JP7288473B2 - 各種のエネルギーのビームを取り出すためのシンクロサイクロトロン - Google Patents

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Description

本発明は、中心軸(z)の周囲に少なくとも3の対称性(N)で交互に分散された山セクタと谷セクタを含むシンクロサイクロトロン(SC)から、ビームが辿る軌跡の低及び高平均半径(R1、R2)に対応する低エネルギー(E1)と高エネルギー(E2)との間で異なるエネルギーで加速荷電粒子のビームを取り出すことに関する。特に、ビームの取出しは磁場摂動又は磁場バンプによってトリガされ、その大きさは、ある方位角(θc)(方位角セクタの開口を画定する)の低及び高平均半径(R1、R2)間に含まれる方位角セクタにわたり、平均不安定性開始半径(Ri)及び半径方向のチューン(vr)でオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)と等しくなるように制御でき、
・Riは、エネルギー(Ei)のビームに対応するビームが取り出されることになる平均不安定性開始半径であり、R1≦Ri≦R2であり、
・ΔBz0(Ri,vr)・θc/2πはvrに依存する平均半径(Ri)でのオフセット振幅であり、平均半径、R≧Riの連続軌道の共鳴不安定性を発生させるのに十分なだけ平均不安定性開始半径(Ri)の軌道の中心をずらすのに必要な平均不安定性開始半径(Ri)における磁場摂動の最小振幅であり、
・ΔBz0(Ri,vr)は、半径Riでのバンプ振幅の最大値であり、
・vrは半径方向のチューンであり、半径方向へのベータトロンの振動の尺度であり、オフセット振幅の値(ΔBz0(Ri,vr))・θc/2πの値を減少させるために、vr≠1且つvr=1±0.1、好ましくは1±0.025、より好ましくは1.002≦|vr|≦1.015となるように制御される。
本発明のシンクロサイクロトロンは、それがシンクロサイクロトロンの定格エネルギーの20%~100%のエネルギー範囲で荷電粒子のビームを取り出すことができるという点で特に有利である。例えば、230MeVシンクロサイクロトロンの場合、本発明は46MeV~230MeVの範囲のエネルギーの荷電粒子のビームをごく簡単に取り出すことができる。
サイクロトロンとは円形粒子加速器の一種であり、負又は正の荷電粒子がサイクロトロンの中心から外側へと、連続する同心円状軌道を形成する螺旋経路に沿って数MeVのエネルギーまで加速される。粒子の加速は、RF交流電場により駆動され、粒子の軌跡は主磁場(B)のz成分(Bz)により、平均半径(R)の平面(X,Y)上の連続的に増大する軌道に沿って案内される。様々な種類のサイクロトロンがある。等時性サイクロトロンでは、BzとRF電場の周波数がどちらも一定であり、それによって粒子ビームは螺旋経路の各々の連続サイクル又はサイクルの一部を同時に移動する。シンクロサイクロトロンは特殊なサイクロトロンであり、粒子の速度が光速に到達すると、RF交流電場の周波数が変化して相対論的効果を補償する。これは、周波数が一定である等時性サイクロトロンとは対照的である。サイクロトロンは、多岐にわたる分野、例えば原子物理学において、陽子治療等の医学的治療において、又は放射線医薬品学において使用される。
本発明は、シンクロサイクロトロンに関する。シンクロサイクロトロンでは、粒子は、これらが交互に、ある複数回の回転で加速され、その後別の周期の複数回の回転で減速されるように、同期相の周囲で、典型的には数度~約30度の縦方向位相振動を形成する。その結果得られる加速は、シンクロサイクロトロンの場合のほうが等時性サイクロトロンの場合より遅いが、ビームの縦方向安定性が高いため、各デューティサイクルで多くの粒子を加速させることができる。
サイクロトロンは幾つかの要素を含み、これには入射ユニット、荷電粒子を加速させるための無線周波数(RF)加速システム、加速された粒子を正確な経路に沿って案内するための磁気システム、このように加速された粒子を回収するための取出しシステム、及びサイクロトロン中に真空を発生させ、保持するための真空システムが含まれる。超電導サイクロトロンには、その超電導素子をその超電導温度に保つための極低温冷却システムが必要となる。
入射システムは、粒子ビームを比較的低い初期速度でサイクロトロンの中心の、又はその付近の加速ギャップの中に導入する。RF加速システムは、磁気ユニットにより生成される磁場によって加速ギャップの中の螺旋経路に沿って外側へと案内されるこの粒子ビームを、逐次的及び反復的に加速させる。
磁気ユニットは磁場を発生させ、それが荷電粒子のビームを螺旋経路に沿って案内し、収束させて、その標的エネルギーEiに到達させる。主磁場は、中心軸(z)に垂直で、サイクロトロンの対称面を画定する正中面(P)のそれぞれの側に相互に平行に配置される2つの磁場整形ユニット間に画定されるギャップ内に、これらの磁場整形ユニットの周囲に巻かれた2つのソレノイドメインコイルによって生成される。磁場整形ユニットは、加速ギャップにより相互に分離された磁極又は超電導コイルとすることができる。主磁場は、とりわけ相対論効果によるビームの収束ずれを制限するように制御されなければならない。
収束は、中心軸(z)の周囲に少なくとも3の対称性(N)で交互に分散された、同じ次数(N)の対称性の主磁場を整形するための山及び谷セクタを提供することによって改善できる。正中面(P)付近でこのように変化する磁場の半径方向及び方位角方向成分により生じる収束及び収束ずれ効果は、ビームのチューンの値に影響を与える。ビームのチューンは、1回転中に各粒子が閉軌道の周囲で作る周期の一部である。あるエネルギー(Ei)で(又はある平均半径(Ri)で)、チューンは半径方向成分(vr)及び垂直成分(vz)を有する。完璧に扁平な主磁場(Bz)は、半径方向のチューンvr=1を有し、その結果、荷電粒子のビームは不安定となる。チューンvr=1の主磁場では、完璧には整列しない粒子が、本来辿るはずであった軌道から抜け出し、離れて行き、このことは加速段階中に回避しなければならない。
主コイルは、磁束帰還路又はヨーク内に囲まれ、これは磁場をサイクロトロン内に制限する。真空は少なくとも加速ギャップ内で抽出される。磁場整形ユニット及び磁束帰還路の何れか1つは、磁性材料、例えば鉄又は低炭素鋼で製作でき、又は、電気エネルギーにより作動されるコイルで構成できる。前記コイルのほか、主コイルを超電導材料で製作できる。この場合、超電導コイルは、その臨界温度より低温まで冷却しなければならない。極低温冷却器を使用して、サイクロトロンの超電導成分を、低温超電導体(LTS)については2~10K、典型的には約4Kのオーダ、及び高温超電導体(HTS)については20~75Kのオーダであり得るそれらの臨界温度より低温に冷却することができる。磁束帰還路には、荷電粒子が(シンクロ)サイクロトロンから取り出すことができるようにするための1つ又は複数の出口ポートが設けられる。
粒子ビームがその標的エネルギーに到達すると、取出しシステムは出口ポートを通ってそれをサイクロトロンから取り出し、それを抽出チャネルに向かって案内する。幾つかの取出しシステムが存在し、当業者の間で知られており、これにはストリッピング(ほとんどが等時性サイクロトロン)、静電取出し(またほとんどが等時性サイクロトロン)、及び再生取出しが含まれ、磁場バンプによって共鳴磁場摂動が生じる(シンクロサイクロトロンと同時性サイクロトロンの両方についてあり得る)。
