JP7288550B2 - 超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置用プロセッサ - Google Patents

超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置用プロセッサ Download PDF

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Description

本発明は、被検体の膀胱内の尿量を計測する超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置用プロセッサに関する。
従来から、超音波診断装置を用いて被検体の膀胱を観察し、観察された膀胱内の尿量を計測することが行われている。一般的に、被検体の膀胱内の尿量は、被検体の膀胱の体積に概ね等しいため、尿量として、被検体の膀胱の体積が計測される。このような尿量計測を容易に行うために、例えば、特許文献1の超音波診断装置が開発されている。特許文献1の超音波診断装置は、ユーザが被検体の膀胱を含む複数フレームの超音波画像を取得した状態で、超音波診断装置に備えられているトリガボタンを押すと、ユーザにより取得された複数フレームの超音波画像に基づいて、尿量計測に適切と判断されるフレームの超音波画像を自動的に選択し、選択されたフレームの超音波画像に基づいて尿量を計測する。
特開2017-109074号公報
ところで、ユーザが被検体の体表面上に超音波プローブを接着させながら被検体の膀胱の走査を行う際に、走査の途中で超音波プローブが被検体の体表面から離れてしまうこと等により、膀胱領域が正常に写っていないフレームの超音波画像が生成されて、尿量計測に適したフレームの超音波画像が生成されず、超音波ビームの走査に失敗してしまう場合がある。特許文献1に開示される超音波診断装置では、ユーザが超音波ビームの走査に失敗してしまった場合でも、尿量計測に使用されるフレームの超音波画像が自動的に選択されるため、尿量計測に適さないフレームの超音波画像に基づいて尿量計測が行われ、その結果、尿量計測の精度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、尿量計測の精度を向上することができる超音波診断装置、超音波診断装置の制御方法および超音波診断装置用プロセッサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、超音波プローブを用いて被検体に対する超音波ビームの走査を行うことにより取得された複数フレームの超音波画像を保持する画像メモリと、複数フレームの超音波画像のそれぞれから膀胱領域を抽出する膀胱抽出部と、複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して膀胱抽出部により抽出された膀胱領域に関する特徴量を算出する特徴量算出部と、複数フレームの超音波画像のそれぞれについて被検体に対する超音波ビームの走査が失敗した失敗フレームであるか否かを判定する失敗フレーム判定部と、特徴量算出部により算出された特徴量の時系列的な変化と失敗フレーム判定部により失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かを判定する再走査判定部と、再走査判定部により超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨する再走査推奨部と、再走査判定部により超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、特徴量算出部により算出された特徴量に基づいて複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択する計測フレーム選択部と、計測フレーム選択部により選択された計測フレームの超音波画像を解析することにより尿量を計測する尿量計測部とを備えることを特徴とする。
超音波診断装置は、ユーザが入力操作を行うための入力装置と、再走査推奨部により超音波ビームの再走査が推奨された場合に、ユーザによる入力装置を介した入力操作に従って、超音波ビームの再走査を実行するか否かの選択を受け付ける再走査実行受付部とをさらに備え、この場合に、計測フレーム選択部は、再走査判定部により超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合、または、再走査実行受付部により超音波ビームの再走査を実行しない選択が受け付けられた場合に、特徴量算出部により算出された特徴量に基づいて複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択することができる。
失敗フレーム判定部は、超音波画像に対して画像解析を行うことにより、超音波画像の深さ方向の輝度プロファイルに基づいて、被検体に超音波プローブが接着していない失敗領域が超音波画像中に確認された場合に、失敗フレームであると判定することができる。
もしくは、失敗フレーム判定部は、超音波画像に対して画像解析を行うことにより、超音波画像における膀胱領域のエッジ明瞭度に基づいて、被検体への超音波プローブの押し込みが不足している失敗領域が超音波画像中に確認された場合に、失敗フレームであると判定することもできる。
再走査判定部は、失敗フレーム判定部により、失敗領域が超音波画像中に確認されても、膀胱抽出部により抽出された膀胱領域が失敗領域に重ならない場合には、超音波ビームの再走査が不要であると判定することができる。
超音波診断装置は、超音波プローブと、超音波プローブに取り付けられ且つ被検体に対する超音波プローブの接触圧を検出する圧力センサとをさらに備えることもでき、この際に、失敗フレーム判定部は、圧力センサにより検出された超音波プローブの接触圧に基づいて、失敗フレームであるか否かを判定することができる。
失敗フレーム判定部は、超音波プローブのうち、被検体に接着していない部分、または、被検体への押し込み不足となっている部分をユーザに通知することができる。
超音波診断装置は、失敗フレーム判定部により失敗フレームであると判定された場合に、ユーザに対して警告を発する警告部をさらに備えることができる。
本発明に係る超音波診断装置の制御方法は、超音波プローブを用いて被検体に対する超音波ビームの走査を行うことにより取得された複数フレームの超音波画像を保持し、複数フレームの超音波画像のそれぞれから膀胱領域を抽出し、複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して抽出された膀胱領域に関する特徴量を算出し、複数フレームの超音波画像のそれぞれについて被検体に対する超音波ビームの走査が失敗した失敗フレームであるか否かを判定し、特徴量の時系列的な変化と、失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かを判定し、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨し、超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、特徴量に基づいて複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択し、計測フレームの超音波画像を解析することにより尿量を計測することを特徴とする。
本発明に係る超音波診断装置用プロセッサは、超音波プローブを用いて被検体に対する超音波ビームの走査を行うことにより取得された複数フレームの超音波画像を保持し、複数フレームの超音波画像のそれぞれから膀胱領域を抽出し、複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して抽出された膀胱領域に関する特徴量を算出し、複数フレームの超音波画像のそれぞれについて被検体に対する超音波ビームの走査が失敗した失敗フレームであるか否かを判定し、特徴量の時系列的な変化と、失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かを判定し、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨し、超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、特徴量に基づいて複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択し、計測フレームの超音波画像を解析することにより尿量を計測することを特徴とする。
本発明によれば、超音波診断装置が、複数フレームの超音波画像のそれぞれから膀胱領域を抽出する膀胱抽出部と、複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して膀胱抽出部により抽出された膀胱領域に関する特徴量を算出する特徴量算出部と、複数フレームの超音波画像のそれぞれについて被検体に対する超音波ビームの走査が失敗した失敗フレームであるか否かを判定する失敗フレーム判定部と、特徴量算出部により算出された特徴量の時系列的な変化と失敗フレーム判定部により失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かを判定する再走査判定部と、再走査判定部により超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨する再走査推奨部とを備えているため、尿量計測の精度を向上することができる。
