有している。このロック部157は、側片151cにおけるベース片151aと接続される端面とは反対側の端面から突出している。
支持軸152は、ベース片151aに固定されており、2つの側片151b,151c間に配置されている。支持軸152は、2つの側片151b,151cが対向する方向に略垂直な方向に延びている。そして、支持軸152には、圧縮コイルばね153の一端が固定されるばね固定片152aが設けられている。
コロ受け154は、押圧枠部151の側片151b,151c間に配置され、押圧コロ155を回転可能に支持する。また、コロ受け154は、側片151b,151cに移動可能に係合しており、側片151b,151cによって支持軸152の軸方向へ案内される。
押圧コロ155の回転軸は、側片151b,151cが対向する方向に延びている。また、押圧コロ155には、周方向に連続する係合溝155aが形成されている。この係合溝155aは、押圧板142(図5参照)の厚みよりも僅かに大きい幅に設定されており、押圧板142(図5参照)に係合する。これにより、押圧コロ155が、その回転軸が延びる方向にガタついても、押圧板142から外れないようにすることができる。
圧縮コイルばね153の一端は、支持軸152のばね固定片152aに固定されており、圧縮コイルばね153の他端は、コロ受け154に固定されている。これにより、コロ受け154及び押圧コロ155は、支持軸152が延びる方向であって、押圧枠部151のベース片151aから離れる方向へ付勢されている。したがって、押圧コロ155は、押圧板142(係合部149)に係合した際に、押圧板142を感光体41側へ押圧する(図5参照)。
図7に示すように、押圧力発生部143は、枠体131の天板134に回転可能に支持されている。また、押圧力発生部143には、作動レバー160が接続されている。作動レバー160は、不図示の駆動モータによって回動し、押圧力発生部143を回転させる。また、天板134には、ガイドレール161が移動可能に接続されている。
ガイドレール161は、現像部44の係合凸部107と係合し、現像部44の枠体131に対する挿抜方向への移動を案内する。このガイドレール161は、現像部44が挿抜される方向(現像ローラー102,103の回転軸が延びる方向)に延びる略長方形の板状に形成されている。
ガイドレール161の一方の長辺を形成する端面161aは、感光体41側を向く。この端面161aには、現像部44を押圧する前の押圧部材141における押圧力発生部143のロック部157が係合する。ガイドレール161の他方の長辺を形成する端面161bには、現像部44の係合凸部107が係合する(図9参照)
図8は、図7に示す要部の拡大図である。図8に示すように、ガイドレール161の上面には、係合突起162が設けられている。この係合突起162は、天板134に設けられたガイド溝134aに係合する。ガイド溝134aは、現像部44が挿抜される方向に略直交し、且つ、上下方向に略直交する方向に延びている。ガイドレール161は、天板134のガイド溝134aに案内されて、感光体41(図9参照)に接近及び離反する方向へ移動する。
[現像部の装着動作]
次に、現像部44の装着動作について、図9~図11を参照して説明する。
図9は、押圧部材141が現像部44の押圧を開始する前の状態を示す説明図である。図10は、押圧部材141が現像部44の押圧を開始した状態を示す説明図である。図11は、押圧部材141が現像部44の押圧を完了した状態を示す説明図である。
図9に示すように、現像部44を枠体131内に挿入して、支持台135の支持面135a上を摺動させる場合に、現像部44の係合凸部107がガイドレール161の端面161bに係合し、現像部44がガイドレール161に案内される。このとき、押圧力発生部143は、支持軸152が上下方向と平行となる姿勢に保持されており、挿入中の現像部44に干渉しない。
また、押圧力発生部143のロック部157は、ガイドレール161の端面161aに係合し、ガイドレール161は、ガイド溝134a(図8参照)に沿う方向への移動を係止されている。したがって、現像部44は、ガイドレール161を介して感光体41へ向かう方向(ガイド溝134aに沿う方向)への移動が係止されている。その結果、現像部44の挿入中(取り外し中も同じ)に、現像部44が感光体41と干渉しないようにすることができる。
現像部44が支持台135の所定位置に配置されると、現像部44の挿入が終了する。なお、ガイドレール161の短辺を形成する端面に当接する位置決め突部や位置決ピンを現像部44に設けることにより、現像部44の所定位置への位置決めを行うようにしてもよい。
所定位置に配置された現像部44の第1支持突起125及び第2支持突起126は、支持台135の支持面135aに係合(接触)している。すなわち、所定位置に配置された現像部44は、第1支持突起125及び第2支持突起126によって支持されている。また、所定位置に配置された現像部44における位置決め部材112,114は、感光体41の規制板92,94から離れている。