再生取出しでは、磁場バンプ(ΔBz)を加えることによって粒子ビームの軌道中に共鳴磁場摂動を生じさせる。方位角方向及び半径方向範囲が十分に定められた鉄のバー(「リジェネレータ」と呼ばれる)を使って磁場バンプが生成されることが多い。例えば、(特許文献1)及び(特許文献2)に、鉄を用いたリジェネレータが記載されている。鉄を用いたリジェネレータの第一の欠点としては、磁場バンプの大きさを容易に変化させることができず、サイクロトロンの動作中は確実に不可能であることが含まれる。これは、同じサイクロトロンが異なるエネルギーでの粒子を取り出すために使用される場合の主要な欠点である。第二の欠点は、取り出される粒子ビームのエネルギーを変化させることができないことである。ある用途にあるエネルギー(Ei)の粒子ビームが要求される場合、この粒子ビームをサイクロトロンの公称エネルギーで抽出しなければならず、ビームのエネルギーは、出口ポートの下流の、シンクロサイクロトロンの外部にあるエネルギー制御装置、例えばエネルギー選択システム(ESS)、デグレーダ、レンジシフタ、コリメータ等によって削減しなければならない。
鉄を用いるレジェネレータは、コイル、特により高い磁場を生成できる超電導コイルに置き換えることができる。コイルの使用によって、磁場バンプの大きさ(ΔBz)を主磁場(B)のz成分(Bz)の大きさとは関係なく変化させることができる。
粒子ビームを異なるエネルギー(Ei)(又は平均半径(Ri))でシンクロサイクロトロンから取り出すための解決策が提案されている。(特許文献3)には、取出しチャネルの入射地点の付近に配置された、粒子のエネルギーレベルを変化させるための取出し構造を含むシンクロサイクロトロンが記載されており、取出し構造は複数の厚さを有し、取出しチャネルに関して移動させて、複数の厚さのうちの1つを粒子の経路内に置くことできる。この解決策は、広い範囲[E1,E2]にわたって変化するエネルギーのビームの取出しには適していない。
(特許文献4)には、正中加速面の両側に中心軸から半径方向に直列で延びる一連の磁気取出しバンプを含むシンクロサイクロトロンが記載されている。(特許文献5)には、RF周波数対イオン飛行時間シナリオが、周波数対時間シナリオがある設計範囲からの何れのイオン取出しエネルギーについても同じになるように設定され、一定又は可変RF電圧対イオン飛行時間シナリオが、ある設計範囲内の異なるそれぞれの取出しエネルギーレベルのイオンについて入射から取出しまでイオン加速を提供するように調整され、イオンが共通の取出し半径で異なるエネルギーレベルで取り出されるシンクロサイクロトロンが記載されている。(特許文献6)には、加速に使用される高周波のそれとは異なる周波数の高周波が荷電粒子ビームに印加されて、荷電粒子ビームを排出させるシンクロサイクロトロンが記載されている。それゆえ、荷電粒子ビームを加速させながら、主磁場内で高周波を印加することによって軌跡半径を増大させる円形加速器においては、それによって円形加速器からの荷電粒子ビームの排出を高い精度で制御できる。これらの解決策では、磁場の強度又はRF加速電場の周波数を変化させる必要があり、それにはその大きな変動のために時間を要する。
(特許文献7)には、小型化された可変エネルギー加速器が記載されており、対応するエネルギーの荷電粒子が辿る粒子ビームの軌跡の複数のリング状ビーム閉軌道がシンクロサイクロトロンの中心に関して片側にずれる。加速電極により荷電粒子に供給される無線周波数電場の周波数は、ビーム閉軌道によって変調される。このようにして生じた軌道のオフセットは、隣接する軌道が相互に非常に近い凝集領域と隣接する軌道が半径方向により大きい距離だけ分離される離散領域を形成する。
(特許文献8)には、RF電場を印加して荷電粒子ビームを加速させる電極を含み、DC電場を電極に印加するDC電源装置をさらに含むシンクロサイクロトロンが記載されている。半径reの外部からダミーディー電極にDC電圧を印加している間に荷電粒子ビームが加速されると、ビームを曲げる磁場B及びreからより外側のDC電圧Vdcからの電場Eによって、半径reまでの螺旋状軌道に沿ってE×Bドリフトが発生し、ビーム軌道は中央からより外側にドリフトし、荷電粒子ビームは静電ビーム偏向電極によって取り出される。
最後の2件の文献で提案されている解決策は、興味深いものの、かなり複雑であり、シンクロサイクロトロンの公称エネルギー(Em)の25~50%のオーダの低エネルギーで荷電粒子を取り出すことは非常に難しい。
米国特許第8581525号明細書 国際公開第2013098089号パンフレット 米国特許第9302384号明細書 国際公開第2013142409号パンフレット 国際公開第2017160758号パンフレット 国際公開第2019146211号パンフレット 米国特許出願公開第20190239333号明細書 米国特許出願公開第20150084548号明細書 欧州特許第3503693号明細書
したがって、エネルギーを高い線量で迅速に切り替えることができるという点で、簡素化された、より安易なビーム取出しを行う、高速可変エネルギーでのビーム送達が可能なシンクロサイクロトロンが依然として求められている。本発明は、取り出される粒子のエネルギーを選択するための、大きさが変化する磁場バンプを作るように構成された第一及び第二の不安定性コイルユニットが提供されたシンクロサイクロトロンを提案する。このように作られた摂動は、摂動軌道がさらされる特定の磁場条件によって共鳴状態に入る。本発明のシンクロサイクロトロンは、前述の要求事項を満たす。以下の項で、これら及びその他の利点をより詳しく説明する。
付属の独立請求項は、本発明を定義する。従属請求項は、好ましい実施形態を定義する。特に、本発明は、低エネルギー(E1)及び高エネルギー(E2)との間に含まれる何れかの取出しエネルギー(Ei)まで加速されたハードロン(例えば、陽子)等の荷電粒子を取り出すためのシンクロサイクロトロンに関する。シンクロサイクロトロンは:
・共通の中心軸(z)上に中心を置き、中心軸(z)に垂直で、サイクロトロンの対称面を画定する正中面のそれぞれの側に相互に平行に配置される少なくとも第一の主コイル及び第二の主コイルであって、電力源により作動されると主磁場(B)を生成するように構成された少なくとも第一及び第二の主コイルと、
・荷電粒子を加速させるための可変周波数のRF振動電場を作るように構成されたディーと、
・主磁場(B)を整形し、それゆえ荷電粒子を、中心軸(z)を中心とする増大する平均半径(R)の連続軌道に沿って案内するための第一の磁場整形ユニット及び第二の磁場整形ユニット(42)であって、正中面(P)のそれぞれの側において第一及び第二の主コイル内に配置され、ギャップによって相互に分離され、中心軸(z)の周囲に少なくとも3の対称(N)で、好ましくはN=2n+1、ただし
Figure 0007288473000001
、より好ましくはN=3で交互に分散された、同じ次数(N)の対称性に主磁場を整形するための山セクタと谷セクタを含む第一及び第二の磁場整形ユニットと、
・正中面のそれぞれの側に配置され、電力源により作動されると、主磁場のz成分(Bz)において、局所化された磁場バンプを作るように構成された第一の不安定性コイルユニット及び第二の不安定性コイルユニットと、
を含む。
主磁場のz成分(Bz)は、連続軌道の半径方向のチューン(vr)が、低及び高エネルギー(E1,E2)での荷電粒子のそれぞれの平均半径方向位置に対応する低半径(R1)と高半径(R2)との間に含まれる平均半径(R)のすべての値について、1と等しくなく、1±0.1、好ましくは1±0.025内に含まれ、より好ましくは1.002≦|vr|≦1.015となるように制御される。
第一及び第二の不安定性コイルユニットは、方位角(θc)の方位角セクタ内に磁場バンプを生じさせるように構成され、振幅(ΔBz(R))は半径方向に、好ましくは単調に、低半径(R1)での第一の磁場バンプ振幅値(ΔBz(R1))と高半径(R2)での第二の磁場バンプ振幅値(ΔBz(R2))との間で増大する。
