JP7288653B2 - 切削工具 - Google Patents

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本発明は、主として粗さやバリを生じた貫通穴の縁部及びその周縁部について面取り、バリ取り、若しくはザグリを行う切削工具に関する。尚、本発明においてブレード部は刃体部を示し、刃部は切刃(エッジ)を示す。
従来、回転軸体の先端部に切削バイトを取着し、前記回転軸体の軸を中心とした回転により前記切削バイトが回転し、貫通穴の縁部及びその周縁部を切削する切削工具が公知である。
通常、切削バイトによって貫通穴の表側の切削が行われるが、特に貫通穴の裏面側の面取り等を行う必要性に対応して、貫通穴の表側位置から前記切削バイトと回転軸体を通し、当該貫通穴の裏面側の面取り等を行うことを可能とする切削工具が公知である。
このような切削工具のいくつかの従来例を、図10に開示する。例えば、加工物に貫通させた穴の口元の面取りを行う穴面取工具において、回転する主軸にチャックを介して上端部が結合されたボディと、前記穴を貫通できる前記ボディの下端部軸心を通過して両側面杆に貫通され画成されたブレード収納窓と、前記ブレード収納窓の上方に架設されたブレード止ボルトに端部が回動自在に枢着された1枚若しくは2枚のブレードとからなり、前記ボディの回動により発生する遠心力で前記ブレードを前記ブレード止ボルト回りに回転させ、フェード収納窓から突出させて、突出した前記ブレードの側端に設けた切削部で前記ブレードが挿入されている口元を切削し面取りを行うようにした遠心式穴面取工具が公知である(例えば、本件図面の図10(a)、特許文献1参照。以下、「先行発明1」という。)。
また例えば、円柱状の回転軸と、この回転軸の一端に軸方向に設けられた切込溝と、この切込溝に挿入され、その中心部を軸として回動自在に前記切込溝の両壁に軸着された菱形バイトからなる面取り装置本体とを有する貫通穴の面取り装置(例えば、本件図面の図10(b)、特許文献2参照。以下、「先行考案2」という。)、並びに、当該先行考案2の構成に加えて、面取り装置が滑動自在に挿入されるスリーブとからなり、前記スリーブにはその一端に前記バイトの一角が出入り可能な切欠を、他端に鍔を有し、この鍔の側面に面取り装置本体とスリーブとの回動を阻止する手段が施されたことを特徴とする貫通穴の面取り装置が公知である(例えば、本件図面の図10(c)、同特許文献2参照。以下、「先行考案3」という。)。
また例えば、円柱状の回転軸と、この回転軸の一端に軸方向に設けられた切込溝と、この切込溝に挿入され、その中心部を軸着された菱形バイトからなり、この菱形バイトはその長対角線上の両端部の一部が前記切込溝の両端から突出可能に構成するとともに、前記菱形バイトの貫通穴挿入時の位置が平衡位置から免れるように当てを設けたことを特徴とする貫通穴の面取り装置が公知である(例えば、本件図面の図10(d)、特許文献3参照。以下、「先行発明4」という。)。
特開2002-113607(先行発明1) 実開平2-94002(先行考案2は第1頁から第2頁第4行、第3図(イ)から(ハ)等、先行考案3は明細書第3頁第5行から第8頁、第1図、第2図等。) 特開平2-185309(第5図等。先行発明4)
上記先行発明1は、本件図面の図10(a)に示すように、主軸に対して片側1枚若しくは両側となる2枚のブレード91を備える切削工具9を開示するものである。
当該先行考案1に係るブレード91を1枚(即ち片側)のみ備えた構成とした場合には、単独のブレード91が回転する主軸を基準として回転するため、切削に伴う当該ブレード91に対する負荷により、主軸が偏心し易くなる。このため精度が十分に確保されがたい欠点がある。
また主軸の偏心に伴い、ブレード91、主軸に過剰な負荷がかかることで耐久性にも欠けることとなる。
また、当該先行発明1においてブレード91を2枚備えた構成とした場合には、それぞれのブレード91が独立しているため、切削開始時等の振動等により上下にブレが生じた際に、ブレード91の位置が容易に上下移動するため、定位置での切削を行おうとする場合には、安定性に欠ける。
