JP7289567B1 - 組合型ファンド持分期中売買システム、組合型ファンド持分期中売買方法及びそのプログラム - Google Patents

組合型ファンド持分期中売買システム、組合型ファンド持分期中売買方法及びそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買する組合型ファンド持分期中売買システム、方法及びプログラムを提供する。【解決手段】システムが実行する処理は、期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買するプラットフォームを生成し、生成したプラットフォームでファンド持分を売却する金額を決定し、売却金額に基づいて売り手から売却申請を受け付け、売却申請を受け付けたファンド持分の総数を集計し、集計総数をプラットフォームに出品する。処理はさらに、買い手から預り金のデポジットを受け付け、買い手から購入したいファンド持分の入力を受け付け、総数の内売却申請を受け付けた時期が早い順に割り当て、売り手の売却と買い手の購入とを決定し、買い手に対して対抗要件の具備と購入したファンド持分の内訳とを通知し、買い手の口座から購入金額を引き落とし、割り当てた売り手の口座に入金する。【選択図】図3

Description

本発明は、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買するための、組合型ファンド持分期中売買システムを提供する技術に関する。
ファンドとは、投資者から資金を集め、その資金を元手に何らかの投資を行い、その収益を出資に応じて分配する仕組みのことである。ファンドはその形態により、組合型、会社型信託型等に分類できる。このうち、組合型には、有限責任事業組合、投資事業有限責任組合、匿名組合、任意組合等の形態があり、例えば貸付を行う貸付型ファンド、不動産信託受益権又は現物不動産を取得して賃料等の収益を得る不動産ファンド、個別の事業に投資する事業型ファンド等が含まれる。近年、ファンドに関する技術が注目されている。
例えば、特許文献1では、マーケットメイカーが提示する価格(マーケットメイク方式)を取り込み、その範囲内においては、通常注文同士で条件が合致した場合には約定処理(オークション方式)させるマッチングエンジンの処理方法を行う技術が提供されている。
また、特許文献2では、複数の銘柄に優先順位を付けた顧客の買注文を受け付け、第1優先順位の基準銘柄の買注文数量と同銘柄の売注文数量とを突き合わせて約定させ、基準銘柄の買注文数量に未約定の残注文数量が生じる場合には、顧客に指定された優先順位に従って、買注文の銘柄を第2優先順位以下の代替銘柄に順次差し替えた状態で、代替銘柄の買注文数量と同銘柄の売注文数量とを突き合わせて約定させる技術が提供されている。
特開2002-149981号 特開2010-224986号
期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買する場合、民法上の制約及び金商法上の制約があり、従来は対面でのやり取りを行っていたため、期中の組合型ファンドのファンド持分の期中売買は非効率であった。そのため、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアした上で、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買する技術が求められている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアした上で、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買することはできない。
従って、本発明は、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアした上で、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買することで、期中の組合型ファンドのファンド持分の期中売買の効率を向上することを目的とする。
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
第1の特徴に係る発明は、
期中のファンドの運用期間内である組合型ファンドを期中売買の募集をするための画面を、売り手と買い手がアクセス可能な媒体であるプラットフォーム生成する生成手段と、
前記画面を生成した前記プラットフォームを利用する前記売り手が前記組合型ファンドを売却する際の売却金額を、前記売り手が売却希望するファンドの持分金額、持分数、又は持分比率で表されるファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて計算することによって決定する第1決定手段と、
当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により受け付ける第1受付手段と、
複数の前記売り手から受け付けた売却申請のファンド持分の総数として売却可能な金額の総額を、組合型ファンド毎に集計する集計手段と、
集計した前記総数である売却可能な金額分のファンドを、前記組合型ファンド毎に分けて前記プラットフォームに買い手が購入のために閲覧できるよう出品する出品手段と、
前記買い手の口座から、預り金をデポジットとして受け付ける第2受付手段と、
前記買い手から、購入したい期中の組合型ファンドに対して、購入したい金額の入力を受け付ける第3受付手段と、
前記買い手から受け付けた前記金額を、前記売却申請を受け付けた時期が早い売り手の順に、前記集計した金額の総額から割り当てる割当手段と、
前記割り当てた結果に基づいて、売却する売り手と、購入する買い手と、を決定する第2決定手段と、
前記決定に基づいて、前記買い手に対して、購入決定したことと、購入した組合型ファンドの種類と、購入金額とにあわせて、前記買い手の権利を明らかにするための対抗要件の具備持分の内訳と、を通知する通知手段と、
前記デポジットを受け付けた買い手の口座から購入金額を電子的に引き落とし、前記売り手の口座に当該購入金額を移動する引落手段と、
前記決定した売却金額に基づいて、買い手の口座から前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金する入金手段と、を備える組合型ファンド持分期中売買システムを提供する。
期中のファンドの運用期間内である組合型ファンドを期中売買の募集をするための画面を、売り手と買い手がアクセス可能な媒体であるプラットフォーム生成する生成手段と、
前記画面を生成した前記プラットフォームを利用する前記売り手が前記組合型ファンドを売却する際の売却金額を、前記売り手が売却希望するファンドの持分金額、持分数、又は持分比率で表されるファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて計算することによって決定する第1決定手段と、
当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により受け付ける第1受付手段と、