シンクロサイクロトロンは、低値と高値との間に含まれる様々なレベルで磁場バンプの振幅(ΔBz(R))を調整し、低及び高半径(R1,R2)間に含まれる平均不安定性開始半径(Ri)のすべての値について、平均不安定性開始半径(Ri)での磁場バンプの振幅(ΔBz(Ri))の値が、
〇平均不安定性開始半径(Ri)でのオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))の値と等しく、
〇平均不安定性開始半径(Ri)より小さい平均半径(R)のすべての値について、オフセット振幅(ΔBz0(R,vr))の値より低くなる
ように構成される制御ユニットを含み、
オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)は、荷電粒子がそれに沿って案内される平均不安定性開始半径(Ri)の軌道の中心を十分にずらして、この軌道上の高調波数2の振幅と高調波数2の振幅の半径方向の勾配の組合せがこのようにずらされた軌道上の対称性(N)の主磁場(B)によって生成され、平均半径の連続軌道の共鳴不安定性を生成するのに十分に大きくなるようにするのに必要な、平均不安定性開始半径(Ri)、R≧Riでの磁場バンプの最小振幅である。
第一及び第二の不安定性コイルユニットは、第一及び第二の不安定性コイルユニットの投影が、π/3より小さい、好ましくはπ/4より小さい、より好ましくはπ/6より小さい、半径方向に低及び高半径(R1,R2)間とすることのできる方位角(θc)に含まれる方位角区画により円周方向に画定されるエリア内に配置されるように画定できる。
第一の実施形態において、第一及び第二の不安定性コイルユニットは、方位角(θc)の、及び半径方向に(R2-R1)と少なくとも等しい長さの方位角セクタに適合する寸法の台形又は三角形のコイルのペアの形態とすることができる。第一及び第二の不安定性コイルユニットを分離する距離は半径方向に減少し、それによって低半径(R1)での振幅(ΔBz(R1))は高半径(R2)での振幅(ΔBz(R2))より小さくなる。第一及び第二の不安定性コイルユニットを分離する距離は、半径方向に沿って線形に減少することができ、第一及び第二の不安定性コイルユニットの各々は、正中面(P)と5~30度、好ましくは10~25度に含まれる角度を成す。
第二の実施形態において、第一及び第二の不安定性コイルユニットは、方位角セクタ内で半径方向に整列するコイルの2又はそれより多いペアの連続により形成でき、各コイルペアは、中心軸(z)により近くにある隣接するコイルペアより高い振幅(ΔBz(R))の、又は中心軸(z)からより遠くにある隣接するコイルペアより低い振幅(ΔBz(R))の磁場バンプを生成するように構成される。
平均不安定性開始半径(Ri)でのオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)は好ましくは、ΔBz0(Ri,vr)・θc/2πが平均不安定性開始半径(Ri)での主磁場(B)のz成分(Bz)の平均値の0.001%~1%、好ましくはその0.005%~0.05%に含まれるように画定される。
取出しの公称エネルギー(Em)を有するシンクロサイクロトロンの場合、低エネルギー(E1)はEmの20%~75%、好ましくはEmの30%~50%に含まれ得る。高エネルギー(E2)はEmの80%~100%、好ましくはEmの90%又は95%~99%に含まれ得る。
本発明はまた、低エネルギー(E1)と高エネルギー(E2)との間に含まれる取出しエネルギー(Ei)のあらゆる値でシンクロサイクロトロンから荷電粒子を取り出す方法にも関する。方法は:
・上述のシンクロサイクロトロンであって、
〇荷電粒子が、低及び高エネルギー(E1,E2)での荷電粒子の中心軸(z)に関するそれぞれの平均半径方向位置に対応する、低半径(R1)と高半径(R2)との間に含まれる、その軌道の対応する平均不安定性開始半径(Ri)で取出しエネルギー(Ei)に到達し、
〇連続軌道の半径方向のチューン(vr(R))が、低及び高半径(R1,R2)間に含まれる平均半径のすべての値について、1と等しくなく、1±0.1、好ましくは1±0.025内に含まれ、より好ましくは1.002≦|vr|≦1.015となる
ように構成されるシンクロサイクロトロンを提供するステップと、
・取り出される荷電粒子の取出しエネルギー(Ei)の値を選択するステップと、
・取出しエネルギー(Ei)での荷電粒子の平均半径(Ri)の軌道の中心をオフセットさせ、それゆえ平均半径、R≧Riの連続軌道の共鳴不安定性を生じさせるのに必要なオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))・θc/2πの値を特定するステップと、
・磁場バンプの振幅(ΔBz(Ri))・θc/2πが平均不安定性開始半径(Ri)でのオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))・θc/2πと等しく、平均半径(Ri)より小さい平均半径のすべての値についてオフセット振幅(ΔBz0(R,vr))・θc/2πより低くなるように磁場バンプの大きさを調整するステップと、
・出口ポートを通じてシンクロサイクロトロンからビームを取り出すステップと、
を含む。
本発明の性質をよりよく理解するために、下記のような添付の図面と共に読むべき以下の詳細な説明を参照する。
図1は、磁極と第一及び第二の不安定性コイルユニットを有する本発明によるシンクロサイクロトロンの実施形態の断面側面図を示す(明瞭にするためにディーは図示せず)。 図2は、シンクロサイクロトロンの内部を示すために第二の磁場整形ユニットを取り除いた本発明によるシンクロサイクロトロンの実施形態の斜視図を示す。 図3は、第一及び第二の不安定性コイルユニットにより生成される磁場バンプの位置と強度の例の上面図を示す。 図4は、(a)低エネルギー粒子(R1に近い)の軌道及び(b)高エネルギー粒子(R2に近い)の軌道における磁場バンプによる不安定化の後の軌跡の2つの実施形態を示す。 図5(a)は、粒子ビームの半径方向の位置(R)に関する粒子エネルギー(E)のプロット、図5(b)は、粒子ビームの半径方向の位置(R)に関する半径方向及び垂直方向のチューン(vr,vz)のプロット、図5(c)は、粒子ビームの半径方向の位置(R)に関する主磁場のz成分(Bz)の完全な軌道全体の平均値のプロット、図5(d)は、粒子ビームの半径方向の位置(R)に関するオフセット振幅(ΔBz0(R,vr))のプロット、図5(e)は、ある半径(Ri)における方位角位置(角度θ)に関する主磁場のz成分(Bz)のプロットを示す。
本発明は、ハードロン及び、特に最大又は公称標的エネルギー(Em)を有する陽子等の荷電粒子のビームを生成するシンクロサイクロトロンに適用される加速粒子ビーム取出しシステムに関する。粒子ビームの公称標的エネルギー(Em)は、15~400MeV/nucleon、好ましくは60~350MeV/nucleon、より好ましくは70~300MeV/nucleonのオーダとすることができる。シンクロサイクロトロンの公称エネルギー(Em)は、シンクロサイクロトロンの設計時に設定される。本発明のシンクロサイクロトロン(1)は、取出しの低エネルギー(E1)と高エネルギー(E2)との間に含まれる可変エネルギーで荷電粒子のビームを取り出すことができ、E1<Em≦E2である。低エネルギー(E1)はEmの20%~75%、好ましくはEmの30%~50%のオーダとすることができ、高エネルギー(E2)はEmの80%~100%、好ましくはEmの90%又は95%~99%の間とすることができる。荷電粒子のビームは、図5(a)に示されるように、半径(Ri)の対応する軌道で回転するときにあるエネルギー(Ei)を有する。荷電粒子のビームが辿る軌道は、本明細書において、「平均半径」により特徴付けられ、これは、谷及び山セクタ(44v,44h)及びそれに対応するBzの方位角のばらつきにより、軌道は円形ではないからである。軌道の平均半径は完全な1回転(すなわち、360度)にわたる軌道の半径の平均値である。
