JP7288572B2 - 天びん用風防 - Google Patents

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Description

本発明は、自動で開閉する扉を有する天びん用風防に関し、特に容易に扉を取外し可能な風防に関する。
従来、自動で開閉する扉を有する風防が、秤量精度の高い電子天びんに用いられている(例えば特許文献1)。風防で秤量皿を覆うことで、精度低下の要因の一つである秤量皿周囲の空気の流動を防ぐことができ、また自動で扉を開閉させることで、秤量作業の作業性を向上させている。
特開平7-83744号
しかし、自動開閉する扉は取り外し難いという問題がある。通常、故障防止のために、扉の駆動機構は風防内部に設置されるため、これに連結されるドアは取り外しが困難であり、逆に、駆動機構が外部に露出している場合は、取り外しは可能ではあるが、外的要因により劣化しやすく、故障にもなりやすい。駆動機構は構造が複雑で、取扱いに専門の知識が必要であり、取扱いを間違えると使用できなくなる。風防で囲まれた内部は試料が飛散して汚れる場合があり、ときどき清掃が必要になるが、扉を取外し難いと清掃をすることも手間がかかってしまう。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、駆動機構を守るため、駆動機構は風防に内蔵されるものとして使用者には触れさせず、単純な構成で、自動で開閉する扉が容易に取外し可能な天びん用風防を提供する。
上記問題を解決するため、本開示のある構成では、内蔵された駆動機構により自動開閉するドアを備えた風防であって、前記駆動機構と前記ドアの間に介装され、少なくともその一部が前記風防の外部に露出する連結部材を備え、前記ドアは取外し可能に構成され、さらに前記連結部材の外部露出部分で、前記連結部材に取り外し可能に連結され、前記ドアは前記連結部材を介して前記駆動機構により開閉するものとした。駆動機構を守るため、駆動機構は内蔵のものとして使用者には触れさせず、駆動機構とドアの間に連結部材を介装し、この連結部材の一部を風防の外部に露出させ、外部に露出しない部分で駆動機構と連結させ、露出する部分でドアと連結させることで、ドアの取り外しを容易にした。内蔵された駆動機構は外部に露出しないため、使用者が駆動機構に触れることはなく、ドア取付け/取外しによる故障の心配もない。
またある態様では、前記ドアは、少なくとも一方の端部が解放されたレールに支持され、前記駆動機構により駆動されて前記レールに沿ってスライドすることにより開閉するよう構成した。レールの少なくとも一方の端部が解放されているため、連結部材とドアの連結を解くことで、レール端部まで移動させて取り外すことができる。
またある態様では、前記駆動機構は前記ドアと平行に配置されたエアシリンダであり、前記連結部材は、前記エアシリンダのピストンロッドに連結され、さらに前記風防から外部に露出する部分で前記ドアと取外し可能に連結されるよう構成した。駆動機構にエアシリンダを使用しているため、ピストンロッドがドア開閉に合わせて動く構造となる。駆動機構に他の構造、例えばモータが使用されると、モータ自身は動かず、プーリー等を使用してタイミングベルト等により間接的にドアを移動させる。さらに例えモータが外部露出しても動力仲介部材としてのベルトは容易には取外しできず、一度外すと再度つけることにも困難がある。ラックアンドピニオンを用いても同様である。さらに動力仲介部材は通常ゴム材であるため、露出すると紫外線や酸化により劣化が著しい。エアシリンダは、エアシリンダ自身(ピストンロッド)が移動して連結されたドアを直接駆動させることができるため、動力仲介部材が不要である。このため、エアシリンダとドアの間に連結部材を介装させるだけで、容易に駆動機構とドアと連結/連結解除させることができる。
またある態様では、前記ドアは少なくとも一方の端部が解放されたガイド孔に懸吊支持され、前記連結部材は、その一部が前記ガイド孔に挿通した状態で配置され、前記ガイド孔に挿通した部分で内蔵された前記駆動機構に連結され、前記ガイド孔に挿通しない部分で前記ドアに連結されるよう構成した。ガイド孔は、挿通すると内部、挿通しない部分では外部に露出することになる。ドアをガイド孔から懸吊支持し、連結部材を、その一部をガイド孔に挿通した状態で配置する構成とすることで、連結部材をこの孔を通して外部に露出させることができる。
