実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の主旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲等は、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲等を表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲等に限定されない。
なお、「膜」という用語と、「層」という用語とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)等に分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図1乃至図17を用いて説明する。
本発明の一態様は、複数の表示パネルを並べることで大きな表示領域を実現した場合であっても、表示パネル間の境界が認識されにくくなる表示装置及びその動作方法に関する。
<1-1.表示装置の構成例1>
図1(A)、(B)は、表示装置10Aの構成例を示すブロック図である。
表示装置10Aは、外部から受信したデータを用いて、画像データを生成する機能と、当該画像データに基づいて、画像を表示する機能と、を有する。
図1(A)に示すように、表示装置10Aは、表示部20A及び信号生成部30Aを有する。表示部20Aは、複数の表示パネルDPを有する。信号生成部30Aは、外部から受信したデータを用いて、画像データを生成する機能を有する。表示パネルDPは、当該画像データに基づいて、画像を表示する機能を有する。
図1(A)では、表示部20Aに、表示パネルDPが2行1列に並べられた例を示す。表示パネルDPの表示はそれぞれ独立に制御することができる。なお、表示部20Aに、表示パネルDPを3行以上並べてもよいし、2列以上並べてもよい。
本明細書等において、p行q列目(p,qは1以上の整数)に設けられた表示パネルDPを、表示パネルDP[p,q]と示す。
複数の表示パネルDPを並べることで、広い表示領域を有する表示部20Aを作製することができる。
図1(B)に、表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[2,1]の構成例を示す。表示パネルDP[1,1]は、画素部21A、走査線駆動回路22A(ゲートドライバともいう)、信号線駆動回路23A(ソースドライバともいう)、及びタイミングコントローラ24Aを有する。表示パネルDP[2,1]は、画素部21B、走査線駆動回路22B、信号線駆動回路23B、及びタイミングコントローラ24Bを有する。信号生成部30Aは、フロントエンド部31、デコーダ32、処理部33、受信部34、インターフェース35、制御部36、処理部40A、及び分割部45Aを有する。
なお、本明細書等において、画素部21A及び画素部21B等の、本発明の一態様の表示装置が有する表示部に設けられた画素部を、画素部21という場合がある。また、走査線駆動回路22A及び走査線駆動回路22B等の、本発明の一態様の表示装置が有する表示部に設けられた走査線駆動回路を、走査線駆動回路22という場合がある。さらに、信号線駆動回路23A及び信号線駆動回路23B等の、本発明の一態様の表示装置が有する表示部に設けられた信号線駆動回路を、信号線駆動回路23という場合がある。
以下では、表示パネルDP及び信号生成部30Aが有する各構成要素について説明する。
画素部21A及び画素部21Bは、複数の画素を有する。画素部21A及び画素部21Bは、画像を表示する機能を有する。
画素は、表示素子を有する。画素は、階調値に応じた輝度の光を射出する機能を有する。走査線駆動回路22A及び信号線駆動回路23Aから供給される信号により、画素の階調が制御され、画素部21Aに所定の画像が表示される。また、走査線駆動回路22B及び信号線駆動回路23Bから供給される信号により、画素の階調が制御され、画素部21Bに所定の画像が表示される。
走査線駆動回路22Aは、画素を選択するための信号(選択信号ともいう)を画素部21Aに供給する機能を有する。走査線駆動回路22Bは、選択信号を画素部21Bに供給する機能を有する。
信号線駆動回路23Aは、画素が表現する階調を表した信号(画像信号ともいう)を画素部21Aに供給する機能を有する。信号線駆動回路23Bは、画像信号を画素部21Bに供給する機能を有する。選択信号が供給された画素に画像信号が供給されることにより、当該画素は階調値に応じた輝度の光を射出し、画素部21A及び画素部21Bに所定の画像が表示される。
タイミングコントローラ24Aは、走査線駆動回路22A、信号線駆動回路23A等で用いられるタイミング信号(クロック信号、スタートパルス信号等)を生成する機能を有する。タイミングコントローラ24Bは、走査線駆動回路22B、信号線駆動回路23B等で用いられるタイミング信号を生成する機能を有する。走査線駆動回路22Aから選択信号が出力されるタイミング及び信号線駆動回路23Aから画像信号が出力されるタイミングのうち、一方又は双方は、タイミングコントローラ24Aによって生成されたタイミング信号によって制御される。走査線駆動回路22Bから選択信号が出力されるタイミング及び信号線駆動回路23Bから画像信号が出力されるタイミングのうち、一方又は双方は、タイミングコントローラ24Bによって生成されたタイミング信号によって制御される。また、表示パネルDP[1,1]が、走査線駆動回路を複数有する場合、複数の走査線駆動回路から信号が出力されるタイミングは、タイミングコントローラ24Aによって生成されたタイミング信号によって同期される。表示パネルDP[2,1]が、走査線駆動回路を複数有する場合、複数の走査線駆動回路から信号が出力されるタイミングは、タイミングコントローラ24Bによって生成されたタイミング信号によって同期される。同様に、表示パネルDP[1,1]が、信号線駆動回路を複数有する場合、信号線駆動回路から信号が出力されるタイミングは、タイミングコントローラ24Aによって生成されたタイミング信号によって同期される。表示パネルDP[2,1]が、信号線駆動回路を複数有する場合、信号線駆動回路から信号が出力されるタイミングは、タイミングコントローラ24Bによって生成されたタイミング信号によって同期される。
フロントエンド部31は、外部から入力される信号を受信し、適宜信号処理を行う機能を有する。フロントエンド部31には、例えば、所定の方式で符号化され、変調された放送信号等が入力される。フロントエンド部31は、受信した画像信号の復調、アナログ-デジタル変換等を行う機能を有することができる。また、フロントエンド部31はエラー訂正を行う機能を有していてもよい。フロントエンド部31によって受信され、信号処理が施されたデータは、デコーダ32に出力される。
デコーダ32は、符号化された信号を復号する機能を有する。フロントエンド部31に入力された放送信号等に含まれる画像データが圧縮されている場合、デコーダ32によって伸長が行われる。例えば、デコーダ32は、エントロピー復号、逆量子化、逆離散コサイン変換(IDCT)や逆離散サイン変換(IDST)等の逆直交変換、フレーム内予測、フレーム間予測等を行う機能を有することができる。デコーダ32による復号処理により生成された画像データは、処理部33に出力される。
処理部33は、デコーダ32から入力された画像データに対して画像処理を行い、第1の画像データSD1を生成し、処理部40Aに出力する機能を有する。
画像処理の例としては、ノイズ除去処理、階調変換処理、色調補正処理、輝度補正処理等が挙げられる。色調補正処理や輝度補正処理は、ガンマ補正等を用いて行うことができる。
ノイズ除去処理としては、文字等の輪郭の周辺に生じるモスキートノイズ、高速の動画で生じるブロックノイズ、ちらつきを生じさせるランダムノイズ等のさまざまなノイズの除去が挙げられる。
階調変換処理は、第1の画像データSD1が示す階調を表示部20Aの出力特性に対応した階調へ変換する処理である。例えば階調数を大きくする場合、小さい階調数で入力された画像に対して、各画素に対応する階調値を補間して割り当てることで、ヒストグラムを平滑化する処理を行うことができる。また、ダイナミックレンジを広げる、ハイダイナミックレンジ(HDR)処理も、階調変換処理に含まれる。
色調補正処理は、画像の色調を補正する処理である。また輝度補正処理は、画像の明るさ(輝度コントラスト)を補正する処理である。例えば、表示部20Aが設けられる空間の照明の種類や輝度、又は色純度等に応じて、表示部20Aに表示される画像の輝度や色調が最適となるように補正される。
フレーム間補間処理は、表示する画像のフレーム周波数を増大させる場合に、本来存在しないフレーム(補間フレーム)の画像を生成する処理である。例えば、ある2枚の画像の差分から2枚の画像の間に挿入する補間フレームの画像を生成する。又は2枚の画像の間に複数枚の補間フレームの画像を生成することもできる。例えば画像データのフレーム周波数が60Hzであったとき、複数枚の補間フレームを生成することで、表示部20Aに出力される画像信号のフレーム周波数を、2倍の120Hz、又は4倍の240Hz、又は8倍の480Hz等に増大させることができる。
なお、上記の画像処理は、処理部33とは別途設けられた処理部によって行うこともできる。また、上記の画像処理の一つ又は複数を、処理部40Aによって行ってもよい。
受信部34は、外部から入力されるデータ又は制御信号を受信する機能を有する。受信部34へのデータ又は制御信号の入力には、演算処理装置50、リモートコントローラ、携帯情報端末(スマートフォンやタブレット等)、表示部20Aに設けられた操作ボタン、タッチパネル等を用いることができる。なお、演算処理装置50としては、コンピュータ、サーバ、クラウド等、演算処理能力に優れた計算機が挙げられる。
インターフェース35は、受信部34が受信したデータ又は制御信号に適宜信号処理を施し、制御部36に出力する機能を有する。
制御部36は、信号生成部30Aが有する各回路に制御信号を供給する機能を有する。例えば、制御部36は、デコーダ32、処理部33、処理部40A、及び分割部45Aに制御信号を供給する機能を有する。制御部36による制御は、受信部34が受信した制御信号等に基づいて行うことができる。
処理部40Aは、補正フィルタを作成する機能を有する。また、処理部40Aは、処理部33から入力された第1の画像データSD1を、作成した補正フィルタを用いて補正することにより、第2の画像データSD2を生成する機能を有する。例えば、処理部40Aは、表示部20Aに表示される画像の表示ムラが軽減されるように、第1の画像データSD1を補正する機能を有する。例えば、処理部40Aは、詳細は後述するが、表示パネル間の境界が認識されにくくなるように、第1の画像データSD1を補正する機能を有する。処理部40Aによって生成された第2の画像データSD2は、分割部45Aに出力される。
分割部45Aは、処理部40Aから入力された第2の画像データSD2を分割する機能を有する。第2の画像データSD2は、表示部20Aに設けられた表示パネルDPと同じ数に分割することができる。図1(A)においては、第2の画像データSD2が2×1個(第2の画像データSD2[1,1]、及び第2の画像データSD2[2,1])に分割され、表示部20Aに出力される。第2の画像データSD2[1,1]は、表示パネルDP[1,1]に表示される画像に対応する画像データであり、第2の画像データSD2[2,1]は、表示パネルDP[2,1]に表示される画像に対応する画像データである。分割部45Aは、第2の画像データSD2[1,1]を信号線駆動回路23Aに出力し、第2の画像データSD2[2,1]を信号線駆動回路23Bに出力する。
図2に、表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[2,1]の具体的な構成例を示す。
画素部21A及び画素部21Bは、それぞれ複数の画素25を有する。図2では、画素部21A及び画素部21Bが、それぞれm行n列(m及びnはそれぞれ1以上の整数)のマトリクス状に配置された複数の画素25を有する例を示す。
本明細書等において、画素部21Aに設けられた画素を、第1の画素という場合がある。また、画素部21Bに設けられた画素を、第2の画素という場合がある。
画素部21Aの、画素部21Bとの境界部を境界部28Aとする。また、画素部21Bの、画素部21Aとの境界部を境界部28Bとする。境界部28Aには、例えばm行目の画素25が設けられているものとすることができる。例えば、境界部28Aには、(7/8)m+1行目乃至m行目の画素25が設けられているものとすることができる。例えば、境界部28Aには、(3/4)m+1行目乃至m行目の画素25が設けられているものとすることができる。又は、境界部28Aには、(1/2)m+1行目乃至m行目の画素25が設けられているものとすることができる。
また、境界部28Bには、例えば1行目の画素25が設けられているものとすることができる。例えば、境界部28Bには、1行目乃至(1/8)m行目の画素25が設けられているものとすることができる。例えば、境界部28Bには、1行目乃至(1/4)m行目の画素25が設けられているものとすることができる。例えば、境界部28Bには、1行目乃至(1/2)m行目の画素25が設けられているものとすることができる。
表示パネルDP[1,1]は、m本の走査線GLa(選択信号線、ゲート線等ともいう)を有する。表示パネルDP[2,1]は、m本の走査線GLbを有する。m本の走査線GLa及びm本の走査線GLbは、それぞれ、行方向に延在する。m本の走査線GLa及びm本の走査線GLbは、それぞれ、行方向に並ぶ画素25と電気的に接続される。
本明細書等において、走査線GLa及び走査線GLb等、本発明の一態様の表示装置に設けられた走査線を、走査線GLという場合がある。
また、本明細書等では、i行目(iは1以上m以下の整数)の画素25と電気的に接続する走査線GLを走査線GL[i]と示す。なお、走査線GL以外においても、i行目の要素を表す記号又は符号に[i]と付して区別する場合がある。
走査線GLaの一端は、走査線駆動回路22Aと電気的に接続され、走査線GLbの一端は、走査線駆動回路22Bと電気的に接続される。走査線駆動回路22Aは、走査線GLaに選択信号を供給する機能を有し、走査線駆動回路22Bは、走査線GLbに選択信号を供給する機能を有する。選択信号は、走査線GLaを介して、画素部21Aが有する画素25に供給され、走査線GLbを介して、画素部21Bが有する画素25に供給される。
また、走査線駆動回路22Aは、走査線GLa[1]から走査線GLa[m]まで順に選択信号を供給する機能を有する。言い換えると、走査線駆動回路22Aは、走査線GLa[1]乃至走査線GLa[m]を順に走査する機能を有する。走査線GLa[m]まで走査した後、再び走査線GLa[1]から順に走査する。また、走査線駆動回路22Bは、走査線GLb[1]から走査線GLb[m]まで順に選択信号を供給する機能を有する。言い換えると、走査線駆動回路22Bは、走査線GLb[1]乃至走査線GLb[m]を順に走査する機能を有する。走査線GLb[m]まで走査した後、再び走査線GLb[1]から順に走査する。
なお、表示パネルDP[1,1]に、走査線駆動回路22Aの他、もう1つ走査線駆動回路を設けてもよい。当該走査線駆動回路は、走査線GLaの他端と電気的に接続される。よって、2つの走査線駆動回路が、画素部21Aを挟んで向かい合う位置に設けられる。また、表示パネルDP[2,1]に、走査線駆動回路22Bの他、もう1つ走査線駆動回路を設けてもよい。当該走査線駆動回路は、走査線GLbの他端と電気的に接続される。よって、2つの走査線駆動回路が、画素部21Bを挟んで向かい合う位置に設けられる。