複数の前記売り手から受け付けた売却申請のファンド持分の総数として売却可能な金額の総額を、組合型ファンド毎に集計する集計手段と、
集計した前記総数である売却可能な金額分のファンドを、前記組合型ファンド毎に分けて前記プラットフォームに買い手が購入のために閲覧できるよう出品する出品手段と、
前記買い手の口座から、預り金をデポジットとして受け付ける第2受付手段と、
前記買い手から、購入したい期中の組合型ファンドに対して、購入したい金額の入力を受け付ける第3受付手段と、
前記買い手から受け付けた前記金額を、前記売却申請を受け付けた時期が早い売り手の順に、前記集計した金額の総額から割り当てる割当手段と、
前記割り当てた結果に基づいて、売却する売り手と、購入する買い手と、を決定する第2決定手段と、
前記決定に基づいて、前記買い手に対して、購入決定したことと、購入した組合型ファンドの種類と、購入金額とにあわせて、前記買い手の権利を明らかにするための対抗要件の具備持分の内訳と、を通知する通知手段と、
前記デポジットを受け付けた買い手の口座から購入金額を電子的に引き落とし、前記売り手の口座に当該購入金額を移動する引落手段と、
前記決定した売却金額に基づいて、組合型ファンド持分期中売買システムの指定する口座から前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金する入金手段と、を備える。
第1の特徴に係る発明は、組合型ファンド持分期中売買システムのカテゴリであるが、組合型ファンド持分期中売買方法、及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムであって、
前記入金手段は、前記引落手段で引き落とした購入金額から、予め指定された所定の手数料を差し引いて、前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金する組合型ファンド持分期中売買システムを提供する。
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムにおいて、前記入金手段は、前記引落手段で引き落とした購入金額から予め指定された所定の手数料を差し引いて、前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金する。
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムであって、
前記通知手段は、更に、前記買い手の口座から、前記デポジットとして受け付けた預り金の金額が、前記購入金額に満たない場合に、前記買い手にデポジットとして預り金の金額を追加するように通知する組合型ファンド持分期中売買システムを提供する。
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムにおいて、前記通知手段は、更に、前記買い手の口座から、前記デポジットとして受け付けた預り金の金額が、前記購入金額に満たない場合に、前記買い手にデポジットとして預り金の金額を追加するように通知する。
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムであって、
前記第1受付手段は、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により、当該売り手が保有している期中のファンド持分全ての売却申請を受け付ける組合型ファンド持分期中売買システムを提供する。
第4の特徴に係る発明によれば、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムにおいて、前記第1受付手段は、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により、当該売り手が保有している期中のファンド持分全ての売却申請を受け付ける。
第5の特徴に係る発明は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムであって、
前記第1受付手段は、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により、当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち幾らを売却するか当該売り手に指定させて売却申請を受け付ける組合型ファンド持分期中売買システムを提供する。
第5の特徴に係る発明によれば、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムにおいて、前記第1受付手段は、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により、当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち幾らを売却するか当該売り手に指定させて売却申請を受け付ける。
第6の特徴に係る発明は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムであって、
前記組合型ファンドが不動産ファンドである場合、
当該不動産ファンドの現預金額と負債額を計算する第1計算手段と、
当該不動産ファンドを構成する構成不動産毎に、所定の期間毎に不動産の評価額を外部から取得する取得手段と、
当該不動産ファンドの全ての構成不動産の評価額と現預金額とを足して、負債額を差し引いた合計金額を計算する第2計算手段と、
前記合計金額を、当該不動産ファンドの全持分で割ることで単位持分辺りの不動産ファンドの時価である最終金額を計算する第3計算手段と、
前記最終金額を基に売却金額を決定する売却金額決定手段と、
を備える組合型ファンド持分期中売買システムを提供する。
第6の特徴に係る発明によれば、第1の特徴から第5の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムにおいて、前記組合型ファンドが不動産ファンドである場合、当該不動産ファンドの現預金額と負債額を計算する第1計算手段と、当該不動産ファンドを構成する構成不動産毎に、所定の期間毎に不動産の評価額を外部から取得する取得手段と、当該不動産ファンドの全ての構成不動産の評価額と現預金額とを足して、負債額を差し引いた合計金額を計算する第2計算手段と、前記合計金額を、当該不動産ファンドの全持分で割ることで単位持分辺りの不動産ファンドの時価である最終金額を計算する第3計算手段と、前記最終金額を基に売却金額を決定する売却金額決定手段と、を備える。
の特徴に係る発明は、第1の特徴から第5の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムであって、
前記組合型ファンドが不動産ファンドではない場合、
前記組合型ファンド持分金額に対して、所定の割合を掛けて、売却金額を計算して決定する売却金額決定手段と、
を備える組合型ファンド持分期中売買システムを提供する。