上記構成によれば、単純な構成で、自動で開閉する扉が取外し可能な天びん用風防を提供できる。
実施形態に係る風防付き電子天びんの部分破断斜視図である。 風防の右側面図である。 図2のIII-III線に沿った端面図である。 風防の背面図である。 ドアの開閉機構を説明するための説明図であり、図4のV-V線で、一部を破断した部分断面斜視図である。 実施形態に係るドア開閉機構のブロック図である。 実施形態に係るドア開閉機構の動作表である。 実施形態に係るドア開閉動作のフローチャートである。 風防の分解斜視図である。 正面ガラスの接続機構を示す説明図である。 ドアの接続機構を示す説明図である。
(風防付き電子天びんの構成)
以下、本開示の構成に係る好ましい実施形態を図面に従って説明する。図1は、実施形態に係る風防付き電子天びん1の部分破断斜視図である。
図1に示すように、風防付き電子天びん1は、電子天びん30と、風防10とを備える。天びん本体30は、その上面に試料を載置するための秤量皿31を備える。風防10は、秤量皿31の周囲を囲うように天びん30の上面に配置され、秤量皿31の周囲の空気の流動、たとえばエアコンの風、秤量時の人の息、人が歩くときに発生する空気の流れなど、秤量皿31を中心とした荷重負荷部分に風圧として作用して、計量に影響を与えるのを防ぐ。
風防10は電子天びん30に着脱可能に備えられており、着脱機構には従来周知に構成、例えば特開2008-216047号公開の構成が使用されているが、これに限らず、また風防10と電子天びん30とが分離不可に一体化して構成されていても構わない。
風防10は無底箱型で、前面に正面ガラス12、背部に箱型のケース18、左右の側壁の一部にドア11、上面に上面ドア13を有し、これらによって区画された空間として、内部に直方体形状の秤量室Sが形成される。
ドア11は風防10の下部の枠部材である下部フレーム14に設けられたレール14aに沿って、上面ドア13は風防10の上部の左右辺にあるシリンダボックス20に設けられたレール20aに沿って、それぞれ前後方向に移動可能となっている。
正面ガラス12、上面ドア13、及び左右のドア11は、内部の状態が観察可能なように透明なガラス又は樹脂で構成されている。上面ドア13およびドア11には、それぞれスライドを補助する取手が取り付けられている。上面ドア13は手動にて開閉可能であり、左右側面のドア11は、自動及び手動にて開閉可能に構成されている。
コントロールパネル35は、天びん本体30及び風防10を操作するためのものであり、天びん本体30および風防10とは別体で設けられている。これは、スイッチを押すなど操作の振動が秤量に影響を与えることを防ぐためである。別体であるため、ユーザーは操作し易い位置に自由に配置することができる。信号送受信のための無線通信機能を備えるが、有線にて情報を送受信しても構わない。
コントロールパネル35は、その上面に、秤量結果や状態を表示する表示部38、操作用のスイッチ37、赤外線センサ36を備える。赤外線センサ36は、ドア11の開閉スイッチであり、上部に手をかざすだけでドア11を自動で開閉させることができる。赤外線センサ36の代わりに押圧スイッチを設けても良く、また押圧スイッチと赤外線センサ36の両方を備えるよう構成しても好ましい。赤外線センサ36に、ドア11開閉機能以外の天びん操作機能を割り当てても良い。赤外線センサ36を左右二つ設け、それぞれが対応するドア11を開閉させるように構成してもよい。
略直方体形状である風防10の左右の上辺を構成するように、上部フレーム17が設けられており、上部フレーム17に長手方向を合わせてシリンダボックス20が係合している。シリンダボックス20は、中空の筐体であり、内部にはドア11を開閉させる駆動手段であるエアシリンダ40が納められている。
エアシリンダ40は複動型であり、内部のピストンの往復運動は、往きと帰りの両方がエア圧力によってなされるため、エアシリンダ40内にエアを送るポートは二箇所に設けられている。エアシリンダ40の前方側には送られたエアによりピストンを後方へと進ませるための後進側ポート46が、後方側にはピストンを前方へと送るための前進側ポート44が、それぞれ設けられている。これらポート44,46には図示しないエアチューブが接続され、ケース18内へと繋がっている。
ケース18内部には、エアシリンダ40の駆動源であるポンプやエアの流止を制御する電磁弁、およびこれらを制御する制御部34などが納められている。
(ドアの構造)