本発明のシンクロサイクロトロンによる可変エネルギーでの取出しは、一方で、R1とR2の間に含まれる平均半径(Ri)の何れの軌道でのその振幅(ΔBz(Ri))も、共鳴不安定性を生じさせるのに十分に平均半径(Ri)の中心をずらすのに必要なオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))の値に到達するように変化できるような磁場バンプを生じさせることによって、他方で、オフセット振幅(ΔBz0(R,vr))が、ビームの安定で再現可能な加速を可能にするのに十分に高く、且つ磁場バンプの大きさ(ΔBz(Ri))を制限するのに十分に低くなるようにする条件を作ることによって、可能とされる。上述の特徴は、後述のように本発明によるシンクロサイクロトロンの中で組み合わせることができる。ビームは、単に磁場バンプを利用しないだけで、最大標的エネルギー(Em)で引き出せることが明らかである。
シンクロサイクロトロン
本発明は、従来のシンクロサイクロトロン上に実装でき、当業界で知られているすべての特徴を含むことができる。シンクロサイクロトロンは、以下の構成要素を含む。
・荷電粒子を加速させるためのRF振動電場を発生させるように構成されたディー(21)。周波数は、粒子の速度が光速に近付く際の相対論効果に対処するために、荷電粒子の経路に沿って変化する。
・主磁場(B)を発生させるための主コイルと、主磁場(B)、特に主磁場のz成分(Bz)を整形するための磁場整形ユニットを含む磁気ユニット。主磁場のz成分(Bz)は、半径(Ri)の連続して増大する同心円状軌道の連続により形成される螺旋軌跡に沿って加速粒子の軌跡を曲げるために使用される。
・標的エネルギーに到達した荷電粒子のビームを取り出すための取出しユニット。このシンクロサイクロトロンは、それが標的エネルギーを低及び高エネルギー(E1,E2)間に含まれる広い範囲にわたり変化させることができるシンクロサイクロトロンの種に含まれるという点で、従来のシンクロサイクロトロンとは異なる。
ディー(21)
図2に示されるように、本発明のシンクロサイクロトロンは、RF振動電場を発生させるための、一般に金属のD字形中空シートにより製作されるディー(21)を含む。他方の極は開放している。振動電場の周波数は、相対論速度に到達する加速荷電粒子の質量の増加に対処するために継続的に減少する。周期的に変化する振動電位の一方の端子はディーに印加され、他方の端子はアース電位にある。
磁気ユニット
前述のように、シンクロサイクロトロンは、荷電粒子のビームの軌跡を、それがRF振動電場により加速されているときに同心円状に増大する軌道(=螺旋)を描くように曲げるための、主コイル(31、32)と磁場整形ユニット(41、42)を含む磁気ユニットを含む。図1及び2に示されるように、シンクロサイクロトロンは、少なくとも第一及び第二の主コイル(31、32)を含み、これらは超電導であってもそうでなくてもよく、中心軸(Z)上に中心を置き、中心軸(z)に垂直な正中面(P)のそれぞれの側に相互に平行に配置される。正中面(P)は、シンクロサイクロトロンの対称面を画定する。第一及び第二の主コイルは、電力源により作動されると、主磁場(B)を発生させる。主磁場は、荷電粒子の軌跡を曲げるために使用される。
磁気ユニットはまた、第一の磁場整形ユニット(41)と第二の磁場整形ユニット(42)も含む。第一の及び第二の磁場整形ユニット(41、42)は、正中面(P)のそれぞれの側の第一及び第二の主コイル内に配置され、ギャップ(6)によって相互に分離される。荷電粒子のビームの軌道は、主平面内に含まれるか、又はその周辺で振動する。第一及び第二の磁場整形ユニット(41、42)は、強磁性金属(例えば、鋼鉄)製の磁極の形態とすることができ、又は一連のコイル、好ましくは超電導コイルにより形成して、主磁場(B)を整形し、それゆえ中心軸(z)上に中心を置く、平均半径(R)が増大する連続的軌道(=螺旋経路)に沿って荷電粒子を案内することができる。特に、これらは、中心軸(z)に平行な、第一及び第二の磁場整形ユニット間の主磁場のz成分(Bz)を制御して、各軌道に沿った粒子の回転速度を軌道の半径(R)のすべての値についてRF振動電場と同期させるように構成される。主磁場のz成分(Bz)の例は図5(c)において半径方向に、図5(e)ではある半径(Ri)での角度位置(θ)に関して示されている。
第一及び第二の磁場整形ユニット(41、42)は、山セクタ(44h)と谷セクタ(44v)を含み、これらは中心軸(z)の周囲に、少なくとも3の対称性(N)で交互に分散され、好ましくはNは奇数(N=2n+1、
Figure 0007288473000002
)であり、より好ましくはN=3であり、図5(e)に示されるように、同じ次数(N)の対称性で主磁場のz成分を整形する。したがって、ギャップ(6)の高さは角度位置と共に変化し、2つの谷セクタ間で測定される高さ(Hv)は2つの山(44h)間で測定される高さ(Hh)より大きい(図1参照)。
取出しユニット
荷電粒子のビームが標的エネルギーに到達すると、これをシンクロサイクロトロンから取り出さなければならない。本発明のシンクロサイクロトロンは新規なレジェネレータ機器を使用して、R1~R2の範囲のビームの軌跡の半径(Ri)のある軌道に不安定性を生じさせ、これは後述のように共鳴する。シンクロサイクロトロンは、第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)を含み、各々が少なくとも1つのコイルを含み、これを励起して、ある軌道に不安定性を生じさせることができる。ビームの荷電粒子がギャップの領域に到達すると、これらは主磁場によって曲げられずにギャップ内に残り(=浮遊磁場領域)、ビームを1つ又は複数の出口ポート(49)から取り出すことができる。主磁場は山より谷のほうが低いため(図5(e)参照)、取出し経路は好ましくは谷セクタ(44v)に追従するが、これは必須ではない。磁場整形ユニットは、正中面(P)に沿って共鳴不安定となったビームがz方向に十分な安定性を保持して、多すぎる荷電粒子に対する制御を失わないように整形されるべきである。
図2に示されるように、鉄のバー(47)又はコイルは、ビームをギャップから出て、出口ポート(49)を通ってシンクロサイクロトロンから出るように案内するように配置できる。
シンクロサイクロトロンの上記の説明は当業者にとってはよく知られており、当業者であれば、シンクロサイクロトロンの構造を定義するためのみに必要であることから意図的に簡潔にしたこの説明の中の欠如部分があってもそれを満たすことができる。本発明は、
(a)半径方向のチューンvrの値に応じて軌道を安定性の限度付近に、ただしそれ以内に保持するように主磁場を制御すること、
(b)R1とR2の間に含まれる何れかの半径の中から選択された半径(Ri)の軌道をずらすための特定のプロファイルを有する磁場バンプを生じさせる第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)、及び、
(c)軌道の不安定性を共鳴させ、ビームをギャップ(6)の外及びシンクロサイクロトロンの外へと駆動するための、主磁場のz成分(Bz)の対称性(N>2)
を組み合わせた取出しシステムにおいて、既知のシンクロサイクロトロンとは異なる。
半径方向のチューン(vr)