上記先行考案2は、特許文献2において従来例として開示されるものであり、本件図面の図10(b)に示すように、回転軸の両側に1枚のブレード91が配置される切削工具9である。裏面側の貫通穴における開口周縁の切削を行うためには、表面側である上方から貫通穴を通して裏面側である下方へブレード91を送ることとなる。
ここで、切削終了後にブレード91を表側へ取り出す際には、ブレード91が貫通穴に引っ掛からないように、横向きに配置されたブレード91を縦向きに変更する必要がある。しかし、同文献にも記載されているように、裏面側に手が入らないような場合にはブレード91を取り出すことができず使用できない欠点がある。
特許文献2に係る先行考案3は、上記先行考案2の不備を解消しようとしたものであり、本件図面の図10(c)に示すように、貫通穴の裏面側の切削終了後、ブレード91を表側へ取り出す際に、横向きに配置されたブレード91を縦向きに変更する構成について、切欠93を有するスリーブ92を用いるものである。当該構成によればスリーブ92を有することが必須となるところ、貫通穴の内径よりもスリーブ92の径を小さくした上に、ブレード91はそのスリーブ92の内径よりも更に短幅とする必要がある。
このため、ブレード91の向きを変更する機能を付与するために、スリーブ92の機構を備えることで、構成の複雑化とブレード91の形状の著しい制限を受ける。
構成の複雑化は、より小径の貫通穴に対応する切削工具9の製作についてより精度が求められ、製造の困難性が高まり、製品としての不安定さが高まる欠点を生じる。
また、ブレード91の形状については、ブレード91の長幅は切削の際に一定の長さを必要とする一方、短幅はスリーブ92の内径寸法よりも小さくする必要があるため、ブレード91は必然的に細長く形成されることとなる。このためブレード91の形状の制限から耐久強度の確保の点が問題となる。
上記特許文献3に係る先行発明4は、前記先行考案3で有していたスリーブ92を用いることなく、その代替手段として、本件図面の図10(d)に示すように、当て94を設けることで、ブレードの向きを変更しようとするものである。一方で、不使用時においてはスリーブが用いられなくなったこともあり、鋭利なブレードが左右に張り出した状態となりやすく、この結果、貫通穴への挿入時等においてブレードの向きを変更するために手指等を傷つけやすく危険性が高くなる欠点がある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、裏面側の切削加工を行うに際して、定位置での切削の安定性の確保、構成の簡素化と、ブレードの形状の制限の緩和に伴う当該ブレードの耐久強度の確保、ブレードによる手指等の傷付きの危険性の低減の全てにおいて向上させることができる、改良された切削工具の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
本発明は、柱状若しくは筒状の本体部と、該本体部と一体若しくは別体として前記本体部の下端側に設けられるブレード保持部と、該ブレード保持部で保持される一つのブレード部とを備え、前記ブレード保持部は、前記ブレード部の厚み寸法よりも広幅となる保持空間部と、該保持空間部の形成により対向する支持脚部と、該支持脚部間に架設されるブレード用軸部を備え、前記ブレード部は、前記ブレード用軸部を通す軸穴部を備え、且つ、当該ブレード部の長幅方向を水平方向とした状態で、前記本体部の中心軸を基準として相互に回転対称位置となる左右の刃部が配置される切削工具において、前記ブレード部の軸穴部の中心を通り当該ブレード部の短幅方向となる仮想線Lを基準として、前記ブレード部の左右の刃部のうち一方の刃部を有する片側を第1ブレード領域部、他方の刃部を有する片側を第2ブレード領域部とし、前記第2ブレード領域部は、切欠部又は貫穴部を有し、前記第1ブレード領域部の重量が、第2ブレード領域部の重量よりも大きいものとし、前記本体部を垂直に配置すると、当該本体部が回転していない状態では第1ブレード領域部が下方に位置し、回転状態では遠心力によって第1ブレード領域部及び第2ブレード領域部が水平に配置されることを特徴とする切削工具を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、前記第1ブレード領域部は、錘部を備えることを特徴とする切削工具を、上記課題を解決するための手段とする。