まずはドア11の自動開閉機構、およびその構造について説明する。図2は風防10の右側面図、図3は図2中のIII-III線に沿った端面図、図4は風防10の背面図である。図5はドア11の形状や構成を説明するための説明図であり、ドア11、シリンダボックス20、上部フレーム17のみを示し、シリンダボックス20及び上部フレーム17を図4のV-V線に沿って切断した部分断面斜視図である。
図2に示すように、ドア11の上部前端の角部には、連結部材90が配置されている。連結部材90は第1係止部材91を有し、ドア11は、第1係止部材91によって連結部材90に着脱自在に連結されている。ドア11と連結部材90が連結された状態では、両者は一体となって移動する。連結部材90の上部はシリンダボックス20内でドア11の駆動手段であるエアシリンダ40と連結されており、ドア11は連結部材90を介してエアシリンダ40と接続され、エアシリンダ40の駆動により開閉する。まずはドア11の構造および自動開閉機構について、ドア11と連結部材90とが連結された状態であり一体となって移動するものとして説明し、連結部材90の着脱機構については後述する。
図3に示すように、シリンダボックス20の内壁にはエアシリンダ40の形状に合わせて凹部が形成されており、ここにエアシリンダ40が係合して固定される。またシリンダボックス20は上部にカバー20eを備え、カバー20eを押さえとしてレール20aを形成している。
図4および図5に示すように、一対の上部フレーム17は、一方向に長い略直方体部材で、ケース18の上部の左右の縁部に設けられた凹部18aに沿って配置され、風防10の上部の枠部材を構成する。シリンダボックス20は背面視して逆L字型を押し出した外形を有し、上辺部分が上部フレーム17の上面に載置され、内側面が上部フレーム17の側面に当接して、逆L字の直角部分が上部フレーム17の角部に係合し、上部フレーム17と長手方向を合わせて固定されている。
シリンダボックス20は底面を有さず(図3参照)、ドア11の上部がシリンダボックス20内部に入り込んで配置されている。シリンダボックス外側面20bの下端部には内側に向けて内フランジ部20cが長手方向の全長にわたって形成されている。また、上部フレーム17の外側面17bの下部には、内フランジ部20cに対向して長手方向(前後方向)の全長にわたって伸びる凸部17cが形成されている。
ドア11は全体の外縁部に備えられるホルダー16に保持される。ホルダー16の上部の前後二箇所には、ドア11のスライド方向(前後方向)に直交して、ドア11の厚み方向(左右方向)に突き出た保持部5が形成されている。ドア11の上部が内フランジ部20cと凸部17cとの間に形成されたスリット(以下、ガイド孔20dと呼ぶ)に入り込み、ホルダー16の保持部5が、内フランジ部20cと凸部17cとに係合し、ドア11を懸吊保持している。これにより、ドア11は下部フレーム14上面やこれに形成されたレール14a上面からは離間して配置され、ガイド孔20dに沿ってスライド可能に保持される。従来の摺動タイプのドア構成では、レール14aにゴミや砂等が侵入すると、ドア11開閉時の摺動抵抗が大きくなって開閉が困難になる問題があるが、ドア11自体を上部から吊るすことでこれを防止している。
内フランジ部20cと凸部17cは、正対せずに上下方向に僅かにオフセットされて形成されており、内側である凸部17cの方が内フランジ部20cよりも僅かに高い位置にある。これは、保持部5がドア11の上部から左右同じ高さに突き出して、ドア11が左右どちらにも振れ易い状態にするよりも、僅かに内側を高くしてドア11を内側に傾けさせて、ドア11の下部をレール14a側面に当接させて、ドア11の姿勢を安定して保持するためである。このように構成することで、ドア11が移動しても振れることがなく、ドア11の開閉の際にも、同じ姿勢を維持した状態で移動させることができ、不用意なドア11の摺動を防止することができる。
ドア11の保持部5は、内フランジ部20cと凸部17cの形状や配置に合わせて形成されており、外側配置された内フランジ部20c側に向かって突出して形成される第1係合部16b、内側配置された凸部17c側に向かって突出して形成される第2係合部16c、さらに第2係合部16cの下方にオフセットされて形成される第3係合部16dからなる。
第3係合部16dは、第2係合部16cと併せて凸部17cを挟むように形成されるが、第3係合部16dは、凸部17c底面とは離間するよう隙を持たせて形成されている。