の特徴に係る発明によれば、第1の特徴から第5の特徴のいずれかに係る発明である組合型ファンド持分期中売買システムにおいて、前記組合型ファンドが不動産ファンドではない場合、前記組合型ファンド持分金額に対して、所定の割合を掛けて、売却金額を計算して決定する売却金額決定手段と、を備える。
第8の特徴に係る発明は、
コンピュータが実行する組合型ファンド持分期中売買方法において、
期中のファンドの運用期間内である組合型ファンドを期中売買の募集をするための画面を、売り手と買い手がアクセス可能な媒体であるプラットフォーム生成するステップと、
前記画面を生成した前記プラットフォームを利用する前記売り手が前記組合型ファンドを売却する際の売却金額を、前記売り手が売却希望するファンドの持分金額、持分数、又は持分比率で表されるファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて計算することによって決定するステップと、
当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により受け付けるステップと、
複数の前記売り手から受け付けた売却申請のファンド持分の総数として売却可能な金額の総額を、組合型ファンド毎に集計するステップと、
集計した前記総数である売却可能な金額分のファンドを、前記組合型ファンド毎に分けて前記プラットフォームに買い手が購入のために閲覧できるよう出品するステップと、
前記買い手の口座から、預り金をデポジットとして受け付けるステップと、
前記買い手から、購入したい期中の組合型ファンドに対して、購入したい金額の入力を受け付けるステップと、
前記買い手から受け付けた前記金額を、前記売却申請を受け付けた時期が早い売り手の順に、前記集計した金額の総額から割り当てるステップと、
前記割り当てた結果に基づいて、売却する売り手と、購入する買い手と、を決定するステップと、
前記決定に基づいて、前記買い手に対して、購入決定したことと、購入した組合型ファンドの種類と、購入金額とにあわせて、前記買い手の権利を明らかにするための対抗要件の具備持分の内訳と、を通知するステップと、
前記デポジットを受け付けた買い手の口座から購入金額を電子的に引き落とし、前記売り手の口座に当該購入金額を移動するステップと、
前記決定した売却金額に基づいて、買い手の口座から前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金するステップと、
を備える組合型ファンド持分期中売買方法を提供する。
第9の特徴に係る発明は、
組合型ファンド持分期中売買システムと連携するコンピュータに、
期中のファンドの運用期間内である組合型ファンドを期中売買の募集をするための画面を、売り手と買い手がアクセス可能な媒体であるプラットフォーム生成するステップ、
前記画面を生成した前記プラットフォームを利用する前記売り手が前記組合型ファンドを売却する際の売却金額を、前記売り手が売却希望するファンドの持分金額、持分数、又は持分比率で表されるファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて計算することによって決定するステップ、
当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により受け付けるステップ、
複数の前記売り手から受け付けた売却申請のファンド持分の総数として売却可能な金額の総額を、組合型ファンド毎に集計するステップと、
集計した前記総数である売却可能な金額分のファンドを、前記組合型ファンド毎に分けて前記プラットフォームに買い手が購入のために閲覧できるよう出品するステップ、
前記買い手の口座から、預り金をデポジットとして受け付けるステップと、
前記買い手から、購入したい期中の組合型ファンドに対して、購入したい金額の入力を受け付けるステップ、
前記買い手から受け付けた前記金額を、前記売却申請を受け付けた時期が早い売り手の順に、前記集計した金額の総額から割り当てるステップ、
前記割り当てた結果に基づいて、売却する売り手と、購入する買い手と、を決定するステップ、
前記決定に基づいて、前記買い手に対して、購入決定したことと、購入した組合型ファンドの種類と、購入金額とにあわせて、前記買い手の権利を明らかにするための対抗要件の具備持分の内訳と、を通知するステップ、
前記デポジットを受け付けた買い手の口座から購入金額を電子的に引き落とし、前記売り手の口座に当該購入金額を移動するステップと、
前記決定した売却金額に基づいて、買い手の口座から前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを提供する。
本発明によれば、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアした上で、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買する組合型ファンド持分期中売買システム、組合型ファンド持分期中売買方法及びそのプログラムを提供することが可能となる。これにより、期中の組合型ファンドのファンド持分の期中売買の効率を向上することが可能となり、組合型ファンドにおいて、従来よりも投資者からの出資を集めやすい、投資家に期中に出口を提供できる等の利点を得ることができる。
組合型ファンド持分期中売買システム1の概要を説明する図である。 組合型ファンド持分期中売買システム1の機能構成を示す図である。 組合型ファンド持分期中売買システム1が実行する組合型ファンド持分期中売買処理を示すフローチャート図である。 組合型ファンド持分期中売買システム1が売却金額決定処理を行う場合の機能構成を示す図である。 組合型ファンド持分期中売買システム1が売却金額決定処理を実行する場合のフローチャート図である。 組合型ファンド持分期中売買システム1が売り手2からファンド持分の売却申請を受け付ける場合のイメージ図である。 組合型ファンド持分期中売買システム1が買い手3から購入したいファンド持分の入力を受け付ける場合のイメージ図である。 組合型ファンド持分期中売買システム1が買い手3に対して対抗要件の具備と購入したファンド持分の内訳とを通知する場合のイメージ図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
[基本概念/基本構成]
図1は、組合型ファンド持分期中売買システム1の概要を説明するための図である。組合型ファンド持分期中売買システム1は、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買する組合型ファンド持分期中売買システムである。ここで、期中とは、ファンドの運用期間内であることを示すものとする。本発明において、組合型ファンドとは、有限責任事業組合、投資事業有限責任組合、匿名組合、任意組合等の組合による形態のファンドを指すものとする。組合型ファンドには、例えば貸付を行う貸付型ファンド、不動産信託受益権を取得・開発して賃料等の収益を得る不動産ファンド、個別の事業に投資する事業型ファンド等を含むものとする。組合型ファンド持分期中売買システム1は、組合型ファンド持分期中売買システム1を制御するコンピュータ100と、保有している期中のファンド持分の売却を希望する売り手2の売り手端末200と、期中の組合型ファンドの購入を希望する買い手3の買い手端末300と、を少なくとも含むシステムである。図1には図示していないが、コンピュータ100と売り手端末200と買い手端末300とは、ネットワーク4を介して通信可能であるものとする。売り手2と売り手端末200、買い手3と買い手端末300とは、複数存在してもよいものとする。
