JP7290018B2 - シート搬送装置、シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

シート搬送装置、シート給送装置及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、シート搬送装置、シート給送装置及び画像形成装置に関する。
画像形成部や画像形成装置に用紙を給紙するエアピック式の給紙装置を用いるエア給紙技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の給紙装置では、給紙トレイの用紙積載台に積載されている用紙束にエアを吹き付けることにより用紙を捌き、用紙先端側からエアを吹き付けることにより用紙を浮上させる。そして、浮上した用紙の上側に、穴の開いた吸着搬送用のゴム製の無端状のベルトを配置し、そのベルトの穴からエアを吸引することによりベルトに用紙を吸着させ、更にベルトに吸着した用紙とそれ以外の用紙の間に分離エアを吹き付けて用紙を1枚ごとに分離し給送するように構成されている。
しかしながら、特許文献1を含む今までのベルトに用紙を吸着させて搬送するエア吸着搬送式の搬送装置や給紙装置では、用紙が吸着搬送用のベルトに吸着した際に、ベルトとこのベルトの内側に配置された負圧を発生させる吸引チャンバの表面(以下、「吸引チャンバ表面」ともいう)とが密着する。これにより、用紙の吸着搬送を繰り返していくと、ゴム製のベルトの削れカスであるゴムを主成分とする摩耗粉(以下、「ゴム摩耗粉」又は「ベルト摩耗粉」という)が吸引チャンバ表面の摺動面(ベルトが密着して回転搬送するため摺動面となる)に付着する。そして、ベルトが回転したときに生じる摩擦熱などの影響により摩耗粉が粘着性を帯び(以下、「粘着摩耗」という)、吸引チャンバ表面の摺動面に経時的に付着滞留することで、ベルトとチャンバの摺動面との間の摺動抵抗・摩擦力が経時的に増加し、ひいてはベルトを駆動させるモータ等に大きな負荷が掛かってしまうという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ベルトと接触する吸引チャンバ表面(摺動面)へのベルト摩耗粉の付着を低減することにより、ベルト搬送時に発生する粘着摩耗を防止し、ベルトと吸引チャンバの摺動抵抗増加を経時に亘り抑制することができるシート搬送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シート搬送方向に間隔をおいて配置されたローラ対と、前記ローラ対に架け渡され、複数の穴が開いたベルトと、前記ローラ対の間に配置され、シートを吸着する側の面に開口部を有する吸引チャンバと、前記吸引チャンバ内の空気を排気するファンと、を備えたシート搬送装置であって、シートが前記ベルトに吸着されるシート吸着時に該ベルトと接触する前記吸引チャンバの表面に、複数の凹部を設け、前記複数の凹部は、前記吸引チャンバの表面に溝を彫り込むことにより形成し、前記溝は、前記シート搬送方向と直交するベルト幅方向において、前記ベルトと接触する前記吸引チャンバの表面のみに形成され、前記溝の深さは、前記ベルト幅方向の前記ベルトの両端部で0mmであり、前記ベルト幅方向の前記ベルトの中央部にかけて深く形成されていることを特徴とするシート搬送装置にある。
本発明によれば、ベルトと接触する吸引チャンバの表面に複数の凹部を設けるという簡素な構成により、ベルト摩耗粉が吸引チャンバ表面の複数の凹部に入り込むことで、ベルトと接触する吸引チャンバの表面の摺動面へのベルト摩耗粉の付着を低減することができ、これにより粘着摩耗を防止し、ベルトと吸引チャンバの摺動抵抗増加を経時に亘り抑制することができる。
本発明の一実施形態を示すエアピック式給紙装置の概略的な構成を説明する斜視図である。 図1の給紙装置が備えている給紙ユニットを上下逆にして示す斜視図である。 図2の給紙ユニットを図2の矢印A視方向から見た図である。 (a)は従来の給紙ユニットの要部の断面を模式的に示す図、(b)は(a)の従来の給紙ユニットの問題点について説明するための要部の断面を模式的に示す図である。 (a)は一実施形態の給紙ユニットの要部の断面を模式的に示す図、(b)は(a)の給紙ユニットの動作を説明する要部の断面を模式的に示す図である。 実施例1に係る吸引チャンバの表面に形成される微小凹凸面の形状を示す平面図である。 (a)は微小凹凸面の有無による経時的な駆動モータの負荷増加について実験した結果を説明するグラフ、(b)は(a)の実験の際の吸着ベルトの重量変化を説明するグラフである。 実施例2に係る吸引チャンバの表面に形成される溝形状を示す平面図である。 一実施形態の給紙ユニットの吸引チャンバ内静圧とクリアランスとの関係を表すグラフである。 実施例3に係る吸引チャンバの表面に形成される斜行溝形状を示す平面図である。 実施例4に係る吸引チャンバの表面に形成される溝の形成範囲を示す平面図である。 実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 実施形態に係る給紙装置の概略構成図である。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能及び形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図及び説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