本実施形態においては、ドア11の懸吊支持形態をこのように構成したが、平板に形成されたスリットにT字に形成された保持部5が係合する形態を用いても構わない。
図5に示すように、ドア11の前端上部に配置された連結部材90にも、保持部5が形成されており、連結部材90もドア11と同様にガイド孔20dにスライド可能に懸吊支持される。連結部材90の上部には、ホルダー16の上面よりも上方に突出した駆動機構結合部90aが形成されており、さらに駆動機構結合部90aの中央にはドア11のスライド方向に沿った結合孔90bが形成されている。エアシリンダ40内のピストンから延在するピストンロッド40aの先端が、この結合孔90bに嵌合して固定されている。ピストン(ピストンロッド40a)が連結部材90を介してドア11と接続され、ピストンがエアにより前後に移動することで、連結部材90及びこれに連結されたドア11が、ガイド孔20dに沿ってスライドする。このようにして、ドア11はエアシリンダ40を駆動手段として開閉する。
ホルダー16が内フランジ部20cと係合した状態においても、エアシリンダ40はホルダー16の上面とは接触せず、ホルダー16とは離間して固定されているため(図3参照)、エアシリンダ40はドア11の動きを邪魔しない。また、駆動機構結合部90aはホルダー16上面よりも上方に突出しているが、駆動機構結合部90aはピストンロッド40aの先端に固定されているため、エアシリンダ40下方に入り込むことはなく、またシリンダボックス20内の駆動機構結合部90aの経路も確保されているため、シリンダボックス20と駆動機構結合部90aが干渉することはない。
ドア11の駆動手段であるエアシリンダ40は、ドア11のほぼ真上に、ドア11のスライド方向と平行に配置されている。連結部材90はホルダー16と一体化しており、さらに連結部材90はエアシリンダ40に連結されている。モータではなく、エアシリンダ40が駆動手段を使用することで、プーリーやゴムベルト等を介さずに直接ドア11を移動させることができる。このため、力の伝達率がよく、僅かな力でドア11を開閉させることができ、ドア11をスムーズに開閉させることができる。
(ブロック図)
ドア11の自動開閉機構について詳しく説明する。図6は風防付き電子天びん1のドア11の開閉機構60を示すブロック図である。開閉機構60はドア11を開閉させるための機構であり、左右のドア11はそれぞれ開閉機構60を備え、接続された開閉機構60により独立して制御される。本実施形態では、エアシリンダ40の内部のピストン(さらにはピストンから延在するピストンロッド40a)を前方へ移動(前進)させるポンプと後方へ移動(後進)させるためのポンプは、別々に存在する。
開閉機構60は、第1加圧ポンプ62A、第2加圧ポンプ62B、第1圧力センサ64A、第2圧力センサ64B、第1一方電磁弁66A、第2一方電磁弁66B、およびエアシリンダ40を備える。エアシリンダ40はピストンロッド40aを介してドア11に接続される。
第1加圧ポンプ62A,第2加圧ポンプ62Bは、共にエアポンプである。エアシリンダ40の駆動源であり、エアを圧縮してエアシリンダ40に送り、エア圧力によりピストンを動かしてドア11を移動させる。
第1一方電磁弁66A,第2一方電磁弁66Bは、弁の出口側は大気に開放されており、弁の開閉によりエアの流止を制御する。
第1圧力センサ64Aは第1加圧ポンプ62Aから吐出されたエアの圧力を、第2圧力センサ64Bは、第2加圧ポンプ62Bから吐出されたエアの圧力を、それぞれ監視する。二つの圧力センサ64A,64Bはそれぞれエアシリンダ40に接続されているため、換言すれば圧力センサ64A,64Bは、エアシリンダ40に供給されるエアの圧力、エアシリンダ40内のエアの圧力を監視している。
エアシリンダ40の後方に設けられた前進側ポート44には、第1加圧ポンプ62Aが接続されている。途中分岐があり、さらに第1圧力センサ64Aと第1一方電磁弁66Aが接続されている。エアシリンダ40の前方に設けられた後進側ポート46には、第2加圧ポンプ62Bが接続されている。途中分岐があり、こちらには第2圧力センサ64Bと第2一方電磁弁66Bが接続されている。
開閉機構60の各要素は、ケース18内部に配置された制御部34により動作を制御される。
(ドア開閉時の動作)
次にドア11自動開閉時における各構成要素の動作を説明する。図7は、開閉機構60の動作表である。