1つの表示パネルDPに走査線駆動回路が2個設けられている場合、1本の走査線GLa又は走査線GLbに、2つの走査線駆動回路から同時に選択信号を供給することで、当該走査線への選択信号の供給能力を高めることができる。
表示パネルDP[1,1]は、n本の信号線SLa(画像信号線、ソース線等ともいう)を有し、表示パネルDP[2,1]は、n本の信号線SLbを有する。n本の信号線SLa及びn本の信号線SLbは、それぞれ、列方向に延在する。n本の信号線SLa及びn本の信号線SLbは、それぞれ、列方向に並ぶ複数の画素25と電気的に接続される。
本明細書等において、信号線SLa及び信号線SLb等、本発明の一態様の表示装置に設けられた信号線を、信号線SLという場合がある。
また、本明細書等では、j列目(jは1以上n以下の整数)の画素25と電気的に接続する信号線SLを信号線SL[j]と示す。なお、信号線SL以外においても、j列目の要素を表す記号又は符号に[j]と付して区別する場合がある。
信号線SLaは、信号線駆動回路23Aと電気的に接続され、信号線SLbは、信号線駆動回路23Bと電気的に接続される。信号線駆動回路23Aは、信号線SLaに画像信号を供給する機能を有し、信号線駆動回路23Bは、信号線SLbに画像信号を供給する機能を有する。画像信号は、信号線SLaを介して、画素部21Aが有する画素25に供給され、信号線SLbを介して、画素部21Bが有する画素25に供給される。
画素25は、表示素子を有する。画素25に設けられる表示素子の例としては、発光素子が挙げられる。発光素子としては、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)、半導体レーザ等の、自発光性の発光素子が挙げられる。表示素子として発光素子、特にOLED又はマイクロLEDを用いることにより、鮮やかな画像を表示し、表示品位を高めることができる。また、発光素子を有する表示装置は、バックライトを必要としないため、薄型の表示装置を提供することができる。また、可撓性を有する表示装置を提供することができる。さらに、視野角の広い表示装置を提供することができる。
また、表示素子として、液晶素子を用いてもよい。液晶素子としては、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、半透過型の液晶素子等が挙げられる。表示素子として液晶素子を用いることにより、低消費電力の表示装置を提供することができる。
また、表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した表示素子等を用いてもよい。
表示部20Aに設けられる画素25の数は自由に設定することができる。表示部20Aを大型とし、さらに高精細度の画像を表示するためには、画素25を多く配置することが好ましい。例えば、2Kの画像を表示する場合は、1920×1080個以上の画素を設けることが好ましい。また、4Kの画像を表示する場合は、3840×2160個以上、又は4096×2160個以上の画素を設けることが好ましい。また、8Kの画像を表示する場合は、7680×4320個以上、又は8192×4320個以上の画素を設けることが好ましい。また、表示部20Aにはさらに多くの画素を設けることもできる。
ここで、複数の表示パネルDPを用いて大型の表示部20Aを作製する場合、1つの表示パネルDPの大きさは大型である必要がない。したがって、表示パネルDPを作製するための製造装置を大型化しなくてもよく、省スペース化が可能である。また、中小型の表示パネルの製造装置を用いることができ、表示部20Aの大型化のために新規な製造装置を利用しなくてもよいため、製造コストを抑えることができる。また、表示パネルDPの大型化に伴う歩留まりの低下を抑制できる。
表示パネルDPの大きさが同じである場合、複数の表示パネルDPを有する表示部の方が、1つの表示パネルDPを有する表示部に比べて表示領域が広く、一度に表示できる情報量が多い等の効果を有する。
なお、図2に示す複数の画素25は、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の光を射出する機能を有する構成とすることができる。又は、図2に示す複数の画素25は、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、又は白色(W)の光を射出する機能を有する構成とすることができる。このように、異なる色の光を射出することができる画素25を画素部21A及び画素部21Bに設けることにより、フルカラーの表示を行うことができる。なお、異なる色の光を射出することができる画素25を画素部21A及び画素部21Bに設けた場合、画素25を副画素ということができる。
ここで、表示パネルDPが、画素部21を囲むように非表示領域を有する場合を考える。このとき、例えば、複数の表示パネルDPの出力画像を合わせて一つの画像を表示すると、当該一つの画像は、表示装置10Aの使用者にとって分離したように視認されてしまう。
表示パネルDPの非表示領域を狭くする(狭額縁な表示パネルDPを用いる)ことで、各表示パネルDPの表示が分離して見えることを抑制できるが、表示パネルDPの非表示領域を完全になくすことは困難である。
また、表示パネルDPの非表示領域の面積が狭いと、表示パネルDPの端部と表示パネルDP内の素子との距離が短くなり、表示パネルDPの外部から侵入する不純物によって、素子が劣化しやすくなる場合がある。
そこで、本発明の一態様では、複数の表示パネルDPの一部が重なるように配置する。重ねた2つの表示パネルDPのうち、少なくとも表示面側(上側)に位置する表示パネルDPは、可視光を透過する領域を画素部21と隣接して有する。本発明の一態様では、下側に配置される表示パネルDPの画素部21と、上側に配置される表示パネルDPの可視光を透過する領域とが重なる。したがって、重ねた2つの表示パネルDPの画素部21の間の非表示領域を縮小すること、さらには無くすことができる。これにより、使用者から表示パネルDPのつなぎ目が認識されにくい、大型の表示部20Aを実現することができる。
上側に位置する表示パネルDPの非表示領域の少なくとも一部は、可視光を透過する領域であり、下側に位置する表示パネルDPの画素部21と重ねることができる。また、下側に位置する表示パネルDPの非表示領域の少なくとも一部は、上側に位置する表示パネルDPの画素部21、又は可視光を遮る領域と重ねることができる。これらの部分については、表示部20Aの狭額縁化(画素部以外の面積の縮小化)に影響しないため、面積の縮小化をしなくてもよい。
表示パネルDPの非表示領域が広いと、表示パネルDPの端部と表示パネルDP内の素子との距離が長くなり、表示パネルDPの外部から侵入する不純物によって、素子が劣化することを抑制できる。例えば、表示素子として有機EL素子を用いる場合は、表示パネルDPの端部と有機EL素子との距離を長くするほど、表示パネルDPの外部から水分又は酸素等の不純物が有機EL素子に侵入しにくくなる(又は到達しにくくなる)。本発明の一態様の表示装置では、表示パネルDPの非表示領域の面積を十分に確保できるため、有機EL素子等を用いた表示パネルDPを適用しても、信頼性が高い大型の表示部20Aを実現できる。
このように、表示部20Aに複数の表示パネルDPが設けられる場合、隣接する表示パネルDP間において画素部21が連続するように、複数の表示パネルDPが配置されることが好ましい。
図3(A)に、表示パネルDPの構成例を示し、図3(B)に表示パネルDPの配置例を示す。
図3(A)に示す表示パネルDPは、画素部21、可視光を透過する領域72、及び可視光を遮る領域73を有する。可視光を透過する領域72及び可視光を遮る領域73は、それぞれ、画素部21と隣接して設けられる。図3(A)では、表示パネルDPにFPC(Flexible Printed Circuit)74が設けられている例を示す。
図2に示すように、画素部21には、複数の画素25が含まれる。可視光を透過する領域72には、表示パネルDPを構成する一対の基板、及び当該一対の基板に挟持された表示素子を封止するための封止材等が設けられていてもよい。このとき、可視光を透過する領域72に設けられる部材には、可視光に対して透光性を有する材料を用いる。可視光を遮る領域73には、画素部21に含まれる画素25と電気的に接続された配線等が設けられていてもよい。また、可視光を遮る領域73には、走査線駆動回路22及び信号線駆動回路23の一方又は双方が設けられていてもよい。また、可視光を遮る領域73には、FPC74と接続された端子、当該端子と接続された配線等が設けられていてもよい。
図3(B)は、図3(A)に示す表示パネルDPを、縦方向(行方向)に2つ配置した例であり、表示パネルDPの表示面側の斜視図である。
2つの表示パネルDP(表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[2,1])は、互いに重なる領域を有するように配置されている。具体的には、表示パネルDP[2,1]が有する可視光を透過する領域72が、画素部21Aの上(表示面側)に重畳するように配置されている。これにより、画素部21A及び画素部21Bがほぼつなぎ目なく配置された領域を表示部20Aの表示領域29とすることができる。
ここで、表示パネルDPは、可撓性を有していることが好ましい。例えば、表示パネルDPを構成する一対の基板は可撓性を有することが好ましい。これにより、画素部21Bにおける上面の高さを、画素部21Aにおける上面の高さと一致するように、表示パネルDP[2,1]を緩やかに湾曲させることができる。そのため、表示パネルDP[1,1]と表示パネルDP[2,1]とが重なる領域近傍を除き、各表示領域の高さを揃えることが可能で、表示領域29に表示する画像の表示品位を高めることができる。
なお、隣接する2つの表示パネルDP間の段差を軽減するため、表示パネルDPの厚さは薄いことが好ましい。例えば、表示パネルDPの厚さは、1mm以下が好ましく、300μm以下はより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。
図4(A)に示すように、表示部20Aには、表示パネルDPが隣接する領域、すなわち表示パネルDPのつなぎ目の領域(図中の領域S)が存在する。複数の表示パネルDPを用いて画像を表示する際、領域Sにおける画像の連続性が確保されることが好ましい。
しかしながら、画素25が有するトランジスタの特性又は容量素子のサイズ、信号線SLの寄生抵抗又は寄生容量、信号線駆動回路23の駆動能力等は、表示パネルDPごとにばらつきが生じ得る。そのため、画像信号が各表示パネルDPに供給された際、表示パネルDPごとに表示画像に誤差が生じ、これによりつなぎ目の領域において画像が不連続になり得る。また、図3(B)に示すように、1つの表示パネルDPの画素部21が他の表示パネルDPの可視光を透過する領域72と重なる領域を有する場合、つなぎ目の領域においては画素部21に表示された画像が可視光を透過する領域72を介して視認されるため、階調に誤差が生じ得る。よって、処理部33によって生成された第1の画像データSD1をそのまま分割したデータ(第1の画像データSD1[1,1]及び第1の画像データSD1[2,1])を各表示パネルDPに供給すると、図4(B)に示すように、領域Sにおいて不連続な画像が視認され得る。
ここで、表示装置10Aが有する処理部40Aは、2つの表示パネルDPのつなぎ目における画像の不連続性が緩和されるように、第1の画像データSD1を補正することができる。これにより、複数の表示パネルDPを用いて表示部20Aを構成する場合に、表示パネルDPのつなぎ目において画像の乱れを視認されにくくできる。また、表示パネルごとの色調のずれ、例えば表示パネルDP[1,1]に表示される画像の色調と、表示パネルDP[2,1]に表示される画像の色調と、のずれを小さくすることができる。以上により、表示品位を高めることができる。
<1-2.表示装置の動作方法の一例1>
次に、表示装置10Aの動作方法の一例について説明する。図5(A)、(B)は、表示パネルDPのつなぎ目における画像の不連続性を緩和するために用いられる、補正フィルタの作成方法を説明するフローチャートである。
図5(A)に示す動作方法の一例について説明する。まず、処理部40Aが、表示パネルDP[1,1]に表示される画像に対応する画像データを補正するために用いる補正フィルタ、及び表示パネルDP[2,1]に表示される画像に対応する画像データを補正するために用いる補正フィルタを作成する(ステップS01)。ここで、本明細書等において、表示パネルDP[1,1]に表示される画像に対応する画像データを補正するために用いる補正フィルタを、第1の補正フィルタという。また、表示パネルDP[2,1]に表示される画像に対応する画像データを補正するために用いる補正フィルタを、第2の補正フィルタという。
第1の補正フィルタは、例えば、表示パネルDP[1,1]に表示される画像の表示ムラを軽減するための補正フィルタとすることができる。第2の補正フィルタは、例えば、表示パネルDP[2,1]に表示される画像の表示ムラを軽減するための補正フィルタとすることができる。第1の補正フィルタ及び第2の補正フィルタの作成方法の詳細については後述するが、第1の補正フィルタは、例えば特定の階調値の画像を表示パネルDP[1,1]に表示した際に画素25から射出される光の輝度の、画素25間のばらつきが小さくなるように作成することができる。また、第2の補正フィルタは、例えば特定の階調値の画像を表示パネルDP[2,1]に表示した際に画素25から射出される光の輝度の、画素25間のばらつきが小さくなるように作成することができる。
本明細書等において、特定の階調値の画像とは、例えば全ての画素の階調値が等しい画像を示す。
ここで、画素から射出される光の輝度の画素間のばらつきは、中間階調の画像を表示する場合に大きくなることが多い。よって、特定の階調値の画像として、全ての画素25の階調値が等しい画像とする場合、例えば、全ての画素25の階調値が中間階調である画像とすることが好ましい。例えば、画素25が表現可能な階調値が0乃至255である場合は、全ての画素25の階調値が127又はその近傍である画像とすることが好ましい。例えば、全面灰色の画像であることが好ましい。
第1の補正フィルタは、例えば、表示パネルDP[1,1]が有する画素25から射出される光の輝度の、画素25毎の補正強度を表すデータを有する。第2の補正フィルタは、例えば、表示パネルDP[2,1]が有する画素25から射出される光の輝度の、画素25毎の補正強度を表すデータを有する。なお、本明細書等において、補正フィルタが有するデータが表す、補正強度等の値をフィルタ値という。第1の補正フィルタは、例えば、表示パネルDP[1,1]に設けられた画素25の画素数と同数のフィルタ値を有すると言うことができる。第2の補正フィルタは、例えば、表示パネルDP[2,1]に設けられた画素25の画素数と同数のフィルタ値を有すると言うことができる。
次に、特定の階調値の画像に対応する画像データに対して、処理部40Aが第1の補正フィルタを用いて補正を行い、補正後の画像データに対応する画像を表示パネルDP[1,1]に表示する。また、特定の階調値の画像に対応する画像データに対して、処理部40Aが第2の補正フィルタを用いて補正を行い、補正後の画像データに対応する画像を表示パネルDP[2,1]に表示する。その後、境界部28A及び境界部28Bに設けられた画素25から射出される光の輝度を、二次元輝度計等を用いて測定する(ステップS02)。
次に、境界部28Aに設けられた画素25から射出される光の輝度と、境界部28Bに設けられた画素25から射出される光の輝度と、を比較する(ステップS03)。例えば、境界部28Aに設けられた画素25から射出される光の輝度の平均値と、境界部28Bに設けられた画素25から射出される光の輝度の平均値と、を比較する。