まず、コンピュータ100の生成部101は、期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買するプラットフォームを生成する(ステップS01)。ここでのプラットフォームとは、たとえばWEBページやSNSやソフトウェアアプリケーション等の、売り手2と買い手3がインターネットを介してアクセス可能な媒体であるとする。具体的には、WEBページやSNSやソフトウェアアプリケーション等に、売り手2に対してファンド持分の売却を募集する画面と、買い手3に対して組合型ファンドの購入を募集する画面とを作成する。
次に、コンピュータ100の第1決定部102は、生成したプラットフォームで、ファンド持分を売却する際の、売却金額を決定する(ステップS02)。ここでの売却金額は、売り手2が売却希望するファンド持分の持分に応じて、組合型ファンド持分期中売買システム1側が自動で決定するものとする。売却金額の決定方法は、プラットフォーム毎に異なる方法としてもよいし、ファンドの種類に応じて異なる方法としてもよい。
次に、コンピュータ100の第1受付部103は、ステップS02で決定した売却金額に基づいて、売り手2から、売り手2が保有している期中のファンド持分の売却申請を受け付ける(ステップS03)。ここでのファンド持分とは、ファンドの持分金額、持分数、持分比率等のことであり、売り手2が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを特定可能な情報を含むものとする。第1受付部103は、当該売り手2が保有している期中のファンド持分全ての売却申請を受け付けてもよいし、当該売り手2が保有している期中のファンド持分のうち幾らを売却するかを当該売り手2に指定させて売却申請を受け付けてもよいものとする。
図6は、組合型ファンド持分期中売買システム1が売り手2からファンド持分の売却申請を受け付ける場合のイメージ図である。売り手2が、例えば「A社のローンファンド#1を持分のうち12万円分売却したい」という希望がある場合、売り手端末200を操作して、売り手2の保有するファンドの持分リストから、売却申請を行うことが可能である。ここでは、ファンドの持分金額を示して売却する持分を指定する例を示したが、持分数や持分比率等で売却する持分を指定してもよいものとする。
図1に戻り、次に、コンピュータ100の集計部104は、ステップS03で売却申請を受け付けたファンド持分の総数を、組合型ファンド毎に集計する(ステップS04)。例えば、売り手2Aから組合型ファンドAの売却申請を10万円分、売り手2Bから同じ組合型ファンドXの売却申請を5万円分受け付けた際には、組合型ファンドXの売却可能な金額は15万円分となる。このように、複数の売り手から受け付けた売却申請のファンド持分を集計する処理を行う。
次に、コンピュータ100の出品部105は、集計した総数を、組合型ファンド毎に分けてステップS01で生成したプラットフォームに出品する(ステップS05)。出品された組合型ファンドの持分は、買い手3が買い手端末300で閲覧可能であるものとする。
次に、コンピュータ100の第2受付部106は、買い手3から、口座への預り金のデポジットを受け付ける(ステップS06)。買い手3からデポジットを受け付けておくことで、買い手3の口座を事前に特定することができ、買い手3との間の取引の確実性を高めることができる。
次に、コンピュータ100の第3受付部107は、買い手3から、購入したい期中の組合型ファンドのファンド持分の入力を受け付ける(ステップS07)。
図7は、組合型ファンド持分期中売買システム1が買い手3から購入したいファンド持分の入力を受け付ける場合のイメージ図である。出品リストのなかから、買い手3が欲しいファンドの持分を選択または入力することで、購入希望を受け付ける。ここでは、買い手3が買い手端末300を操作して、「A社のローンファンド#1を12万円分購入したい」という希望に応じて、「A社ローンファンド#1 120,000円」を選択することにより、購入希望を受け付ける例を示している。ここでは、出品リストから選択して購入希望を受け付ける例を示したが、更に細かく、購入したいファンドの持分金額や持分数や持分比率等で売却する持分を指定して購入希望を受け付けてもよいものとする。例えば、「A社ローンファンド#1 50,000円」等、出品リストのなかから一部の持分を購入希望することも可能とする。
図1に戻り、次に、コンピュータ100の割当部108は、受け付けた購入したい組合型ファンドのファンド持分に対して、総数の内、売却申請を受け付けた時期が早い売り手2の順に割り当てる(ステップS08)。例えば、受付総数が組合型ファンドAの12万円分であり、売却申請を、1番目に売り手2Aから10万円分、2番目に売り手2Bから5万円分受け付けていた場合には、売り手2Aから10万円分、売り手2Bに2万円分割り当てるものとする。
次に、コンピュータ100の第2決定部109は、ステップS08で割り当てた結果に基づいて、売り手2の売却と、買い手3の購入と、を決定する(ステップS09)。
次に、コンピュータ100の通知部110は、ステップS09での決定に基づいて、買い手3に対して、対抗要件の具備と、購入したファンド持分の内訳と、を通知する(ステップS10)。ここで、買い手3に対して、対抗要件の具備と購入したファンド持分の内訳とを通知することにより、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアすることができ、インターネットを介する期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買することが可能となる。
図8は、組合型ファンド持分期中売買システム1が買い手3に対して対抗要件の具備と購入したファンド持分の内訳とを通知する場合のイメージ図である。買い手3の購入が決定した場合、買い手3の買い手端末300に対して、対抗要件の具備と、購入したファンド持分の内訳を通知する。通知の方法は、メールであってもよいし、WEBページやSNSやソフトウェアアプリケーション等の生成したプラットフォームにあわせたメッセージであってもよい。また、あわせて、書面での郵送をおこなってもよい。購入したファンドの内容にあわせて、買い手3の権利が明らかになるよう、対抗要件の具備と、購入したファンド持分の内訳を通知することで、民法上及び金商法上の問題が発生しないようにする。
図1に戻り、次に、コンピュータ100の引落部111は、ステップS09での決定に基づいて、デポジットを受け付けた買い手3の口座から購入金額を引き落とす(ステップS11)。買い手3の口座からデポジットした預り金が、購入金額に満たない場合には、通知部110は買い手3にデポジットするように通知する処理を行う。