また本発明は、柱状若しくは筒状の本体部と、該本体部と一体若しくは別体として前記本体部の下端側に設けられるブレード保持部と、該ブレード保持部で保持される一つのブレード部とを備え、前記ブレード保持部は、前記ブレード部の厚み寸法よりも広幅となる保持空間部と、該保持空間部の形成により対向する支持脚部、該支持脚部間に架設されるブレード用軸部を備え、前記ブレード部は、前記ブレード用軸部を通す軸穴部を備え、且つ、当該ブレード部の長幅方向を水平方向とした状態で、前記本体部の中心軸を基準として相互に回転対称位置となる左右の刃部が配置される切削工具において、前記ブレード部の軸穴部の中心を通り当該ブレード部の短幅方向となる仮想線Lを基準として、前記ブレード部の左右の刃部のうち一方の刃部を有する片側を第1ブレード領域部、他方の刃部を有する片側を第2ブレード領域部とし、前記第1ブレード領域部は、錘部を備え、前記第1ブレード領域部の重量が、第2ブレード領域部の重量よりも大きいものとし、前記本体部を垂直に配置すると、当該本体部が回転していない状態では第1ブレード領域部が下方に位置し、回転状態では遠心力によって第1ブレード領域部及び第2ブレード領域部が水平に配置されることを特徴とする切削工具を、上記課題を解決するための手段とする。
本発明によれば、一のブレード部を備え、中心軸を基準として回転対称位置に左右の刃部が配置され、スリーブを備えない切削工具を基本構成とすることで、定位置での切削を行おうとする場合の安定性を確保し且つ構成の複雑化とブレードの形状の著しい制限を有しないものとした上で、第1ブレード領域部の重量が、第2ブレード領域部の重量よりも大きいこととしたから、本体部の下端を下方へ向けた状態においては、常に重量が相対的に大きい第1ブレード領域部が下方へ位置し、第2ブレード領域部は上方に位置することとなる。
このため、下方に配置した貫通穴へブレード部を挿入する際等において、ブレードの向きを変更するために手指等でブレードに触れる必要もなく、安全性を高めることができる。
また、その状態において貫通穴にブレードを通し、裏面側から本体部をその軸を中心として回転させると、縦向きのブレード部は遠心力によって横向きとなり、第1ブレード領域部と第2ブレード領域部がそれぞれ左右に張り出した形状が確保され、左右それぞれの刃部によって、安定した切削を行うことができる。
また、切削が終了すると、常に重量が相対的に大きい第1ブレード領域部が再び下方へ位置し、そのままブレード部を貫通穴から引き上げることが可能となる。
また本発明によれば、前記第2ブレード領域部に切欠部又は貫通穴を有することによっても、第1ブレード領域部の重量が相対的に大きい構成とすることができる。当該切欠部又は貫通穴を形成することは、容易な加工により本発明の重量バランスを実現できるとともに、製造コストの低廉化を図ることが可能である。
また本発明によれば、錘部を備えることによっても、第1ブレード領域部の重量が相対的に大きい構成とすることができる。当該構成によっても、本発明の上記作用効果を発揮することが可能となる。
また本発明によれば、上記いずれかの発明の構成を前提として、ブレード保持部における保持空間部の高さ寸法(保持溝部の深さ寸法)は、ブレード部の長幅寸法以上とし、且つ、ブレード部が縦向きの状態において、ブレード用軸部からブレード保持部の下端までの寸法がブレード部の下端までの寸法以上であることとしたから、上記いずれかの発明の作用効果を奏する上に、ブレード保持部の下端側からブレード部の端部が突出することがなくなり、より安全性を高めることができる。