その後、比較結果を基に、処理部40Aが、補正フィルタを修正する(ステップS04)。例えば、境界部28Aに設けられた画素25から射出される光の輝度の平均値をLA、境界部28Bに設けられた画素25から射出される光の輝度の平均値をLBとする場合、画素部21Bに設けられた画素25から射出される光の輝度をLA/LB倍するように、第2の補正フィルタを修正する。又は、例えば画素部21Aに設けられた画素25から射出される光の輝度をLB/LA倍するように、第1の補正フィルタを修正する。又は、例えば画素部21Aに設けられた画素25から射出される光の輝度を(LA+LB)/2LA倍するように第1の補正フィルタを修正し、画素部21Bに設けられた画素25から射出される光の輝度を(LA+LB)/2LB倍するように第2の補正フィルタを修正する。以上により、新たな補正フィルタが作成される。以上が表示装置10Aで用いられる補正フィルタの作成方法の一例である。
なお、上記では、画素部21A及び/又は画素部21Bに設けられた全ての画素25から射出される光の輝度に対して上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正する場合について示したが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、境界部28A及び/又は境界部28Bに設けられた画素25から射出される光の輝度について、上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正してもよい。例えば、境界部28A及び/又は境界部28Bに設けられた画素25の全てと、それ以外の領域に設けられた画素25の一部と、から射出される光の輝度について、上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正してもよい。例えば、図3(B)に示すように、領域72と重なる領域に設けられた画素25から射出される光の輝度について、上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正してもよい。
図5(B)に示す動作方法の一例について説明する。まず、図5(A)に示すステップS01と同様に、処理部40Aが、第1の補正フィルタ及び第2の補正フィルタを作成する(ステップS11)。
次に、第1の補正フィルタが有する、境界部28Aに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、第2の補正フィルタが有する、境界部28Bに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、を比較する(ステップS12)。例えば、境界部28Aに設けられた画素25に対応するフィルタ値の平均値と、境界部28Bに設けられた画素25に対応するフィルタ値の平均値と、を比較する。
その後、図5(A)に示すステップS04と同様に、比較結果を基に、補正フィルタを修正する。例えば、境界部28Aに設けられた画素25に対応するフィルタ値の平均値をDA、境界部28Bに設けられた画素25に対応するフィルタ値の平均値をDBとする場合、第2の補正フィルタが有するフィルタ値をそれぞれDA/DB倍するように、第2の補正フィルタを修正する。又は、例えば第1の補正フィルタが有するフィルタ値をそれぞれDB/DA倍するように、第1の補正フィルタを修正する。又は、例えば第1の補正フィルタが有するフィルタ値をそれぞれ(DA+DB)/2DA倍するように第1の補正フィルタを修正し、第2の補正フィルタが有するフィルタ値をそれぞれ(DA+DB)/2DB倍するように第2の補正フィルタを修正する。以上により、新たな補正フィルタが作成される。以上が表示装置10Aで用いられる補正フィルタの作成方法の一例である。
なお、上記では、画素部21A及び/又は画素部21Bに設けられた全ての画素25に対応するフィルタ値について、上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正する場合について示したが、本発明の一態様はこれに限らない。例えば、境界部28A及び/又は境界部28Bに設けられた画素25に対応するフィルタ値について、上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正してもよい。例えば、境界部28A及び/又は境界部28Bに設けられた画素25の全てと、それ以外の領域に設けられた画素25の一部と、に対応するフィルタ値について、上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正してもよい。例えば、図3(B)に示すように、領域72と重なる領域に設けられた画素25に対応するフィルタ値について、上記比較結果に基づいた補正を行うように補正フィルタを修正してもよい。
図5(A)、(B)に示す方法により新たな補正フィルタを作成した後、さらに当該補正フィルタを修正し、画素25ごとに補正強度を調整してもよい。例えば、画素部21Aに設けられた画素25のうち、境界部28Aの外部に設けられた画素25についての補正強度を、境界部28Aに設けられた画素25についての補正強度より弱くしてもよい。また、例えば、画素部21Bに設けられた画素25のうち、境界部28Bの外部に設けられた画素25についての補正強度を、境界部28Bに設けられた画素25についての補正強度より弱くしてもよい。
上記方法により新たな補正フィルタを作成した後、処理部40Aが、例えば外部から入力される信号に対応する第1の画像データSD1を補正フィルタにより補正して、第2の画像データSD2を生成する。次に、分割部45Aが、第2の画像データSD2を、表示パネルDP[1,1]に表示される画像に対応する画像データSD2[1,1]、及び表示パネルDP[2,1]に表示される画像に対応する画像データSD2[2,1]に分割する。その後、画像データSD2[1,1]に対応する画像を画素部21Aに表示し、画像データSD2[2,1]に対応する画像を画素部21Bに表示する。以上が表示装置10Aの動作方法の一例である。
なお、処理部40Aが新たな補正フィルタを作成した後、当該補正フィルタをさらに修正してもよい。例えば、図5(A)、(B)に示す方法で作成した補正フィルタによっては除去することが難しいノイズを除去できるように、補正フィルタを修正してもよい。例えば、画素落ち等の欠陥を視認しづらくするように、補正フィルタを修正してもよい。例えば、処理部33で行うことができる画像処理と同様の処理を行えるように、補正フィルタを修正してもよい。補正フィルタの修正は、例えば図5(A)、(B)に示す方法で作成した補正フィルタに、平滑化フィルタとしての機能を持たせるように行うことができる。これにより、本発明の一態様の表示装置の表示品位をさらに高めることができる。
なお、上記補正フィルタの修正は、例えばステップS01とステップS02の間、及びステップS11とステップS12の間に行ってもよい。また、処理部40Aが新たな補正フィルタを作成した後、当該補正フィルタをさらに修正する場合、処理部33を省略することができる。
図5(A)、(B)に示す方法で新たな補正フィルタを作成した後に画像を表示することにより、表示パネルDPのつなぎ目において画像の乱れを視認されにくくできる。また、表示パネルDP[1,1]に表示される画像の色調と、表示パネルDP[2,1]に表示される画像の色調と、のずれを小さくすることができる。以上により、表示品位を高めることができる。
図1乃至図5に示す構成及び動作は、2つの表示パネルDPが横方向(列方向)に並んでいる、例えば、表示部20Aに表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[1,2]が設けられている場合であっても適用することができる。この場合、例えば、「行」という用語を「列」と、「m行目」という用語を「n列目」と、「表示パネルDP[2,1]」という用語を「表示パネルDP[1,2]」と適宜言い換えるものとする。
次に、表示部20Aに表示パネルDPが2行2列に並べられた場合における、補正フィルタの作成方法の一例について説明する。図6(A)、(B)、(C)は、補正フィルタの作成方法の一例を示す模式図であり、(A)、(B)、(C)の順に動作が進行する。
図6(A)、(B)、(C)には、2行2列の表示パネルDPとして、表示パネルDP[1,1]、表示パネルDP[2,1]、表示パネルDP[1,2]、及び表示パネルDP[2,2]を示す。図6(A)において、表示パネルDP[1,1]の、表示パネルDP[2,1]との境界部を境界部28Aとする。また、表示パネルDP[2,1]の、表示パネルDP[1,1]との境界部を境界部28Bとする。また、表示パネルDP[1,2]の、表示パネルDP[2,2]との境界部を境界部28Cとする。また、表示パネルDP[2,2]の、表示パネルDP[1,2]との境界部を境界部28Dとする。
また、図6(B)において、表示パネルDP[1,1]の、表示パネルDP[1,2]との境界部を境界部29Aとする。また、表示パネルDP[2,1]の、表示パネルDP[2,2]との境界部を境界部29Bとする。また、表示パネルDP[1,2]の、表示パネルDP[1,1]との境界部を境界部29Cとする。また、表示パネルDP[2,2]の、表示パネルDP[2,1]との境界部を境界部29Dとする。
補正フィルタの作成の際には、まず、表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[2,1]について、図5(A)又は図5(B)に示す動作を行う。また、表示パネルDP[1,2]及び表示パネルDP[2,2]について、図5(A)又は図5(B)に示す動作を行う。この際、図5(A)に示すステップS03において、境界部28Cに設けられた画素25から射出される光の輝度と、境界部28Dに設けられた画素25から射出される光の輝度と、を比較する。又は、図5(B)に示すステップS12において、境界部28Cに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、境界部28Dに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、を比較する。以上により、表示パネルDP[1,1]と表示パネルDP[2,1]とのつなぎ目、及び表示パネルDP[1,2]と表示パネルDP[2,2]とのつなぎ目において、画像の不連続性が緩和される。
なお、境界部28A及び境界部28Cに設けられた画素25から射出される光の輝度を、境界部28B及び境界部28Dに設けられた画素25から射出される光の輝度とまとめて比較してもよい。つまり、例えば境界部28Aに設けられる画素25、及び境界部28Cに設けられる画素25から射出される光の輝度の平均値LACを、境界部28Bに設けられる画素25、及び境界部28Dに設けられる画素25から射出される光の輝度の平均値LBDと比較してもよい。また、境界部28A及び境界部28Cに設けられた画素25に対応するフィルタ値を、境界部28B及び境界部28Dに設けられた画素25に対応するフィルタ値とまとめて比較してもよい。つまり、例えば境界部28Aに設けられる画素25、及び境界部28Cに設けられる画素25に対応するフィルタ値の平均値DACを、境界部28Bに設けられる画素25、及び境界部28Dに設けられる画素25に対応するフィルタ値の平均値DBDと比較してもよい。
次に、表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[1,2]について、図5(A)又は図5(B)に示す動作を行う。この際、図5(A)に示すステップS03において、境界部29Aに設けられた画素25から射出される光の輝度と、境界部29Cに設けられた画素25から射出される光の輝度と、を比較する。又は、図5(B)に示すステップS12において、境界部29Aに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、境界部29Cに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、を比較する。
また、表示パネルDP[2,1]及び表示パネルDP[2,2]について、図5(A)又は図5(B)に示す動作を行う。この際、図5(A)に示すステップS03において、境界部29Bに設けられた画素25から射出される光の輝度と、境界部29Dに設けられた画素25から射出される光の輝度と、を比較する。又は、図5(B)に示すステップS12において、境界部29Bに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、境界部29Dに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、を比較する。
以上により、表示パネルDP[1,1]と表示パネルDP[1,2]とのつなぎ目、及び表示パネルDP[2,1]と表示パネルDP[2,2]とのつなぎ目において、画像の不連続性が緩和される。なお、境界部29A及び境界部29Bに設けられた画素25から射出される光の輝度を、境界部29C及び境界部29Dに設けられた画素25から射出される光の輝度とまとめて比較してもよい。また、境界部29A及び境界部29Bに設けられた画素25に対応するフィルタ値を、境界部29C及び境界部29Dに設けられた画素25に対応するフィルタ値とまとめて比較してもよい。
なお、境界部29Aに設けられた画素25から射出される光の輝度と、境界部29Cに設けられた画素25から射出される光の輝度と、の比較は必ずしも行わなくてもよい。また、境界部29Aに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、境界部29Cに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、の比較は必ずしも行わなくてもよい。
また、表示部20Aに表示パネルDPが2行3列に並べられた場合における、補正フィルタの作成方法の一例について説明する。図7(A)、(B)、(C)は、補正フィルタの作成方法の一例を示す模式図であり、(A)、(B)、(C)の順に動作が進行する。
図7(A)、(B)、(C)には、2行3列の表示パネルDPとして、表示パネルDP[1,1]、表示パネルDP[2,1]、表示パネルDP[1,2]、表示パネルDP[2,2]、表示パネルDP[1,3]、及び表示パネルDP[2,3]を示す。図7(B)において、表示パネルDP[1,2]の、表示パネルDP[1,3]との境界部を境界部29Eとする。また、表示パネルDP[2,2]の、表示パネルDP[2,3]との境界部を境界部29Fとする。また、表示パネルDP[1,3]の、表示パネルDP[1,2]との境界部を境界部29Gとする。また、表示パネルDP[2,3]の、表示パネルDP[2,2]との境界部を境界部29Hとする。
補正フィルタの作成の際には、まず、表示パネルDP[1,1]、表示パネルDP[2,1]、表示パネルDP[1,2]、及び表示パネルDP[2,2]について、図6(A)、(B)、(C)に示す動作を行う。また、表示パネルDP[1,3]及び表示パネルDP[2,3]について、図5(A)又は図5(B)に示す動作を行う。
次に、表示パネルDP[1,2]及び表示パネルDP[1,3]について、図5(A)又は図5(B)に示す動作を行う。この際、図5(A)に示すステップS03において、境界部29Eに設けられた画素25から射出される光の輝度と、境界部29Gに設けられた画素25から射出される光の輝度と、を比較する。又は、図5(B)に示すステップS12において、境界部29Eに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、境界部29Gに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、を比較する。