最後に、コンピュータ100の入金部112は、ステップS09での決定に基づいて、ステップS08で割り当てた売り手2の口座に、売り手2の売却金額分を入金する(ステップS12)。入金時に、あわせて売り手2に対して、売却したファンド持分の内訳を通知してもよい。
このように、本発明によれば、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアした上で、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買する組合型ファンド持分期中売買システム、組合型ファンド持分期中売買方法及びそのプログラムを提供することが可能となる。これにより、期中の組合型ファンドのファンド持分の期中売買の効率を向上することが可能となり、組合型ファンドにおいて、従来よりも投資者からの出資を集めやすい、投資家に期中に出口を提供できる等の利点を得ることができる。
[機能構成]
図2に基づいて、組合型ファンド持分期中売買システム1の機能構成について説明する。組合型ファンド持分期中売買システム1は、コンピュータ100と、このコンピュータ100とネットワーク4を介して通信可能に接続された売り手端末200と、買い手端末300と、を備える。コンピュータ100は、実在する装置に限らず、仮想的な装置であってもよい。
コンピュータ100は、組合型ファンド持分期中売買システム1を提供する管理者により管理されるサーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータ等であり、上述した売り手端末200と、買い手端末300と、インターネット等のネットワーク4を介してデータ通信可能に接続されており、必要なデータの送受信や各種処理を実行する。
コンピュータ100は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能構成を含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであってもよい。コンピュータ100がクラウドコンピュータである場合、売り手2、買い手3の全てがクラウドサービスに参加しているものとする。
コンピュータ100は、制御部(非図示)として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部(非図示)として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、コンピュータ100は、記憶部(非図示)として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、コンピュータ100は、処理部(非図示)として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
コンピュータ100において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部、記憶部、処理部と協働して、生成部101、第1決定部102、第1受付部103、集計部104、出品部105、第2受付部106、第3受付部107、割当部108、第2決定部109、通知部110、引落部111、入金部112を実現する。
売り手端末200は、売り手2の所持するコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の電子デバイスであり、上述したコンピュータ100と、ネットワーク4を介してデータ通信可能に接続されている。売り手端末200は1台である必要はなく、複数台あってもよい。
売り手端末200は、端末制御部(非図示)として、上述したコンピュータ100における制御部と同様に、CPU、GPU、RAM、ROM等を備える。売り手端末200は、通信部(非図示)として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイスを備える。また、売り手端末200は、入出力部(非図示)として、データや画像や音声等を入出力する入出力デバイス等を備える。また、売り手端末200は、記憶部(非図示)として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、売り手端末200は、処理部(非図示)として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
買い手端末300は、買い手3の所持するコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の電子デバイスであり、上述したコンピュータ100と、ネットワーク4を介してデータ通信可能に接続されている。買い手3は複数であってもよい。また、買い手端末300も1台である必要はなく、複数台あってもよい。
買い手端末300は、端末制御部(非図示)として、上述したコンピュータ100における制御部と同様に、CPU、GPU、RAM、ROM等を備える。買い手端末300は、通信部(非図示)として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイスを備える。また、買い手端末300は、入出力部(非図示)として、データや画像や音声等を入出力する入出力デバイス等を備える。また、買い手端末300は、記憶部(非図示)として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、買い手端末300は、処理部(非図示)として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
[組合型ファンド持分期中売買処理]
図3に基づいて、コンピュータ100が実行する組合型ファンド持分期中売買処理について説明する。図3は、組合型ファンド持分期中売買システム1が実行する組合型ファンド持分期中売買処理を示すフローチャート図である。上述した各部が実行する処理について、本処理にあわせて説明する。
まず、コンピュータ100の生成部101は、期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買するプラットフォームを生成する(ステップS301)。ここでのプラットフォームとは、たとえばWEBページやSNSやソフトウェアアプリケーション等の、売り手2と買い手3がインターネットを介してアクセス可能な媒体であるとする。具体的には、WEBページやSNSやソフトウェアアプリケーション等に、売り手2に対してファンド持分の売却を募集する画面と、買い手3に対して組合型ファンドの購入を募集する画面とを作成する。
次に、コンピュータ100の第1決定部102は、生成したプラットフォームで、ファンド持分を売却する際の、売却金額を決定する(ステップS302)。ここでの売却金額は、売り手2が売却希望するファンド持分の持分に応じて、組合型ファンド持分期中売買システム1側が自動で決定するものとする。売却金額の決定方法は、プラットフォーム毎に異なる方法としてもよいし、ファンドの種類に応じて異なる方法としてもよい。売却金額決定処理の詳細については、後述する。