図1を参照して、本発明のシート搬送装置及びシート給送装置に係る一実施形態を示すエアピック式給紙装置の概略的な構成を説明する。図1は本発明のシート搬送装置及びシート給送装置に係る一実施形態を示すエアピック式給紙装置の概略的な構成を説明する斜視図である。
同図に示すように、エアピック式給紙装置50(以下、単に「給紙装置50」という)は、給紙トレイ10、フロント送風装置12、一対のサイド送風装置14及び給紙ユニット20等を備えている。給紙装置50は、本発明に係るシート給送装置として機能する。
尚、図1ではフロント送風装置12及び一対のサイド送風装置14の配置及び各送風状態等が給紙ユニット20に隠れて見えにくくなるため、2本の矢印で示すようにシート搬送方向ないしシート給送方向である給紙方向Xの下流側に給紙ユニット20を故意にずらして示している。
給紙トレイ10は、シートの一例としての用紙の用紙束を積載するシート積載台である用紙積載台11を備えている。用紙積載台11は、図示を省略した駆動源としてのモータを備えた昇降機構によって昇降可能に構成されている。
また、給紙トレイ10には、用紙束SAの上部先端部(シート給送方向ないしシート搬送方向である給紙方向Xの下流側端部)に空気(以下、「エア」ともいう)を送風するフロント送風装置12、及び1対のサイドフェンス13にそれぞれ設けられ、用紙束SAの上部側面に空気を送風するサイド送風装置14が配設されている。
フロント送風装置12には、用紙Sないし用紙束SAを浮上させる方向に空気を案内する図示を省略した浮上ノズルと、最上位の浮上した用紙とそれ以外の用紙を分離する方向に空気を案内する図示を省略した分離ノズルが配置されており、それぞれのノズルから送風される空気を浮上エア(フロント送風装置12の下側に示す白抜き太矢印で表す)、分離エア(フロント送風装置12の上側に示す白抜き太矢印で表す)と呼ぶ。サイド送風装置14には、用紙束SAを捌き、浮上させる方向に空気を案内する図示を省略したサイド浮上ノズルが配置されており、このノズルから送風される空気をサイドエア(各サイド送風装置14から噴出す白抜き太矢印で表す)と呼ぶ。
上記したとおり、フロント送風装置12及びサイド送風装置14は、用紙積載台11上に積層・積載された用紙Sないし用紙束SAにエア噴出し用紙の端部を浮上させるエア噴出し手段として機能する。また、フロント送風装置12は、フロント送風装置12及びサイド送風装置14により浮上された用紙束を1枚ずつに分離する分離手段として機能する。
給紙トレイ10の上方には、用紙積載台11に積載された用紙Pを吸着し給送ないし搬送する給紙ユニット20が配置されている。給紙ユニット20は、搬送部材である無端状の吸着ベルト21及び吸引装置23を備えている。
吸着ベルト21は、給紙方向Xに間隔をおいて平行に配置された1対の架橋ローラ22a、22bに架け渡され(以下、「架橋」ともいう)ており、吸着ベルト21の表面側から裏面側まで貫通する吸引・吸着用の穴が周方向の全域に渡り開けられている(後述する図2、図3参照、図1では穴は全て省略されている)。
吸引装置23は、1対の架橋ローラ22a、22bの間の吸着ベルト21の内側に配置されたエアダクト25を通じて図示を省略したブロワファン(図2参照)に連通・接続している。このブロワファンの排気によってエアダクト25内のエアが白抜き太矢印で示す方向に吸引されることで、上側の吸着ベルト21の下方に負圧を発生させることとなり、吸着ベルト21の下面に用紙Sを吸着させるように作用する。上記したとおり、給紙ユニット20は、浮上した用紙を保持し分離させる保持手段ないしシート搬送装置として機能する。
図2、図3を参照して、図1の給紙装置50が備えている給紙ユニット20の細部構成及び動作を説明する。図2は図1の給紙装置50が備えている給紙ユニット20を上下逆にして示す斜視図であり、図3は図2の給紙ユニット20を図2の矢印A視方向から見た図である。
図2、図3に示すように、架橋ローラ22a、22bには3つに分かれた3組の吸着ベルト21a、21b、21cが架橋されており、各吸着ベルト21a、21b、21cには吸着ベルト全周に渡り複数(多数)の穴21dが吸着ベルトを貫通して開いている。尚、図2、図3において架橋ローラ22a、22b上側に位置する各吸着ベルト21a、21b、21cでは、図示の簡明化を図るため穴21dの図示は省略している。各吸着ベルト21a、21b、21cを区別しないで説明するときは、以下、吸着ベルト21と総称する。
図2に示すように、架橋ローラ22aの駆動軸26には、ベルト及びプーリなどの駆動力伝達手段を介して、駆動ローラである架橋ローラ22a及び吸着ベルト21を回転駆動する駆動モータ27が連結されている。駆動モータ27としては、例えばパルス入力で回転するステッピングモータが用いられる。架橋ローラ22bは、吸着ベルト21を介して従動回転する従動ローラであり、軸を介して給紙ユニット本体フレームに回転可能に支持されている。
架橋ローラ22a、22b及び吸着ベルト21の内側には、内部が空洞になっている箱型の吸引チャンバ24が配設されている。吸引チャンバ24には、図3で示すように、吸着ベルト21の用紙の吸着面となる側の面に対向し、吸着ベルト21の穴21dの配列に合わせて複数の開口部24a(図3に破線で示す)が設けられている。更に、吸引チャンバ24は、図2に示すように、内部の空洞がダクト25の一端部に連通し、ダクト25の他端部が模式的に示すブロワファン28に連通している。