まず、使用者が手動でドア11を開閉可能な「標準状態」では、第1加圧ポンプ62A、第2加圧ポンプ62B共に作動せず、第1一方電磁弁66Aおよび第2一方電磁弁66Bは、開かれている。両加圧ポンプ(62A,62B)が動作せず、両一方電磁弁(66A,66B)が開いて大気と連通しているため、全くエアシリンダ40からの負荷はなく、ドア11を手動でスムーズに開閉させることが出来る。
コントロールパネル35の赤外線センサ36より、「ドアを開ける/閉じる」の命令が入力されると、制御部34は各要素に動作を命令する。
ドア11を開ける「自動開操作」の場合、即ち、エアシリンダ40のピストンを後方へ移動させる場合、第2一方電磁弁66Bは閉じられ、第2加圧ポンプ62Bの加圧が開始される。このとき、第1加圧ポンプ62Aは作動せず、第1一方電磁弁66Aは開かれているため、エア圧力によりピストンは後方へ移動し、ドア11が開かれる。
ドア11が開ききると、エア圧力が急激に上昇するため、この変化を第2圧力センサ64Bが検知すると、第2加圧ポンプ62Bは停止させられ、第2一方電磁弁66Bが開かれ、エアシリンダ内の圧縮されたエアが大気に開放され、標準状態に戻る。
ドア11を閉じる「自動閉操作」の場合、即ち、エアシリンダ40内のピストンを前方へ移動させる場合、第1一方電磁弁66Aは閉じられ、第1加圧ポンプ62Aの加圧が開始される。このとき、第2加圧ポンプ62Bは動作せず、第2一方電磁弁66Bは開かれているため、エア圧力によりピストンは前方へ移動し、ドア11が閉じられる。
ドア11が閉じきると、やはりエア圧力が急激に上昇するため、この変化を第1圧力センサ64Aが検知すると、第1加圧ポンプ62Aは停止させられ、第1一方電磁弁66Aが開かれ、エアシリンダ内の圧縮されたエアが大気に開放され、標準状態に戻る。
また、校正を行う場合、第1一方電磁弁66A,第2一方電磁弁66Bは閉じられる。両方の一方電磁弁(66A,66B)が閉じられており、エアシリンダ40内のピストンは前後のどちらにも移動することができず、ドア11はロックされる。これは校正作業中に扉が不用意に開かれて校正に影響を及ぼすことを防ぐためである。校正が終了すると、第1一方電磁弁66Aと第2一方電磁弁66Bが開かれ、標準状態に戻る。
このように校正作業時には自動でドア11がロックされる。スイッチ37からの命令でドア11がロックされるように構成してもよい。校正時に限らず、運搬時にも、ドア11をロックすることができる。
一方の加圧ポンプが可動時にはもう一方の加圧ポンプは可動せず、一方の電磁弁のみ閉じられ、もう一方の電磁弁は開いて大気と連通している。可動していたポンプが停止すると、閉じていた電磁弁は開いて大気に連通する。即ち、加圧ポンプが停止した際には、全一方電磁弁が開かれて大気に連通するように構成されている。ドア11が自動で開閉された後には、エアは大気に開放され、ドア11にかかる負荷が無くなり、ドア11を手動でスムーズに移動させることが可能となる。ドア11は自動開閉可能でありながら、自動開閉された後には、特別な操作なしに即座に手動開閉が可能となる。
(フローチャート)
次に、ドア11開閉動作の流れを、図8のフローチャートを用いて説明する。
ステップS101で、ドア11開閉のスイッチであるコントロールパネル35の赤外線センサ36から、ドア11開閉の命令信号が入力される。信号が入力されない場合は、入力されるまで待機する。
命令が入力されると、ステップS102に移行し、ドア位置が閉位置であるか開位置であるかが確認される。本実施形態では、制御部34は、直前のドア11の開閉動作を記憶しており、その内容によって判断する。
まずドア11が閉位置にあった場合(ステップS103~ステップS108)について説明する。
ステップS103に移行し、閉位置にあるドア11を開けるため、ドア11の「自動開操作」が実施される。具体的には、第2一方電磁弁66Bが閉じられ、第2加圧ポンプ62Bの動作が開始される。この時、第1一方電磁弁66Aは開かれたままで、第1加圧ポンプ62Aは作動しない(図6、図7参照)。
次にステップS104に移動し、ドア11が移動を開始したかが確認される。ドア11が移動を始めるとエア圧力が急激に降下するため、第2圧力センサ64Bの値が所定時間内、例えば1秒以内に急激に降下することで、ドア11が開動作を開始したと判断される。所定時間内にドア11の移動開始がなされない場合には、制御部34は「ドア11は既に開いている」と判断し、ステップS109に移行し、今度は「自動閉操作」を開始する(後述)。あるいは、第2圧力センサ64Bの値が所定の値を超えたことで、ドアが移動を開始していないと判断するよう構成してもよい。ドア11の直前の位置は記憶されているが、本実施形態では手動による開閉も可能であり、使用者によりドア11の位置が移動している場合がある。そのような場合やドア11位置の誤判断がこのステップS104により担保される。
