JP7289233B2 - ポリビニルアルコール系繊維 - Google Patents

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本発明は、活性炭粒子を含有するポリビニルアルコール系繊維に関する。
従来、トリメチルアミン、ホルムアルデヒド、硫化水素、トリハロメタンなどの吸着性能に優れた活性炭を使用した吸着材が知られている。しかし、活性炭は通常、微粒子状や顆粒状の形態を有しているため、取扱い時に飛散してしまう等、使用が困難となる場合がある。そのため、一般的にはシート材料表面に添着して使用するケースがほとんどである。しかしながら、この使用方法では、添着した活性炭は摩擦等の接触により容易に脱落するという問題が生じる。
そこでポリビニルアルコール系樹脂に活性炭を練り込み、繊維形態に加工した吸着材が提案されている。樹脂に練りこむことで脱落の無い、取扱性に優れる材料が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開昭47-16724号公報
しかしながら、特許文献1(特開昭47-16724号公報)に開示されている方法では、脱水凝固により急速な固化が進行するために、向きの揃った分子鎖の緩和が小さく、得られる繊維の結晶化度が高くなる。そのため、被吸着物質が繊維内部に入り込みにくくなり、吸着性能が十分に発揮できないという問題があった。上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、活性炭粒子を高充填させた吸着性能に優れるポリビニルアルコール系繊維を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、活性炭を含むポリビニルアルコール系樹脂を繊維化する際、有機溶剤中に樹脂を溶解させ、貧溶媒中に吐出しゲル紡糸することで、結晶化度の低い、吸着性能に優れるポリビニルアルコール系繊維を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]ポリビニルアルコール系ポリマーと活性炭粒子とを含有するポリビニルアルコール系繊維であって、前記ポリビニルアルコール系ポリマー100質量部に対して前記活性炭粒子が10~900質量部含有し、結晶化度が60%以下である、ポリビニルアルコール系繊維。
[2]前記活性炭粒子の比表面積が300~3000m/gである、前記[1]に記載のポリビニルアルコール系繊維。
[3]前記活性炭粒子の粒子径が0.1~100μmである、前記[1]または[2]に記載のポリビニルアルコール系繊維。
[4]前記ポリビニルアルコール系ポリマーの重合度が1200~20000である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系繊維。
[5]前記[1]~[4]のいずれかに記載のポリビニルアルコール系繊維を少なくとも一部に含む繊維構造体。
本発明によれば、取扱性に優れ、かつ吸着性能に優れるポリビニルアルコール系繊維を提供することができる。
実施例1において作製したポリビニルアルコール系繊維の表面構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリビニルアルコール系繊維(以下、「PVA系繊維」と記載することがある。)は、ポリビニルアルコール系ポリマー(以下、「PVA系ポリマー」と記載することがある。)と活性炭粒子とを含んで構成されている。
<PVA系ポリマー>
本発明のPVA系繊維を構成するPVA系ポリマーは、ビニルアルコールユニットを主成分とするものであれば特に限定されず、他の構成単位を有していてもかまわない。このような構造単位としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン類;アクリル酸及びその塩とアクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体;N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド等のN-ビニルアミド類;ポリアルキレンオキシドを側鎖に有するアリルエーテル類;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;マレイン酸およびその塩またはその無水物やそのエステル等の不飽和ジカルボン酸等がある。このような変性ユニットの導入法は共重合による方法でも、後反応による方法でもよい。
また、PVA系ポリマーのけん化度は、特に限定されるものではないが、得られる繊維の結晶性の観点から、98モル%以上が好ましく、99モル%以上であると更に好ましい。また、けん化度が99.7モル%以上であると、耐熱水性に優れるので特に好ましい。