給紙装置50の動作について補説する。ブロワファン28が回転駆動すると、ダクト25を通して吸引チャンバ24内の空気が排気され、吸引チャンバ24内の気圧が下がり負圧となると共に、吸引チャンバ24の複数の開口部24aから吸着ベルト21の多数の穴21dを通して空気が吸気され、吸着ベルト21の下側に積載されている用紙束の最上紙が吸着ベルト21に吸着する。
吸着ベルト21に吸着した用紙は架橋ローラ22aの駆動軸26に接続されている駆動モータ27が回転駆動することにより、架橋ローラ22aを介して吸着ベルト21が給紙方向Xに回転・走行し、用紙Sが給紙先である画像形成装置や画像形成部に向かって搬送される。
図4を参照して、従来の給紙ユニットの構成及び問題点について説明する。図4(a)は従来の給紙ユニットの要部の断面を模式的に示す図、図4(b)は図4(a)の従来の給紙ユニットの問題点について説明するための要部の断面を模式的に示す図である。図4(a)、図4(b)において、20Xは従来の給紙ユニットを、24Xは従来の吸引チャンバ24を、それぞれ示している。
図4(a)に示すように、従来の給紙ユニット20Xでは、一般的に、吸引チャンバ24Xの下側の表面24bと吸着ベルト21の裏面21eとの間には隙間(クリアランス)が無いように設定されていた。即ち、吸引チャンバ24Xから排気しないことで用紙を吸着しない非用紙吸着時には、吸引チャンバ24Xの表面24bと吸着ベルトの裏面21eとのクリアランスが無く、吸引チャンバ24Xの表面24bと吸着ベルトの裏面21eとが常に対向接触するように設定されていた。尚、非用紙吸着時とは、シートを吸着しない非シート吸着時を表している。
また、従来の給紙ユニット20Xの吸引チャンバ24Xの下側の表面24bは、シートを吸着して搬送するシート吸着搬送時である用紙吸着搬送時には吸着ベルト21の裏面21eと摺動する摺動面となることから、通常、平滑面に形成されていた。
そのため、用紙吸着搬送時において吸引チャンバ24X内のエアを吸引する際には、図4(a)で示すように、吸着ベルト21を吸引する力である吸引力Pが発生する。上記クリアランスが無い場合、吸着ベルト21の裏面21eは吸引チャンバ24Xの表面24bに対して吸引力Pで吸引チャンバ24Xの表面24bに密着することから、吸着ベルト21の裏面21eと吸引チャンバ24Xの表面24bとの間に生じる摩擦係数μとすると、吸着ベルト21の駆動時に発生する吸着ベルト21の裏面21eと吸引チャンバ24Xの表面24bとの間に生じる摩擦力は、上記した摩擦係数μよりPμとなる。尚、吸着ベルト21の裏面21eが吸引チャンバ24Xの表面24bに対して吸引力Pで吸引チャンバ24Xに密着した際、吸着ベルト21には図示の張力T1が作用する。
図4(a)の給紙ユニット20Xにおいて用紙の給紙を繰り返し行うと、吸着ベルト21の裏面21eが吸引チャンバ24Xの表面24bに接触(密着)することによって吸引チャンバ24Xの表面24bが摺動面となり、図4(b)に示すように、その摺動面の摺動抵抗によって吸着ベルト21の裏面21eに削れが発生し、その吸着ベルト21の微小な削れカス29(ゴム摩耗粉からなる)が吸引チャンバ24Xの摺動面となる表面24bに経時的に付着する。
吸着ベルト21の主成分がゴムの場合、吸引チャンバ24Xの摺動面となる表面24bに付着した削れカス29が、吸着ベルト21の裏面21eと吸引チャンバ24Xの表面24bとの間で繰り返し擦れることにより、吸着ベルト21が回転したときに生じる摩擦熱などの影響により削れカス29は粘着性を帯び(粘着摩耗)、吸引チャンバ24Xの表面24bにゴムの膜が生成される。粘着摩耗したゴムの膜が生成されると、吸着ベルト21の駆動時には吸着ベルト21の裏面21eと吸引チャンバ24Xの表面24bとの間の摩擦係数μであったのに対し、ゴム同士の摩擦係数μ’となりμ<μ’となることから、吸着ベルト21と吸引チャンバ24Xとの間の上記摺動抵抗が増加し、架橋ローラ22aを介して吸着ベルト21を駆動させる駆動モータ27の負荷が増大し、駆動モータ27の経時的な負荷変動によって脱調してしまう、という問題があった。
次に、図5~図7を参照して、図4に示した従来の給紙ユニットの問題を解消できる本発明の特徴的な一実施形態について説明する。
図5(a)は一実施形態の給紙ユニットの要部の断面を模式的に示す図、図5(b)は図5(a)の給紙ユニットの動作を説明する要部の断面を模式的に示す図である。
図5に示す本実施形態に係る給紙ユニット20は、図4に示した従来の給紙ユニット20Xと比較して、吸引チャンバ24Xに代えて吸引チャンバ24を用いる点のみ相違する。吸引チャンバ24は、給紙ユニット20Xと比較して、吸引チャンバ24から排気する用紙吸着時に吸着ベルト21の裏面21eと接触する吸引チャンバ24の表面24bに、複数の凹部としての微小凹凸面30を設けた点が主に相違する。
尚、図5(a)、図5(b)では、吸引チャンバ24の表面24bと吸着ベルト21の裏面21eとが接触していないように隙間を開けて故意に示しているが、これは本実施形態の吸引チャンバ24の表面24bの上記した特徴的な構成及び動作を明確に表すためであり、図4に示した従来の吸引チャンバ24Xと同様に、吸引チャンバ24の表面24bと吸着ベルト21の裏面21eとは常に接触状態にある。