前述のように、半径方向のチューンとは、ビームの半径方向におけるその軌跡を形成する軌道にわたる半径方向への振動の尺度である。換言すれば、チューンは、ビームの回転に対する振動の比である。あるエネルギーで、チューンはビームの軌跡に対する両方の横断方向に画定され、すなわち、半径方向への半径方向のチューン(vr)と正中面(P)に垂直な垂直方向のチューン(vz)である。半径方向に完璧に扁平な磁場は半径方向チューンvr=1を有し不安定であり、閉軌道上に完全に整列していない粒子は正中面に沿って軌道から抜け出し、ある方向にドリフトする。このようなドリフトは、少なくともビームの加速中、標的エネルギーに到達する前に回避し、又は少なくとも最小化しなければならない。等時性サイクロトロンでは、設計上、vr>1であり、1に非常に近くなるように選択できず、これは、このような状況では、磁場は半径が増大しても、高いエネルギーでの相対論効果を補償するのに十分には増大できないからである。これは、磁場を設計するときに等時性状態が作られないため、シンクロサイクロトロンには当てはまらない。
本発明において、低平均半径(R1)と高平均半径(R2)との間に含まれる連続的軌道の半径方向のチューン(vr)は、ビームが不安定すぎて軌道に沿って加速されないため、1と等しくない。半径方向のチューン(vr)は、1±0.1以内、好ましくは1±0.025以内、より好ましくは1.002≦|vr|≦1.015でなければならない。半径方向のチューン(vr)は|1-vr|<0.002の範囲から除外されて、標的エネルギーに到達するのに十分な安定性をビームに付与することが好ましい。したがって、0.002≦|1-vr|≦0.015、より好ましくは0.004≦|1-vr|≦0.012であることが好ましい。半径(R)に関する半径方向のチューン(vr)(実線)の例が図5(b)に示され、垂直方向のチューン(vz)もまた図5(b)中に破線で示されている。
上記の範囲内の半径方向のチューン(vr)を選択することによって、一方で、平均不安定性開始半径より小さい(R1)~(R2)に含まれる平均半径のすべての軌道について、ビームを標的エネルギーまで加速するのに十分に安定とするために十分に高く、他方で、それが小さい電気的又は磁気的摂動だけで軌道をずらすことができるのに十分に低いことが確実となる。本発明では、磁気摂動が使用される。これは、ビームの取出しにつながる共鳴プロセスを開始するための必要不十分条件である。
磁場バンプ
前述のような半径方向のチューン(vr)の値により、小さい磁気的摂動で、R1~R2に含まれるある半径(Ri)の軌道を十分にずらすことができる。磁気的摂動は、正中面(P)のそれぞれの側に配置された第一の不安定性コイルユニット(51)と第二の不安定性コイルユニット(52)によって生じさせられる(図1及び2参照)。図3及び5(c)に示されるように、これらは、電力源により作動されると、主磁場のz成分(Bz)の中に位置付けられる磁場バンプを作るように構成される。
図5(c)に示されるように、第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)は、半径方向に、好ましくは単調に、低半径(R1)での第一の磁場バンプ振幅値(ΔBz(R1))と高半径(R2)での第二の磁場バンプ振値(ΔBz(R2))との間で増大するプロファイルを有する振幅(ΔBz(R))の磁場バンプを作るように構成される。
制御ユニットは、低値と高値との間に含まれる各種のレベルでの磁場バンプのプロファイルの振幅(ΔBz(R))を調整し、それによってR1とR2との間に含まれる何れの平均半径(Ri)での振幅(ΔBz(Ri))の値をある範囲内で上下に変動できるように構成される。例えば、磁場バンプの振幅をスケーリングし、若しくはシフトアップすること、又はその組合せによって低値(ΔBz(R1))から高値(ΔBz(R2))へと磁場バンプの振幅を増大することができる。これは、単に第一及び第二の不安定性コイル(51、52)に供給される電流の量を変化させることによって行うことができる。
(R1)と(R2)との間に含まれる何れかの平均不安定性開始半径(Ri)のオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)の値を特定し、制御ユニットに入力しなければならない。オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)は、荷電粒子がそれに沿って案内される平均不安定性開始半径(Ri)の軌道の中心を十分にずらすのに必要な平均不安定性開始半径(Ri)での磁場バンプの最小振幅である。オフセットは、このようにずらされた軌道上で、対称(N)の主磁場(B)によってこの軌道上の高調波数2と高調波数2の勾配の組合せを生成するのに十分でなければならない。この組合せは、平均半径R≧Riの連続軌道の共鳴不安定性を生じさせるのに十分に大きくなければならない。半径方向のチューン(vr)、主磁場のz成分(Bz)、対称性(N)の度合い、その他を含むシンクロサイクロトロンの主要パラメータの値がわかれば、当業者は、シンクロサイクロトロンを設計する際に、平均半径(R)の何れの値に関するオフセット振幅でも特定できる。オフセット振幅(ΔBz0(R,vr))の例は、図5(d)においてRに関して、及び例えば図5(b)に示される半径方向のチューンの値について、太い実線で概略的に表されている。
図5(d)を参照すると、エネルギー(Ei)の荷電粒子のビームが辿る平均半径(Ri)(平均不安定性開始半径と呼ばれる)の軌道は、磁場バンプの振幅(ΔBz(Ri))を平均不安定性開始半径(Ri)でのオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))の値と等しくなるように設定し、それと同時に、磁場バンプの振幅(ΔBz(Ri))が平均不安定性開始半径(Ri)より小さい平均半径(R)のすべての値についてオフセット振幅(ΔBz0(R,vr))の値より確実に低くすることによって、シンクロトロンの中心に関してずらすことができる。換言すれば、ある方位角セクタについて、及びひいてはθc/2πのある値について、ΔBz(Ri)=ΔBz0(Ri,vr)、且つΔBz(Rk)<ΔBz0(Rk,vr)、∀Rk<Riとなる。これは、図5(d)で点線の曲線(ii)により示されている。これによって、荷電粒子が辿る平均半径Rk<Riの軌道は、振幅(ΔBz(Rk))の摂動に係わらず安定したままであることが確実となり、それは、ΔBz(Rk)<ΔBz0(Rk,vr)であるからである(図5(d)参照:磁場バンププロファイル(ii)(点線)はRiより低いすべての値について、曲線ΔBz0(R,vr)(太い実線)より低い)。半径R>Riでの磁場バンプの振幅(ΔBz(R))は、オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))より大きくすることができ、それは、平均不安定性開始半径(Ri)の軌道をずらすことによって、ヒームは磁場バンプがない場合のように、より大きい半径の軌道について同じ軌跡を辿らないからである。
エネルギー(Ej)又は(Ek)のビームを取り出すために平均不安定性開始半径(Rj)又は(Rk)の異なる軌道をずらそうとする場合、磁場バンプの振幅(ΔBz(Rj))又は(ΔBz(Rk))は以下のように設定される:図5(d)の短い破線(ij)で示されるようにΔBz(Rj)=ΔBz0(Rj,vr)、且つΔBz(R)<ΔBz0(Rj,vr)、∀R<Rj、又は図5(d)の長い破線(ik)で示されるように、ΔBz(Pk)=ΔBz0(Rk,vr)且つΔBz(R)<ΔBz0(Rk,vr)、∀R<Rk。