本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における送受信回路の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における画像生成部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1において膀胱領域を含む超音波画像の例を模式的に示す図である。 失敗フレームの超音波画像の例を模式的に示す図である。 スウィング法により膀胱がスキャンされる様子を模式的に示す図である。 膀胱領域の面積の時間的な変化の例を示す図である。 楕円体の例を示す図である。 膀胱領域の面積の時間変化が、失敗フレームの超音波画像が生成された区間において極大となる例を示す図である。 膀胱領域の面積の時間変化が、失敗フレームの超音波画像が生成された区間において極大とはならない例を示す図である。 本発明の実施の形態1において膀胱領域の面積の時系列的な変化を表すグラフと複数フレームの超音波画像がモニタに表示される例を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において被検体の膀胱内の尿量がモニタに表示される例を模式的に示す図である。 スライド法により膀胱がスキャンされる様子を模式的に示す図である。 超音波ビームの複数回の走査における膀胱領域の面積の時系列的な変化の例を示す図である。 本発明の実施の形態2における再走査判定部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3において、超音波プローブが被検体の体表面に接着していない部分がモニタに表示される例を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態5に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「同一」、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1の構成を示す。超音波診断装置1は、振動子アレイ2を備えており、振動子アレイ2に、送受信回路3、画像生成部4、表示制御部5およびモニタ6が順次接続されている。また、振動子アレイ2と送受信回路3は、超音波プローブ21に含まれている。画像生成部4に、画像メモリ7が接続されている。また、画像メモリ7に、膀胱抽出部9と失敗フレーム判定部16が接続されている。膀胱抽出部9に、特徴量算出部10が接続されている。また、特徴量算出部10と失敗フレーム判定部16に、再走査判定部17が接続されている。また、失敗フレーム判定部16に、警告部18が接続されている。また、再走査判定部17に、再走査推奨部19と再走査実行受付部20が接続されている。また、特徴量算出部10、再走査判定部17および再走査実行受付部20に、計測フレーム選択部12が選択されている。計測フレーム選択部12に、尿量計測部13が接続されている。また、計測フレーム選択部12、尿量計測部13、警告部18および再走査推奨部19は、それぞれ、表示制御部5に接続されている。
また、送受信回路3、画像生成部4、表示制御部5、膀胱抽出部9、特徴量算出部10、計測フレーム選択部12、尿量計測部13、失敗フレーム判定部16、再走査判定部17、警告部18、再走査推奨部19および再走査実行受付部20に、装置制御部14が接続されている。また、装置制御部14に、入力装置15が接続されている。
また、画像生成部4、表示制御部5、膀胱抽出部9、特徴量算出部10、計測フレーム選択部12、尿量計測部13、装置制御部14、失敗フレーム判定部16、再走査判定部17、警告部18、再走査推奨部19および再走査実行受付部20により、超音波診断装置1用のプロセッサ22が構成されている。
図1に示す超音波プローブ21の振動子アレイ2は、1次元または2次元に配列された複数の振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送受信回路3から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して、超音波エコーに基づく信号を出力する。各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
送受信回路3は、装置制御部14による制御の下で、振動子アレイ2から超音波を送信し且つ振動子アレイ2により取得された受信信号に基づいて音線信号を生成する。送受信回路3は、図2に示すように、振動子アレイ2に接続されるパルサ23と、振動子アレイ2から順次直列に接続される増幅部24、AD(Analog Digital)変換部25、ビームフォーマ26を有している。
パルサ23は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、装置制御部14からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ2の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ2の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ21の振動子アレイ2に向かって伝搬する。このように振動子アレイ2に向かって伝搬する超音波エコーは、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子により受信される。この際に、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して、電気信号である受信信号を発生させ、これらの受信信号を増幅部24に出力する。
増幅部24は、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子から入力された信号を増幅し、増幅した信号をAD変換部25に送信する。AD変換部25は、増幅部24から送信された信号をデジタルの受信データに変換し、これらの受信データをビームフォーマ26に送信する。ビームフォーマ26は、装置制御部14からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、AD変換部25により変換された各受信データに対してそれぞれの遅延を与えて加算することにより、いわゆる受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、AD変換部25で変換された各受信データが整相加算され且つ超音波エコーの焦点が絞り込まれた音線信号が取得される。
画像生成部4は、図3に示されるように、信号処理部27、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)28および画像処理部29が順次直列に接続された構成を有している。
信号処理部27は、送受信回路3のビームフォーマ26により生成された音線信号に対し、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
DSC28は、信号処理部27で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部29は、DSC28から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部5および画像メモリ7に出力する。以降は、画像処理部29により画像処理が施されたBモード画像信号を、単に、超音波画像と呼ぶ。
画像メモリ7は、画像生成部4により診断毎に生成された一連の複数フレームの超音波画像を保持するメモリである。画像メモリ7としては、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
膀胱抽出部9は、例えば図4に示すように、超音波画像Uから膀胱領域BRを抽出する。膀胱抽出部9は、例えば、Krizhevsk et al.: ImageNet Classification with Deep Convolutional Neural Networks, Advances in Neural Information Processing Systems 25, pp.1106-1114 (2012)に記載されているディープラーニング(Deep leaning:深層学習)を用いた手法を用いて超音波画像U内の膀胱領域BRを抽出することができる。また、膀胱抽出部9は、膀胱領域BRを抽出するために、その他の手法として、グラフカット(Y.Boykov and V.Kolmogorov, ”An experimental comparison of min-cut/max-flow algorithm for energy minimization in vision”, IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, 26, 9, pp.1123-1137, 2004.)、Snakes(A.W.Michael Kass and D.Terzopoulos: “Snakes: Active contour models”, Int.J.Computer Vision,1,4, pp.321-331, 1988.)、LevelSets(M.Sussman, P.Smereka and S.Osher: “A level set approach for computing solutions to incompressible two-phase flow”, J.Comput.Phys,114,1, pp.146-159, 1994)等の公知の技術を用いることができる。
特徴量算出部10は、膀胱抽出部9により膀胱領域BRが抽出された超音波画像Uにおいて、抽出された膀胱領域BRに関する特徴量を算出する。特徴量算出部10は、例えば、画像解析により、抽出された膀胱領域BRの面積を特徴量として算出することができる。また、特徴量算出部10は、例えば、画像解析により、後述する膀胱の体積を計測するために用いられる、互いに直交する3方向における膀胱領域BRの最大径を特徴量として算出することができる。また、特徴量算出部10は、例えば、画像解析により、抽出された膀胱領域BRから任意の方向における最大径、膀胱領域BRの周の長さ等を特徴量として算出することができる。
失敗フレーム判定部16は、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像が、それぞれ、失敗フレームの超音波画像であるか否かを判定する。ここで、失敗フレームの超音波画像とは、超音波プローブ21が被検体の体表面に接着していない部分が存在すること等によって被検体に対する超音波ビームの走査が失敗したフレームの超音波画像である。
ここで、超音波プローブ21が被検体の体表面に接着していない部分が存在する場合には、一定以上の強度を有する信号が得られないことにより、図5において点線で囲まれた領域で示されるように、超音波画像U1内において黒く塗りつぶされた失敗領域FRが生じる。
そのため、失敗フレーム判定部16は、例えば、超音波画像の輝度値に対して一定の輝度しきい値を有しており、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して、深さ方向に沿った輝度プロファイルを解析し、輝度しきい値よりも小さい輝度値を有する領域を、被検体の体表面に超音波プローブ21が接着していない失敗領域FRと判断し、失敗領域FRを含むフレームの超音波画像を失敗フレームの超音波画像であると判定する。
警告部18は、失敗フレーム判定部16により、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像のいずれかが失敗フレームの超音波画像であると判定された場合に、ユーザに対して警告を発する。警告部18は、例えば、ユーザへの警告を表すメッセージ等をモニタ6に表示することができる。