また、表示パネルDP[2,2]及び表示パネルDP[2,3]について、図5(A)又は図5(B)に示す動作を行う。この際、図5(A)に示すステップS03において、境界部29Fに設けられた画素25から射出される光の輝度と、境界部29Hに設けられた画素25から射出される光の輝度と、を比較する。又は、図5(B)に示すステップS12において、境界部29Fに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、境界部29Hに設けられた画素25に対応するフィルタ値と、を比較する。
以上により、表示パネルDP[1,2]と表示パネルDP[1,3]とのつなぎ目、及び表示パネルDP[2,2]と表示パネルDP[2,3]とのつなぎ目において、画像の不連続性が緩和される。なお、境界部29E及び境界部29Fに設けられた画素25から射出される光の輝度を、境界部29G及び境界部29Hに設けられた画素25から射出される光の輝度とまとめて比較してもよい。また、境界部29E及び境界部29Fに設けられた画素25に対応するフィルタ値を、境界部29G及び境界部29Hに設けられた画素25に対応するフィルタ値とまとめて比較してもよい。
表示部20Cに表示パネルDPが3行以上、又は4列以上並べられた場合であっても、図6(A)、(B)、(C)及び図7(A)、(B)、(C)に示す方法を適用することにより、各表示パネルDPに表示される画像に対応する画像データを補正するために用いる補正フィルタを作成することができる。
<1-3.画素の構成例1>
以下では、画素25の構成例について、図8(A)、(B)を用いて説明する。図8(A)は、発光素子を有する画素25の構成例を示す回路図である。また、図8(B)は、液晶素子を有する画素25の構成例を示す回路図である。
図8(A)に示す画素25は、トランジスタ446と、容量素子433と、トランジスタ251と、トランジスタ444と、発光素子170と、を有する。
トランジスタ446のソース又はドレインの一方は、画像信号が供給される信号線SLに電気的に接続される。また、トランジスタ446のゲートは、選択信号が供給される走査線GLに電気的に接続される。
トランジスタ446は、画像信号のノード445への書き込みを制御する機能を有する。
容量素子433の一方の電極は、ノード445と電気的に接続され、容量素子433の他方の電極は、ノード447と電気的に接続される。また、トランジスタ446のソース又はドレインの他方は、ノード445に電気的に接続される。
容量素子433は、ノード445に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ251のソース又はドレインの一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続され、トランジスタ251のソース又はドレインの他方はノード447に電気的に接続される。さらに、トランジスタ251のゲートは、ノード445に電気的に接続される。
トランジスタ444のソース又はドレインの一方は、電位供給線V0に電気的に接続され、トランジスタ444のソース又はドレインの他方はノード447に電気的に接続される。さらに、トランジスタ444のゲートは、走査線GLに電気的に接続される。
発光素子170の一方の電極は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、発光素子170の他方の電極は、ノード447に電気的に接続される。
なお、電源電位としては、例えば相対的に高電位側の電位又は低電位側の電位を用いることができる。高電位側の電源電位を高電源電位(「VDD」ともいう)といい、低電位側の電源電位を低電源電位(「VSS」ともいう)という。また、接地電位を高電源電位又は低電源電位として用いることもできる。例えば高電源電位が接地電位の場合には、低電源電位は接地電位より低い電位であり、低電源電位が接地電位の場合には、高電源電位は接地電位より高い電位である。
例えば、電位供給線VL_a又は電位供給線VL_bの一方には高電源電位VDDが供給され、電位供給線VL_a又は電位供給線VL_bの他方には低電源電位VSSが供給される。
図8(A)に示す構成の画素25を有する表示装置では、走査線駆動回路22によって各行の画素25を順次選択し、トランジスタ446及びトランジスタ444をオン状態にして画像信号をノード445に書き込む。
ノード445にデータが書き込まれた画素25は、トランジスタ446及びトランジスタ444がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、ノード445に書き込まれたデータの電位に応じてトランジスタ251のソースとドレインの間に流れる電流量が制御され、発光素子170は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
図8(B)に示す画素25は、トランジスタ446と、容量素子433と、液晶素子180と、を有する。
液晶素子180の一方の電極の電位は、画素25の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子180は、ノード445に書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素25のそれぞれが有する液晶素子180の一方の電極に、共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。また、各行の画素25毎の液晶素子180の一方の電極に異なる電位を与えてもよい。
画素25において、トランジスタ446のソース又はドレインの一方は、信号線SLに電気的に接続され、他方はノード445に電気的に接続される。トランジスタ446のゲートは、走査線GLに電気的に接続される。トランジスタ446は、ノード445への画像信号の書き込みを制御する機能を有する。
容量素子433の一方の電極は、特定の電位が供給される配線(以下、容量線CL)に電気的に接続され、容量素子433の他方の電極は、ノード445に電気的に接続される。また、液晶素子180の他方の電極はノード445に電気的に接続される。なお、容量線CLの電位の値は、画素25の仕様に応じて適宜設定される。容量素子433は、ノード445に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
図8(B)の画素25を有する表示装置では、走査線駆動回路22によって各行の画素25を順次選択し、トランジスタ446をオン状態にしてノード445に画像信号を書き込む。
ノード445に画像信号が書き込まれた画素25は、トランジスタ446がオフ状態になることで保持状態になる。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
<1-4.表示装置の構成例2>
図9は、表示装置10Bの構成例を示すブロック図である。
表示装置10Bは、表示装置10Aと同様に、外部から受信したデータを用いて、画像データを生成する機能と、当該画像データに基づいて、画像を表示する機能と、を有する。
図9に示すように、表示装置10Bは、表示部20B及び信号生成部30Bを有する。表示部20Bは、表示部20Aと同様に、複数の表示パネルDPを有する。信号生成部30Bは、信号生成部30Aと同様に、外部から受信したデータを用いて、画像データを生成する機能を有する。
図9では、表示部20Bに、表示パネルDPが2行1列に並べられた例を示す。表示パネルDPの表示はそれぞれ独立に制御することができる。なお、表示部20Aと同様に、表示部20Bに表示パネルDPを3行以上並べてもよいし、2列以上並べてもよい。
信号生成部30Bは、フロントエンド部31、デコーダ32、処理部33、受信部34、インターフェース35、制御部36、処理部40B、及び分割部45Bを有する。
処理部40Bは、処理部40Aと同様に、補正フィルタを作成する機能を有する。一方、処理部40Bは、処理部40Aと異なり、作成した補正フィルタを用いて第1の画像データSD1を補正する機能は有しないものとすることができる。そして、作成した補正フィルタは、補正フィルタFILとして、補正前の画像データである第1の画像データSD1と共に分割部45Bに出力される。
分割部45Bは、処理部40Aから入力された第1の画像データSD1、及び補正フィルタFILを分割する機能を有する。第1の画像データSD1及び補正フィルタFILは、表示部20Bに設けられた表示パネルDPと同じ数に分割することができる。図9においては、第1の画像データSD1が2×1個(第1の画像データSD1[1,1]及び第1の画像データ[2,1])に分割され、表示部20Bに出力される。また、補正フィルタFILが2×1個(補正フィルタFIL[1,1]及び補正フィルタFIL[2,1])に分割され、表示部20Bに出力される。具体的には、第1の画像データSD1[1,1]及び補正フィルタFIL[1,1]は表示パネルDP[1,1]に出力され、第1の画像データSD1[2,1]及び補正フィルタFIL[2,1]は表示パネルDP[2,1]に出力される。
表示パネルDPに設けられた画素は、メモリ回路を有し、当該メモリ回路には、補正フィルタFILを保持することができる。これにより、第1の画像データSD1の補正を処理部40Bで行わなくても、画素内部で行うことができる。したがって、処理部40Bの構成を簡易なものとすることができ、また本発明の一態様の表示装置の消費電力を低減することができる。
図10は、図9に示す構成の表示装置10Bに設けられた、表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[2,1]の構成例を示す。
図10に示す構成の表示パネルDP[1,1]は、図2に示す構成の表示パネルDP[1,1]と同様に、画素部21A、走査線駆動回路22A、及び信号線駆動回路23Aを有する。図10に示す構成の表示パネルDP[2,1]は、図2に示す構成の表示パネルDP[2,1]と同様に、画素部21B、走査線駆動回路22B、及び信号線駆動回路23Bを有する。
図10に示すように、画素部21A及び画素部21Bは、それぞれ複数の画素26を有する。図10では、画素部21A及び画素部21Bが、それぞれm行n列のマトリクス状に配置された複数の画素26を有する例を示す。
画素26には、メモリ回路MEMが設けられる。メモリ回路MEMは、補正フィルタFILを保持する機能を有する。画素26にメモリ回路MEMを設けることで、前述のように、第1の画像データSD1の補正を処理部40Bで行わなくても、画素内部で行うことができる。
表示パネルDP[1,1]は、m本の走査線GL1a、m本の走査線GL2a、及びm本の走査線GL3aを有し、表示パネルDP[2,1]は、m本の走査線GL1b、m本の走査線GL2b、及びm本の走査線GL3bを有する。m本の走査線GL1a、走査線GL1b、走査線GL2a、走査線GL2b、走査線GL3a、及び走査線GL3bは、それぞれ、行方向に延在する。m本の走査線GL1aは、それぞれ、画素部21Aにおいて行方向に並ぶ画素26に設けられたメモリ回路MEMと電気的に接続され、m本の走査線GL1bは、それぞれ、画素部21Bにおいて行方向に並ぶ画素26に設けられたメモリ回路MEMと電気的に接続される。m本の走査線GL2a、及び走査線GL3aは、それぞれ、画素部21Aにおいて行方向に並ぶ画素26と電気的に接続され、m本の走査線GL2b、及び走査線GL3bは、それぞれ、画素部21Bにおいて行方向に並ぶ画素26と電気的に接続される。
走査線GL1a、走査線GL2a、及び走査線GL3aの一端は、走査線駆動回路22Aと電気的に接続され、走査線GL1b、走査線GL2b、及び走査線GL3bの一端は、走査線駆動回路22Bと電気的に接続される。走査線駆動回路22Aは、走査線GL1a、走査線GL2a、及び走査線GL3aに選択信号を供給する機能を有し、走査線駆動回路22Bは、走査線GL1b、走査線GL2b、及び走査線GL3bに選択信号を供給する機能を有する。
本明細書等において、走査線GL1a及び走査線GL1b等、本発明の一態様の表示装置に設けられた走査線を、走査線GL1という場合がある。また、走査線GL2a及び走査線GL2b等、本発明の一態様の表示装置に設けられた走査線を、走査線GL2という場合がある。また、走査線GL3a及び走査線GL3b等、本発明の一態様の表示装置に設けられた走査線を、走査線GL3という場合がある。
表示パネルDP[1,1]は、n本の信号線SL1a、及びn本の信号線SL2aを有し、表示パネルDP[2,1]は、n本の信号線SL1b、及びn本の信号線SL2bを有する。n本の信号線SL1a、信号線SL1b、信号線SL2a、及び信号線SL2bは、それぞれ、列方向に延在する。n本の信号線SL1aは、それぞれ、画素部21Aにおいて列方向に並ぶ複数の画素26に設けられたメモリ回路MEMと電気的に接続され、n本の信号線SL1bは、それぞれ、画素部21Bにおいて列方向に並ぶ複数の画素26に設けられたメモリ回路MEMと電気的に接続される。n本の信号線SL2aは、それぞれ、画素部21Aにおいて列方向に並ぶ複数の画素26と電気的に接続され、n本の信号線SL2bは、それぞれ、画素部21Bにおいて列方向に並ぶ複数の画素26と電気的に接続される。
信号線SL1a及び信号線SL2aは、信号線駆動回路23Aと電気的に接続され、信号線SL1b及び信号線SL2bは、信号線駆動回路23Bと電気的に接続される。信号線駆動回路23Aは、補正フィルタに対応する信号を信号線SL1aに供給する機能を有し、信号線駆動回路23Bは、補正フィルタに対応する信号を信号線SL1bに供給する機能を有する。なお、本明細書等において、補正フィルタに対応する信号を、補正フィルタ信号という。補正フィルタ信号は、信号線SL1a又は信号線SL1bを介して、メモリ回路MEMに供給される。
また、信号線駆動回路23Aは、信号線SL2aに画像信号を供給する機能を有し、信号線駆動回路23Bは、信号線SL2bに画像信号を供給する機能を有する。画像信号は、信号線SL2a又は信号線SL2bを介して、画素26に供給される。
本明細書等において、信号線SL1a及び信号線SL1b等、本発明の一態様の表示装置に設けられた信号線を、信号線SL1という場合がある。また、信号線SL2a及び信号線SL2b等、本発明の一態様の表示装置に設けられた信号線を、信号線SL2という場合がある。
画素26は、表示素子を有する。画素26に設けられる表示素子として、画素25に設けられる表示素子と同様に、例えば発光素子、液晶素子を用いることができる。
図10に示す複数の画素26は、それぞれ、画素25と同様に、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の光を射出する機能を有する構成とすることができる。又は、図10に示す複数の画素26は、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、又は白色(W)の光を射出する機能を有する構成とすることができる。
図9及び図10に示す構成は、2つの表示パネルDPが横方向(列方向)に並んでいる、例えば、表示部20Bに表示パネルDP[1,1]及び表示パネルDP[1,2]が設けられている場合であっても適用することができる。この場合、例えば、「表示パネルDP[2,1]」という用語を「表示パネルDP[1,2]」と適宜言い換えるものとする。
<1-5.画素の構成例2>
以下では、画素26の構成例について、図11を用いて説明する。