本発明の実施例1に係る切削工具を示す(a)ブレード部を縦向きとした正面図、(b)右側面図である。 本発明の実施例1に係る切削工具を示す(a)図1のA-A断面図、説明図、(b)ブレード部を横向きとした正面図である。 本発明の実施例1に係る切削工具におけるブレード部の(a)拡大正面図、(b)拡大左側面図である。 本発明の実施例1に係る切削工具の下端部における(a)ブレード部を縦向きとした拡大正面図、(b)ブレード部を横向きとした拡大正面図である。 本発明の実施例2に係る切削工具を示す(a)ブレード部を縦向きとした正面図、(b)右側面図である。 本発明の実施例2に係る切削工具の下端部を示す(a)ブレード部を縦向きとした拡大正面図、(b)ブレード部を横向きとした拡大正面図である 本発明の実施例1に係る切削工具の切削過程を示す説明図であり、(a)貫通穴へ切削工具を挿入する前の状態の説明図、(b)切削工具の下端部を貫通穴へ挿通した状態の説明図、(c)ブレードを回転させた状態の説明図、(d)切削(面取りM)状態を示す説明図、(e)切削(面取りM)を終了した状態を示す説明図、(f)重量バランスによりブレード部が縦向きとなった状態を示す説明図である。 本発明の他の実施例における切削工具の切削過程を示す説明図であり、(a)切削工具の下端部を貫通穴へ挿通した状態の説明図、(b)ブレードを回転させた状態の説明図、(c)切削(ザグリZ)状態を示す説明図、(d)重量バランスによりブレード部が縦向きとなった状態を示す説明図である。 本発明の更に他の実施例に係る切削工具を示す説明であり、(a)ブレード部を縦向きとした正面図、(b)右側面図である。 従来の切削工具を示すものであり、(a)先行発明1、(b)先行考案2、(c)先行考案3、(d)先行発明4を示すものである。
以下に本発明の実施例に係る切削工具1について説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明が開示する技術的思想の範囲内において適宜、変形、設計変更等が可能な範囲に及ぶ。
本発明の実施例1に係る切削具1は、図1から図4及び図7に示すように、切削対象物Sにおける貫通穴Kの裏面のバリ取り、面取りを可能とするものであり、柱状の本体部2と、該柱状の本体部2の下端に設けられるブレード保持部20と、該ブレード保持部20に保持されるブレード部3とを備える。
本実施例においては、本体部2は鉄製の円柱部材であり、その下端には、本発明の保持空間部を構成する保持溝部20を備えている。保持溝部20は、ブレード部3の厚み寸法tよりも大きい溝幅wを有しており、保持溝部20の深さd(保持空間部2cの高さに相当)は、少なくともブレード部3の回動を許容する深さを有するものとしている。
前記保持溝部20の形成に伴って、当該本体部2の下端には、対向する二つの支持脚部21、21を有する。当該支持脚部21、21の対向する夫々の位置に当該支持脚部21、21を貫通する保持用軸穴部31を有する。これらの保持用軸穴部31に両端が保持されるようにブレード用軸部22が架設される。本実施例に係るブレード用軸部22は円柱形状を有する金属製部材である。ブレード用軸部22をブレード部3の軸穴部31を通すことによって、ブレード部3をブレード保持部2aで保持することとなる。
本実施例に係るブレード部3は、概ね六角形状を有する金属製部材である。長方形状を有するブレード本体部30の左右両端の各二つの角を夫々落とす加工を行い、当該加工部位に夫々刃部32を設けた構成である。本実施例においては、ブレード本体部3は鉄製としてある。
また、ブレード本体部30の長手方向、短手方向のいずれも中央となる中心位置に軸穴部31を設けている。当該軸穴部31は、開口形状が正円形となるいわゆる丸穴としている。
また軸穴部31は、ブレード用軸部22の外周面との摩擦抵抗により、当該ブレード部3の回動が阻害されない程度の間隙を確保した内径寸法としてある。
本実施例においては、ブレード部3におけるブレード本体部30に形成した軸穴部31の内径寸法に対して前記ブレード用軸部22の外径寸法はその7割程度の長さとしている。
そして、ブレード本体部30は、前記ブレード用軸部22を通る短幅方向仮想線Lを境界として、その左右を第1ブレード領域部30aと、第2ブレード領域部30bとに区画される。
第1ブレード領域部30aにおけるブレード本体部30には、錘取付穴36が貫通形成してあり、当該錘取付穴36に錘部34を嵌合し、併せて接着剤を用いることで固着している。