また、PVA系ポリマーの重合度も、特に限定されるものではないが、得られる繊維の機械的特性や寸法安定性等を考慮し、30℃の水溶液の粘度から求めた平均重合度が1200~20000のものが望ましい。重合度が10000~20000の高重合度のものを用いると、強度、耐湿熱性等の点で優れるため好ましいが、ポリマーを製造する際のコストや繊維化を行う際のコスト等の観点から、平均重合度が1500~5000のものが好ましい。なお、ここで言う「平均重合度」は、JIS K 6726:1994の規定に準拠して、30℃の水溶液の粘度から求めることができる。
また、PVA系繊維全体に対するPVA系ポリマーの含有量は、10~91質量%の範囲が好ましい。これは、PVA系ポリマーの含有量が上記下限値未満の場合は、PVA系繊維の形成が困難になる場合があり、PVA系ポリマーの含有量が上記上限値よりも大きい場合は、吸着剤として使用する場合に、吸着性能を十分に発揮できない場合があるためである。
<活性炭粒子>
本発明のPVA系繊維を構成する活性炭粒子は、目的に応じて必要な性能を有する活性炭であればよく、その種類、製法等は特に限定されない。活性炭はその原料から分類されることがあるが、例えば、木炭、竹、ヤシガラ、石炭チャート、植物性繊維質、木材、褐炭、泥炭、モミガラ、亜炭、ヤシ殻灰、低温乾留灰などの含炭素物質を原料とする活性炭などが具体例として挙げられる。
活性炭粒子の平均粒子径は、良好な分散性を確保する点から、0.1~100μmであることが好ましい。これは活性炭粒子を含むPVA系繊維を作製する場合、紡糸安定性を確保した上で、充分な活性を示すことができるよう、繊維樹脂中に充分に分散させることが好ましいためである。活性炭粒子の平均粒子径が上記下限値未満の場合は、繊維への含有時に飛散してしまうことや、紡糸原液中で凝集が発生するなど、その取扱い性も困難となる場合がある。また、活性炭の平均粒子径が上記上限値よりも大きい場合は、通常の紡糸装置を使用して製造する場合に、粒子径が大きすぎて紡糸性に悪影響を及ぼす場合がある。活性炭の平均粒子径の下限値は0.5μm以上であることがより好ましい。また活性炭の平均粒子径の上限値は80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。
また、活性炭粒子の比表面積は300~3000m/gであることが好ましい。これは活性炭を含むPVA系繊維を作製する場合、比表面積が上記下限値未満の場合には、所望の吸着性能を有さない場合がある。また比表面積が上記上限値よりも大きい場合には、活性炭の細孔が小さすぎるために吸着能力を損なう可能性がある。活性炭粒子の比表面積は、より好ましくは1000~2500m/gであり、さらに好ましくは1400~2000m/gである。
上記した活性炭粒子を、繊維を構成する樹脂に含有させる量は、該繊維の主成分となるポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、10~900質量部の範囲であることが必要である。これは、活性炭の含有率が上記下限値未満の場合は、ポリビニルアルコール系樹脂による活性炭の被覆率が高くなるため、処理液の浸透率が低下し、結果として、処理液中に含まれる被吸着物質に対する吸着性能を十分に発揮できない場合があるためである。また、活性炭の含有量が上記上限値よりも大きい場合はポリビニルアルコール系繊維において繊維化が困難になるとともに、活性炭が繊維から脱落してしまう場合があるためである。活性炭の含有量の下限値はポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して30質量部以上がより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、100質量部以上であることが特に好ましい。また、活性炭の含有量の上限値は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して700質量部以下が好ましく、500質量部以下であることがさらに好ましく、300質量部以下であることが特に好ましい。
<PVA系繊維>
本発明のPVA系繊維の結晶化度は、60%以下であることが必要である。結晶化度が上記上限値を超える場合は、処理媒体の繊維内部への浸透性が低下し、吸着性が低下するためである。結晶化度の下限値については特に制限はないが、処理液中で溶解するおそれがあるため、好ましくは30%以上である。また、繊維強度および耐水性の観点から、結晶化度は40~60%であることが好ましく、特に50~60%であることが好ましい。なお、ここで言う「結晶化度」とは、後述の式(1)を用いて算出される繊維の結晶化度のことを言う。
上述のように、本発明のPVA系繊維は、親水性の高いポリビニルアルコール系樹脂を主成分とし、活性炭粒子が均一かつ高い含有率で含有されているため、取扱性及び吸着性に優れたポリビニルアルコール系繊維を得ることが可能になる。