図11は、画素26の構成例を示す回路図である。図11に示す構成の画素26は、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ111と、トランジスタ112と、容量素子103と、容量素子113と、発光素子104を有する。なお、発光素子104として、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
トランジスタ101のソース又はドレインの一方は、容量素子113の一方の電極と電気的に接続される。容量素子113の他方の電極は、トランジスタ111のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ111のソース又はドレインの一方は、トランジスタ112のゲートと電気的に接続される。トランジスタ112のゲートは、容量素子103の一方の電極と電気的に接続される。容量素子103の他方の電極は、トランジスタ112のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ112のソース又はドレインの一方は、トランジスタ102のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ102のソース又はドレインの他方は、発光素子104の一方の電極と電気的に接続される。
ここで、容量素子113の他方の電極、トランジスタ111のソース又はドレインの一方、トランジスタ112のゲート、及び容量素子103の一方の電極が接続される配線をノードNM1とする。また、トランジスタ102のソース又はドレインの他方、及び発光素子104の一方の電極が接続される配線をノードNA1とする。
トランジスタ101のゲートは、走査線GL2と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、走査線GL3と電気的に接続される。トランジスタ111のゲートは、走査線GL1に電気的に接続される。トランジスタ101のソース又はドレインの他方は、信号線SL2と電気的に接続される。トランジスタ111のソース又はドレインの他方は、信号線SL1と電気的に接続される。
トランジスタ112のソース又はドレインの他方は、電位供給線128と電気的に接続される。発光素子104の他方の電極は、共通配線129と電気的に接続される。ここで、電位供給線128には、例えば高電源電位VDDを供給することができる。また、共通配線129には、任意の電位を供給することができる。
トランジスタ111及び容量素子113は、メモリ回路MEMを構成する。ノードNM1は記憶ノードであり、トランジスタ111を導通させることで、信号線SL1に供給された信号をノードNM1に書き込むことができる。トランジスタ111に極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで、ノードNM1の電位を長時間保持することができる。当該トランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。
なお、トランジスタ111だけでなく、画素26を構成するその他のトランジスタにOSトランジスタを適用してもよい。また、トランジスタ111にSiをチャネル形成領域に有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を適用してもよい。又は、OSトランジスタと、Siトランジスタとの両方を用いてもよい。なお、上記Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン)を有するトランジスタ、単結晶シリコンを有するトランジスタ等が挙げられる。
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体等であり、例えば、後述するCAAC-OS又はCAC-OS等を用いることができる。CAAC-OSは結晶を構成する原子が安定であり、信頼性を重視するトランジスタ等に適する。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタ等に適する。
OSトランジスタはエネルギーギャップが大きいため、極めて低いオフ電流特性を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、及び短チャネル効果等が生じない等Siトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。
表示素子にEL素子を用いる場合はシリコン基板を用いることができ、SiトランジスタとOSトランジスタとが重なる領域を有するように形成することができる。したがって、トランジスタ数が比較的多くても画素密度を向上させることができる。
画素26において、ノードNM1に書き込まれた信号は、信号線SL2から供給される画像信号と容量結合され、ノードNA1に出力することができる。なお、トランジスタ101は、画素を選択する機能を有する。トランジスタ102は、発光素子104の発光を制御するスイッチとしての機能を有する。
例えば、信号線SL1からノードNM1に書き込まれた信号の電位がトランジスタ112のしきい値電圧(Vth)より大きい場合、画像信号が書き込まれる前にトランジスタ112が導通し、発光素子104が発光してしまう。したがって、トランジスタ102を設け、ノードNM1の電位が確定したのちにトランジスタ102を導通させ、発光素子104を発光させることが好ましい。
すなわち、ノードNM1に、処理部40Bによって作成された補正フィルタFILに対応する補正フィルタ信号を格納しておけば、画像信号に当該補正フィルタ信号を付加することができる。これにより、画像信号を補正することができる。なお、補正フィルタ信号は伝送経路上の要素によって減衰することがあるため、当該減衰を考慮して生成することが好ましい。
次に、図12(A)、(B)に示すタイミングチャートを用いて、画素26の動作方法の一例について説明する。なお、信号線SL1に供給される補正フィルタ信号(Vp)は正負の任意の信号を用いることができるが、ここでは正の電位の信号が供給される場合を説明する。
まず、図12(A)を用いて補正フィルタ信号(Vp)をノードNM1に書き込む動作を説明する。
時刻T1に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子113の他方の電極の電位は低電位となる。
当該動作は、後の容量結合動作を行うためのリセット動作である。また、時刻T1以前は、前フレームにおける発光素子104の発光動作が行われているが、上記リセット動作によってノードNM1の電位が変化し発光素子104に流れる電流が変化するため、トランジスタ102を非導通とし、発光素子104の発光を停止することが好ましい。
時刻T2に走査線GL1の電位を高電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ111が導通し、信号線SL1の電位(補正フィルタ信号(Vp))がノードNM1に書き込まれる。
時刻T3に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ111が非導通となり、ノードNM1に補正フィルタ信号(Vp)が保持される。
時刻T4に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を低電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ101が非導通となり、補正フィルタ信号(Vp)の書き込み動作が終了する。
次に、図12(B)を用いて画像信号(Vs)の補正動作と、発光素子104を発光させる動作を説明する。
時刻T11に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL1の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子113の容量結合によりノードNM1の電位に信号線SL2の電位が付加される。すなわち、ノードNM1は、画像信号(Vs)に補正フィルタ信号(Vp)が付加された電位(Vs+Vp)となる。
時刻T12に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を低電位、信号線SL1の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ101が非導通となり、ノードNM1の電位がVs+Vpに確定される。
時刻T13に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を低電位、信号線SL1の電位を低電位、走査線GL3の電位を高電位とすると、トランジスタ102が導通し、ノードNA1の電位はVs+Vpとなり、発光素子104が発光する。なお、厳密にはノードNA1の電位は、Vs+Vpからトランジスタ112のしきい値電圧(Vth)分だけ低い値となるが、ここではVthは十分に小さく無視できる値とする。
以上が画像信号(Vs)の補正動作と、発光素子104を発光させる動作である。なお、先に説明した補正フィルタ信号(Vp)の書き込み動作と、画像信号(Vs)の入力動作は連続して行ってもよいが、全ての画素に補正フィルタ信号(Vp)を書き込んだのちに画像信号(Vs)の入力動作を行うこともできる。
なお、補正動作を行わない場合は、画像信号を信号線SL1に供給し、トランジスタ111及びトランジスタ102の導通、非導通を制御することで発光素子104を発光させる動作を行ってもよい。このとき、トランジスタ101は常時非導通とすればよい。
<1-6.画素の構成例3>
以下では、画素26の他の構成例について、図13を用いて説明する。
図13は、画素26の、図11とは異なる構成例を示す回路図である。図13に示す構成の画素26は、トランジスタ121と、トランジスタ122と、トランジスタ123と、容量素子124と、容量素子125と、液晶素子126を有する。
トランジスタ121のソース又はドレインの一方は、容量素子124の一方の電極と電気的に接続される。容量素子124の他方の電極は、トランジスタ122のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ122のソース又はドレインの一方は、トランジスタ123のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ123のソース又はドレインの他方は、容量素子125の一方の電極と電気的に接続される。容量素子125の一方の電極は、液晶素子126の一方の電極と電気的に接続される。
ここで、容量素子124の他方の電極、トランジスタ122のソース又はドレインの一方、及びトランジスタ123のソース又はドレインの一方が接続される配線をノードNM2とする。また、トランジスタ123のソース又はドレインの他方、容量素子125の一方の電極、及び液晶素子126の一方の電極が接続される配線をノードNA2とする。
トランジスタ121のゲートは、走査線GL2と電気的に接続される。トランジスタ122のゲートは、走査線GL1と電気的に接続される。トランジスタ123のゲートは、走査線GL3に電気的に接続される。トランジスタ121のソース又はドレインの他方は、信号線SL2と電気的に接続される。トランジスタ122のソース又はドレインの他方は、信号線SL1と電気的に接続される。
容量素子125の他方の電極は、共通配線132と電気的に接続される。液晶素子126の他方の電極は、共通配線133と電気的に接続される。なお、共通配線132及び共通配線133には任意の電位を供給することができる。また、共通配線132と共通配線133が電気的に接続されていてもよい。
トランジスタ122及び容量素子124は、メモリ回路MEMを構成する。ノードNM2は記憶ノードであり、トランジスタ122を導通とし、トランジスタ123を非導通とすることで、信号線SL1に供給された信号をノードNM2に書き込むことができる。トランジスタ122及びトランジスタ123に極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで、ノードNM2の電位を長時間保持することができる。当該トランジスタには、例えば、OSトランジスタを用いることができる。
なお、画素が有するその他のトランジスタにOSトランジスタを適用してもよい。また、画素が有するトランジスタにSiトランジスタを適用してもよい。又は、OSトランジスタと、Siトランジスタとの両方を用いてもよい。
表示素子に反射型の液晶素子を用いる場合はシリコン基板を用いることができ、SiトランジスタとOSトランジスタとが重なる領域を有するように形成することができる。したがって、トランジスタ数が比較的多くても画素密度を向上させることができる。
画素26において、ノードNM2に書き込まれた信号は、信号線SL2から供給される画像信号と容量結合され、ノードNA2に出力することができる。なお、トランジスタ121は、画素を選択し、画像信号を供給する機能を有する。トランジスタ123は、液晶素子126の動作を制御するスイッチとしての機能を有する。
信号線SL1からノードNM2に書き込まれた信号の電位が液晶素子126を動作させるしきい値より大きい場合、画像信号が書き込まれる前に液晶素子126が動作してしまうことがある。したがって、トランジスタ123を設け、ノードNM2の電位が確定したのちにトランジスタ123を導通させ、液晶素子126を動作させることが好ましい。
すなわち、ノードNM2に、処理部40Bによって作成された補正フィルタFILに対応する補正フィルタ信号を格納しておけば、画像信号に当該補正フィルタ信号を付加することができる。これにより、画像信号を補正することができる。なお、補正フィルタ信号は伝送経路上の要素によって減衰することがあるため、当該減衰を考慮して生成することが好ましい。
次に、図14(A)、(B)に示すタイミングチャートを用いて、画素26の動作方法の一例について説明する。なお、信号線SL1に供給される補正フィルタ信号(Vp)には正負の任意の信号を用いることができるが、ここでは正の電位の信号が供給される場合を説明する。
まず、図14(A)を用いて補正フィルタ信号(Vp)をノードNM2に書き込む動作を説明する。
時刻T1に走査線GL1の電位を高電位、走査線GL2の電位を低電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を高電位とすると、トランジスタ122及びトランジスタ123が導通し、ノードNA2の電位は信号線SL1の電位となる。このとき、信号線SL1の電位をリセット電位(例えば0V等の基準電位)とすることで、液晶素子126の動作をリセットすることができる。
なお、時刻T1より前は、前フレームにおける液晶素子126の表示動作が行われている状態である。
時刻T2に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ121が導通し、容量素子124の他方の電極の電位は低電位となる。当該動作は、後の容量結合動作を行うためのリセット動作である。
時刻T3に走査線GL1の電位を高電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ122が導通し、信号線SL1の電位(補正フィルタ信号(Vp))がノードNM2に書き込まれる。なお、信号線SL1の電位は、時刻T2以降時刻T3以前に所望の値(補正フィルタ信号(Vp))に定まっていることが好ましい。
時刻T4に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ122が非導通となり、ノードNM2に補正フィルタ信号(Vp)が保持される。