本実施例においては、ブレード部30の厚み寸法tと錘部34の厚み寸法を同一寸法としてあり、この結果、錘部34はブレード本体部30からはみ出さない形状が確保されている。
錘部34が第1ブレード領域部30aの重量を第2ブレード領域部30bよりも大とするために、錘部34の構成材料はブレード本体部の構成材料(本実施例においては上記したように鉄)よりも比重の大きい(密度の高い)ものを用いている。本実施例の錘部34においては、タングステンを用いるものとしている。
また第2ブレード領域部30bにおけるブレード本体部30には、貫穴部33を形成してある。本実施例においては、ブレード部3及び軸穴部31の形状を保持しつつ第2ブレード領域部30bの軽量化を図るため、外形を残し内部を刳り貫くように形成した貫穴部33としている。
本実施例においては、上記重量バランスを調節する手段(錘部34、貫穴部33)を除き、第1ブレード領域部30aと第2ブレード領域部30bは前記中心軸2bを基準として回転対称に構成されている。
以上の構成によって、ブレード部3を備えた本実施例に係る切削工具1は、ブレード部3及びブレード保持部2aを下端側として配置すると、第1ブレード領域部30aと第2ブレード領域部30bの重量バランスによって、第1ブレード領域部30aが下方へ位置し、第2ブレード領域部30bは上方に位置することとなる。ブレード部3は、ブレード用軸部22を中心に揺動可能な状態で保持される。
尚、本実施例においては、第1ブレード領域30aの先端部がブレード保持部2aの下端から少し突出した状態となっている。
この状態において図示されない動力源に本実施例に係る切削工具1を直接又は間接的に接続し、切削対象物Sの貫通穴K内に前記ブレード部3を通し、切削対象物Sの裏面側に当該ブレード部3を配置させる。
次に、前記図示されない動力源の動力を用いて、当該切削工具1をその中心軸2bを基準として回転させると、前記ブレード部3が遠心力によって横向きとなり、左右に刃部32、32が張り出すこととなる。この状態において本体部2を上方へ少し持ち上げると、左右の刃部32、32が貫通穴Kの縁部に当接して切削を行うことができる。
回転時には、ブレード用軸部22の外面の最上部位置とブレード部3の軸穴部31の内面の最上部位置が当接するため、ブレード部3は左右に振れることなく回転できる。
切削が完了し、動力源を停止させることで切削工具1の回転を停止させると、第1ブレード領域部30aと第2ブレード領域部30bの重量バランスによって、第1ブレード領域部30aが下方へ位置し、第2ブレード領域部30bは上方に位置することとなり、ブレード部3を縦向きとすることができる。このため、当該ブレード部3を貫通穴Kから引き上げることが可能となる。
次に本発明の実施例2に係る切削工具1について説明する。本実施例2は、保持溝部20の深さを変更したものであり、実施例1と基本構成及び多くの細部について共通する。これらの共通する構成については、上記実施例1と同様のため、上記実施例1の記載を参照するものとする。
本実施例2は、図5及び図6に示すように、保持溝部20の深さ寸法dをブレード部3の長幅寸法mよりも大きくし、且つ、ブレード部3が縦向きの状態において、ブレード用軸部22の上端位置からブレード保持部2aの下端までの寸法nがブレード部3の下端までの寸法pよりも大きくしたものである。
当該構成により、ブレード部3が縦向きの状態において、ブレード保持部2aから下方に突出することがなく、その一方で、中心軸2bを基準に回転させると、遠心力でブレード部3が横向きとなり、ブレード保持部2aの左右に刃部32、32が突出した形状とすることができる。
このため実施例1と同様の作用効果を奏する上に、切削作業中、貫通穴Kへのブレード部3の挿入時等において当該ブレード部3の端部が突出することがなく、より安全性を高めることができる。
また、本発明の他の実施例に係る切削工具1として、図8に示すように、上記実施例1、2と同様の機構を備えた上で、ブレード部3の刃部32の形状を変更することによって、ザグリ用のブレード部3等とすることも可能である。