ドア11の移動が開始されると、ステップS105に移行し、ドア11の開動作が終了したかが確認される。ドア11の移動が完了すると、エア圧力が再び上昇するため、第2圧力センサ64Bの値が所定時間内に再び上昇することで、ドア11の開動作が終了したと判断される。所定時間内に第2圧力センサ64Bの値が上昇しない場合は、エア漏れや故障が疑われるため、エラー処理を行うために、ステップS106に移行する。
ステップS106では、エラー処理として、警告音が発され、表示部38にエラーが表示され、第2加圧ポンプ62Bの動作が停止され、第2一方電磁弁66Bが開かれ、緊急停止する。
エア圧力上昇によりドア11の開動作の完了が確認された場合には、ステップS107に移行し、第2加圧ポンプ62Bの動作が停止され、第2一方電磁弁66Bが開かれ、自動操作が正常に終了する。
最後にステップS108に移動し、標準状態となり手動での開閉が可能となる。
次に、ステップS102でドア11が開位置にあった場合(S109~S113)を説明する。
ステップS109に移行し、開位置にあるドア11を閉めるため、ドア11の「自動閉操作」が実施される。具体的には、第1一方電磁弁66Aが閉じられ、第1加圧ポンプ62Aの動作が開始される。この時、第2一方電磁弁66Bは開かれたままで、第2加圧ポンプ62Bは作動しない(図6、図7参照)。
次にステップS110に移行し、ドア11が移動を開始したかが確認される。ステップS104同様、第1圧力センサ64Aの値が所定時間内に急激に降下することで、ドア11が閉動作を開始したと判断される。所定時間内にドア11の移動が開始されない場合には、制御部34は「ドア11は既に閉じている」と判断し、ステップS103に移行し、今度は「自動開操作」を開始する。このステップS110も、ステップS104同様、手動開閉によるドア11位置の移動などの場合や誤判断の担保である。
ドア11の移動が開始されると、ステップS111に移行し、ドア11の閉動作が終了したかが確認される。ドア11の移動の完了は、第1圧力センサ64Aが所定時間内に第1圧力センサ64Aの値が再び上昇することで判断される。所定時間内に第1圧力センサ64Aの値が上昇しない場合は、やはりエラー処理を行うため、ステップS112に移行する。所定時間内に第1圧力センサ64Aの値の上昇によりドア閉動作の完了が確認された場合には、ステップS113に移行する。
ステップS112では、エラー処理として、警告音が発され、表示部38にエラーが表示され、第1加圧ポンプ62Aの動作が停止され、第1一方電磁弁66Aが開かれ、緊急停止する。
所定時間内に第1圧力センサ64Aの値の上昇が確認された場合には、ステップS113に移行し、第1加圧ポンプ62Aの動作が停止され、第1一方電磁弁66Aが開かれる。
最後にステップS108に移動し、標準状態となり手動での開閉が可能となる。
ステップS111及びステップS105は、指挟み防止などの安全機能の意味も兼ねている。ドア11が自動で閉じられようとしているとき、あるいは開かれようとしているときに、作業者が指をドア11に挟んでしまった場合、あるいは試料等をドア11に挟んでしまった場合や、ドア11移動に不都合があり移動を強引に止めた場合にも、エア圧力が上昇するため、これを第1圧力センサ64A(または第2圧力センサ64B)が検知して、直ちにドア11の動作が停止となり、両一方電磁弁(66A,66B)が大気に連通され、ドア11の負荷が消え安全が確保される。
(着脱機構)
次に、このように構成された風防10のドアの着脱機構について説明する。図9は風防10の分解斜視図である。図9に示すように、風防10に備えられた正面ガラス12、左右のドア11、上面ドア13は、全て取外し可能に構成されている。
図10は正面ガラス12が風防10から取外された状態を示す。正面ガラス12の上部左右の角には、被係止部材93が設けられている。被係止部材93は正面ガラス12を前後から挟持して強固に固定されており、正面ガラス12から脱落することはない。
シリンダボックス20の側面前方には、正面ガラス12を係止するために設けられた第2係止部材95が、シリンダボックス20の側面前方に形成された凹部内に配置されている。第2係止部材95の前端部である係止部95bは、シリンダボックス20の前面から突出した状態となっている。