時刻T5に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を低電位、信号線SL2の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ121が非導通となり、補正フィルタ信号(Vp)の書き込み動作が終了する。
次に、図14(B)を用いて画像信号(Vs)の補正動作と、液晶素子126の表示動作を説明する。
時刻T11に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を低電位、信号線SL1の電位を低電位、走査線GL3の電位を高電位とすると、トランジスタ123が導通し、ノードNA2にノードNM2の電位が分配される。なお、ノードNM2に保持する補正フィルタ信号(Vp)は、ノードNA2への分配を考慮して設定することが好ましい。
時刻T12に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を高電位、信号線SL1の電位を低電位、走査線GL3の電位を高電位とすると、トランジスタ121が導通し、容量素子124の容量結合によりノードNA2の電位に信号線SL2の電位が付加される。すなわち、ノードNA2は、画像信号(Vs)に補正フィルタ信号(Vp)が付加された電位に対応する電位(Vs+Vp)’となる。なお、電位(Vs+Vp)’には、配線間容量の容量結合による電位の変動等も含まれる。
時刻T13に走査線GL1の電位を低電位、走査線GL2の電位を低電位、信号線SL1の電位を低電位、走査線GL3の電位を低電位とすると、トランジスタ121が非導通となり、ノードNA2に電位(Vs+Vp)’が保持される。そして、当該電位に応じて液晶素子126で表示動作が行われる。
以上が画像信号(Vs)の補正動作と、液晶素子126の表示動作の説明である。なお、先に説明した補正フィルタ信号(Vp)の書き込み動作と、画像信号(Vs)の入力動作は連続して行ってもよいが、全ての画素に補正フィルタ信号(Vp)を書き込んだのちに画像信号(Vs)の入力動作を行うこともできる。
なお、補正動作を行わない場合は、画像信号を信号線SL1に供給し、トランジスタ122及びトランジスタ123の導通、非導通を制御することで液晶素子126による表示動作を行ってもよい。このとき、トランジスタ121は常時非導通とすればよい。
<1-7.表示装置の動作方法の一例2>
次に、図5(A)に示すステップS01、及び図5(B)に示すステップS11の具体例、つまり、1枚の表示パネルDPに対応する補正フィルタの作成方法の一例について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。例えば、表示パネルDP[1,1]に対応する補正フィルタである第1の補正フィルタ、及び表示パネルDP[2,1]に対応する補正フィルタである第2の補正フィルタは、図15に示す方法により作成することができる。図15に示す方法により作成した補正フィルタは、例えば、表示パネルDPに表示される画像の表示ムラを軽減するように、画像データを補正する機能を有する。
まず、複数の階調値に対して、表示パネルDPに設けられた画素から射出される光の輝度を測定する。ここで、光の輝度は、輝度計等を用いて測定する(ステップS21)。次に、例えば処理部40A又は処理部40Bが、測定結果を基にして、画素から射出される光の輝度と、階調値と、の対応関係のデータを取得する(ステップS22)。図16(A-1)、(B-1)は、画素から射出される光の輝度と、階調値と、の関係を示すグラフであり、図16(A-1)に示されたプロットは、ステップS21で測定される輝度である。また、図16(B-1)に示された実線は、図16(A-1)に示された測定結果を基にステップS22で算出される、画素から射出される光の輝度と、階調値と、の対応関係である。
ここで、ステップS21で、全ての階調値について、画素から射出される光の輝度を測定してもよい。例えば、画素が表現可能な階調値が0乃至255である場合は、階調値0乃至255の全てについて、画素から射出される光の輝度を測定してもよい。又は、一部の階調値について、画素から射出される光の輝度を測定してもよい。なお、一部の階調値について輝度を測定する場合であっても、対応関係のデータの精度を高めるために、白色、黒色、及び中間階調については輝度を測定することが好ましい。例えば、画素が表現可能な階調値が0乃至255である場合は、階調値0、階調値127、及び階調値255については、画素から射出される光の輝度を測定することが好ましい。
図16(B-1)に示す対応関係のデータは、図16(A-1)に示す測定結果を基にして、例えば回帰分析により取得することができる。例えば、曲線回帰分析により取得することができる。又は、例えばニューラルネットワーク、例えば全結合型のニューラルネットワークを用いて取得することができる。ニューラルネットワークを用いて図16(B-1)に示す対応関係のデータを取得することにより、図16(A-1)に示す測定点数が少なくても、対応関係のデータの精度を高めることができる。
図16(A-2)は、ステップS21で、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のそれぞれについて、画素から射出される光の輝度を測定する場合の測定値を示す。図16(B-2)は、ステップS22で、図16(A-2)に示す測定結果を基にして赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のそれぞれについて算出される、画素から射出される光の輝度と、階調値と、の対応関係である。
図16(A-2)、(B-2)に示すように、画素から射出される光の色ごとに輝度と、階調値と、の対応関係のデータを取得することにより、高精度な補正ができる補正フィルタを作成することができる。
図17(A)、(B)、(C)は、ステップS21で、射出される光の輝度を測定する画素の位置の一例を示している。ここで、画素部21は、画素部21A、画素部21B等、1枚の表示パネルDPに設けられた画素部を示す。図17(A)、(B)、(C)に示す領域27に含まれる画素から射出される光の輝度を、ステップS21で測定する。
画素から射出される光の輝度は、図17(A)に示すように、画素部21の中心部を含むように測定してもよい。又は、図17(B)に示すように、画素部21の複数個所、例えば左上、右上、左下、及び右下の4箇所を測定してもよい。又は、図17(C)に示すように、画素部21の全体を測定してもよい。領域27の総面積が小さい場合、画素から射出される光の輝度を簡易な方法で測定することができる。一方、領域27の総面積が大きい場合、高精度な補正ができる補正フィルタを作成することができる。
なお、画素から射出される光の輝度を複数の画素について測定する場合は、例えば、それぞれの画素から射出される光の輝度の平均値を基にして、画素から射出される光の輝度と、階調値と、の対応関係のデータをステップS22において取得することができる。
ステップS22の終了後、特定の階調値の画像を画素部21に表示し、画素から射出される光の輝度を、二次元輝度計等を用いて測定することにより、輝度データを取得する(ステップS23)。例えば、画素部21に設けられた全ての画素から射出される光の輝度を、二次元輝度計等を用いて測定することにより、輝度データを取得する。
特定の階調値の画像として、全ての画素の階調値が等しい画像を画素部21に表示する場合、1枚の表示パネルDPに設けられた全ての画素から射出される光の輝度が等しいことが好ましい。しかし、画素が有するトランジスタの特性ばらつき、及び表示素子の特性ばらつき等により、画素から射出される光の輝度にばらつきが生じる場合がある。ステップS23では、画素から射出される光の輝度の画素間のばらつきに関する情報を取得するために、輝度データを取得する。
次に、ステップS23で取得した輝度データと、ステップS22で取得した対応関係のデータと、を用いて、画素から射出される光の輝度の画素間のばらつきを補正するための補正フィルタを、処理部により作成する(ステップS24)。例えば、輝度データから読み取れる、ある画素の階調値127での輝度が100で、対応関係のデータでは、階調値127での輝度が120であったとすると、ある画素の輝度を1.2倍するように補正フィルタを作成する。
ここで、ステップS22で、例えば全ての階調値について、輝度との対応関係のデータが取得されている。よって、ステップS23で、2種類以上の画像を表示し、それぞれの画像について輝度データを取得することにより、より高精度の補正が可能な補正フィルタを作成することができる。例えば、画素が表現可能な階調値が0乃至255である場合、ステップS23において、全ての画素の階調が0である画像、全ての画素の階調が127である画像、及び全ての画素の階調が255である画像のそれぞれについて、輝度データを取得することができる。なお、ステップS23における光の輝度の測定を簡易なものとするために、ステップS23で取得する輝度データの種類の数は、ステップS21で光の輝度を測定した階調値の数より少ないことが好ましい。
その後、処理部40A又は処理部40Bに画像データを入力し、ステップS24で作成した補正フィルタを用いて、入力された画像データを補正する(ステップS25)。ここで、処理部40A又は処理部40Bに入力される画像データは、例えば特定の階調値の画像に対応する画像データとすることが好ましい。例えば、ステップS23で表示した画像と同じ階調の画像に対応する画像データとすることが好ましい。
次に、ステップS25で補正を行った画像データに対応する画像を画素部21に表示し、ステップS23と同様に、画素から射出される光の輝度を、二次元輝度計等を用いて測定する(ステップS26)。その後、ステップS26で測定した補正後の画像に対応する輝度と、ステップS22で取得した対応関係のデータから算出される輝度と、を画素毎に比較する。例えば、補正後の画像に対応する輝度と、ステップS22で取得した対応関係のデータから算出される輝度と、の差分が一定値未満である場合は、補正の精度は規定値以上であるとして、補正フィルタの作成を終了する。一方、補正後の画像に対応する輝度と、ステップS22で取得した対応関係のデータから算出される輝度と、の差分が一定値以上である場合は、補正の精度は規定値未満であるとして、再びステップS24及びステップS27を行い、補正フィルタを再度作成する(ステップS27)。以上が表示装置10A及び表示装置10Bで用いられる補正フィルタの作成方法の一例である。なお、ステップS26及びステップS27は省略してもよい。
なお、ステップS23で2種類以上の画像を表示した場合は、ステップS26でそれぞれの画像について画素から射出される光の輝度を測定し、ステップS27でそれぞれの画像について補正の精度を判定することが好ましい。
以上が図5(A)に示すステップS01、及び図5(B)に示すステップS11の具体例、つまり、1枚の表示パネルDPに対応する補正フィルタの作成方法の一例である。
図15に示す方法で補正フィルタを作成することにより、例えば、表示される画像の表示ムラを軽減することができるので、本発明の一態様の表示装置の表示品位を高めることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、液晶素子を用いた表示装置の構成例と、EL素子を用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した表示装置の要素、動作及び機能の説明は省略する。
図18(A)及び図18(B)は、本発明の一態様の表示装置の構成例を示す断面図である。図18(A)及び図18(B)に示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と、異方性導電層4019を介して電気的に接続されている。また、図18(A)及び図18(B)では、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、及び絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、及びトランジスタ4011のソース電極及びドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
また、第1の基板4001上に設けられた表示部215と走査線駆動回路221は、トランジスタを複数有しており、図18(A)、及び図18(B)では、表示部215に含まれるトランジスタ4010、及び走査線駆動回路221に含まれるトランジスタ4011を例示している。なお、図18(A)及び図18(B)では、トランジスタ4010及びトランジスタ4011としてボトムゲート型のトランジスタを例示しているが、トップゲート型のトランジスタであってもよい。
図18(A)及び図18(B)では、トランジスタ4010及びトランジスタ4011上に絶縁層4112が設けられている。また、図18(B)では、絶縁層4112上に隔壁4510が形成されている。
また、トランジスタ4010及びトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010及びトランジスタ4011は、絶縁層4111上に形成された電極4017を有する。電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
また、図18(A)及び図18(B)に示す表示装置は、容量素子4020を有する。容量素子4020は、トランジスタ4010のゲート電極と同じ工程で形成された電極4021と、ソース電極及びドレイン電極と同じ工程で形成された電極と、を有する。それぞれの電極は、絶縁層4103を介して重なる領域を有している。
一般に、表示装置の画素部に設けられる容量素子の容量は、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。容量素子の容量は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
表示部215に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続する。図18(A)は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の一例である。図18(A)において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、及び液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液晶層4008を介して重畳する。
また、スペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
また、必要に応じて、ブラックマトリクス(遮光層)、着色層(カラーフィルタ)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材等の光学部材(光学基板)等を適宜設けてもよい。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライト等を用いてもよい。また、上記バックライト、及びサイドライトとして、マイクロLED等を用いても良い。
図18(A)に示す表示装置では、第2の基板4006と第2の電極層4031の間に、遮光層4132、着色層4131、絶縁層4133が設けられている。
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属等の無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料又は染料が含まれた樹脂材料等が挙げられる。遮光層及び着色層は、前述した各層の形成方法と同様に形成すればよい。例えば、インクジェット法等で行なってもよい。