ところで、画像生成部4により被検体の膀胱領域BRを含むフレームの超音波画像が生成される際に、通常、ユーザは、被検体の体表面上に超音波プローブ21を接着させた状態で、超音波プローブ21の位置または角度を変化させながら、膀胱の走査を行う。この際に、ユーザは、例えば、超音波プローブ21の位置を一定にしたまま被検体の体表面上で超音波プローブ21を傾けるスウィング法を用いて、膀胱の走査を行うことができる。
ユーザは、スウィング法により膀胱を走査する場合に、例えば、図6に示すように、振動子アレイ2の配列方向に対して平行な回転軸Rを中心として、膀胱Bの一端部を通る走査断面PS1が撮影される傾き角度と、膀胱Bの他端部を通る走査断面PS2が撮影される傾き角度との間を往復するように、超音波プローブ21を被検体の体表面S上で傾斜させる。
この際に、画像生成部4により連続的に生成されるフレームの超音波画像に含まれる膀胱領域BRの面積の値は、例えば図7に示すように、極大値と極小値を交互に有するように時系列的に変化する。図7の例では、膀胱領域BRの面積と、膀胱領域BRの面積が算出されたフレームの超音波画像が生成された時刻との関係を示しており、膀胱領域BRの面積の値は、1つの極大値M1と、2つの極小値N1、N2を有するように、時系列的に変化している。また、図7の例では、膀胱領域BRの面積の値の時系列的な変化が示されているが、膀胱領域BRの最大径についても、図7に示すような時系列的な変化をする。
ここで、通常、被検体の膀胱Bは、一般的に概ね楕円体形状をしているため、膀胱B内の尿量は、膀胱Bを楕円体とみなして膀胱Bの体積を計算することにより計測される。図8に示すように、楕円体Eが、XY面、YZ面およびXZ面に対して対称な形状を有しており、楕円体EのX方向における最大径をLX、Y方向における最大径をLY、Z方向における最大径をLZ、円周率をπとして、楕円体Eの体積は、(LX×LY×LZ)×π/6により算出されることが知られている。そのため、超音波画像を用いて膀胱Bの体積を算出する場合には、膀胱Bの中心を通り且つ互いに直交する走査断面に相当する2つのフレームの超音波画像を計測することが望ましい。
このように、膀胱Bの中心を通る走査断面に相当するフレームの超音波画像は、例えばスウィング法により膀胱Bに対する超音波ビームの走査が行われる場合には、膀胱領域BRの面積および最大径等の特徴量が時系列的な変化において極大となるフレームの超音波画像である。
再走査判定部17は、特徴量算出部10により算出された膀胱領域BRの特徴量の時系列的な変化を表す情報を取得し、この情報を解析することにより、失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像が生成された時刻において、特徴量の本来の時系列的な変化が極大となるか否かを推定し、その推定結果に基づいて、超音波ビームの再走査が必要か否かを判定する。図9には、膀胱領域BRの特徴量の時系列的な変化を表す情報の例として、膀胱領域BRの面積の時系列的な変化を表すグラフが示されており、時刻T1~T2の区間において失敗フレームの超音波画像が生成されている。
再走査判定部17は、例えば、特徴量の時間変化を表すグラフを解析することにより、時刻T1~T2の区間の前後の一定区間におけるグラフの変化を表す情報を取得し、取得された情報に基づいて、失敗フレームの超音波画像が生成された時刻において特徴量が極大となるか否かを判定することができる。再走査判定部17は、例えば、時刻T1~T2の区間の直前の一定区間においてグラフが単調に増加し、時刻T1~T2の区間の直後の一定区間においてグラフが単調に減少している場合に、時刻T1~T2の区間において特徴量が極大となると推定し、それ以外の場合に、時刻T1~T2の区間において特徴量が極大とはならないと推定することができる。
図9の例では、失敗フレームの超音波画像が生成された時刻T1~T2の区間の直前の一定区間においてグラフが単調に増加し、時刻T1~T2の区間の直後の一定区間においてグラフが単調に減少しているため、再走査判定部17は、時刻T1~T2の区間において膀胱領域BRの面積が極大となると推定する。
このようにして、失敗フレームの超音波画像が生成された時刻において特徴量が極大となると推定された場合に、再走査判定部17は、尿量計測に適するフレームの超音波画像が生成されていないと判断して、超音波ビームの再走査が必要であると判定する。
また、例えば図10に示す例では、失敗フレームの超音波画像が生成された、時刻T3~T4の区間よりも過去の時刻において、膀胱領域BRの面積が極大値M1を有している。この場合に、時刻T3~T4の区間の直前の一定区間と、時刻T3~T4の区間の直後の一定区間において、それぞれ、グラフが単調に減少しているため、再走査判定部17は、失敗フレームの超音波画像が生成された時刻において膀胱領域BRの面積が極大とはならないと推定する。
このようにして、失敗フレームの超音波画像が生成された時刻において膀胱領域BRの面積が極大とはならないと推定された場合に、再走査判定部17は、尿量計測に適するフレームの超音波画像が生成されていると判断して、超音波ビームの再走査が不要であると判定する。
入力装置15は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
再走査推奨部19は、再走査判定部17により超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨する。再走査推奨部19は、例えば、超音波ビームの再走査を推奨するためのメッセージをモニタ6に表示することができる。
再走査推奨部19は、例えば、超音波ビームの再走査を実行するか否かを、入力装置15を介した入力操作により選択することをユーザに促すためのメッセージ、ラジオボタン等をモニタ6に表示する。この際に、再走査推奨部19は、超音波ビームの再走査をするか否かをユーザが判断しやすいように、例えば図11に示すように、複数フレームの超音波画像U2と、複数フレームの超音波画像U2に対応する膀胱領域BRの特徴量の時系列的な変化を表すグラフG1をモニタ6に表示することができる。図11の例では、モニタ6の下部に複数フレームの超音波画像U2がスクロール表示されており、複数フレームの超音波画像U2のうち、グラフG1に配置されたマーカMPに対応するフレームの超音波画像U3がユーザにより選択され、このフレームの超音波画像U3を拡大した超音波画像U4が、モニタ6の右上部に拡大して表示されている。
再走査実行受付部20は、再走査判定部17により超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザによる入力装置15を介した入力操作に従って、超音波ビームの再走査を実行するか否かの選択を受け付ける。
計測フレーム選択部12は、再走査判定部17により、超音波ビームの再走査が必要であると判定された後に、再走査実行受付部20により、超音波ビームの再走査を実行しない選択が受け付けられた場合、または、再走査判定部17により、超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、特徴量算出部10により算出された特徴量に基づいて、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像の中から、計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択する。
再走査判定部17により、超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、計測フレーム選択部12は、例えば、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像に対して特徴量算出部10により算出された特徴量のうち最大の特徴量を取得し、特徴量が最大となるフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像として選択することができる。
また、再走査実行受付部20により、超音波ビームの再走査を実行しない選択が受け付けられた場合に、計測フレーム選択部12は、例えば、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像の中から、失敗フレーム判定部16により失敗フレームの超音波画像であると判定されたフレームの超音波画像を除き、残ったフレームの超音波画像における特徴量のうち最大の特徴量を取得し、特徴量が最大となるフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像として選択することができる。
尿量計測部13は、計測フレーム選択部12により選択された計測フレームの超音波画像に基づいて、被検体の膀胱Bの体積を算出することにより、膀胱B内の尿量を計測する。尿量計測部13は、例えば、計測フレーム選択部12により、膀胱Bの中心を通り且つ互いに直交する走査断面に相当する2つの計測フレームの超音波画像が選択された場合に、2つの計測フレームの超音波画像において膀胱領域BRにおける長さを計測して、互いに直交する3方向の最大径LX、LYおよびLZを取得し、(LX×LY×LZ)×π/6を計算することにより、被検体の膀胱Bの体積を算出することができる。
表示制御部5は、装置制御部14の制御の下、画像メモリ7に保持されているフレームの超音波画像、警告部18によるユーザへの警告を表す情報、再走査推奨部19による超音波ビームの再走査を推奨するメッセージを表す情報、および、尿量計測部13により計測された被検体の膀胱B内の尿量の値等を表す情報等に対して、所定の処理を施して、それらをモニタ6に表示する。
モニタ6は、表示制御部5による制御の下、種々の表示を行う。モニタ6は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等のディスプレイ装置を含む。
装置制御部14は、予め記憶している制御プログラム等に基づいて、超音波診断装置1の各部の制御を行う。
なお、画像生成部4、表示制御部5、膀胱抽出部9、特徴量算出部10、計測フレーム選択部12、尿量計測部13、装置制御部14、失敗フレーム判定部16、再走査判定部17、警告部18、再走査推奨部19および再走査実行受付部20を有するプロセッサ22は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィードプログラマブルゲートアレイ)、DSP(Digital Signal Processor:デジタルシグナルプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:アプリケーションスペシフィックインテグレイテッドサーキット)、GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックスプロセッシングユニット)、その他のIC(Integrated Circuit:集積回路)を用いて構成されてもよく、もしくはそれらを組み合わせて構成されてもよい。