(R1)と(R2)との間に含まれる何れの平均不安定性開始半径(Ri)におけるオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)の値も、平均不安定性開始半径(Ri)における主磁場のz成分(Bz)の平均値の0.001%~1%のオーダ、好ましくはBz(Ri)の0.002%~0.7%の、より好ましくは0.005%~0.05%の、最も好ましくは0.021%±0.02%のオーダである。例えば、平均不安定性開始半径(Ri)での4Tのオーダの主磁場のz成分(Bz)に関して、オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)は、平均不安定性開始半径(Ri)での半径方向のチューン(vr(Ri))の値に応じて、0.025T±0.02Tのオーダとすることができる。
共鳴不安定性
平均不安定性開始半径(Ri)の軌道は、前述のようにシンクロサイクロトロンの中心に関してずらすことができる。このように作られる軌道のオフセットは、追従軌道をドリフトする軌道内の共鳴不安定性を生成することによって利用されなければならない。「追従軌道」とは、本明細書においては、平均不安定性開始半径(Ri)と等しいか、又はそれより大きい平均半径の軌道と定義される。一般に、k vr+l vz=m、k,l,
Figure 0007288473000003
という共鳴を生じさせる条件が受け入れられている。例えば、l=0且つk=m=2により2vr=2が得られることは、磁場内の高調波数2の振幅と高調波数2の振幅の半径方向の勾配との組合せにより駆動されるビームを取り出すために使用できる。これは一般に、従来のシンクロサイクロトロンでは、ピーラリジェネレータシステムと呼ばれる鉄のバー又はコイルの集合により生成される。
本発明において、平均不安定性開始半径(Ri)の軌道が中心軸(z)に関してずらされると、追従軌道は主磁場にさらされ、そのz成分(Bz)は、例えば図5(e)においてN=3について示されているように、中心軸(z)に関する対称性(N)を有する。しかしながら、この対称性は、追従軌道のオフセット中心に関していない。(Ri)と等しいか、それより大きい平均半径の軌道(=追従軌道)に関するオフセット対称(N)の主磁場にビームをさらすことにより、追従軌道の高調波数2と高調波数2の勾配との組合せが作られる。高調波数2と高調波数2の勾配の組合せの大きさは、平均半径R≧Riの連続軌道の共鳴不安定性を生じさせるように容易に決定できる。
第一及び第二の磁場整形ユニット(41、42)の対称性(N)は、追従軌道の中心が中心軸(z)から遠くにドリフトする際にビームの垂直方向の安定性(z方向)を保持するように構成されるべきである。磁場バンプの大きさ(ΔBz(Ri))は、ドリフトする追従軌道が追従軌道中に強力な第二次高調波成分を発生させるのに十分なオフセットを生じさせなければならない。第一及び第二の磁場整形ユニットの対称性(N)は好ましくは奇数(N=2n+1、
Figure 0007288473000004
)であり、これは、それによって軌道中での共鳴高調波数2の形成が容易になるからである。第二次高調波成分は、Nが偶数(N=2n、n>1且つ
Figure 0007288473000005
)の対称性(N)の追従軌道の中で生成でき、その磁場バンプは奇数の対称性(N=2n+1)の場合よりわずかに高い振幅(ΔBz(Ri))を有する。Nは好ましくは3と等しい(すなわち、N=3)。
追従軌道間の間隔は、取出し前に不安定なドリフトが継続する回転数と共に増大する。追従軌道の不安定なドリフトは、連続軌道間に、軌道が磁場整形ユニットの浮遊磁場に到達したときのエネルギー間に角度と位置においてより大きなオフセットを得るのに十分な間隔が開けられるようにするために、好ましくは少なくとも5回転、好ましくは少なくとも10回転、より好ましくは少なくとも20回転継続する。
不安定性コイルユニット(51、52)
低半径(R1)と高半径(R2)との間に含まれる平均半径(Ri)の何れかの軌道における、相対角度(θc/2π)の方位角セクタ内に画定され、大きさΔBz(Ri)=ΔBz0(Ri,vr)を有し、それと同時にΔBz(Rk)<ΔBz0(Rk,vr)、∀Rk<Riを有する磁場バンプは、少なくとも低及び高半径(R1、R2)間で半径方向に延びる第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)により形成できる。第一及び第二の不安定コイルユニット(51、52)の正中面(P)への投射である図3に示されるように、これらは少なくとも部分的に、好ましくはπ/3 radより小さい(すなわち、θc<π/3)、より好ましくはπ/4 radより小さい(すなわち、θc<π/4)、最も好ましくはπ/6 radより小さい(すなわち、θc<π/6)、ある方位角(θc)内に含まれる方位角セクタにより円周方向に画定されるエリアの中に位置付けられる。
図1、2、及び5(d)に示されるように、第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)は、方位角(θc)及び半径方向に少なくとも(R2-R1)と等しい長さの所望の方位角セクタに適合する、実質的に台形又は三角形のコイルのペアの形態とすることができる。半径方向に増大する振幅(ΔBz(R)・θc/2π)の磁場バンプは、第一及び第二の不安定性コイルユニットを分離する距離を、低半径(R1)での振幅(ΔBz(R1)・θc/2π)が高半径(R2)での振幅(ΔBz(R2)・θc/2π)より小さくなるように、半径方向に減少させることによって形成できる。第一及び第二の不安定性コイルユニットを分離する距離は、線形に増大させることができ、すなわち、第一及び第二の不安定性コイルユニットは、半径方向に延びるまっすぐの半径方向区画を有する。例えば、第一及び第二の不安定コイルユニット(51、52)の各々は、正中面(P)と5~30度、好ましくは10~25度の角度を成すことができる。代替的に、この距離は、非線形に、湾曲した半径部分を有するように減少させることができる。
代替的に、磁場バンプの振幅(ΔBz(R)・θc/2π)は、方位角セクタ内のコイルの2つ又はそれ以上のペアの連続を半径方向に整列させることによって半径方向に増大させることができ、各々、中心軸(z)のより近くに配置されたコイルの隣接するペアより高い振幅(ΔBz(R)・θc/2π)の、又は中心軸(z)からより遠ざかるコイルの隣接するペアより低い振幅(ΔBz(R)・θc/2π)の磁場バンプを生成するように構成される。
コイルを用いて磁場バンプを作ることによって、磁場バンプの振幅プロファイル(ΔBz(R))は、単にコイルに供給される電流の量を変えることによって、低値と高値との間に含まれる様々なレベルで変化させることができる。磁場バンプの振幅(ΔBz(R))の全体的プロファイルは、例えばスケーリング、上下へのシフト、又は両方の組合せによって変化させることができる。
第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)は、好ましくは、谷セクタ(44v)の中に配置される。これには2つの主な利点がある。第一に、谷セクタ(44v)のギャップ高さ(Hv)は山セクタ(44h)のギャップ高さ(Hh)より大きいため、第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)を取り付ける余地がより大きくなる(図1参照)。第二に、主磁場のz成分(Bz)は山セクタより谷セクタのほうが低いため(図5(e)参照)、平均不安定性開始半径(Ri)の軌道をずらすのに十分な不安定性を作るために、より低い振幅(ΔBz(R))の磁場バンプが必要とされる。
取出し