また、図18(A)及び図18(B)に示す表示装置は、絶縁層4111と絶縁層4104を有する。絶縁層4111と絶縁層4104として、不純物元素を透過しにくい絶縁層を用いる。絶縁層4111と絶縁層4104でトランジスタの半導体層を挟むことで、外部からの不純物の浸入を防ぐことができる。
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子(EL素子)を適用することができる。EL素子は、一対の電極の間に発光性の化合物を含む層(「EL層」ともいう。)を有する。一対の電極間に、EL素子の閾値電圧よりも大きい電位差を生じさせると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光性の化合物が発光する。
また、EL素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
有機EL素子は、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子及び正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を有していてもよい。
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
発光素子は発光を取り出すために、一対の電極の少なくとも一方の電極が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタ及び発光素子を形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造や、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造や、両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
図18(B)は、表示素子として発光素子を用いた発光表示装置(「EL表示装置」ともいう。)の一例である。表示素子である発光素子4513は、表示部215に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光素子4513の構成は、第1の電極層4030、発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光素子4513から取り出す光の方向等に合わせて、発光素子4513の構成は適宜変えることができる。
隔壁4510は、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
発光素子4513の発光色は、発光層4511を構成する材料によって、白、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、又は黄等とすることができる。
カラー表示を実現する方法としては、発光色が白色の発光素子4513と着色層を組み合わせて行う方法と、画素毎に発光色の異なる発光素子4513を設ける方法がある。前者の方法は後者の方法よりも生産性が高い。一方、後者の方法では画素毎に発光層4511を作り分ける必要があるため、前者の方法よりも生産性が劣る。ただし、後者の方法では、前者の方法よりも色純度の高い発光色を得ることができる。後者の方法に加えて、発光素子4513にマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
なお、発光層4511は、量子ドット等の無機化合物を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
発光素子4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031及び隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)等を形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、及びシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
充填材4514としては窒素やアルゴン等の不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル系樹脂、ポリイミド、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)又はEVA(エチレンビニルアセテート)等を用いることができる。また、充填材4514に乾燥剤が含まれていてもよい。
シール材4005には、ガラスフリット等のガラス材料や、二液混合型の樹脂等の常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂等の樹脂材料を用いることができる。また、シール材4005に乾燥剤が含まれていてもよい。
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタ等の光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
また、発光素子をマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
表示素子に電圧を印加する第1の電極層及び第2の電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層等ともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、及び電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、又はその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、又は、アニリン、ピロール及びチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体等があげられる。
また、トランジスタは静電気等により破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した各トランジスタに置き換えて用いることのできるトランジスタの一例について、図面を用いて説明する。
本発明の一態様の表示装置は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタ等の様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図19(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ810のチャネル長方向の断面図である。図19(A1)において、トランジスタ810は基板771上に形成されている。また、トランジスタ810は、基板771上に絶縁層772を介して電極746を有する。また、電極746上に絶縁層726を介して半導体層742を有する。電極746はゲート電極として機能できる。絶縁層726はゲート絶縁層として機能できる。
また、半導体層742のチャネル形成領域上に絶縁層741を有する。また、半導体層742の一部と接して、絶縁層726上に電極744a及び電極744bを有する。電極744aは、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能できる。電極744bは、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能できる。電極744aの一部、及び電極744bの一部は、絶縁層741上に形成される。
絶縁層741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層741を設けることで、電極744a及び電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744a及び電極744bの形成時に、半導体層742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタ810は、電極744a、電極744b及び絶縁層741上に絶縁層728を有し、絶縁層728の上に絶縁層729を有する。
半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、電極744a及び電極744bの、少なくとも半導体層742と接する部分に、半導体層742の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層742中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n+層)となる。したがって、当該領域はソース領域又はドレイン領域として機能することができる。半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層742から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
半導体層742にソース領域及びドレイン領域が形成されることにより、電極744a及び電極744bと半導体層742の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧等の、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
半導体層742にシリコン等の半導体を用いる場合は、半導体層742と電極744aの間、及び半導体層742と電極744bの間に、n型半導体又はp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体又はp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域又はドレイン領域として機能することができる。
絶縁層729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、又は低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層729を省略することもできる。
図19(A2)に示すトランジスタ811は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ810と異なる。電極723は、電極746と同様の材料及び方法で形成することができる。
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極の電位と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
また、電極746及び電極723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層726、絶縁層728、及び絶縁層729は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極723は、絶縁層728と絶縁層729の間に設けてもよい。
なお、電極746又は電極723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ811において、電極723を「ゲート電極」という場合、電極746を「バックゲート電極」という。また、電極723を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ811をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極746及び電極723のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
半導体層742を挟んで電極746及び電極723を設けることで、更には、電極746及び電極723を同電位とすることで、半導体層742においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ811のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
したがって、トランジスタ811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ811の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気等に対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトする等の電気特性の劣化を防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
図19(B1)は、図19(A1)とは異なる構成のチャネル保護型のトランジスタ820のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ820は、トランジスタ810とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層741が半導体層742の端部を覆っている点が異なる。また、半導体層742と重なる領域を有する絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層742と電極744aが電気的に接続している。また、半導体層742と重なる領域を有する絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層742と電極744bが電気的に接続している。絶縁層741の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
図19(B2)に示すトランジスタ821は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ820と異なる。
絶縁層741を設けることで、電極744a及び電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744a及び電極744bの形成時に半導体層742の薄膜化を防ぐことができる。
また、トランジスタ820及びトランジスタ821は、トランジスタ810及びトランジスタ811よりも、電極744aと電極746の間の距離と、電極744bと電極746の間の距離と、が長くなる。よって、電極744aと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極744bと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
図19(C1)は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタ825のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ825は、絶縁層741を設けずに電極744a及び電極744bを形成する。このため、電極744a及び電極744bの形成時に露出する半導体層742の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層741を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