現像部44が支持台135の所定位置に配置されると、図10に示すように、押圧部材141は現像部44の押圧を開始する。すなわち、作動レバー160(図7参照)と一緒に押圧力発生部143が回転し、押圧力発生部143の押圧コロ155が押圧板142を押圧する。このとき、押圧力発生部143のロック部157がガイドレール161の端面161aから離れるため、ガイドレール161及び現像部44は、感光体41へ向かう方向への移動が可能になる。つまり、ロック部157によるロックが解除される。
また、押圧コロ155が押圧板142を押圧した状態では、現像部44の挿抜方向において、押圧力発生部143(押圧枠部151)が現像部44の一部に重なる。したがって、現像部44を枠体131から抜き出そうとすると、現像部44に押圧力発生部143(押圧枠部151)が干渉する。したがって、現像部44を押圧した押圧力発生部143は、現像部44の抜き出しを係止する。
押圧力発生部143の押圧コロ155が押圧板142を押圧すると、押圧板142と一緒に現像部44が感光体41へ向かって支持面135a上を摺動する。これにより、現像部44の位置決め部材114が、感光体41の規制板94に当接する。
図11に示すように、押圧コロ155が押圧板142の係合部149に係合し、押圧力発生部143の回転が停止される。押圧コロ155が押圧板142の係合部149に係合すると、押圧力発生部143は、押圧板142及び現像部44を、図10に示す状態からさらに感光体41側へ押圧する。これにより、現像部44は、第1支持突起125を支点に回転し、第2支持突起126から支持面135aから離れる。そして、現像部44の位置決め部材112が、感光体41の規制板92に当接し、現像部44が感光体41に対して位置決めされる。
また、現像部44が感光体41に対して位置決めされた状態では、第1支持突起125と支持面135aとの接触部分は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向から見た場合に、上述の直線Lに重なっている。これにより、感光体41から離れる方向へ回転する(倒れる)力が現像部44に加わらないため、押圧力発生部143による押圧力を大きくしなくても、現像部44が感光体41に対して位置決めされ状態を保持することができる。したがって、押圧力発生部143により発生させる押圧力の低減を図ることができる。
このように、本実施形態では、第1支持突起125を支点に回転させて、現像部44を移動させるため、小さい押圧力で現像部44を容易に移動させることができる。また、第1支持突起125を円弧状に形成したため、第1支持突起125を容易に回転させることができ、押圧力発生部143により発生させる押圧力の低減を図ることができる。
また、第1支持突起125及び第2支持突起126を円弧上に形成したため、現像部44と支持面135aとの間に生じる摩擦力を小さくすることができる。その結果、現像部44を枠体131に対して挿抜する際に、第1支持突起125及び第2支持突起126を支持面135a上で容易に摺動させることができる。
なお、内容物により現像部44の重心が、第1現像ローラー102等の回転軸が延びる方向から見て第1支持突起125と支持面135aの接触部よりも感光体41側に寄る場合が考えられる。この場合は、現像部44が自重によって感光体41側に倒れるため、押圧力発生部143により発生させる押圧力が小さくても、位置決め部材112,114を感光体41の規制板92,94に当接させることができる。
したがって、現像部44を回転させる前において、第1支持突起125と支持面135aの接触部分は、第1現像ローラー102等の回転軸が延びる方向から見て現像部44の重心に重なっていてもよい。この場合は、現像部44が回転すると、現像部44の重心が、第1支持突起125と支持面135aの接触部よりも感光体41側に位置する。
以上説明したように、上述した一実施形態に係る画像形成装置1は、感光体41と、現像部44と、支持台135と、押圧部材141とを備える。現像部44は、現像剤が収容される現像剤筐体101と、現像剤を担持して感光体41に付着させる第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103とを有する。支持台135は、現像剤筐体101を揺動可能に支持する。押圧部材141は、現像部44を感光体41側へ押圧する。現像剤筐体101は、支持台135に係合する第1支持突起125及び第2支持突起126を有する。第1支持突起125は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向から見て現像部44の重心の下方に設けられている。第2支持突起126は、第1支持突起125よりも第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103から遠い位置に設けられ、押圧部材141が現像部44を押圧したときに支持台135から離れる。
このような画像形成装置1では、現像部44の重心に近い方の第1支持突起125を支点にして現像部44を回転させることで感光体41側に移動させるため、小さい押圧力で現像部44を移動させることができる。その結果、現像部44を感光体41に向けて押圧する力を低減することができる。