本発明のPVA系繊維は、PVA系ポリマー及び活性炭を含む紡糸原液を溶液紡糸、具体的には、湿式紡糸、乾湿式紡糸して製造される。紡糸原液に用いる溶媒としては、PVA系繊維の製造に際して、従来、用いられている溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、またはグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコール類、ジエチレントリアミン、ロダン塩などの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、環境負荷への影響の観点から、DMSOが特に好ましい。紡糸原液中のポリマー濃度は、PVA系ポリマーの組成や重合度、溶媒によって異なるが、6~60質量%の範囲が一般的である。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、紡糸原液にはPVA系ポリマー及び活性炭以外にも、目的に応じて、酸化防止剤、凍結防止剤、pH調整剤、隠蔽剤、着色剤、油剤などの添加剤などが含まれていてもよい。
本発明のPVA系繊維の単糸繊度は、繊維強度と柔軟性の観点から、0.1~600dtexであることが好ましい。これは、繊維が細いと表面積が増えるため、より効率よく吸着性能を発揮することができるが、単糸繊度が上記下限値未満の場合は、繊維の強力が不十分になるため、取扱い性が低下する場合があるためである。また、単糸繊度が上記上限値よりも大きい場合は、吸着性能が十分に発揮できなくなるとともに、繊維の柔軟性が低下して取扱い性が低下する場合があるためである。単糸繊度は、より好ましくは2~200dtexであり、特に好ましくは5~50dtexである。
また、本発明のPVA系繊維は、ステープルファイバー、ショートカットファイバー、フィラメントヤーン、紡績糸などのあらゆる繊維形態で用いることができる。また、繊維の断面形状に関しても特に制限はなく、円形、中空、あるいは星型等異型断面であってもかまわない。
また、本発明の繊維を他の繊維と混合・併用してもよい。この際、併用できる繊維として特に限定はなく、例えば、活性炭を含有しないPVA系繊維や、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維等を挙げることができる。また、捲縮綿、織物、不織布、及び紙等の繊維構造体として使用してもよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(実施例1)
<ポリビニルアルコール系繊維の作製>
平均重合度2400、けん化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名「PVA-124」)100質量部と、平均粒子径6μmの活性炭粒子((株)クラレ製、商品名「クラレコール」(登録商標))150質量部とを、800質量部のDMSO中に分散させ、120℃の不活性ガス雰囲気下にてPVAを溶解し、紡糸原液を作製した。
次に得られた紡糸原液を、孔径0.15mm、ホール数40のノズルを通して5℃のメタノール/DMSOよりなる固化浴中に乾湿式紡糸した。
次に、得られた固化糸をメタノール浴中にて3倍の湿延伸を行い、120℃の熱風で乾燥し230℃の熱風路にて全延伸倍率が8倍になるように乾熱延伸を行い、単糸繊度が20dtexの繊維を得た。
得られた繊維を捲縮・カットし、カーディングを行ってシート状物(ウェブ)を形成した後、ニードルパンチ処理を行った。加工性は良好であり、柔軟な不織布が得られた。
また、作製した繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。作製した繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1に示す。図1に示すように、作製した繊維の表面には多数の微細孔が形成されていることが分かった。
<比表面積測定>
実施例で使用した活性炭粒子の比表面積は、JIS Z 8830に準じて、BET法により測定した。以上の結果を表1に示す。
<結晶化度測定>
作製した繊維の結晶化度を示差走査熱量測定装置(島津製作所製示差走査熱量計「DSC-60」)を用いて評価した。より具体的には、窒素雰囲気下、50~300℃の温度範囲において20℃/分で昇温しながら結晶の融解ピークにおける吸熱量ΔH(J/g)を測定し、式(1)に示す通り、ポリビニルアルコールの完全結晶融解熱である174.5J/gに対する割合を結晶化度とした。以上の結果を表1に示す。
[数1]
結晶化度(%)=ΔH(J/g)/174.5(J/g)×100 (1)
<紡糸性評価>
紡糸性を、以下の評価基準に従って評価した。以上の結果を表1に示す。
○:乾湿式紡糸の際に、2時間連続して繊維が採取できた
×:乾湿式紡糸の際に、2時間連続して繊維が採取できなかった
<吸着性評価>