図5(a)に示すように、吸引チャンバ24の表面24bには、用紙吸着時において吸着ベルト21の裏面21eと吸引チャンバ24の表面24bとの摺動面において、吸引チャンバ24の表面24bに微小凹凸面30を形成している。微小凹凸面30は、凹部の深さとなる微小凹凸面30の高低差が40μm以上で形成されている。
吸引チャンバ24の表面24bの摺動面において、微小凹凸面30を形成していることにより、図5(b)で示すように、用紙吸着搬送時において吸着ベルト21の削れカス29が発生した場合に、削れカス29は微小凹凸面30の凹部内に入り込む。これにより、吸着ベルト21の裏面21eと吸引チャンバ24の表面24bの摺動面には削れカス29が介在しなくなり、先に述べたゴムの粘着摩耗の発生が抑制され、吸着ベルト21と吸引チャンバ24との摩擦係数μが維持されることから駆動モータの負荷増加を抑制し、負荷を低減することができる。
吸着ベルト21の削れカス29が発生した場合に、削れカス29が微小凹凸面30の凹部内に入り込みやすくする観点及び凹部による削れカス29の保持性の観点等から、凹部の深さが40μm以上であることが好ましい。
微小凹凸面30の高低差は、上記した通り40μm以上で形成されているが、後述する実施例2で説明するように、吸着ベルト21の裏面21eと接触(密着)する吸引チャンバ24の表面24bに形成された溝との隙間(以下、「クリアランス」ともいう)から漏れるエアの影響によって生じる重送を避ける点から、微小凹凸面30の深さを1.25mm以下に設定することが好ましい。
(実施例1)
図6を参照して、吸引チャンバの表面に複数の凹部としての微小凹凸面を形成する実施例1について説明する。図6は吸引チャンバの表面に形成される実施例1に係る微小凹凸面の形状を示す平面図である。
図6に示す実施例1に係る微小凹凸面30の形状は、吸着ベルト21の裏面21eと接触する吸引チャンバ24における複数の開口部24aを除く表面24bのほぼ全領域に、サンドブラスト処理(細かなビーズ粒子を表面に当てて凹凸を形成する)又はシボ処理により、吸着ベルト21と摺動する吸引チャンバ24の摺動面となる表面24bに細かい凹凸形状を形成させたものである。
実施例1の給紙ユニット(図示せず)は、上述した通り微小凹凸面30の形成方法を明示した以外は、図5に示す給紙ユニットと同様である(以下の実施例2~4でも同じ)。
厳密に言えば、図6の微小凹凸面30は、図3に示した吸着ベルト21a、21b、21cの裏面21eと対向・接触する吸引チャンバ24の表面24bの領域、及び互いに隣り合う吸着ベルト21aと吸着ベルト21bとの間、吸着ベルト21bと吸着ベルト21cとの間の領域に、上記表面処理加工を施すことで形成したものである。
互いに隣り合う吸着ベルト21aと吸着ベルト21bとの間、吸着ベルト21bと吸着ベルト21cとの間の領域に対応した吸引チャンバ24の表面24bの領域は、吸着ベルト21の裏面21eと対向するが接触していない領域である。これは、上記表面処理加工を施す際に上記部位をカバーなどで被覆する手間などを省くことを考慮したものであり、微小凹凸面30の形成範囲を多少広く採ることで、経時に亘る削れカス29が微小凹凸面30の凹部内に入り込むのを余裕をもって行わせることができる点から問題はない。
図6に示すように、微小凹凸面30として細かい球状もしくは梨地状の凹凸が吸引チャンバ24の表面24bに形成され、この微小凹凸の凹部内に吸着ベルトの削れカス29が入り込む(図5(b)参照)ことで、摺動抵抗の増加及び駆動モータの負荷増加を抑制し、駆動モータの負荷トルクを低減することが可能となる。
図7のグラフを参照して、吸引チャンバの微小凹凸面30の有無による経時的な駆動モータ27の負荷増加、その際の吸着ベルト21a~21cの重量変化について行なった実験結果について説明する。図7(a)は微小凹凸面の有無による経時的な駆動モータの負荷増加について実験した結果を説明するグラフである。図7(b)は図7(a)の実験の際の吸着ベルトの重量変化を説明するグラフである。
上記実験においては、図4に示した表面24bに微小凹凸面無し(以下、「凹凸無し」と記載する)の従来例の吸引チャンバ24Xと、図6の実施例1で説明した微小凹凸面30有り(以下、「凹凸有り」と記載する)の吸引チャンバ24(凹凸の高低差40μmが形成されている)とを用いて、比較確認実験を行っている。吸引チャンバの微小凹凸面30の有無以外の実験条件は、同一の条件、ちなみに吸着ベルト21a~21cの材質はエチレンプロピレンゴム(EPDM)で形成されたものを、吸引チャンバ24X、24の材質はポリアセタール樹脂(POM)で形成されたものを用いて行なった。
図7(a)の横軸には通紙枚数[k枚(×1000枚)]を、縦軸には駆動モータの負荷トルク[Ncm](図7(a)では「モータ負荷トルク」と記載している)をそれぞれ取っている。図7(a)の実験結果から、吸着ベルトは初期において特に削れ易く、凹凸無しの場合は200k枚程度まで吸着ベルトの削れにより削れカスが発生し、削れカスが吸引チャンバの摺動面へ付着して駆動モータの負荷トルクの増加が続いてしまう。その後、吸着ベルトの削れが飽和したことにより負荷トルクは徐々に低下していく傾向が認められた。
これに対し、凹凸有りの場合は、凹凸無しの場合と比べて駆動モータ負荷トルクの増加は経時的になく、凹凸有りの場合の実施例1の優位性が認められた。