また、プロセッサ22の画像生成部4、表示制御部5、膀胱抽出部9、特徴量算出部10、計測フレーム選択部12、尿量計測部13、装置制御部14、失敗フレーム判定部16、再走査判定部17、警告部18、再走査推奨部19および再走査実行受付部20は、部分的にあるいは全体的に1つのCPU等に統合させて構成されることもできる。
以下では、図12に示すフローチャートを用いて、実施の形態1の超音波診断装置1の動作を詳細に説明する。
まず、ステップS1において、ユーザにより被検体の体表面S上に超音波プローブ21が接着された状態で、超音波画像が生成され、生成された超音波画像がモニタ6に表示される。この際に、送受信回路3のパルサ23からの駆動信号に従って振動子アレイ2の複数の振動子から被検体内に超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各振動子により受信信号が生成され、その受信信号が送受信回路3の増幅部24に出力される。受信信号は、増幅部24で増幅され、AD変換部25でAD変換された後、ビームフォーマ26で整相加算されて、音線信号が生成される。この音線信号は、画像生成部4において、信号処理部27で包絡線検波処理が施されることでBモード画像信号となり、DSC28および画像処理部29を経て表示制御部5に出力され、図4に示すように、表示制御部5の制御の下で超音波画像Uがモニタ6に表示される。
この際に、ユーザは、モニタ6に表示される超音波画像Uを確認しながら、超音波画像U内に被検体の膀胱領域BRが描出されるように、超音波プローブ21の位置と傾きを調整する。
次に、ステップS2において、被検体の膀胱B内の尿量を計測するための計測モードが起動されたか否かの判定がなされる。例えば、入力装置15を介してユーザにより、計測モードを起動する指示がなされた場合に、計測モードが起動されたと判定され、ユーザにより計測モードを起動する指示がなされていない場合に、計測モードが起動されていないと判定される。計測モードが起動されていないと判定された場合には、ステップS1に戻り、超音波画像の生成と表示がなされる。ユーザが超音波プローブ21の位置の調整を終えて、計測モードを起動する指示を行うことにより、計測モードが起動されたと判定された場合には、ステップS3に進む。
ステップS2で計測モードが起動されたと判定されると、ステップS3において、ステップS1と同様にして超音波画像が生成され、生成された超音波画像が画像メモリ7に保持される。ユーザは、例えば、超音波プローブ21の傾きを変えながら被検体の膀胱Bを撮像するスウィング法により、膀胱Bに対して超音波ビームの走査を行う。
続くステップS4において、膀胱Bに対する超音波ビームの走査が終了したか否かが判定される。例えば、入力装置15を介してユーザにより超音波ビームの走査を終了する指示がなされた場合に、超音波ビームの走査が終了したと判定され、ユーザにより超音波ビームの走査を終了する指示がなされない場合に、超音波ビームの走査が続行中であると判定される。超音波ビームの走査が続行中であると判定された場合には、ステップS3に戻って、超音波画像の生成と保持が行われる。このようにして、超音波ビームの走査が続行している限り、ステップS3とステップS4が繰り返される。これにより、画像メモリ7に、一連の複数フレームの超音波画像が保持される。超音波ビームの走査が終了したと判定された場合には、ステップS5に進む。
ここで、ステップS3で超音波画像が生成される際に、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着していない部分が存在する場合には、例えば図5において点線で囲まれた領域で示されるように、一定以上の強度を有する信号が得られないことによって超音波画像U1内において黒く塗りつぶされた失敗領域FRが生じる。
そのため、ステップS5において、画像メモリ7に保持されている一連の複数フレームの超音波画像の中に失敗フレームの超音波画像が含まれているか否かを判定する。この際に、失敗フレーム判定部16は、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して、深さ方向に沿った輝度プロファイルを取得し、取得された輝度プロファイルを解析することにより、超音波画像において一定の輝度しきい値よりも小さい輝度値を有する領域を失敗領域FRとして認識し、失敗領域FRを含むフレームの超音波画像を失敗フレームの超音波画像であると判定する。画像メモリ7に保持されている複数フレームの超音波画像の中に失敗フレームの超音波画像が含まれていると判定された場合に、ステップS6に進む。
ステップS6において、警告部18は、画像メモリ7に保持されている複数フレームの超音波画像の中に失敗フレームの超音波画像が含まれていることを、ユーザに警告する。警告部18は、例えば、ユーザへの警告をモニタ6に表示する。これにより、失敗フレームの超音波画像が生成されたことをユーザに把握させ、超音波ビームの再走査が行われる場合に、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに十分に接着するようにユーザに対して注意を促すことができる。
このようにしてステップS6の処理が完了すると、ステップS7に進む。
また、ステップS5において、画像メモリ7に保持されている複数フレームの超音波画像の中に失敗フレームの超音波画像が含まれていないと判定された場合には、ステップS6を省略してステップS7に進む。
ステップS7において、膀胱抽出部9は、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像に対して画像解析を行って、被検体の膀胱Bを表す膀胱領域BRを抽出する。抽出された膀胱領域BRの情報と、複数フレームの超音波画像は、特徴量算出部10に送出される。
ステップS8において、特徴量算出部10は、複数フレームの超音波画像のそれぞれに対してステップS7で抽出された膀胱領域BRに基づいて、膀胱領域BRに関する特徴量として、膀胱領域BRの面積を算出する。ユーザは、ステップS3でスウィング法により超音波ビームの走査を行ったため、ステップS6で算出される膀胱領域BRの面積は、例えば図7に示すように時系列的に変化する。ここで、算出された膀胱領域BRの面積の情報と、複数フレームの超音波画像は、再走査判定部17と計測フレーム選択部12に送出される。
ステップS9において、再走査判定部17は、ステップS5で失敗フレームの超音波画像であると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置と、ステップS8で算出された膀胱領域BRの面積の時系列的な変化とに基づいて、超音波ビームの再走査が必要か否かを判定する。
この際に、再走査判定部17は、例えば、画像メモリ7に保持されている一連の複数フレームの超音波画像から、ステップS5で失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像を除き、残ったフレームの超音波画像における膀胱領域BRの面積の時系列的な変化を表すグラフを取得する。
ここで、膀胱B内の尿量は、膀胱Bを楕円体Eとみなし、その体積を計算することによって計測されるため、尿量計測に使用されるフレームの超音波画像として、膀胱Bの中心を通る走査断面に相当するフレームの超音波画像を使用することが望ましい。このようなフレームの超音波画像は、膀胱領域BRの面積が、図7に示すような時系列的な変化において極大となるフレームの超音波画像である。
そのため、再走査判定部17は、膀胱領域BRの面積の時系列的な変化を表すグラフを解析し、失敗フレームの超音波画像が生成された時系列的な区間において、本来の膀胱領域BRの面積が極大値を有するか否かを推定することにより、超音波ビームの再走査が必要か否かを判定することができる。
例えば図9に示すように、時刻T1~T2の区間において失敗フレームの超音波画像が生成されている場合に、再走査判定部17は、時刻T1~T2の区間の前後の一定区間におけるグラフの変化を表す情報を取得し、取得された情報に基づいて、時刻T1~T2の区間において本来の膀胱領域BRの面積が極大値を有するか否かを推定することができる。
図9の例では、時刻T1~T2の区間の直前の一定区間においてグラフが単調に増加し、時刻T1~T2の区間の直後の一定区間においてグラフが単調に減少している。そのため、再走査判定部17は、時刻T1~T2の区間において、本来の膀胱領域BRの面積が極大となると推定し、尿量計測に適するフレームの超音波画像が生成されていないと判断して、超音波ビームの再走査が必要であると判定する。
また、再走査判定部17は、膀胱領域BRの面積の時系列的な変化を表すグラフにおいて、失敗フレームの超音波画像が生成された区間の直前の一定区間においてグラフが単調に増加し、且つ、失敗フレームの超音波画像が生成された区間の直後の一定区間においてグラフが単調に減少する場合以外の場合に、失敗フレームの超音波画像が生成された区間において、本来の膀胱領域BRの面積が極大とはならないと推定し、尿量計測に適するフレームの超音波画像が生成されていると判断して、超音波ビームの再走査が不要であると判定する。
図10の例では、極大値M1を含まない時刻T3~T4の区間において失敗フレームの超音波画像が生成されており、時刻T3~T4の区間の直前の一定区間と、時刻T3~T4の区間の直後の一定区間のグラフは、いずれも単調に減少しているため、再走査判定部17は、時刻T3~T4の区間において、本来の膀胱領域BRの面積が極大とはならないと推定する。
ステップS9では、このようにして、再走査判定部17により、超音波ビームの再走査が必要であるか否かが判定されるが、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合には、ステップS10に進む。
ステップS10において、再走査推奨部19は、超音波ビームの再走査を推奨するためのメッセージをモニタ6に表示する等により、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨する。再走査推奨部19は、図示しないが、例えば、超音波ビームの再走査を実行するか否かを、入力装置15を介した入力操作によりユーザに選択させるためのメッセージ、ラジオボタン等をモニタ6に表示する。
この際に、再走査推奨部19は、超音波ビームの再走査をするか否かをユーザが判断しやすいように、例えば図11に示すように、複数フレームの超音波画像U2と、複数フレームの超音波画像U2に対応する膀胱領域BRの特徴量の時系列的な変化を表すグラフG1をモニタ6に表示することができる。図11の例では、モニタ6の下部に複数フレームの超音波画像U2がスクロール表示されており、複数フレームの超音波画像U2のうち、グラフG1に配置されたマーカMPに対応するフレームの超音波画像U3がユーザにより選択され、このフレームの超音波画像U3を拡大した超音波画像U4が、モニタ6の右上部に拡大して表示されている。