次に、コンピュータ100の第1受付部103は、ステップS302で決定した売却金額に基づいて、売り手2から、売り手2が保有している期中のファンド持分の売却申請を受け付ける(ステップS303)。ここでのファンド持分とは、ファンドの持分金額、持分数、持分比率等のことであり、売り手2が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを特定可能な情報を含むものとする。第1受付部103は、当該売り手2が保有している期中のファンド持分全ての売却申請を受け付けてもよいし、当該売り手2が保有している期中のファンド持分のうち幾らを売却するかを当該売り手2に指定させて売却申請を受け付けてもよいものとする。
図6は、組合型ファンド持分期中売買システム1が売り手2からファンド持分の売却申請を受け付ける場合のイメージ図である。売り手2が、例えば「A社のローンファンド#1を持分のうち12万円分売却したい」という希望がある場合、売り手端末200を操作して、売り手2の保有するファンドの持分リストから、売却申請を行うことが可能である。ここでは、ファンドの持分金額を示して売却する持分を指定する例を示したが、持分数や持分比率等で売却する持分を指定してもよいものとする。
図3に戻り、次に、コンピュータ100の集計部104は、ステップ303で売却申請を受け付けたファンド持分の総数を、組合型ファンド毎に集計する(ステップS304)。例えば、売り手2Aから組合型ファンドAの売却申請を10万円分、売り手2Bから同じ組合型ファンドXの売却申請を5万円分受け付けた際には、組合型ファンドXの売却可能な金額は15万円分となる。このように、複数の売り手から受け付けた売却申請のファンド持分を集計する処理を行う。
次に、コンピュータ100の出品部105は、集計した総数を、組合型ファンド毎に分けてステップS301で生成したプラットフォームに出品する(ステップS305)。出品された組合型ファンドの持分は、買い手3が買い手端末300で閲覧可能であるものとする。組合型ファンド毎に分けて出品することで、買い手3に対して、どの組合型ファンドに対して、ファンド持分の総数がいくつ売りに出されているかを分かりやすく伝えることが可能である。
次に、コンピュータ100の第2受付部106は、買い手3から、口座への預り金のデポジットを受け付ける(ステップS306)。買い手3からデポジットを受け付けておくことで、買い手3の口座を事前に特定することができ、買い手3との間の取引の確実性を高めることができる。
次に、コンピュータ100の第3受付部107は、買い手3から、購入したい期中の組合型ファンドのファンド持分の入力を受け付ける(ステップS307)。
図7は、組合型ファンド持分期中売買システム1が買い手3から購入したいファンド持分の入力を受け付ける場合のイメージ図である。出品リストのなかから、買い手3が欲しいファンドの持分を選択または入力することで、購入希望を受け付ける。ここでは、買い手3が買い手端末300を操作して、「A社のローンファンド#1を12万円分購入したい」という希望に応じて、「A社ローンファンド#1 120,000円」を選択することにより、購入希望を受け付ける例を示している。ここでは、出品リストから選択して購入希望を受け付ける例を示したが、更に細かく、購入したいファンドの持分金額や持分数や持分比率等で売却する持分を指定して購入希望を受け付けてもよいものとする。例えば、「A社ローンファンド#1 50,000円」等、出品リストのなかから一部の持分を購入希望することも可能とする。
図3に戻り、次に、コンピュータ100の割当部108は、受け付けた購入したい組合型ファンドのファンド持分に対して、総数の内、売却申請を受け付けた時期が早い売り手2の順に割り当てる(ステップS308)。例えば、受付総数が組合型ファンドAの12万円分であり、売却申請を、1番目に売り手2Aから10万円分、2番目に売り手2Bから5万円分受け付けていた場合には、売り手2Aから10万円分、売り手2Bに2万円分割り当てるものとする。
次に、コンピュータ100の第2決定部109は、ステップS308で割り当てた結果に基づいて、売り手2の売却と、買い手3の購入と、を決定する(ステップS309)。
次に、コンピュータ100の通知部110は、ステップS309での決定に基づいて、買い手3に対して、対抗要件の具備と、購入したファンド持分の内訳と、を通知する(ステップS310)。購入したファンド持分の内訳には、何人の売り手2からいくつのファンド持分を購入したかを表すものを含むこととする。ここで、買い手3に対して、対抗要件の具備と購入したファンド持分の内訳とを通知することにより、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアすることができ、インターネットを介する期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買することが可能となる。
図8は、組合型ファンド持分期中売買システム1が買い手3に対して対抗要件の具備と購入したファンド持分の内訳とを通知する場合のイメージ図である。買い手3の購入が決定した場合、買い手3の買い手端末300に対して、対抗要件の具備と、購入したファンド持分の内訳を通知する。通知の方法は、メールであってもよいし、WEBページやSNSやソフトウェアアプリケーション等の生成したプラットフォームにあわせたメッセージであってもよい。また、電子的な通知に替えて、又は、電子的な通知とあわせて、書面での郵送をおこなってもよい。購入したファンドの内容にあわせて、買い手3の権利が明らかになるよう、対抗要件の具備と、購入したファンド持分の内訳を通知することで、民法上及び金商法上の問題が発生しないようにする。
図3に戻り、次に、コンピュータ100の引落部111は、ステップS309での決定に基づいて、デポジットを受け付けた買い手3の口座から購入金額を引き落とす(ステップS311)。買い手3の口座からデポジットした預り金が、購入金額に満たない場合には、通知部110は買い手3にデポジットするように通知する処理を行う。買い手3の口座は、組合型ファンド持分期中売買システム1内にあっても、外部のシステムにあっても、どちらでもよいものとする。
最後に、コンピュータ100の入金部112は、ステップS309での決定に基づいて、ステップS308で割り当てた売り手2の口座に、売り手2の売却金額分を入金する(ステップS312)。入金時に、あわせて売り手2に対して、売却したファンド持分の内訳を通知してもよい。また、入金時には、買い手3の口座から引き落とした購入金額から、組合型ファンド持分期中売買システム1で設定した所定の手数料を差し引いて、売り手2の口座に入金するものとする。売り手2の口座は、組合型ファンド持分期中売買システム1内にあっても、外部のシステムにあっても、どちらでもよいものとする。
以上が、組合型ファンド持分期中売買処理である。