図4(a)及び4(b)に示されるように、平均不安定性開始半径(Ri)(Riは図4(a)においてR1に近く、Riは図4(b)においてR2に近い)の軌道内の不安定性により、追従軌道のドリフトが生じ、これはビームが、追従軌道の中心に関してずれた、対称性(N)を有する磁場内で加速するのに伴い、共鳴する。軌道のドリフトは、ビームを磁場整形ユニット(41、42)の縁辺における浮遊磁場に向かって駆動し、そこでこれは鉄のバー又はコイル(47)により形成可能な磁気チャネルによってヨーク(7)を通る出口ポート(49)へと案内できる。
浮遊電場へのビームの角度と入射地点は、ビームのエネルギーに依存する。ビームのドリフトの方向と生成プロセスを制御することによって、異なるエネルギーのビームの角度と入射地点は、異なるものの、限定的な領域内に集中させることができ、そこで磁気チャネルは異なるエネルギーのビームを、好ましくは1つの出口ポート(49)を通じて駆動できる。1つの出口ポートを通じて異なる位置及び角度で浮遊磁場に入る異なるエネルギーのビームを案内することは、例えば(特許文献9)に記載されているように、当業者により実行されることができる。
異なるエネルギーの荷電粒子ビームを取り出す方法
本発明のシンクロサイクロトロンは、低及び高エネルギー(E1,E2)間の広い範囲のエネルギーのビームを、第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)の単純なチューニングにより、以下のステップを含む方法によって取り出すことができるという点で非常に有利である。
第一に、
・荷電粒子が、低及び高エネルギー(E1,E2)での荷電粒子の中心軸(z)に関するそれぞれ平均半径位置に対応する、低半径(R1)と高半径(R2)の間に含まれる、その軌道の対応する平均不安定性開始半径(Ri)において取出しエネルギー(Ei)に到達し、
・連続的軌道の半径方向のチューン(vr(R))が、低及び高半径(R1、R2)間に含まれる平均半径のすべての値について、1と等しくなく、1±0.1内、好ましくは1±0.025内、より好ましくは1.002≦|vr|≦1.015である
ように構成された前述のシンクロサイクロトロンを提供する。
次に、取り出される荷電粒子の取出しエネルギー(Ei)の値を選択する。取出しエネルギー(Ei)の荷電粒子の平均半径(Ri)の軌道の中心を、平均半径R≧Riの連続的軌道の共振不安定性が生成されるようにずらすのに必要なオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)の値を特定する。本発明の要旨は、磁場バンプの振幅を、平均半径(Ri)より小さい平均半径のすべての値について、磁場バンプの振幅(ΔBz(Ri))が平均不安定性開始半径(Ri)においてオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))と等しく、且つオフセット振幅(ΔBz0(R,vt))より低くなるように調整することである。これは、単に第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)に供給される電流の量を変化させて、振幅(ΔBz(R))のプロファイルが、例えばスケーリング、シフトアップ及びダウン、又はこれら2つの組合せによって変化させることで容易に実行できる。
本発明は、取出しエネルギーのチューニングを非常に容易に素早く行えるという点と、その主磁場を、所望のプロファイル及び半径方向チューン(vr)が得られるようになすことのできる既存のシンクロサイクロトロンに、本発明の方法を実行するために第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)を備え付けることができるという点で、非常に有利である。
1 シンクロサイクロトロン
6 ギャップ
7 ヨーク
31 第一の主コイル
32 第二の主コイル
41 第一の磁場整形ユニット
42 第二の磁場整形ユニット
44h 山セクタ
44v 谷セクタ
47 ピーラレジェネレータ
49 出口ポート
51 第一の不安定性コイルユニット
52 第二の不安定性コイルユニット
B 主磁場
Bz 主磁場のz成分
E1 低エネルギー
E2 高エネルギー
Em 最大又は公称取出しエネルギー
Hh 山の高さ
Hv 谷の高さ
ii,ij,ik Ri,Rj,RkでΔBz0(Ri,vr)と交差する磁場バンププロファイル
N 主磁場対称性
P 正中面
R 軌道の平均半径
R1 取出し低エネルギーE1に対応する低(平均)半径
R2 取出し高エネルギーE2に対応する高(平均)半径
Ri,j,k 軌道i,j,kの平均半径
ΔBz(R) 磁場バンプの振幅
ΔBz0(R,vr) Rに関するオフセット振幅(曲線)
ΔBz0(Ri,vr) 平均半径Riでのオフセット振幅
vr 半径チューン
θ 方位角
θc 不安定性コイルユニットの方位角範囲
θc/2π 方位角セクタの相対角度

Claims (12)

  1. 低エネルギー(E1)と高エネルギー(E2)との間に含まれる何れかの取出しエネルギー(Ei)まで加速された荷電粒子を取り出すためのシンクロサイクロトロンにおいて、
    ・共通の中心軸(z)上に中心を置き、前記中心軸(z)に垂直で、前記シンクロサイクロトロンの対称面を画定する正中面(P)のそれぞれの側に相互に平行に配置された少なくとも第一の主コイル(31)及び第二の主コイル(32)であって、電力源によって作動されると、主磁場(B)を発生させるように構成された、少なくとも第一の主コイル(31)及び第二の主コイル(32)と、
    ・前記荷電粒子を加速させるために可変周波数のRF振動電場を生じさせるように構成されたディー(21)と、
    ・前記主磁場(B)を整形し、それゆえ、前記荷電粒子を、前記中心軸(z)上に中心を置く増大する平均半径(R)の連続軌道に沿って案内するための第一の磁場整形ユニット(41)と第二の磁場整形ユニット(42)であって、前記正中面(P)のそれぞれの側で前記第一の主コイル(31)及び前記第二の主コイル(32)の中に配置され、ギャップ(6)によって相互に分離され、前記中心軸(z)の周囲に少なくとも3の対称性で交互に分散された、同じ次数(N)の対称性で前記主磁場を整形するための山セクタ(44h)と谷セクタ(44v)を含む、第一の磁場整形ユニット(41)と第二の磁場整形ユニット(42)と、
    ・前記正中面(P)のそれぞれの側に配置され、電力源によって作動されると、前記主磁場のz成分(Bz)において、局所化された磁場バンプを作るように構成された第一の不安定性コイルユニット(51)と第二の不安定性コイルユニット(52)と、
    を含み、
    ・前記シンクロサイクロトロンは、前記低及び高エネルギー(E1,E2)での前記荷電粒子のそれぞれの平均半径方向位置に対応する低半径(R1)と高半径(R2)との間に含まれる前記平均半径(R)のすべての値について、前記連続軌道の半径方向のチューン(vr)が1と等しくなく、1±0.1以内となるように前記主磁場の前記z成分(Bz)を制御するように構成され、
    ・前記第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)は、前記低半径(R1)での第一の磁場バンプ振幅値(ΔBz(R1))と前記高半径(R2)での第二の磁場バンプの振幅値(ΔBz(R2))との間で半径方向に増大する振幅(ΔBz(R))で、方位角(θc)の方位角セクタの中に前記磁場バンプを生じさせるように構成され、
    ・前記シンクロサイクロトロンは、低値と高値との間に含まれる様々なレベルにおいて前記磁場バンプの前記振幅(ΔBz(R))を調整して、前記低及び高半径(R1、R2)間に含まれる平均不安定性開始半径(Ri)のすべての値について、前記平均不安定性開始半径(Ri)の前記磁場バンプの前記振幅(ΔBz(Ri))の値が、