ユーザが、ステップS10でモニタ6に表示されたメッセージおよびラジオボタン等を確認し、超音波ビームの再走査をするか否かを、入力装置15を介して入力すると、ステップS11において、再走査実行受付部20は、ユーザによる入力装置15を介した入力操作に従って、超音波ビームの再走査を実行するか否かの選択を受け付ける。例えば、ユーザにより、超音波ビームの再走査を実行する指示が入力装置15を介して入力されると、再走査実行受付部20は、超音波ビームの再走査を実行する選択を受け付ける。また、ユーザにより、超音波ビームの再走査を実行しない指示が入力装置15を介して入力されると、再走査実行受付部20は、超音波ビームの再走査を実行しない選択を受け付ける。
ステップS11において、超音波ビームの再走査を実行する選択がなされると、ステップS3に戻り、超音波ビームの再走査が開始される。このようにして、ステップS9で超音波ビームの再走査が必要であると判定され且つステップS11で超音波ビームの再走査を実行する選択がなされる限り、ステップS3~ステップS11の処理が繰り返される。
このようにして、ステップS9で超音波ビームの再走査が必要か否かが自動的に判定され、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ステップS10でユーザに対して超音波ビームの再走査が推奨され、ステップS11でユーザの入力操作に従って超音波ビームを再走査するか否かが選択されるため、超音波ビームの再走査により、尿量計測に適したフレームの超音波画像が取得されやすく、尿量計測の精度を向上することができる。
また、ステップS11でユーザの入力操作に従って超音波ビームの再走査を実行するか否かが選択されることにより、被検体の体型等に起因して、被検体の体表面Sから超音波プローブ21がどうしても部分的に離れてしまう場合でも、尿量計測を行うことができる。
ステップS11において、超音波ビームの再走査を実行しない選択がなされると、ステップS12に進む。
また、ステップS9において、超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合には、ステップS10およびステップS11が省略されて、ステップS12に進む。
ステップS12において、計測フレーム選択部12は、ステップS8で算出された膀胱領域BRの面積に基づいて、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像の中から、計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択する。
例えば、ステップS9で超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、計測フレーム選択部12は、ステップS8で算出された膀胱領域BRの面積のうち最大の面積を取得し、膀胱領域BRの面積が最大となるフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像として選択する。
また、例えば、ステップS9で超音波ビームの再走査が必要であると判定され、且つ、ステップS11で超音波ビームの再走査を実行しない選択がなされた場合に、計測フレーム選択部12は、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像の中からステップS5で失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像を除き、残ったフレームの超音波画像に対して算出された膀胱領域BRの面積のうち最大の面積を取得し、膀胱領域BRの面積が最大となるフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像として選択する。
このようにして、ステップS12で計測フレームの超音波画像が選択されると、ステップS13に進む。
ステップS13において、膀胱B内の尿量を計測するために、被検体の膀胱Bの互いに直交する2つの走査断面に相当する2つの計測フレームの超音波画像が、ステップS12で選択されたか否かが判定される。既に完了したステップS12では、膀胱Bの互いに直交する2つの走査断面のうち一方の走査断面に相当する計測フレームの超音波画像のみが得られている。そのため、被検体の膀胱Bの互いに直交する2つの走査断面に相当する2つの計測フレームの超音波画像が選択されていないと判定されて、ステップS3に戻り、超音波ビームの走査が再開される。この際に、ユーザは、超音波プローブ21の向きを90度回転させて、超音波ビームの走査を行う。
ステップS3およびステップS4において、超音波ビームの走査を終了する指示がユーザによりなされない限り、超音波画像の生成と保持が繰り返され、ステップS4においてユーザにより超音波ビームの走査を終了する指示がなされると、ステップS5に進む。続くステップS5~ステップS12の処理については、既に説明している内容と同一であるため、説明を省略する。
ステップS12で計測フレームの超音波画像が選択されると、ステップS13に進む。
ステップS13において、被検体の膀胱Bの互いに直交する2つの走査断面に相当する2つの計測フレームの超音波画像がステップS12で選択されたか否かが判定される。2回目のステップS12において、2つ目の計測フレームの超音波画像が選択されているため、被検体の膀胱Bの互いに直交する2つの走査断面に相当する2つの計測フレームの超音波画像が選択されたと判定されて、ステップS14に進む。
ステップS14において、尿量計測部13は、2回のステップS12でユーザにより選択された2つの計測フレームの超音波画像からそれぞれ膀胱領域BRを抽出し、抽出された膀胱領域BRの径に基づいて被検体の膀胱Bの体積を算出することにより、膀胱B内の尿量を計測する。例えば、尿量計測部13は、図8に示すように、膀胱Bを楕円体Eとみなして、楕円体EのX方向における最大径LX、Y方向における最大径LYおよびZ方向における最大径LZを、ステップS12で選択された2つの計測フレームの超音波画像から計測し、(LX×LY×LZ)×π/6を計算することにより、楕円体Eの体積を、膀胱Bの体積として算出することができる。尿量計測部13は、例えば図13に示すように、計測した膀胱B内の尿量Jを、モニタ6に表示する。図13の例では、2回目のステップS12でユーザにより選択された計測フレームの超音波画像UDと膀胱B内の尿量Jとがモニタ6に一緒に表示されている。
このようにして被検体の膀胱B内の尿量が計測されることにより、図12のフローチャートに示す超音波診断装置1の動作が終了する。
以上から、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1によれば、ステップS5で複数フレームの超音波画像の中に失敗フレームの超音波画像があるか否かが自動的に判定され、この判定結果とステップS8で算出された膀胱領域BRの特徴量とに基づいてステップS9で超音波ビームの再走査が必要か否かが判定され、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して、超音波ビームの再走査が推奨されるため、超音波ビームの再走査により、尿量計測に適した計測フレームの超音波画像が取得されやすく、尿量計測の精度を向上することができる。
なお、いわゆる受信フォーカス処理を行うビームフォーマ26は、送受信回路3に含まれているが、例えば、画像生成部4に含まれることもできる。この場合であっても、ビームフォーマ26が送受信回路3に含まれる場合と同様に、画像生成部4により超音波画像が生成される。
また、画像生成部4は、プロセッサ22に含まれているが、超音波プローブ21に含まれていてもよい。
また、ステップS4において、超音波ビームの走査を終了する指示がユーザからなされた場合に、超音波ビームの走査が終了されたと判定されているが、例えば、ステップS2で計測モードが起動され、ステップS3で超音波画像の生成と保持が開始された時点から、例えば15秒等の一定時間が経過した場合に、超音波ビームの走査が終了されたと判定されることもできる。この場合には、超音波ビームの走査を終了する指示をユーザが行う手間を省くことができる。
また、例えば、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着しているか否かを判定し、その判定結果に応じて、超音波ビームの走査の開始と終了を制御することもできる。ここで、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着している場合には、被検体内の走査断面に相当するフレームの超音波画像が生成されるが、超音波プローブ21が被検体から離れて、いわゆる空中放射状態となった場合には、通常、全体が黒く塗りつぶされた超音波画像が生成される。そのため、例えば、生成された超音波画像が解析されることにより、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着しているか否かの判定が可能である。そこで、例えば、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着していると判定された場合に、超音波ビームの走査を開始し、超音波プローブ21が被検体の体表面Sから離れたと判定された場合に、超音波ビームの走査を終了することができる。この場合にも、超音波ビームの走査を終了する指示をユーザが行う手間を省くことができる。
以上のようにして説明される、超音波ビームの走査の開始および終了の複数の判定方法は、適宜、互いに組み合わされることができる。
また、ユーザがスウィング法により膀胱Bを走査する例が説明されているが、超音波ビームの走査は、被検体の体表面S上で超音波プローブ21の傾き角度を一定としたまま超音波プローブ21を平行移動させるスライド法が使用されることもできる。
ユーザは、スライド法により膀胱Bを走査する場合に、例えば、図14に示すように、超音波プローブ21が被検体の体表面S上で平行移動される方向をスライド方向DSとして、超音波プローブ21を、スライド方向DSにおける膀胱Bの一端部を通る走査断面PS3が撮影される位置と、スライド方向DSにおける膀胱Bの他端部を通る走査断面PS4が撮影される位置との間を往復するように移動する。
この場合に、生成されたフレームの超音波画像における、膀胱領域BRの面積等の特徴量は、走査断面PS3が撮影される超音波プローブ21の位置と、走査断面PS4が撮影される超音波プローブ21の位置において極小値となり、膀胱Bの中心を通る走査断面が撮影される超音波プローブ21の位置において極大値となるため、膀胱領域BRの特徴量は、スウィング法により超音波ビームの走査がなされる場合と同様に、図7に示すように時系列的に変化する。