このような組合型ファンド持分期中売買システム1によれば、民法上の制約及び金商法上の制約をクリアした上で、インターネットを介して期中の組合型ファンドのファンド持分を期中売買することが可能となる。これにより、期中の組合型ファンドのファンド持分の期中売買の効率を向上することが可能となり、組合型ファンドにおいて、従来よりも投資者からの出資を集めやすい、投資家に期中に出口を提供できる等の利点を得ることができる。
[売却金額決定処理]
図4は、組合型ファンド持分期中売買システム1が売却金額決定処理を行う場合の機能構成を示す図である。コンピュータ100は、図2の構成に加えて、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部、記憶部、処理部と協働して、第1計算部113、取得部114、第2計算部115、第3計算部116、売却金額決定部117を実現する。
図5は、組合型ファンド持分期中売買システム1が売却金額決定処理を実行する場合のフローチャート図である。図5の売却金額決定処理は、図3のステップS302の第1決定部102で実行する処理の一例である。
コンピュータ100の第1決定部102は、まず、当該組合型ファンドが不動産ファンドであるかどうかを確認する(ステップS501)。不動産ファンドである場合、ステップS502へと進み、不動産ファンドでない場合、ステップS507へと進む。
当該組合型ファンドが不動産ファンドである場合、コンピュータ100の第1計算部113は、当該不動産ファンドの現預金額と負債額を計算する(ステップS502)。当該不動産ファンドの現預金額と負債額とは、必要に応じてネットワーク4を介してインターネット上の情報から取得するものとする。
次に、コンピュータ100の取得部114は、当該不動産ファンドを構成する構成不動産毎に、所定の期間毎に評価額を取得する(ステップS503)。ここで、所定の期間毎に評価額を取得するのは、例えば、1年に1回や半年に1回等のタイミングで評価額を取得することで、より現状に適した評価額を得るためであり、所定の期間は組合型ファンド持分期中売買システム1で設定可能とする。
次に、コンピュータ100の第2計算部115は、当該不動産ファンドの全ての構成不動産の評価額と現預金額とを足して、負債額を差し引いた合計金額を計算する(ステップS504)。
次に、コンピュータ100の第3計算部116は、ステップS504で求めた合計金額を、当該不動産ファンドの全持分で割ることで単位持分辺りの不動産ファンドの時価である最終金額を計算する(ステップS505)。
次に、コンピュータ100の売却金額決定部117は、ステップS505で求めた最終金額を基に売却金額を決定する(ステップS506)。ここで、売却金額は、最終金額そのものとしてもよい。以上が、当該組合型ファンドが不動産ファンドである場合の売却金額決定処理である。
当該組合型ファンドが不動産ファンドである場合には、売却されたファンド持分に対して一定期間買い手3がつかなかった場合に、不動産ファンドの事業者に自身の不動産ファンドの一定範囲内のファンド持分を購入させてもよい。ここで、一定範囲内とは、例えば2.5パーセント以内など、組合型ファンド持分期中売買システム1が予め設定した既定のパーセント内とする。このように、不動産ファンドの事業者に自身の不動産ファンドの一定範囲内のファンド持分を購入させることで、投資家に対して確実に期中の出口を提供することが可能となる。
当該組合型ファンドが不動産ファンドでない場合、コンピュータ100の売却金額決定部117は、当該組合型ファンドのファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて、売却金額を計算して決定する(ステップS507)。ここで、所定の割合とは、例えば99パーセントや98パーセント等、組合型ファンド持分期中売買システム1が予め設定した割合であるものとする。
以上が、売却金額決定処理である。不動産ファンドであるか否かに応じて、売却金額を決定することにより、ファンドの性質に応じた売却金額を設定することが可能になるという利点がある。
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されてよい。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 組合型ファンド持分期中売買システム
2 売り手
3 買い手
4 ネットワーク
100 コンピュータ
101 生成部
102 第1決定部
103 第1受付部
104 集計部
105 出品部
106 第2受付部
107 第3受付部
108 割当部
109 第2決定部
110 通知部
111 引落部
112 入金部
113 第1計算部
114 取得部
115 第2計算部
116 第3計算部
117 売却金額決定部
200 売り手端末
300 買い手端末

Claims (9)

  1. 期中のファンドの運用期間内である組合型ファンドを期中売買の募集をするための画面を、売り手と買い手がアクセス可能な媒体であるプラットフォーム生成する生成手段と、
    前記画面を生成した前記プラットフォームを利用する前記売り手が前記組合型ファンドを売却する際の売却金額を、前記売り手が売却希望するファンドの持分金額、持分数、又は持分比率で表されるファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて計算することによって決定する第1決定手段と、
    当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により受け付ける第1受付手段と、
    複数の前記売り手から受け付けた売却申請のファンド持分の総数として売却可能な金額の総額を、組合型ファンド毎に集計する集計手段と、
    集計した前記総数である売却可能な金額分のファンドを、前記組合型ファンド毎に分けて前記プラットフォームに買い手が購入のために閲覧できるよう出品する出品手段と、
    前記買い手の口座から、預り金をデポジットとして受け付ける第2受付手段と、
    前記買い手から、購入したい期中の組合型ファンドに対して、購入したい金額の入力を受け付ける第3受付手段と、
    前記買い手から受け付けた前記金額を、前記売却申請を受け付けた時期が早い売り手の順に、前記集計した金額の総額から割り当てる割当手段と、
    前記割り当てた結果に基づいて、売却する売り手と、購入する買い手と、を決定する第2決定手段と、
    前記決定に基づいて、前記買い手に対して、購入決定したことと、購入した組合型ファンドの種類と、購入金額とにあわせて、前記買い手の権利を明らかにするための対抗要件の具備持分の内訳と、を通知する通知手段と、
    前記デポジットを受け付けた買い手の口座から購入金額を電子的に引き落とし、前記売り手の口座に当該購入金額を移動する引落手段と、
    前記決定した売却金額に基づいて、買い手の口座から前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金する入金手段と、
    を備える組合型ファンド持分期中売買システム。