図7(b)の横軸には通紙枚数[k枚(×1000枚)]を、縦軸には吸着ベルトの重量変化量[g](図7(b)では「重量変化量」と記載している)をそれぞれ取っている。図7(b)の実験結果から、吸引チャンバに凹凸有りの場合、吸着ベルトの重量変化量は変化しているが、図7(a)の実験結果からモータ負荷トルクの増加はないことから微小な凹凸の凹部内に削れカスが入り込むことで、負荷トルクの増加を抑制していることが確認された。
以上説明した通り、本実施形態及び実施例1によれば、吸着ベルトと接触する吸引チャンバの表面に複数の凹部、複数の凹部としての微小凹凸面を設けるという簡素な構成により、ゴム摩耗粉が吸引チャンバの表面の複数の凹部内に入り込むことで、ベルトと接触する吸引チャンバの表面の摺動面へのゴム摩耗粉の付着を低減することができる。これにより、ゴムの粘着摩耗を防止し、吸着ベルトと吸引チャンバの摺動抵抗増加を抑制することで、吸着ベルトを駆動する駆動モータの負荷変動を経時に亘り低減することができると共に、駆動モータの脱調を未然に防止することができる。
(実施例2)
図8、図9を参照して、吸引チャンバの表面に複数の凹部として複数の微小な溝を形成した実施例2について説明する。図8は吸引チャンバの表面に形成される実施例2に係る溝形状を示す平面図である。図9は実施例2に係る吸引静圧と隙間の関係について説明するグラフである。
図8に示す実施例2では、図6に示した実施例1の微小凹凸面30に代えて、複数の凹部として複数の微小な溝30a(以下、単に「溝30a」ともいう)を吸引チャンバ24の表面24bに形成した点が主に相違する。複数の溝30aは、給紙方向Xと直交するベルト幅方向Yに沿って直線状の溝30aを彫り込むことにより凹部が形成されている。このように、上記した吸着ベルトの削れカスが溝30a内に入り込むことで摺動抵抗の増加及び駆動モータの負荷増加を抑制し、駆動モータの負荷トルクを低減することが可能となる。
厳密に言えば、図8の溝30aは、図3に示した吸着ベルト21a、21b、21cの裏面21eと対向・接触する吸引チャンバ24の表面24bの領域、及び互いに隣り合う吸着ベルト21aと吸着ベルト21bとの間、吸着ベルト21bと吸着ベルト21cとの間の領域に、上記溝を彫り込むことで形成したものである。
ただし、溝を形成する場合、溝の深さが1.25mmを超えると吸着ベルトと溝30aの隙間(以下、「クリアランス」ともいう)から漏れるエアが強くなり、吸着ベルト21へ用紙が吸着した際に、次の用紙も吸い付けてしまう重送が発生する可能性があるため、溝30aの深さが1.25mm以下で形成することが好ましい。
次に、図9、表1、表2を参照して、溝30aの深さが1.25mm以下で形成することが好ましい根拠について説明する。図9は横軸に溝30aの深さと同義であるクリアランス[mm]を、縦軸に吸引チャンバ内静圧[kPa]をそれぞれ取って示すグラフである。
溝30aの単位面積当たりの本数である溝の面密度については、一定本数の溝30aを形成した吸引チャンバを用いて、クリアランスを0.5~1.50[mm]の5段階に変えて吸引チャンバ内静圧[kPa]の変化を測定した。
表1において、計測器出力とは、デューティ比(表1、表2では単に「Duty」と記載している)40~100%におけるブロワファンを駆動するファンモータの出力[V]を表している。表2において、圧力換算値とは、デューティ比40~100%におけるブロワファンを駆動するファンモータの出力[V]に対応した圧力[-kPa]を表している。表1及び表2では、デューティ比80%が目標値である。
Figure 0007290018000001
Figure 0007290018000002
上記実験結果より、クリアランスが0.5~1.25mmまでは略一定の適正な吸引チャンバ内静圧を確保することができるが、クリアランスが1.25mmを超えると、これを境界にして吸引チャンバ内静圧が急激に降下していくことが分かった。そのため、図9、表1及び表2に示すように、溝を形成する場合、溝の深さが1.25mmを超えると吸着ベルトと溝30aの隙間(クリアランス)から漏れるエアが強くなり、適正な吸引チャンバ内静圧が確保できなくなることが分かった。これは、吸着ベルト21へ用紙が吸着した際に、次の用紙も吸い付けてしまう重送が発生する虞のあることを表している。
以上説明した通り、実施例2によれば、複数の凹部として給紙方向Xと直交するベルト幅方向Yに沿って溝を彫り込むことにより形成した微小な溝を設けるという簡素な構成により、ゴム摩耗粉が吸引チャンバ表面の直線状の複数の微小な溝内に入り込むことで、ベルトと接触する吸引チャンバの表面の摺動面へのゴム摩耗粉の付着を低減することができる。これにより、ゴムの粘着摩耗を防止し、吸着ベルトと吸引チャンバの摺動抵抗増加を抑制することで、吸着ベルトを駆動する駆動モータの負荷変動を経時に亘り低減することができると共に、駆動モータの脱調を未然に防止することができる。
また、溝30aの深さが1.25mm以下で形成したことにより、吸着ベルトと溝30aの隙間(クリアランス)から漏れるエアを防止することができ、重送を防止することができる。以上をまとめると、溝30aの深さと幅が1.25mm以下で形成することが望ましい。即ち、溝30aの深さは、実施例1の微小凹凸面30の深さと同様の40μm以上で、かつ1.25mm以下で形成することが好ましい。
(実施例3)
図10を参照して、吸引チャンバの表面に複数の凹部として複数の微小な斜行溝を形成した実施例3について説明する。図10は吸引チャンバの表面に形成される実施例3に係る微小な斜行溝形状を示す平面図である。