第2係止部材95は、前端側を作用点、後端側を力点とした平板状のクリップ構造体であって、長手方向(前後方向)中央で鉛直方向に伸びる軸95aにより回動可能に支持され、図示しない弾性部材により、前端部である係止部95bが内方向に向かって付勢されている。
係止部95bは前方に向かって薄くなるように内側が面取りされている。さらに係止部95b内側には嵌合凹部95cが形成されている。
被係止部材93の側面には、第2係止部材95の配置位置に合わせて案内溝93aが設けられており、案内溝93a底面には嵌合凹部95cに係合する嵌合凸部93bが形成されている。
正面ガラス12を取付けの際は、まず正面ガラス12の底面を下部フレーム14の前方縁部に形成された溝14b(図9、図10参照)に嵌め込み、上部をシリンダボックス20に向けて押しつけるだけで、第2係止部材95(詳しくは突出している係止部95b)は案内溝93aに案内され、内側の嵌合凹部95cが嵌合凸部93bに嵌合して、正面ガラス12を固定する。
嵌合凸部93bは、第2係止部材95がスムーズに案内されるように端部から続く傾斜面を有し、また第2係止部材95の前端部である係止部95bも内側が面取りされており、両者に案内されてスムーズに、かつワンタッチで簡単に正面ガラス12を係止できるように構成されている。
また被係止部材93の背面に設けられた突起93cも、シリンダボックス20前面に設けられた窪み20g(図9参照)に係合し、正面ガラス12の位置決めを助ける。
正面ガラス12を取り外す際には、前端部である係止部95bとは逆の、後端部である端部95dを押すことで、係止部95bが外れて嵌合が解かれる。
第2係止部材95は図示しない弾性部材により付勢されているため、正面ガラス12の係止は強固であり、風防10使用時に誤って嵌合が解かれ正面ガラス12が脱落する心配がない。正面ガラス12は溝14bに嵌り、上部の左右に箇所を第2係止部材95で係止されており、作業者は風防10と正対して、左右の第2係止部材95を両手で押さえてそのまま正面ガラス12を前方に傾けるだけで、正面ガラス12を取り外すことができる。端部95dの表面には僅かに浮き出た目印95eが設けられており、作業者が手探りでも簡単に端部95dを探り当て、端部95dを押さえて正面ガラス12を取り外すことができ、作業性がよい。溝14bに正面ガラス12は嵌っているため、取外し作業中に誤って正面ガラス12が脱落する心配がない。
図9に示すように、正面ガラス12を取り外すことで、上面ドア13が前方へスライドさせることで取外しできるようになる。通常使用時における脱落防止のために、上面ドア13の移動を案内するレール20aの後端側には止めが設けられており、開放されていない。レール20aの前端側は解放されているが、通常使用時には正面ガラス12が配置され、スライドした上面ドア13は正面ガラス12に当接するため脱落することはない。
次に、ドア11の着脱機構について説明する。図11はドア11と連結部材90の連結状態を示し、(A)がドア11と連結部材90との連結が解かれた状態、(B)がドア11と連結部材90とが連結された状態を示す。連結状態を明確とするため、シリンダボックス20については、その外形のみを破線で示している。
図11(A)に示すように、ドア11を保持するホルダー16の上部前方の角部には、被連結部16eが設けられている。被連結部16eは、ドア11の角部11aを露出させるように形成されている。即ち、ホルダー16が、前側縁部においては、ドア11の上端まで伸びずに上端手前で後方へ伸びて、さらに再び上方へ向かって上端まで伸びて上縁部と接続されることで、ドア11の上部前方の角部11aを避けるように被連結部16eが形成されている。被連結部16eの表面には、嵌合凸部16fが形成されている。
連結部材90に備えられた第1係止部材91は、第2係止部材95と同等の構成を有し、第2係止部材95とは逆向きに取付けられている。即ち、同構成のクリップ構造体であり、前端部が力点となる端部91d、後端部が作用点となる係止部91bとなっている。第2係止部材95と同様、軸91aにより回動可能に支持され、図示しない弾性部材により係止部91bは内側に向かって付勢されている。係止部91bには内側には、嵌合凸部16fに嵌合する嵌合凹部91cが形成されている。