尚、各実施例においては2つの刃部32、32及び他の2つの刃部35、35を開示しているが、請求の範囲に記載される二つの刃部とは、ブレード部3を横向きとし、中心軸2bを基準として180°回転させた場合に同一の位置に配置されるように、2つの刃部を備えていることを意図するものであり、裏面の面取り加工を行う際に2つの刃部32、32を有していればよい趣旨である。
一方で、遠心力でブレード部3が横向きとなる際に、左右のいずれが上方となるかによって上下の配置が2パターンあることから、各実施例に示すように、上下の各左右の計4箇所に刃部32、32、35、35を設けておくことが望ましい。
また、上記各実施例においてはいずれもブレード保持部2aを本体部2と一体に形成した構成としているが、本発明は当該構成に限定するものではなく、ブレード保持部2aを別部材として構成することも、本発明の構成に含む趣旨である。
また上記各実施例においては、第1ブレード領域部30aに錘部34を設け、第2ブレード領域部30bに貫穴部33を形成した構成としたが、本発明は上記実施例の構成に限定されるものではない。
例えば、第1ブレード領域部30aには錘部34や錘取付穴36を設けることなく第2ブレード領域部30bに貫穴部33のみを設けるものでもよい。また、第1ブレード領域部30aに錘部34を設け、第2ブレード領域部30bには貫穴部33を設けないものとしてもよい。
また上記実施例のように、ブレード部3に部分的に重量(比重)の異なる材料を用いる点については、タングステンの錘部34と鉄製のブレード本体部30の錘取付穴36との組み合わせに限らず、加工可能な種々の金属等を用いることが可能である。
また、錘部がブレード本体部からはみ出すことを許容する場合には、上記のように比重に差を設けることは必ずしも要するものではなく、結果として第1ブレード領域部30aが第2ブレード領域部30bよりも重くなればよい。
例えば、錘取付穴36を雌螺子穴としてこれに雄螺子を錘部34として螺合するものであってもよいし、リベットを錘部34として錘取付穴36に加締めるものであってもよい。
更に、裏面側を切削加工するための刃部35自体は前記回転対称であることを保持しつつ第1ブレード領域部30aと第2ブレード領域部30bの形状を相違させることで重量を相違するものとしてもよい。
また第1ブレード領域部30aの刃部32(35)と第2ブレード領域部30bの刃部32(35)が前記回転対称位置にあることを前提とした上で、例えば第2ブレード領域部30bに切欠部を設けることもでき、また例えば第1ブレード領域部30aの形状を重量の増加を伴うように変形させ、当該部分を錘部34として機能させることもできる。
即ち、総じていえば、刃部32、32自体は前記回転対称であることを保持し、且つ、第1ブレード領域部30aと第2ブレード領域部30bの重量を相違するものとするものであればよい。
また実施例において示した短幅方向仮想線Lは第1ブレード領域部30aと第2ブレード領域部30bの境界を示すラインであるが、本発明の第1ブレード領域部30a及び第2ブレード領域部30bの境界は、一方が左右何れかの刃部、他方がもう一方の刃部を備えている限りにおいて、上記実施例のラインに限らずブレード部3の形状に応じて設定できる。
また本発明はいずれの実施例においてもブレード保持部2aに関して、保持空間部2cは保持溝部20によって形成しているが、本発明は当該構成に限定されるものではなく、例えば、図9に示すように、保持溝部20の開口端部を閉塞した閉塞部23を設け、本体部の左右側方を貫通する保持空間部2cを形成することも可能である。
また上記実施例において本体部2は鉄製としているが、本発明はこれに限らず、アルミやステンレス等、使用に適した強度、耐久性を有する種々の材料を用いることができる。
以上のように、本発明によれば、一つのブレード部3の左右に上記の回転対称な刃部を設けた上に、当該ブレード部3の左右のブレード領域部30a、30bの重量バランスを変更させることで、重量の大きい側を下方へ向ける構造を実現する切削工具であればよい。
1 切削工具
2 本体部
2a ブレード保持部
2b 中心軸
2c 保持空間部
20 保持溝部
21 支持脚部
22 ブレード用軸部
23 閉塞部
3 ブレード部(刃体部)