  2. 前記入金手段は、前記引落手段で引き落とした購入金額から、予め指定された所定の手数料を差し引いて、前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金する請求項1に記載の組合型ファンド持分期中売買システム。
  3. 前記通知手段は、更に、前記買い手の口座から、前記デポジットとして受け付けた預かり金の金額が、前記購入金額に満たない場合に、前記買い手にデポジットとして預り金の金額を追加するように通知する請求項1又は請求項2に記載の組合型ファンド持分期中売買システム。
  4. 前記第1受付手段は、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により、当該売り手が保有している期中のファンド持分全ての売却申請を受け付ける請求項1から請求項3の何れか1項に記載の組合型ファンド持分期中売買システム。
  5. 前記第1受付手段は、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により、当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち幾らを売却するか当該売り手に指定させて売却申請を受け付ける請求項1から請求項3の何れか1項に記載の組合型ファンド持分期中売買システム。
  6. 前記組合型ファンドが不動産ファンドである場合、
    当該不動産ファンドの取得現預金額と負債額を計算する第1計算手段と、
    当該不動産ファンドを構成する構成不動産毎に、所定の期間毎に不動産の評価額を外部から取得する取得手段と、
    当該不動産ファンドの全ての構成不動産の評価額と現預金額とを足して、負債額を差し引いた合計金額を計算する第2計算手段と、
    前記合計金額を、当該不動産ファンドの全持分で割ることで単位持分辺りの不動産ファンドの時価である最終金額を計算する第3計算手段と、
    前記最終金額を基に売却金額を決定する売却金額決定手段と、
    を備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の組合型ファンド持分期中売買システム。
  7. 前記組合型ファンドが不動産ファンドではない場合、
    前記組合型ファンドの持分金額に対して、所定の割合を掛けて、売却金額を計算して決定する売却金額決定手段と、
    を備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の組合型ファンド持分期中売買システム。
  8. コンピュータが実行する組合型ファンド持分期中売買方法において、
    期中のファンドの運用期間内である組合型ファンドを期中売買の募集をするための画面を、売り手と買い手がアクセス可能な媒体であるプラットフォーム生成するステップと、
    前記画面を生成した前記プラットフォームを利用する前記売り手が前記組合型ファンドを売却する際の売却金額を、前記売り手が売却希望するファンドの持分金額、持分数、又は持分比率で表されるファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて計算することによって決定するステップと、
    当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により受け付けるステップと、
    複数の前記売り手から受け付けた売却申請のファンド持分の総数として売却可能な金額の総額を、組合型ファンド毎に集計するステップと、
    集計した前記総数である売却可能な金額分のファンドを、前記組合型ファンド毎に分けて前記プラットフォームに買い手が購入のために閲覧できるよう出品するステップと、
    前記買い手の口座から、預り金をデポジットとして受け付けるステップと、
    前記買い手から、購入したい期中の組合型ファンドに対して、購入したい金額の入力を受け付けるステップと、
    前記買い手から受け付けた前記金額を、前記売却申請を受け付けた時期が早い売り手の順に、前記集計した金額の総額から割り当てるステップと、
    前記割り当てた結果に基づいて、売却する売り手と、購入する買い手と、を決定するステップと、
    前記決定に基づいて、前記買い手に対して、購入決定したことと、購入した組合型ファンドの種類と、購入金額とにあわせて、前記買い手の権利を明らかにするための対抗要件の具備持分の内訳と、を通知するステップと、
    前記デポジットを受け付けた買い手の口座から購入金額を電子的に引き落とし、前記売り手の口座に当該購入金額を移動するステップと、
    前記決定した売却金額に基づいて、買い手の口座から前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金するステップと、
    を備える組合型ファンド持分期中売買方法。
  9. 組合型ファンド持分期中売買システムと連携するコンピュータに、
    期中のファンドの運用期間内である組合型ファンドを期中売買の募集をするための画面を、売り手と買い手がアクセス可能な媒体であるプラットフォーム生成するステップ、
    前記画面を生成した前記プラットフォームを利用する前記売り手が前記組合型ファンドを売却する際の売却金額を、前記売り手が売却希望するファンドの持分金額、持分数、又は持分比率で表されるファンド持分の持分金額に対して、所定の割合を掛けて計算することによって決定するステップ、
    当該売り手が保有している期中のファンド持分のうち、売却したい持分がどれだけの量であるかを、前記売り手からの前記プラットフォームへの入力により受け付けるステップ、
    複数の前記売り手から受け付けた売却申請のファンド持分の総数として売却可能な金額の総額を、組合型ファンド毎に集計するステップと、
    集計した前記総数である売却可能な金額分のファンドを、前記組合型ファンド毎に分けて前記プラットフォームに買い手が購入のために閲覧できるよう出品するステップ、
    前記買い手の口座から、預り金をデポジットとして受け付けるステップと、
    前記買い手から、購入したい期中の組合型ファンドに対して、購入したい金額の入力を受け付けるステップ、
    前記買い手から受け付けた前記金額を、前記売却申請を受け付けた時期が早い売り手の順に、前記集計した金額の総額から割り当てるステップ、
    前記割り当てた結果に基づいて、売却する売り手と、購入する買い手と、を決定するステップ、
    前記決定に基づいて、前記買い手に対して、購入決定したことと、購入した組合型ファンドの種類と、購入金額とにあわせて、前記買い手の権利を明らかにするための対抗要件の具備持分の内訳と、を通知するステップ、
    前記デポジットを受け付けた買い手の口座から購入金額を電子的に引き落とし、前記売り手の口座に当該購入金額を移動するステップと、
    前記決定した売却金額に基づいて、買い手の口座から前記割り当てた売り手の口座に電子的に入金するステップ、
    を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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