図11(A)の状態から、ドア11を前方へスライドさせると、ホルダー16に覆われずに露出する角部11aが、連結部材90の後方側面に形成されたスリット90cに入り込み、被連結部16eの嵌合凸部16fが、勘合凹部91cに嵌合して、ドア11が連結部材90に連結される。これによりドア11は連結部材90と一体化して、連結部材90に連結されたピストンロッド40aに駆動されて移動するようになる。
ドア11を取外しの際は、正面ガラス12と同様、第2係止部材95の目印91eのある端部91dを押すだけで嵌合を解いて、ドア11と連結部材90との連結を解消する。ガイド孔20dは後方端部が解放されているため、この状態でドア11を後方にスライドさせることで、ドア11を風防10から取り外すことができる。
第2係止部材95と同様に、取付けの際は、ドア11を前方にスライドさせるだけで、係止部91bが嵌合凸部16fを乗り越え、図示しない弾性体による付勢によって自然に係合するため、ワンタッチでドア11を取付け可能で、取り外しも容易である。
前述の通り、ガイド孔20dに駆動機構結合部90aが挿通して、シリンダボックス20内に入り込んだ状態で、連結部材90は配置されている。駆動機構結合部90aにはピストンロッド40aの先端が固定されており、これによりドア11は連結部材90を介してエアシリンダ40と連結して自動で開閉する。
駆動機構結合部90aは保持部5を備え、連結部材90をガイド孔20dにスライド可能に懸吊支持しているが、駆動機構結合部90aから下はガイド孔20dから風防の外部に露出する。連結部材90は、この露出部分にある第1係止部材91で、ドア11と連結している。
従来、故障防止に風防ドアの駆動機構は内蔵されるため、この駆動機構に連結されるドアは、取り外しが困難であった。本実施形態では、駆動機構であるエアシリンダ40はシリンダボックス20内に配置され、作業者には触れられないようにして故障を防止し、エアシリンダ40(ピストンロッド40a)に連結される連結部材90の一部を外部に露出して、露出部分でドア11と連結させることで、エアシリンダ40とドア11との連結/連結解除を容易にした。
ドア11はガイド孔20dに懸吊支持され、これに沿って移動するスライド機構であり、連結部材90との連結を解除すると、後方端部が開放されたガイド孔20dにより、簡単に取り外すことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及を述べたが、当業者の知識に基づいて変形ささせることも可能であり、そのような形態は本発明の範囲に含まれる。
1 風防付き天びん
10 風防
11 ドア
16 ホルダー
20d ガイド孔
40 エアシリンダ
90 連結部材
90a 駆動機構結合部90a
91 第1係止部材

Claims (4)

  1. 内蔵された駆動機構により自動開閉するドアを備えた風防であって、
    前記駆動機構と前記ドアの間に介装され、少なくともその一部が前記風防の外部に露出する連結部材を備え、
    前記ドアは取外し可能に構成され、さらに前記連結部材の外部露出部分で、前記連結部材に取り外し可能に連結され、前記ドアは前記連結部材を介して前記駆動機構により開閉する、
    ことを特徴とする天びん用風防。
  2. 前記ドアは、少なくとも一方の端部が解放されたレールに支持され、前記駆動機構により駆動されて前記レールに沿ってスライドすることにより開閉する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の天びん用風防。
  3. 前記駆動機構は前記ドアの開閉方向と平行に配置されたエアシリンダであり、
    前記連結部材は前記エアシリンダのピストンロッドに連結され、さらに前記風防から外部に露出する部分で前記ドアと取外し可能に連結される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の天びん用風防。
  4. 前記ドアは少なくとも一方の端部が解放されたガイド孔に懸吊支持され、
    前記連結部材は、その一部が前記ガイド孔に挿通した状態で配置され、前記ガイド孔に挿通した部分で内蔵された前記駆動機構に連結され、前記ガイド孔に挿通しない部分で前記ドアに連結される、
    ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかの請求項に記載の天びん用風防。
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