30 ブレード本体部
30a 第1ブレード領域部
30b 第2ブレード領域部
31 軸穴部
32 刃部
33 貫穴部
34 錘部
35 刃部
36 錘取付穴
9 切削工具(従来)
90 本体部(従来)
91 ブレード(従来)
92 スリーブ(従来)
93 切欠(従来)
94 当て(従来)
d 保持空間部の高さ寸法(保持溝部の深さ寸法)
m ブレード部の長幅寸法
n ブレード用軸部の上端位置からブレード保持部の下端までの寸法
p ブレード用軸部の上端位置からブレード部の下端までの寸法
t ブレード部の厚み寸法
w 溝幅
K 貫通穴
L 短幅方向仮想線
M 面取り
S 切削対象物
Z ザグリ

Claims (3)

  1. 柱状若しくは筒状の本体部(2)と、該本体部と一体若しくは別体として前記本体部の下端側に設けられるブレード保持部(2a)と、該ブレード保持部で保持される一つのブレード部(3)とを備え、
    前記ブレード保持部(2a)は、前記ブレード部(3)の厚み寸法よりも広幅となる保持空間部(2c)と、該保持空間部(2c)の形成により対向する支持脚部(21、21)と、該支持脚部間に架設されるブレード用軸部(22)を備え、
    前記ブレード部(3)は、前記ブレード用軸部(22)を通す軸穴部(31)を備え、且つ、当該ブレード部(3)の長幅方向を水平方向とした状態で、前記本体部の中心軸(2b)を基準として相互に回転対称位置となる左右の刃部(32、32)が配置される切削工具において、
    前記ブレード部(3)の軸穴部(31)の中心を通り当該ブレード部(3)の短幅方向となる仮想線Lを基準として、前記ブレード部(3)の左右の刃部のうち一方の刃部を有する片側を第1ブレード領域部(30a)、他方の刃部を有する片側を第2ブレード領域部(30b)とし、
    前記第2ブレード領域部(30b)は、切欠部又は貫穴部(33)を有し、
    前記第1ブレード領域部(30a)の重量が、第2ブレード領域部(30b)の重量よりも大きいものとし、
    前記本体部(2)を垂直に配置すると、当該本体部(2)が回転していない状態では第1ブレード領域部(30a)が下方に位置し、回転状態では遠心力によって第1ブレード領域部(30a)及び第2ブレード領域部(30b)が水平に配置されることを特徴とする切削工具。
  2. 柱状若しくは筒状の本体部(2)と、該本体部と一体若しくは別体として前記本体部の下端側に設けられるブレード保持部(2a)と、該ブレード保持部で保持される一つのブレード部(3)とを備え、
    前記ブレード保持部(2a)は、前記ブレード部(3)の厚み寸法よりも広幅となる保持空間部(2c)と、該保持空間部(2c)の形成により対向する支持脚部(21、21)と、該支持脚部間に架設されるブレード用軸部(22)を備え、
    前記ブレード部(3)は、前記ブレード用軸部(22)を通す軸穴部(31)を備え、且つ、当該ブレード部(3)の長幅方向を水平方向とした状態で、前記本体部の中心軸(2b)を基準として相互に回転対称位置となる左右の刃部(32、32)が配置される切削工具において、
    前記ブレード部(3)の軸穴部(31)の中心を通り当該ブレード部(3)の短幅方向となる仮想線Lを基準として、前記ブレード部(3)の左右の刃部のうち一方の刃部を有する片側を第1ブレード領域部(30a)、他方の刃部を有する片側を第2ブレード領域部(30b)とし、
    前記第1ブレード領域部(30a)は、錘部(34)を備え、
    前記第1ブレード領域部(30a)の重量が、第2ブレード領域部(30b)の重量よりも大きいものとし、
    前記本体部(2)を垂直に配置すると、当該本体部(2)が回転していない状態では第1ブレード領域部(30a)が下方に位置し、回転状態では遠心力によって第1ブレード領域部(30a)及び第2ブレード領域部(30b)が水平に配置されることを特徴とする切削工具。
  3. 前記第1ブレード領域部(30a)は、錘部(34)を備えることを特徴とする請求項1に記載の切削工具
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