図8に示す実施例3では、図8に示した実施例2の溝30aに代えて、複数の凹部として直線状の複数の微小な斜行溝30b(以下、単に「斜行溝30b」ともいう)を吸引チャンバ24の表面24bに形成した点が主に相違する。複数の斜行溝30bは、給紙方向Xに対して連続的な凸平面を有さないように、給紙方向Xに対して斜行した斜行溝30bとして形成されている。
例えば、直線状の複数の溝を吸着ベルト21の給紙方向Xと平行に配置した場合、吸引チャンバの凸面が給紙方向Xと同一方向に連続して形成されることで、その凸部連続面に吸着ベルトの削れカスが付着してしまい、本発明の課題である摺動抵抗の増加、負荷トルクの抑制効果がなくなってしまう。そのため、吸引チャンバ24の表面24bに形成される斜行溝30bは図10で示すように給紙方向Xに対して斜行して形成されている。
以上説明した通り、実施例3によれば、シート搬送方向Xに対して連続した凸平面を有さないように、複数の凹部としてシート搬送方向Xと斜行する方向に沿って溝を彫り込むことにより形成した複数の斜行溝を設けるという簡素な構成により、ゴム摩耗粉が吸引チャンバ表面の複数の斜行溝内に入り込むことで、ベルトと接触する吸引チャンバの表面の摺動面へのゴム摩耗粉の付着を低減することができる。これにより、ゴムの粘着摩耗を防止し、吸着ベルトと吸引チャンバの摺動抵抗増加を抑制することで、吸着ベルトを駆動する駆動モータの負荷変動を経時に亘り低減することができると共に、駆動モータの脱調を未然に防止することができる。
(実施例4)
図11を参照して、吸引チャンバの表面に複数の微小な溝の形成範囲を吸着ベルトの幅と同一にした実施例4について説明する。図11は吸引チャンバの表面に形成される実施例4に係る微小な溝の形成範囲を示す平面図である。
図11に示す実施例4に係る微小な溝30cは、第1に、図8に示した実施例2に係る溝30aと比較して、吸着ベルトと接触する吸引チャンバ24の表面24bのみに形成されている点が相違する。即ち、溝30cの形成範囲を対応する吸着ベルトの幅領域と同一としている。具体的には、溝30cは、図3に示した吸着ベルト21a、21b、21cの互いに隣り合うベルト幅方向Yにおける吸着ベルト21aと吸着ベルト21bとの間、吸着ベルト21bと吸着ベルト21cとの間の領域には形成されていない。このように、溝30cの形成範囲は吸着ベルトの幅と同一幅以下であることが望ましい。
実施例4に係る溝30cは、第2に、図8に示した実施例2に係る溝30aと比較して、溝30cの深さは、シート搬送方向Xと直交するベルト幅方向Yの吸着ベルトの両端部(図11にA、Aに示す部位)で0mmであり、ベルト幅方向Yの吸着ベルトの中央部(図11にBに示す部位)にかけて深く形成されている点が相違する。これにより、図8に示した実施例2に係る溝30aと比較して、複数の溝30cから漏れるエアを低減することが可能となる。
具体的には、溝30cの深さは、図11のA点で示す吸着ベルト両端部の深さが0mmで、吸着ベルトの中央部B点に向けて溝の深さを深くすることで、図8の実施例2に記載したエアの漏れを防止し重送の発生を防ぐことが可能となる。
以上説明した通り、実施例4によれば、シート搬送方向Xと直交するベルト幅方向Yに直線状の溝を彫り込むことにより形成した微小な溝を設けるという簡素な構成により、ゴム摩耗粉が吸引チャンバ表面の複数の微小な溝内に入り込むことで、吸着ベルトと接触する吸引チャンバの表面の摺動面へのゴム摩耗粉の付着を低減することができる。これにより、ゴムの粘着摩耗を防止し、吸着ベルトと吸引チャンバの摺動抵抗増加を抑制することで、吸着ベルトを駆動する駆動モータの負荷変動を経時に亘り低減することができると共に、駆動モータの脱調を未然に防止することができる。
また、微小溝30cの深さは、シート搬送方向Xと直交するベルト幅方向Yの吸着ベルトの両端部で0mmであり、ベルト幅方向Yの吸着ベルトの中央部にかけて深く形成することにより、図8に示した実施例2で記載したエアの漏れを防止し、重送の発生を防ぐことが可能となる。
実施例1~4における吸引チャンバ24の表面24bの形状は平板状であったが、これに限らず、例えば上記特許文献1に開示されているようなシート搬送方向と直交する方向に湾曲する面に、本発明に係る複数の凹部を形成して上記効果を得るようにしてもよいことは無論である。
図12を参照して、実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作を説明する。図12は実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図12に示すように、本実施形態に係る画像形成手段としての画像形成装置100は、本実施形態のシート搬送装置及び/又はシート給送装置を適用可能なプリンタ、及び同等の作像機能を有する複写機などの画像形成装置の一例である。この画像形成装置100は、イエロー(Y),シアン(C),マゼンタ(M),黒(K)の4色のトナーを用いるフルカラープリンタ及び同等の作像機能を有するフルカラー複写機である。
装置本体内の上部にそれぞれ各色トナーで作像を行う4つの作像ユニット101Y,101M,101C,101Kを並べて配置している。各作像ユニット101Y,101M,101C,101Kの構成とその動作は実質的に同一であるため、ここでは色を示す符号(Y,M,C,K)を省略して作像ユニットについて説明する。作像ユニット101においては、像担持体としての感光体ドラム102の周囲に、帯電器103、現像装置104、クリーニング装置105等が配置されている。また、感光体ドラム102の上方に位置して、露光手段107が配置されている。