    〇前記平均不安定性開始半径(Ri)のオフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))の値と等しく、
    〇前記平均不安定性開始半径(Ri)より小さい前記平均半径(R)のすべての値について、前記オフセット振幅(ΔBz0(R,vr))の値より小さくなる
    ように構成された制御ユニットを含み、
    前記オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)は、前記荷電粒子が軌道に沿って案内される前記平均不安定性開始半径(Ri)の軌道の前記中心をオフセットするために必要な、そして、平均半径R≧Riの前記連続軌道の共鳴不安定性を発生させるために必要な、前記平均不安定性開始半径(Ri)での前記磁場バンプの最小振幅であことを特徴とするシンクロサイクロトロン。
  2. 請求項1に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記第一及び第二の不安定性コイルユニットの投影は、π/3より小さい前記方位角(θc)内に含まれ、半径方向に前記低及び高半径(R1、R2)間にある方位角区画によって円周方向に画定されるエリア内に配置されることを特徴とする、シンクロサイクロトロン。
  3. 請求項2に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)は、方位角(θc)の、及び前記半径方向に(R2-R1)と少なくとも等しい長さの前記方位角セクタに適合する寸法の台形又は三角形のコイルのペアの形態であり、前記第一及び第二の不安定性コイルユニットを分離する距離は半径方向に減少し、それによって前記低半径(R1)での前記振幅(ΔBz(R1))は前記高半径(R2)での前記振幅(ΔBz(R2))より小さいことを特徴とする、シンクロサイクロトロン。
  4. 請求項3に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記第一及び第二の不安定性コイルユニットを分離する前記距離は、前記半径方向に沿って線形に減少し、前記第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)の各々は、前記正中面(P)と5~30度に含まれる角度を成すことを特徴とする、シンクロサイクロトロン。
  5. 請求項2に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)は、前記方位角セクタ内で半径方向に整列するコイルの2又はそれより多いペアの連続により形成され、各コイルペアは、前記中心軸(z)により近くにある隣接する前記コイルペアより高い振幅(ΔBz(R))の、又は前記中心軸(z)からより遠くにある隣接する前記コイルペアより低い振幅(ΔBz(R))の磁場バンプを生成するように構成されることを特徴とする、シンクロサイクロトロン。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記低及び高半径(R1、R2)間に含まれる前記平均不安定性開始半径(Ri)のすべての値について、前記平均不安定性開始半径(Ri)での前記オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)は、ΔBz0(Ri,vr)・θc/2πが前記平均不安定性開始半径(Ri)での前記主磁場(B)の前記z成分(Bz)の平均値の0.001%~1%に含まれるように画定されることを特徴とする、シンクロサイクロトロン。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記シンクロサイクロトロンは取出しの公称エネルギー(Em)を有し、前記低エネルギー(E1)はEmの20%~75%に含まれ、前記高エネルギー(E2)はEmの80%~100%に含まれることを特徴とする、シンクロサイクロトロン。
  8. 請求項2に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記第一及び第二の不安定性コイルユニットの投影は、π/4より小さい前記方位角(θc)内に含まれる方位角区画によって円周方向に画定されるエリア内に配置される、シンクロサイクロトロン。
  9. 請求項4に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記第一及び第二の不安定性コイルユニット(51、52)の各々は、前記正中面(P)と10~25度に含まれる角度を成すことを特徴とすることを特徴とするシンクロサイクロトロン。
  10. 請求項6に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記平均不安定性開始半径(Ri)での前記オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr)・θc/2π)は、ΔBz0(Ri,vr)・θc/2πが前記平均不安定性開始半径(Ri)での前記主磁場(B)の前記z成分(Bz)の平均値の0.005%~0.05%に含まれるように画定されることを特徴とするシンクロサイクロトロン。
  11. 請求項7に記載のシンクロサイクロトロンにおいて、前記低エネルギー(E1)はEmのEmの30%~50%に含まれ、前記高エネルギー(E2)はEmの90%又は95%~99%に含まれることを特徴とすることを特徴とするシンクロサイクロトロン。
  12. 低エネルギー(E1)と高エネルギー(E2)との間に含まれる取出しエネルギー(Ei)のあらゆる値でシンクロサイクロトロンから荷電粒子を取り出す方法において、
    ・請求項1~7の何れか1項に記載のシンクロサイクロトロンであって、
    〇前記荷電粒子が、前記低及び高エネルギー(E1,E2)での前記荷電粒子の前記中心軸(z)に関するそれぞれの平均半径方向位置に対応する低半径(R1)と高半径(R2)との間に含まれる、その前記軌道の対応する平均不安定性開始半径(Ri)で前記取出しエネルギー(Ei)に到達し、
    〇前記連続軌道の半径方向のチューン(vr(R))が、前記低及び高半径(R1,R2)間に含まれる前記平均半径のすべての値について、1と等しくなく、1±0.1、内に含まれるように構成されるシンクロサイクロトロンを提供するステップと、
    ・取り出される前記荷電粒子の前記取出しエネルギー(Ei)の値を選択するステップと、
    ・前記取出しエネルギー(Ei)での前記荷電粒子の平均半径(Ri)の前記軌道の中心をずらし、それゆえ平均半径、R≧Riの前記連続軌道の共鳴不安定性を生じさせるのに必要な前記オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))・θc/2πの値を特定するステップと、
    ・前記磁場バンプの前記振幅(ΔBz(Ri))・θc/2πが前記平均不安定性開始半径(Ri)での前記オフセット振幅(ΔBz0(Ri,vr))・θc/2πと等しく、前記平均半径(Ri)より小さい前記平均半径のすべての値について前記オフセット振幅(ΔBz0(R,vr))・θc/2πより低くなるように前記磁場バンプの大きさを調整するステップと、
    ・出口ポート(49)を通じて前記シンクロサイクロトロンからビームを取り出すステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
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