吸着性の指標として、作製した繊維のメチレンブルーの吸着量を評価した。より具体的には、調製した400ppmのメチレンブルー水溶液に対し、0.3質量%となるように繊維を添加して、25℃にて3時間繊維を振とうした。そして、処理後の上澄み液を採取し、分光光度計を用いて波長665nmにおける光の吸光度を測定した。そして、以下の式(2)を用いて、作製した繊維1gあたりの吸着量を算出した。濃度の算出は0.5、1.0、5.0、10.0ppmのメチレンブルー水溶液を調製し、それぞれの吸光度を測定後、得られる検量線を用いて実施した。以上の結果を表1に示す。なお、上記吸着量が20mg/g以下の場合は、重量あたりの吸着性能に乏しいために、処理の際に大量の繊維を用いる必要があり、実用的では無い。
[数2]
メチレンブルーの吸着量(mg/g)=(未処理のメチレンブルー濃度(ppm)-処理後のメチレンブルー濃度(ppm))×0.03(L)/試験に用いた繊維質量0.1(g) (2)
(実施例2)
活性炭粒子を850質量部に変更した以外は、実施例1と同様にPVA系繊維を作製した。得られた繊維を捲縮・カットし、カーディングを行ってシート状物(ウェブ)を形成した後、ニードルパンチ処理を行った。加工性は良好であり、柔軟な不織布が得られた。
そして、上述の実施例1と同様にして、結晶化度の測定、紡糸性および評価、吸着性の評価、結晶化度の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
活性炭粒子を30質量部に変更した以外は、実施例1と同様にPVA系繊維を作製した。得られた繊維を捲縮・カットし、カーディングを行ってシート状物(ウェブ)を形成した後、ニードルパンチ処理を行った。加工性は良好であり、柔軟な不織布が得られた。
そして、上述の実施例1と同様にして、結晶化度の測定、紡糸性および評価、吸着性の評価、結晶化度の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
(比較例1)
微量の硫酸を加え、pHを4にした水にホウ酸とポタジウムラウリルサルフェートを加え溶解し、ついで平均粒子径6μmの活性炭粒子((株)クラレ製、商品名「クラレコール」(登録商標))30質量部を少しずつ加えて攪拌し、活性炭を十分に分散させた後、平均重合度2400、けん化度99モル%のポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名「PVA-124」)100質量部を加え、加熱溶解し、紡糸原液とし、該原液を、孔径0.15mm、ホール数40のノズルを通して水酸化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムを含む水よりなる固化浴中に湿式紡糸し、さらに乾燥、乾熱延伸した繊維を得た。そして、上述の実施例1と同様にして、結晶化度の測定、紡糸性および吸着性の評価を行った。以上の結果を表1に示す。
Figure 0007289233000001
表1に示すように、実施例1~3では結晶化度が60%以下であることにより、メチレンブルーを十分に吸着していることがわかる。一方比較例1では結晶化度が60%を超えることで繊維内部に処理液が浸透しにくく、メチレンブルー吸着量が低いことが分かる。
本発明のPVA系繊維および該繊維を少なくとも一部に含む繊維構造体は、衣料用、医療用、農業用、水処理用等あらゆる用途に好適に使用でき、液中または蒸気を含む気体中等にて用いることができる。より好ましくは水溶液中において使用され、例えば、処理液中に含まれる被吸着物が吸着する吸着体(例えば、土壌や河川水中に含まれる有機化合物を除去するための吸着用フィルター)、フィラメント、ショートカット、捲縮綿、織物、紙等の繊維構造体からなる各種吸着用フィルター等に使用することができる。
また、本発明のPVA系繊維は、ショートカットした短繊維を処理液タンク中に投入して処理する場合や、捲縮綿をファイバーロット状に成形し、それに処理液を通液させて処理する場合、フィラメント状に成形して糸巻カートリッジとし、それに処理液を通液させて処理する場合、及び、例えば、筒状やシート状の織物や不織布としたものに処理液を通液させて処理する場合等に使用することができる。

Claims (4)

  1. ポリビニルアルコール系ポリマーと活性炭粒子とを含有するポリビニルアルコール系繊維であって、前記ポリビニルアルコール系ポリマー100質量部に対して前記活性炭粒子が10~900質量部含有し、結晶化度が60%以下であり、前記活性炭粒子の比表面積が300~3000m /gである、ポリビニルアルコール系繊維。
  2. 前記活性炭粒子の粒子径が0.1~100μmである、請求項1に記載のポリビニルアルコール系繊維。
  3. 前記ポリビニルアルコール系ポリマーの重合度が1200~20000である、請求項1または請求項2に記載のポリビニルアルコール系繊維。
  4. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載のポリビニルアルコール系繊維を少なくとも一部に含む繊維構造体。
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