4つの作像ユニット101Y,101M,101C,101Kの下方には、複数の支持ローラに掛け回された中間転写ベルト108が配置されている。 中間転写ベルト108は、支持ローラの一つが図示しない駆動手段によって回転駆動されることにより、矢印A1方向に走行駆動される。その中間転写ベルト108を挟んで各作像ユニットの感光体ドラム102に対向するように、一次転写手段としての転写ローラ106が配置されている。
各作像ユニット101においては、感光体ドラム102が図中反時計回りに回転駆動され、帯電器103によって感光体表面が所定の極性に均一に帯電される。次いでその帯電面に、露光手段107から出射される光変調されたレーザビームが照射され、これによって感光体ドラム102上に静電潜像が形成される。その静電潜像は、現像装置104から付与されるトナーによって現像され、トナー像として可視化される。各作像ユニットで形成されたイエロー,シアン,マゼンタ,黒の各色トナー像は、中間転写ベルト108上に順次重ね合わされて転写される。
一方、装置本体の下部には給紙トレイ114a及び114bを有する給紙部114が設けられており、この給紙部114あるいは画像形成装置100に装着される後述する給紙装置200のいずれかからシート状の記録媒体として例えば転写紙が給送される。給送された転写紙は、レジストローラ111に向けて矢印B1の如く搬送される。レジストローラ111に突き当てられて一旦停止された転写紙は、中間転写ベルト108上のトナー像とのタイミングを取ってレジストローラ111より送出され、二次転写ローラ109と中間転写ベルト108とが接する二次転写部に送り込まれる。その二次転写ローラ109にトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、これによって中間転写ベルト108上の重ねトナー像(フルカラー画像)が転写紙上に転写される。トナー像転写後の転写紙は、搬送ベルト112により定着装置113へ搬送され、定着装置113にて熱と圧力によりトナーが転写紙に定着される。トナー像定着後の転写紙は、矢印Cで示すように機外に排出され、図示しない排紙トレイ上に排紙される。
尚、片面印刷で裏面排紙(フェイスダウン排紙)する場合は、用紙反転部115を経て矢印Cで示すように機外に排出することで、用紙の表裏が逆転される。また、両面印刷の場合は、定着後の用紙を両面反転部116を経て再給紙路117よりレジストローラ111へと再給紙し、用紙裏面に中間転写ベルト108よりトナー像が転写される。トナー像転写後の用紙は定着装置113で定着が行われ、片面印刷時と同じように定着装置113から矢印Cで示すように、あるいは用紙反転部115を経て矢印Cで示すように機外に排出され、図示しない排紙トレイ上に排紙される。用紙搬送方向を切り替えるための切替爪118,119が適宜配置されている。
モノクロ印刷の場合は、本例の画像形成装置100では、黒(K)の作像ユニット101Kのみを用いてトナー像を作像し、そのトナー像を中間転写ベルト108を介して転写紙上に転写する。トナー像定着後の用紙の扱いは、フルカラー印刷の場合と同様である。
尚、装置本体の上面には、各作像ユニットの現像装置104に供給するトナーを収納した各色トナーボトル121をセットするトナーボトルセット部120が設けられている。また、表示部122及び操作パネル123を有する操作部124も装置本体の上面に設けられている。更に、装置本体の図において右側の側面には、後述する給紙装置(図13参照)からの用紙搬入部Dが設けられている。用紙搬入部Dにおいては、用紙を受け入れる開口125と、用紙を搬送する搬送手段126が設けられている。
図13を参照して、本実施形態のシート給送装置としての給紙装置の概略構成及び動作について説明する。図13は本実施形態の給紙装置の概略構成及び動作について説明する図である。
図13に示すように、本実施形態の給紙装置200は、シート給送装置の一例であり、図12に示した画像形成装置100の装置本体の側面に着脱可能に設けられる。給紙装置200は、図1に示したと同様の上下2段の給紙トレイ10を備える。また、各給紙トレイ10の上方には、給紙トレイ10に積載された用紙Sや用紙束を分離・給紙する給紙ユニット20がそれぞれ配置されている。
給紙ユニット20は、搬送部材たる吸着ベルト21及び吸引装置23を備えている。各給紙トレイ10は、用紙Sや用紙束の束を積載する用紙積載台11を備えている。本実施形態においては、各給紙トレイは、最大2500枚程度の用紙を収納可能となっている。また、各給紙トレイ10には、用紙積載台11の昇降を制御するための用紙検知センサ15が設けられている。
下側の給紙トレイ10に積載された用紙は、下搬送路16を通って、出口ローラ対80によって、画像形成装置100の装置本体へ搬送される。上側の給紙トレイ10に積載された用紙は、上搬送17を通って、出口ローラ対80によって、画像形成装置100の装置本体へ搬送される。