したがって、スライド法により膀胱Bが走査される場合でも、スウィング法により膀胱Bが走査される場合と同様に、特徴量算出部10により算出される膀胱領域BRの特徴量と、失敗フレーム判定部16により失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて、超音波ビームの再走査が必要か否かが再走査判定部17により判定されるため、尿量計測に適した計測フレームの超音波画像が取得されやすく、尿量計測の精度を向上することができる。
また、ステップS9において、再走査判定部17は、膀胱領域BRに関する特徴量の時系列的な変化を表すグラフを取得し、取得されたグラフの曲線に対して、いわゆる平滑化フィルタ、ローパスフィルタ等によるフィルタリング処理を施すことにより、滑らかな曲線からなるグラフを取得することができる。これにより、再走査判定部17は、フィルタリング処理によりノイズ等の影響が低減されたグラフを解析して、失敗フレームの超音波画像が生成された時刻において本来の特徴量が極大値となるか否かを精度よく推定することができる。
また、ステップS10において、再走査推奨部19は、超音波ビームの再走査をするか否かをユーザが判断しやすいように、図11に示すように、複数フレームの超音波画像U2と、複数フレームの超音波画像U2に対応する特徴量の時系列的な変化を表すグラフG1をモニタ6に表示できるが、この際に、例えば、失敗フレームの超音波画像を赤枠または太枠で表示する等、失敗フレームの超音波画像を正常なフレームの超音波画像の表示態様とは異なる表示態様によりモニタ6に表示することもできる。これにより、ユーザは、モニタ6に表示されている複数フレームの超音波画像のうち、失敗フレームの超音波画像をより明確に把握して、超音波ビームを再走査するか否かの選択をすることができる。
また、被検体の膀胱Bの互いに直交する2つの走査断面に相当する2つの計測フレームの超音波画像が選択されていないとステップS13で判定された場合に、超音波診断装置1の動作がステップS3に戻るが、例えば、ステップS13の直後において、超音波プローブ21の向きを90度回転させる旨のメッセージがモニタ6に表示されてもよい。このようにして、超音波プローブ21の操作に関する指示をユーザに対して行うことにより、ユーザは、より円滑に尿量計測の手順を進めることができる。
また、スウィング法またはスライド法により、膀胱Bの複数回のスキャンが行われた場合には、膀胱領域BRの特徴量は、極大値と極小値とを交互に繰り返しながら、複数の極大値と複数の極小値を有するように、時系列的に変化する。ここで、例えば、図15に示すように、膀胱領域BRの面積が、本来であれば2つの極大値M2、M3を有するように時系列的に変化しており、2つの極大値M2、M3のうちの一方の極大値M2を含む時刻T5~T6の区間で失敗フレームの超音波画像が生成された場合を考える。この場合には、2つの極大値M2、M3のうちの他方の極大値M3を有するフレームの超音波画像が正常に生成されているため、このフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像UDとして選択することができる。
そのため、再走査判定部17は、例えば、膀胱領域BRの特徴量の時系列的な変化において、特徴量の極大値を検出する処理を行い、特徴量の極大値が検出されるか否かにより、超音波ビームの再走査が必要か否かを判定することができる。例えば、再走査判定部17は、膀胱領域BRの特徴量の時系列的な変化を表すグラフを取得し、そのグラフを解析して特徴量の極大値を検出する処理を行い、特徴量の極大値が1つも検出されない場合に超音波ビームの再走査が必要であると判定し、特徴量の極大値が1つでも検出された場合に超音波ビームの再走査が不要であると判定することができる。
また、計測フレームの超音波画像UDは、膀胱Bの中心付近を通る走査断面に相当するフレームの超音波画像、すなわち、膀胱領域BRの特徴量が極大となるフレームの超音波画像であることが望ましいため、特徴量が時系列的に複数の極大値を有するように変化する場合には、特徴量の極大値に対応する複数フレームの超音波画像の中から選択されることが望ましい。そのため、計測フレーム選択部12は、例えば、特徴量の時系列的な変化を表すグラフを解析して、特徴量の全ての極大値を抽出し、抽出された極大値のうちの最大値を取得し、取得された最大値に対応するフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像UDとして選択することができる。
また、計測フレーム選択部12は、例えば、特徴量が時系列的に極大となる全てのフレームの超音波画像を、計測候補となる候補フレームの超音波画像として抽出し、抽出された候補フレームの超音波画像を、入力装置15を介してユーザに選択させるためにモニタ6に表示することもできる。この場合に、計測フレーム選択部12は、例えば、モニタ6に表示された候補フレームの超音波画像の中からユーザにより選択されたフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像UDとして選択することができる。
このように、膀胱領域BRの特徴量が極大となるフレームの超音波画像の中から計測フレームの超音波画像UDが選択されることにより、尿量計測に適した計測フレームの超音波画像UDが選択されやすくなり、尿量計測の精度を向上することができる。
実施の形態2
実施の形態1において、再走査判定部17は、失敗フレーム判定部16により失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像では、膀胱領域BRに関する特徴量が正しく算出されないと判断して、超音波ビームの再走査が必要か否かを判定しているが、失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像であっても、特徴量が正しく算出される場合には、このフレームの超音波画像を加味して超音波ビームの再走査が必要か否かの判定をすることができる。
実施の形態2に係る超音波診断装置は、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1において、再走査判定部17の代わりに、図16に示す再走査判定部17Aを備えたものである。再走査判定部17は、重なり判定部31を含んでいる。
重なり判定部31は、失敗フレーム判定部16により失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像に対して、膀胱抽出部9により抽出された膀胱領域BRと失敗フレーム判定部16により認識された失敗領域FRとが互いに重なっているか否かを判定する。図5に示す超音波画像U1の例では、膀胱領域BRと膀胱領域BRと失敗領域FRとが互いに重なっている。
このように、膀胱領域BRと失敗領域FRとが互いに重なっているフレームの超音波画像U1では、膀胱領域BRと失敗領域FRとの重なり部分が存在することにより、本来の膀胱領域BRを特定することが困難であり、膀胱領域BRの特徴量を正しく算出することが困難である。一方で、膀胱領域BRと失敗領域FRとが互いに離れて配置されているフレームの超音波画像では、膀胱領域BRと失敗領域FRとの重なり部分が存在しないため、膀胱領域BRが特定されており、膀胱領域BRの特徴量を正しく算出することができる。
そのため、再走査判定部17Aは、失敗フレーム判定部16により失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像のうち、重なり判定部31により、膀胱領域BRと失敗領域FRとが互いに重なっていると判定されたフレームの超音波画像を、膀胱領域BRの特徴量が正しく算出されないフレームの超音波画像と判断して、このフレームの超音波画像に対応する特徴量の値を、特徴量の時系列的な変化を表すグラフから除く。また、再走査判定部17Aは、膀胱領域BRと失敗領域FRとが互いに離れて配置されているフレームの超音波画像を、膀胱領域BRの特徴量が正しく算出されるフレームの超音波画像と判断して、このフレームの超音波画像に対応する特徴量の値を、正常なフレームの超音波画像に対応する特徴量の値と同様に、特徴量の時系列的な変化を表すグラフに含める。
再走査判定部17Aは、このようにして取得された、膀胱領域BRの特徴量の時系列的な変化を表すグラフを解析することにより、超音波ビームの再走査が必要か否かを判定する。再走査判定部17Aは、特徴量が極大となるフレームの超音波画像が失敗フレームと判定されたフレームの超音波画像であっても、膀胱領域BRと失敗領域FRとが互いに離れて配置されているフレームの超音波画像であれば、超音波ビームの再走査が不要であると判定する。
この場合に、計測フレーム選択部12は、例えば、膀胱領域BRと失敗領域FRが互いに離れて配置されている失敗フレームの超音波画像と正常なフレームの超音波画像とに対応する特徴量のうち、最大の特徴量を取得し、特徴量が最大となるフレームの超音波画像を計測フレームの超音波画像UDとして選択する。
以上から、実施の形態2に係る超音波診断装置によれば、失敗フレーム判定部16により失敗領域FRが超音波画像中に確認されても、膀胱抽出部9により抽出された膀胱領域BRが失敗領域FRに対して離れて配置される場合には、再走査判定部17Aにより、超音波ビームの再走査が不要であると判定されるため、超音波ビームの不要な再走査が行われる可能性が減り、ユーザがより迅速に尿量計測の手順を進めることができる。
また、計測フレーム選択部12により、膀胱領域BRと失敗領域FRが互いに離れて配置されている失敗フレームの超音波画像と正常なフレームの超音波画像の中から計測フレームの超音波画像UDが選択されるため、尿量計測に適したフレームの超音波画像が選択されやすくなり、尿量計測の精度を向上することができる。
実施の形態3
実施の形態1では、ステップS4で超音波ビームの走査が終了したと判定された後に、画像メモリ7に保持されている複数フレームの超音波画像のそれぞれについてステップS5で失敗フレームであるか否かの判定がなされているが、超音波画像の生成と保持が行われる毎に失敗フレームの判定が行われ、その判定結果に応じてユーザへの警告が行われることもできる。
実施の形態3に係る超音波診断装置は、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1と同一であるが、図17に示すフローチャートに従って動作する。図17のフローチャートは、図12に示す実施の形態1におけるフローチャートにおいて、ステップS5とステップS6が、ステップS3とステップS4との間に移動したものである。