図19(C2)に示すトランジスタ826は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ825と異なる。
図20(A1)乃至(C2)にトランジスタ810、トランジスタ811、トランジスタ820、トランジスタ821、及びトランジスタ825、トランジスタ826のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
図20(B2)、(C2)に示す構造では、ゲート電極とバックゲート電極とが接続され、ゲート電極とバックゲート電極との電位が同電位となる。また、半導体層742は、ゲート電極とバックゲート電極とに挟まれている。
ゲート電極及びバックゲート電極のそれぞれのチャネル幅方向の長さは、半導体層742のチャネル幅方向の長さよりも長く、半導体層742のチャネル幅方向全体は、絶縁層726、絶縁層741、絶縁層728、及び絶縁層729を間に挟んでゲート電極及びバックゲート電極に覆われた構成である。
当該構成とすることで、トランジスタに含まれる半導体層742を、ゲート電極及びバックゲート電極の電界によって電気的に取り囲むことができる。
トランジスタ811、トランジスタ821、及びトランジスタ826のように、ゲート電極及びバックゲート電極の電界によって、チャネル形成領域が形成される半導体層742を電気的に取り囲むトランジスタのデバイス構造をSurrounded channel(S-channel)構造ということができる。
S-channel構造とすることで、ゲート電極及びバックゲート電極の一方又は双方によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に半導体層742に印加することができるため、トランジスタの電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタを微細化することが可能となる。また、S-channel構造とすることで、トランジスタの機械的強度を高めることができる。
〔トップゲート型トランジスタ〕
図21(A1)に例示するトランジスタ842は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ842は、絶縁層729を形成した後に電極744a及び電極744bを形成する。電極744a及び電極744bは、絶縁層728及び絶縁層729に形成した開口部において半導体層742と電気的に接続する。
また、電極746と重ならない絶縁層726の一部を除去し、電極746と、除去した残りの絶縁層726とをマスクとして用いて不純物を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる。トランジスタ842は、絶縁層726が電極746の端部を越えて延伸する領域を有する。半導体層742の絶縁層726を介して不純物が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層726を介さずに不純物が導入された領域よりも小さくなる。半導体層742は、電極746と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
図21(A2)に示すトランジスタ843は、電極723を有する点がトランジスタ842と異なる。トランジスタ843は、基板771の上に形成された電極723を有する。電極723は、絶縁層772を介して半導体層742と重なる領域を有する。電極723は、バックゲート電極として機能することができる。
また、図21(B1)に示すトランジスタ844、及び図21(B2)に示すトランジスタ845のように、電極746と重ならない領域の絶縁層726を全て除去してもよい。また、図21(C1)に示すトランジスタ846、及び図21(C2)に示すトランジスタ847のように、絶縁層726を残してもよい。
トランジスタ842乃至トランジスタ847も、電極746を形成した後に、電極746をマスクとして用いて不純物を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
図22(A1)乃至(C2)にトランジスタ842乃至トランジスタ847のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
トランジスタ843、トランジスタ845、及びトランジスタ847は、それぞれ先に説明したS-channel構造である。ただし、これに限定されず、トランジスタ843、トランジスタ845、及びトランジスタ847をS-channel構造としなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、OSトランジスタの詳細な構成例について説明する。
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジム又はハフニウム等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
半導体層を構成する酸化物半導体がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体という。当該酸化物半導体は欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じてキャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、又は非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も欠陥準位密度が低い。
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。又は、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、又は積層構造を有する場合がある。
以下では、非単結晶の半導体層の一態様であるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)等と、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折による解析結果から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
また、CAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
また、例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3等が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3等が主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3等が主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3等が主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
したがって、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3等に起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、様々な半導体装置の構成材料として適している。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について図23を用いて説明する。
本実施の形態の電子機器は、本発明の一態様の表示装置を有する。これにより、電子機器の表示部に表示される画像の表示品位を高めることができる。
本実施の形態の電子機器の表示部には、例えばフルハイビジョン、2K、4K、8K、16K、又はそれ以上の解像度を有する画像を表示させることができる。また、表示部の画面サイズは、対角20インチ以上、対角30インチ以上、対角50インチ以上、対角60インチ以上、又は対角70インチ以上とすることができる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用等のモニタ、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機等の大型ゲーム機等の比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、等が挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で画像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを非接触電力伝送に用いてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像等)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付、又は時刻等を表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す機能等を有することができる。
図23(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図23(A)に示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。又は、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される画像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデム等を備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士等)の情報通信を行うことも可能である。
図23(B)に、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図23(C)、(D)に、デジタルサイネージの一例を示す。
図23(C)に示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
図23(D)は円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
図23(C)、(D)において、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に静止画又は動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報等の情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
また、図23(C)、(D)に示すように、デジタルサイネージ7300又はデジタルサイネージ7400は、ユーザーが所持するスマートフォン等の情報端末機7311又は情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311又は情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311又は情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
また、デジタルサイネージ7300又はデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311又は情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザーが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
本発明の一態様の表示装置は、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁、又は、車両の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では、表示装置が4枚の表示パネルを有する構成である場合に、画像補正を行った結果について説明する。
図24は、本実施例で画像を表示した表示装置について説明する図である。図24に示すように、2行2列に表示パネル(表示パネルDP[1,1]、表示パネルDP[2,1]、表示パネルDP[1,2]、及び表示パネルDP[2,2])を並べた表示装置に画像を表示した。表示パネルには、それぞれ720行1280列の画素が設けられている。
ここで、表示パネルDP[1,1]の中で、表示パネルDP[1,1]と表示パネルDP[1,2]との境界から320列分の画素が設けられた領域を、境界部229Aとする。また、表示パネルDP[2,1]の中で、表示パネルDP[2,1]と表示パネルDP[2,2]との境界から320列分の画素が設けられた領域を、境界部229Bとする。また、表示パネルDP[1,2]の中で、表示パネルDP[1,1]と表示パネルDP[1,2]との境界から320列分の画素が設けられた領域を、境界部229Cとする。また、表示パネルDP[2,2]の中で、表示パネルDP[2,1]と表示パネルDP[2,2]との境界から320列分の画素が設けられた領域を、境界部229Dとする。
本実施例では、まず、図15に示す方法により、各表示パネルについて補正フィルタを作成した。ここで、表示パネルに設けられた画素は、階調値0乃至255を表現可能であり、ステップS23及びステップS26で表示した画像は、全ての画素の階調値を127とした画像とした。
次に、境界部229A及び境界部229Bに設けられた画素に対応するフィルタ値の平均値DABと、境界部229C及び境界部229Dに設けられた画素に対応するフィルタ値の平均値DCDと、を算出した。その後、表示パネルDP[1,2]及び表示パネルDP[2,2]に設けられた画素に対応するフィルタ値をDAB/DCD倍するように、補正フィルタを修正することにより、新たな補正フィルタを作成した。
図25(A)に、図15に示す方法により作成したフィルタを修正せずに画像を表示した場合の表示結果を示す。図25(B)に、図15に示す方法により作成したフィルタを、上記方法で修正し、新たな補正フィルタを作成して、画像を表示した場合の表示結果を示す。
図25(A)に示す画像では、表示パネルのつなぎ目がはっきりと視認された。一方、図25(B)に示す画像では、図25(A)に示す画像と比べて表示パネルのつなぎ目が視認されにくくなり、また表示パネル間の色調のずれが小さくなった。
本実施例では、表示装置が1枚の表示パネルを有する構成である場合に、当該表示パネルが有する画素から射出される光の輝度分布の測定結果について説明する。
本実施例では、図15に示す方法で作成した補正フィルタにより補正を行った画像を、1枚の表示パネルで表示した。ここで、当該表示パネルに設けられた画素は、階調値0乃至255を表現可能であり、ステップS23で表示する画像、及び補正を行った画像は、全ての画素の階調値を127とした画像とした。また、ステップS23及びステップS26において、画素から射出される光の輝度は二次元輝度計を用いて測定した。
図26(A)に、ステップS23において二次元輝度計で取得した、補正前の画像が表示されている表示パネルの輝度データを示す。図26(B)に、補正フィルタ作成後に二次元輝度計で取得した、補正後の画像が表示されている表示パネルの輝度データを示す。
表示パネルが補正前の画像を表示している場合、図26(A)に示すように、表示パネル中央部の輝度が表示パネル周辺部の輝度より高くなった。一方、表示パネルが補正後の画像を表示している場合、図26(B)に示すように、補正前より、表示パネル全体において輝度が均一化された。