上述した構成例に限らず、図12の画像形成装置100と、その用紙搬入部Dに接続された図13の給紙装置200とは、いわゆる画像形成システムを構成するものであってもよい。また、図12の画像形成装置100の装置本体内に配設された給紙部114に代えて、図13の給紙装置200を配置した画像形成装置であってもよい。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や実施例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
本発明は、上記したシート状媒体(単に「シート」ともいう)を搬送するシート搬送装置であれば紙以外を搬送する装置にも適用可能である。シートの例としては、紙のほか、コート紙、ラベル紙、OHPシート、プラスチックフィルム、布、銅箔等の金属シート、プリプレグ(炭素繊維に予め樹脂が含浸しているシート状の材料からなるもの)等を挙げられ、搬送可能な被搬送物全般を含む。
また、本発明を適用する画像形成装置としては、シート搬送装置及び/又はシート給送装置を有し、シートに画像を形成する画像形成手段とを具備する画像形成装置であってもよく、図12に示した電子写真方式の画像形成装置に限定されない。即ち、インクジェット方式でシートに画像を形成する画像形成手段を具備する画像形成装置や、製版済みのマスタ(孔版原紙)を版胴に巻き付けてインキを供給しながら印刷を行う画像形成手段を具備する孔版印刷装置等を含む画像形成装置であってもよい。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
10 給紙トレイ
11 用紙積載台(シート積載台)
12 フロント送風装置
13 サイドフェンス
14 サイド送風装置
15 用紙検知センサ(シート検知手段)
20 給紙ユニット(シート搬送装置の一例)
21 吸着ベルト(ベルトの一例)
21d 吸着ベルトの穴
21e 吸着ベルトの裏面
22a,22b 架橋ローラ(ローラ対の一例)
23 吸引装置
24 吸引チャンバ
24a 吸引チャンバの開口部
24b 吸引チャンバの表面
25 エアダクト
26 駆動軸
27 駆動モータ
28 ブロワファン(ファンの一例)
29 削れカス
30 微小凹凸面(凹部の一例)
30a,30c 溝
30b 斜行溝(溝の一例)
50,200 給紙装置(シート給送装置の一例)
100 画像形成装置
S 用紙(シートの一例)
SA 用紙束(シート束の一例)
X 給紙方向(シート搬送方向、シート給送方向の一例)
Y ベルト幅方向
特開2013-091549号公報

Claims (9)

  1. シート搬送方向に間隔をおいて配置されたローラ対と、
    前記ローラ対に架け渡され、複数の穴が開いたベルトと、
    前記ローラ対の間に配置され、シートを吸着する側の面に開口部を有する吸引チャンバと、
    前記吸引チャンバ内の空気を排気するファンと、を備えたシート搬送装置であって、
    シートが前記ベルトに吸着されるシート吸着時に該ベルトと接触する前記吸引チャンバの表面に、複数の凹部を設け、
    前記複数の凹部は、前記吸引チャンバの表面に溝を彫り込むことにより形成し、
    前記溝は、前記シート搬送方向と直交するベルト幅方向において、前記ベルトと接触する前記吸引チャンバの表面のみに形成され、
    前記溝の深さは、前記ベルト幅方向の前記ベルトの両端部で0mmであり、前記ベルト幅方向の前記ベルトの中央部にかけて深く形成されていることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 請求項1記載のシート搬送装置において、
    前記ベルト幅方向の前記ベルトの中央部における前記複数の凹部の深さは、40μm以上であることを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項1又は2記載のシート搬送装置において、
    前記溝は、その深さが1.25mm以下であることを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項1~3の何れか1つに記載のシート搬送装置において、
    前記溝は、前記シート搬送方向に対して連続した凸平面を有さないことを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項1~4の何れか1つに記載のシート搬送装置において、
    前記複数の凹部の深さ又は前記溝の深さと幅が、1.25mm以下に設定されていることを特徴とするシート搬送装置。
  6. 請求項1~5の何れか1つに記載のシート搬送装置において、
    前記ベルトは、ゴムを含む材料で形成されていることを特徴とするシート搬送装置。
  7. 請求項1~6の何れか1つに記載のシート搬送装置において、
    前記ローラ対を駆動する駆動モータを備えていることを特徴とするシート搬送装置。
  8. 積層されたシートにエア噴出しシートの端部を浮上させるエア噴出し手段と、
    前記浮上したシートを保持し分離させる保持手段と、
    前記保持したシートを搬送する搬送手段と、を備えるシート給送装置において、
    前記搬送手段として、請求項1~7の何れか1つに記載のシート搬送装置を用いることを特徴とするシート給送装置。
  9. 請求項1~7の何れか1つに記載のシート搬送装置及び/又は請求項8記載のシート給送装置を具備することを特徴とする画像形成装置。
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