実施の形態3において、ステップS3で超音波画像の生成と保持が行われると、ステップS5に進む。
ステップS5において、失敗フレーム判定部16は、ステップS5で画像メモリ7に保持された最新のフレームの超音波画像を解析して、このフレームの超音波画像が失敗フレームであるか否かを判定する。このフレームの超音波画像が失敗フレームの超音波画像であると判定されると、ステップS6に進む。
ステップS6において、警告部18は、ステップS5で失敗フレームの超音波画像が判定されたことをユーザに警告する。
以上のように、本発明の実施の形態3の超音波診断装置によれば、ステップS3で超音波画像の生成と保持が行われる毎にステップS5の失敗フレームの判定がなされ、そのフレームの超音波画像が失敗フレームの超音波画像であると判定された場合に、ステップS6でユーザへの警告が行われるため、ユーザは、警告を即座に反映させながら、超音波プローブ21を被検体の体表面Sに接触させるように注意して超音波ビームの走査を行うことにより、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着した正常なフレームの超音波画像をより多く取得できる。そのため、尿量計測に適した計測フレームの超音波画像UDが選択されやすく、尿量計測の精度を向上することができる。
なお、ステップS6で警告部18によりユーザへの警告が行われる際に、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着していない部分を示す情報が、モニタ6に表示されてもよい。例えば、失敗フレーム判定部16は、超音波画像の深さ方向において失敗領域FRの浅部側に位置する超音波画像の最浅部を、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着していない部分と判断し、図18に示すように、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着していない部分を、モニタ6に表示することにより、ユーザに通知することができる。図18の例では、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着していない部分を表すマーカW1と、「超音波プローブをここに接着させてください」という、マーカW1により示される部分を被検体の体表面Sに接着させることをユーザに指示するためのメッセージW2がモニタ6に表示されている。
これにより、ユーザは、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに接着していない部分を具体的に把握して、超音波プローブ21を被検体の体表面Sに接着させることができる。
また、ステップS5またはステップS6に続いて、ステップS7とステップS8の処理を行うこともできる。これにより、ステップS3で生成され、画像メモリ7に保持された最新のフレームの超音波画像に対して、順次、膀胱領域BRの抽出と特徴量の算出が行われる。そのため、実施の形態1において、ステップS4の後に、画像メモリ7に保持された複数フレームの超音波画像に対して膀胱領域BRの抽出と特徴量の算出が行われる場合と比べて、膀胱領域BRの抽出と特徴量の算出が行われる際の待ち時間を短縮して、より迅速に尿量計測を行うことができる。
なお、実施の形態3の態様は、実施の形態1の超音波診断装置1に適用されることが記載されているが、実施の形態2の超音波診断装置にも同様にして適用されることができる。
実施の形態4
実施の形態1において、失敗フレーム判定部16は、超音波画像の深さ方向の輝度プロファイルに基づいて失敗領域FRを認識することにより、失敗フレームの判定を行っているが、失敗フレームの判定方法は、これに限定されない。
ここで、被検体の腹部にガスが溜まっている場合に、被検体の体表面Sへの超音波プローブ21の押し込みが不足していると、膀胱領域BRが不明瞭に写った失敗フレームの超音波画像が生成されてしまう場合がある。このような場合には、超音波プローブ21を被検体の体表面Sに向かってさらに押し込むことにより、被検体内のガスが移動して、膀胱領域BRが明瞭に写った超音波画像が得られる。
そのため、例えば、超音波画像の深さ方向の輝度プロファイルを用いる代わりに、膀胱領域BRのエッジ明瞭度に基づいて失敗フレームの超音波画像が判定されることができる。ここで、膀胱領域BRのエッジ明瞭度とは、膀胱領域BRの輪郭が明瞭であるほど大きい値を有し、膀胱領域BRの輪郭が不明瞭であるほど小さい値を有する指標値である。
実施の形態4に係る超音波診断装置は、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1と同一である。
実施の形態4における失敗フレーム判定部16は、例えば、膀胱領域BRのエッジ明瞭度に対して、定められたエッジ明瞭度しきい値を有しており、画像メモリ7に保持されているフレームの超音波画像を画像解析して膀胱領域BRのエッジ明瞭度を算出し、算出されたエッジ明瞭度が、定められたエッジ明瞭度しきい値よりも小さい場合に、被検体の体表面Sへの超音波プローブ21の押し込みが不足している失敗領域FRが超音波画像中に確認されたと判断し、そのフレームの超音波画像を失敗フレームの超音波画像と判定する。
また、失敗フレーム判定部16は、算出されたエッジ明瞭度が、定められたエッジ明瞭度しきい値以上である場合に、被検体の体表面Sへの超音波プローブ21の押し込みが不足している失敗領域FRが超音波画像中に無いと判断し、そのフレームの超音波画像を正常なフレームの超音波画像と判定する。
このように、膀胱領域BRのエッジ明瞭度に基づいて失敗フレームの超音波画像が判定される場合でも、実施の形態1の超音波診断装置1と同様に、失敗フレーム判定部16による判定結果と膀胱領域BRの特徴量とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かが判定され、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して、超音波ビームの再走査が推奨されるため、超音波ビームの再走査により、尿量計測に適した計測フレームの超音波画像UDが取得されやすく、尿量計測の精度を向上することができる。
なお、実施の形態4に対して、実施の形態3の態様を組み合わせることもできる。この場合に、警告部18は、例えば、膀胱領域BRのエッジ明瞭度に対して、失敗フレーム判定部16が有するエッジ明瞭度しきい値よりも大きいエッジ明瞭度警告しきい値を有しており、膀胱領域BRのエッジ明瞭度がエッジ明瞭度警告しきい値よりも小さい場合に、被検体の体表面Sへの超音波プローブ21の押し込みを強くする旨の警告をモニタ6に表示することができる。これにより、ユーザは、モニタ6に表示された警告を参考にしながら超音波プローブ21を被検体の体表面Sに向かって押し込んで、膀胱領域BRが明瞭に写るフレームの超音波画像を得ることができる。
実施の形態5
実施の形態4では、膀胱領域BRのエッジ明瞭度に基づいて失敗フレームの超音波画像を判定しているが、例えば、超音波プローブ21を被検体の体表面Sに押し付ける際の超音波プローブ21の接触圧に基づいて失敗フレームの判定を行うこともできる。
図19に示すように、実施の形態5に係る超音波診断装置1Bは、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1において、超音波プローブ21に圧力センサ32が取り付けられ、装置制御部14の代わりに装置制御部14Bが、失敗フレーム判定部16の代わりに失敗フレーム判定部16Bが、プロセッサ22の代わりにプロセッサ22Bが、それぞれ、備えられたものである。
圧力センサ32は、超音波プローブ21に取り付けられており、画像メモリ7に接続されている。圧力センサ32は、超音波プローブ21が被検体の体表面Sに押し付けられる際に、超音波プローブ21が被検体の体表面Sから受ける圧力、すなわち、被検体の体表面Sに対する超音波プローブ21の接触圧を計測する。圧力センサ32により計測された接触圧の情報は、画像メモリ7に送出され、同時刻において画像生成部4により生成されたフレームの超音波画像と一緒に画像メモリ7に保持される。
失敗フレーム判定部16Bは、超音波プローブ21の接触圧に対して、定められた接触圧しきい値を有しており、圧力センサ32により計測された接触圧が、定められた接触圧しきい値よりも低い場合に、その接触圧に対応するフレームの超音波画像中に被検体の体表面Sへの超音波プローブ21の押し込みが不足している失敗領域FRが確認されたと判断し、そのフレームの超音波画像を失敗フレームの超音波画像と判定する。
また、失敗フレーム判定部16Bは、圧力センサ32により計測された接触圧が、定められた接触圧以上である場合に、その接触圧に対応するフレームの超音波画像中に被検体の体表面Sへの超音波プローブ21の押し込みが不足している失敗領域FRが存在しないと判断し、そのフレームの超音波画像を正常なフレームの超音波画像と判定する。
このように、被検体の体表面Sに対する超音波プローブ21の接触圧に基づいて失敗フレームの超音波画像が判定される場合でも、実施の形態1の超音波診断装置1と同様に、失敗フレーム判定部16Bによる判定結果と膀胱領域BRの特徴量とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かが判定され、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して、超音波ビームの再走査が推奨されるため、超音波ビームの再走査により、尿量計測に適した計測フレームの超音波画像UDが取得されやすく、尿量計測の精度を向上することができる。
なお、実施の形態5に対して、実施の形態3の態様を組み合わせることもできる。この場合に、警告部18は、例えば、被検体の体表面Sに対する超音波プローブ21の接触圧に対して、失敗フレーム判定部16Bが有する接触圧しきい値よりも大きい接触圧警告しきい値を有しており、圧力センサ32により計測された接触圧が接触圧警告しきい値よりも小さい場合に、被検体の体表面Sへの超音波プローブ21の押し込みを強くする旨の警告をモニタ6に表示することができる。これにより、ユーザは、モニタ6に表示された警告を参考にしながら超音波プローブ21を被検体の体表面Sに向かって押し込んで、膀胱領域BRが明瞭に写るフレームの超音波画像を得ることができる。
実施の形態6
実施の形態1に係る超音波診断装置1は、モニタ6、入力装置15および超音波プローブ21がプロセッサ22に直接的に接続される構成を有しているが、例えば、モニタ6、入力装置15、超音波プローブ21およびプロセッサ22がネットワークを介して間接的に接続されることもできる。