また、上述した一実施形態に係る画像形成装置1の第1支持突起125は、押圧部材141が現像部44を押圧したときに、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向から見て上述の直線Lと重なる。これにより、感光体41から離れる方向へ回転する(倒れる)力が現像部44に加わらない。その結果、押圧部材141による押圧力を大きくしなくても、現像部44が感光体41側に移動(回転)した状態を保持することができる。
また、上述した一実施形態に係る画像形成装置1は、感光体41を支持する枠体131を備え、枠体131は、支持台135と一体に形成されている。これにより、感光体41に対する支持台135の位置決めを容易に行うことができる。また、現像部44を支持する支持台と感光体41とを1ユニット化することができ、組み立て作業の作業性を向上させることができる。
また、上述した一実施形態に係る画像形成装置1の押圧部材141(押圧力発生部143)は、枠体131に設けられている。これにより、現像部44を支持する支持台と、感光体41と、押圧部材141(押圧力発生部143)とを1ユニット化することができ、組み立て作業の作業性を向上させることができる。
また、上述した一実施形態に係る画像形成装置1の支持台135は、現像部44を着脱可能に支持している。そして、押圧部材141(押圧力発生部143)は、支持台135に支持された現像部44に係合して当該現像部44が感光体41側へ移動することをロックするロック部157を有し、現像部44を押圧したときに、ロック部157を現像部44から外す。これにより、押圧部材141による押圧を行う前に現像部44が感光体41側へ移動しないようにすることができる。その結果、意図しないタイミングで現像部44が感光体41に対して位置決めされないようにすることができる。
また、上述した一実施形態に係る画像形成装置1の現像剤筐体101は、第1側板104及び第2側板105を有する。そして、第1支持突起125及び第2支持突起126は、第1側板104と第2側板105にそれぞれ設けられている。これにより、押圧部材141により押圧する前の現像部44を4点で安定して支持することができる。また、現像部44を感光体41側へ移動(回転)させた状態では、2つの第1支持突起125により第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が支持台135に対して傾かないようにすることができる。
また、上述した一実施形態に係る画像形成装置1の第1支持突起125は、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向から見た形状が円弧状に形成されている。これにより、現像部44を、第1支持突起125を支点に回転させ易くすることができる。また、現像部44と支持台135との間に生じる摩擦力を小さくすることができる。その結果、現像部44を支持台に対して着脱する際に、第1支持突起125及び第2支持突起126を支持台上(支持面135a上)で容易に摺動させることができる。
また、上述した一実施形態に係る画像形成装置1の第2現像ローラー103は、第1現像ローラー102よりも第1支持突起125側に設けられている。そして、現像部44が押圧部材141に押圧されると、現像部44が支持台135(支持面135a)上を摺動することにより第2現像ローラー103に設けた位置決め部材114が感光体41に設けた規制板94に当接し、その後、現像部44が第1支持突起125を支点に回転することにより第2現像ローラー103に設けた位置決め部材112が感光体41に設けた規制板92に当接する。これにより、2つの現像ローラー102,103の感光体41に対する位置決めを容易に行うことができる。
以上、画像形成装置の実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の画像形成装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した一実施形態では、現像剤筐体101の第1側板104及び第2側板105に、第1支持突起125と第2支持突起126を設ける構成にした。しかし、本発明に係る現像剤筐体としては、例えば、底面部に第1支持突起及び第2支持突起を設ける構成にしてもよい。この場合の第1支持突起及び第2支持突起は、例えば、第1現像ローラー102及び第2現像ローラー103の回転軸が延びる方向に沿って延びる突条に形成してもよい。すなわち、本発明に係る現像剤筐体は、第1支持突起及び第2支持突起を1つずつ有するものであってもよい。
また、上述した一実施形態では、2つの現像ローラー102,103を有する現像部44を例に挙げて説明した。しかし、本発明に係る現像部としては、1つの現像ローラーを有するものであってもよい。
また、上述した一実施形態では、感光体に形成されたトナー像を転写させる転写材として中間転写ベルトを有し、中間転写ベルトから用紙に画像を2次転写させる構成とした。しかし、本発明に係る画像形成装置としては、感光体からベルト部材によって搬送された用紙に直接トナー像を転写させる構成であってもよい。
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。