図20に示すように、実施の形態6における超音波診断装置1Cは、モニタ6、入力装置15および超音波プローブ21がネットワークNWを介して超音波診断装置本体41に接続されたものである。超音波診断装置本体41は、図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1において、モニタ6、入力装置15および超音波プローブ21を除いたものであり、画像メモリ7およびプロセッサ22Cにより構成されている。
超音波診断装置1Cがこのような構成を有している場合でも、実施の形態1の超音波診断装置1と同様に、失敗フレーム判定部16による判定結果と膀胱領域BRの特徴量とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かが判定され、超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して、超音波ビームの再走査が推奨されるため、超音波ビームの再走査により、尿量計測に適した計測フレームの超音波画像UDが取得されやすく、尿量計測の精度を向上することができる。
また、モニタ6、入力装置15および超音波プローブ21がネットワークNWを介して超音波診断装置本体41と接続されているため、超音波診断装置本体41を、いわゆる遠隔サーバとして使用することができる。これにより、例えば、ユーザは、モニタ6、入力装置15および超音波プローブ21をユーザの手元に用意することにより、被検体の診断を行うことができるため、超音波診断の際の利便性を向上させることができる。
また、例えば、いわゆるタブレットと呼ばれる携帯型の薄型コンピュータがモニタ6および入力装置15として使用される場合には、ユーザは、より容易に尿量計測を行うことができ、尿量計測の利便性をさらに向上させることができる。
なお、モニタ6、入力装置15および超音波プローブ21がネットワークNWを介して超音波診断装置本体41に接続されているが、この際に、モニタ6、入力装置15および超音波プローブ21は、ネットワークNWに有線接続されていてもよく、無線接続されていてもよい。
また、実施の形態6の態様は、実施の形態1に適用されることが説明されているが、実施の形態2~5にも、同様に適用される。
1,1B、1C 超音波診断装置、2 振動子アレイ、3 送受信回路、4 画像生成部、5 表示制御部、6 モニタ、7 画像メモリ、9 膀胱抽出部、10 特徴量算出部、12 計測フレーム選択部、13 尿量計測部、14,14B 装置制御部、15 入力装置、16,16B 失敗フレーム判定部、17,17A 再走査判定部、18 警告部、19 再走査推奨部、20 再走査実行受付部、21 超音波プローブ、22,22B、22C プロセッサ、23 パルサ、24 増幅部、25 AD変換部、26 ビームフォーマ、27 信号処理部、28 DSC、29 画像処理部、31 重なり判定部、32 圧力センサ、41 超音波診断装置本体、B 膀胱、BR 膀胱領域、C 輪郭線、DS スライド方向、E 楕円体、FR 失敗領域、G1 グラフ、J 尿量、LX,LY,LZ 最大径、M1~M3 極大値、MP,W1 マーカ、N1,N2 極小値、PS1,PS2,PS3,PS4 走査断面、R 回転軸、S 体表面、T1~T6 時刻、U,U1~U4,UD 超音波画像、W2 メッセージ。

Claims (10)

  1. 超音波プローブを用いて被検体に対する超音波ビームの走査を行うことにより取得された複数フレームの超音波画像を保持する画像メモリと、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれから膀胱領域を抽出する膀胱抽出部と、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して前記膀胱抽出部により抽出された前記膀胱領域に関する特徴量を算出する特徴量算出部と、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれについて前記被検体に対する超音波ビームの走査が失敗した失敗フレームであるか否かを判定する失敗フレーム判定部と、
    前記特徴量算出部により算出された前記特徴量の時系列的な変化と前記失敗フレーム判定部により失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かを判定する再走査判定部と、
    前記再走査判定部により超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨する再走査推奨部と、
    前記再走査判定部により超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、前記特徴量算出部により算出された前記特徴量に基づいて前記複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択する計測フレーム選択部と、
    前記計測フレーム選択部により選択された前記計測フレームの超音波画像を解析することにより尿量を計測する尿量計測部と
    を備える超音波診断装置。
  2. ユーザが入力操作を行うための入力装置と、
    前記再走査推奨部により超音波ビームの再走査が推奨された場合に、前記ユーザによる前記入力装置を介した入力操作に従って、超音波ビームの再走査を実行するか否かの選択を受け付ける再走査実行受付部と
    をさらに備え、
    計測フレーム選択部は、前記再走査判定部により超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合、または、前記再走査実行受付部により超音波ビームの再走査を実行しない選択が受け付けられた場合に、前記特徴量算出部により算出された前記特徴量に基づいて前記複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記失敗フレーム判定部は、前記超音波画像に対して画像解析を行うことにより、前記超音波画像の深さ方向の輝度プロファイルに基づいて、前記被検体に前記超音波プローブが接着していない失敗領域が前記超音波画像中に確認された場合に、失敗フレームであると判定する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記失敗フレーム判定部は、前記超音波画像に対して画像解析を行うことにより、前記超音波画像における前記膀胱領域のエッジ明瞭度に基づいて、前記被検体への前記超音波プローブの押し込みが不足している失敗領域が前記超音波画像中に確認された場合に、失敗フレームであると判定する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  5. 前記再走査判定部は、前記失敗フレーム判定部により、前記失敗領域が前記超音波画像中に確認されても、前記膀胱抽出部により抽出された前記膀胱領域が前記失敗領域に重ならない場合には、超音波ビームの再走査が不要であると判定する請求項3または4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記超音波プローブと、
    前記超音波プローブに取り付けられ且つ前記被検体に対する前記超音波プローブの接触圧を検出する圧力センサと
    をさらに備え、
    前記失敗フレーム判定部は、前記圧力センサにより検出された前記超音波プローブの接触圧に基づいて、失敗フレームであるか否かを判定する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  7. 前記失敗フレーム判定部は、前記超音波プローブのうち、前記被検体に接着していない部分、または、前記被検体への押し込み不足となっている部分を前記ユーザに通知する請求項1~6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記失敗フレーム判定部により失敗フレームであると判定された場合に、前記ユーザに対して警告を発する警告部をさらに備えた請求項1~7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  9. 超音波プローブを用いて被検体に対する超音波ビームの走査を行うことにより取得された複数フレームの超音波画像を保持し、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれから膀胱領域を抽出し、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して抽出された前記膀胱領域に関する特徴量を算出し、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれについて前記被検体に対する超音波ビームの走査が失敗した失敗フレームであるか否かを判定し、
    前記特徴量の時系列的な変化と、失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かを判定し、
    超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨し、
    超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、前記特徴量に基づいて前記複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択し、
    前記計測フレームの超音波画像を解析することにより尿量を計測する超音波診断装置の制御方法。
  10. 超音波プローブを用いて被検体に対する超音波ビームの走査を行うことにより取得された複数フレームの超音波画像を保持し、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれから膀胱領域を抽出し、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれに対して抽出された前記膀胱領域に関する特徴量を算出し、
    前記複数フレームの超音波画像のそれぞれについて前記被検体に対する超音波ビームの走査が失敗した失敗フレームであるか否かを判定し、
    前記特徴量の時系列的な変化と、失敗フレームであると判定されたフレームの超音波画像の時系列的な位置とに基づいて超音波ビームの再走査が必要か否かを判定し、
    超音波ビームの再走査が必要であると判定された場合に、ユーザに対して超音波ビームの再走査を推奨し、
    超音波ビームの再走査が不要であると判定された場合に、前記特徴量に基づいて前記複数フレームの超音波画像の中から計測対象となる計測フレームの超音波画像を選択し、
    前記計測フレームの超音波画像を解析することにより尿量を計測する超音波診断装置用プロセッサ。
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